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JPH09278813A - 光重合開始剤、これを含有するエネルギー線硬化性組成物及びその硬化物 - Google Patents

光重合開始剤、これを含有するエネルギー線硬化性組成物及びその硬化物

Info

Publication number
JPH09278813A
JPH09278813A JP11441896A JP11441896A JPH09278813A JP H09278813 A JPH09278813 A JP H09278813A JP 11441896 A JP11441896 A JP 11441896A JP 11441896 A JP11441896 A JP 11441896A JP H09278813 A JPH09278813 A JP H09278813A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
formula
atom
represented
sulfonium salt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11441896A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuo Taniguchi
信雄 谷口
Morio Wada
盛雄 和田
Minoru Yokoshima
実 横島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Kayaku Co Ltd filed Critical Nippon Kayaku Co Ltd
Priority to JP11441896A priority Critical patent/JPH09278813A/ja
Publication of JPH09278813A publication Critical patent/JPH09278813A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F2/00Processes of polymerisation
    • C08F2/46Polymerisation initiated by wave energy or particle radiation
    • C08F2/48Polymerisation initiated by wave energy or particle radiation by ultraviolet or visible light
    • C08F2/50Polymerisation initiated by wave energy or particle radiation by ultraviolet or visible light with sensitising agents

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】相容性、保存安定性が良好で、透明性に優れ、
硬化塗膜の光沢が良好で着色が少なく、優れた物性の硬
化物を得ることができる新規な光重合開始剤、これを含
有する樹脂組成物を提供する。 【解決手段】カチオン重合性物質と式 【化1】 で示される特定のスルホニウム塩である光重合開始剤を
含有するエネルギー線硬化性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な特定の構造
を有するスルホニウム塩、それからなる光重合開始剤、
これを含有するエネルギー線の照射により硬化が可能な
エネルギー線硬化性組成物及びその硬化物に関する。
【0002】
【従来の技術】光重合性組成物は印刷インキ、塗料、コ
ーティング、液状レジストインキ等の分野において、省
エネルギー、省スペース、無公害性等の要請から盛んに
研究され、実用化が検討されてきた。しかしこれらの研
究の大部分は二重結合のラジカル重合反応に基づくもの
であった。カチオン重合性物質、例えばエポキシ樹脂
は、物性的には優れた材料であるが光重合をさせること
は困難で、今までアクリル変性することにより二重結合
を導入した材料が主に使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】光によりエポキシ樹脂
を硬化されるのに、例えば米国特許第3794576号
には感光性芳香族ジアゾニウム塩を光重合開始剤として
使用し光照射により光重合開始剤を分解し、ルイス酸を
放出することによりエポキシ樹脂を重合する方法が提案
されている。しかしながら芳香族ジアゾニウム塩は光分
解によりルイス酸と同時に窒素ガスを放出し、そのため
にエポキシ樹脂の膜厚が15μ以上になると塗膜が発泡
し、厚塗りの用途には適しない。更に、又、エポキシ樹
脂との混合物は光が存在しない時でも、徐々に硬化が進
行する等、保存安定性に問題があり、一液性の組成物と
はいえない。上記のジアゾニウム塩系開始剤の欠点を克
服すべく、種々検討がなされ、厚塗り性及び保存安定性
の改良された技術として芳香族スルホニウム塩系や芳香
族ヨードニウム塩系開始剤及びそれらを含有する硬化性
樹脂組成物が特公昭52−14278号公報、特公昭5
2−14277号公報、特開昭54−53181号公
報、特公昭59−19581号公報等に開示されてい
る。しかしながら、これらの芳香族オニウム塩を含有す
る組成物はジアゾニウム塩に比較し硬化性が乏しいとい
う欠点を有し、又芳香族スルホニウム塩の場合は、硬化
物の臭気が問題となっていた。かかる欠点を克服するべ
く、特開昭56−55420号公報等に、特定の基を有
する芳香族スルホニウム塩が提案されている。しかし、
上記の欠点は、いくらか解消されるものの十分ではな
い。又、光重合組成物の使用される分野が拡大するにつ
れて、市場の要求に対応するために、新規な光重合開始
剤、それを含有する組成物の提供は重要である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するため鋭意研究の結果、新規な光重合開始剤
を開発し、これを用いた組成物は、保存安定性、相容
性、硬化性に優れ、その硬化物は着色が少ないエネルギ
ー線硬化性組成物を提供することに成功した。すなわ
ち、本発明は、 (1)式(1)
【0005】
【化5】
【0006】{式中、Xは式(2)で示される基
【0007】
【化6】
【0008】(式中、R6 〜R15は、それぞれ水素原
子、ハロゲン原子、ニトロ基、アルコキシ基、C1 〜C
20の構造中に、水酸基、エーテル基、エステル基、(メ
タ)アクリロイル基、エポキシ基あるいはアリル基を有
していても良い脂肪族基、フェニル基、フェノキシ基お
よびチオフェノキシ基のいずれかから選択された基であ
る。) R1 、R2 及びR3 は、それぞれC1 〜C20の構造中に
エーテル基、エステル基、カルバモイル基を有していて
も良い脂肪族基、シクロヘキシル基、ハロゲン化フェニ
ル基、シアノフェニル基、ニトロフェニル基、アルキル
フェニル基、アルコキシフェニル基、ベンジル基、ハロ
ゲン化ベンジル基、シアノベンジル基、ニトロベンジル
基、アルキルベンジル基、アルコキシベンジル基及び式
(3)で示される基、
【0009】
【化7】
【0010】(式中、R16、水素原子、C1 〜C5 のア
ルキル基、C1 〜C5 のアルコキシ基、ニトロ基及びシ
アノ基のいずれかから選択された基であり、Xは式
(1)中のXと同一である。)のいずれかから選択され
た基であり、R4 及びR5 は、それぞれ水素原子、で示
されるスルホニウム塩。 (2)これら塩からなる光重合開始剤(B)及び (3)カチオン重合性物質(A)と(2)項記載の光重
合開始剤(B)を含有することを特徴とするエネルギー
線硬化性組成物及びその硬化物に関する。
【0011】本発明で用いるカチオン重合性物質(A)
としては、例えば、エポキシ樹脂、スチレン、ビニルエ
ーテル等のカチオン重合性ビニル化合物、更にはスピロ
オルソエステル、ビシクロオルソエステル、スピロオル
ソカーボナートのような環状エーテル類が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、従来、公知の芳香族エポキシ樹
脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、更には
エポキシド単量体類、エピサルファイド単量体類が挙げ
られる。ここで、芳香族エポキシ樹脂として例示すれ
ば、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノール
またはそのアルキレンオキサイド付加体のポリグリシジ
ルエーテルであって、例えばビスフェノールA、ビスフ
ェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール化合
物またはビスフェノール化合物のアルキレンオキサイド
(例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ド、ブチレンオキサイド等)付加体とエピクロロヒドリ
ンとの反応によって製造されるグリシジルエーテル類、
ノボラック型エポキシ樹脂類(例えば、フェノール・ノ
ボラック型エポキシ樹脂、クレゾール・ノボラック型エ
ポキシ樹脂、臭素化フェノール・ノボラック型エポキシ
樹脂等)、トリスフェノールメタントリグリシジルエー
テル等が挙げられる。また、脂環式エポキシ樹脂とし
て、具体的な例としては、3,4−エポキシシクロヘキ
シルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキ
シレート、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシルメ
チル)アジペート、2−(3,4−エポキシシクロヘキ
シル−5,5−スピロー3,4−エポキシ)シクロヘキ
サノン−メタ−ジオキサン、ビス(2,3−エポキシシ
クロペンチル)エーテル、EHPE−3150(ダイセ
ル化学工業株式会社製、脂環式エポキシ樹脂、軟化点7
1℃)等が挙げられる。
【0012】更に脂肪族エポキシ樹脂の例としては、脂
肪族多価アルコールまたはそのアルキレンオキサイド付
加物のポリグリシジルエーテルがあり、その代表例とし
ては、1,4−ブタンジーオルのジグリシジルエーテ
ル、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテ
ル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロ
ールプロパンのトリグリシジルエーテル、ポリエチレン
グリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコ
ールのジグリシジルエーテル、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、グリセリン等の脂肪族多価アルコ
ールに1種または2種以上のアルキレンオキサイド(エ
チレンオキサイド、プロピレンオキサイド)を付加する
ことにより得られるホリエーテルポリオールのポリグリ
シジルエーテルが挙げられる。更にエポキシド単量体類
の例としては、脂肪族高級アルコールのモノグリシジル
エーテルやフェノール、クレゾール、ブチルフェノール
またはこれらにアルキレンオキサイドを付加することに
より得られるポリエーテルアルコールのモノグリシジル
エーテル等が挙げられる。
【0013】カチオン重合性ビニル化合物としては、例
えば、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テト
ラエチレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキサ
ン−1,4−ジメチロールジビニルエーテル、1,4−
ブタンジオールジビニルエーテル、
【0014】
【化8】
【0015】及び
【0016】
【化9】
【0017】等が挙げられる。また、これらカチオン重
合性有機材料は単独でも2種以上の混合物でもかまわな
い。
【0018】本発明で用いる一般式(1)で表されるス
ルホニウム塩としては、例えば、一般式(6)で表され
るホスフィン化合物あるいは、一般式(7)で表される
ホスフィンオキサイド化合物
【0019】
【化10】
【0020】(式中、R1 〜R5 は、前記一般式(1)
中のR1 〜R5 と同一である。)
【0021】
【化11】
【0022】(式中、R1 〜R5 は、前記一般式(1)
の中のR1 〜R5 ど同一である。)と置換または非置換
ジフェニルスルホキシド化合物を公知のスルホニウム塩
の生成反応を利用する方法(以下1)法という)、2)
相当する置換及び非置換のスルホニウム塩をあらかじめ
合成し、その後、置換基を変換、導入する方法(以下
2)法という)のいずれかにより合成することができ
る。先ず1)法を具体的に説明する。式(7)と式
(8)で表されるホスフィン化合物(具体例としては、
例えば、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタ
ン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、
1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,2
−ビス(n−ブチルフェニルホスフィノ)エタン1,3
−ビス(n−ブチルフェニルホスィノ)プロパン、1,
4−ビス(n−ブチルフェニルホスフィノ)ブタン)、
1−(n−ブチルフェニルホスフィノ)−4−(ジ−n
−ブチルホスフィノ)ブタン、1−(ジフェニルホスフ
ィノ)−4−(ジベンジルホスフィノ)ブタン、1−
(メタトリルフェニルフェニルホスフィノ)−4−(ジ
メタトリルホスフィノ)ブタン、1−(パラトリルフェ
ニルフェニルホスフィノ)−3−(パラトリルフェニル
ホスフィノ)プロパン、1−(4−メトキシフェニルフ
ェニルホスフィノ)−2−(4−メトキシフェニルフェ
ニルホスフィノ)エタン、1−(シクロヘキシルフェニ
ルホスフィノ)−2−(シクロヘキシルフェニルホスフ
ィノ)エタン、1−(4−ニトロフェニルフェニルホス
フィノ)−4−(4−ニトロフェニルフェニルホスフィ
ノ)ブタン、1−(メタシアオフェニルフェニルホスフ
ィノ)−3−(メタシアノフェニルフェニルホスフィ
ノ)プロパン、1−(4−メチルベンジルフェニルホス
フィノ)−4−(4−メチルベンジルフェニルホスフィ
ノ)ブタン等)およびホスフィンオキサイド化合物(具
体例としては、例えば、1,2−エタンビス(ジフェニ
ルホスフィンオキサイド)、1,3−プロパンビス(ジ
フェニルホスフィンオキサイド)、1,4−ブタンビス
(ジフェニルホスフィンオキサイド)、1,2−エタン
ビス(n−ブチルフェニルホスフィンオキサイド)、
1,3−プロパンビス(n−ブチルフェニルホスフィン
オキサイド)、1,4−ブタンビス(n−ブチルフェニ
ルホスフィンオキサイド)、ブタン−1−n−ブチルフ
ェニルホスフィンオキサイド−4−ジn−ブチルホスフ
ィンオキサイド、ブタン−1−ジフェニルホスフィンオ
キサイド−4−ジベンジルホスフィンオキサイド、ブタ
ン−1−メタトリルフェニルフェニルホスフィンオキサ
イド−4−ジメタトリルホスフィンオキサイド、プロパ
ン−1−メタトリルフェニルフェニルホスフィンオキサ
イド−3−ジメタトリルホスフィンオキサイド、1,3
−プロパンビス(パラトリルフェニルフェニルホスフィ
ンオキサイド)、1,2−エタンビス(4−メトキシフ
ェニルフェニルホスフィンオキサイド)、1,2−エタ
ンビス(シクロキシルフェニルホスフィンオキサイ
ド)、1,4−ブタンビス(4−ニトロフェニルフェニ
ルホスフィンオキサイド)、1,3−プロパンビス(メ
タシアノフェニルフェニルホスフィンオキサイド)、
1,4−ブタンビス(4−メチルベンジルフェニルフェ
ニルホスフィンオキサイド)、1,4−ブタンビス
(N,N−ジイソブチルカルバモイルメチルフェニルホ
スフィンオキサイド等を挙げることができる。)と置換
または非置換ジフェニルスルホキシド化合物(例えば、
ジフェニルスルホキシド、4,4′−ジフルオロジフェ
ニルスルホキシド、2,2′−ジフルオロジフェニルス
ルホキシド、3,3′−ジフルオロジフェニルスルホキ
シド、4,2′−ジフルオロジフェニルスルホキシド、
4,4′−ジブロムジフェニルスルホキシド、4,4′
−ジクロロジフェニルスルホキシド、2,2′,4,
4′−テトラクロロジフェニルスルホキシド、4,4′
−ジメチルジフェニルスルホキシド、4,4′−ジエチ
ルジフェニルスルホキシド、4,4′−ジメトキシジフ
ェニルスルホキシド、4−メチルチオジフェニルスルホ
キシド、4−フェニルチオジフェニルスルホキシド等)
を公知の方法、例えば、脱水剤(例えば、五酸化リン、
無水酢酸、濃硫酸等)と溶媒として、メタンスルホン酸
やパーフルオロメタンスルホン酸等を用いて通常常温〜
100℃で縮合反応を行ない、次いでこれらの反応液を
式(4)、式(5)又は式(6)をアニオン部分とする
アルカリ金属塩(例えば、NaSbF6、NaPF6 、NaAsF6、Na
BF6 、NaSbF5OH、KSbF6 、KPF6、KAsF6 、KSbF5OH 、Li
B(C6F5)4 、Li B(C6H4CF3)4、Li BF2(C6F5)2 、Li B(C
6H3F2)4 等)の水溶液に滴下し、スルホニウム塩を得る
ことができる。上記に記載したスルホニウム塩を得る工
程で一般式(7)で表されるホスフィン化合物中のリン
原子は、酸化されホスフィンオキサイドになるのであ
る。一般式(7)で表されるホスフィン化合物からスル
ホニウム塩を得る工程では副生成物がやや多く、好まし
くは、一般式(8)で表されるホスフィンオキサイド化
合物を出発原料とする方法である。
【0023】2)法を具体的に説明する。1)法で合成
したスルホニウム塩、例えば式(9)
【0024】
【化12】
【0025】(但し、式中R1 〜R5 は式(1)中のR
1 〜R5 と同一でAはハロゲン原子、nは1〜10、Z
は前記式(4)、式(5)または式(6)で示され
る。)で示される化合物等の公知の方法、例えば、塩基
性化合物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、炭酸カリウム等)の存在下、大過剰のモノ又はポリ
アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、カル
ビトール、エチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロー
ルプロパン、1,4−ブタンジオール、グリシドール、
2−ヒドロキシエチル((メタ)アクリレート、2−ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、アリルアルコ
ール等)を通常室温〜150℃で、必要に応じて、ジメ
チルスルホキシド等の有機溶剤の存在下反応させること
により、前記ハライド化合物のハライド部が例えば
【0026】
【化13】
【0027】
【化14】
【0028】
【化15】
【0029】
【化16】
【0030】等の置換基に変換された硼酸塩を得ること
ができる。一般式(1)で示される化合物の代表例とし
ては、次表1の化合物を挙げることかできるが、これら
に限定されるものではない。
【0031】
【表1】
【0032】本発明の硬化性組成物は、100重量部の
カチオン重合性物質(A)に対して通常0.01〜20
重量部により好ましくは0.1〜10重量部の前記の式
(1)で示されるスルホニウム塩(B)を必須の成分と
するが適当な割合は、カチオン重合性物質やエネルギー
線の種類、照射量、所望の硬化時間、温度、湿度、塗膜
厚などさまざまな要因を考慮することによって決定され
る。カチオン重合性物質へのスルホニウム塩の溶解を容
易にするため、あらかじめスルホニウム塩を溶剤類(例
えば、プロピレンカーボネート、カルビトール、カルビ
トールアセテート、ブチロラクトン等)に溶解し使用す
ることができる。本発明の硬化性組成物は、カチオン重
合性物質及びスルホニウム塩を混合、溶解あるいは混練
等の方法により調製することができる。
【0033】本発明の硬化性組成物は、紫外線等のエネ
ルギー線を照射することにより0.1秒〜数分後に指触
乾燥状態あるいは溶媒不溶性の状態に硬化することかで
きる。適当なエネルギー線としては、スルホニウム塩ま
たはスルホキソニウム塩の分触を誘発するエネルギーを
有する限りいかなるものでもよいが、好ましくは、高、
低圧水銀ランプ、キセノンランプ、殺菌灯、レーザー光
などから得られる2000オングストローム〜7000
オングストロームの波長を有する電磁波エネルギーや電
子線、X線、放射線等の高エネルギー線を使用する。エ
ネルギー線への暴露は、エネルギー線の強度によるが、
通常は0.1秒〜10秒程度で十分である。しかし比較
的厚い塗装物についてはそれ以上の時間をかけるのが好
ましい。エネルギー線照射後0.1秒〜数分後には、ほ
とんどの組成物はカチオン重合により指触乾燥するが、
カチオン重合反応を促進するために加熱を併用すること
も場合によっては好ましい。本発明の組成物には、さら
にカチオン重合を損わない範囲で希釈のための溶剤や、
改質のための非反応性の樹脂や(メタ)アクリル酸エス
テル化合物(例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、ノボラック型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂と(メ
タ)アクリル酸の反応物であるエポキシ(メタ)アクリ
レート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル
ポリ(メタ)アクリレート等のオリゴマーや、2−ヒド
ロキシ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオー
ルジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メ
タ)アクリレート等のモノマー等)を配合することがで
きる。(メタ)アクリル酸エステル化合物を使用する場
合には、光ラジカル重合開始剤(例えば、1−ヒドロキ
シシクロヘキシルフェニルケトン、アセトフェノンジメ
チルケタール、ベンゾイルメチルエーテル等)を使用す
るのが好ましい。また例えば、電気特製を改良する目的
などのため有機カルボン酸や酸無水物を使用したり、あ
るいはゴム弾性をもたせるなどの目的でポリマールその
他の可とう性プレポリマーを混合することができる。
【0034】本発明の組成物は、通常透明な液状として
使用されるものであるが、用途によっては不活性な顔
料、染料、充填剤、静電防止剤、難燃剤、消泡剤、流動
調整剤、増感剤、促進剤、光安定剤等を混合して用いら
れる。本発明の組成物は金属、木材、ゴム、プラスチッ
ク、ガラス、セラミック製品等に使用することができ
る。さらに本発明の具体的な用途としては、塗料、コー
ティング剤、インキ、レジスト、液状レジスト、接着
剤、成形材料、注型材料、パテ、ガラス繊維含浸剤、目
止め剤等が挙げられる。
【0035】
【実施例】以下、本発明の実施例により具体的に説明す
る。なお、実施例中の部は、重量部である。
【0036】(式(1)で表されるスルホニウム塩の合
成例) 実施例1 1,4−ブタンビス(シクロヘキサンフェニルホスフィ
ンオキサイド)9.4部、4,4′−ジフルオロジフェ
ニルスルホキシド10部、無水酢酸10部及び濃硫酸5
0部を仕込み、60℃に加熱し約5時間反応を行ない、
次いでこの反応液を水800部で希釈し、不溶解物をろ
別し水層にKSbF6 11.5部を添加し、次に25% NaO
H 水溶液でpHを7まで中和し白色の析出物をろ別し、
白色析出物を溶剤(アセトン20部とメタノール80部
の混合溶剤)200部に溶解し、次にこれに水200部
を加え析出物をろ別、乾燥し白色固体19.3部を得
た。得られた生成物の融点は175〜178℃で元素分
析値は次のとおりであった。 元素 実測値(重量%) 計算値(重量%) 炭素 45.15 45.11 水素 3.95 3.93 イオウ 4.62 4.63 リン 4.49 4.47 アンチモン 17.56 17.59 フッ素 21.94 21.95 この製造方法に基づいて構造式
【0037】
【化17】
【0038】のスルホニウム塩を得た。
【0039】実施例2 ブタン−1−n−ブチルフェニルホスフィンオキサイド
−4−ジn−ブチルホスフィンオキサイド10部、4,
4′−ジフルオロジフェニルスルホキシド6.0部及び
濃硫酸50部を仕込み、60℃に加熱し5時間反応を行
ない、次いでこの反応液を水800部で希釈し不溶解物
をろ別し水層にKPF64.8部を添加し、次に25% NaO
H 水溶液でpHを7まで中和し白色の析出物をろ別し、
白色析出物を溶剤(アセトン20部とメタノール80部
の混合溶剤)200部に溶解し、これに水200部を加
え、白色固体13部を得た。得られた生成物の融点は1
56〜159℃で元素分析値は次のとおりであった。 元素 実測値(重量%) 計算値(重量%) 炭素 58.02 57.98 水素 6.85 6.81 イオウ 4.57 4.55 リン 13.22 13.19 フッ素 21.56 21.58 この製造方法に基づいて構造式
【0040】
【化18】
【0041】のスルホニウム塩を得た。
【0042】実施例3 実施例1で得た化合物10部、水酸化ナトリウム0.8
部、エチレングリコール100部を仕込み、60℃で2
4時間反応し、その後水中に注ぎ込み析出した白色固体
をろ過、乾燥し、常温で固体の生成物を得た。生成物の
構造式は下記のものであり元素分析の結果は計算値にほ
ぼ一致した。
【0043】
【化19】
【0044】実施例4 実施例2で得たスルホニウム塩20部をアセトン200
部に溶解させたものに、アセトン200部中にテトラキ
ス(ペンタフルオロフェニル)硼酸リチウム19.5部
を含有させた溶液を添加し、この混合物を48時間、2
5℃で攪拌し、次いで生成したLiPF6 を除去するために
ろ過した。アセトンを蒸発させて、白色固体30部を得
た。得られた生成物の融点は166〜170℃で元素分
析値は次のとおりであった。 元素 実測値(重量%) 計算値(重量%) 炭素 53.64 53.61 水素 3.72 3.69 イオウ 2.45 2.47 リン 4.79 4.77 硼酸 0.83 0.83 フッ素 32.13 32.16 この製造方法に基づいて構造式
【0045】
【化20】
【0046】のスルホニウム塩を得た。 (組成物の実施例) 実施例5〜8、比較例1〜4 表2に示す配合組成(数値は重量部である。)に従って
エネルルギー線硬化性組成物を配合し、混合溶解した。
これを、アルミテストパネル上に5μの厚さに塗布し、
高圧水銀灯(80w/cm2 )で8cmの距離から紫外
線を照射し、硬化させた。調整された組成物の透明性、
保存安定性、指触乾燥性、硬化塗膜の光沢、着色につい
て試験した。それらの結果を表2に示す。
【0047】透明性:組成物の透明性を目視判定した。 ○・・・・完全に透明である。 △・・・・わずかににごりあり。 ×・・・・白ダクしている。 ××・・・・すぐに分離する。 保存安定性:組成物を40℃で3ケ月間保存し、安定性
を調査した。 ○・・・・全く変化していない △・・・・やや増粘している ×・・・・ゲル化している 指触乾燥性:指触乾燥するまでの照射量(mJ/cm2) を測
定した。 光沢:指触乾燥すするまでの照射量(mJ/cm2) を照射し
た後、硬化塗膜の表面を目視判定した。 ○・・・・光沢が良好である △・・・・ややくもりがある ×・・・・全く光沢がない 着色:塗布面に1000mJ/cm2照射した後、硬化塗膜の
着色の状態を観察した。 ○・・・・全く着色がない △・・・・わずかに着色あり ×・・・・着色あり ××・・・・着色が強い
【0048】
【表2】 表2 実施例 比較例 5 6 7 8 1 2 3 4 実施例1で得た光重合開始剤 1.5 実施例2で得た光重合開始剤 1.5 実施例3で得た光重合開始剤 1.5 実施例4で得た光重合開始剤 1.5 化合物1 *1 1.5 1.5 化合物2 *2 1.5 1.5 ポリエステルジビニルエーテル*3 50 50 50 50 シクロヘキサンジメチロールジビニル エーテル 50 50 50 50 セロキサイド2021 *4 80 80 80 80 EHPE−3150 *5 20 20 20 20 透明性 ○ ○ ○ ○ ○ ××○ ×× 保存安定性 ○ ○ ○ ○ ○ ──○ ── 指触乾燥性(mJ/cm2) 20 15 20 10 75 − 35 − 光沢 ○ ○ ○ ○ ○ ──○ ── 着色 ○ ○ ○ ○ × ──× ──
【0049】注) *1 化合物1:ジフェニル−4−
チオフェノキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロホ
スフェート *2 化合物2:4,4′−ビス〔ビスフェニルスルホ
ニオ〕フェニルスルフィドビスヘキサフルオロホスフェ
ート *3 ポリエステルジビニルエーテル:構造式
【0050】
【化21】
【0051】*4 セロキサイド 2021:ダイセル
化学工業(株)製、脂環式エポキシ樹脂 *5 EHPE−3150:ダイセル化学工業(株)
製、脂環式エポキシ樹脂 表2の結果から明らかなように、本発明の光重合開始剤
を含有した組成物は、相容性、保存安定性に優れ、透明
で硬化性に優れ、硬化塗膜の光沢が良好であり、硬化塗
膜の着色も小さい。
【0052】
【発明の効果】本発明の光重合開始剤を含有したエネル
ギー線硬化性組成物は、相容性、保存安定性に優れ、透
明で硬化性に優れ、硬化塗膜の光沢が良好で、硬化塗膜
の着色も小さく、優れた物性の硬化物をあたえる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(1) 【化1】 {式中、Xは式(2)で示される基 【化2】 (式中、R6 〜R15は、それぞれ水素原子、ハロゲン原
    子、ニトロ基、アルコキシ基、C1 〜C20の構造中に、
    水酸基、エーテル基、エステル基、(メタ)アクリロイ
    ル基、エポキシ基あるいは、アリル基を有していても良
    い脂肪族基、フェニル基、フェノキシ基およびチオフェ
    ノキシ基のいずれかから選択された基である。)であ
    り、R1 ,R2 及びR3 は、それぞれC1 〜C20の構造
    中にエーテル基、エステル基、カルバモイル基を有して
    いても良い脂肪族基、シクロヘキシル基、ハロゲン化フ
    ェニル基、シアノフェニル基、ニトロフェニル基、アル
    キルフェニル基、アルコキシフェニル基、ベンジル基、
    ハロゲン化ベンジル基、シアノベンジル基、ニトロベン
    ジル基、アルキルベンジル基、アルコキシベンジル基及
    び式(3)で示される基、 【化3】 (式中、R16は、水素原子、C1 〜C5 のアルキル基、
    1 〜C5 のアルコキシ基、ニトロ基及びシアノ基のい
    ずれかから選択された基であり、Xは式(1)中のXと
    同一である。)のいずれかから選択された基であり、R
    4 及びR5 は、それぞれ水素原子、C1 〜C5 のアルキ
    ル基、C1 〜C5 のアルコキシ基、ニトロ基及びシアノ
    基のいずれかから選択された基であり、nは1〜10、
    mは1〜4、Zは式(4)、式(5)または式(6) 【化4】 (式中、Mは、リン原子、ホウ素原子、ヒ素原子または
    アンチモン原子であり、Qはハロゲン原子であり、pは
    4〜6の整数であり、Bはホウ素原子、a及びbは0〜
    4の範囲の整数であり、ここでa+bは4であり、記号
    Yは、aが0〜3である場合にはハロゲン原子(塩素又
    は弗素)を表わし、また、aが0〜2である場合にはO
    H基を表わすこともできる。RはCF3 、NO2 、CN
    等のような少なくとも1個の電子吸引基で置換されたフ
    ェニル基又は少なくとも2個のハロゲン原子(特に弗
    素)で置換されたフェニル基を表わす。)}で示される
    スルホニウム塩。
  2. 【請求項2】前記式(1)で示されるスルホニウム塩か
    らなる重合開始剤(B)
  3. 【請求項3】カチオン重合性物質(A)と請求項2記載
    の光重合開始剤(B)を含有することを特徴とするエネ
    ルギー線硬化性組成物。
  4. 【請求項4】請求項3記載の組成物の硬化物。
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