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JPH0944164A - 楽音発生装置 - Google Patents

楽音発生装置

Info

Publication number
JPH0944164A
JPH0944164A JP7214161A JP21416195A JPH0944164A JP H0944164 A JPH0944164 A JP H0944164A JP 7214161 A JP7214161 A JP 7214161A JP 21416195 A JP21416195 A JP 21416195A JP H0944164 A JPH0944164 A JP H0944164A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
delay
pitch
time
generating
delay time
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Abandoned
Application number
JP7214161A
Other languages
English (en)
Inventor
Goro Sakata
吾朗 坂田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Casio Computer Co Ltd
Original Assignee
Casio Computer Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Casio Computer Co Ltd filed Critical Casio Computer Co Ltd
Priority to JP7214161A priority Critical patent/JPH0944164A/ja
Publication of JPH0944164A publication Critical patent/JPH0944164A/ja
Abandoned legal-status Critical Current

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  • Electrophonic Musical Instruments (AREA)
  • Reverberation, Karaoke And Other Acoustics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 回路規模を増大することなく簡易な構成で滑
らかに音高制御し得る楽音発生装置を実現する。 【解決手段】 第1の音高から第2の音高へ遷移させる
際、遅延回路4は互いに異なる読み出しアドレスa,b
に基づき第1の音高に対応する第1の遅延時間と、第2
の音高に対応する第2の遅延時間とを生成する一方、音
高遷移する際のポルタメントレートに従い変化する補間
係数rによって、この第1の遅延時間から第2の遅延時
間へ遅延補間されるので、滑らかに音高遷移する。しか
も、こうした遅延補間は、乗算と加算とだけで行う為、
従来のように回路規模を増大することなく簡易な構成で
実現可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、フルート
等の管楽器音の発音メカニズムをシミュレートする装置
に関し、特に、発生した管楽器音のピッチ(音高)を簡
易な構成下で滑らかに変化させ得る楽音発生装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、自然楽器の発音メカニズムをシミ
ュレートしたモデルを動作させ、これにより自然楽器の
楽音を発生する装置が各種開発されており、管楽器の発
音メカニズムをシミュレートするものとしては、例え
ば、特開平3−235997号公報に開示されている。
この種の装置によれば、管楽器のマウスピースおよびリ
ードからなる部分の非線形動作をシミュレートする励振
部と、管楽器の管部である共鳴管の伝送特性をシミュレ
ートする管体部とで閉ループを形成し、この閉ループ中
に励振部から吹奏圧に相当する信号を注入すると、閉ル
ープで信号の循環が励起され、これにより共鳴管の共振
動作に対応したピッチ(音高)の楽音信号が得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】さて、上述した従来の
楽音発生装置では、閉ループ中に、共鳴管における空気
圧力波の伝播遅延をシミュレートする複数の遅延回路D
が介装されており、その遅延時間を変化させることで共
鳴管の共振特性を異ならせ、ループ中を循環する楽音信
号のピッチを制御している。ループ中の遅延時間を制御
するには、例えば、遅延回路Dがシフトレジスタによっ
て構成されているならば、発生すべき音高に応じてシフ
トレジスタを駆動するクロック信号の周波数を変化させ
る、所謂ピッチ同期的な手法が知られている。これに対
し、ピッチ非同期的にループ中の遅延量を制御する態様
として、遅延回路Dを周知のリングバッファで構成し、
その書込み・読み出しアドレスの相対値を変化させて所
望の遅延時間を得る手法が用いられている。
【0004】ところで、リングバッファの書込み・読み
出しアドレスの相対値を変化させて遅延回路Dの遅延量
を制御する方式では、いきなり書込みアドレスと読み出
しアドレスとを異ならせると、読み出した信号値が不連
続となり、これがノイズ発生の要因になる虞がある。そ
こで、1サンプル遅延より小さい読み出しアドレスの小
数部を設け、整数部に対応して読み出された信号値を、
この小数部の値に基づき補間演算することで信号の不連
続を回避してノイズ発生を抑止するようにしている。
【0005】しかしながら、このような補間演算を行う
には、少なくとも、所望の遅延時間を得る目的の読み出
しアドレスの整数部と、これと隣り合うアドレスの整数
部とに基づいて読み出した複数の信号値を一旦、レジス
タに退避させておき、次に、このレジスタ退避させた複
数の信号値を読み出して目的の読み出しアドレスの小数
部に従って内挿補間するので、高速な演算処理が必要に
なる。しかも、遅延回路Dは、共鳴管において管の径が
変化している箇所で発生する空気圧力波の散乱をシミュ
レートする複数のジャンクションJU間に介装されるた
め、これら複数の遅延回路D毎に最適な遅延時間を与え
る必要があり、これ故、数多くの高速演算が必要とな
り、必然的に回路規模が増大してしまうという問題を生
じさせている。
【0006】そこで、本発明は、上述した事情に鑑みて
なされたもので、回路規模を増大することなく簡易な構
成で滑らかに音高制御し得る楽音発生装置を提供するこ
とを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、発音体の非線形特性に
基づいて生成される励振信号を、所定時間遅延して出力
する遅延手段を備え、この遅延手段の出力を繰り返し循
環させて共鳴体の共振動作に対応した音高の楽音を発生
する楽音発生装置において、前記遅延手段は、発音すべ
き音高が指定される毎に、その音高に応じた遅延時間の
発生を指示する遅延発生指示手段と、この遅延発生指示
手段の指示に応じた遅延時間を発生する遅延発生手段
と、前記遅延発生指示手段の指示に従って、この遅延発
生手段が第1の音高に対応する第1の遅延時間と、第2
の音高に対応する第2の遅延時間とを生成した時、第1
の音高から第2の音高へ遷移する際の遷移レートに応じ
て第1の遅延時間から第2の遅延時間へ連続的に遅延補
間する遅延補間手段とを具備することを特徴としてい
る。
【0008】また、請求項2に記載の発明では、発音体
の非線形特性に基づいて生成される励振信号を、所定時
間遅延して出力する遅延手段を備え、この遅延手段の出
力を繰り返し循環させて共鳴体の共振動作に対応した音
高の楽音を発生する楽音発生装置において、前記遅延手
段は、発音すべき音高が指定される毎に、その音高に応
じた遅延時間を生じさせる第1の読み出しアドレスと第
2の読み出しアドレスとを交互に発生する読み出しアド
レス発生手段と、環状アドレッシングされた書込みアド
レスに従って前記励振信号が書き込まれるメモリ手段で
あって、発音すべき音高が指定される毎に、前記第1お
よび第2の読み出しアドレスに従って当該メモリ手段を
交互に読み出して第1および第2の遅延時間を発生する
遅延発生手段と、発音すべき音高が第1の音高から第2
の音高へ遷移する際の遷移レートを設定するレート設定
手段と、前記遷移レートに応じて変化する補間係数を発
生すると共に、この補間係数に応じて前記第1の遅延時
間から前記第2の遅延時間に内挿補間する遅延補間手段
とを具備することを特徴としている。
【0009】上記請求項2に従属する請求項3に記載の
発明によれば、前記遅延補間手段は、前記遷移レートに
応じて変化する第1の補間係数rと第2の補間係数1−
rとを発生する係数発生手段と、前記遅延手段が発生す
る第1および第2の遅延時間に第1の補間係数rと第2
の補間係数1−rとをそれぞれ乗算し、両乗算結果を加
算して補間遅延時間を発生する補間演算手段とを備える
ことを特徴とする。また、上記請求項2に従属する請求
項4に記載の発明では、前記レート設定手段は、ポルタ
メント奏法に相当する遷移レートを設定することを特徴
とする。
【0010】本発明では、第1の音高に対応する第1の
遅延時間と、第2の音高に対応する第2の遅延時間とを
生成した時、第1の音高から第2の音高へ遷移する際の
遷移レートに応じて第1の遅延時間から第2の遅延時間
へ連続的に遅延補間するので、回路規模を増大すること
なく簡易な構成で滑らかに音高制御する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、管楽器の発音メカニズ
ムをシミュレートする楽音発生装置に適用され得る。以
下では、発明の原理について述べた後、本発明の実施の
形態である楽音発生装置を実施例とし、図面を参照して
説明する。
【0012】A.発明の原理 (1)発音メカニズム 実施例の説明に入る前に、本発明による管楽器(エア・
リード楽器)の発音メカニズムについて述べる。周知の
通り、管楽器は空気柱を取囲む管と、空気柱に振動を生
じさせる機構とを備え、管は共鳴体として動作し、空気
振動を生じる機構は発音体として動作する。管楽器で
は、多くの場合、リードと呼ばれる弾性体の薄片を振動
させて発音するが、リードを持たないエア・リード楽器
も知られている。
【0013】エア・リード楽器、あるいはノン・リード
楽器と呼ばれるものは、呼気などによって作られる空気
流(ジェット)と管内の空気柱との相互作用により振動
が励起される。より詳しく言えば、マウスピース部に設
けられたエッジに対する空気流自体の形や、それのエッ
ジに対する当り具合が振動発生の態様を左右しており、
これがエア・リードと呼称される所以となっている。こ
こで、図1に示すリコーダーの断面構造を参照してエア
・リード楽器の発音メカニズムについて説明する。マウ
スピースMPから吹込まれる空気流は、エッジEGで管
内へ向う流れと管外へ向う流れとからなるジェット・リ
ードJRを形成する。
【0014】管内側へ流入される空気流は、管内圧力を
上昇させ、その圧力波が開口管端へ向って伝播する。開
口管端は、開放されている為、圧力分布がゼロとなり、
圧力波がマウスピースMP側へ反射する。そして、マウ
スピースMP側に到達した圧力波は、このマウスピース
MP端が開放されていることから、基本的に再び開口管
端側へ反射される。その際、圧力波がジェットリードJ
Rに影響を及ぼす。すなわち、ジェットリードJRは、
圧力波の進行に伴って一旦、管外方向へ押し上げられる
が、その後、管内圧力の低下に応じて再び跳ね返るよう
に、管内側へ吹込む。このようなジェットリードJRの
振動挙動を図2(イ)〜(チ)の軌跡図として示す。な
お、この図に示す度数は振動位相角を表わしている。
【0015】マウスピースMPから吹き出される空気流
は、進行するに連れて周囲の空気と混合して行くため、
その流速分布は図3に示すように変化する。すなわち、
マウスピースMPの吹き出し口近傍では、矩形状の流速
分布Aが、吹き出し口から離間するにつれて流速分布
B,Cの順に変化する。したがって、図2に示したジェ
ット・リードJRの挙動と合せて考えると、エッジEG
付近の流速分布Cは、管内を往来する反射圧力波に応じ
て略上下振動する自励振動源と考えられる為、この反射
圧力波に対する流速分布の変化に基づき管内における圧
力波の関数(圧力変化)を推定し得る。
【0016】一般に、圧力pと体積速度vとの関係は、
面積S、空気密度ρおよび音速cを用いてp=(ρc/
S)・vと表現できるが、図3に図示したように、管内
に流れ込む空気流速は一定ではない。そこで、エッジE
Gで分割されて管内に流れ込む流速分布を積分したもの
が圧力に比例する、と仮定した場合、反射圧力波と空気
流速とに応じて発生する圧力は、図4に示す非線形特性
で近似し得る。但し、この非線形特性は、エッジEGの
形状や、マウスピースMPの吹き出し口の形状により異
なるものである。
【0017】(2)信号処理アルゴリズム 次に、図5を参照して上述した発音メカニズムに基づき
エア・リード楽器の発音動作をシミュレートする信号処
理アルゴリズムについて説明する。図5において、1は
係数乗算器であり、後述する非線形テーブル部9から出
力される反射圧力波に、直流成分DC(吹奏息圧に相
当)あるいはホワイトノイズ成分WNを乗算して吹奏体
積速度(空気流速)を発生する。2はマウスピースとエ
ア・リードとの間隙における反射圧力波の散乱(反射お
よび透過)をシミュレートする信号散乱ジャンクション
であり、加算器2a,2c、乗算器2e,2bおよび遅
延素子2dとからなる乗算格子で形成される。なお、こ
の遅延素子2dは、入力される信号を1サンプリング周
期遅延して出力するものである。3は共鳴管の伝送特性
をシミュレートするウェーブガイドであり、構成要素4
〜6から構成されている。
【0018】4−1〜4−6は、それぞれウェーブガイ
ド3の伝送往路に介挿されて共鳴管における空気圧力波
の伝播遅延をシミュレートする遅延回路である。遅延回
路4は、例えば、RAMなどの揮発性メモリを環状アド
レッシングしたリングバッファで形成され、その書込み
アドレスと読み出しアドレスとの相対差に応じた遅延時
間を発生する。この遅延回路4が従来のものと異なる点
は、図6に示すように、リングバッファ4aにおいて互
いに異なる2つの読み出しアドレスa,bをセット可能
とし、かつ、このアドレスa,bに対応する遅延時間に
それぞれ補間係数r,1−rを乗算する乗算器4b,4
cと、これら乗算器4b,4cの出力を加算する加算器
4dとを備えたことにある。
【0019】つまり、上記構成による遅延回路4では、
ノートオンタイミング毎に読み出しアドレスa,bが交
互にセットされるようになっており、例えば、図7に示
すように、ノートオンタイミングt1において読み出し
アドレスaがセットされ、これに応じた遅延時間Daに
対応するピッチで発音している時、乗算器6bには補間
係数rとして「1」がセットされる一方、読み出しアド
レスb側は使用されない。次に、新たなピッチへ音高変
化させる過程において、補間係数rを徐々に「0」にし
ながら、ノートオンタイミングt2において新たな読み
出しアドレスbをセットする。これにより、先のピッチ
に対応する遅延時間Daから現ピッチに対応する遅延時
間Dbに遅延補間されるから、簡単な構成で滑らかに音
高制御することが可能になっている。
【0020】次に、再び信号処理アルゴリズムの構成に
ついて説明を進める。図5において、5−1〜5−5
は、それぞれ共鳴管において管の径が変化している箇所
で発生する空気圧力波の散乱をシミュレートする信号散
乱ジャンクションである。信号散乱ジャンクション5
は、図8に示すように、減算器5a、係数乗算器5bお
よび加算器5c,5dから構成される格子構造フィルタ
であり、図10に図示するように、管の断面積がS1か
らS2に変化する際の圧力波の反射(p1’,p2’)
および透過(p1,p2)をシミュレートする。なお、
係数乗算器5bの乗算係数kは、上記断面積の値S1、
S2に基づき、k=S1−S2/S1+S2の関係で与
えられる値である。
【0021】また、図9は、図8に図示した格子構造フ
ィルタと同等のジャンクションであり、この場合、図8
に示す構成のものに比して乗算器の数を1つ省略し得
る。図8および図9に示すジャンクションの構成は、使
用するDSP(ディジタル・シグナル・プロセッサ)の
特性に応じていずれかを選択する。つまり、乗算回数を
減らしたい場合には、図8に図示する構成のジャンクシ
ョンを使用した方が有利であり、一方、乗加算の処理が
早いタイプのDSPであれば、図9に図示する構成のジ
ャンクションを用いれば良い。
【0022】次に再び図5に戻る。図5において、6−
1〜6−6は、ウェーブガイド3の伝送復路に介挿され
て1サンプリング周期遅延する遅延素子である。7は管
体終端の損失をシミュレートする乗算器である。8はジ
ェット・リードJRの共振特性をシミュレートするロー
パスフィルタ(以下、LPFと記す)である。LPF8
は、例えば、図11に図示するように、減算器8a,8
b、乗算器8c,8e,8i、加算器8d,8fおよび
遅延素子8g,8hからなるIIRフィルタから構成さ
れ、吹奏態様に応じた共振値Qおよびカットオフ周波数
Fcが乗算器8c,8e,8iの係数として与えられ、
これにより、ジェット・リードJRの自励振動モード等
が定められる。
【0023】非線形テーブル部9は、ジェット・リード
JRにおける非線形動作をシミュレートするものであ
り、上述したように、管内を往来する反射圧力波に対し
て作用する流速分布の変化に応じて発生する圧力波をテ
ーブル記憶している。この非線形テーブル部9は、図1
2に示すように、非線形テーブルNTL[n]を補間読
み出しする為の加算器9a、減算器9b、乗算器9cお
よび加算器9dを備える。非線形テーブルNTL[n]
には、読み出しアドレスの整数部ADと、この整数部A
Dに加算器9aにて1インクリメントされる整数部AD
+1とが与えられる。これら隣り合うアドレスから読み
出されたテーブル値は、減算器9bにて減算される一
方、その減算結果に対して乗算器9cが読み出しアドレ
スの小数部FRCを乗算し、この乗算結果と読み出しア
ドレスの整数部ADに対応して読み出されるテーブル値
とが加算器9dにて加算される。これにより、隣り合う
アドレスから読み出されたテーブル値が直線補間され
る。
【0024】以上のように、本発明の信号処理アルゴリ
ズムでは、先ず非線形テーブル部9にてジェット・リー
ドJRの非線形動作に基づき管体を励振する圧力波が生
成されると、係数乗算器1がこれに直流成分DCあるい
はホワイトノイズ成分WNを乗算して吹奏体積速度(空
気流速)を生成する。次いで、この空気流速がマウスピ
ースとエア・リードとの間隙における圧力波の透過/反
射をシミュレートする信号散乱ジャンクション2を経て
ウェーブガイド3の伝送往路に入力される。ウェーブガ
イド3では、共鳴管の伝播遅延、管の径が変化する箇所
での散乱および管端の反射損失とがシミュレートされ
る。
【0025】この後、遅延素子→ジャンクション→遅延
素子…というようにウェーブガイド3の伝送復路を辿
り、ジェットリードの共振特性をシミュレートするLP
F8に入力される。LPF8では吹奏態様に応じた共振
値Qおよびカットオフ周波数Fcに基づき、この反射圧
力波にローパスフィルタリングを施してジェットリード
JRの自励振動モードに基づく流速分布変化を生成し、
再び非線形テーブル部9に与える。以上のようにして構
成要素1〜9からなる閉ループ中にデータの循環、すな
わち、共振動作が行われている過程で、ウェーブガイド
3の終端となる乗算器7の出力を楽音として抽出する
と、例えば、図13に図示するような周期波形が得られ
る。この場合、周期波形のピッチは、当該ループ中の全
遅延量に対応したものとなる。
【0026】B.実施例の構成 次に、図14を参照し、上述した信号処理アルゴリズム
に基づいて楽音を発生する実施例の構成について説明す
る。この図において、10は押離鍵操作に応じたキーオ
ン、キーオフ、ノートナンバ(音高)および押鍵速度に
対応したベロシティ値などの演奏情報を発生する鍵盤で
ある。11は操作パネルに各種配設されるパネルスイッ
チであり、各種スイッチの操作に応じた操作信号を発生
する。パネルスイッチ11には、例えば、図15に示す
ように、数値入力する際に操作されるテンキー11a、
カーソル移動する際に操作されるカーソルキー11bの
他、前述した非線形テーブルNLT[n]の内容などを
編集する際に操作されるキーEDITや、動作モードを
遷移する際に操作されるキーEXIT、入力確定する際
に操作されるキーEnterなどがある。
【0027】12はLCDパネルやLCD駆動回路等で
構成される表示装置であり、後述するマイクロコンピュ
ータ13からバスBを介して供給される表示制御信号に
基づき、例えば、上記操作信号に応じたパネル設定状態
などを表示する。マイクロコンピュータ13は、例え
ば、CPU、ROMおよびRAM等を同一チップ上に形
成した所謂ワンチップマイコンであり、後述する動作に
より装置各部を制御する。14はディジタル・シグナル
・プロセッサ(以下、DSPと記す)であり、自身に内
蔵されるマイクロプログラムに従って上述した信号処理
アルゴリズムに基づき楽音形成する。このDSP14に
おいて実行される信号処理アルゴリズムは、マイクロコ
ンピュータ13からバスBを介して供給される各種パラ
メータ(後述する)に基づき制御される。15は前述し
た遅延回路4−1〜4−5および遅延素子6−1〜6−
6として使用される遅延用のRAM、16はDSP14
から出力される楽音出力をアナログ信号に変換して出力
するD/A変換器である。
【0028】C.実施例の動作 次に、上記構成による実施例の動作について図16〜図
23を参照して説明する。 イニシャル処理 まず、本実施例である楽音発生装置に電源が投入される
と、マイクロコンピュータ13は、内部ROMに記憶さ
れている制御プログラムを読み出してロードした後、図
16に示すイニシャル処理を実行してステップSA1に
処理を進める。ステップSA1では、レジスタc_fl
agに格納される制御フラグを「0」、レジスタr_t
argetに格納される補間係数目標値を「0」、吹奏
息圧に相当する直流成分DCを格納するレジスタp_t
argetを「0」とするイニシャライズを行った後、
割込みマスクを解除してイベント割込みが発生する迄、
待機する。なお、ここで言うイベント割込みとは、上述
したパネルスイッチ11のスイッチ操作に応じた割込み
や、押離鍵操作に応じた割込みの他、一定周期毎に発生
するタイマ割込みを指す。
【0029】エディット処理 ここで、例えば、演奏に先立って楽音パラメータの内容
を編集すべく、操作パネルに配設されるキーEDIT
(図15参照)が操作されたとする。そうすると、この
キーEDITの操作に応じて発生するキーオンイベント
に基づき、マイクロコンピュータ13は、図17に示す
エディット処理ルーチンを起動してステップSB1に処
理を進める。ステップSB1では、スイッチ操作に応じ
てエディット指定されたパラメータの種類を判別する。
ここで、楽音の立上がり形状を表わすアタックレートを
更新する際には、ステップSB2に処理を進め、新たに
入力されたアタックレートをレジスタatk_rate
にセットする。
【0030】また、リリースレートを更新する際には、
ステップSB3に処理を進め、新たに入力されたリリー
スレートをレジスタrls_rateにセットする。さ
らに、発音音高を滑らかに変化させる際のポルタメント
レートを更新する時には、ステップSB4に処理を進
め、新たに入力されたポルタメントレートをレジスタp
lt_rateにセットする。そして、前述した非線形
テーブルNLT[n]の内容を更新する場合には、ステ
ップSB5に処理を進めて当該テーブルNLT[n]を
形成する全テーブル値を画面(LCDパネル)表示し、
続く、ステップSB6では、これら画面表示された全テ
ーブル値の内、更新すべきテーブル値番号No.を入
力、あるいはカーソルキー11bの操作にて指定する。
そして、次のステップSB7では、この指定したテーブ
ル値に対して新たに入力された値を、レジスタNLT
[NO.]にセットして非線形テーブルの内容を更新す
る。
【0031】ノートオン処理 こうして各種パラメータや非線形テーブルの内容を更新
させてエディット処理を完了すると、マイクロコンピュ
ータ13は再び割込み待機状態となる。そして、この状
態で操作者が鍵盤10のいずれかの鍵を押鍵したとす
る。そうすると、この押鍵操作に応じて発生するキーオ
ンイベントに基づき、マイクロコンピュータ13は図1
8に示すノートオン処理を実行してステップSC1に処
理を進める。ステップSC1では、押鍵された鍵のノー
トナンバと押鍵速度に対応するベロシティ値とをそれぞ
れレジスタNote、レジスタVelにストアし、次の
ステップSC2に処理を進める。
【0032】ステップSC2では、レジスタc_fla
gに格納される制御フラグが「0」、すなわち、先の発
音音高から現発音音高へ変化させる場合に遅延補間する
か否かを判断する。ここで、遅延補間しない時には、レ
ジスタc_flagに格納される制御フラグは「0」で
あるから、判断結果は「YES」となり、次のステップ
SC3に処理を進める。ステップSC3では、レジスタ
r_targetに補間係数目標値として「1」をセッ
トすると共に、レジスタD3aに上記レジスタNote
に格納されるノートナンバに対応した遅延時間を与える
読み出しアドレスaをセットする。つまり、レジスタD
3aには、前述した信号処理アルゴリズム(図5参照)
における遅延回路4−3の読み出しアドレスaがセット
される。次いで、マイクロコンピュータ13は、ステッ
プSC4に進み、レジスタc_flagに格納される制
御フラグを「1」にセットした後、後述するステップS
C7へ処理を進める。
【0033】一方、遅延補間する発音の場合、つまり、
先の発音音高に対応する遅延時間から現発音音高に対応
する遅延時間に補間する時には、レジスタc_flag
に格納される制御フラグが「1」にセットされるから、
上記ステップSC2の判断結果は「NO」となり、ステ
ップSC5に進む。ステップSC5では、レジスタr_
targetの補間係数目標値を「0」とし、かつ、レ
ジスタD3bにノートナンバ(音高)に対応した遅延時
間を与える読み出しアドレスbをセットする。これによ
り、遅延回路4−3における遅延時間は図7に図示した
ように、補間係数rが「1」から「0」へ連続的に変化
することで、遅延補間される。次いで、ステップSC6
では、遅延補間を完了したので、レジスタc_flag
に格納される制御フラグをゼロリセットする。
【0034】そして、この後、マイクロコンピュータ1
3はステップSC7に処理を進め、レジスタF_tar
getにノートナンバ(音高)に対応した目標カットオ
フ周波数をセットする一方、レジスタplt_rate
に格納されているポルタメントレートをレジスタF_r
ateにストアする。また、レジスタVelに格納され
ているベロシティ値を吹奏息圧に相当する直流成分DC
としてレジスタP_targetにストアすると共に、
レジスタatk_rateに格納されているアタックレ
ートをレジスタP_rateに格納する。さらに、レジ
スタplt_rateに格納されているポルタメントレ
ートをレジスタr_rateにセットする。
【0035】なお、レジスタF_targetに格納さ
れる目標カットオフ周波数は、図19に図示するよう
に、予めテーブル化されており、発音すべき音高(ノー
トナンバ)に応じて読み出されるようになっている。結
局、ステップSC7では、発音すべき音高に応じた目標
カットオフ周波数とその変化レート(ポルタメントレー
ト)とがセットされ、また、押鍵速度に応じたベロシテ
ィ値(吹奏息圧に相当)とその変化レート(アタックレ
ート)とがセットされる。さらに、補間係数を「1」か
ら「0」に変化させる際のレートにポルタメントレート
を割り当てる。
【0036】ノートオフ処理 次に、押鍵されていた鍵が離鍵されると、その離鍵操作
に応じて発生するキーオフイベントに基づき、マイクロ
コンピュータ13は図20に示すノートオン処理を実行
してステップSD1に処理を進め、上記ノートオン処理
においてレジスタP_targetにストアされたベロ
シティ値(吹奏息圧に相当)をゼロリセットすると共
に、レジスタrls_rateに格納されているリリー
スレートをレジスタP_rateにセットする。
【0037】タイマ割込み処理 マイクロコンピュータ13では、一定周期毎にタイマ割
込み処理を起動して図21に示すステップSE1〜SE
3を実行する。すなわち、ステップSE1では、補間係
数rが補間係数目標値に到達するようポルタメントレー
トに応じて増加あるいは減少させる。また、ステップS
E2では、カットオフ周波数Fをカットオフ周波数目標
値となるようにポルタメントレートに応じて増加あるい
は減少させる。さらに、ステップSE3では、吹奏息圧
に相当するベロシティ値までアタックレートに応じて増
加あるいは減少させる。つまり、これらステップSE1
〜SE3は、いずれも与えられたレートに応じてパラメ
ータを目標値になるよう制御するエンベロープ処理であ
り、その詳細を上記ステップSE1における補間係数発
生処理を例に挙げて説明する。
【0038】いま、タイマ割込みに応じて図21に示す
タイマ割込み処理が起動され、ステップSE1に進む
と、マイクロコンピュータ13は、図22に示す補間係
数発生処理を実行してステップSF1に処理を進める。
ステップSF1では、補間係数rがレジスタr_tar
getに格納される補間係数目標値に達したか否かを判
断する。ここで、目標値に達したならば、判断結果は
「YES」となり、この処理を完了するが、そうでない
場合には、判断結果が「NO」となり、次のステップS
F2に処理を進める。
【0039】ステップSF2では、現在の補間係数rが
目標値より小であるか否かを判断する。ここで、現在の
補間係数rが目標値より小さい時には、判断結果が「Y
ES」となり、ステップSF3に進む。ステップSF3
では、現在の補間係数rに対してレジスタr_rate
に格納されるポルタメントレートを加算して係数値を更
新する。つまり、音高変化に応じて補間係数rをレート
加算する訳である。一方、上記ステップSF2において
補間係数rが目標値より大なる時には、判断結果が「N
O」となり、ステップSF4に処理を進める。
【0040】ステップSF4では、現在の補間係数rに
対してレジスタr_rateに格納されるポルタメント
レートを減算することにより、音高変化に応じて補間係
数rがレート減算される。そして、次のステップSF5
に進むと、マイクロコンピュータ13は、レート加算あ
るいはレート減算された補間係数rをDSP14側に転
送する。これにより、DSP14では、マイクロコンピ
ュータ13から供給される補間係数rに応じて遅延補間
する。
【0041】このように、補間係数発生処理において
は、補間係数rが目標値に達するまでレート加算あるい
はレート減算されて更新され、その更新された補間係数
rが逐次DSP14側へ転送される。こうした処理は、
前述したステップSE2,SE3においても同様であ
る。すなわち、ステップSE2が実行された場合には、
図示されていないカットオフ周波数発生処理を実行し、
カットオフ周波数Fが目標値に達するまでレート加算あ
るいはレート減算されて更新され、その更新されたカッ
トオフ周波数が逐次DSP14側へ転送される。また、
ステップSE3が実行された場合には、図示されていな
いベロシティ発生処理を実行し、吹奏息圧に相当するベ
ロシティ値が目標値に達するまでレート加算あるいはレ
ート減算されて更新され、その更新されたベロシティ値
が逐次DSP14側へ転送される。
【0042】ここで、以上のようにして生成される各パ
ラメータ(補間係数r、カットオフ周波数Fおよびベロ
シティ値)の関係について図23を参照して説明する。
図23(イ)〜(ニ)は、演奏操作に応じて生成される
パラメータ(補間係数r、ベロシティ値(吹奏息圧)
p、カットオフ周波数Fおよび遅延回路4の遅延時間D
3)の変化の様子を図示したものである。この図におい
て、時刻t0〜t2が第1の押鍵による発音期間、時刻t
2〜t4が第2の押鍵による発音期間、時刻t4以降が第
3の押鍵による発音期間としている。ここで、第1〜第
3の押鍵では、それぞれノートナンバで「30h」、
「34h」および「48h」の音高の鍵がキーオンされ
たとし(但し、hは16進数表示を表わす)、これら各
鍵の押鍵速度、すなわち、目標息圧となるベロシティ値
はそれぞれ「60h」、「48h」および「50h」だ
とする。
【0043】そうすると、まず、同図(ロ)に示すよう
に、ベロシティ値(吹奏息圧)pは、時刻t0から時刻
1まで間、与えられたアタックレートに従いベロシテ
ィ値「60h」までレート加算され、次いで、時刻t2
〜t3も同様にベロシティ値「48h」へレート減算さ
れる。そして、第3の押鍵の時には、時刻t4〜t5
間、アタックレートに基づきベロシティ値「50h」ま
でレート加算されている。また、これと同様、カットオ
フ周波数Fは、同図(ハ)に示す通り、時刻t0から時
刻t1までの間、与えられたポルタメントレートに従
い、ノートナンバ「30h」に対応して設定される目標
カットオフ周波数までレート加算され、次いで、時刻t
2〜t3も同様にノートナンバ「34h」に対応して設定
される目標カットオフ周波数へレート減算される。そし
て、第3の押鍵の時には、時刻t4〜t5の間、ポルタメ
ントレートに基づきノートナンバ「48h」に対応して
設定される目標カットオフ周波数までレート加算され
る。
【0044】これに対し、遅延回路4では、同図(ニ)
に示すように遅延時間が設定される。すなわち、第1の
押鍵による発音期間(時刻t0〜t2)では、前述した読
み出しアドレスaに対応した第1の遅延時間Daを、第
2の押鍵による発音期間(時刻t2〜t4)では、前述し
た読み出しアドレスbに対応した第2の遅延時間Db
を、第3の押鍵による発音期間(時刻t4以降)では、
読み出しアドレスaに対応した第3の遅延時間Daをそ
れぞれ発生する。なお、これら第1〜第3の遅延時間
は、各々ノートナンバ「30h」、「34h」および
「48h」で表わされる音高に対応する遅延量である。
【0045】これら第1〜第3の遅延時間に対応する補
間係数rは、同図(イ)に示す通り、時刻t0から時刻
1までの間、与えられたポルタメントレートに従い、
補間係数目標値「1」までレート加算される。この過程
をより詳しく言えば、レジスタr_targetに補間
係数目標値として「1」をセットすると共に、レジスタ
D3aにレジスタNoteに格納されるノートナンバに
対応した遅延時間を与える読み出しアドレスaをセット
した後、目標値「1」なるまでポルタメントレートに従
って累算する。次いで、時刻t 2〜t3では、これとは反
対に補間係数目標値「0」へレート減算される。そし
て、第3の押鍵の時には、時刻t4〜t5の間、ポルタメ
ントレートに基づき補間係数目標値「1」までレート加
算される。したがって、最終的にDSP14側に供給す
る遅延時間としては、同図(イ)に示す補間係数rと同
図(ニ)に示す各遅延時間とを乗算する遅延補間に基づ
いて得られる遅延量D3となる。この場合、ポルタメン
トレートに従い遅延補間されるため、滑らかに音高遷移
させることができ、しかも乗算と加算とだけで実現する
から、従来のように高速演算する必要がなく、簡単な構
成で事足りる訳である。
【0046】こうして演奏操作に応じた各パラメータが
生成されると、マイクロコンピュータ13はこれら各パ
ラメータをDSP14側へ送出する。すると、DSP1
4では、前述した信号処理アルゴリズム(図5参照)に
基づき、先ず発音すべき音高に応じたカットオフ周波数
および共振値QをLPF8に与えてジェットリードJR
の流速分布変化を求め、この流速分布変化に対応してジ
ェットリードJRが発生する圧力波を非線形テーブルN
LT[n]から読み出す。
【0047】次いで、係数乗算器1において、当該テー
ブルNLT[n]から読み出した圧力波とアタックレー
トに従って増加する吹奏息圧(ベロシティ値)とを乗算
して吹奏体積速度(空気流速)を生成し、これをマウス
ピースMPとジェット・リードJRとの間隙における透
過・散乱をシミュレートする信号散乱ジャンクション2
と、共鳴管の伝播遅延、管の径が変化する箇所での散乱
および管端の反射損失とを与えるウェーブガイド3とを
介した後に再びLPF8にループバックして信号循環に
よる共振動作を行わせ、この共振動作過程でウェーブガ
イド3の終端より抽出した信号が楽音として出力される
ようになっている。
【0048】以上説明したように、本実施例によれば、
第1の音高から第2の音高へ遷移させる際、遅延回路4
は互いに異なる読み出しアドレスa,bに基づき第1の
音高に対応する第1の遅延時間と、第2の音高に対応す
る第2の遅延時間とを生成する一方、音高遷移する際の
ポルタメントレートに従い変化する補間係数rによっ
て、この第1の遅延時間から第2の遅延時間へ遅延補間
されるので、滑らかに音高遷移する。しかも、こうした
遅延補間は、乗算と加算とだけで行う為、従来のように
回路規模を増大することなく簡易な構成で実現可能であ
る。
【0049】なお、上述した実施例では、マイクロコン
ピュータ13側が演奏操作に応じた各種パラメータを生
成し、DSP14側がこの各種パラメータに基づき信号
処理アルゴリズムを動作させて楽音形成しているが、こ
れに替えて、全ての処理をマイクロコンピュータ13側
に任せる構成としても良い。また、この実施例にあって
は、ポルタメントレートやアタックレートを一定として
いるが、これは音色毎に異ならせるようにしても良い
し、あるいは発音する音高に応じて変化させるようにし
ても良い。
【0050】なお、本実施例では、非線形テーブル出力
と吹奏息圧とを乗算して吹奏体積速度(空気流速)を生
成する励振構成としているが、これに加えて、楽音発生
当初のみに流速分布変化に相当する初期励振信号を非線
形テーブル部9に入力させる構成としても良い。このよ
うにすることで、信号が閉ループを一巡する前に楽音形
成し得るので、発音遅延を解消し得る。
【0051】加えて、本発明の要旨は、管楽器音を発生
する装置にのみ適用し得るものではなく、例えば、ギタ
ーなどの撥弦楽器やバイオリンなどの擦弦楽器の発音メ
カニズムをシミュレートするものにも適用可能であるこ
とは言うまでもない。要は、共鳴体の伝播遅延をシミュ
レートする信号処理アルゴリズムを用いた装置であれ
ば、どのような態様であっても本発明の要旨が適用し得
る。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、第1の音高に対応する
第1の遅延時間と、第2の音高に対応する第2の遅延時
間とを生成した時、第1の音高から第2の音高へ遷移す
る際の遷移レートに応じて第1の遅延時間から第2の遅
延時間へ連続的に遅延補間するので、回路規模を増大す
ることなく簡易な構成で滑らかに音高制御することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における発音メカニズムを説明するため
の図である。
【図2】ジェット・リードJRの振動挙動を示す軌跡図
である。
【図3】エッジEG付近における空気流速分布の変化を
説明するための図である。
【図4】ジェット・リードJRの非線形特性を示す図で
ある。
【図5】本発明における信号処理アルゴリズムを示すブ
ロック図である。
【図6】信号処理アルゴリズムにおける遅延回路4の構
成を示すブロック図である。
【図7】遅延回路4における遅延補間を説明するための
図である。
【図8】信号処理アルゴリズムにおける信号散乱ジャン
クション5の構成を示すブロック図である。
【図9】信号散乱ジャンクション5の他の構成例を示す
ブロック図である。
【図10】信号散乱ジャンクション5における乗算係数
kを説明するための図である。
【図11】信号処理アルゴリズムにおけるLPF8の構
成を示すブロック図である。
【図12】信号処理アルゴリズムにおける非線形テーブ
ル部9の構成を示すブロック図である。
【図13】信号処理アルゴリズムに基づき生成される楽
音波形の一例を示す図である。
【図14】本発明による実施例の構成を示すブロック図
である。
【図15】同実施例における操作パネルの外観を示す図
である。
【図16】同実施例におけるイニシャル処理の動作を示
すフローチャートである。
【図17】同実施例におけるエディット処理の動作を示
すフローチャートである。
【図18】同実施例におけるノートオン処理の動作を示
すフローチャートである。
【図19】同実施例におけるパラメータテーブルの一例
を示す図である。
【図20】同実施例におけるノートオフ処理の動作を示
すフローチャートである。
【図21】同実施例におけるタイマ割込み処理の動作を
示すフローチャートである。
【図22】同実施例における補間係数発生処理の動作を
示すフローチャートである。
【図23】演奏操作に応じて生成されるパラメータ(補
間係数r、ベロシティ値(吹奏息圧)p、カットオフ周
波数Fおよび遅延回路4の遅延時間D3)の変化の様子
を示す図である。
【符号の説明】
13 マイクロコンピュータ(遅延発生指示手段、遅延
補間手段) 14 DSP(遅延発生手段) 15 RAM(遅延発生手段)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発音体の非線形特性に基づいて生成され
    る励振信号を、所定時間遅延して出力する遅延手段を備
    え、この遅延手段の出力を繰り返し循環させて共鳴体の
    共振動作に対応した音高の楽音を発生する楽音発生装置
    において、 前記遅延手段は、 発音すべき音高が指定される毎に、その音高に応じた遅
    延時間の発生を指示する遅延発生指示手段と、 この遅延発生指示手段の指示に応じた遅延時間を発生す
    る遅延発生手段と、 前記遅延発生指示手段の指示に従って、この遅延発生手
    段が第1の音高に対応する第1の遅延時間と、第2の音
    高に対応する第2の遅延時間とを生成した時、第1の音
    高から第2の音高へ遷移する際の遷移レートに応じて第
    1の遅延時間から第2の遅延時間へ連続的に遅延補間す
    る遅延補間手段とを具備することを特徴とする楽音発生
    装置。
  2. 【請求項2】 発音体の非線形特性に基づいて生成され
    る励振信号を、所定時間遅延して出力する遅延手段を備
    え、この遅延手段の出力を繰り返し循環させて共鳴体の
    共振動作に対応した音高の楽音を発生する楽音発生装置
    において、 前記遅延手段は、 発音すべき音高が指定される毎に、その音高に応じた遅
    延時間を生じさせる第1の読み出しアドレスと第2の読
    み出しアドレスとを交互に発生する読み出しアドレス発
    生手段と、 環状アドレッシングされた書込みアドレスに従って前記
    励振信号が書き込まれるメモリ手段であって、発音すべ
    き音高が指定される毎に、前記第1および第2の読み出
    しアドレスに従って当該メモリ手段を交互に読み出して
    第1および第2の遅延時間を発生する遅延発生手段と、 発音すべき音高が第1の音高から第2の音高へ遷移する
    際の遷移レートを設定するレート設定手段と、 前記遷移レートに応じて変化する補間係数を発生すると
    共に、この補間係数に応じて前記第1の遅延時間から前
    記第2の遅延時間に内挿補間する遅延補間手段とを具備
    することを特徴とする楽音発生装置。
  3. 【請求項3】 前記遅延補間手段は、前記遷移レートに
    応じて変化する第1の補間係数rと第2の補間係数1−
    rとを発生する係数発生手段と、 前記遅延手段が発生する第1および第2の遅延時間に第
    1の補間係数rと第2の補間係数1−rとをそれぞれ乗
    算し、両乗算結果を加算して補間遅延時間を発生する補
    間演算手段とを備えることを特徴とする請求項2記載の
    楽音発生装置。
  4. 【請求項4】 前記レート設定手段は、ポルタメント奏
    法に相当する遷移レートを設定することを特徴とする請
    求項2記載の楽音発生装置。
JP7214161A 1995-07-31 1995-07-31 楽音発生装置 Abandoned JPH0944164A (ja)

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