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JPH0971706A - 硬化性樹脂組成物、塗料組成物および塗膜形成方法 - Google Patents

硬化性樹脂組成物、塗料組成物および塗膜形成方法

Info

Publication number
JPH0971706A
JPH0971706A JP16284196A JP16284196A JPH0971706A JP H0971706 A JPH0971706 A JP H0971706A JP 16284196 A JP16284196 A JP 16284196A JP 16284196 A JP16284196 A JP 16284196A JP H0971706 A JPH0971706 A JP H0971706A
Authority
JP
Japan
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group
ethylenically unsaturated
weight
unsaturated monomer
resin composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP16284196A
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English (en)
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JP3645037B2 (ja
Inventor
Yasuo Tanaka
八州生 田中
Takeshi Takagi
雄 高木
Nariyuki Sasaki
成幸 佐々木
Makoto Shimizu
誠 清水
Yoshitaka Okude
芳隆 奥出
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
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Publication date
Application filed by Nippon Paint Co Ltd filed Critical Nippon Paint Co Ltd
Priority to JP16284196A priority Critical patent/JP3645037B2/ja
Publication of JPH0971706A publication Critical patent/JPH0971706A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐候性、特に酸性雨に対する耐性に優れ、耐
擦り傷性、耐シーラー割れ性に優れる塗膜を提供する、
貯蔵安定性に優れた硬化性樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 (a)固形分を基準にして25〜300mgKOH/g
の酸価および500〜20000の数平均分子量を有するポリカ
ルボン酸20〜80重量%;および(b)(1)長鎖エポキシモノ
マー10〜60重量%と、(2)エポキシ基を有しないエチレ
ン性不飽和モノマー40〜90重量%とを、共重合すること
により得られる、100〜800のエポキシ当量および500〜2
0000の数平均分子量を有するポリエポキシド20〜80重量
%;を含有する硬化性樹脂組成物(但し、成分(a)および
(b)の配合量は硬化性樹脂組成物中の全固形分の重量を
基準とする。)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車用上塗り塗料およ
びコイルコーティング塗料に好適に用いられる硬化性樹
脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の上塗り塗料として用いられるバ
インダーには水酸基含有ポリマーとメラミン樹脂硬化剤
とを組み合わせて用いることが一般的である。しかしな
がら、このようなメラミン樹脂を硬化剤として用いるこ
とにより得られる硬化皮膜は一般に耐酸性に劣る。した
がって、このような皮膜は近年問題となっている酸性雨
により特に劣化され易く、外観上の不具合を生じる。
【0003】メラミン樹脂を硬化剤として用いることに
より得られる皮膜が耐酸性に劣るのはメラミン樹脂中の
トリアジン核に起因すると考えられている。したがっ
て、メラミン樹脂を硬化剤として用いる限り耐酸性に劣
る欠点は解消されない。
【0004】特開平2-45577号および特開平3-287650号
において、メラミン樹脂を使用しない新規な被覆組成物
が提案されている。同様の塗料組成物は、米国特許第2,
977,334号(ゾフ(Zopf)ら)、同第3399109号(チンマーマ
ン(Zimmerman)ら)および同第3,528,935号(マリオン(Mar
ion)ら)にも開示されている。このような塗料組成物は
酸基とエポキシ基とを反応させることにより生じるエス
テル結合を架橋点とするので耐酸性は従来のアクリル/
メラミン系に比べて良好である。
【0005】しかしながら、洗車機等を用いる自動車洗
浄の際にブラシの傷が付き易いという欠点を有する。さ
らに、この硬化系では塗膜に十分な洗車の際の耐傷性を
付与するために架橋密度を上げた場合に塗膜の伸びが低
くなり、固くもろい塗膜が形成され易い。固くもろい塗
膜は、鋼板の間の隙間を埋めるための樹脂材料である自
動車用シーラーを用いる塗装工程において、ウエット・
オン・ウエットで焼付けた場合にシーラーの膨張収縮に
対応できずクラックを生じ易い。従って、単に架橋密度
を上げただけの塗膜は、洗車などの場合にも十分な耐す
り傷性を有さず、上塗り塗膜として用いることは困難で
ある。
【0006】このような欠点を解消するために、本発明
者らは、特願平6-15152号においてソフトセグメントを
有する酸成分を導入した塗料組成物を開示した。しかし
ながら、この塗料組成物は硬化性および貯蔵安定性に劣
り、耐すり傷性も不十分である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の問
題を解決するものであり、その目的とするところは、耐
候性、耐酸性および耐すり傷性に優れた塗膜を提供しう
る、硬化性および貯蔵安定性に優れた熱硬化性樹脂組成
物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)固形分を
基準にして25〜300mgKOH/gの酸価および500〜20000の数
平均分子量を有するポリカルボン酸20〜80重量%;およ
び(b)(1)式
【化7】 [式中、Rは水素原子またはメチル基であり、Xは炭素数
2〜6の直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和炭化水素
部分であり、Yは炭素数4〜6の直鎖アルキレン基であ
り、mは1〜6の整数であり、nは0〜6の整数であ
る。]で示されるエポキシ基含有エチレン性不飽和モノ
マー10〜60重量%と、(2)エポキシ基を有しないエチレ
ン性不飽和モノマー40〜90重量%とを、共重合すること
により得られる、100〜800のエポキシ当量および500〜2
0000の数平均分子量を有するポリエポキシド20〜80重量
%;を含有する硬化性樹脂組成物(但し、成分(a)および
(b)の配合量は硬化性樹脂組成物中の全固形分の重量を
基準とする。)。を提供するものであり、そのことによ
り上記目的が達成される。
【0009】本発明の硬化性樹脂組成物に用いるポリカ
ルボン酸(a)は、1分子中に平均2個以上のカルボキシ
ル基を有するポリカルボン酸である。このポリカルボン
酸は、固形分を基準にして25〜300mgKOH/g、好ましくは
50〜250mgKOH/g、より好ましくは100〜200mgKOH/gの酸
価、および500〜20000、好ましくは1000〜15000、より
好ましくは1300〜14000の数平均分子量(Mn)を有する。
【0010】このポリカルボン酸は、カルボキシル基含
有エチレン性不飽和モノマー5〜80重量%、好ましくは
5〜70重量%、より好ましくは5〜65重量%と、カルボ
キシル基を有しないエチレン性不飽和モノマー20〜95重
量%、好ましくは30〜95重量%、より好ましくは35〜95
重量%とを公知の方法で共重合させることにより得るこ
とが好ましい。
【0011】共重合は、例えば、ラジカル重合開始剤と
してアゾ系開始剤またはパーオキサイド系開始剤をエチ
レン性不飽和モノマーの合計100重量部に対して0.
5から15重量部の量で用い、重合温度80〜200
℃、重合時間3〜10時間で常圧または加圧下で行う。
連鎖移動剤のような他の添加剤も用いうる。
【0012】カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノ
マーの具体例には、例えば、アクリル酸、メタクリル
酸、イタコン酸、マレイン酸、およびこれらとε−カプ
ロラクトンの付加物(例えば、東亜合成化学社製「アロニ
ックスM−5300」)等、水酸基含有エチレン性不飽和
モノマーと酸無水物基含有化合物との付加物、および酸
無水物基含有エチレン性不飽和モノマーとモノアルコー
ルとの付加物等が挙げられる。これらは1種または2種
以上組み合わせて用いることができる。
【0013】ここで用いうる水酸基含有エチレン性不飽
和モノマーは特に限定されないが、好ましくは炭素数6
〜23を有するものである。具体的には、(メタ)アクリル
酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシ
プロピル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシブチル、(メ
タ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6
-ヒドロキシヘキシルおよびこれらのε-カプロラクトン
との反応物のような化合物、および(メタ)アクリル酸と
大過剰のジオール(例えば、1,4ブタンジオール、1,6ヘ
キサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピ
レングリコール)をエステル化することにより得られる
化合物が挙げられる。
【0014】このような化合物は市販されており、例え
ば、三菱化成(株)製のアクリル酸4-ヒドロキシブチル「4
HBA」およびメタクリル酸4-ヒドロキシブチル「4HBMA」
等、ダイセル化学工業(株)社製「プラクセルFM-1」および
「プラクセルFA-1」等が挙げられる。プロピレンオキサイ
ド系モノマーとしては日本油脂社製の「ブレンマーPP-10
00」、「ブレンマーPP-800」およびエチレンオキサイド系
モノマーとしては、「ブレンマーPE-90」がある。
【0015】酸無水物基含有化合物は、室温〜150℃、
常圧のような通常の反応条件において水酸基とハーフエ
ステル化反応することによりカルボキシ官能性を提供す
るものであれば特に限定されない。ここでは、炭素数8
〜12、特に8〜10を有する環状(不飽和もしくは飽和)の
基を有する酸無水物基含有化合物を用いることが好まし
い。このような化合物を用いると得られる樹脂の相溶性
が良好となるからである。好ましい酸無水物基含有化合
物の具体例には、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタ
ル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、4-メチルヘキサヒド
ロ無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水コハク酸等
が挙げられる。
【0016】ここで用いる酸無水物基含有エチレン性不
飽和モノマーの具体例には、無水イタコン酸、無水マレ
イン酸および無水シトラコン酸等が挙げられる。
【0017】ここで用いるモノアルコールの具体例には
メタノール、エタノール、n-プロパノール、i-プロパノ
ール、n-ブタノール、i-ブタノール、t-ブタノール、n-
ヘキシルアルコール、ラウリルアルコール、メチルセロ
ソルブ、エチルセロソルブ、メトキシプロパノール、エ
トキシプロパノール、フリフリルアルコール、アセトー
ル、アリルアルコールおよびプロパルギルアルコール等
が挙げられる。
【0018】カルボキシル基を有しないエチレン性不飽
和モノマーの具体例には、スチレン、α-メチルスチレ
ン、p-t-ブチルスチレン、(メタ)アクリル酸エステル
(例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸
エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸
-n、i、およびt-ブチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘ
キシルおよび(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリ
ル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボロニル
等)、シェル社製のVeoVa-9およびVeoVa-10等が挙げられ
る。カルボキシル基を有しないエチレン性不飽和モノマ
ーとしてスチレンおよびスチレン誘導体を用いる場合
は、5〜40重量%の量で使用するのが好ましい。
【0019】好ましくは、本発明の硬化性樹脂組成物の
ポリカルボン酸(a)として、ポリマー主鎖において隣接
する炭素原子にそれぞれ結合した、カルボキシル基とカ
ルボキシレート基とを有するポリカルボン酸(a)が用い
られる。得られる塗膜の耐酸性が向上するからである。
カルボキシル基とカルボキシレート基とを有するポリカ
ルボン酸(a)は、例えば、ポリ酸無水物(a)(1)とモノア
ルコール(a)(2)とを反応させることにより得られる。
【0020】ポリ酸無水物(a)(1)は、酸無水物基含有エ
チレン性不飽和モノマー(a)(1)(i)10〜50重量%、好ま
しくは10〜30重量%と;酸無水物基を有しないエチレン
性不飽和モノマー(a)(1)(ii)50〜90重量%、好ましくは
70〜90重量%とを;共重合させることにより得られる。
酸無水物基含有エチレン性不飽和モノマー(a)(1)(i)の
量が10重量%を下回ると得られる硬化性樹脂組成物の硬
化性が不足し、50重量%を上回ると貯蔵安定性が低下す
る。酸無水物基含有エチレン性不飽和モノマー(a)(1)
(i)の具体例には、既に説明したものが挙げられる。
【0021】酸無水物基を有しないエチレン性不飽和モ
ノマー(a)(1)(ii)は酸無水物基に悪影響を与えないもの
であれば特に限定されず、エチレン性不飽和結合を一つ
有する炭素数3〜15、特に3〜12のモノマーであること
が好ましい。具体的には、カルボキシル基を有しないエ
チレン性不飽和モノマーとして上述したモノマーが挙げ
られる。
【0022】2種以上のエチレン性不飽和モノマーを混
合して酸無水物基を有しないエチレン性不飽和モノマー
(a)(1)(ii)として用いることも可能である。樹脂同士の
相溶性を向上させるのに有効だからである。
【0023】アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸お
よびマレイン酸等既に具体的に列挙したカルボキシル基
含有エチレン性不飽和モノマー(a)(1)(iii)も酸無水物
基を有しないエチレン性不飽和モノマー(a)(1)(ii)とし
て用いうる。尚、酸無水物基を有しないエチレン性不飽
和モノマー(a)(1)(ii)のうち、カルボキシル基含有モノ
マー(a)(1)(iii)以外のものを、以下、「酸無水物基およ
びカルボキシル基を有しないエチレン性不飽和モノマー
(a)(1)(iv)」という。
【0024】この場合、ポリ酸無水物(a)(1)は、酸無水
物基含有エチレン性不飽和モノマー(a)(1)(i)10〜50重
量%、好ましくは10〜30重量%と;カルボキシル基含有
エチレン性不飽和モノマー(a)(1)(iii)5〜90重量%、
好ましくは10〜90重量%と;酸無水物基およびカルボキ
シル基を有しないエチレン性不飽和モノマー(a)(1)(iv)
0〜85重量%、好ましくは0〜80重量%とを;共重合さ
せることにより得られる。カルボキシル基含有エチレン
性不飽和モノマー(a)(1)(iii)の量が5重量%を下回る
と得られる塗膜の耐擦傷性が低下し、90重量%を上回る
と得られる硬化性樹脂成物の硬化性が不足する。
【0025】カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノ
マー(a)(1)(iii)として、これらとε−カプロラクトン
との付加物(例えば、東亜合成化学社製「アロニックスM-
5300」)のようなエチレン性不飽和基とカルボキシル基と
の間に炭素数5〜20個程度分のスペーサー部分を有する
長鎖カルボン酸モノマーを用いれば、塗膜の耐擦傷性が
向上し、特に好ましい。
【0026】また、水酸基含有エチレン性不飽和モノマ
ーと酸無水物基含有化合物とを水酸基と酸無水物基とが
モル比で1/0.5〜1/1.0、好ましくは1/0.8〜1/1.0となる
割合の量でハーフエステル化反応させることにより得ら
れるカルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマー(a)
(1)(iii)も好適に用いうる。このモル比が1/0.5以上に
なるとポリマー粘度が高くなりハンドリング性不良とな
る。1/1.0以下になると過剰の酸無水物が残り、塗膜の
耐水性が低下する。
【0027】ここで用いる水酸基含有エチレン性不飽和
モノマーの炭素数は6〜23であることが好ましく、6〜
13であることがさらに好ましい。この鎖長が短すぎると
架橋点近傍のフレキシビリティーがなくなるため固くな
りすぎ、長すぎると架橋点間分子量が大きくなりすぎる
からである。一般には、式
【0028】
【化8】 [式中、Rは水素原子またはメチル基であり、Jは、式
【化9】 (式中、Mは炭素数2〜8の直鎖もしくは分岐鎖のアル
キレン基であり、qは3〜7の整数であり、rは0〜4の
整数である。)で示す有機鎖、または、式
【化10】 (式中、Rは水素原子またはメチル基であり、sは2〜50
の整数である。)で示す有機鎖である。]
【0029】で示す構造を有する長鎖ヒドロキシモノマ
ーが挙げられる。
【0030】具体的には、カルボキシル基含有エチレン
性不飽和モノマーを調製するために既に列挙したものを
用いうる。ここで用いる酸無水物基含有化合物の具体例
には、既に列挙したものが挙げられる。
【0031】水酸基含有エチレン性不飽和モノマーと酸
無水物基含有化合物とのハーフエステル化の反応は通常
の方法に従い、室温から150℃の温度で行なわれる。
【0032】酸無水物基含有エチレン性不飽和モノマー
(a)(1)(i)と酸無水物基を有しないエチレン性不飽和モ
ノマー(a)(1)(ii)との共重合は、例えば上述の溶液ラジ
カル重合法のような公知の方法により行われる。
【0033】得られるポリ酸無水物の数平均分子量は50
0〜20000、また1000〜15000、特に1500〜14000とするこ
とが好ましい。数平均分子量が20000を上回ると樹脂同
士の相溶性が低下し、得られる塗膜の外観が低下する。
数平均分子量が500を下回ると硬化性樹脂組成物の硬化
性が不充分となる。なお、本発明で用いるポリマーの分
子量はGPC法により求められる。
【0034】得られるポリ酸無水物は、1分子中に平均
で少なくとも2個、好ましくは3〜25個の酸無水物基を
有する、1分子中に含有される酸無水物基が2個を下回
ると、硬化性樹脂組成物の硬化性が不充分となる。25個
を上回ると固くもろくなりすぎ、耐候性が不足する。
【0035】次いで、得られたポリ酸無水物(a)(1)を、
酸無水物基と水酸基とがモル比で1/10〜1/1、好ましく
は1/5〜1/1.3、より好ましくは1/2.0〜1/1となる割合の
量でモノアルコール(a)(2)と反応させることにより、カ
ルボキシル基とカルボキシレート基とを有するポリカル
ボン酸(a)を調製する。1/10を下回ると過剰のアルコー
ルが多すぎて硬化時にワキの原因となり、1/1を上回る
と未反応の無水物基が残り、貯蔵安定性が悪くなる。
【0036】本発明に用いうるモノアルコール(a)(2)
は、1〜12個、特に1〜8個の炭素原子を有することが
好ましい。加熱時アルコールが揮発し酸無水物基を再生
するのに良好だからである。好適に用い得るモノアルコ
ールの具体例には、カルボキシル基含有モノマーを調製
するために既に列挙したものが挙げられる。特に好まし
いものはアセトール、フリフリルアルコール、アリルア
ルコール、プロパルギルアルコール、エタノールおよび
メタノールである。
【0037】得られるカルボキシル基とカルボキシレー
ト基とを有するポリカルボン酸(a)は、固形分換算で25
〜300mgKOH/g、特に50〜250mgKOH/gの酸価を有すること
が好ましい。酸価が25mgKOH/gを下回ると得られる硬化
性樹脂組成物の硬化性が悪くなり、300mgKOH/gを上回る
と貯蔵安定性が悪くなる。
【0038】ポリカルボン酸(a)成分は、硬化性樹脂組
成物中の全固形分の重量を基準として20〜80重量%、好
ましくは30〜70重量%、より好ましくは35〜65重量%の
量で硬化性樹脂組成物に配合されうる。ポリカルボン酸
(a)成分の配合量が20重量%を下回ると得られる塗膜の
耐擦傷性が低下し、80重量%を越えると塗膜が軟らかく
なりすぎて耐酸性が低下する。
【0039】本発明の硬化性樹脂組成物に用いるポリエ
ポキシド(b)は、エチレン性不飽和基とエポキシ基との
間に炭素数5〜30個程度分のスペーサー部分を有する長
鎖エポキシモノマー(b)(1)と、エポキシ基を有しないエ
チレン性不飽和モノマー(b)(2)との共重合体である。
【0040】長鎖エポキシモノマー(b)(1)はエポキシ基
とエチレン性不飽和基とが離れている。したがって、こ
れを用いて調製されるポリエポキシド(b)は、主鎖から
離れてペンダントしたエポキシ基を有する。ここで、こ
のポリエポキシドを用いてポリカルボン酸を硬化させる
と、硬化塗膜のマトリックス中で架橋点近傍の自由度が
高くなる。その結果、硬化塗膜の伸び率が高くなり、そ
の耐擦傷性および耐シーラー割れ性が向上する。
【0041】長鎖エポキシモノマー(b)(1)の炭素数は9
〜26、特に9〜16であることが好ましい。この炭素数が
9を下回ると硬化塗膜の架橋点近傍の自由度が小さくな
りすぎて耐擦傷性および耐シーラー割れ性が低下し、26
を上回ると大きくなりすぎて得られる塗膜が軟らかくな
り過ぎ、また、硬化性樹脂組成物の硬化性も低下する。
【0042】好ましい長鎖エポキシモノマー(b)(1)は、
式(I)で示す化合物である。特に好ましい長鎖エポキシ
モノマー(b)(1)には、式
【0043】
【化11】
【0044】
【化12】
【0045】
【化13】
【0046】
【化14】
【0047】
【化15】
【0048】で示す化合物が挙げられる。
【0049】エポキシ基を有しないエチレン性不飽和モ
ノマー(b)(2)としては、ポリ酸無水物(a)(1)を調製する
ために酸無水物基を有しないエチレン性不飽和モノマー
(a)(1)(ii)として既に列挙したモノマーが挙げられる。
これらは1種または2種以上組み合わせて用いることが
できる。共重合も上述と同様に行いうる。
【0050】この場合、長鎖エポキシモノマー(b)(1)10
〜60重量%、好ましくは15〜40重量%と、エポキシ基を
有しないエチレン性不飽和モノマー(b)(2)40〜90重量
%、好ましくは60〜85重量%とを、共重合させる。モノ
マー(b)(1)の量が10重量%を下回ると得られる硬化性樹
脂組成物の硬化性が低下し、60重量%を上回ると得られ
る塗膜が硬くなりすぎて耐候性が不足する。
【0051】共重合の結果得られるポリエポキシド(b)
は、500〜20000、好ましくは1000〜10000、より好まし
くは1000〜8000の数平均分子量を有する。数平均分子量
が500を下回ると得られる硬化性樹脂組成物の硬化性が
低下し、20000を上回ると貯蔵安定性が低下する。ま
た、100〜800、好ましくは200〜800、より好ましくは30
0〜700のエポキシ当量を有する。エポキシ当量が800よ
り大きいと得られる硬化性樹脂組成物の硬化性が不充分
となり、100より小さいと貯蔵安定性が低下する。
【0052】また、水酸基含有エチレン性不飽和モノマ
ー(b)(3)も、エポキシ基を有しないエチレン性不飽和モ
ノマー(b)(2)として用いうる。本発明で用いるのに特に
好ましい水酸基含有エチレン性不飽和モノマー(b)(3)
は、酸無水物基を有しないエチレン性不飽和モノマー
(a)(1)(ii)を調製するために上述した、式(II)で示す構
造を有する長鎖ヒドロキシモノマーである。尚、エポキ
シ基を有しないエチレン性不飽和モノマー(b)(2)のう
ち、水酸基含有エチレン性不飽和モノマー(b)(3)以外の
ものを、以下、「エポキシ基および水酸基を有しないエ
チレン性不飽和モノマー(b)(4)」という。
【0053】水酸基含有エチレン性不飽和モノマー(b)
(3)をエポキシ基を有しないエチレン性不飽和モノマー
として用いた場合、得られる塗膜の密着性およびリコー
ト性等が向上する。また、水酸基含有エチレン性不飽和
モノマー(b)(3)を用いて得られる、水酸基とエポキシ基
とを有するポリエポキシド(b)は、後述するように、カ
ルボキシル基とカルボキシレート基とを有するポリカル
ボン酸(a)と、水酸基およびエポキシの両方の官能基に
おいて反応し結合するので、より強固で耐候性に優れる
塗膜を形成する。
【0054】この場合、長鎖エポキシモノマー(b)(1)10
〜60重量%、好ましくは15〜40重量%、さらに好ましく
は20〜40重量%と、水酸基含有エチレン性不飽和モノマ
ー(b)(3)5〜60重量%、好ましくは10〜50重量%、さら
に好ましくは15〜40重量%と、エポキシ基および水酸基
を有しないエチレン性不飽和モノマー(b)(4)0〜85重量
%、好ましくは10〜75重量%、さらに好ましくは20〜65
重量%とを、共重合させる。モノマー(b)(3)の量が5重
量%を下回ると得られる硬化性樹脂組成物の硬化性が低
下し、60重量%を上回ると貯蔵安定性が低下する。
【0055】上述の操作と同様にして、共重合の結果得
られる水酸基とエポキシ基とを有するポリエポキシド
(b)は30〜300、好ましくは50〜250、より好ましくは50
〜200の水酸基価を有する。水酸基価が30を下回ると得
られる硬化性樹脂組成物の硬化性が低下し、300を上回
ると得られる塗膜の耐水性が低下する。
【0056】この場合、水酸基とエポキシ基とを有する
ポリエポキシド(b)は、1分子中にエポキシ基を平均で
好ましくは2〜12個、より好ましくは3〜12個、および
水酸基を平均で好ましくは1〜20個、より好ましくは1
〜17個有する。
【0057】ポリエポキシド(b)成分は、硬化性樹脂組
成物中の全固形分の重量を基準として20〜80重量%、好
ましくは30〜70重量%、より好ましくは35〜65重量%の
量で配合されうる。ポリエポキシド(b)の量が20重量%
を下回ると得られる塗膜の耐酸性が低下し、80重量%を
越えると耐擦傷性が悪化する。
【0058】このようにして得られるポリカルボン酸
(a)およびポリエポキシド(b)を配合することにより本発
明の硬化性樹脂組成物が得られる。
【0059】ポリカルボン酸(a)およびポリエポキシド
(b)の配合は、当業者に周知の量および方法で行いう
る。ポリカルボン酸(a)としてカルボキシル基とカルボ
キシレート基とを有するポリカルボン酸を用い、ポリエ
ポキシド(b)として水酸基とエポキシ基とを有するポリ
エポキシドを用いる場合は、特に耐酸性および耐擦傷性
に優れた塗膜を形成する硬化性樹脂組成物が得られる。
【0060】その場合は、ポリカルボン酸(a)に含有さ
れるカルボキシル基とポリエポキシド(b)に含有される
エポキシ基とのモル比が1/1.2〜1/0.6、特に1/1.0〜1/
0.8となり、かつポリカルボン酸(a)に含有されるカルボ
キシレート基とポリエポキシド(b)に含有される水酸基
とのモル比が1/1.5〜1/0.5、特に1/1.4〜1/0.8となるよ
うな量で配合を行うことが好ましい。
【0061】ポリカルボン酸(a)に含有されるカルボキ
シル基とポリエポキシド(b)に含有されるエポキシ基と
のモル比が1/1.2を下回ると得られる塗膜が黄変し、1/
0.6を上回ると得られる硬化性樹脂組成物の硬化性が低
下する。ポリカルボン酸(a)に含有されるカルボキシレ
ート基とポリエポキシド(b)に含有される水酸基とのモ
ル比が1/1.5を下回ると得られる塗膜の耐水性が低下
し、1/0.5を上回ると得られる硬化性樹脂組成物の硬化
性が低下する。この配合量はそれぞれのポリマーの水酸
基価、酸価およびエポキシ当量から当業者に周知の計算
法により計算することができる。
【0062】このようにして得られる本発明の硬化性樹
脂組成物の硬化機構は、まず、加熱によりポリカルボン
酸(a)中のカルボキシル基とカルボキシレート基とが反
応してポリカルボン酸(a)中に酸無水物基が生成し、遊
離のモノアルコールが生成する。生成したモノアルコー
ルは蒸発することにより系外へ除去される。ポリカルボ
ン酸(a)中に生成した酸無水物基はポリエポキシド(b)中
に含有される水酸基と反応することにより架橋点を形成
し、再度カルボキシル基を形成する。このカルボキシル
基はポリエポキシド(b)中に存在するエポキシ基と反応
することにより架橋点を形成する。このように、2種類
のポリマーが相互に反応することにより硬化が進行して
高い架橋密度を提供することができる。
【0063】上記ポリカルボン酸(a)およびポリエポキ
シド(b)の他にも、本発明の硬化樹脂組成物には、例え
ば4級アンモニウム塩のような酸とエポキシとのエステ
ル化反応に通常用いられる硬化触媒を含んでも良い。本
発明の硬化性樹脂組成物に用い得る他の触媒の具体例に
は、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド及びブロ
ミド;テトラブチルアンモニウムクロリド、ブロミド、
サリチレート、グリコレート、パラトルエンスルホネー
ト、ナイトレート、ジブチルホスフェート及びジ−2−
エチルヘキシルホスフェート;トリメチルベンジルアン
モニウムジブチルホスフェート;トリメチルセチルアン
モニウムブチルホスフェート;オクチルトリメチルアン
モニウムジメチルホスフェート;ドデシルトリメチルア
ンモニウムジフェニルホスフェート等が挙げられる。こ
れらの触媒は混合して用いても良い。この触媒の配合量
は樹脂組成物固形分に対し0.1〜2.0重量%が好ましい。
【0064】また、特開平2-151651号公報および同2-27
9713号公報に記載のように、スズ系の触媒をこれらと併
用しても良い。スズ系触媒には、例えば、ジメチルスズ
ビス(メチルマレート)、ジメチルスズビス(エチルマレ
ート)、ジメチルスズビス(ブチルマレート)、ジブチル
スズビス(ブチルマレート)、ジブチルスズビス(ドデシ
ルベンゼンスルホネート)等が挙げられる。硬化触媒と
スズ触媒の配合量は樹脂組成物固形分に対し0.1〜3.0重
量%が好ましい。
【0065】塗装膜の耐候性向上をはかるために、紫外
線吸収剤およびヒンダードアミン光安定剤、酸化防止剤
等を加えても良い。さらにレオロジーコントロール剤と
して架橋樹脂粒子や、外観の調製の為表面調製剤を添加
しても良い。更にまた、粘度調製のための希釈剤として
アルコール系溶剤(例えば、メタノール、エタノール、
プロパノール、およびブタノール等)、ハイドロカーボ
ン系、およびエステル系等の溶剤を使用しても良い。
【0066】架橋樹脂粒子を用いる場合は、本発明の硬
化性樹脂組成物の樹脂固形分100重量部に対して0.01〜1
0重量部、好ましくは0.1〜5重量部の量で添加される。
架橋樹脂粒子の添加量が10重量部を上回ると外観が悪化
し、0.01重量部を下回るとレオロジーコントロール効果
が得られない。
【0067】また、本発明で用いる樹脂は酸性基を官能
基として有する。したがって、アミンで中和することに
より、水を媒体とする水性樹脂組成物とすることも可能
である。
【0068】本発明の硬化性樹脂組成物はクリア塗料組
成物として好適に用いられる。この場合は、ベース塗料
としては着色顔料含有水性塗料や着色顔料含有有機溶剤
型塗料が好適に用いられる。塗装に際しては、ベース塗
料を硬化させることなく、ベース塗装表面に本発明の硬
化性樹脂組成物を含有するクリア塗料を塗装した後に両
方の塗膜を硬化させる2コート1ベーク硬化方式が好適
に用いられる。
【0069】しかしながら、水性塗料を用いる場合は、
良好な仕上がりの塗膜を得る為に、クリア塗料を塗装す
る前に予めベースコートを60〜100℃で2〜10分間加熱し
ておくことが好ましい。ベース塗料としては米国特許第
5,151,125号および同第5,183,504号等に具体的に説明さ
れているものが用いうる。特に、米国特許第5,183,504
号記載の水性塗料組成物は仕上がり、外観および性能の
点で最も好適である。
【0070】本発明の硬化性樹脂組成物の製造法は特に
限定されず、当業者に周知の全ての方法を用いうる。例
えば、エナメル塗料とする場合は、顔料等の配合物をニ
ーダーまたはロール等を用いて混練、分散することによ
り行っても良い。
【0071】本発明の塗料組成物は、スプレー塗装、刷
毛塗り塗装、浸漬塗装、ロール塗装、流し塗装等により
塗装しうる。基板は必要に応じ、下塗りまたは中塗りさ
れていても良い。下塗り塗料および中塗り塗料は公知の
ものを用いうる。
【0072】本発明の塗料組成物はいかなる基板、例え
ば木、金属、ガラス、布、プラスチック、発泡体等、特
に、プラスチックおよび金属表面、例えばスチール、ア
ルミニウムおよびこれらの合金に有利に用いうる。
【0073】一般に、膜厚は所望の用途のより変化す
る。多くの場合、0.5〜3ミルが有用である。
【0074】基板への塗装後、膜厚を硬化させる。硬化
は100〜180℃、好ましくは120〜160℃で高い架橋度の硬
化塗膜を得られる。硬化時間は硬化温度等により変化す
るが、120〜160℃で10〜30分の硬化が適当である。
【0075】
【実施例】以下の実施例により本発明をさらに説明する
が、本発明はこれらに限定されない。特に断らない限
り、配合量は重量部で示す。
【0076】
【調製例1〜18】調製例1〜18では、カルボキシル基
とカルボキシレート基とを有するポリカルボン酸(a)の
調製を説明する。
【0077】調製例1 ポリカルボン酸(a)の前駆体であるポリ酸無水物(a)(1)
の調製 温度計、攪拌機、冷却管、窒素導入管および滴下ロート
を備えた2リットルの反応容器にキシレン150部、エッ
ソ社製芳香族系炭化水素溶剤「S-100」110部および協和油
化社製溶剤「アーコソルブPMA」180部を仕込み、130℃に
昇温した。ついで、ここに、攪拌下でスチレン300部、
アクリル酸2-エチルヘキシル20部、メタクリル酸2-エチ
ルヘキシル80部、無水マレイン酸250部、アーコソルブP
MA300部、ダイセル化学工業社製ε-カプロラクトンアク
リレート「プラクセルFA-1」を等モル量のヘキサヒドロ無
水フタル酸で変性したカルボキシル基含有エチレン性不
飽和モノマー440部およびt-ブチルパーオキシ2-エチル
ヘキサノエート100部からなる、モノマーおよび開始剤
溶液を3時間かけて滴下した。更に2時間攪拌を継続す
ることにより不揮発分54%、数平均分子量2800そして酸
価156mgKOH/g(固形分)のカルボキシル基と酸無水物基と
を有するポリ酸無水物A-I'を得た。
【0078】調製例2〜8 以下の表1に示す配合を用いること以外は調製例1と同
様にして、カルボキシル基と酸無水物基とを有するポリ
酸無水物A-II'〜VIII'を得た。これらのポリマーの特性
値も表1に合わせて示す。
【0079】
【表1】
【0080】調製例9 ポリカルボン酸(a)の調製 温度計、攪拌機、冷却管、窒素導入管および滴下ロート
を備えた反応容器に調製例1で得られるポリ酸無水物A-
I'の193部およびメタノール12部を入れ、60℃に昇温
し、36時間攪拌を続けることにより反応させた。IR吸収
スペクトル分析において酸無水物基に由来する吸収(178
5cm-1)が消失するのを確認した後に、生成物を反応容器
から排出した。酸価158のカルボキシル基とカルボキシ
レート基とを有するポリカルボン酸A-Iが得られた。
【0081】調製例10〜16 以下の表3に示す配合を用いること以外は調製例9と同
様にして、カルボキシル基とカルボキシレート基とを有
するポリカルボン酸A-II〜VIIIを得た。これらのポリマ
ーの酸価も表3に合わせて示す。
【0082】調製例17 温度計、攪拌機、冷却管、窒素導入管および滴下ロート
を備えた2リットルの反応容器にキシレン300部、エッ
ソ社製芳香族系炭化水素溶剤「S-100」300部および協和油
化社製溶剤「アーコソルブPMA」100部を仕込み、130℃に
昇温した。ついで、ここに、攪拌下でスチレン300部、
アクリル酸2-エチルヘキシル100部、メタクリル酸2-エ
チルヘキシル181部、メタクリル酸77部、アーコソルブP
MA200部、ダイセル化学工業社製ε-カプロラクトンアク
リレート「プラクセルFA-1」を等モル量のヘキサヒドロ無
水フタル酸で変性したカルボキシル基含有エチレン性不
飽和モノマー342部およびt-ブチルパーオキシ2-エチル
ヘキサノエート80部からなる、モノマーおよび開始剤溶
液を3時間かけて滴下した。更に2時間攪拌を継続する
ことにより不揮発分51%、数平均分子量4000のカルボキ
シル基とカルボキシレート基とを有するポリカルボン酸
A-IXを得た。
【0083】調製例18 以下の表2に示す配合を用いること以外は調製例17と同
様にして、不揮発分43%、数平均分子量2000のカルボキ
シル基とカルボキシレート基とを有するポリカルボン酸
A-Xを得た。
【表2】 配合 重量部 キシレン 700 アーコソルブPMA 350 スチレン 300 アクリル酸2-エチルヘキシル 345.9 メタクリルイソブチル 126.3 アクリル酸 22.78 アーコソルブPMA 300 t-ブチルパーオキシ2-エチルヘキサノエート 150
【0084】
【表3】
【0085】
【調製例19〜25】調製例19〜25では、水酸基とエポ
キシ基とを有するポリエポキシド(b)の調製を説明す
る。
【0086】調製例19 温度計、攪拌機、冷却管、窒素導入管および滴下ロート
を備えた0.5リットルの反応容器にキシレン20部および
アーコソルブPMA15部を仕込み、130℃に昇温した。滴下
ロートにスチレン20部、アクリル酸2-エチルヘキシル10
部、メタクリル酸n-ブチル10部、メタクリル酸シクロヘ
キシル3.9部、アクリル酸4-ヒドロキシブチル20.4部、
アクリル酸4-ヒドロキシブチルグリシジルエーテル35.7
部およびt-ブチルパーオキシ2-エチルヘキサノエート4.
5部からなるモノマーおよび開始剤溶液を3時間で滴下
した。滴下終了後30分間130℃で保持した後、t-ブチル
パーオキシ2-エチルヘキサノエート1部およびキシレン
10部からなる溶液を30分間で滴下した。滴下終了後更に
2時間130℃にて反応を継続し、不揮発分75%、数平均
分子量6000、ヒドロキシ当量707そしてエポキシ当量560
の水酸基とエポキシ基とを有するポリエポキシドB-Iを
得た。
【0087】調製例20〜23 以下の表4に示す配合を用いること以外は調製例19と同
様にして、水酸基とエポキシ基とを有するポリエポキシ
ドB-II〜Vを合成した。得られたポリエポキシドの特性
値も表4に示す。
【0088】
【表4】
【0089】
【調製例24および25】調製例24および25では、比較
例の硬化性樹脂組成物のためのポリカルボン酸の調製を
説明する。
【0090】調製例24および25 アクリル酸4-ヒドロキシブチルグリシジルエーテルの代
わりにメタクリル酸グリシジルを用い、表4に示す配合
を用いること以外は調製例19と同様にして、水酸基とエ
ポキシ基を有するポリエポキシドB-VIおよびB-VIIを得
た。得られたポリエポキシドの特性値も表4に示す。
【0091】
【実施例1〜11】実施例1〜11では、調製例1〜23で
調製したポリカルボン酸およびポリエポキシドを用いて
得られる本発明の硬化性樹脂組成物を含有する塗料につ
いて説明する。
【0092】実施例1 架橋樹脂粒子の調製 撹拌加熱装置、温度計、窒素導入管、冷却管及びデカン
ターを備えた反応容器に、ビスヒドロキシエチルタウリ
ン213部、ネオペンチルグリコール208部、無水フタル酸
296部、アゼライン酸376部及びキシレン30部を仕込み昇
温した。反応により生成した水はキシレンと共沸させて
除去した。還流開始より約3時間かけて反応液温を210
℃とし、カルボン酸相当の酸価が135になるまで撹拌と
脱水とを継続して反応させた。液温を140℃まで冷却し
た後、「カージュラE10」(シェル社製のバーサティック酸
グリシジルエステル)500部を30分で滴下し、その後2時
間撹拌を継続して反応を終了した。固形分酸価55、ヒド
ロキシル価91及び数平均分子量1250の両性イオン基含有
ポリエステル樹脂を得た。
【0093】この両性イオン基含有ポリエステル樹脂10
部、脱イオン水140部、ジメチルエタノールアミン1
部、スチレン50部及びエチレングリコールジメタクリレ
ート50部をステンレス製ビーカー中で激しく撹拌するこ
とによりモノマー懸濁液を調製した。また、アゾビスシ
アノ吉草酸0.5部、脱イオン水40部及びジメチルエタノ
ールアミン0.32部を混合することにより開始剤水溶液を
調製した。
【0094】撹拌加熱装置、温度計、窒素導入管及び冷
却管を備えた反応容器に上記両性イオン基含有ポリエス
テル樹脂5部、脱イオン水280部及びジメチルエタノー
ルアミン0.5部を仕込み、80℃に昇温した。ここに、モ
ノマー懸濁液と開始剤水溶液40.82部とを同時に60分か
けて滴下し、更に60分反応を継続した後、反応を終了さ
せた。動的光散乱法で測定した粒子径55nmを有する架橋
樹脂粒子エマルジョンが得られた。
【0095】このエマルジョンにキシレンを加え、減圧
下共沸蒸留により水を除去し、媒体をキシレンに置換し
て、固形分含有量20重量%の架橋樹脂粒子のキシレン溶
液を得た。
【0096】クリア塗料の調製 まず、以下の表5に示す配合で硬化性樹脂組成物を調製
した。
【0097】
【表5】 成分 配合(部) ポリカルボン酸A-I(調製例9) 73 ポリ酸無水物B-I(調製例19) 100 テトラブチルアンモニウムブロミドの 20%エタノール溶液 1.5 Scat-30の30%キシレン溶液 0.33 チヌビン-384(固形分) 2.0 チヌビン-123(固形分) 2.0 〔架橋樹脂粒子の20%キシレン溶液 10.0 〕 合計 188.83
【0098】次いで、得られた硬化性樹脂組成物を酢酸
ブチル/キシレン=1/1からなる溶媒でNo.4のフォードカ
ップで25秒に希釈し、クリア塗料組成物を得た。
【0099】塗料貯蔵安定性の評価 得られたクリヤー塗料を40℃で10日間放置した後の増粘
の度合いをフォードカップで測定し以下の基準により評
価した。結果を表9に示す。
【0100】 増粘なし ◎ わずかに増粘 ○ 明確に増粘が見られる △ ゲル化 ×
【0101】耐シーラー割れ性の評価 リン酸処理鋼板に電着塗料(日本ペイント社製パワート
ップU-30)を塗装した工程試験板上に、自動車用シーラ
ーを厚さ5mm、幅10mm、長さ150mmに塗布、中塗り塗料
(日本ペイント社製オルガP-2)をウエット・オン・ウエ
ットで塗布した後に、140℃にて30分間焼き付けた。こ
れに日本ペイント社製溶剤型メタリックベース塗料「ス
ーパーラックM-90」を塗布し、ウエット・オン・ウエッ
トで上記クリヤ塗料を塗布し140℃で30分間焼き付け
た。
【0102】尚、上記溶剤型メタリックベース塗料の配
合は、アルミフレーク含有量65%のアルミフレークペー
スト(東洋アルミニウム社製「アルペースト7160N」10.9
部、固形分48%の熱硬化アクリル樹脂ワニス(三井東圧
化学社製「アルマテックスNT-U-448」)66.85部、固形分60
%のメラミン樹脂ワニス(三井東圧化学社製「ユーバン20
N-60」)13.37部、トルエン6.38部、n-ブタノール2.0部お
よびトリエチルアミン0.5部である。
【0103】得られた塗装試料について表面のクラック
の有無を目視観察し、以下の基準で評価した。結果を表
9に示す。
【0104】 クラック無し ○ 小さなクラックがかすかに発生 △ 大きなクラックが発生 ×
【0105】他方、りん酸処理鋼板に電着塗料(日本ペ
イント株式会社製パワートップU-30)および中塗り塗料
(日本ペイント株式会社製オルガP-2)を塗装した工程試
験板に日本ペイント株式会社製スーパーラックM-90の溶
剤型メタリックベース塗料を塗布した後ウェット・オン
・ウェットで上記クリア塗料を塗布し140℃で30分焼
付、膜厚40μmのクリア塗膜を得た。
【0106】得られた塗膜の性能を以下に示す方法によ
り評価した。
【0107】耐酸性の評価 得られた硬化塗膜を0.1NのH2SO4水溶液0.2mlに60℃にお
いて2時間接触させた後に、塗膜表面を以下の基準で目
視評価した。
【0108】 変化が観察されない場合 ◎ かすかに痕跡が見られる場合 ○ 明確に痕跡が見られる場合 △
【0109】耐擦り傷性の評価 クレンザーの50%水分散体1g(花王 からニューホーミ
ングクレンザーとして市販;研摩剤87%、界面活性剤5
%およびその他)を塗布した2×2cmのネル製布を学振
型染色物摩擦堅牢度試験機(大栄化学精機社製)に装着し
た。ついで得られた硬化塗膜を500gの負荷で10往復摩擦
した。スガ試験器社製光沢度計を用いて測定した摩擦前
後の、20゜Gの割合を%で示す。目視評価との対応を以下
に示す。
【0110】 >90 変化なし 80〜90 かすかに見えるが気にならない程度 70〜80 少し見える 70> 明確に見える
【0111】耐チッピング性の評価 クリア塗装した塗装板を-20℃に冷却し、グラベロ試験
機(スガ試験機社製の飛び石試験機)のホルダー部に取り
付け、以下に示す条件で砕石を塗膜表面に衝突させた。
【0112】 石の大きさ:JIS A 5001による7号砕石 石の量:50g 石を飛ばすエア圧:4.0Kg/cm2 射出口から塗膜までの距離:35cm 試験温度:-20℃ 石の衝突角:45゜
【0113】衝突面における塗膜の損傷の程度を以下の
基準で目視評価した。結果を表9に示す。
【0114】 全く剥がれ無し ○ わずかに小さな剥がれ有り △ 著しい剥がれ有り ×
【0115】実施例2〜7 以下の表6および7に示す配合を用いること以外は実施
例1と同様にして架橋樹脂粒子を含むクリア塗料組成物
を調製し、塗膜性能を評価した。評価結果を表9に示
す。
【0116】実施例8 まず、以下の表7に示す配合を用いること以外は実施例
1と同様にして架橋樹脂粒子を含むクリア塗料組成物を
調製した。ついで、りん酸処理鋼板に電着塗料(日本ペ
イント株式会社製パワートップU-30)および中塗り塗料
(日本ペイント株式会社製オルガP-2)を塗布した工程試
験板に日本ペイント株式会社製水性型メタリックベース
(米国特許第5,183,504号の実施例1)を塗布した後、60℃
で5分間乾燥した後、ウェット・オン・ウェットで上記
クリア塗料を塗布し、140℃×30分間焼付けた。そし
て、実施例1と同様にして塗膜性能を評価した。評価結
果を表9に示す。
【0117】尚、上記水性メタリックベースの配合は、
アルミフレーク含有量65%のアルミニウム顔料ペースト
(東洋アルミニウム社製「アルペースト7160N」)15部、メ
チル化メラミン(三井東圧化学社製「サイメル303」)30
部、イソステアリン酸ホスフェート(サカイ化学社製「ホ
スホレックスA-180L」)2部、同文献の調製例1で得られ
る数平均分子量12000、水酸基価70、酸価58および固形
分50%のアクリル樹脂ワニス112部、および酸価16.2お
よび固形分33%のウレタンエマルジョン43部である。
【0118】実施例9〜11 以下の表7に示す配合を用いること以外は実施例1と同
様にして架橋樹脂粒子を含むクリア塗料組成物を調製
し、塗膜性能を評価した。評価結果を表9に示す。
【0119】
【比較例1〜5】比較例1〜5では、調製例24および25
で調製したポリエポキシドを用いて得られる硬化性樹脂
組成物を含有する塗料について説明する。
【0120】比較例1〜5 以下の表8に示す配合を用いること以外は実施例1と同
様にして架橋樹脂粒子を含むクリア塗料を調製し、塗膜
性能を評価した。評価結果を表9に示す。
【0121】
【表6】
【0122】
【表7】
【0123】
【表8】
【0124】
【表9】
【0125】表9の結果で示すように、実施例1〜11の
クリア塗料は比較例に比べて貯蔵安定性に優れ、そして
耐擦り傷性および耐シーラー割れ性に優れる塗膜を提供
する。
【0126】
【発明の効果】耐候性、特に酸性雨に対する耐性に優
れ、耐擦り傷性、耐シーラー割れ性に優れる塗膜を提供
する、貯蔵安定性に優れた硬化性樹脂組成物が提供され
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B05D 7/24 301 B05D 7/24 301R 302 302U C08G 59/32 NHW C08G 59/32 NHW 59/42 NHY 59/42 NHY C08K 5/19 C08K 5/19 5/57 5/57 C08L 35/00 LHR C08L 35/00 LHR C09D 133/14 PGF C09D 133/14 PGF 135/00 PFW 135/00 PFW 163/00 PJK 163/00 PJK PJU PJU (72)発明者 清水 誠 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内 (72)発明者 奥出 芳隆 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)固形分を基準にして25〜300mgKOH/g
    の酸価および500〜20000の数平均分子量を有するポリカ
    ルボン酸20〜80重量%;および(b)(1)式 【化1】 [式中、Rは水素原子またはメチル基であり、Xは炭素数
    2〜6の直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和炭化水素
    部分であり、Yは炭素数4〜6の直鎖アルキレン基であ
    り、mは1〜6の整数であり、nは0〜6の整数であ
    る。]で示されるエポキシ基含有エチレン性不飽和モノ
    マー10〜60重量%と、(2)エポキシ基を有しないエチレ
    ン性不飽和モノマー40〜90重量%とを、共重合すること
    により得られる、100〜800のエポキシ当量および500〜2
    0000の数平均分子量を有するポリエポキシド20〜80重量
    %;を含有する硬化性樹脂組成物(但し、成分(a)および
    (b)の配合量は硬化性樹脂組成物中の全固形分の重量を
    基準とする。)。
  2. 【請求項2】 前記ポリカルボン酸(a)が、カルボキシ
    ル基含有エチレン性不飽和モノマー5〜80重量%とカル
    ボキシル基を有しないエチレン性不飽和モノマー20〜95
    重量%とを共重合させることにより得られる請求項1記
    載の硬化性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記ポリカルボン酸(a)が、 (1)(i)酸無水物基含有エチレン性不飽和モノマー10〜50
    重量%と(ii)酸無水物基を有しないエチレン性不飽和モ
    ノマー50〜90重量%とを共重合させることにより得られ
    るポリ酸無水物と、 (2)1〜12個の炭素原子を有するモノアルコールとを、
    酸無水物基と水酸基とがモル比で1/10〜1/1となる割合
    の量で反応させることにより得られる、カルボキシル基
    とカルボキシレート基とを有するポリカルボン酸である
    請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 前記ポリ酸無水物(a)(1)が、 (i)酸無水物基含有エチレン性不飽和モノマー10〜50重
    量%と(iii)カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノ
    マー5〜90重量%と(iv)酸無水物基およびカルボキシル
    基を有しないエチレン性不飽和モノマー0〜85重量%と
    を共重合させることにより得られる請求項3記載の硬化
    性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 前記ポリエポキシド(b)が、(1)式 【化2】 [式中、Rは水素原子またはメチル基であり、Xは炭素数
    2〜6の直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和炭化水素
    部分であり、Yは炭素数4〜6の直鎖アルキレン基であ
    り、mは1〜6の整数であり、nは0〜6の整数であ
    る。]で示されるエポキシ基含有エチレン性不飽和モノ
    マー10〜60重量%と、 (3)水酸基含有エチレン性不飽和モノマー5〜60重量%
    と、 (4)エポキシ基および水酸基を有しないエチレン性不飽
    和モノマー0〜85重量%とを、共重合することにより得
    られる、水酸基とエポキシ基とを有するポリエポキシド
    であり、30〜300の水酸基価有する請求項1記載の硬化
    性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 前記水酸基含有エチレン性不飽和モノマ
    ーが、式 【化3】 [式中、Rは水素原子またはメチル基であり、Jは、式 【化4】 (式中、Mは炭素数2〜8の直鎖もしくは分岐鎖のアル
    キレン基であり、qは3〜7の整数であり、rは0〜4の
    整数である。)で示す有機鎖、または、式 【化5】 (式中、Rは水素原子またはメチル基であり、sは2〜50
    の整数である。)で示す有機鎖である。]で示す構造を有
    する請求項5記載の硬化性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 4級アンモニウム塩触媒を含有する請求
    項1記載の硬化性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 有機スズ化合物を含有する請求項1記載
    の硬化性樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の硬化性樹脂組成物をバイ
    ンダー成分として含有する塗料組成物。
  10. 【請求項10】 更に架橋樹脂粒子を含有する請求項9
    記載の塗料組成物。
  11. 【請求項11】 下塗りまたは中塗りした基板上に水系
    または溶剤系ベース塗料を塗布する工程;ベース塗膜を
    硬化させずに、この上に、 (a)固形分を基準にして25〜300mgKOH/gの酸価および500
    〜20000の数平均分子量を有するポリカルボン酸20〜80
    重量%、および(b)(1)式 【化6】 [式中、Rは水素原子またはメチル基であり、Xは炭素数
    2〜6の直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和炭化水素
    部分であり、Yは炭素数4〜6の直鎖アルキレン基であ
    り、mは1〜6の整数であり、nは0〜6の整数であ
    る。]で示されるエポキシ基含有エチレン性不飽和モノ
    マー10〜60重量%と、(2)エポキシ基を有しないエチレ
    ン性不飽和モノマー40〜90重量%とを、共重合すること
    により得られる、100〜800のエポキシ当量および500〜2
    0000の数平均分子量を有するポリエポキシド20〜80重量
    %、を含有する硬化性樹脂組成物(但し、成分(a)および
    (b)の配合量は硬化性樹脂組成物中の全固形分の重量を
    基準とする。)をバインダー成分として含有するクリア
    塗料組成物を塗布する工程;および加熱することによ
    り、ベース塗膜とクリア塗膜とを硬化させる工程;を包
    含する塗膜形成方法。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の方法で得られる塗装
    物。
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CN110997749B (zh) * 2017-08-09 2023-01-03 综研化学株式会社 环氧树脂组合物以及固化物

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