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JPH0939233A - インクジェットヘッド - Google Patents

インクジェットヘッド

Info

Publication number
JPH0939233A
JPH0939233A JP19186195A JP19186195A JPH0939233A JP H0939233 A JPH0939233 A JP H0939233A JP 19186195 A JP19186195 A JP 19186195A JP 19186195 A JP19186195 A JP 19186195A JP H0939233 A JPH0939233 A JP H0939233A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
jet head
wall
ink jet
actuator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP19186195A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuru Muto
満 武藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP19186195A priority Critical patent/JPH0939233A/ja
Publication of JPH0939233A publication Critical patent/JPH0939233A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2202/00Embodiments of or processes related to ink-jet or thermal heads
    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
    • B41J2202/10Finger type piezoelectric elements

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 印字品質に優れたインクジェットヘッドを提
供すること。 【構成】 圧電セラミックスプレート302及び2本一
組の逃がし溝321が形成されたカバープレート320
からなるアクチュエータ300と、圧電セラミックスプ
レート402及びカバープレート420からなるアクチ
ュエータ400とがカバープレート側で接着される。接
着の際に接着面に取り込まれた空気層は前記逃がし溝3
21に逃げるため、アクチュエータ300,400両者
の接着が高まる。更に、逃がし溝321により構成され
た壁322には空気層が全く生じないため、アクチュエ
ータ300,400が確実にシールされ、マニホールド
301側からノズル4側へのインクの漏れがなく印字品
質に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクを噴射するイン
ク噴射手段が2つ以上接着されたインクジェットヘッド
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、これまでのインパクト方式の記録
装置にとってかわり、その市場を大きく拡大しつつある
ノンインパクト方式の記録装置の中で、原理が最も単純
で、かつ多階調化やカラー化が容易であるものとして、
インクジェット方式の記録装置が挙げられる。インクジ
ェットプリンタは高速印字、低騒音、高印字品質であ
り、且つ比較的簡易な構成で製造コストが低くできるな
どの利点があることから注目されている。
【0003】従来、インクジェットヘッドとして、例え
ば、圧電セラミックスの変形によってインク流路の容積
を変化させ、その容積減少時にインク流路内のインクを
ノズルから液滴として噴射し、容積増大時にインク導入
口からインク流路内にインクを導入するようにしたもの
がある。そして、所要の印字データに従って所要の位置
のノズルからインク滴を噴射させることにより、インク
ジェットヘッドと対向する紙面上等に所望する文字や画
像を形成するドロップ・オン・デマンド型のものが主流
である。
【0004】この種のインクジェットヘッドとしては、
例えば特開昭63−247051号公報に記載されてい
るものがある。このインクジェットヘッドは、圧電セラ
ミックスの隔壁によって隔てられた複数の平行なインク
流路を形成し、前記インク流路の一端をノズルプレート
の前記ノズルに連通し、他の一端にインクを供給するイ
ンク供給手段を接続し、前記隔壁の変形によってインク
流路の容積を変化させて前記ノズルからインクを噴射す
るものである。
【0005】このようなインクジェットヘッドにおい
て、最近、高品質印字の要望が高く、この要望に応えて
記録密度を高める様々な試みがなされている。しかし、
一平面上に集積化出来るノズル数には加工技術や寸法的
制約により限界がある。そこで、更に記録密度を高める
手法として、一列に複数個のインク流路が形成された噴
射機構を2つ以上用意し、ドットピッチを少しずつずら
して並列に配置させて接着一体化させたものがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記複
数の噴射機構を接着する際、接着面に空気を巻き込むと
接着不良が起こり、インクジェットヘッドの耐久性が悪
くなる。また、後方に接合されたマニホールドから供給
されるインクが、接合面にその空気層を通して浸透し、
ノズルが形成された表面にまで漏れ出てくる虞がある。
すると、その漏出インクが垂れ落ちて記録用紙を汚損す
る虞が出てくる。
【0007】また、直接漏出インクが紙面を汚損しなく
ても、ノズル表面が前記漏出インクで濡れるとインクの
吐出特性に悪影響を及ぼし、吐出曲がりや不吐出が発生
して、インクジェットヘッドの印字品質が劣化するとい
う問題があった。更には、漏出インクがエネルギー発生
素子よりの電極やドライバよりの配線に付着すると、そ
れら電極や配線を電気的に導通或は短絡させてしまう。
これにより、インクジェットヘッドが正常に機能しなく
なったり、悪くはインクジェットヘッドが破損してしま
う虞があった。
【0008】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、高密度記録を行なうと共に耐久
性や印字品質に優れたインクジェットヘッドを提供する
ことを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明のインクジェットヘッドは、一端がインクノズ
ルと連通し且つ他端が開放されたインクを噴射する噴射
チャンネル及び前記噴射チャンネル内のインクにインク
液滴を噴射するためのエネルギーを付与するエネルギー
発生素子を備えた複数のインク噴射手段が互いに接着さ
れた構成を有し、前記噴射チャンネルの開放端に接合さ
れたマニホールド部材により各噴射チャンネルにインク
が供給されるものであり、更に、前記インク噴射手段の
各接着面の少なくとも一方の面に、前記噴射チャンネル
の長手方向と交差する溝が2本以上形成されている。
【0010】尚、前記溝と溝の間に形成される壁の幅
は、略0.04mm乃至略0.5mmであってもよい。
【0011】尚、前記インク噴射手段を接着する接着剤
は、エポキシ接着剤であってもよい。
【0012】
【作用】上記の構成を有する本発明の請求項1に係るイ
ンクジェットヘッドにおいては、複数のインク噴射手段
の接着の際には、接着面に形成された溝が空気の逃げ路
となるため、接着面上に空気層が形成され難くなる。よ
って、接着強度が増し、堅固なインクジェットヘッドを
提供できる。更に、接着面において、複数の溝により分
断構成された壁部分の領域には殆ど空気層が存在しなく
なるため、その壁部の領域では密閉性が確保される。ま
た、この壁部の領域は噴射チャンネルと交差するように
形成されている。よって、マニホールド部材より供給さ
れるインクが、接着面に浸透しても、その壁部の領域に
て浸透を抑制するので、ノズル形成面にインクが漏れ出
ることが防止される。結果、接着面より漏れ出たインク
による印字不良等が起こることが無く、質の高い印字を
行なうことが可能となる。
【0013】請求項2に係わるインクジェットヘッドに
おいては、溝と溝の間に形成される壁の幅が略0.04
mm乃至略0.5mmとなるように形成されている。よ
って、接着面の前記壁部の領域には一切の空気層が形成
されず、完全なる密着が確保される。また、その壁部は
充分な強度を有し、外力を受けても壁面が崩壊してイン
クの漏出を許すことが無い。
【0014】請求項3に係わるインクジェットヘッドに
おいては、エポキシ接着剤により複数のインク噴射手段
が互いに接着されている。よって、接着対象の材質によ
らない優れた接着力で堅固なヘッドを作製できる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。
【0016】図3及び図4に示すように、インクジェッ
トヘッド500は、二枚の圧電セラミックスプレート3
02,402と二枚のカバープレート320,420と
ノズルプレート1とマニホールド部材301とから構成
されている。そして、圧電セラミックスプレート302
とカバープレート320とにより、アクチュエータ30
0が形成される。圧電セラミックスプレート402とカ
バープレート420とにより、アクチュエータ400が
形成される。このアクチュエータ300,400は基本
的には同様の構成である。以下においては、アクチュエ
ータ300において説明する。
【0017】図1及び図4において、その圧電セラミッ
クスプレート302は、チタン酸ジルコン酸鉛系(PZ
T)等のセラミックス材料で形成され、圧電セラミック
スプレート302には、ダイヤモンドブレード等により
所定のピッチで切削加工された複数の横溝303が形成
されている。尚、その横溝303の側面となる隔壁30
6は図中矢印305の方向に分極されている。それらの
横溝303は、同じ深さで且つ平行に加工されており、
圧電セラミックスプレート302において互いに対向す
る端面302a,302bを開口端とする横溝303b
と、端面302aを開口端とすると共に、端面302b
近傍にて深さが徐々に浅くなって端面302bにて封鎖
された横溝302aとが交互に形成されている。
【0018】また、圧電セラミックスプレート302の
一端面302aには、縦溝311aが横溝303aに連
通するように形成されている。また、圧電セラミックス
プレート302の他端面302bには、縦溝311bが
横溝303bに連通するように形成されている。尚、縦
溝311aが形成された横溝303aが後述する非噴射
領域としての空気室327(図8参照)に対応し、縦溝
311bが形成された横溝303bが後述するインク室
304(図8参照)に対応する。また、本実施例では、
配列の両端部に位置する横溝303が空気室327にな
るようにしている。
【0019】また、図2に示すように圧電セラミックプ
レート302の前記横溝303の加工がなされた側の面
に対して反対側の面302cには、導電材料によるパタ
ーン324,325が形成される。
【0020】そして、図1において、圧電セラミックス
プレート302の横溝加工面及び端面302aの各々に
対して斜め上方の位置に配置されたスパッタリング等の
蒸着源(図示せず)により、図中矢印330a,330
bの2方向から蒸着を行い、Ag−Pd系の金属材料か
らなる導電層が形成される。尚、その際、圧電セラミッ
クスプレート302の端面302a及び隔壁306の天
頂部には金属電極が形成されないように予めマスクして
おく。すると、前記導電層は、図1に示すように、各横
溝303の両側面の上半分の領域に形成された金属電極
308と、横溝303bの端面302a近傍に位置する
隔壁306の一部及び底面の一部に形成された金属電極
309と、縦溝311aの側面のうち端面302a側に
形成された金属電極310とになる。尚、インク室30
4となる横溝303a内に形成された金属電極308と
金属電極309とは電気的に接続され、空気室327と
なる横溝303b内に形成された金属電極308と金属
電極310とは電気的に接続されている。
【0021】次に、図2に示すように、圧電セラミック
スプレート302の表面302c及び端面302bの各
々に対して斜め上方の位置に配置されたスパッタリング
等の蒸着源(図示せず)により、図中矢印331a,3
31bの方向から蒸着を行い、金属電極316,317
が形成される。尚、その際、表面302cのパターン3
24,325が形成された領域及び端面302bに金属
電極が形成されないように予めマスクしておく。
【0022】すると、図2に示すように、前記金属電極
316は、表面302cにおいて縦溝311aに分断さ
れた端面302a近傍の領域及び縦溝311a内の側面
の一部に形成される。このとき、パターン324と縦溝
311aに形成された金属電極310と金属電極316
とが導通して、結果、各パターン324が金属電極31
6,310を介して金属電極308と電気的に接続され
る。このため、インク室304となる横溝303bを構
成する一対の隔壁306において、前記横溝303bと
隣接する2つの横溝303aの内壁側に形成された金属
電極308が前記横溝303bを跨ぐ形で電気的に接続
される。
【0023】また、金属電極317は、表面302cに
おいて端面302b近傍の領域と、縦溝311b内の側
面の全部及び端面302bとに形成される。このとき、
パターン325と縦溝311bと連通する横溝303b
の金属電極308と金属電極317が導通する。このた
め、パターン325は、縦溝311bが形成された全て
の横溝303bの内壁に形成された金属電極308が金
属電極317を介して電気的に接続される。
【0024】次に、前記圧電セラミックスプレート30
2の少なくとも金属電極308,309,317をスピ
ンコート法によりエポキシ樹脂の保護膜77(図8)で
被覆する。さらに、この保護膜77は絶縁膜としての機
能も有する。尚、スピンコート法によるエポキシ樹脂膜
の他、ディッピング法、CVD法などによりアクリル樹
脂などの他の有機材質或はSiO2などの無機材質の保
護膜77で、金属電極308,309,317を被覆し
てもよい。
【0025】尚、金属電極310及び後述する空気室3
27を構成する横溝303aに形成されている金属電極
308はインクに接しないので、保護膜77により必ず
しも被覆する必要はない。
【0026】以上、アクチュエータ300の構造につい
て詳しく述べたが、図5に示すようにアクチュエータ4
00においてもその構造は同様である。アクチュエータ
400は、空気室となる横溝403a及びインク室とな
る横溝403b及び縦溝411a,411bを有する圧
電セラミックスプレート402に、パターン424,4
25と導通する金属電極408が形成されている。各部
構成も同じであるため、詳細な説明は繰り返さない。
【0027】次に、カバープレート320は、セラミッ
クス材料等から形成されており、圧電セラミックスプレ
ート302の横溝303加工側の面と、カバープレート
320とをエポキシ系接着剤120(図8参照)によっ
て接着する。従って、アクチュエータ300には、横溝
303の上面が覆われて、縦溝311bと連通するイン
ク室304及び縦溝311aと連通する非噴射領域とし
ての空気室327が構成される。尚、インク室304は
横溝303bに対応しており、空気室327は横溝30
3aに対応している。インク室304及び空気室327
は長方形断面の細長い形状であり、全てのインク室30
4はインクが充填され、空気室327は空気が充填され
る領域である。アクチュエータ400も同様の構成であ
る。
【0028】そして、カバープレート320の、圧電セ
ラミックスプレート302と接着する面と反対側の面に
はインク室304と略直交する方向にダイヤモンドブレ
ードなどにより切削加工されて、逃がし溝321が形成
されている。この逃がし溝321は2本が一組となって
おり、それら2本の逃がし溝の間に形成される幅Xが略
0.04〜0.5mmである壁322を構成している。
また、この逃がし溝321の深さは略0.3mmであ
る。
【0029】そして、アクチュエータ300とアクチュ
エータ400とがカバープレート320,420を介し
てエポキシ接着剤により接着される。このとき、アクチ
ュエータ300に形成されるインク室304とアクチュ
エータ400に形成されるインク室404は列び方向に
互い違いに形成される。
【0030】また、接着の際にカバープレート320,
420との間に挟まれた空気は逃がし溝321に逃げ、
少なくとも壁322の領域には空気層は形成されない。
よって、アクチュエータ300,400は互いに充分に
密着されるので、機械的強度の高いインクジェットヘッ
ドが形成できる。
【0031】次に、各インク室の位置に対応した位置
に、ノズル4が設けら、ポリイミドから成るノズルプレ
ート1を接着する。ノズルプレート1の材質としては、
ポリイミドのほか、アラミド、ポリサルホン、液晶ポリ
マー、ポリアセタール、ポリフェニルサルホン、ポリフ
タルアミド、ポリフェニレンオキサイド、ポリエーテル
イミド、ポリエーテルサルホン、ポリカーボネートなど
の樹脂材料を用いることができる。
【0032】また、セラミックス粉末、或いは金属粉末
の射出成形技術を用いてノズルプレート1を作製するこ
ともできる。すなわち、セラミックス粉末、或いは金属
粉末を樹脂材料などのバインダーと混合混練し、金型に
射出成形し、射出成形体を得た後、脱脂処理し樹脂材料
を射出成形体より除去し、脱脂体を得る。そして、脱脂
体を焼結炉に挿入して焼結処理を行う。この焼結処理に
より脱脂体は収縮し、金型寸法よりも約10〜30%程
度小さくなる。このため、金型側のノズル寸法及びピッ
チは製品よりも収縮分を見込んで大きくしておく必要が
ある。セラミックス粉末及び金属粉末としては、例え
ば、アルミナ、ジルコニア、窒化珪素、炭化珪素、ステ
ンレスなどを用いることができる。
【0033】次に、図4に示すように、マニホールド部
材301が、圧電セラミックスプレート302,402
の端面302b,402b側に接着される。マニホール
ド部材301にはマニホールド323が形成されてお
り、そのマニホールド323は縦溝311b,411b
を包囲している。そして、インクはマニホールド323
からインク室304,404に供給される。
【0034】従来は、このマニホールド323からのイ
ンクがアクチュエータ300,400の接着面の隙間
(空気層)に滲み入り、そこからノズル面に漏れ出でく
るといった不都合があった。しかし、本実施例のインク
ジェットヘッド500では、接着面に、インク室30
4,404の長手方向と略直交する複数の逃がし溝32
1と、該逃がし溝321によって形成され、且つその幅
が0.04〜0.5mmである壁322が形成されてい
る。
【0035】図6に壁幅と壁上の気泡残存状態及び壁の
強度との関係を示す。一般に、壁幅が小さければ壁上の
気泡は残留しなくなるが、壁の強度は低下する。逆に、
壁幅を大きくすると壁の強度は向上するが、壁上の気泡
の抜けが悪くなる。図6に示すように、壁322の幅X
が略0.04mmよりも狭いと強度的に弱くなってしま
う為、接着時に壁が破壊して空気層が形成されることが
ある。また、壁322の幅Xが略0.5mmよりも広い
と空気が逃げきらず、壁322の領域に空気層が形成さ
れることがある。しかし、本実施例のインクジェットヘ
ッド500がとる壁幅0.04〜0.5mmの範囲で
は、逃がし溝321により接着面に空気層が混入するこ
とが少なくなると共に、逃がし溝321によって形成さ
れる壁322の領域では空気層を全く含まない確実な接
着がなされる。よって、本実施例のインクジェットヘッ
ド500ではマニホールド323からのインクが接着面
に侵入しにくくなっており、例え、一部侵入したとして
も、完全にシールされた前記壁322の領域でせき止め
られるのでノズル4方向へのインク漏れが無い。
【0036】また、圧電セラミックスプレート302の
面302cに形成されたパターン(不図示)及び圧電セ
ラミックスプレート402の面402cに形成されたパ
ターン424,425は、図示しないフレキシブルプリ
ント基板の配線パターンと接続される。そのフレキシブ
ルプリント基板の配線パターンは、後述する制御部に接
続された図示しないリジット基板に接続されている。
【0037】次に、制御部のブロック図を示す図7によ
って、制御部の構成を説明する。圧電セラミックスプレ
ート302の面302cに形成されたパターン324,
325は、前記フレキシブルプリント基板、前記リジッ
ト基板を介して各々個々にLSIチップ151に接続さ
れ、クロックライン152、データライン153、電圧
ライン154及びアースライン155もLSIチップ1
51に接続されている。LSIチップ151は、クロッ
クライン152から供給された連続するクロックパルス
に基づいて、データライン153上に現れるデータか
ら、どのノズル4からインク滴の噴射を行うべきかを判
断し、噴射するインク室304の両側の空気室327の
金属電極308に導通するパターン324に、電圧ライ
ン154の電圧Vを印加する。また、他のパターン32
4及びインク室304の金属電極308に導通するパタ
ーン325をアースライン155に接続する。アクチュ
エータ400側についても同様の構成である。
【0038】次に、本実施例のアクチュエータ300の
動作を説明する。図8(b)のインク室304bからイ
ンク滴を噴射するために、当該インク室304bの両側
の空気室327b、327cのインク室304b側の金
属電極308c、308fに対し電圧パルスをパターン
324を介して与え、他の金属電極308には、他のパ
ターン324、パターン325を介して接地する。する
と、隔壁306bには矢印113b方向の電界が発生
し、隔壁306cには矢印113c方向の電界が発生し
て、隔壁306bと306cとが互いに離れるように動
く。インク室304bの容積が増えて、ノズル2付近を
含むインク室304b内の圧力が減少する。この状態を
L/aで示される時間だけ維持する。すると、その間縦
溝311bを介してマニホールド322からインクがイ
ンク室304bに供給される。なお、上記L/aは、イ
ンク室304内の圧力波が、インク室304の長手方向
(縦溝311bからノズルプレート14まで、またはそ
の逆)に対して、片道伝播するに必要な時間であり、イ
ンク室304の長さLとインク中での音速aによって決
まる。アクチュエータ400についても同様である。
【0039】圧力波の伝播理論によると、前記の立ち上
げからちょうどL/aの時間経つとインク室304b内
の圧力が逆転し、正の圧力に転じるが、このタイミング
に合わせて電極308c、308fに印加されている電
圧を0Vに戻す。すると、隔壁306bと306cは変
形前の状態(図8(a))に戻り、インクに圧力が加え
られる。その時、前記正に転じた圧力と隔壁306b、
306cが変形前の状態に戻って、発生した圧力とが足
し合わされ、比較的高い圧力がインク室304b内のイ
ンクに与えられて、インク滴がノズル2から噴出され
る。
【0040】以上説明したように本実施例のインクジェ
ットヘッド500では、アクチュエータ300とアクチ
ュエータ400との接着部に2本一組となった逃がし溝
321が形成され、それらが形成する壁322の領域で
は確実に接着剤によりシールされ、接着が強固となる。
それとともに、マニホールド側からノズルプレート側へ
のインクのリークが生じなくなるので、ノズル面より不
慮にインクが垂れて紙面や装置内部を汚損することや、
ノズル面をインクで濡らして液滴の吐出特性を損なわせ
たり、電極や配線を導通・短絡させたりすることがなく
なる。よって、印字品質に優れたインクジェットヘッド
を提供できる。
【0041】尚、本発明は上記実施例に限定されるもの
ではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において数々の変
形を加えることもできる。例えば、本実施例では逃がし
溝321は2本が一組となっているが、2本以上であれ
ばよい。また、本実施例では2本が一組となった逃がし
溝が二組形成されているが、一組以上形成されていれば
よい。
【0042】さらに、カバープレート320のみでな
く、カバープレート420の圧電セラミックスプレート
402と接着する面の反対側の面にも溝が形成されてい
てもよい。
【0043】なお、前記実施例においては、まず駆動電
圧をインク室304bの容積が増加する方向に印加し、
次に駆動電圧の印加を停止しインク室304bの容積を
自然状態に減少してインク室304bからインク滴を噴
射していたが、まず駆動電圧をインク室304bの容積
が減少するように印加してインク室304bからインク
滴を噴射し、次に駆動電圧の印加を停止してインク室3
04bの容積を前記減少状態から自然状態へと増加させ
てインク室304b内にインクを供給してもよい。
【0044】また、本実施例では、アクチュエータ30
0,400において、隔壁306,406は圧電セラミ
ックスで形成されていたが、隔壁の上半分の領域を圧電
セラミックスで形成し、下半分をアルミナ等の圧電セラ
ミックスでない材料で形成してもよい。
【0045】更に、本実施例では、隔壁306,406
の上半分の領域による圧電変形によって、インク室30
4,404からインクを噴射していたが、隔壁の上半分
の領域の圧電セラミックスの分極方向と反対方向の分極
方向である圧電セラミックスで隔壁の下半分の領域を形
成し、隔壁の側面全面に金属電極を形成して、隔壁全体
の圧電変形によって、インク室からインクを噴射させて
もよい。
【0046】また、本実施例では、圧電セラミックスを
用いたインクジェットヘッドであったが、周知のバブル
ジェット式やコンティニュアスジェット式等の様々な印
字方式のインクジェットヘッドに適応可能である。
【0047】
【発明の効果】以上説明したことから明かなように本発
明のインクジェットヘッドによれば、インクを噴射する
ためのエネルギーを付与するアクチュエータが2つ以上
接着されたインクジェットヘッドにおいて、前記アクチ
ュエータの接着面の少なくとも一方に溝を2本以上形成
されるので、接着が確実に行われ、耐久性に優れる。
【0048】更に、前記2本以上の溝と溝の間に形成さ
れる壁の幅が略0.04mm乃至略0.5mmにすれ
ば、前記壁の強度は確保され、前記壁が破壊することな
く接着される。また、その壁には空気層が残ることがな
いので、マニホールドから供給されるインクが接着面よ
り滲み込んで外部にリークする事がなく、紙面や装置内
部の汚損、液滴の吐出特性の悪化、駆動系の不良等を引
き起こすことがなく、印字品質に優れたインクジェット
ヘッドとなり得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のインクジェットヘッドを構
成するアクチュエータを示す斜視図である。
【図2】同アクチュエータを示す斜視図である。
【図3】本実施例のインクジェットヘッドの構成を示す
説明図である。
【図4】本実施例のインクジェットヘッドを示す断面図
である。
【図5】本実施例のもう1つのアクチュエータを示す斜
視図である。
【図6】本実施例のインクジェットヘッドの接着面に形
成された壁の特性を示す図である。
【図7】本実施例のインクジェットヘッドの制御部を示
すブロック図である。
【図8】本実施例のインクジェットヘッドの作動状態を
示す説明図である。
【符号の説明】
4 インクノズル 300 アクチュエータ 301 マニホールド部材 302 圧電セラミックスプレート 320 カバープレート 321 逃がし溝 322 壁 400 アクチュエータ 402 圧電セラミックスプレート 420 カバープレート 500 インクジェットヘッド

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端がインクノズルと連通し且つ他端が
    開放されたインクを噴射する噴射チャンネル及び前記噴
    射チャンネル内のインクにインク液滴を噴射するための
    エネルギーを付与するエネルギー発生素子を備えた複数
    のインク噴射手段が互いに接着された構成を有し、前記
    噴射チャンネルの開放端に接合されたマニホールド部材
    により各噴射チャンネルにインクが供給されるインクジ
    ェットヘッドにおいて、 前記インク噴射手段の各接着面の少なくとも一方の面
    に、前記噴射チャンネルの長手方向と交差する溝が2本
    以上形成されていることを特徴とするインクジェットヘ
    ッド。
  2. 【請求項2】 前記溝と溝の間に形成される壁の幅は、
    略0.04mm乃至略0.5mmであることを特徴とす
    る請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 前記インク噴射手段を接着する接着剤
    は、エポキシ接着剤であることを特徴とする請求項1に
    記載のインクジェットヘッド。
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