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JPH09502225A - 防蝕性のある接着性良好なラッカー被膜の簡易化製造法およびそれによりえられる工作物 - Google Patents

防蝕性のある接着性良好なラッカー被膜の簡易化製造法およびそれによりえられる工作物

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JPH09502225A
JPH09502225A JP7508431A JP50843195A JPH09502225A JP H09502225 A JPH09502225 A JP H09502225A JP 7508431 A JP7508431 A JP 7508431A JP 50843195 A JP50843195 A JP 50843195A JP H09502225 A JPH09502225 A JP H09502225A
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lacquer
phosphating
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metal substrate
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JP7508431A
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カーリン、クラウス−ギュンター
ハマハー、ペーター
Original Assignee
ヘルベルツ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
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Abstract

(57)【要約】 防蝕性のある接着性良好なラッカー被膜の簡易化製造法およびそれによりえられる工作物について記載されている。この方法は、−金属基材をスプレーまたは浸漬によりリン酸塩処理により前処理し、不働化処理をせずに適宜乾燥し、−前処理した金属基材の電気泳動浸漬ラッカー塗装を、有機ビスマス錯体および/または有機カルボン酸のビスマス塩として、ビスマスに換算して、電気浸漬ラッカー浴バインダー固形分の0.1〜5重量%のビスマスを含む電気浸漬ラッカーを使用して行なうことからなる。

Description

【発明の詳細な説明】 防蝕性のある接着性良好なラッカー被膜の簡易化 製造法およびそれによりえられる工作物 本発明は、所要工程を削減した金属基材へのコーティ に関する。 卓越した防蝕性が望まれ、しかも電着(elektrophoretische Abscheidung)によ ってえられるラッカー被膜の基材への良好な接着性を達成すべきばあい、電気泳 動を応用した浸漬ラッカーコーティングを行なうまえの金属物質の予備処理工程 は、リン酸塩処理と不働化後洗浄とからなる。ついでこの表面に電気浸漬ラッカ ーコーティングを適用し、焼き付ける。 自動車塗装業界では、たとえば亜鉛メッキされたあるいは亜鉛メッキされてい ないスチール製の洗浄車体に対して、下塗層として陰極沈着によっていわゆる陰 極浸漬ラッカー(KTL)を塗布する前に、まずリン酸塩処理し、続いて不働化 後洗浄するという方法が普及している(Curt R.Vincentz「ジャッカーおよび染 料の釉薬ハンドブック」第11版(1984年)、454頁以降、Hannover発行 参照)。このばあいでは、不働化処理は必要不可欠の工程である。 今日まで原理上このようになされてきたこうした方法は、ここ数年間、リン酸 塩処理剤や不働化処理剤の内容面だけでなくKTL剤も絶えず改良されてきた。 たとえばリン酸塩処理剤、不働化処理剤は、Horst Gehmecker がJOT、第5巻(1992年)42〜46頁に書いているように、技術的性質 のみならずエコロジー観点からも開発が進められてきた。リン酸塩処理法として は、膨大な特許文献に証明されているように、鉄リン酸塩処理、亜鉛リン酸塩処 理、低亜鉛リン酸塩処理、トリカチオンリン酸塩処理、マンガンドープリン酸塩 処理、ニッケル不含リン酸塩処理および亜硫酸塩不含リン酸塩処理が知られるよ うになった。ニッケルイオンを含有するリン酸塩処理溶液が特に有効であると実 証された。リン酸塩処理用の市販品としては、たとえばHenkel社からGranodine (登録商標)の名で販売されているトリカチオン系のGranodine 950、亜硝酸塩 不含トリカチオン系のGranodine 1990、ニッケル不含トリカチオン系のGranodin e 2700などである。 旧来から今日でもまだ使用されているクロム酸塩含有不働化処理溶液に代る、 エコロジーおよび健康面で心配のない方法が求められてきたが、たとえば特許文 献にも証明されているようにその成果があがっている。その例はフッ化ジルコン または有機物をベースとする不働化溶液である。たとえば、Henkel社は、不働化 処理用としてDeoxylyte(登録商標)の名の製品を販売している。例をあげれば 、クロム系のDeoxylyte 41、フッ化ジルコン系のDeoxylyte 54 NC あるいは有機 物ベース系のDeoxylyte 80である。 この作業法は接着性および防蝕性に関し良好な特性が達成されるが、前処理装 置の設置に大きな場所が要るという欠点がある。そのうえ様々な前処理溶液の使 用により、洗浄に伴って廃水が発生し、コスト高な浄化処理が 必要になる。 電気浸漬ラッカーには、多種多様なものが知られている。一般に、これは特に 重金属化合物の形態で架橋触媒を含んでいる。実際には、とくに鉛または錫系触 媒が使用されてきた。最近では鉛を含まない電気浸漬ラッカーも知られているが 、このばあいは防蝕性の改良が必要である。 EP−A−138193によると、ポリマーの溶解度の改良には塩、特に酢酸 塩それも二価金属タイプの使用が記載されている。金属としては、とくにビスマ スがあげられている。改良されたラッカー被膜特性については記述されていない 。 本発明の課題は、金属基材への電着ラッカー塗装に際して、卓越した防蝕性お よび極めて良好な基材接着性を保証し、毒性助剤の使用を完全なまでに回避させ 、しかも現技術水準に比較して簡易に実施できる方法を提供することである。 この課題は、驚いたことに、リン酸塩処理および電着浸漬ラッカー塗装による 金属基材のラッカー塗装のためのある一つの方法によって解決できることが判明 した。それこそが発明の対象であり、その方法はつぎの点を特徴としている。 −金属基材をスプレーまたは浸漬によりリン酸塩前処理する。ただし、不働化後 処理は行なわない。 −前処理した金属基材の電着浸漬ラッカー塗装を行なう。そのばあい、有機ビス マス錯体および/または有機カルボン酸のビスマス塩の形でビスマスを含む電気 浸漬ラッカーを使用する。 本発明による方法の特徴は、リン酸塩前処理後に不働化後処理を行なわず、ま たその他にもどのような後処理も必要としないことである。さらに、本発明は発 明の方法によってつくられた基材にもおよぶ。 金属基材としては、自動車工業で常用される金属部品を適用することもできる 。たとえば、アルミニウム、マグネシウムあるいはそれらの合金からなる構成部 品、および、たとえば亜鉛メッキしていないスチール製部品あるいは亜鉛単独メ ッキ、亜鉛/ニッケル合金メッキ、亜鉛/鉄合金メッキされたスチール製部品で ある。異なる基材が一つの工作物に併存(複合的構造)していてもよい。 本発明の方法で使用されるリン酸塩溶液はそれ自体既知のものである。たとえ ば、Horst GehmeckerがJOT、第5巻(1992年)の42〜46頁に明記し ているようなものが使用できる。つまり、亜鉛、マンガン、鉄および/またはニ ッケル含有のリン酸塩処理剤である。現技術水準では、ニッケルイオンを含有す るリン酸塩処理溶液が業界の現場で特に有力なものであると実証されている。し かし本発明に至る経緯によると、有毒性であるニッケルはビスマスを含有する電 気浸漬ラッカーを凌駕するだけの長所をもっていないことから、これの使用は回 避できることが明らかになった。リン酸塩処理液はスプレー法または浸漬法で塗 布することができる。金属基材表面には、この溶液からリン酸塩の結晶の薄膜が 沈着する。この被膜はできる限り密で微粒子状でなければならない。本発明の方 法によれば、不働化処理などの後処理を追加して行なうことはもはや必要でない 。それによ り、リン酸塩被膜の形成後、良好な防蝕性をうるために不働化処理を必要とした 従来の技術水準に比べて驚くに値する利点が生まれる。かつては、一般に有毒性 のクロム化合物を含む不働化処理溶液を使用しなければならなかったが、本発明 の方法によれば、最近提供されているクロム不含不働化処理溶液の使用を回避す ることも可能である。 本発明の方法によれば、被処理基材はリン酸塩処理後たとえば乾燥してから後 続の電気浸漬ラッカー塗装工程に導くこともできる。 本発明の方法では、電気浸漬ラッカーとしては、それ自体周知の、陽極に沈着 可能な電気浸漬ラッカーも使用できるが、好ましくは本発明によるビスマス化合 物量を含有する陰極沈着可能な電気浸漬ラッカーを使用する。これらの使用にお いては何の制約もない。常用の添加剤および触媒を含んでいてもよい。しかし、 優先されるのは錫、クロムおよび/または鉛化合物を含まないタイプのものであ る。環境や健康に危害をおよぼす金属化合物は避けるべきである。 本発明の方法で使用可能な電気浸漬ラッカーは、たとえば固形分10〜20重 量%の水性コーティング剤である。これは、イオン性置換基またはイオン性基に 変換可能な置換基および化学的架橋結合能力のある基をもつ常用のバインダーを 成分とするが、必要に応じて顔料および/または充填剤、その他添加剤を含むも のである。イオン性基は、アニオン性基あるいはアニオン性基に変換可能な基( たとえば−COOH基)でもカチオン性基あるいはカチオン性基に変換可能な塩 基性基、たとえばア ミノ基、たとえば第四級アンモニウム基などのアンモニウム基、ホスホニウム基 、および/またはスルホニウム基でもよい。好ましいのは塩基性基をもつバイン ダーである窒素含有塩基が特に望ましい。これらの基は四級化されていてもよい 。あるいは専門家の間では周知であるたとえば乳酸、蟻酸、酢酸などの有機モノ カルボン酸のような常用の中和剤でイオン性基に変換させる。 本発明の方法に使用できるアニオン性基を含有する陽極に沈着可能な電気浸漬 ラッカー用バインダーおよびラッカー(ATL)の例はDE−A−282441 8に記載されている。たとえば、重量平均分子量300〜10000および酸価 35〜300mgKOH/gのポリエステル、エポキシ樹脂エステル、ポリ(メ タ)アクリレート、マレイン酸オイルまたはポリブタジエンオイルをベースとす るバインダーである。このバインダーは、−COOH、−SO3Hおよび/また は−PO32基をもつ。これらの樹脂は中和後少なくとも酸基の一部から水相へ 移行する可能性がある。ラッカーは常用の、たとえばトリアジン樹脂などの架橋 剤、またはエステル交換および/またはアミド交換可能な基を含む架橋剤、ある いはブロックされたポリイソシアネート類などを含んでいてもよい。 ただし、好ましいのはカチオン性もしくは塩基性バインダーをベースとする陰 極沈着性電気浸漬ラッカー(KTL)である。そのような塩基性の樹脂としては 、たとえばアミン価20〜250mgKOH/gの第一、第二および/または第 三アミノ基を含む樹脂がある。これら塩基性樹脂の重量平均分子量(Mw)は好 ましくは 300〜1000である。そのような塩基性樹脂の例としては、アミノアクリレ ート樹脂、アミノエポキシ樹脂、末端に二重結合をもつアミノエポキシ樹脂、第 一級OH基をもつアミノエポキシ樹脂、アミノポリウレタン樹脂、アミノ基含有 ポリブタジエン樹脂あるいは変性エポキシ樹脂/二酸化炭素/アミン変換生成物 である。これらの塩基性樹脂は、自己架橋可能なものもあるが、そうでなければ 周知の架橋剤と混合して使用する。架橋剤の例としては、アミノプラスト樹脂、 ブロック化ポリイソシアネート、末端に二重結合をもつ架橋剤、ポリエポキシ化 合物あるいはエステル交換可能な基および/またはアミド交換可能な基を含む架 橋剤がある。 陰極浸漬ラッカー(KTL)浴で使用できて、本発明の方法に適用できる塩基 性樹脂および架橋剤の例は、EP−A−082291、EP−A−234395 、EP−A−209857、EP−A−227975、EP−A−178531 、EP−A−333327、EP−A−310971、EP−A−456270 、US−3922253、EP−A−261385、EP−A−245786、 DE−3324211、EP−A−414199、EP−A−476514に記 載されている。これらの樹脂は単独使用するか、あるいは併用する。 本発明の方法では、EP−A−414199にもとづくKTL浴の使用および EP−A−234395にもとづくバインダーをベースとしたものが特に有効で あると実証されている。 本発明の範囲内では、ビスマスは有機ビスマス錯体の 形態で、あるいは、有機モノカルボン酸またはポリカルボン酸の塩として使用す る。キレート形成配位子の例としてはアセチルアセトンがあげられようが、しか し一つまたは複数の錯体形成基をもつ他の有機錯体形成剤でもよい。本発明の方 法で使用できるビスマス塩を生成できる適当な有機カルボン酸の例としては芳香 族、芳香族脂肪族(araliphatische)および脂肪族のモノカルボン酸、ジカルボン 酸があるが、なかでも有機モノカルボン酸のビスマス塩、特にビスマスベンゾエ ート、ビスマスプロピオネート、ビスマスオクトエート、ビスマスネオデカノエ ートのように炭素原子を2個以上もったものが好ましい。本発明の方法ではヒド ロキシカルボン酸のビスマス塩が特に好ましい。たとえば、サリチル酸ビスマス 、ビスマス−4−ヒドロキシベンゾエート、乳酸ビスマス、ジメチロールプロピ オン酸ビスマスである。特に、脂肪族ヒドロキシカルボン酸のビスマス塩が適し ている。有機ビスマス化合物は、ラッカーに合せて選択する。有機ビスマス塩は 特に陰極沈着電気浸漬ラッカーに好ましく使用できる。 発明の方法で使用される電気浸漬ラッカー中の有機ビスマス化合物の量は、ビ スマスに換算して、対電気浸漬ラッカー浴バインダー固形分の0.1〜5重量% 、その中でも特に0.5〜3.0重量%が好ましい。ただし、浴中に適宜カルボ ン酸イオンを導入するばあいは、その量が電気浸漬ラッカーの特性に悪影響を及 ぼさないように注意する必要がある。有機ビスマス化合物は、本発明の方法で使 用可能な電気浸漬ラッカー中、水相あるいは分散相において、溶解または微分散 していればよい。た とえばコロイド状でも微粉砕パウダー状でもかまわないが、好ましくは、少なく とも按分比例の水溶性を有しているべきである。 工程技術面のことをいえば、一般には電気浸漬ラッカーコーティング工程には 限外濾過工程を組合わせる。そこでは電気浸漬ラッカーの水溶性成分が濾過膜を 通って濾液のほうへ移行する。本発明の方法は、膜透過性有機ビスマス化合物の 使用下で実施することができる。ただし、前記のビスマス化合物の中から、電気 浸漬ラッカー浴中の支配的なpH値においてわずかな膜透過性しか示さないよう な有機ビスマス化合物を選択するのが好ましい。つまり、本発明の方法では濾液 はビスマス化合物を殆ど含んでいない状態でなければならない。このようにして 、電気浸漬ラッカー浴のビスマス含有量の低下を避けることが可能である。 この有機ビスマス化合物の電気浸漬ラッカーへの添加は様々な方法で行なえる 。たとえば、希釈のために所定量の水の大部分を投入するのに先立って、高めら れた温度で、中和されたバインダー溶液に有機ビスマス化合物を添加し、ついで 撹拌下で均質化するという方法が可能である。酸で中和されたバインダーのばあ い、有機ビスマス化合物、好ましくは有機ビスマス塩をたとえば60〜80℃で 分割添加し、ついで撹拌下60〜100℃、好ましくは60〜70℃で数時間、 好ましくは4〜8時間均質化するという方法が可能である。バインダーの中和剤 としてたとえば乳酸やジメチロールプロピオン酸のようなヒドロキシカルボン酸 を使用するばあい、相応量の酸化ビスマス、水酸化ビスマスで代用することも可 能 である。このばあいでも対応のビスマス塩が形成される。ただし、最初にあげた 方法に比べ、造塩に必要な分だけ酸量の調整が必要である。 さらには、有機ビスマス化合物を、たとえば常用の顔料ペーストの構成成分と して電気浸漬ラッカーに混和することも可能である。有機ビスマス化合物が水溶 性であるかまたは溶剤に溶けているのであれば、それをバインダー分散液または 電気浸漬ラッカーに後から添加することも可能である。ただし、電気浸漬ラッカ ー浴中で均一に分布するように注意が必要である。 コーティング剤、電気浸漬ラッカー(ETL)は、塩基性樹脂およびばあいに よって使用される架橋剤や本発明の本質的要素である有機ビスマス化合物のほか に、顔料、充填剤および/またはラッカー向けの常用添加剤を含んでいてもよい 。顔料としては常用の無機および/または有機顔料が使用の対象になる。たとえ ばカーボンブラック、二酸化チタン、酸化鉄、カオリン、タルクや二酸化ケイ素 である。常用の防蝕性顔料を使用することも可能である。たとえばリン酸亜鉛、 ケイ酸鉛や有機防蝕剤である。使用する顔料の種類と量はコーティング剤の使用 目的に依存する。透明な被膜を望むばあいは、顔料を使用しないでまたはたとえ ば微粒化された二酸化チタンや二酸化ケイ素のような透明顔料だけを使用する。 隠蔽被膜をえたいばあいは、電気浸漬ラッカー浴に着色顔料を加えるのがよい。 顔料は、たとえば周知のペーストレジンの使用により顔料ペーストに分散化で きる。そのようなレジンは専門家の間ではよく知られている。KTL浴で使用で きるペ ーストレジンの例としてはEP−A−0183025およびEP−A−0469 497記載のものがある。 添加剤としては、ETLコーティング剤向けの常用添加剤が使用できる。たと えば、湿潤剤、中和剤、流展剤、触媒、消泡剤、およびコーティング剤に常用さ れる溶剤である。 本発明の方法では金属基材を洗浄してその後リン酸塩処理を行なう。不働化後 処理は行なわない。リン酸塩処理をして不働化処理をしていないこのような金属 薄板が試供品として市販されている。たとえばChemetall社か 酸塩処理)(登録商標)の名で販売されている。 リン酸塩処理の後、乾燥してもよいが、そうしないばあいは直接電気浸漬ラッ カー塗装を行なう。ビスマスを含む電気浸漬ラッカーによりコーティングした後 、焼き付けして架橋させる。本発明の方法によるラッカー塗装を下塗として用い たばあい、後続してコーティング被膜の塗布が可能である。 本発明の方法により、基材への接着性が際立ってよく、卓越した防蝕性をもつ ラッカー被膜がえられる。そのばあい、リン酸塩処理剤にも電気浸漬ラッカーに も、クローム、鉛、ニッケル、錫の化合物のように環境に危害を加えるような金 属化合物を使用しなくても目的が達せられる。 本発明の方法は工程が丸々一つ、つまり不働化処理工程が完全に省けるので、 前記の現技術水準の方法に比べてはるかに簡易化されている。それでいて技術面 で譲る というところもない。実施例1 (有機ビスマス塩の製造) 脱イオン水および酸を用意して70℃に加熱する。市販の酸化ビスマス(Bi23)を撹拌下で分割添加する。70℃でさらに6時間撹拌した後、約20℃に 冷却し、撹拌せずに12時間放置する。最後に沈殿物を濾別して、少量の水とエ タノールで洗浄し、40〜60℃で乾燥する。 つぎの塩をそれぞれ表示の添加分量によって製造する。 乳酸ビスマス:466部(1モル)の酸化ビスマス+ 901部(7モル)の乳酸、70%水 中 ジメチロール プロピオン酸 ビスマス :466部(1モル)の酸化ビスマス+ 938部(7モル)のジメチロールプ ロピオン酸+2154部の水実施例2 (ビスマス含有電気浸漬ラッカーの製造) a)570gのビスフェノールAをベースとするエポキシ樹脂(エポキシド当量 190)および317gのメトキシプロパノールを60℃に加熱し、2時間以内 で116gのエチルヘキシルアミンと163gの重合アミン(下記参照)からな る混合物を混ぜてMEQ値2.06になるまで反応させる。ついでビスフェノー ルAエポキシ樹脂の75%メトキシプロパノール溶液1330g(エポキシ当量 475)を添加する。つづいて60℃で1時間以内に176gのメトキシプロパ ノールに189 gのジエタノールアミンを溶かした溶液を加え、MEQ値1.57に至るまで反 応させる。その後さらに1時間以内で54gのメトキシプロパノールに76gの ジエチルアミノプロピルアミンを溶かした溶液を添加した後、60℃でMEQ値 1.46に至るまで反応させる。温度を90℃に上げ、それからさらに1時間内 で120℃に昇温する。粘度(GARDNER-HOLD方式、樹脂6g+メトキシプロパノ ール4g)がI〜Jに達したとき、メトキシプロパノールで固形分65重量%に なるまで希釈する。えられた生成物は、それぞれ固形分につき117mgKOH /gのアミン価と323mgKOH/gの水酸基価を有している。 80%メトキシプロパノール溶液中、1モルのジエチレントリアミンを3.2 モルの2−エチルヘキシルグリシジルエーテルおよび0.5モルのビスフェノー ルAエポキシ樹脂(エポキシ当量190)と反応させることによって重合アミン を製造する。生成物は60〜80秒の粘度(DIN 53 211/20℃;樹 脂100g+メトキシプロパノール30g)を有している。 b)134gのトリメチロールプロパンを160gのマロン酸ジエチルエステル で架橋し、蒸留開始(約140〜150℃)に至るまで加熱する。温度を上げて (180℃まで)46gのエタノールを溜出させる。反応終了後、128gのジ エチレングリコールジメチルエーテルで希釈し、60℃に冷却する。つづいて1 モルのトルイレンジイソシアネートと1モルのエチレングリコールモノエチルエ ーテルからなる2.64gの反応生成物を4時間以内で添加し、60℃でNCO 含量が1g試料当り 0.02ミリ当量以下になるまで反応させる。 えられた生成物は固形分80±2重量%である(120℃、30分)。粘度は GARDNER-HOLD方式(生成物10g+ジエチレングリコールジメチルエーテル2g )でK、屈折率n20/dは1.4960である。 c)a)およびb)でえた生成物を70:30(固形分基準)の比率で混合する 。ついで乳酸を添加する。そのばあい、問題のない水溶性を達成するためにそれ の必要量を予備試験で求めておいた。70℃に加熱し、つぎに液中のビスマス量 が1.5重量%(固形分ベース)になるように、2時間以内でジメチロールプロ ピオン酸ビスマスを撹拌下で分割添加する。ついで60〜70℃でさらに6時間 撹拌し、最後にメトキシプロパノールで固形分65重量%にまで希釈する d)バインダー100部、二酸化チタン39.5部およびカーボンブラック0. 5部の組成に従い、18重量%の固形分をもつ陰極沈着性電気浸漬ラッカーが通 常の方法でえられる。実施例3 (KTL分散液の製造) a)832部のビスフェノールAをベースとするエポキシ樹脂のモノカルボン酸 塩(市販品 Epicote 828)を830部のポリカプロラクトンポリオール(市販 品CAPA 205)および712部のジグリコールジメチルエーテルと混合し、70〜 140℃において約0.3%BF3−エテレート(BF3-Etherate)と、エポキシ価 が0になるまで反応させる。この生成物(固形分70%、2当量炭酸塩)に、4 0〜80℃において、触媒として0.3%Zn−アセチルアセトネートの存在下 に174部のトル イレンジイソシアネート(2当量NCO)と137部の2−エチルヘキサノール からえられた307部の変換生成物を、NCO含量約12.8%の0.3%ベン ジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド(Triton B)の添加のもとで加える。N CO値が約0になるまで変換させ、それからジグリコールジメチルエーテルで固 形分約70%に調整する。 b)1759部のビスフェノールAをベースとするエポ 〜80℃において、348部のトルイレンジイソシアネート(80% 2,4異 性体;20% 2,6異性体)と274部の2−エチルヘキサノールからの変換 生成物618部を、残存NCO量12.8%をもつ触媒ベンジルトリメチルアン モニウムヒドロキシド0.3%の存在 応のもとでゆるやかに添加する。反応はNCO値が約0になるまで継続する。生 成物の固形分は70%である。2315部のメトキシプロパノールに溶かした8 60部のビスヘキサメチレントリアミンに、温度20〜40℃において、137 部の2−エチルヘキサノールと174部のトルイレンジイソシアネートからの6 22部変換生成物を、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド(0.3% )触媒反応のもとで添加し(NCO量、約12.8%)、NCO量が約0に至る まで変換させる。つぎに4737部の変換生成物b)と3246部の反応生成物 a)(それぞれジグリコールジメチルエーテル中70%濃度)を添加し、60〜 90℃で反応させる。アミン価約32mgKOH/gで反応を終える。生成物を 真 空中、固形分約85%になるまで蒸溜する。 c1)樹脂100g当り30ミリモルの蟻酸で中和する。その後70℃に加熱し 、2時間内で液中ビスマス量が1.5重量%(固形分基準)になるように乳酸ビ スマスを撹拌下で分割添加する。続いて60〜70℃でさらに6時間撹拌する。 冷却後、脱イオン水を加えて固形分40重量%の分散液に調整する。 c2)c1)の工程に準ずるが、蟻酸添加後に、加熱もビスマス塩の添加も行な わない点が異なる。顔料ペーストの製造 実施例4 EP−A−0469497 A1の実施例1の顔料ペースト(55%)223 部に、高速撹拌下で15部の酢酸(50%)、30部の市販の湿潤剤(50%) および374部の脱イオン水を添加する。 そこへ、5部のカーボンブラック、5部の発熱性ケイ酸、25部のジブチル錫 酸化物パウダー、38部のケイ酸鉛および560部の二酸化チタンを添加する。 脱イオン水で固形分約50%に調整し、ボールミルで粉砕する。それにより安定 な顔料ペーストがえられる。実施例5 実施例4に準ずるが、ケイ酸鉛は添加しない。実施例6 実施例5に準ずるが、ジブチル錫酸化物は添加しない。実施例7 (ビスマス含有KTLの製造) 実施例3のc1)の分散液815.5部に4.5部の蟻酸(50%)および1 760部の脱イオン水を加える。よく撹拌しながら実施例6の顔料ペーストを4 20部添 加する。実施例8 (鉛および錫含有KTLの製造) 実施例3のc2)の分散液815.5部に4.5部の蟻酸(50%)および1 760部の脱イオン水を加える。よく撹拌しながら、実施例4の顔料ペーストを 420部添加する。実施例9 (錫含有KTLの製造) 実施例8に準ずるが実施例5の顔料ペーストを420部使用する点が異なる。実施例10 (鉛および錫含有KTLの製造) EP−0414199−A2の表3に記載のバインダー配合2に従い、固形分 18重量%の電気泳動着色ラッカーを製造する。実施例11 (錫含有KTLの製造) 実施例10に準ずるが、塩基性のケイ酸鉛は添加しない。えられる電気泳動ラ ッカーは0.5部のカーボンブラック、35.5部の二酸化チタン、5部のヘキ シルグリコール(それぞれ対固形分)を含んでいる。実施例12 (ビスマス含有KTLの製造) 実施例11に準ずるが、ただし、顔料添加および脱イオン水による固形分の希 釈(18重量%まで)前に70℃に加熱し、2時間内で液中のビスマス量が1. 5重量%(対固形分)になるように乳酸ビスマスを撹拌下で分割添加する。 実施例2および7〜12のラッカーを、陰極沈着により、それぞれ前処理の異 なる片面電解亜鉛メッキしたスチール薄板(ST1405)(Chemetall社)か ら試供品として販売されているいわゆる“Bonder”金属板(下記 リスト参照)に、乾燥時の厚さが20μmとなるように塗布し、175℃で(被 加工物温度)10分間焼き付ける。非亜鉛メッキ面の半分をブランキングし、汎 用充填剤を35μmの厚さ(乾燥時)で両面スプレーし、165℃(被加工物温 度)で15分間焼き付ける。その後、自動車塗装に適した単層のトップコートラ ッカーをスプレーにより40μmの乾燥厚さで両面塗布し、130℃(被加工物 温度)で30分間焼き付ける。その後ブランキング剤を除去する。 各種前処理のリスト 実施テスト 1 非亜鉛メッキ面に対するVDAガイドライン621−415にもとづく防蝕 性テスト。試験期間10サイクル、溶浸の値はDIN 53 167にもとづ きmm表示(表1参照)。 2 DIN 50 017に基づく240時間の定常雰囲気条件下に曝した前後 における、各種亜鉛メッキ面のDIN 53 151にもとづく接着性試験(表 2参照)。 表1および2の*印のついた値は、本発明の方法でえられる結果を表わしてい る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.−金属基材をスプレーまたは浸漬によるリン酸塩処理により前処理し、不働 化処理をせずに適宜乾燥し、 −このように処理をした金属基材の電気泳動浸漬ラッカー塗装を、乳酸ビスマ スおよび/またはジメチロールプロピオン酸ビスマスを含み錫化合物を含まない 電気浸漬ラッカーを使用して行なう ことを特徴とする、リン酸塩処理および電気泳動浸漬ラッカーコーティングに よる金属基材のラッカー塗装法。 2.乳酸ビスマスおよび/またはジメチロールプロピオン酸ビスマスの量が、ビ スマスに換算して、電気浸漬ラッカー中にバインダー固形分の0.1〜5重量% である、電気浸漬ラッカーを使用することを特徴とする請求の範囲第1項記載の 方法。 3.ニッケルイオンを含まないリン酸塩処理溶液によってリン酸塩処理を行なう ことを特徴とする請求の範囲第1項または第2項記載の方法。 4.第一、第二および/または第三級アミノ基をもちかつアミン価20〜250 mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)300〜10000であってそのアミ ノ基が少なくとも部分的に四級化されているか、および/または中和されている 自己架橋型または非自己架橋型バインダーをベースとする陰極沈着電気浸漬ラッ カーにより、電気泳動浸漬ラッカーコーティングを行なうことを特徴とする請求 の範囲第1項、第2項または第3項記載の方法。 5.自動車車体およびその構成部品のラッカー塗装に使用することを特徴とする 、前記請求の範囲のいずれか1つに記載の方法。 6.多層ラッカー塗装の一部として自動車車体およびその構成部品の下塗に使用 することを特徴とする、前記請求の範囲のいずれか1つに記載の方法。 7.異なる金属で構成されている金属基材のラッカー塗装に使用することを特徴 とする、前記請求の範囲のいずれか1つに記載の方法。 8.請求の範囲第1項〜第7項のいずれか1つの方法に従って処理された金属工 作物の形態である金属基材。
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