JPH093374A - 水性インク及びインクジェット記録方法 - Google Patents
水性インク及びインクジェット記録方法Info
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- JPH093374A JPH093374A JP15444295A JP15444295A JPH093374A JP H093374 A JPH093374 A JP H093374A JP 15444295 A JP15444295 A JP 15444295A JP 15444295 A JP15444295 A JP 15444295A JP H093374 A JPH093374 A JP H093374A
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Abstract
ってもノズル、オリフィスの目詰まりや、飛翔方向曲が
り、インク滴量変化、飛翔速度変化による印字不良を起
こすことがなく、良好な印字が可能であること。 【構成】 各インク材料を十分に混合攪拌した後、0.
8μmのメンブランフィルタで濾過し、この濾液を40
℃に加温して1日放置した。その後さらに濾液を5℃に
冷却して1日放置し、さらにその後、5℃を保ったまま
0.8μmのメンブランフィルタで再濾過して、脂肪酸
の含有量が0.3重量%以下である水性インクを製造し
た。
Description
ジェト記録方法に関するものである。
吸引方式、圧電素子を用いてインクに機械的振動または
変位を与える方式、インクを加熱させることにより気泡
を発生させ、その時の圧力を利用する方法等のインク吐
出方式が知られている。これらの吐出方式によりインク
小滴を形成し、それらの一部もしくは全部を紙等の被記
録材に付着させて記録を行うものである。また、万年
筆、フエルトペン、ボールペン等の筆記具を用いる場合
には、周知のように毛細管からインクを吐出して、それ
を被記録材に受容させて記録を行う。このようなインク
ジェット記録方式または筆記具に使用するインクとして
は、各種の水溶性染料または顔料を、水または水と水溶
性有機溶剤からなる液媒体に溶解または分散させたもの
が知られ、使用されている。
ンクにおいては種々の性能が要求されるのは当然である
が、中でも最も要求される性能は、インクを用いて記録
を行っている際、記録を中断した際、さらに長期間記録
を行わなかった際における記録装置のノズル、オリフィ
スまたはペン先での目詰まり及び沈殿物の発生がないと
いう液安定性である。特にインクジェット方式において
は、前記筆記具に比べて高価であり、インクジェットノ
ズル、オリフィスの目詰まりを防止することは重要であ
る。さらに、インクジェット方式では、ノズル、オリフ
ィスの目詰まりを起こさないまでも、沈殿物の発生に起
因する飛翔方向曲がり、インク滴量変化、飛翔速度変化
等による印字不良もまた大きな問題となっている。さら
に、インクジェット方式の中でも熱エネルギーを用いる
熱インクジェット方式においては、温度変化によって発
熱素子の表面に異物の沈着が生じやすいために加えて問
題は重要である。
の原因となり得る不純物の量を規定することによって解
決しようとする試みがなされてきている。
は、インクジェット記録方式に使用する水溶性染料を含
む液組成物中に含まれる鉄及び珪素の含有量の合計を9
ppm以下とした液組成物が開示されており、また、特
公平2−2906号公報では、カチオン交換樹脂によっ
てイオン交換処理した水溶性酸性染料もしくは水溶性直
接染料を含有する水溶液を主成分としてなるインクジェ
ット記録用インク等の無機不純物量を規定するものが開
示されている。
は、インク中のナトリウムイオン濃度を0.001重量
%〜0.2重量%とし、インクタンクを構成する材料中
に含まれる脂肪酸と脂肪酸誘導体類の総量を10〜10
0ppmとしたインクジェット記録装置が開示されてい
る。
によるインクは、不純物が過剰に含まれるインクに比べ
れば改善されてはいるが、例えばインクの長期間の保存
や、温度環境の変化まで考慮した場合、必ずしも十分な
効果が得られるものではなかった。
ついては、インク中の脂肪酸量を何等規定しているもの
ではない。
になされたものであり、使用時及び長期保存時、温度環
境の変化によってもノズル、オリフィスの目詰まりや、
飛翔方向曲がり、インク滴量変化、飛翔速度変化による
印字不良を起こすことのない水性インク及びインクジェ
ット記録方法を提供することを目的としている。
は多くの不純物(例えば分散剤、均染剤等種々の有機物
及び無機物)が含有されており、さらに染料顔料以外の
インク成分、例えば水や水溶性有機溶剤中にも少なから
ずの有機、無機不純物が含まれ、また、さらに、インク
の製造調製の際にも、使用する容器や器具、環境によっ
て各種不純物が混入することは周知の事実である。本発
明者は上述の目的を達成するべく、鋭意研究の結果、こ
れらの不純物が原因となって前述の問題を生じることか
ら、これらの不純物による種々の影響を研究したとこ
ろ、ノズル、オリフィスを目詰まりさせたり、飛翔方向
曲がり、インク滴量変化、飛翔速度変化を起こしたり、
インク貯蔵中に沈殿物を生じたりする大きな原因はイン
ク中に包含される脂肪酸であり、この不純物量を一定値
以下としたインクを使用することによって、上記の種々
の問題点が解決されることを見いだし本発明を完成する
に至ったものである。
に本発明の請求項1では、水溶性染料または顔料を着色
剤として含有する水性インクにおいて、該インク中に含
まれる脂肪酸の含有量が0.3重量%以下であることを
特徴としている。
肪酸の含有合計量が0.09重量%以下であることを特
徴とする。
肪酸がパルミチン酸及びステアリン酸であることを特徴
とする。
ルミチン酸の含有量が0.1重量%以下であり、且つス
テアリン酸の含有量が0.2重量%以下であることを特
徴とする。
ルミチン酸の含有量が0.03重量%以下であり、且つ
ステアリン酸の含有量が0.06重量%以下であること
を特徴とする。
の請求項6では、水溶性染料または顔料を着色剤として
含有する水性インクを記録液として用いるインクジェッ
ト記録方法において、脂肪酸の含有合計量が0.3重量
%以下である前記水性インクを噴射して、被記録材に記
録を行うことを特徴としている。
では、前記脂肪酸の含有合計量が0.09重量%以下で
ある前記水性インクを噴射して、被記録材に記録を行う
ことを特徴とする。
では、前記水性インク中に含まれる脂肪酸がパルミチン
酸及びステアリン酸であることを特徴とする。
では、前記水性インク中に含まれるパルミチン酸の含有
量が0.1重量%以下であり、且つ水性インク中に含ま
れるステアリン酸の含有量が0.2重量%以下であるこ
とを特徴とする。
法では、前記水性インク中に含まれるパルミチン酸の含
有量が0.03重量%以下であり、且つ水性インク中に
含まれるステアリン酸の含有量が0.06重量%以下で
あることを特徴とする。
法では、前記水性インクが充填されるインク室内に設け
られた発熱素子からの熱エネルギーを用いて水性インク
を噴射する熱インクジェット方式であることを特徴とす
る。
いるインクの基本成分それ自体はすでに公知であり、染
料としては、直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性
染料等に代表される水溶性染料であり、特にインクジェ
ット記録方式のインクとして好適で、鮮明性、水溶性、
安定性、耐光性その他の要求される性能を満たすものと
しては、例えばC.I.ダイレクトブラック17、1
9、32、51、71、108、146、154、16
8;C.I.ダイレクトブルー6、22、25、71、
86、90、106、199;C.I.ダイレクトレッ
ド1、4、17、28、83、227;C.I.ダイレ
クトイエロー12、24、26、86、98、142;
C.I.ダイレクトオレンジ34、39、44、46、
60;C.I.ダイレクトバイオレット47、48;
C.I.ダイレクトブラウン109;C.I.ダイレク
トグリーン59;C.I.アシッドブラック2、7、2
4、26、31、52、63、112、118;C.
I.アシッドブルー9、22、40、59、93、10
2、104、113、117、120、167、22
9、234;C.I.アシッドレッド1、6、32、3
7、51、52、80、85、87、92、94、11
5、181、256、289、315、317;C.
I.アシッドイエロー11、17、23、25、29、
42、61、71;C.I.アシッドオレンジ7、1
9;C.I.アシッドバイオレット49;C.I.ベー
シックブラック2;C.I.ベーシックブルー1、3、
5、7、9、24、25、26、28、29;C.I.
ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、3
7;C.I.ベーシックバイオレット7、14、27;
C.I.フードブラック1、2等が挙げられる。
特に好ましいものであるが、本発明は、これらの染料に
限定されるものではない。
他、多くの無機顔料、有機顔料が使用できる。例えば、
アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレート
アゾ顔料などのアゾ顔料や、フタロシアニン顔料、ペリ
レン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリ
ドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソ
インドリノン顔料、キノフタロン顔料などの多環式顔料
や、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキなどの染料
レーキや、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラッ
ク昼光蛍光顔料などの有機顔料、酸化チタン、酸化鉄
系、カーボンブラック系等の無機顔料を挙げることがで
きる。また、その他の顔料であっても水相に分散可能な
ものであれば使用できる。さらに、上記顔料を界面活性
剤や高分子分散剤等で表面処理したもの、例えばグラフ
トカーボン等も使用可能である。
特に好ましいものであるが、本発明は、これらの顔料に
限定されるものではない。
場合、適当な分散剤、溶剤、純水及び必要に応じて他の
添加剤とともに、従来知られている方法により分散処理
される。
1672号公報に記載されている顔料分散に用いられる
高分子分散剤や界面活性剤が使用でき、高分子分散剤と
しては、ゼラチン、アルブミン等の蛋白質、アラビアゴ
ム、トラガントゴム等の天然ゴム類、サポニン等のグル
コシド類、メチルセルロース、カルボキシセルロース、
ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、リ
グニンスルホン酸塩、セラック等の天然高分子、ポリア
クリル酸塩、スチレン−アクリル酸共重合物の塩、ビニ
ルナフタレン−アクリル酸共重合物の塩、スチレン−マ
レイン酸共重合物の塩、ビニルナフタレン−マレイン酸
共重合物の塩、β−ナフタレンスルホン酸ホリマリン縮
合物のナトリウム塩、リン酸塩等の陰イオン性高分子や
ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエ
チレングリコール等の非イオン性高分子等の高分子分散
剤、界面活性剤としては、高級アルコール硫酸エステル
塩類、液体脂肪油硫酸エステル塩類、アルキルアリルス
ルホン酸塩類等の陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキル
エステル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリオキ
シエチレンソルビタンアルキルエステル類等の非イオン
性界面活性剤があり、これらの1種または2種以上を適
宜選択して使用できる。その使用量は、一般的にインク
全量に対して1〜20重量%が望ましい。
一般的な分散機ならどんなものでもよいが、例えば、ボ
ールミル、ロールミル、サンドミル等が挙げられる。そ
の中でも特に高速型のサンドミルが好ましい。
てもよいし、染料同士、顔料同士、また、染料と顔料を
2種以上混合して用いることも可能である。
クに対して一般に0.1〜20重量%の割合で用いら
れ、望ましくは0.3〜15重量%の範囲で用いられ
る。
する溶媒は、水または水と水溶性有機溶剤との混合溶媒
であり、特に好適なものは水と水溶性有機溶剤との混合
溶媒であって、水溶性有機溶剤としてインクの乾燥防止
(湿潤)効果を有するものである。また、水としては、
種々のイオンを含有する一般の水ではなく、脱イオン水
を使用するのが好ましい。
しては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコー
ル、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコー
ル等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチル
ホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;ア
セトン、ジアセトンアルコール等のケトンまたはケトア
ルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエー
テル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリ
コール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、
ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリ
エチレングリコール、トリプロピレングリコール、1,
2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、1,
3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ヘキ
シレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原
子を含むアルキレングリコール類;グリセリン;エチレ
ングリコールメチル(またはエチルまたはn−プロピル
またはイソプロピルまたはn−ブチルまたはイソブチ
ル)エーテル、プロピレングリコールメチル(またはエ
チルまたはn−プロピルまたはイソプロピルまたはn−
ブチルまたはイソブチル)エーテル、ジエチレングリコ
ールメチル(またはエチルまたはn−プロピルまたはイ
ソプロピルまたはn−ブチルまたはイソブチル)エーテ
ル、ジプロピレングリコールメチル(またはエチルまた
はn−プロピルまたはイソプロピルまたはn−ブチルま
たはイソブチル)エーテル、トリエチレングリコールメ
チル(またはエチルまたはn−プロピルまたはイソプロ
ピルまたはn−ブチルまたはイソブチル)エーテル、ト
リプロピレングリコールメチル(またはエチルまたはn
−プロピルまたはイソプロピルまたはn−ブチルまたは
イソブチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキ
ルエーテル類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロ
リドン等のピロリドン類;1,3−ジメチル−2−イミ
ダゾリジノン等が挙げられる。これら多くの水溶性有機
溶剤の中でも、ジエチレングリコール、グリセリン等の
多価アルコール、トリエチレングリコールモノメチル
(またはエチルまたはn−プロピルまたはイソプロピル
またはn−ブチルまたはイソブチル)エーテル等の多価
アルコールの低級アルキルエーテルは好ましいものであ
る。
は、一般にはインク全量に対して重量%で0〜95重量
%、好ましくは10〜80重量%、より好ましくは20
〜50重量%である。
剤成分の種類、その組成あるいは所望されるインクの特
性に依存して広い範囲で決定されるが、インクの全重量
に対して一般に10〜90重量%、好ましくは10〜7
5重量%、より好ましくは20〜70重量%の範囲内と
される。
ては上述の通りであるが、本発明の主たる特徴は、上記
インク中に含有される脂肪酸の含有量を0.3重量%以
下としたことである。さらに上記の脂肪酸の含有量は
0.09重量%以下に制御することが望ましい。
研究したところ、従来のインクに使用されている湿潤剤
やその他の添加剤には、合成品の場合、合成の際の副生
成物や製造上混入するゴミ等の不純物、天然物の場合、
元来有している不純物等の有機、無機の不純物が少なか
らず含まれており、さらに、従来のインクに使用される
染料においても、例えば界面活性剤、均染剤を始め、塩
化ナトリウム、硫酸ナトリウム、アルカリ土類金属の塩
等非常に多くの無機、有機不純物を含有していることが
判明した。また、従来のインクに用いられる顔料におい
ても、顔料自体に含まれる不純物、分散剤に含まれる不
純物等多くの無機、有機不純物を含有している。これら
の不純物がインクジェット記録及び筆記具において種々
の問題を生じることは知られており、本発明者もこれら
の無機、有機不純物を鋭意除去して純度の高いインク材
料とし、これらの材料によってインクとしたところ、か
なりの程度問題が解決されるものであったが、インクジ
ェット方式における飛翔方向曲がり、インク滴量変化、
飛翔速度変化等を完全に解決するものではなく、また、
熱エネルギーを使用するインクジェット方式において
は、発熱素子上への異物の沈着を必ずしも十分には防止
できなかった。
果、飛翔方向曲がり等を起こしたインクジェットヘッド
のノズル、オリフィス表面分析や発熱素子上への沈着物
の分析から、これら問題を起こす主たる原因物質が脂肪
酸であることを見いだした。さらに、インクジェット方
式における飛翔方向曲がり、インク滴量変化、飛翔速度
変化の発生頻度及び熱エネルギーを使用するインクジェ
ット方式における発熱素子への沈着物の発生量と、イン
ク中の脂肪酸量が良い相関を示すことが明らかとなり、
本発明に至ったものである。
以下のように考えられる。
精密濾過工程を含むインク調製直後はインク中に完全に
溶解もしくは分散した状態で存在するが、その後、該イ
ンクが温度、湿度、pH等の環境変化を受けると、脂肪
酸と該インク中に存在するアルカリ金属に代表される陽
イオンが反応して、不溶性の塩を形成する。この不溶性
の塩がインクジェットヘッドのノズル、オリフィスの目
詰まり、発熱素子上への沈着の原因となるのである。
で顕著に析出し、また、高pHにおいても析出は顕著と
なる。
ついて説明する。
料を混合し、精密濾過を行ってインクを調製した後、該
インクの温度を常温より上げ、好ましくは40℃以上で
1日放置する。その後、該インクの温度を下げ、好まし
くは常温以下、より好ましくは10℃以下でさらに1日
放置する。このようなエージング処理を施した該インク
を常温以下、好ましくは10℃以下の温度環境下で再び
精密濾過する。
クの温度を常温以上に上げるのは、該インク中に含まれ
る脂肪酸とアルカリ金属に代表される陽イオンとの反応
を促進させ、脂肪酸を不溶性の塩の形に置き換えるため
である。さらに、その後、該インクの温度を常温以下に
下げるのは、上記脂肪酸の不溶性塩の析出を促進させる
ためである。また、その後、常温以下の温度で精密濾過
を行うのは、析出した該脂肪酸の不溶性塩を再びインク
中に溶解させることなく、除去するためである。
酸量は上記処理前と比べて格段に減少し、さらに、イン
ク中に含まれるアルカリ金属等の金属陽イオンについて
もその量が格段に減少し、インクジェット用のインクと
しては不純物の非常に少ない理想的な状態が達成され
る。
するための1方法を示したが、調整法はこの方法に限定
されることなく、脂肪酸または脂肪酸塩等を除去できる
方法であればすべて有効に利用することができる。
食塩、硫酸、ナトリウム等の種々の無機塩の除去、ある
いはカルシウム、マグネシウム等の除去も行うのが好ま
しい。
本構成は以上の通りであるが、その他従来公知の各種分
散剤、界面活性剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、pH
調整剤、防腐防カビ剤等を必要に応じて添加することが
できる。
ジェット記録方法に使用されるインクを調合する場合に
は、塩化リチウム、塩化アンモニウム、塩化ナトリウム
等の無機塩類等の比抵抗調整剤が添加される。
吐出させるタイプのインクジェット方式に適用する場合
には、熱的な物性値(例えば比熱、熱膨張係数、熱電導
率等)が調整されることもある。
るインクは、従来技術の問題点が十分に解決されてお
り、そのままでインクジェット方式における記録特性
(信号応答性、液滴形成の安定性、吐出安定性、長時間
の連続記録性、長時間の動作休止後のインク吐出安定
性)、保存安定性、被記録材への定着性、あるいは記録
画像の耐光性、耐水性等いずれもバランスのとれた優れ
たものであり、各種の方式のインクジェット記録用のイ
ンクとして有用であり、沈着物の発生を最も嫌う熱エネ
ルギーを使用するインクジェット記録方式のインクとし
ても好適であり、優れた記録を与えることができる。
明する。
ブランフィルタで濾過し、この濾液を40℃に加温して
1日放置した。その後さらに濾液を5℃に冷却して1日
放置し、さらにその後、5℃を保ったまま0.8μmの
メンブランフィルタで再濾過してインクとした。
トグラフ−質量分析計にて測定したところ0.08%で
あった。また、この脂肪酸のうち、0.02%がパルミ
チン酸、0.05%がステアリン酸であった。また、ベ
ヘン酸、ミリスチン酸等のパルミチン酸、ステアリン酸
以外の脂肪酸の合計量は0.01%であった。
クに熱エネルギーを与えて液滴を発生させ、記録を行う
オンデマンドタイプのマルチヘッド(吐出オリフィス径
35μm、発熱抵抗体抵抗値150オーム、駆動電圧3
0ボルト、周波数2KHz)を有する記録装置、及び記
録ヘッド内のインクにピエゾ素子振動による圧力を与え
て液滴を発生させ、記録を行うオンデマンドタイプのマ
ルチヘッド(吐出オリフィス径40μm、駆動電圧30
ボルト、周波数10KHz)を有する記録装置により、
以下のT1〜T5の検討を行ったところ、いずれにおい
ても良好な結果を得た。
クフィルムの袋に密閉し、−30℃と60℃で6カ月間
保存した後でも不溶分の析出は認められず、液の物性や
色調にも変化はなかった。
の雰囲気下でそれぞれ24時間の連続吐出を行ったが、
いずれの条件でも終始安定した高品質の記録が行えた。
2カ月間放置後の吐出について調べたが、いずれの場合
にもオリフィス先端での目詰まりはなく、安定で均一に
記録された。
録材に記録された画像は、濃度が高く鮮明であった。室
内光に6カ月さらした後の濃度の低下率は1%以下であ
った。
記(T4)に示した被記録材に印字15秒後、印字部を
指で擦り、画像ずれ、滲みの有無を判定した結果、いず
れも画像ずれ、滲み等がなく、優れた定着性を示した。
より下記の液組成を用いてインクを調製し、ぞれぞれに
ついて実施例1と同様にT1〜T5の検討を行った。こ
れらはいずれも実施例1と同様に優れた結果を示した。
のインク、マゼンタインクとして実施例2のインク、イ
エローインクとして実施例3のインク、ブラックインク
として実施例4のインクをそれぞれ用いて実施例1〜4
において利用したものと同様のインクジェット記録装置
にてフルカラーの写真を再現した。得られた画像は極め
て鮮明で色再現も良好であった。
組成を用いて、実施例1のインク調製方法における高温
放置の温度を35℃とし、低温放置の温度及び再濾過時
の温度を10℃としてインクを調製した(実施例6〜
9)。調製したインクぞれぞれについて実施例1と同様
にT1〜T5の検討を行った結果、T1、T2、T4、
T5ではいずれも実施例1と同様に優れた結果を示し
た。T3では2カ月放置後の吐出においてジェト曲が
り、飛翔速度変化等がわずかに観察されたが印字開始後
すぐに回復した。
00倍量の純水とを1時間攪拌し、濾過することを3回
行った後、乾燥した。これを用いて下記組成の液組成物
を調製し、パールミル(商品名、アシザワ(株)製)に
て分散処理を行い、分散液を得た。
は、ジルコニアを用いた。また、分散装置の接液部はセ
ラミック加工されたものを使用した。
粒子を除去し、次にこの分散液を平均孔径1μmのメン
ブランフィルタにて加圧濾過した後、濾液を40℃に加
温して1日放置し、その後5℃に冷却してさらに1日放
置の後、5℃の環境下で1μmメンブランフィルタでの
再濾過を行った。調製したインクについて、実施例1と
同様に脂肪酸含有量を測定したところ、0.06%であ
った。また、この脂肪酸のうち、パルミチン酸が0.0
1%であり、ステアリン酸が0.03%であった。この
インクについて、実施例1と同様にT1〜T5の検討を
行ったが、実施例1と同様に優れた結果を示した。
組成を用いて、実施例1のインク調製方法における加温
放置及び冷却放置及び再濾過を行わずにインクとした
(比較例1〜4)。調製したインクぞれぞれについて実
施例1と同様にT1〜T5の検討を行った結果、T1に
おいて、不溶分の析出が認められた。T2、T3では目
詰まり、ジェト曲がり、飛翔速度変化等が頻繁に観察さ
れ、回復しなかった。
発明の水性インク及び水性インクを用いたインクジェッ
ト記録方法においては、該インク中に含まれる脂肪酸の
含有量が0.3重量%以下であることを特徴としてお
り、さらに望ましくは、該インク中に含まれる脂肪酸の
含有量が0.09重量%以下であることを特徴としてい
るため、使用時及び長期保存時、温度環境の変化によっ
てもノズル、オリフィスの目詰まりや、飛翔方向曲が
り、インク滴量変化、飛翔速度変化による印字不良を起
こすことがなく、良好な印字が可能である。また、熱エ
ネルギーを用いる熱インクジェット方式に本発明の水性
インクを用いた場合には、発熱素子の表面に異物の沈着
が生じにくいため、ヘッドの耐久性を向上させるといっ
た効果がある。
Claims (11)
- 【請求項1】 水溶性染料または顔料を着色剤として含
有する水性インクにおいて、該インク中に含まれる脂肪
酸の含有合計量が0.3重量%以下であることを特徴と
する水性インク。 - 【請求項2】 前記脂肪酸の含有合計量が0.09重量
%以下であることを特徴とする請求項1記載の水性イン
ク。 - 【請求項3】 前記脂肪酸がパルミチン酸及びステアリ
ン酸であることを特徴とする請求項1または2記載の水
性インク。 - 【請求項4】 前記パルミチン酸の含有量が0.1重量
%以下であり、且つ前記ステアリン酸の含有量が0.2
重量%以下であることを特徴とする請求項3記載の水性
インク。 - 【請求項5】 前記パルミチン酸の含有量が0.03重
量%以下であり、且つ前記ステアリン酸の含有量が0.
06重量%以下であることを特徴とする請求項3記載の
水性インク。 - 【請求項6】 水溶性染料または顔料を着色剤として含
有する水性インクを記録液として用いるインクジェット
記録方法において、脂肪酸の含有合計量が0.3重量%
以下である前記水性インクを噴射して、被記録材に記録
を行うことを特徴とするインクジェット記録方法。 - 【請求項7】 脂肪酸の含有合計量が0.09重量%以
下である前記水性インクを噴射して、被記録材に記録を
行うことを特徴とする請求項6記載のインクジェット記
録方法。 - 【請求項8】 前記脂肪酸がパルミチン酸及びステアリ
ン酸であることを特徴とする請求項6または7記載のイ
ンクジェット記録方法。 - 【請求項9】 前記水性インク中に含まれるパルミチン
酸の含有量が0.1重量%以下であり、且つ前記水性イ
ンク中に含まれるステアリン酸の含有量が0.2重量%
以下であることを特徴とする請求項8記載のインクジェ
ット記録方法。 - 【請求項10】 前記水性インク中に含まれるパルミチ
ン酸の含有量が0.03重量%以下であり、且つ前記水
性インク中に含まれるステアリン酸の含有量が0.06
重量%以下であることを特徴とする請求項8記載のイン
クジェット記録方法。 - 【請求項11】 前記記録方法は、前記水性インクが充
填されるインク室内に設けられた発熱素子からの熱エネ
ルギーを用いて水性インクを噴射する熱インクジェット
方式であることを特徴とする請求項6または7または8
または9または10記載のインクジェト記録方法。
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