JPH0939773A - リターダ制御装置 - Google Patents
リターダ制御装置Info
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- JPH0939773A JPH0939773A JP21095095A JP21095095A JPH0939773A JP H0939773 A JPH0939773 A JP H0939773A JP 21095095 A JP21095095 A JP 21095095A JP 21095095 A JP21095095 A JP 21095095A JP H0939773 A JPH0939773 A JP H0939773A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- retarder
- braking force
- shift
- select
- downshift
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
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- Transmission Of Braking Force In Braking Systems (AREA)
- Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
- Regulating Braking Force (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 マニュアルシフトダウンの設定後に時間を置
いて突然にシフトダウンが開始されても、自然な減速感
が確保されて運転者が不快感を持つことが無いリターダ
制御装置を提供する。 【解決手段】 自動変速機コントロールユニット30
は、運転者がセレクトレバー19を操作してマニュアル
セレクトダウンを設定した後も、実際に自動変速機12
でシフトダウンが開始されるまで、リターダ装置13か
ら出力される制動力のレベルを一定に維持する。そし
て、シフトダウンが開始されると、この制動力のレベル
を減少量Qだけ削減して、過剰に減速力が高まることを
防止する。マニュアルセレクトダウンからシフトダウン
までの時間が長いほど、この減少量Qを大きくして変速
ショックを目立たせない。
いて突然にシフトダウンが開始されても、自然な減速感
が確保されて運転者が不快感を持つことが無いリターダ
制御装置を提供する。 【解決手段】 自動変速機コントロールユニット30
は、運転者がセレクトレバー19を操作してマニュアル
セレクトダウンを設定した後も、実際に自動変速機12
でシフトダウンが開始されるまで、リターダ装置13か
ら出力される制動力のレベルを一定に維持する。そし
て、シフトダウンが開始されると、この制動力のレベル
を減少量Qだけ削減して、過剰に減速力が高まることを
防止する。マニュアルセレクトダウンからシフトダウン
までの時間が長いほど、この減少量Qを大きくして変速
ショックを目立たせない。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動変速機搭載車
に補助ブレーキシステムとして搭載されるリターダ装置
から出力される制動力のレベルと出力タイミングを制御
するリターダ制御装置に関する。
に補助ブレーキシステムとして搭載されるリターダ装置
から出力される制動力のレベルと出力タイミングを制御
するリターダ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】リターダ装置は、運転者によるブレーキ
ペダルの踏み込み量に応じた圧力で車輪の回転を摩擦拘
束するサービスブレーキ、及びエンジンの圧縮抵抗を利
用して車輪側からエンジンに伝達される駆動力を相殺す
るエンジンブレーキに追加された補助ブレーキシステム
である。リターダ装置は、排気タービンによる過給機を
搭載したためにエンジンブレーキによる制動力を余り期
待できない自動車や、搭載物を含めた車両総重量が大き
くて、高速道路の使用頻度も高いバスやトラック等の大
型車両に主に搭載されており、エンジンブレーキ効果を
補って、サービスブレーキの使用頻度と負担を軽減す
る。
ペダルの踏み込み量に応じた圧力で車輪の回転を摩擦拘
束するサービスブレーキ、及びエンジンの圧縮抵抗を利
用して車輪側からエンジンに伝達される駆動力を相殺す
るエンジンブレーキに追加された補助ブレーキシステム
である。リターダ装置は、排気タービンによる過給機を
搭載したためにエンジンブレーキによる制動力を余り期
待できない自動車や、搭載物を含めた車両総重量が大き
くて、高速道路の使用頻度も高いバスやトラック等の大
型車両に主に搭載されており、エンジンブレーキ効果を
補って、サービスブレーキの使用頻度と負担を軽減す
る。
【0003】リターダ装置としては、永久磁石や電磁石
を用いて電磁気的な制動力を発生させる渦電流式と、オ
イルポンプを用いてオイルを循環させ、オイルの流路抵
抗から制動力を発生させる流体型とが既に実用化されて
いる。また、エンジンの排気経路に設けたバルブを閉じ
てエンジンの排気圧力を増大させる排気ブレーキをリタ
ーダ装置として使用した例もある。リターダ装置は、出
力される制動力のレベルや出力タイミングを細かく設定
して制動力を再現性高く出力させることが可能である。
自動変速機搭載車における一般的なリターダ装置は、車
室内の許可スイッチがONされた状態で、運転者がアク
セルペダルの踏み込みを解放することによって作動す
る。リターダ装置は、エンジンから車輪までの動力伝達
経路に制動力を出力して、車体に疑似的なエンジンブレ
ーキ効果を発生させる。
を用いて電磁気的な制動力を発生させる渦電流式と、オ
イルポンプを用いてオイルを循環させ、オイルの流路抵
抗から制動力を発生させる流体型とが既に実用化されて
いる。また、エンジンの排気経路に設けたバルブを閉じ
てエンジンの排気圧力を増大させる排気ブレーキをリタ
ーダ装置として使用した例もある。リターダ装置は、出
力される制動力のレベルや出力タイミングを細かく設定
して制動力を再現性高く出力させることが可能である。
自動変速機搭載車における一般的なリターダ装置は、車
室内の許可スイッチがONされた状態で、運転者がアク
セルペダルの踏み込みを解放することによって作動す
る。リターダ装置は、エンジンから車輪までの動力伝達
経路に制動力を出力して、車体に疑似的なエンジンブレ
ーキ効果を発生させる。
【0004】ところで、リターダ装置から出力される制
動力のレベルと出力タイミングを調整して、自動変速機
がシフトダウン変速する際の変速ショックを緩和する技
術が特開平3−248951号公報に示される。ここで
は、運転者がセレクトレバーを操作して1速レンジや2
速レンジと言ったエンジンブレーキ要求ポジションを設
定した際に、作動中のリターダ装置から出力されている
制動力のレベルを自動変速機のシフトダウン変速が完了
するまで一時的に低下させている。これにより、自動変
速機のシフトダウン変速に伴う減速がリターダの制動力
に加算されて過度な減速(変速ショック)が発生する事
態を避けている。
動力のレベルと出力タイミングを調整して、自動変速機
がシフトダウン変速する際の変速ショックを緩和する技
術が特開平3−248951号公報に示される。ここで
は、運転者がセレクトレバーを操作して1速レンジや2
速レンジと言ったエンジンブレーキ要求ポジションを設
定した際に、作動中のリターダ装置から出力されている
制動力のレベルを自動変速機のシフトダウン変速が完了
するまで一時的に低下させている。これにより、自動変
速機のシフトダウン変速に伴う減速がリターダの制動力
に加算されて過度な減速(変速ショック)が発生する事
態を避けている。
【0005】そして、2速にシフトダウンされる際の変
速ショックに比較して、1速にシフトダウンされる際の
変速ショックのほうが大きいから、シフトダウン先の変
速段が小さいほどリターダ装置から出力される制動力を
大幅に低下させて、シフトダウン開始までのリターダ装
置による減速効果の上に、シフトダウンによる変速ショ
ックが大きく突出して現れることを避けている。
速ショックに比較して、1速にシフトダウンされる際の
変速ショックのほうが大きいから、シフトダウン先の変
速段が小さいほどリターダ装置から出力される制動力を
大幅に低下させて、シフトダウン開始までのリターダ装
置による減速効果の上に、シフトダウンによる変速ショ
ックが大きく突出して現れることを避けている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】自動変速機のシフトア
ップ、シフトダウンのタイミングは、スロットル開度と
車速の領域を各変速段に割り当てた変速マップを参照し
て、刻々のスロットル開度と車速を検知して判断され
る。変速マップ上では、高い車速と低いスロットル開度
の方向に向かって1、2、3、4速の割り当て領域が配
置され、例えば、車速の上昇に伴ってスロットル開度と
車速の組み合わせが3速と4速の境界に達した時点で3
速から4速への変速操作が指令される。
ップ、シフトダウンのタイミングは、スロットル開度と
車速の領域を各変速段に割り当てた変速マップを参照し
て、刻々のスロットル開度と車速を検知して判断され
る。変速マップ上では、高い車速と低いスロットル開度
の方向に向かって1、2、3、4速の割り当て領域が配
置され、例えば、車速の上昇に伴ってスロットル開度と
車速の組み合わせが3速と4速の境界に達した時点で3
速から4速への変速操作が指令される。
【0007】一方、高速走行から減速が開始され、運転
者がセレクトレバーを操作して2速レンジや1速レンジ
へマニュアルセレクトダウンした場合、直ちに2速や1
速へシフトダウンして変速比を急に高めると、エンジン
の回転数が異常に高まってエンジンに損傷を引き起こす
可能性がある。そこで、2速レンジや1速レンジでは、
変速マップ上にエンジン回転数の上限に対応させた変速
防止線を定め、マニュアルセレクトダウンの操作が実行
された後に変速防止線のレベルまで車速が低下した後に
シフトダウン変速を実行させることとしている。
者がセレクトレバーを操作して2速レンジや1速レンジ
へマニュアルセレクトダウンした場合、直ちに2速や1
速へシフトダウンして変速比を急に高めると、エンジン
の回転数が異常に高まってエンジンに損傷を引き起こす
可能性がある。そこで、2速レンジや1速レンジでは、
変速マップ上にエンジン回転数の上限に対応させた変速
防止線を定め、マニュアルセレクトダウンの操作が実行
された後に変速防止線のレベルまで車速が低下した後に
シフトダウン変速を実行させることとしている。
【0008】しかし、変速防止線を上回る車速でマニュ
アルセレクトダウンが実行されると、運転者が即刻のエ
ンジンブレーキ効果を期待してセレクトレバーを操作し
たにもかかわらず、その時点ではシフトダウンによる減
速効果は現れず、少し時間を経て変速防止線のレベルま
で車速が低下して初めてシフトダウンによる大きな減速
効果が突然に現れる。運転者の予期しないタイミングに
おける大きな減速効果は、運転者に不快感を抱かせる。
アルセレクトダウンが実行されると、運転者が即刻のエ
ンジンブレーキ効果を期待してセレクトレバーを操作し
たにもかかわらず、その時点ではシフトダウンによる減
速効果は現れず、少し時間を経て変速防止線のレベルま
で車速が低下して初めてシフトダウンによる大きな減速
効果が突然に現れる。運転者の予期しないタイミングに
おける大きな減速効果は、運転者に不快感を抱かせる。
【0009】ここで、特開平3−248951号公報に
示されるように、マニュアルセレクトダウンのタイミン
グでリターダ装置から出力される制動力のレベルを低下
させて、シフトダウン変速が完了した時点で制動力のレ
ベルを元に戻してもよい。リターダ装置による減速効果
が一時的に低減されることによって、シフトダウンの開
始から終了までの期間について、リターダ装置による減
速効果にシフトダウンの効果を加えた合計の減速効果は
小さくなる。しかし、マニュアルセレクトダウンからシ
フトダウン変速の開始までの待機時間もリターダ装置の
制動力が低いから、マニュアルセレクトダウン後の車体
の減速感が不足して、運転者はブレーキペダルを踏み込
む等、追加の制動を行う必要がある。そして、ブレーキ
ペダルを踏み込んで追加の制動力を与えた状態で突然に
シフトダウン変速が開始されると、制動力が過剰となっ
て運転者に不快感を抱かせる。
示されるように、マニュアルセレクトダウンのタイミン
グでリターダ装置から出力される制動力のレベルを低下
させて、シフトダウン変速が完了した時点で制動力のレ
ベルを元に戻してもよい。リターダ装置による減速効果
が一時的に低減されることによって、シフトダウンの開
始から終了までの期間について、リターダ装置による減
速効果にシフトダウンの効果を加えた合計の減速効果は
小さくなる。しかし、マニュアルセレクトダウンからシ
フトダウン変速の開始までの待機時間もリターダ装置の
制動力が低いから、マニュアルセレクトダウン後の車体
の減速感が不足して、運転者はブレーキペダルを踏み込
む等、追加の制動を行う必要がある。そして、ブレーキ
ペダルを踏み込んで追加の制動力を与えた状態で突然に
シフトダウン変速が開始されると、制動力が過剰となっ
て運転者に不快感を抱かせる。
【0010】本発明は、変速防止線よりも高い車速で運
転者がマニュアルセレクトダウン操作を実行した場合
に、マニュアルセレクトダウンのタイミングからシフト
ダウン変速が完了するまでの車体の減速状態がなめらか
に変化して自然な減速感覚が得られるリターダ制御装置
を提供することを目的としている。
転者がマニュアルセレクトダウン操作を実行した場合
に、マニュアルセレクトダウンのタイミングからシフト
ダウン変速が完了するまでの車体の減速状態がなめらか
に変化して自然な減速感覚が得られるリターダ制御装置
を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、自動
変速機搭載車の駆動力伝達経路に配置されたリターダ装
置を制御して、出力される制動力のレベルと出力タイミ
ングを調整可能なリターダ制御装置において、運転者が
マニュアルセレクトダウンの設定を行ってからシフトダ
ウンが開始されるまでの期間、前記リターダ装置から所
定レベルの制動力を出力させ続ける制動継続手段と、運
転者がマニュアルセレクトダウンの設定を行ってからシ
フトダウンが開始されるまでのセレクト経過時間を計測
する計測手段と、シフトダウン開始時に前記リターダ装
置から出力される制動力のレベルを前記セレクト経過時
間に応じて決定し、前記セレクト経過時間が長いほどシ
フトダウン開始時の変速ショックを目立たなくする出力
調整手段とを有するものである。
変速機搭載車の駆動力伝達経路に配置されたリターダ装
置を制御して、出力される制動力のレベルと出力タイミ
ングを調整可能なリターダ制御装置において、運転者が
マニュアルセレクトダウンの設定を行ってからシフトダ
ウンが開始されるまでの期間、前記リターダ装置から所
定レベルの制動力を出力させ続ける制動継続手段と、運
転者がマニュアルセレクトダウンの設定を行ってからシ
フトダウンが開始されるまでのセレクト経過時間を計測
する計測手段と、シフトダウン開始時に前記リターダ装
置から出力される制動力のレベルを前記セレクト経過時
間に応じて決定し、前記セレクト経過時間が長いほどシ
フトダウン開始時の変速ショックを目立たなくする出力
調整手段とを有するものである。
【0012】請求項2の発明は、請求項1の構成におけ
る前記出力調整手段は、前記所定レベルの制動力を基準
値として、前記セレクト経過時間が長いほどシフトダウ
ンの期間を通じた制動力の前記基準値からの減少幅を大
きくするものである。
る前記出力調整手段は、前記所定レベルの制動力を基準
値として、前記セレクト経過時間が長いほどシフトダウ
ンの期間を通じた制動力の前記基準値からの減少幅を大
きくするものである。
【0013】
【作用】請求項1のリターダ制御装置では、運転者がマ
ニュアルセレクトダウンの設定を行うと直ちに制動力の
レベルを低下させるのではなくて、シフトダウンが開始
されるまで所定レベルの制動力を維持させ、シフトダウ
ンの開始と対応させて制動力のレベルを低下させる。そ
して、一律同等に制動力のレベルを低下させるのではな
くて、セレクト経過時間の長短に応じて低下の度合いを
異ならせ、少なくともシフトダウン開始時における変速
ショックをセレクト経過時間が長いほど目立たなくして
いる。すなわち、セレクト経過時間が短い場合はシフト
ダウン変速の実行を運転者に強烈に印象付けて、マニュ
アルセレクトダウンの設定操作に対する手応えを優先す
るが、セレクト経過時間が長くなるにつれてマニュアル
セレクトダウン操作と変速ショックの関係を理解しにく
くなるため、シフトダウン開始までリターダ装置から出
力されていた制動力のレベルからシフトダウンに伴う変
速ショックをあまり際立たせないようにしている。
ニュアルセレクトダウンの設定を行うと直ちに制動力の
レベルを低下させるのではなくて、シフトダウンが開始
されるまで所定レベルの制動力を維持させ、シフトダウ
ンの開始と対応させて制動力のレベルを低下させる。そ
して、一律同等に制動力のレベルを低下させるのではな
くて、セレクト経過時間の長短に応じて低下の度合いを
異ならせ、少なくともシフトダウン開始時における変速
ショックをセレクト経過時間が長いほど目立たなくして
いる。すなわち、セレクト経過時間が短い場合はシフト
ダウン変速の実行を運転者に強烈に印象付けて、マニュ
アルセレクトダウンの設定操作に対する手応えを優先す
るが、セレクト経過時間が長くなるにつれてマニュアル
セレクトダウン操作と変速ショックの関係を理解しにく
くなるため、シフトダウン開始までリターダ装置から出
力されていた制動力のレベルからシフトダウンに伴う変
速ショックをあまり際立たせないようにしている。
【0014】請求項2のリターダ制御装置では、リター
ダ装置から出力される制動力のレベルがシフトダウン開
始からシフトダウン終了まで減少される。減少幅は、セ
レクト経過時間にリターダ装置から出力される制動力の
レベルを基準値として、セレクト経過時間が長くなるに
つれて大きく設定される。
ダ装置から出力される制動力のレベルがシフトダウン開
始からシフトダウン終了まで減少される。減少幅は、セ
レクト経過時間にリターダ装置から出力される制動力の
レベルを基準値として、セレクト経過時間が長くなるに
つれて大きく設定される。
【0015】
【発明の実施の形態】図1〜図6を参照して実施例のリ
ターダ制御装置を説明する。図1はリターダ装置の制御
システムの構成の説明図、図2はセレクトポジションご
との変速マップ、図3はリターダ制動力減少量を求める
ための線図、図4は制御のタイミングチャート、図5、
図6は制御のフローチャートである。図2中、(a)は
Dレンジ、(b)は3速レンジ、(c)は2速レンジ、
(d)は1速レンジである。図4中、(a)はセレクト
経過時間が短い場合、(b)はセレクト経過時間が長い
場合、(c)はマニュアルシフトダウンと同時にリター
ダ装置の制動力を削減する従来の制御による比較例であ
る。
ターダ制御装置を説明する。図1はリターダ装置の制御
システムの構成の説明図、図2はセレクトポジションご
との変速マップ、図3はリターダ制動力減少量を求める
ための線図、図4は制御のタイミングチャート、図5、
図6は制御のフローチャートである。図2中、(a)は
Dレンジ、(b)は3速レンジ、(c)は2速レンジ、
(d)は1速レンジである。図4中、(a)はセレクト
経過時間が短い場合、(b)はセレクト経過時間が長い
場合、(c)はマニュアルシフトダウンと同時にリター
ダ装置の制動力を削減する従来の制御による比較例であ
る。
【0016】流体式のリターダ装置13は、図1に示す
ように、自動変速機12の出力軸側に配置されており、
リターダ作動装置28から供給される油圧レベルに応じ
た制動力をプロペラ軸18に出力する。運転者は、車室
内に設けたリターダスイッチ16を操作して、リターダ
装置13を補助ブレーキとして使用するか否かを設定す
る。リターダスイッチ16をONすると、自動変速機コ
ントロールユニット30が制動の必要性を判断して制動
力のレベルと出力タイミングを決定し、リターダ装置1
3を作動して制動力を出力させる。自動変速機コントロ
ールユニット30は、自動変速機12に搭載された電磁
弁26のON/OFFを制御して、自動変速機12の変
速動作や変速過程における種々の調整を実行する。
ように、自動変速機12の出力軸側に配置されており、
リターダ作動装置28から供給される油圧レベルに応じ
た制動力をプロペラ軸18に出力する。運転者は、車室
内に設けたリターダスイッチ16を操作して、リターダ
装置13を補助ブレーキとして使用するか否かを設定す
る。リターダスイッチ16をONすると、自動変速機コ
ントロールユニット30が制動の必要性を判断して制動
力のレベルと出力タイミングを決定し、リターダ装置1
3を作動して制動力を出力させる。自動変速機コントロ
ールユニット30は、自動変速機12に搭載された電磁
弁26のON/OFFを制御して、自動変速機12の変
速動作や変速過程における種々の調整を実行する。
【0017】自動変速機12はエンジン11に連結さ
れ、エンジン11の出力回転が自動変速機12で変速さ
れてプロペラ軸18からディファレンシャル機構14を
介して後輪15に伝達される。運転者がアクセルペダル
17の踏み込み量を加減してスロットルバルブ22のス
ロットル開度を調整することで、エンジン11の出力と
回転数が変化する。スロットルバルブ22に取り付けた
スロットルセンサ23の出力が、自動変速機12に取り
付けた車速センサ25の出力とともに自動変速機コント
ロールユニット30に入力される。運転者がセレクトレ
バー19を操作して走行レンジの1つをセレクトするこ
とによって、自動変速機12の変速パターンが設定され
る。セレクトされた走行レンジは、ロータリースイッチ
21で読み取って自動変速機コントロールユニット30
に入力される。
れ、エンジン11の出力回転が自動変速機12で変速さ
れてプロペラ軸18からディファレンシャル機構14を
介して後輪15に伝達される。運転者がアクセルペダル
17の踏み込み量を加減してスロットルバルブ22のス
ロットル開度を調整することで、エンジン11の出力と
回転数が変化する。スロットルバルブ22に取り付けた
スロットルセンサ23の出力が、自動変速機12に取り
付けた車速センサ25の出力とともに自動変速機コント
ロールユニット30に入力される。運転者がセレクトレ
バー19を操作して走行レンジの1つをセレクトするこ
とによって、自動変速機12の変速パターンが設定され
る。セレクトされた走行レンジは、ロータリースイッチ
21で読み取って自動変速機コントロールユニット30
に入力される。
【0018】自動変速機コントロールユニット30は、
図示しない記憶回路や演算回路や入出力回路を備えたマ
イコン回路であって、図5、図6のフローチャートを参
照して後述するように、搭載された制御プログラムの処
理フローによって、車速検出処理31、スロットル開度
検出処理32、走行レンジ検出処理33、セレクト経過
時間計測処理34、リターダ制動力制御処理35、走行
ギヤ決定処理36、リターダ制動力減少量決定処理3
7、その他、自動変速機12における変速操作や変速過
程の種々の処理を実行する。
図示しない記憶回路や演算回路や入出力回路を備えたマ
イコン回路であって、図5、図6のフローチャートを参
照して後述するように、搭載された制御プログラムの処
理フローによって、車速検出処理31、スロットル開度
検出処理32、走行レンジ検出処理33、セレクト経過
時間計測処理34、リターダ制動力制御処理35、走行
ギヤ決定処理36、リターダ制動力減少量決定処理3
7、その他、自動変速機12における変速操作や変速過
程の種々の処理を実行する。
【0019】車速検出処理31では、車速センサ25の
出力に基づいて刻々の車速VSPが演算される。スロッ
トル開度検出処理32では、スロットルセンサ23の出
力に基づいて刻々のスロットル開度TVOが演算され
る。走行レンジ検出処理33では、ロータリースイッチ
21の出力に基づいて刻々の走行レンジの設定状態を識
別する。走行ギヤ決定処理36では、予め準備された複
数の変速マップの中から設定された走行レンジに対応す
る1つを選択し、この変速マップを参照して刻々の車速
VSPとスロットル開度TVOとからシフトダウン、シ
フトアップの変速時期を判断する。
出力に基づいて刻々の車速VSPが演算される。スロッ
トル開度検出処理32では、スロットルセンサ23の出
力に基づいて刻々のスロットル開度TVOが演算され
る。走行レンジ検出処理33では、ロータリースイッチ
21の出力に基づいて刻々の走行レンジの設定状態を識
別する。走行ギヤ決定処理36では、予め準備された複
数の変速マップの中から設定された走行レンジに対応す
る1つを選択し、この変速マップを参照して刻々の車速
VSPとスロットル開度TVOとからシフトダウン、シ
フトアップの変速時期を判断する。
【0020】リターダ制動力制御処理35は、リターダ
スイッチ16の設定状態、セレクトレバー19(ロータ
リースイッチ21)の設定状態、スロットル開度TV
O、リターダ制動力減少量決定処理37で決定されたリ
ターダ制動力減少量Qを検知してリターダ装置13の作
動/非作動を決定し、作動の場合には刻々の制動力のレ
ベルを決定する。セレクト経過時間計測処理34では、
セレクトレバー19がセレクトダウンされた後に走行ギ
ヤ決定処理36によってシフトダウン変速が指令される
までのセレクト経過時間が計測される。リターダ制動力
減少量決定処理37では、図3に示すように、セレクト
経過時間計測処理34で計測されたセレクト経過時間T
に応じてリターダ制動力減少量Qを決定する。これによ
り、リターダ制動力制御処理35は、シフトダウン変速
の開始から終了までの期間について、リターダ装置13
から出力される制動力のレベルをリターダ制動力減少量
Qだけ削減する。
スイッチ16の設定状態、セレクトレバー19(ロータ
リースイッチ21)の設定状態、スロットル開度TV
O、リターダ制動力減少量決定処理37で決定されたリ
ターダ制動力減少量Qを検知してリターダ装置13の作
動/非作動を決定し、作動の場合には刻々の制動力のレ
ベルを決定する。セレクト経過時間計測処理34では、
セレクトレバー19がセレクトダウンされた後に走行ギ
ヤ決定処理36によってシフトダウン変速が指令される
までのセレクト経過時間が計測される。リターダ制動力
減少量決定処理37では、図3に示すように、セレクト
経過時間計測処理34で計測されたセレクト経過時間T
に応じてリターダ制動力減少量Qを決定する。これによ
り、リターダ制動力制御処理35は、シフトダウン変速
の開始から終了までの期間について、リターダ装置13
から出力される制動力のレベルをリターダ制動力減少量
Qだけ削減する。
【0021】セレクトレバー19によって設定される前
進側4段の走行レンジに対応する4種類の変速マップが
図2に示される。本実施例では、運転者がアクセルペダ
ル17の踏み込みを解放した状態をスロットル開度TV
Oから識別しており、図中に示す基準値T1をスロット
ル開度TVOが割り込むと、アクセルペダル17の踏み
込みが解放されたエンジン11のアイドル状態と判定し
ている。図2の(a)のDレンジでは、変速比1の直結
段の上に変速比が1以下のオーバードライブ変速段を設
けた4段階の変速段が使用される。図2の(b)の3速
レンジでは、変速比1の直結段を最高とする3段階の変
速段が使用される。エンジン11が過剰回転を引き起こ
すことが無いように、3速防止線が設けられ、3速防止
線を越えた高速走行中にDレンジから3速レンジにマニ
ュアルセレクトダウンがなされた際には、3速防止線ま
で車速VSPが低下するのを待ってシフトダウンが実行
される。
進側4段の走行レンジに対応する4種類の変速マップが
図2に示される。本実施例では、運転者がアクセルペダ
ル17の踏み込みを解放した状態をスロットル開度TV
Oから識別しており、図中に示す基準値T1をスロット
ル開度TVOが割り込むと、アクセルペダル17の踏み
込みが解放されたエンジン11のアイドル状態と判定し
ている。図2の(a)のDレンジでは、変速比1の直結
段の上に変速比が1以下のオーバードライブ変速段を設
けた4段階の変速段が使用される。図2の(b)の3速
レンジでは、変速比1の直結段を最高とする3段階の変
速段が使用される。エンジン11が過剰回転を引き起こ
すことが無いように、3速防止線が設けられ、3速防止
線を越えた高速走行中にDレンジから3速レンジにマニ
ュアルセレクトダウンがなされた際には、3速防止線ま
で車速VSPが低下するのを待ってシフトダウンが実行
される。
【0022】図2の(c)の2速レンジでは、2速段を
最高とする2段階の変速段が使用される。3速防止線と
ともに2速防止線が設けられ、3速防止線を越えた高速
走行中にDレンジから2速レンジにマニュアルセレクト
ダウンがなされた際には、3速防止線まで車速VSPが
低下するのを待って3速段へのシフトダウンが実行さ
れ、さらに、2速防止線まで車速VSPが低下するのを
待って2速段へのシフトダウンが実行される。図2の
(d)の1速レンジでは、1速段だけが使用される。3
速防止線、2速防止線に加えて1速防止線が設けられ、
1速防止線を越えた車速VSPで1速レンジにマニュア
ルセレクトダウンがなされた際には、1速防止線まで車
速VSPが低下するのを待って1速段へのシフトダウン
が実行される。
最高とする2段階の変速段が使用される。3速防止線と
ともに2速防止線が設けられ、3速防止線を越えた高速
走行中にDレンジから2速レンジにマニュアルセレクト
ダウンがなされた際には、3速防止線まで車速VSPが
低下するのを待って3速段へのシフトダウンが実行さ
れ、さらに、2速防止線まで車速VSPが低下するのを
待って2速段へのシフトダウンが実行される。図2の
(d)の1速レンジでは、1速段だけが使用される。3
速防止線、2速防止線に加えて1速防止線が設けられ、
1速防止線を越えた車速VSPで1速レンジにマニュア
ルセレクトダウンがなされた際には、1速防止線まで車
速VSPが低下するのを待って1速段へのシフトダウン
が実行される。
【0023】自動変速機コントロールユニット30は、
リターダ制動力減少量決定処理37において、運転者が
マニュアルセレクトダウンを実行してから実際にシフト
ダウン変速が開始されるまでのセレクト経過時間Tが短
い範囲E1では、シフトダウンの変速ショックに違和感
が無いから減少量Qを小さくして変速ショックを大きく
残す。範囲E2では、変速ショックの違和感が多少ある
からセレクト経過時間Tが増すにつれて減少量Qを次第
に大きくする。一方、範囲E3では、変速ショックとマ
ニュアルセレクトダウンの関係を理解できなくなるた
め、減少量Qを最大にして、シフトダウンの開始から終
了までの期間を通じた変速ショックを、シフトダウン開
始までリターダ装置13から出力されていた制動力のレ
ベルから突出させない。シフトダウンに伴う変速ショッ
クが運転者にとってほとんど気にならないレベルに抑制
される。
リターダ制動力減少量決定処理37において、運転者が
マニュアルセレクトダウンを実行してから実際にシフト
ダウン変速が開始されるまでのセレクト経過時間Tが短
い範囲E1では、シフトダウンの変速ショックに違和感
が無いから減少量Qを小さくして変速ショックを大きく
残す。範囲E2では、変速ショックの違和感が多少ある
からセレクト経過時間Tが増すにつれて減少量Qを次第
に大きくする。一方、範囲E3では、変速ショックとマ
ニュアルセレクトダウンの関係を理解できなくなるた
め、減少量Qを最大にして、シフトダウンの開始から終
了までの期間を通じた変速ショックを、シフトダウン開
始までリターダ装置13から出力されていた制動力のレ
ベルから突出させない。シフトダウンに伴う変速ショッ
クが運転者にとってほとんど気にならないレベルに抑制
される。
【0024】例えば、図2の(a)に示す点Aで運転者
がDレンジから3速レンジにマニュアルセレクトダウン
を実行すると、図2の(b)に示すように、3速防止線
まで車速VSPが低下した後に3速へのシフトダウンが
実行される。このとき、マニュアルセレクトダウンから
シフトダウンまでのセレクト経過時間Tが長いほど減少
量Qを大きくする。同様にして、図2の(c)に示す点
Bで運転者が2速レンジにマニュアルセレクトダウンを
実行した場合や図2の(d)に示す点Cで運転者が1速
レンジにマニュアルセレクトダウンを実行した場合に
も、それぞれ2速防止線、1速防止線まで車速VSPが
低下してシフトダウンが実行されるまでのセレクト経過
時間Tが長いほど減少量Qを大きくする。
がDレンジから3速レンジにマニュアルセレクトダウン
を実行すると、図2の(b)に示すように、3速防止線
まで車速VSPが低下した後に3速へのシフトダウンが
実行される。このとき、マニュアルセレクトダウンから
シフトダウンまでのセレクト経過時間Tが長いほど減少
量Qを大きくする。同様にして、図2の(c)に示す点
Bで運転者が2速レンジにマニュアルセレクトダウンを
実行した場合や図2の(d)に示す点Cで運転者が1速
レンジにマニュアルセレクトダウンを実行した場合に
も、それぞれ2速防止線、1速防止線まで車速VSPが
低下してシフトダウンが実行されるまでのセレクト経過
時間Tが長いほど減少量Qを大きくする。
【0025】図4の(a)、(b)を参照してリターダ
装置の制御の具体例を説明する。時刻t0で運転者がア
クセルペダル17の踏み込みを解放する。リターダスイ
ッチ16がONされていれば、自動変速機コントロール
ユニット30は、直ちにリターダ装置13から所定レベ
ルの制動力を出力させる。減速の不足を感じた運転者が
時刻t1でマニュアルセレクトダウンを実行しても、自
動変速機コントロールユニット30は、シフトダウンが
開始されるまで、リターダ装置13の所定レベルの制動
力を維持させる。しかし、時刻t2にシフトダウンが開
始されると、時刻t3にシフトダウンが完了するまで、
自動変速機コントロールユニット30は、リターダ装置
13の所定レベルの制動力を減少量Qだけ削減させる。
装置の制御の具体例を説明する。時刻t0で運転者がア
クセルペダル17の踏み込みを解放する。リターダスイ
ッチ16がONされていれば、自動変速機コントロール
ユニット30は、直ちにリターダ装置13から所定レベ
ルの制動力を出力させる。減速の不足を感じた運転者が
時刻t1でマニュアルセレクトダウンを実行しても、自
動変速機コントロールユニット30は、シフトダウンが
開始されるまで、リターダ装置13の所定レベルの制動
力を維持させる。しかし、時刻t2にシフトダウンが開
始されると、時刻t3にシフトダウンが完了するまで、
自動変速機コントロールユニット30は、リターダ装置
13の所定レベルの制動力を減少量Qだけ削減させる。
【0026】図4の(a)では、セレクト経過時間Tが
短いから、減少量Qを小さく設定して、シフトダウンが
実行された際に減速操作の手応えとしての変速ショック
を大きく発生させる。図4の(b)では、セレクト経過
時間Tが長くて変速ショックの違和感が大きいから、減
少量Qを大きく設定してシフトダウンの変速ショックを
目立たなくしている。
短いから、減少量Qを小さく設定して、シフトダウンが
実行された際に減速操作の手応えとしての変速ショック
を大きく発生させる。図4の(b)では、セレクト経過
時間Tが長くて変速ショックの違和感が大きいから、減
少量Qを大きく設定してシフトダウンの変速ショックを
目立たなくしている。
【0027】これに対して、図4の(c)に示される従
来の制御では、時刻t1でマニュアルセレクトダウンが
実行されると同時にリターダ装置13から出力される制
動力のレベルを減少量Qだけ削減して、シフトダウンが
完了した時刻t3で制動力を最初のレベルに戻してい
る。この場合、時刻t1から時刻t2まで制動力が不足
する一方で、時刻t2に至って減速力が急激に立ち上が
って車体が強い減速状態となる。従って、マニュアルセ
レクトダウンの実行と同時にシフトダウンが開始される
状況下でないと、運転者の違和感が大きい。
来の制御では、時刻t1でマニュアルセレクトダウンが
実行されると同時にリターダ装置13から出力される制
動力のレベルを減少量Qだけ削減して、シフトダウンが
完了した時刻t3で制動力を最初のレベルに戻してい
る。この場合、時刻t1から時刻t2まで制動力が不足
する一方で、時刻t2に至って減速力が急激に立ち上が
って車体が強い減速状態となる。従って、マニュアルセ
レクトダウンの実行と同時にシフトダウンが開始される
状況下でないと、運転者の違和感が大きい。
【0028】図5、図6を参照して自動変速機コントロ
ールユニット30における制御を説明する。図5は走行
ギヤ決定処理36およびリターダ制動力制御処理35の
フロー、図6はセレクト経過時間計測処理34およびリ
ターダ制動力減少量決定処理のフローである。
ールユニット30における制御を説明する。図5は走行
ギヤ決定処理36およびリターダ制動力制御処理35の
フロー、図6はセレクト経過時間計測処理34およびリ
ターダ制動力減少量決定処理のフローである。
【0029】図5に示されるステップ101では、スロ
ットル開度TVOと車速VSPを読み取る。ステップ1
02では、リターダスイッチ16のON/OFFが識別
され、ステップ103では、スロットル開度TVOがア
イドル状態を識別する基準値TIに満たないか否かが識
別される。リターダスイッチ16がONでスロットル開
度TVOが基準値TIに満たない場合には、リターダ装
置13を作動させて予め定めたレベルの制動力を出力さ
せる。制動力のレベルは、車体重量や下り坂の傾斜に応
じて補正された基準の減速力から図6のフローで求めら
れる減少量Qを差し引いて求められる。リターダスイッ
チ16がOFFの場合やストッロル開度TVOが基準値
TI以上の場合はリターダ装置13を作動させない。
ットル開度TVOと車速VSPを読み取る。ステップ1
02では、リターダスイッチ16のON/OFFが識別
され、ステップ103では、スロットル開度TVOがア
イドル状態を識別する基準値TIに満たないか否かが識
別される。リターダスイッチ16がONでスロットル開
度TVOが基準値TIに満たない場合には、リターダ装
置13を作動させて予め定めたレベルの制動力を出力さ
せる。制動力のレベルは、車体重量や下り坂の傾斜に応
じて補正された基準の減速力から図6のフローで求めら
れる減少量Qを差し引いて求められる。リターダスイッ
チ16がOFFの場合やストッロル開度TVOが基準値
TI以上の場合はリターダ装置13を作動させない。
【0030】ステップ105では、スロットル開度TV
Oと車速VSPに基づいてシフトダウンの開始時期を判
断する。また、その他の自動変速機12の変速操作や付
属機構の制御、変速過程の各種の調整が実行される。
Oと車速VSPに基づいてシフトダウンの開始時期を判
断する。また、その他の自動変速機12の変速操作や付
属機構の制御、変速過程の各種の調整が実行される。
【0031】図6のステップ121では、レンジ信号R
newを読み取る。R、P、N、Dの各レンジではRn
ew=4である。3速、2速、1速のレンジでは、それ
ぞれRnew=3、2、1である。ステップ122、1
23、124では、マニュアルセレクトダウンが実行さ
れたか否かが識別される。ステップ122でRnew>
Roldの場合はマニュアルセレクトアップに該当する
ため、ステップ126、127へ進んでフラグFとタイ
マーTをリセットする。ステップ123でフラグF=1
の場合はマニュアルセレクトダウン後を意味するから、
ステップ128以下に進んでセレクト経過時間の計測等
を実行する。ステップ124でRnew=Roldでな
い場合はマニュアルセレクトダウンの設定がなされた直
後を意味するから、ステップ125へ進んでフラグFを
1とする。Rnew=Roldの場合はセレクトレバー
19が操作されないことを意味するから、ステップ12
6、127へ進んでフラグFとタイマーTをリセットす
る。
newを読み取る。R、P、N、Dの各レンジではRn
ew=4である。3速、2速、1速のレンジでは、それ
ぞれRnew=3、2、1である。ステップ122、1
23、124では、マニュアルセレクトダウンが実行さ
れたか否かが識別される。ステップ122でRnew>
Roldの場合はマニュアルセレクトアップに該当する
ため、ステップ126、127へ進んでフラグFとタイ
マーTをリセットする。ステップ123でフラグF=1
の場合はマニュアルセレクトダウン後を意味するから、
ステップ128以下に進んでセレクト経過時間の計測等
を実行する。ステップ124でRnew=Roldでな
い場合はマニュアルセレクトダウンの設定がなされた直
後を意味するから、ステップ125へ進んでフラグFを
1とする。Rnew=Roldの場合はセレクトレバー
19が操作されないことを意味するから、ステップ12
6、127へ進んでフラグFとタイマーTをリセットす
る。
【0032】ステップ128ではダウンシフトのタイミ
ングか否かが識別される。ダウンシフトが開始されるま
ではステップ130でセレクト経過時間Tをカウントア
ップする。ダウンシフトのタイミングであれば、ステッ
プ129でセレクト経過時間Tに基づく減少量Qが演算
される。ステップ131では、フラグFがリセットさ
れ、ステップ132では、次回の処理に備えてRold
の値を書き替える。今回の処理におけるRnewの値が
次回の処理におけるRoldの値となる。
ングか否かが識別される。ダウンシフトが開始されるま
ではステップ130でセレクト経過時間Tをカウントア
ップする。ダウンシフトのタイミングであれば、ステッ
プ129でセレクト経過時間Tに基づく減少量Qが演算
される。ステップ131では、フラグFがリセットさ
れ、ステップ132では、次回の処理に備えてRold
の値を書き替える。今回の処理におけるRnewの値が
次回の処理におけるRoldの値となる。
【0033】実施例の制御システムによれば、自動変速
機コントロールユニット30でリターダ装置13を制御
するから、セレクトレバー19の操作やシフトダウンタ
イミングに応じた制御を配線や電気回路の追加無しで、
単に自動変速機コントロールユニット30におけるプロ
グラムの変更だけで実現できる。従って、システム全体
が小型軽量に構成され、信頼性の高いシステムを安価に
提供できる。また、マニュアルセレクトダウンの設定が
行われた後も実際にシフトダウンが開始するまで、リタ
ーダ装置13から出力される制動力のレベルを一定に保
っているから、運転者に違和感の無い減速状態が継続さ
れ、サービスブレーキの負担が軽減される。また、シフ
トダウンが開始されるとリターダ装置13から出力され
る制動力のレベルを低下させるから、シフトダウンに伴
って車体に過剰な減速が発生する心配が無い。また、マ
ニュアルセレクトダウンからシフトダウン開始までの時
間が長くなると変速ショックを目立たせなくするから、
運転者は、変速ショックを通じて自動変速機の動作状態
を的確に把握できる満足感を得る一方で、運転者が意図
するタイミングから外れた変速ショックが不愉快なレベ
ルに高まらない。
機コントロールユニット30でリターダ装置13を制御
するから、セレクトレバー19の操作やシフトダウンタ
イミングに応じた制御を配線や電気回路の追加無しで、
単に自動変速機コントロールユニット30におけるプロ
グラムの変更だけで実現できる。従って、システム全体
が小型軽量に構成され、信頼性の高いシステムを安価に
提供できる。また、マニュアルセレクトダウンの設定が
行われた後も実際にシフトダウンが開始するまで、リタ
ーダ装置13から出力される制動力のレベルを一定に保
っているから、運転者に違和感の無い減速状態が継続さ
れ、サービスブレーキの負担が軽減される。また、シフ
トダウンが開始されるとリターダ装置13から出力され
る制動力のレベルを低下させるから、シフトダウンに伴
って車体に過剰な減速が発生する心配が無い。また、マ
ニュアルセレクトダウンからシフトダウン開始までの時
間が長くなると変速ショックを目立たせなくするから、
運転者は、変速ショックを通じて自動変速機の動作状態
を的確に把握できる満足感を得る一方で、運転者が意図
するタイミングから外れた変速ショックが不愉快なレベ
ルに高まらない。
【0034】なお、実施例では流体式のリターダを用い
たが、渦電流式のリターダや排気ブレーキを使用して同
様に調整された制動力を出力させてもよい。また、アク
セルペダル17の踏み込みの解放とリターダスイッチ1
6のONによってリターダ装置13を作動させたが、さ
らに、エンジンブレーキ要求レンジ(1速レンジ、2速
レンジ)へのマニュアルシフトダウンによって初めてリ
ターダ装置13を作動させる構成としてもよい。この場
合、リターダ装置13の制動力のレベルをマニュアルシ
フトダウン直後に立ち上げ、シフトダウン開始とともに
減少量Qだけ低下させることになる。本実施例では、ス
テップ104の処理がリターダ制動力制御処理35、ス
テップ128、130の処理がセレクト経過時間計測処
理34、ステップ129の処理がリターダ制動力減少量
決定処理37にそれぞれ相当する。そして、ステップ1
04が発明の制動継続手段、ステップ128、130が
発明の計測手段、ステップ129が発明の出力調整手段
にそれぞれ相当する。
たが、渦電流式のリターダや排気ブレーキを使用して同
様に調整された制動力を出力させてもよい。また、アク
セルペダル17の踏み込みの解放とリターダスイッチ1
6のONによってリターダ装置13を作動させたが、さ
らに、エンジンブレーキ要求レンジ(1速レンジ、2速
レンジ)へのマニュアルシフトダウンによって初めてリ
ターダ装置13を作動させる構成としてもよい。この場
合、リターダ装置13の制動力のレベルをマニュアルシ
フトダウン直後に立ち上げ、シフトダウン開始とともに
減少量Qだけ低下させることになる。本実施例では、ス
テップ104の処理がリターダ制動力制御処理35、ス
テップ128、130の処理がセレクト経過時間計測処
理34、ステップ129の処理がリターダ制動力減少量
決定処理37にそれぞれ相当する。そして、ステップ1
04が発明の制動継続手段、ステップ128、130が
発明の計測手段、ステップ129が発明の出力調整手段
にそれぞれ相当する。
【0035】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、マニュアルセ
レクトダウンが設定された後もリターダ装置から出力さ
れる制動力のレベルを大きく保つから、マニュアルセレ
クトダウンの設定後も滑らかな減速状態が継続する。そ
して、セレクト経過時間が長い場合には変速ショックを
目立たなくするから、マニュアルセレクトダウンの設定
後に時間を置いて突然大きな変速ショックが発生して運
転者に不快感を与える心配が無い。
レクトダウンが設定された後もリターダ装置から出力さ
れる制動力のレベルを大きく保つから、マニュアルセレ
クトダウンの設定後も滑らかな減速状態が継続する。そ
して、セレクト経過時間が長い場合には変速ショックを
目立たなくするから、マニュアルセレクトダウンの設定
後に時間を置いて突然大きな変速ショックが発生して運
転者に不快感を与える心配が無い。
【0036】請求項2の発明によれば、シフトダウン開
始から終了までの変速ショックが一様に削減されるか
ら、セレクト経過時間が長い場合には、ほとんど変速シ
ョックを感じることが無い。
始から終了までの変速ショックが一様に削減されるか
ら、セレクト経過時間が長い場合には、ほとんど変速シ
ョックを感じることが無い。
【図1】リターダ装置の制御システムの構成の説明図で
ある。
ある。
【図2】セレクトポジションごとの変速マップである。
【図3】リターダ制動力減少量を求めるための線図であ
る。
る。
【図4】制御のタイミングチャートである。
【図5】制御のフローチャートである。
【図6】制御のフローチャートである。
11 エンジン 12 自動変速機 13 リターダ装置 14 ディファレンシャル機構 15 後輪 16 リターダスイッチ 17 アクセルペダル 18 プロペラシャフト 19 セレクトレバー 21 ロータリースイッチ 22 スロットルバルブ 23 スロットルセンサ 25 車速センサ 26 電磁弁 28 リターダコントローラ 30 自動変速機コントロールユニット 31 車速検出処理 32 スロットル開度検出処理 33 走行レンジ検出処理 34 セレクト経過時間計測処理 35 リターダ制動力制御処理 36 走行ギヤ決定処理 37 リターダ制動力減少量決定処理
Claims (2)
- 【請求項1】 自動変速機搭載車の駆動力伝達経路に配
置されたリターダ装置を制御して、出力される制動力の
レベルと出力タイミングを調整可能なリターダ制御装置
において、 運転者がマニュアルセレクトダウンの設定を行ってから
シフトダウンが開始されるまでの期間、前記リターダ装
置から所定レベルの制動力を出力させ続ける制動継続手
段と、 運転者がマニュアルセレクトダウンの設定を行ってから
シフトダウンが開始されるまでのセレクト経過時間を計
測する計測手段と、 シフトダウン開始時に前記リターダ装置から出力される
制動力のレベルを前記セレクト経過時間に応じて決定
し、前記セレクト経過時間が長いほどシフトダウン開始
時の変速ショックを目立たなくする出力調整手段と、を
有することを特徴とするリターダ制御装置。 - 【請求項2】 前記出力調整手段は、前記所定レベルの
制動力を基準値として、前記セレクト経過時間が長いほ
どシフトダウンの期間を通じた制動力の前記基準値から
の減少幅を大きくすることを特徴とする請求項1記載の
リターダ制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21095095A JPH0939773A (ja) | 1995-07-27 | 1995-07-27 | リターダ制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21095095A JPH0939773A (ja) | 1995-07-27 | 1995-07-27 | リターダ制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0939773A true JPH0939773A (ja) | 1997-02-10 |
Family
ID=16597791
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21095095A Withdrawn JPH0939773A (ja) | 1995-07-27 | 1995-07-27 | リターダ制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0939773A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018532634A (ja) * | 2015-08-28 | 2018-11-08 | ボルボトラックコーポレーション | 車速制御方法及び車速制御システム |
CN110281940A (zh) * | 2018-03-15 | 2019-09-27 | 本田技研工业株式会社 | 行驶辅助系统以及车辆的控制方法 |
-
1995
- 1995-07-27 JP JP21095095A patent/JPH0939773A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018532634A (ja) * | 2015-08-28 | 2018-11-08 | ボルボトラックコーポレーション | 車速制御方法及び車速制御システム |
CN110281940A (zh) * | 2018-03-15 | 2019-09-27 | 本田技研工业株式会社 | 行驶辅助系统以及车辆的控制方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20021001 |