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JPH09312627A - ディジタル放送受信機 - Google Patents

ディジタル放送受信機

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JPH09312627A
JPH09312627A JP8127273A JP12727396A JPH09312627A JP H09312627 A JPH09312627 A JP H09312627A JP 8127273 A JP8127273 A JP 8127273A JP 12727396 A JP12727396 A JP 12727396A JP H09312627 A JPH09312627 A JP H09312627A
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JP
Japan
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phase
detector
frequency error
error detector
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賢一 田浦
Yoshiharu Osuga
由治 大須賀
Masahiro Tsujishita
雅啓 辻下
Tadatoshi Okubo
忠俊 大久保
Masayuki Ishida
雅之 石田
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Mitsubishi Electric Corp
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Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Priority to US08/861,072 priority patent/US6028900A/en
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  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 各キャリアが差動位相変調されたOFDM方
式を用いるディジタル音声放送に対応の受信機におい
て、比較的大きな信号周波数の誤差に対してもこれを正
しく検出して自動的に補正する装置を提供する。 【解決手段】 放送波受信信号のエンベロープ検出に基
づく同期信号検出器8により伝送フレームへの同期を行
い、位相誤差検出器12により周波数誤差検出して周波
数同調を行う。また、第1の周波数誤差検出器19によ
りほぼキャリア間隔単位の周波数誤差検出を、第2の周
波数誤差検出器20により位相誤差検出に起因する誤引
き込み周波数誤差の検出をすることで、周波数制御範囲
を拡大する。また、以上の動作を制御装置21にて適切
に制御して同期、周波数同調の各動作を確実に行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、フレーム内に固
定パターンの同期信号を送出する、各キャリアが差動位
相変調され直交周波数分割多重(OFDM)変調された
デジタル放送方式に対応するデジタル放送受信機に関す
る。
【0002】
【従来の技術】OFDM方式によるディジタル変調によ
り音声信号データを放送する方式としてITU−R勧告
BS.774に記載されるディジタル音声放送方式(以
下、「DAB」(Digital Audio Broadcasting)とい
う)がある。
【0003】図9は従来のディジタル放送受信機の構成
を示すブロック図である。図において、1はアンテナ、
2はRF増幅器、3は周波数変換器、4は局部発振器、
5中間周波増幅器、6は直交復調器、7はA/D変換
器、8は同期信号検出器、9は同期制御手段、10はD
FT処理手段、11は差動復調器、12は位相誤差検出
器、13は周波数同調制御手段、14はビタビ復号器、
15はMPEG音声デコーダ、16はD/A変換器、1
7は音声増幅器、18はスピーカである。
【0004】以上のように構成された受信機において、
アンテナ1にて受信された放送波はRF増幅器2におい
て増幅、周波数変換器3にて周波数変換、中間周波増幅
器5にて隣接チャンネル波など不要成分の除去および増
幅、直交復調器6にて検波が行われ、ベースバンド信号
としてA/D変換器7に与えられる。
【0005】A/D変換器7によりサンプリングされた
信号はDFT手段10にて複素離散フーリエ変換処理
(以下、「DFT処理」という)が行われ4相差動位相
変調(DQPSK)された各伝送キャリアの位相が検出
される。続く差動復調器11では時間的に隣接する2伝
送シンボルの同一キャリアの変調位相を比較しこの間の
位相推移を出力する処理(差動復調)が行われる。差動
復調されたデータは、送信側にて変調を行う際のキャリ
ア順序規則に従い、順次ビタビ復号器14に対し出力さ
れる。
【0006】ビタビ復号器14では、送信側にて行われ
た複数伝送シンボルにまたがる時間インターリーブの解
除を行うとともに、畳み込み符号化して伝送されたデー
タの復号を行う。この際、伝送路で発生するデータの誤
り訂正が行われる。
【0007】MPEG音声デコーダ15は、ISO/M
PEG1レイヤー2の規定に従いビタビ復号器14から
出力される圧縮されたDAB放送音声データを伸張しD
/A変換器16に与える。D/A変換器16にてアナロ
グ変換された音声信号は、音声増幅器17をとおしてス
ピーカ18より再生される。
【0008】ここで、同期信号検出器8は図10に示す
DABの伝送信号中のフレーム同期信号の内ヌルシンボ
ル(=信号なしの期間)をエンベロープ検波により検出
するものであり、この出力は同期制御手段9を通して、
DFT処理手段9にて行われるDFT処理が正しく信号
の伝送フレームおよび各シンボルに同期して行われるた
めのタイミング信号となる。
【0009】位相誤差検出器12は、差動復調器11よ
り出力される各キャリアの位相データの本来の位相点か
らの誤差を検出するものである。すなわち、DABでは
直交復調器6に与えられる信号の周波数が正しい場合に
は、差動復調器11より出力される各キャリア対応の作
動復調データの位相はほぼ、π/4、3・π/4、5・
π/4、7・π/4の4位相のいずれかとなる。そこ
で、各キャリア対応のデータをそれぞれ4乗し2πに対
する剰余をとると、この値は元のデータに誤差が無い場
合はπ、元のデータに位相誤差がある場合はその4倍の
値となることから位相誤差検出を行う。実際には位相誤
差検出器11では多数のキャリアのデータについて上記
操作を行い、その結果を平均化することで検出の精度を
向上する。
【0010】こうして求めた位相誤差εは差動復調器1
1の出力に基づくものであるため、このときの信号周波
数の誤差ζとの間に以下の関係を持つ。 ζ=ε/T ここに、Tはガードインターバルを含むシンボル期間で
ある。
【0011】周波数制御手段13はこの位相誤差εが少
なくなるように局部発振器4の周波数を制御することで
周波数変換器3から出力される中間周波信号の周波数を
制御して直交復調器6から与えられるベースバンド信号
の周波数誤差ζを0に近づけるよう動作する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この位相誤差
検出に基づく周波数制御処理においては信号の周波数誤
差が大きく差動復調器11の出力データに含まれる位相
誤差が大きい場合には正しく周波数の誤差を反映した出
力を得られないという問題がある。例えば、差動復調器
11出力データの位相が本来の位相点から約π/2ずれ
てあらわれる場合、このデータを4乗して2πに対する
剰余をとると、この値の位相はすべてπとなり、この結
果を使って局部発振器4の周波数を制御しても信号の周
波数のずれは補正されない。そればかりかこの差動復調
器11出力データに約π/2の位相誤差を生ずる信号周
波数に対し誤った引き込み制御を行う結果となる。これ
は、各キャリアの位相データが本来の位相点からπおよ
び3・π/2等ずれる場合についても同様である。
【0013】また、この位相誤差検出に基づく周波数制
御処理においては各キャリアに対する識別をしないた
め、更に周波数誤差が大きくOFDMの各キャリア間隔
の±1/2を越える場合、この周波数誤差の検出および
補正ができないという問題がある。
【0014】また、信号の伝送フレームおよび各シンボ
ルへのタイミング同期処理は同期信号検出器8によりフ
レーム同期信号中のヌルシンボルをエンベロープ検波し
て検出した信号に基づき行われるため、信号に反射波や
雑音が重畳する場合など正確なタイミングを得ることが
困難となる。特に、車載受信機やポータブル受信機など
の劣悪な受信条件での動作が求められる受信機について
はこの問題が大きかった。
【0015】この発明は、上述のような課題を解決する
ためになされたもので、各キャリアが差動位相変調され
たOFDM方式を用いるデジタル放送に対応の受信機に
おいて比較的大きな信号周波数の誤差に対してもこれを
正しく検出して自動的に補正するとともに信号に反射波
や雑音が重畳する場合にも正確なタイミング同期を得る
ディジタル放送受信機を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明に係るディジタ
ル放送受信機においては、放送波受信信号のエンベロー
プ検出に基づく同期信号検出器と、放送波受信信号の各
伝送シンボルに対して一括して各キャリアの位相検出を
行うDFT処理手段と、時間的に隣り合う伝送シンボル
の各キャリア毎の位相変化に基づく差動復調器と、この
差動復調器出力データに対する位相誤差検出器と、各伝
送フレーム毎に送信され各キャリアの位相基準を与える
固定パターンシンボル(位相基準シンボル)の復調デー
タの処理に基づきほぼキャリア間隔単位の周波数誤差検
出を行う第1の周波数誤差検出器と、ほぼキャリア間隔
以内の周波数誤差検出を行う第2の周波数誤差検出器
と、前記同期信号検出器、位相誤差検出器、第1の周波
数誤差検出器および第2の周波数誤差検出器の出力が各
々接続される制御装置を備えるものである。
【0017】また、放送波受信信号の各伝送シンボルに
対して一括して各キャリアの位相検出を行うDFT処理
手段と、時間的に隣り合う伝送シンボルの各キャリア毎
の位相変化に基づく差動復調器と、この差動復調器出力
データに対する位相誤差検出器と、各伝送フレーム毎に
送信され各キャリアの位相基準を与える固定パターンシ
ンボル(位相基準シンボル)の復調データの処理に基づ
きほぼキャリア間隔単位の周波数誤差検出を行う第1の
周波数誤差検出器と、ほぼキャリア間隔以内の周波数誤
差検出を行う第2の周波数誤差検出器と、位相基準シン
ボルの復調データ処理に基づき前記DFT処理手段によ
るDFT処理タイミングと位相基準シンボル先頭タイミ
ングとの時間誤差を検出する時間誤差検出器と、前記同
期信号検出器、位相誤差検出器、第1の周波数誤差検出
器、第2の周波数誤差検出器および時間誤差検出器の出
力が各々接続される制御装置を備えるものである。
【0018】また、第1の周波数誤差検出器を位相補正
手段、位相基準シンボルデータ保持手段、位相補正手段
の出力データに対し逆離散フーリエ変換処理(以下、
「IDFT処理」という)を施すIDFT手段、ピーク
検出器および最大値探索手段から構成するものである。
【0019】また、第2の周波数誤差検出器を位相補正
手段、位相基準シンボルデータ保持手段、IDFT手
段、周波数誤差検出手段から構成するものである。
【0020】また、時間誤差検出器を位相補正手段、位
相基準シンボルデータ保持手段、IDFT手段、ピーク
検出器および最大値探索手段から構成するものである。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、この発明をその実施の形態
を示す図面に基づいて具体的に説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1であるデ
ィジタル放送受信機の構成を示すブロック図である。図
において、1はアンテナ、2はRF増幅器、3は周波数
変換器、4は局部発振器、5中間周波増幅器、6は直交
復調器、7はA/D変換器、8は同期信号検出器、10
はDFT処理手段、11は差動復調器、12は位相誤差
検出器、14はビタビ復号器、15はMPEG音声デコ
ーダ、16はD/A変換器、17は音声増幅器、18は
スピーカ、19は第1の周波数誤差検出器、20は第2
の周波数誤差検出器、21は制御装置である。ここに、
1〜8、10〜12および14〜18は従来と同等のも
のである。
【0022】図において、第1の周波数誤差検出器19
は位相基準シンボル復調データに基づき、ほぼキャリア
間隔単位の周波数誤差検出を行うものであり、信号の周
波数にOFDMのキャリア間隔以上の周波数誤差がある
場合にも受信機において、この誤差を補正可能とするも
のである。以下この動作について説明する。DABの位
相基準シンボルは次のように表現することができる。
【0023】
【数1】
【0024】ここに、Zkはk番目のキャリアに対する
変調成分でありDABの場合、振幅が1で位相の異なる
4つの値 exp(j・n・π/2)、(但しn=1〜
3)のいずれかの値となる。
【0025】ここで、Zkの値は固定である。式(1)
の信号にDFT処理を施すと出力としてこのZkの配列
を得るから理想的にはDFT処理手段10の出力データ
の配列と既知のZkの配列との間には完全な相関を得る
こととなる。また周波数誤差がキャリア間隔の整数倍の
場合にはZkの配列の要素を推移させながら相関をとる
ことでこの周波数ずれに相当する推移を与えた場合に相
関が最大となることから周波数誤差検出ができる。
【0026】ところが実際のDFT処理手段10の入力
データは、信号の周波数誤差ζおよびDFT処理タイミ
ングと位相基準シンボルとの時間誤差Δtにより次式の
ように変形する。
【0027】
【数2】
【0028】これを離散的なデータとして表すと次式と
なる。
【0029】
【数3】
【0030】ここに、ξ=2π・ζ/ωとする。
【0031】このため、DFT処理手段10の出力は次
式のようになる。
【0032】
【数4】
【0033】ここで、ak=hk・Zkとする。
【0034】ここに、式(4)の第2項I(m)は、信
号の周波数誤差ξのためにDFT処理の際の各キャリア
間の直交性が崩れて発生するm番目キャリア以外のキャ
リアからのもれ成分(以下、「キャリア間干渉成分」と
いう)である。この成分は各キャリア対応のデータ毎に
比較的ランダムな性質を持っており、相関をとる際のデ
ータ数を十分大きくすることでその影響を軽減すること
ができる。
【0035】ところが、時間誤差により生じる位相誤差
成分2πmΔ/Nは各キャリア対応のデータ毎にその値
が異なるため、この成分を残したまま復調データの配列
とZkの配列との間で相関をとっても、周波数誤差に関
する有意な結果を得ることができない。
【0036】よって、この実施の形態においては第1の
周波数誤差検出は単なる相関計算ではなく、復調データ
の配列とZkの共役複素数値の配列とを各要素毎に乗算
した結果に対しIDFT処理を行い、その結果に対する
ピーク値の検出を行う。また、復調データの配列とZk
の共役複素数値の配列の各要素の対応関係に推移を与え
ながら以上の処理を繰り返して最も大きなピーク値を与
える対応関係を求めて、この対応関係に於ける各配列間
の推移の大きさから周波数誤差を求める。
【0037】図2は第1の周波数誤差検出器の構成を示
すブロック図である。図において、101は位相補正手
段、102は位相基準シンボルデータ保持手段、103
はIDFT手段、104はピーク検出器、105は最大
値探索手段である。
【0038】位相補正手段101は式(4)で表される
位相基準シンボル復調データに対し、位相基準シンボル
データ保持手段102に蓄えられた既定値Zkの共役値
Zk*を乗ずる。この結果、周波数誤差がない場合、式
(4)の a’mの位相はすべて実質的にゼロに補正さ
れる。
【0039】IDFT手段103は、この位相補正され
た出力に対しIDFT処理を行うが、この処理は次式の
ように表現できる。
【0040】
【数5】
【0041】これより、n=Δにおいて総和をとられる
項の位相が一定値となることが分かる。このためIDF
T手段103の出力にはn=Δの時点に大きなピークが
生じ、被総和項に位相回転の残る他の時点には明らかな
ピークは生じないこと明らかである。ピーク検出器10
4はIDFT手段103の出力に明らかなピークがある
か否かの判定を行うものである。
【0042】この明らかなピークが発生する条件は位相
補正手段101による既定値Zkによる位相補正が正し
く行われることである。最大値探索手段105は復調デ
ータの配列とZkの共役複素数値の配列の各要素の対応
関係をシフトしながら以上の処理を繰り返して最も大き
なピーク値を与える対応関係を求めるもので、この対応
関係に於けるシフトの大きさをキャリア間隔を単位とす
る周波数誤差とし出力するものである。
【0043】また、第2の周波数誤差検出器20は位相
基準シンボル復調データに基づき、ほぼキャリア間隔以
内の周波数誤差検出を行うものであり、位相誤差検出器
12および第1の周波数誤差検出器による周波数同調制
御を行ってなお周波数誤差がある場合にこの誤差を補正
可能とするものである。以下、この動作について説明す
る。
【0044】この場合、キャリア間隔単位の大きな周波
数誤差は第1の周波数誤差検出器出力に基づく周波数同
調制御により除かれているため、検出すべき周波数誤差
は先に説明の位相誤差検出器12の出力に基づく周波数
制御にて発生するN・π/2に相当の誤引き込みであ
る。
【0045】このとき、位相基準シンボルのn番目デー
タ出力には、図3に示すとおり比較的大きな隣接キャリ
アからの復調成分が含まれる。従ってこの隣接キャリア
からもれ込む成分の大きさおよび位相を検出することに
より、誤引き込みによる周波数ずれの正負および大きさ
を知ることができる。
【0046】図3は第2の周波数誤差検出器の構成を示
すブロック図である。図において、201は第1の位相
補正手段、202は第2の位相補正手段、203は位相
基準シンボルデータ保持手段、204は第1のIDFT
手段、205は第2のIDFT手段、206は周波数誤
差判定手段である。
【0047】第1の位相補正手段201は第1の周波数
誤差検出器と同様に位相基準シンボル復調データの配列
と位相基準シンボル変調の既定値Zkの複素共役値の配
列を要素毎に乗算するものであるが、ここでは第1の周
波数誤差検出器において検出した各配列の相関が最大と
なる関係に対し位相基準シンボルデータの配列要素を正
方向にそれぞれ1だけシフトして位相補正処理を行う。
【0048】こうして位相補正された出力に対し第1の
IDFT手段204ではIDFT処理を施す。この時、
処理データ数が十分大きければ第1のIDFT手段20
4出力には、1要素シフトした位相基準シンボルデータ
の配列に相関をもつ成分、すなわち図4に示す隣接キャ
リアによる出力(図中、n−1と示す)を得る。
【0049】次に、第2の位相補正手段202は位相基
準シンボル復調データの配列に対し位相基準シンボルデ
ータの配列要素を負方向にそれぞれ1だけシフトして位
相補正処理を行う。こうして、第2のIDFT手段20
5出力には、1要素シフトした位相基準シンボルデータ
の配列に相関をもつ成分、すなわち図4に示す隣接キャ
リアによる出力(図中、n+1と示す)を得る。
【0050】周波数誤差判定手段206は第1のIDF
T手段204および第2のIDFT手段205の出力を
受けて周波数誤差の有無およびその正負を判定するもの
であり、例えば図4に示すように第1のIDFT手段2
04出力(n−1)が第1の周波数誤差検出器で得たピ
ーク最大値(図中、nに相当)と同符号であり、第2の
IDFT手段205出力(n+1)が第1の周波数誤差
検出器で得たピーク最大値(図中、nに相当)と逆符号
でありこれらの振幅が予め定める域値より大きい場合に
各キャリアの周波数に正方向の誤差ありと判定する。
【0051】また、第1および第2のIDFT手段出力
と第1の周波数誤差検出器で得たピーク最大値の符号関
係が上記と逆でありこれらの振幅が予め定める域値より
大きい場合に各キャリアの周波数に負方向の誤差ありと
判定する。この判定結果は制御装置21に与えられる。
制御装置21ではこれに基づき局部発振器4に対する周
波数制御を行う。
【0052】次に、制御装置21の動作について説明す
る。図5はこの発明の実施の形態1における制御装置の
動作フローチャートである。受信機の電源投入や受信局
の変更等により新たに同期、AFC処理を行うことが必
要となった場合、制御装置21は最初に同期検出器8の
出力に基づくフレーム同期処理301を行う。同期検出
器8によりヌルシンボルのタイミングが検出されると制
御装置21は、ほぼフレーム周期のタイマーを起動す
る。このフレーム同期処理はDFT処理手段10にて復
調する各シンボルのタイミングを制御するものであり、
この同期が確立した時点から、各シンボルデータの復調
が正しく行われ差動復調出力にもQPSKに基づく正し
いデータが現れることとなる。
【0053】制御装置21はこの同期確立を待ち位相誤
差検出/周波数制御302を行う。この位相誤差検出は
位相誤差検出器12により行うものでヌルシンボルを含
む場合を除きすべての差動復調データについて実施可能
である。制御装置21は復調データに対し適度な間隔で
周波数誤差検出、制御を行うことで、これらの処理の負
荷を適度に抑えながらきめ細かな制御を行う。この位相
誤差検出による周波数制御により周波数誤差が十分小さ
くなった場合、制御装置21はこの制御完了の判定30
3を行う。この位相誤差検出による周波数制御により周
波数誤差が十分小さくなった場合、制御装置21はこの
制御完了の判定303を行う。
【0054】制御装置21は次の段階として第1の周波
数誤差検出307を行うが、この処理は先に説明のとお
りフレームの先頭から2番目の位相基準シンボル復調デ
ータに基づいて行うため先ず判定304でフレーム期間
が経過していることを確認し、次に処理305および判
定306でフレーム同期が維持されていることを確認す
る。フレーム期間が経過していない場合は位相誤差検出
と制御302に、フレーム同期が確認されない場合はフ
レーム同期処理301に戻る。
【0055】第1の周波数誤差検出307にて周波数誤
差が検出された場合、制御装置21は局部発振器に対し
その誤差に応じた周波数制御を行う。また周波数誤差が
検出されない場合には先に説明の第2の周波数誤差検出
210を行う。この時点においては先の説明で前提とし
たとおりキャリア間隔の1/2を越えるような大きな周
波数誤差は除かれているため、位相誤差検出/制御によ
る誤引き込みを正しく検出することができる。この処理
210の結果を判定211で判定して誤引き込みありの
場合、処理212にて誤引き込みによる周波数ずれを補
償する。
【0056】このとき、第1および第2の周波数誤差検
出/制御動作では周波数誤差について正確な補正を行う
ものではないが、これらの処理が行われた後でも位相誤
差検出/制御302を繰り返し行うため精度のよい周波
数同調が確保される。
【0057】実施の形態2.図5はこの発明の実施の形
態2であるディジタル放送受信機の構成を示すブロック
図である。図において、1はアンテナ、2はRF増幅
器、3は周波数変換器、4は局部発振器、5中間周波増
幅器、6は直交復調器、7はA/D変換器、8は同期信
号検出器、10はDFT手段、11は差動復調器、12
は位相誤差検出器、14はビタビ復号器、15はMPE
G音声デコーダ、16はD/A変換器、17は音声増幅
器、18はスピーカ、19は第1の周波数誤差検出器、
30は第2の周波数誤差検出器、21は制御装置、22
は時間誤差検出器である。ここに、1〜8、10〜12
および14〜30は実施の形態1.と同等のものであ
り、ほぼ同じ動作を行う。
【0058】図7は時間誤差検出器22の構成を示すブ
ロック図である。図において、401は位相補正手段、
402はIDFT手段、403はピーク検出器である。
図より明らかなとおり、この構成は第1の周波数誤差検
出器と同じである。
【0059】位相補正手段101は式(4)で表される
位相基準シンボル復調データに対し、位相基準シンボル
データ保持手段102に蓄えられた既定値Zkの共役値
Zk*を乗ずる。この結果、周波数誤差がない場合、式
(4)の a’mの位相は実質的にすべてゼロに補正さ
れる。IDFT手段103は、この位相補正された出力
に対しIDFT処理を行うが、この処理は式(5)のよ
うに表現できる。
【0060】これより、n=Δにおいて総和をとられる
項の位相が一定値となることが分かる。このためIDF
T手段403の出力にはn=Δの時点に大きなピークが
生じ、被総和項に位相回転の残る他の時点には明らかな
ピークは生じないこと明らかである。ピーク検出器40
4はこの場合、IDFT手段403の出力に明らかなピ
ークが発生する時点nの検出を行うものである。
【0061】この明らかなピークの発生する時点nは先
に説明のとおり位相基準シンボルに対するDFT処理手
段のデータ入力タイミングの誤差を表す。従って、制御
装置21は、データ復調タイミングの同期を行うため
に、ヌルシンボルの検出信号のみに頼るのではなく、こ
の時間誤差検出信号22の出力を参照して同期処理を行
う。
【0062】次に、制御装置21の動作について説明す
る。図8はこの発明実施の形態2における制御装置の動
作フローチャートである。受信機の電源投入や受信局の
変更等により新たに同期、AFC処理を行うことが必要
となった場合、制御装置21は最初にヌルシンボル検出
信号に基づくフレーム同期処理501を行う。この処理
によりヌルシンボルのタイミングが検出されると制御装
置21は、ほぼフレーム周期のタイマーを起動する。こ
のフレーム同期処理はDFT処理手段にて復調する各シ
ンボルのタイミングを制御するものであり、この同期が
確立した時点から、各シンボルデータの復調が正しく行
われ差動復調出力にもQPSKに基づく正しいデータが
現れることとなる。
【0063】制御装置21はこの同期確立を待ち位相誤
差検出および周波数制御502を行う。この位相誤差検
出は先に説明のとおりヌルシンボルを含む場合を除きす
べての差動復調データについて実施可能である。制御装
置21は復調データに対し適度な間隔で周波数誤差検
出、制御を行うことで、これらの処理の負荷を適度に抑
えながらきめ細かな制御を行う。この位相誤差検出によ
る周波数制御により周波数誤差が十分小さくなったこと
を検知して制御装置21はこの制御完了の判定503を
行う。
【0064】制御装置21は次の段階として第1の周波
数誤差検出507を行うが、この処理は先に説明のとお
りフレームの先頭から2番目の位相基準シンボル復調デ
ータに基づいて行うため先ず判定504でフレーム期間
が経過していることを確認し、次に処理505および判
定506でフレーム同期が維持されていることを確認す
る。フレーム期間が経過していない場合は位相誤差検出
と制御502に、フレーム同期が確認されない場合はフ
レーム同期処理501に戻る。
【0065】第1の周波数誤差検出507にて周波数誤
差が検出された場合、制御装置21は局部発振器に対し
その誤差に応じた周波数制御を行う。また周波数誤差が
検出されない場合には先に説明の第2の周波数誤差検出
510を行う。この時点においては先の説明で前提とし
たとおりキャリア間隔の1/2を越えるような大きな周
波数誤差は除かれているため、位相誤差検出/制御によ
る誤引き込みを正しく検出することができる。この処理
510の結果を判定511で判定して誤引き込みありの
場合、処理512にて誤引き込みによる周波数ずれを補
償する。
【0066】このとき、第1および第2の周波数誤差検
出/制御動作では周波数誤差について正確な補正を行う
ものではないが、これらの処理が行われた後でも位相誤
差検出/制御502を繰り返し行うため精度のよい周波
数同調が確保される。
【0067】ところで、上記説明では位相誤差検出器1
2、第1の周波数誤差検出器19、第2の周波数誤差検
出器20、制御装置21、時間誤差検出器22等は独立
した装置として述べてきたが、これらはそれぞれ単一の
装置を共用することが可能である。
【0068】特に、第1の周波数誤差検出器、第2の周
波数誤差検出器および時間誤差検出器の構成手段には共
通する部分が多く共用化により装置を簡略化、低価格化
できる効果がある。
【0069】また、位相誤差検出器12、第1の周波数
誤差検出器19、第2の周波数誤差検出器20、制御装
置21、時間誤差検出器22はデジタルシグナルプロセ
ッサ(DSP)等を用いてプログラム処理として構成す
ることも可能である。
【0070】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように構成さ
れているので、以下に示すような効果を奏する。
【0071】位相誤差検出に基づく周波数制御処理に誤
引き込みが発生した場合にも第2の周波数誤差検出器の
出力に基づき誤引き込みを解除して正しい同調点への引
き込みを行い得るようになる。また信号の周波数誤差が
大きくOFDMの各キャリア間隔を越える場合にも第1
の周波数誤差検出器の出力とに基づく周波数同調制御を
行うことで周波数誤差の検出および補正を行い得るよう
になるため、広範な周波数誤差に対応し引き込み周波数
精度の高い同調処理を行い得る。
【0072】更に、制御装置が前記同期検出器出力に基
づくタイミング同期が確立した段階において、前記位相
誤差検出器の出力と第1の周波数誤差検出器の出力とに
基づく周波数同調制御を行い、この周波数同調制御が完
了した段階において、前記第2の周波数誤差検出器の出
力に基づく周波数同調制御を行うよう動作するため位相
誤差検出器、第1の周波数誤差検出器および第2の周波
数誤差検出器の各検出動作が適切に行られ周波数同調処
理が確実に行われる。
【0073】また、受信信号に反射波や雑音が重畳する
場合にも時間誤差検出器の出力に基づく同期処理を行う
ことで正確なタイミング同期処理を行い得る。
【0074】更に、制御装置が同期手段によるタイミン
グ同期が確立した段階において位相誤差検出器の出力と
第1の周波数誤差検出器の出力とに基づく周波数同調制
御を行い、この周波数同調制御が完了した段階において
第2の周波数誤差検出器の出力に基づく周波数同調制御
および時間誤差検出器の出力に基づく復調タイミングの
同期処理を行うよう動作するため位相誤差検出器、第1
の周波数誤差検出器、第2の周波数誤差検出器および時
間誤差検出器の各検出動作が適切に行われタイミング同
期処理が確実に行われる。
【0075】また、第1の周波数誤差検出器を位相補正
手段、位相基準シンボルデータ保持手段、IDFT手
段、ピーク検出器および最大値探索手段から構成するの
で精度良く周波数誤差検出を行い得る。
【0076】また、第2の周波数誤差検出器を位相補正
手段、位相基準シンボルデータ保持手段、IDFT手
段、周波数誤差検出手段から構成するので精度良く周波
数誤差検出を行い得る。
【0077】また、時誤差検出器を位相補正手段、位相
基準シンボルデータ保持手段、IDFT手段、ピーク検
出器および最大値探索手段から構成するので精度良く時
間誤差検出を行い得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1であるディジタル放
送受信機の構成を示すブロック図である。
【図2】 第1の周波数誤差検出器の構成を示すブロッ
ク図である。
【図3】 第2の周波数誤差検出器の構成を示すブロッ
ク図である。
【図4】 OFDM受信信号に周波数ずれがある場合の
DFT処理による復調出力を示す図である。
【図5】 この発明の実施の形態1における制御装置の
動作フローチャートである。
【図6】 この発明の実施の形態2であるディジタル放
送受信機の構成を示すブロック図である。
【図7】 時間誤差検出器の構成を示すブロック図であ
る。
【図8】 この発明の実施の形態2における制御装置の
動作フローチャートである。
【図9】 従来の放送受信機の構成を示すブロック図で
ある。
【図10】 DABのデータ伝送フレームの構成図であ
る。
【符号の説明】
1 アンテナ、2 RF増幅器、3 周波数変換器、4
局部発振器、5中間周波増幅器、6 直交復調器、7
A/D変換器、8 同期信号検出器、10DFT手
段、11 差動復調器、12 位相誤差検出器、14
ビタビ復号器、15 MPEG音声デコーダ、16 D
/A変換器、17 音声増幅器、18スピーカ、19
第1の周波数誤差検出器、20 第2の周波数誤差検出
器、21 制御装置、22 時間誤差検出器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大久保 忠俊 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 石田 雅之 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各キャリアが差動位相変調された直交周
    波数分割多重(OFDM)伝送方式を用いるデジタル放
    送に対応し、放送波受信信号のエンベロープ検出に基づ
    く同期信号検出器と、放送波受信信号の各伝送シンボル
    に対して一括して各キャリアの位相検出を行うDFT処
    理手段と、時間的に隣り合う伝送シンボルの各キャリア
    毎の位相変化に基づく差動復調器と、この差動復調器出
    力データに対する位相誤差検出器と、各伝送フレーム毎
    に送信され各キャリアの位相基準を与える固定パターン
    シンボル(位相基準シンボル)の復調データの処理に基
    づきほぼキャリア間隔単位の周波数誤差検出を行う第1
    の周波数誤差検出器と、ほぼキャリア間隔以内の周波数
    誤差検出を行う第2の周波数誤差検出器と、前記同期信
    号検出器、位相誤差検出器、第1の周波数誤差検出器お
    よび第2の周波数誤差検出器の出力が各々接続される制
    御装置を備えるとともに、この制御装置が前記同期検出
    器出力に基づくタイミング同期が確立した段階におい
    て、前記位相誤差検出器の出力と第1の周波数誤差検出
    器の出力とに基づく周波数同調制御を行い、この周波数
    同調制御が完了した段階において、前記第2の周波数誤
    差検出器の出力に基づく周波数同調制御を行うよう構成
    したことを特徴とするディジタル放送受信機。
  2. 【請求項2】 各キャリアが差動位相変調された直交周
    波数分割多重(OFDM)伝送方式を用いるデジタル放
    送に対応し、放送波受信信号のエンベロープ検出に基づ
    く同期信号検出器と、放送波受信信号の各伝送シンボル
    に対して一括して各キャリアの位相検出を行うDFT処
    理手段と、時間的に隣り合う伝送シンボルの各キャリア
    毎の位相変化に基づく差動復調器と、この差動復調器出
    力データに対する位相誤差検出器と、各伝送フレーム毎
    に送信され各キャリアの位相基準を与える固定パターン
    シンボル(位相基準シンボル)の復調データの処理に基
    づきほぼキャリア間隔単位の周波数誤差検出を行う第1
    の周波数誤差検出器と、ほぼキャリア間隔以内の周波数
    誤差検出を行う第2の周波数誤差検出器と、位相基準シ
    ンボルの復調データ処理に基づき前記DFT処理手段に
    よるDFT処理タイミングと位相基準シンボル先頭タイ
    ミングとの時間誤差を検出する時間誤差検出器と、前記
    同期信号検出器、位相誤差検出器、第1の周波数誤差検
    出器、第2の周波数誤差検出器および時間誤差検出器の
    出力が各々接続される制御装置を備えるとともに、この
    制御装置が、前記同期手段によるタイミング同期が確立
    した段階において、前記位相誤差検出器の出力と第1の
    周波数誤差検出器の出力とに基づく周波数同調制御を行
    い、この周波数同調制御が完了した段階において、前記
    第2の周波数誤差検出器の出力に基づく周波数同調制御
    および前記時間誤差検出器の出力に基づく復調タイミン
    グの同期処理を行うよう動作することを特徴とするディ
    ジタル放送受信機。
  3. 【請求項3】 第1の周波数誤差検出器が位相補正手
    段、位相基準シンボルデータ保持手段、IDFT手段、
    ピーク検出器および最大値探索手段から構成したことを
    特徴とする請求項1または請求項2記載のディジタル放
    送受信機。
  4. 【請求項4】 第2の周波数誤差検出器が位相補正手
    段、位相基準シンボルデータ保持手段、IDFT手段、
    周波数誤差判定手段から構成したことを特徴とする請求
    項1または請求項2記載のディジタル放送受信機。
  5. 【請求項5】 時間誤差検出器が位相補正手段、位相基
    準シンボルデータ保持手段、IDFT手段、ピーク検出
    器から構成したことを特徴とする請求項2記載のディジ
    タル放送受信機。
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