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JPH09620A - ベーチェット病治療用体外循環血液処理装置 - Google Patents

ベーチェット病治療用体外循環血液処理装置

Info

Publication number
JPH09620A
JPH09620A JP7173060A JP17306095A JPH09620A JP H09620 A JPH09620 A JP H09620A JP 7173060 A JP7173060 A JP 7173060A JP 17306095 A JP17306095 A JP 17306095A JP H09620 A JPH09620 A JP H09620A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
blood
neutrophil
behcet
disease
monocyte
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7173060A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasumasa Shizume
泰正 鎭目
Yoshinori Takenaka
良則 竹中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Medical Co Ltd
Original Assignee
Asahi Medical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Medical Co Ltd filed Critical Asahi Medical Co Ltd
Priority to JP7173060A priority Critical patent/JPH09620A/ja
Publication of JPH09620A publication Critical patent/JPH09620A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ベーチェット病患者の血液を体外循環して、
血液中の少なくとも好中球及び単球を効率的に安全に除
去することによって、症状改善に有効な血液処理装置を
提供する。 【構成】 少なくとも患者血液1〜3リットルを10〜
200ml/分の流速で送液する手段と、前記血液に抗
凝固剤を0.003〜40ml/分の流速で送液、混合
する手段と、主要部が多孔質体、又は繊維か粒子の集合
体からなる少なくとも好中球及び単球を捕捉する材料が
血液の入口と出口を有する容器に充填されてなり、その
エア通気量が20〜2000リットル/分である少なく
とも好中球及び単球を捕捉する手段とが液密に接続され
てなるベーチェット病患者血液から好中球及び単球を優
先的に除去するためのベーチェット病治療用体外循環血
液処理装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ベーチェット病患者血
液より少なくとも好中球及び単球を除去するための体外
循環血液処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ベーチェット病は、口腔粘膜のアフタ潰
瘍、眼のぶどう膜炎、外陰部潰瘍、結節性紅斑等の皮疹
を主徴とし、この他にもほとんど全身にわたる諸臓器を
侵す、再燃性の高い炎症疾患とされている。本疾患の病
因は不明であるが、経過中に多彩な細胞性、体液性免疫
異常が検出され、その一部には症状の起伏と関連のある
動きも観察されており、発症の端緒や病勢の進展過程に
免疫異常の関与する可能性は大きい。また、本疾患とH
LA−B51との強い相関が認められることから、特定
の素因が発症に結びつく生体反応に強い影響を与えるも
のと思われている。検査所見では、白血球のうち特に好
中球において機能異常がみられる。即ち好中球の遊走能
は病勢が活動期に著しく亢進し、貧食能や活性酸素の産
生も異常に亢進しているといわれている。本疾患は全身
性炎症疾患であるから、個々の臓器症状のみでなく全身
の炎症状態の程度や推移を配慮して治療方針を定める。
局部的には口腔粘膜潰瘍、外陰部潰瘍の治療法として
は、副腎皮質ステロイド剤含有軟膏が局所塗布され、眼
症状の治療法としては、副腎皮質ステロイド剤やコルヒ
チン、免疫抑制剤が投与される。しかしながら、副腎皮
質ステロイド剤の全身投与は、強力に眼炎症を抑圧する
ものの長期連用例の視力予後はかえって不良であり、特
に網膜血管の病変を持つ状例への投与はできるだけ避け
るべきとされている。
【0003】自己免疫疾患に対しロイコアフェレーシス
(白血球除去治療)が有効であることは既に知られてい
る。ベーチェット病患者の血液3000mlを市販の白
血球除去フィルター「Cellsorba(旭メディカ
ル(株)社製)」に30ml/min.の流量で患者血
液を流してロイコアフェレーシスを2例行った旨が19
94年に報告されている(Jpn J Apheres
is Vol.13No.2)。しかし上記の白血球除
去フィルター「Cellsorba」は、せいぜい50
0mlの血液を比較的ゆっくりと流して血液中の白血
球、即ちリンパ球、顆粒球、及び単球の全てを極めて高
効率に除去するためのフィルターであり、いわゆるアフ
ェレーシス用に設計されていない。それゆえ上記報文に
もあるように、2個のフィルターを並列に接続して供給
血液流量を20ml/min.と比較的低速に設定して
稼働させた場合に、ようやく1000mlの血液が処理
可能な程度のフィルターである。患者の血液を体外循環
で浄化するアフェレーシス療法は、患者血液の2〜3リ
ットル程度を50ml/min.前後の流量で体外に導
出して浄化することで、有効且つ患者に負担の少ない治
療効果が期待できる治療方法である。ところがベーチェ
ット病は健常人に比べると血液中の血小板数が多いの
で、体外循環用、即ち大量且つ比較的高流速用に設計さ
れていない公知の白血球除去フィルターでは、治療中に
フィルターが血小板凝集やフィブリンの析出によって目
詰まりし、治療を満足に行えなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はベーチェット
病患者の血液を体外循環血液処理することにより血液中
の少なくとも好中球及び単球をスムーズに且つ安全に除
去するための装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ベーチェ
ット病という疾患の場合は、従来技術に知られたように
必ずしも白血球の全成分を高効率に除去しなくても、体
外循環された血液から少なくとも好中球及び単球を半分
以上除去すれば十分な治療効果が期待できることを見出
し、本発明を完成させた。即ち本発明では、少なくとも
患者血液1〜3リットルを10〜200ml/分の流速
で送液する手段と、前記血液に抗凝固剤を0.003〜
40ml/分の流速で送液、混合する手段と、主要部が
多孔質体、又は繊維か粒子の集合体からなる少なくとも
好中球及び単球を捕捉する材料が血液の入口と出口を有
する容器に充填されてなり、そのエア通気量が20〜2
000リットル/分である少なくとも顆粒球及び単球を
捕捉する手段とが液密に接続されてなるベーチェット病
患者血液から好中球及び単球を優先的に除去するための
体外循環血液処理装置を提供することで上記問題点を解
決した。
【0006】本発明の血液処理装置にベーチェット病患
者からの血液を取り込む手段としては、周知の体外循環
血液処理装置で使用される採血針、留置針等が挙げられ
る。また、血液の送液手段としては周知の体外循環血液
処理装置で使用されるペリスタポンプやフィンガーポン
プ等のポンプが使用できる。チューブ式ポンプを用いる
場合は好中球及び単球を捕捉する手段に送液される血液
が脈流にならないよう、ポンプチューブに細径のものを
採用することが好ましい。送液量は患者になるべく負担
のかからない血液導出及び導入速度であって、しかも好
中球及び単球が効率よく捕捉される速度、また同時に微
小凝集塊による目詰まりが生じない速度、等々の諸条件
のバランスを考慮して大体10〜200ml/分の範囲
で適宜選択する。
【0007】本発明における血液に抗凝固剤を送液混合
する手段としては、容器に貯留された抗凝固剤を周知の
ヘパリンポンプ等の微小流量を安定して供給できる注入
ポンプを介して、採血した血液の送液ラインに合流させ
る等の例が挙げられる。抗凝固剤の供給はポンプを用い
ずに水頭圧差で供給しても良い。いずれにしても抗凝固
剤は、その種類にもよるが、0.003ml/分〜40
ml/分の速度で血液に混合するのが好ましい。また、
抗凝固剤は、後で詳述するドリップチャンバーよりも上
流で血液に注入されることが好ましい。抗凝固剤と血液
とが混合された後で両液がドリップチャンバーに貯留さ
れることで両液の混合状態が一層向上し、下流の好中
球、単球除去手段内での血液凝固の危険性がより減少す
る。
【0008】抗凝固剤としては体外循環治療に広く用い
られているACD−A液、ヘパリン、低分子ヘパリン、
メシル酸ナファモスタット、メシル酸ガベキサート等が
使用できる。しかし、血液との液比が1:15〜1:5
の範囲で用いられるACD−A液以外の抗凝固剤は、血
液との液比が1:3000〜1:1000程度の血液比
が高いので血液との充分な混合が容易でない。本発明の
装置においては抗凝固剤を予め生理的溶液で希釈してか
ら治療中に連続的に注入することで装置の目詰まりを抑
制し安全に治療を行うことができる。即ち本発明にいう
抗凝固剤は希釈されたものも含む。目詰まり抑制及び患
者への過剰な生理的溶液の注入による負担防止のバラン
スから考えて、抗凝固剤は200〜400mOsm、好
ましくは280〜300mOsm程度の浸透圧を示す生
理的食塩水や5%ブドウ糖水溶液等を用いて300〜1
000倍に希釈することが好ましい。
【0009】本発明においては採取血液中の微小凝集塊
を捕捉する手段として、内部に微小凝集塊を濾別除去で
きるメッシュが設けられたいわゆるドリップチャンバー
が好適に利用できる。しかし、この微小凝集塊を捕捉す
る手段は必ずしもドリップチャンバーのように独立した
器具である必要はなく、例えば後で詳述する少なくとも
顆粒球及び単球を捕捉する手段の血液入口側に微小凝集
塊を捕捉するメッシュまたはフィルターを一体化して設
けるのでも良い。なお、ドリップチャンバーはその中の
メッシュにより微小凝集塊が除去できる上、上述の如く
抗凝固剤と血液とを充分に混合する場ともなるので、好
中球及び単球を捕捉する手段の上流に設置することが好
ましい。本発明者等は、顆粒球の中でも特に好中球を除
去することがベーチェット病の症状改善につながるとい
う知見を得た。好中球は顆粒球の大半を占めるので顆粒
球を除去することが本疾患の症状改善につながることを
見いだした。本発明において少なくとも好中球及び単球
を捕捉する手段は、全血中から少なくとも好中球及び単
球を捕捉し、赤血球や血漿中の有用蛋白成分を捕捉しな
いものであれば良い。好ましい例としては、10μm前
後、好ましくは5μm近傍の平均直径を有する繊維塊、
好ましくは不織布からなるフィルター材を主構成要素と
して血液の導入口及び導出口を有する容器内に0.05
〜0.5g/cm3 程度の嵩密度で充填したもの、平均
孔径が数μm程度のスポンジ様多孔質体を主構成要素と
して上記容器内に充填したもの、あるいは数μm程度の
微粒子(ビーズ)を上記容器内に充填してなるもの等が
挙げられる。いずれにせよ、処理前の血液中の顆粒球及
び単球を50%以上、好ましくは90%以上捕捉するこ
とが好中球の大量除去につながるので好ましい。なお、
顆粒球及び単球と同時にリンパ球も捕捉される手段、さ
らには血小板も捕捉される手段も本発明に充分適用可能
である。
【0010】また、本発明の好中球及び単球捕捉手段
は、材質としてポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート及びポリオキシエチレンテレフタレ
ート等のポリエステル、ポリアクリルニトリル、ナイロ
ン6、及びナイロン6、6等のポリアミド、芳香族ポリ
アミド、ポリスチレン及びその誘導体、ポリエチレン、
ポリプロピレン、及びポリブテン等のポリオレフィン、
メチルメタクリレート、及びエチルメタクリレート等の
メタクリル酸エステル誘導体を重合して得られる高分子
化合物、メチルアクリレート、及びエチルアクリレート
等のアクリル酸エステル誘導体を重合して得られる高分
子化合物、ポリトリフルオロクロルエチレン、ポリビニ
ルマール、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリビニルア
セタール、ポリカーボネイト等の合成高分子化合物で、
上記高分子化合物の単量体の単独重合体、共重合体、ブ
ロック重合体及び上記高分子化合物の、ブレンド及びア
ロイ化したものを含むものや、セルロース及び/または
その誘導体等の再生繊維及び上記に示した合成高分子化
合物とのブレンド、アロイ化したものを含むものなどが
挙げられる。上記の中で、特にポリエチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート、ポリオキシエチレ
ンテレフタレートなどのポリエステル系合成高分子材料
が、不織布の成形性や、得られる不織布の繊維径、繊維
によって形成される細孔状態等が制御しやすく、除去対
象物質に合わせた最適な好中球及び単球捕捉手段の製造
が可能で好ましい。更にこのポリエステル系合成高分子
材料は、血液の濡れ性の点でも好ましい。
【0011】繊維集合体に、種々の低分子量、高分子量
の化合物を共有結合、イオン結合、放射線やプラズマに
よるグラフト法、物理吸着、包埋あるいは繊維表面への
沈殿不溶化等あらゆる公知の方法を用いて固定して用い
ることもできる。例えば、高分子化合物やその単量体を
放射線あるいはプラズマ等を用いてグラフト重合したり
共有結合するなどの公知の方法により表面改質(特開平
1−249063、特開平3−502094)を施した
繊維が知られている。表面改質に用いられる単量体及び
高分子化合物の例として、メタクリル酸、アクリル酸、
2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、モノ(2−
アクリロイルオキシエチル)アシッドフォスフェート、
2−スルホエチルメタクリレート、2−メタクリロイル
オキシエチルフタル酸、等のアクリル酸もしくはメタク
リル酸誘導体や、p−スチレンスルホン酸、p−ビニル
安息香酸のスチレン誘導体、ビニルフェノール等のフェ
ノール誘導体、アリルスルホン酸ナトリルム等のアリル
化合物等の各種ビニルモノマー、アセチレン誘導体、ト
リオキサン誘導体等の陰性基を有する単量体を重合して
得られる高分子化合物、また上記の単量体と重合性官能
基、好ましくはビニル基または、アセチレン基を有す
る、例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2
−ヒドロキシエチルアクリレート、1、2−ジヒドロキ
シエチルメタクリレート、メトキシトリエチレングリコ
ールメタクリレート、メトキシノナエチレングリコール
メタクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタク
リレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート等
のアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル誘導
体、スチレン及びその誘導体等の中性の単量体、N,N
−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメ
チルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルア
ミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチ
ルアクリレート等のカチオン性の単量体との共重合体、
ブロック重合体として得られる高分子化合物あるいはオ
リゴマー等の合成化合物があるが、特にビニルモノマー
を重合して得られる高分子化合物が重合性が高く、入手
も容易であるため好ましい。上記の表面修飾を行う繊維
の中で、特にポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート、ポリオキシエチレンテレフタレート
などのポリエステル系合成高分子材料が、グラフト及び
コート等の表面修飾性に優れている点で特に好ましい。
【0012】繊維集合体を充填する容器外形としては、
血液の入口と出口を有する容器であれば特に限定はない
が、敢えて例を挙げると、繊維集合体を積層状に充填で
きる公知の偏平状容器や、繊維集合体を円筒状に巻きこ
れを充填できる円柱又は多角柱状の容器などが挙げられ
る。また、入口と出口の配置については、対称形容器に
あっては対称位置に設けるのが一般的であるが、血液の
流れが円筒外周より入り内側へと流れ、最も内側に集ま
り血液流出口より出ることを特徴とする容器等が良好な
形状となる。また、錘状等の、断面積が入口から出口に
向かうに従って小さくなる形状を有する容器も好適に用
いられる。なお、偏平状又は錘状等の容器の場合、容器
の断面積と長さの比(断面積(錘状容器では最大径部の
断面積)/長さ、S/L(単位(cm))は、10cm
以上500cm以下が良好なS/Lとなる。
【0013】本発明の好中球及び単球捕捉手段は、エア
ー通気量が20リットル/分以上2000リットル/分
以下であることを必須要件とする。ここでエアー通気量
とは、体外循環回路に組み込む状態の好中球及び単球捕
捉手段の血液導入口に体外循環回路チューブと同径の1
m程度の長さのチューブの一端を接続し、該チューブの
他端から約800mmHgの圧気を20秒間かけ、その
直後に好中球及び単体捕捉手段の血液導出口から出てく
るエアーの通気量をフローメーターで測定して得られる
単位時間(分)当たりのエアー容積(リットル)であ
る。エアー通気量が20リットル/分未満の好中球及び
単球捕捉手段を用いて体外循環血液処理を行うと、該手
段部における圧力損失が図1に見られるように急激に上
昇し目詰まりを誘発しやすくなる上、被処理血液にも過
剰の圧がかかり溶血しやすくなる。なお、エアー通気量
が2000リットル/分を越える捕捉手段では、目詰ま
りは起こらないが、そのような捕捉手段では目的の細胞
成分が効率よく捕捉できず、通過してしまう。本発明に
おいて少なくとも好中球及び単球を捕捉する手段として
不織布からなるフィルター材を主構成要素として血液の
導入口及び導出口を有する容器内に充填したものを採用
する場合、フィルター材は1.0〜5.0μm程度の細
い平均糸径を有するメインフィルターとしての不織布の
上流側に血液中の微小凝集塊を捕捉するための平均糸径
が5〜50μm程度の太い繊維塊からなる目の粗いプレ
フィルターを積層したものが好適に使用できる。メイン
フィルターの糸径が細すぎると嵩密度も密になりやす
く、エアー通気量が低くなりすぎて血液の目詰まりが発
生しやすくなる。なお、本発明の血液処理装置を構成す
る各手段は周知の血液回路により無菌的に接続されてな
る。
【0014】
【実施例1】ベーチェット病の患者血液の血液処理のた
めに図2に示すような体外循環血液処理装置を作成し
た。少なくとも好中球及び単球を捕捉する手段(1)と
して平均糸径が約2.3μmの不織布からなる1枚の厚
みが0.39mmのメインフィルターを円筒状に巻いて
積層した上に平均糸径が10〜36μmの不織布からな
る1枚の厚みが0.16〜0.55mmのプレフィルタ
ーを更に多層巻つけてなるフィルター材を円筒状容器に
充填した好中球、単球除去器を使用した。該好中球、単
球除去器のエアー通気量は、33リットル/分であっ
た。抗凝固剤としてメシル酸ナファモスタット(FUT
〓)を使用し、これを生理食塩水で1:300の液比で
希釈しフィンガーポンプ(2)で5ml/分の流速で、
患者から50ml/分の流速で導出される血液に混合し
た。ドリップチャンバー(3)内のフィルターは70メ
ッシュであった。患者血液を上記の条件で約60分かけ
て3リットル体外循環処理した。この時ドリップチャン
バー部の圧力メータで好中球及び単球を捕捉する手段の
圧力をモニターし続けたが、圧の上昇は全く見られず治
療は安全に順調に進行し終了した。治療中の好中球、単
球捕捉手段による顆粒球除去率は95%、単球除去率は
91%、リンパ球除去率は50%であり、好中球の約9
5%が除去されたと推定された。治療後に口腔粘膜潰瘍
の消失と視力の改善がみられた。
【0015】
【実施例2】粒子径約2mmのセルロースアセテートビ
ーズ約200gを40mmφ×180mmの円筒形容器
に充填した好中球、単球除去手段を利用してベーチェッ
ト病患者より取り出した血液を1.8リットル処理し
た。好中球、単球除去器のエアー通気量は、30リット
ル/分であった。リンパ球の除去率は5%程度と低率で
あったが、顆粒球は52%、単球は55%と効率よく除
去することができた。
【0016】
【発明の効果】本発明の血液処理装置を用いると通常の
人と比べて血小板の量が多いベーチェット病患者の血液
を体外循環して血液中の白血球、少なくとも好中球及び
単球を効率的に安全に除去することができ、患者の症状
改善に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】好中球及び単球捕捉手段部における、エアー通
気量と圧力損失の関係を示す図である。
【図2】実施例において使用した、本発明装置の1例を
示す図である。
【符号の説明】
1 好中球及び単球捕捉手段 2 フィンガーポンプ 3 ドリップチャンバー

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも患者血液1〜3リットルを1
    0〜200ml/分の流速で送液する手段と、前記血液
    に抗凝固剤を0.003〜40ml/分の流速で送液混
    合する手段と、主要部が多孔質体、又は繊維か粒子の集
    合体からなる少なくとも好中球及び単球を捕捉する材料
    が血液の入口と出口を有する容器に充填されてなり、そ
    のエア通気量が20〜2000リットル/分である少な
    くとも好中球及び単球を捕捉する手段とが液密に接続さ
    れてなるベーチェット病患者血液から好中球及び単球を
    優先的に除去するためのベーチェット病治療用体外循環
    血液処理装置。
JP7173060A 1995-06-16 1995-06-16 ベーチェット病治療用体外循環血液処理装置 Pending JPH09620A (ja)

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Cited By (3)

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