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JPH0927413A - チョークコイル用磁心およびその製造方法 - Google Patents

チョークコイル用磁心およびその製造方法

Info

Publication number
JPH0927413A
JPH0927413A JP7175951A JP17595195A JPH0927413A JP H0927413 A JPH0927413 A JP H0927413A JP 7175951 A JP7175951 A JP 7175951A JP 17595195 A JP17595195 A JP 17595195A JP H0927413 A JPH0927413 A JP H0927413A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic core
choke coil
magnetic
cutting
core
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7175951A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuto Yoshizawa
克仁 吉沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Metals Ltd filed Critical Hitachi Metals Ltd
Priority to JP7175951A priority Critical patent/JPH0927413A/ja
Publication of JPH0927413A publication Critical patent/JPH0927413A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F41/00Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties
    • H01F41/02Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for manufacturing cores, coils, or magnets
    • H01F41/0206Manufacturing of magnetic cores by mechanical means
    • H01F41/0213Manufacturing of magnetic circuits made from strip(s) or ribbon(s)
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
    • H01F1/12Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials
    • H01F1/14Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials metals or alloys
    • H01F1/147Alloys characterised by their composition
    • H01F1/153Amorphous metallic alloys, e.g. glassy metals
    • H01F1/15333Amorphous metallic alloys, e.g. glassy metals containing nanocrystallites, e.g. obtained by annealing

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特にチョ−クコイル用磁心に用いられる磁心
損失の低いFe基ナノ結晶合金を用いたチョ−クコイル用
磁心を得る。 【構成】 組織の一部が平均粒径50nm以下の結晶粒から
なるFe基ナノ結晶合金薄帯が巻回され、かつ磁路の少な
くとも一部が切断された構造のチョ−クコイル用磁心に
おいて、磁心の内周部と外周部との間の抵抗値が10mm
厚さあたり1Ω以上であることを特徴とするチョ−クコ
イル用磁心である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電源の平滑回路やアク
ティブフィルタに用いられる低磁心損失のナノ結晶軟磁
性合金を用いたチョ−クコイル用磁心およびその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】平滑回路やアクティブフィルタ等のチョ
−クコイルに用いられる磁心としては、コイルに直流が
重畳されて使用されるため、磁心は直流重畳特性が優れ
ていることが必要であり、高直流重畳磁界まで高い増分
透磁率を示すことが要求される。チョ−クコイルにした
場合には、高い直流電流を重畳しても高インダクタンス
を示すことが必要となる。このためには、磁心材料の飽
和磁束密度が高い方が有利となる。従来これらの用途に
は、ギャップを形成した珪素鋼、Fe基アモルファス合
金やフェライト等からなる磁心やパーマロイ圧粉磁心や
Fe-Al-Si合金圧粉磁心が主に用いられてきた。フェライ
ト磁心は高周波における磁心損失が低いが飽和磁束密度
が低く直流重畳特性に劣るために小型化できない問題が
ある。一方、珪素鋼を用いたチョ−クコイルは飽和磁束
密度が高く直流重畳特性の点では有利であるが磁心損失
が大きいため発熱の問題から数kHz以下の周波数帯で主
に使用されている。
【0003】最近になり、飽和磁束密度が高く比較的高
周波特性に優れたFe基アモルファス合金を用いた磁心が
これらの用途に使用されている。しかし、Fe基アモルフ
ァス合金は磁歪が著しく大きく、ギャップを形成するた
めに含浸を行なうと磁心損失が著しく増加し、ギャップ
付きの磁心を用いたチョ−クコイルでは素材の特性が活
かせないのが現状である。ギャップを形成する場合、合
金薄帯を使用した磁心では、磁心の含浸を行わなければ
ならない。これは、切断の際に薄帯が剥がれたりするの
を防ぐ目的で行われる。このためギャップを形成したFe
基アモルファス合金を用いた磁心では珪素鋼を使用する
場合よりは発熱が小さいが、発熱が素材特性から予想さ
れる値よりも大きくなってしまう問題がある。Co基アモ
ルファス合金は磁心損失が低く磁歪が小さく、含浸によ
る磁心損失の増加は比較的小さいが飽和磁束密度がFe系
材料よりも低く直流重畳特性が十分でない、経時変化が
大きい、材料価格も高い等実用的に使用するのには問題
がある。また、特開平1-110707に記載されているように
近年Fe基ナノ結晶合金が開発され、磁歪が小さく含浸に
よる磁気特性の劣下が小さいためにチョ−クコイル用磁
心に適することが報告されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらのFe基
ナノ結晶合金を用いたチョ−クコイル用磁心は珪素鋼や
Fe基アモルファス合金を用いたギャップを形成した磁心
に比べると磁心損失は低いが、直流重畳特性を改善する
ためにギャップを形成すると切断前の含浸後の磁心損失
に比べると磁心損失が著しく大きく、素材の本来持って
いる特性が十分活かされていない問題があることが分っ
た。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明者らは、鋭意検討を行った結果、切断後磁心
損失が増加する原因のひとつはギャップを形成した磁心
の内周部と外周部との間の抵抗値Rが切断面の薄帯の電
気的導通により著しく低下することに起因することを突
き止め本発明に想到した。すなわち、本発明は組織の一
部が平均粒径50nm以下の結晶粒からなるFe基ナノ結晶合
金薄帯が巻回され、かつ磁路の少なくとも一部が切断さ
れた構造のチョ−クコイル用磁心において、磁心の内周
部と外周部との間の抵抗値が10mm厚さあたり1Ω以上
であることを特徴とするチョ−クコイル用磁心である。
【0006】図1に本発明に係わるチョ−クコイル用磁
心の概略図を示す。10mm厚さあたり1Ωとは内周と外
周の間隔が10mmの場合内周部と外周部との間の抵抗値
が1Ωであることを意味し、20mm厚さの磁心では2Ω、
5mm厚さでは0.5Ωであることを意味する。抵抗値Rは
ギャップを形成した部分に近接した図中A−B間の抵抗
値を測定し10mm当たりの値に換算し求めた値である。
【0007】GC砥石等で切断しギャップを形成した磁
心はそのままでは切断面の薄帯にバリが生じ各薄帯層が
電気的に導通し、渦電流が流れ渦電流損失が増大し磁心
損失が磁心の切断によりギャップを形成した場合に大幅
に増加していることが分かった。さらに切断面の導通の
影響は内部の層間絶縁の不完全な部分の導通の影響より
もはるかに大きいことも分かった。切断面の電気的導通
は、砥石の目詰まりが関係していると考えられるが、完
全にこれを解消するのは困難であることも分った。
【0008】更に検討した結果、これを解消するために
は、切断面を研磨したりエッチングするのが有効である
ことが分った。これにより磁心の内周部と外周部との間
の抵抗値が内周と外周の間隔が10mm厚さの場合1Ω以
上となり、磁心損失が研磨やエッチングをしない場合よ
りも低くなることが分った。この効果は薄帯にSiO2等で
層間絶縁した場合にも認められる。この場合は抵抗値の
研磨、エッチングによる変化は大きく5Ω以上になる。
これに伴い磁心損失も著しく低くなりより好ましい結果
が得られる。このようなギャップを形成した磁心はチョ
−クコイルに使用した場合、磁心損失が低いため温度上
昇が低くなりより好ましい結果が得られる。また、透磁
率の周波数依存性も改善することができる。
【0009】結晶粒は組織の少なくとも50%を占めてい
る方が磁心損失が特に低く望ましい結果が得られる。特
に合金系としては、一般式:(Fe1-aMa100-x-y-z-bAx
M'yM''zXb (原子%)で表され、式中MはCo,Niから選ば
れた少なくとも1種の元素を、AはCu,Auから選ばれた少
なくとも1種の元素、M'はTi,V,Zr,Nb,Mo,Hf,TaおよびW
から選ばれた少なくとも1種の元素、M''はCr,Mn,Al,Sn,
Zn,Ag,In,白金属元素,Mg,Ca,Sr,Y,希土類元素,N,Oおよ
びSから選ばれた少なくとも1種の元素、XはB,Si,C,Ge,G
aおよびPから選ばれた少なくとも1種の元素を示し、a,
x,y,zおよびbはそれぞれ0≦a<0.5、0≦x≦10、0.1≦y
≦20、0≦z≦20、2≦b≦30を満足する数で表される組成
の合金が本目的に適している。上記の合金においてAで
表される添加元素であるCu,Auから選ばれた少なく
とも1種の元素の含有量xは0〜10原子%の範囲である。
これらの元素は透磁率改善の効のために添加するが、10
原子%より多いと飽和磁束密度、透磁率の著しい低下を
もたらし好ましくない。より好ましい範囲は0.1〜3原子
%、特に好ましい範囲は0.5〜2原子%であり、この範囲で
は特に高い透磁率が得られる。また、M'はTi,V,Zr,Nb,M
o,Hf,Ta及びWからなる群から選ばれた少なくとも1種の
元素でありCu,Au等との複合添加により結晶粒を微細化
し、軟磁気特性を改善する効果を有する。M'の含有量y
は0.1〜20原子%であり、0.1原子%未満だと結晶粒微細化
の効果が不十分であり、20原子%を越えると飽和磁束密
度の著しい低下を招く。好ましいM'の含有量yは2〜8原
子%である。Ti,Zr,Nb,Mo,Hf,Ta及びW等が存在しない場
合は結晶粒はあまり微細化されず軟磁気特性は悪い。N
b,Mo,Taは特に効果が大きいが、これらの元素の中でNb
を添加した場合特に結晶粒が細かくなりやすく、軟磁気
特性も優れたものが得られる。
【0010】Cu,AuとTi,Zr,Nb,Mo,Hf,Ta及びW等との複
合添加により透磁率が上昇する理由は明かではないが次
のように考えられる。Cu,AuとFeの相互作用パラメータ
は正であり、分離する傾向があるため、非晶質状態の合
金を加熱するとFe原子同志またはCu,Au原子同志が寄り
集まり、クラスターを形成するため組成ゆらぎが生ず
る。このため部分的に結晶化しやすい領域が多数でき、
そこを核として多数の微細結晶粒が形成される。この結
晶粒はFeを主成分とするものであり、FeとCu、Auの固溶
度はほとんどないため、結晶粒周辺のCu、Au濃度が高く
なる。また、この結晶粒の周辺はSi等が多くTi,Zr,Nb,M
o,Hf,Ta及びW等が存在する場合結晶化しにくいため結晶
粒は成長しにくいと考えられる。このため結晶粒は微細
化されると考えられる。このように結晶粒が微細化され
ることにより、結晶磁気異方性がみかけ上相殺されるこ
と、結晶相がbcc構造のFe固溶体が主体であり磁歪が小
さく、内部応力−歪による磁気異方性が小さくなること
等により、軟磁気特性が改善され、高透磁率が得られる
と考えられる。M"で表される添加元素であるCr,Mn,Sn,Z
n,Ag,In,白金属元素,Mg,Ca,Sr,Y,希土類元素,N,Oおよび
Sからなる群から選ばれた少なくとも1種の元素は耐食
性を改善したり、磁気特性を改善する、又は磁歪を調整
する等の効果を有するものであるが、その含有量はせい
ぜい10原子%以下である。
【0011】上記の合金において、Xで表されるSi,B,C,
Ge,Ga,AlおよびPからなる群から選ばれた少なくとも1種
の元素を2〜20原子%以下含み得る。Si及びBは、合金の
微細化に特に有用な元素である。本発明のFe基軟磁性合
金膜は好ましくは、一旦Si,Bの添加効果により非晶質合
金膜とした後で熱処理により微細結晶粒を形成させるこ
とにより得られる。C,Ge,Ga,AlおよびPからなる群から
選ばれた少なくとも1種の元素は非晶質化に有効な元素
であり、Si,Bと共に添加することにより合金の非晶質化
を助けると共に、磁歪やキュリー温度調整に効果があ
る。また、Xの含有量bが2原子%より少ないと結晶粒微細
化の効果がなく、20原子%より多いと飽和磁束密度の減
少と軟磁気特性の劣化が起こるためである。残部は不純
物を除いて実質的にFeが主体であるが、Feの一部は成
分M(Co及び/又はNi)により置換されていても良い。Mの
含有量aは0≦a<0.5であるが、好ましくは0≦a≦0.3であ
る。aが0.3を越えると、透磁率が低下する場合があるた
めである。より好ましくはaは0.1以下である。Co置換は
また飽和磁束密度を上昇させる効果があり、高保磁力記
録媒体に使用する平滑チョークコイル、低周波用トラン
ス材としてより有利である。
【0012】もう一つの本発明は、厚さ3μmから50μm
のFe基アモルファス合金薄帯を巻回し磁心とする工程
と、組織の一部が粒径50nm以下の結晶粒からなるナノ結
晶合金磁心とする熱処理工程と、樹脂により含浸し樹脂
を硬化する工程と、磁路の少なくとも一部を切断する工
程からなるチョ−クコイル用磁心の製造方法において、
切断後切断面を研磨することを特徴とするチョ−クコイ
ル用磁心の製造方法である。前述したように切断面を研
磨することにより、ばりが除去され層間の抵抗が上昇す
るため磁心内周部と外周部の間の抵抗値が高くなる。こ
れにより、磁心損失が低減し、チョ−クコイルを作製し
た場合に温度上昇を小さくできる。特に、薄帯表面に絶
縁層を形成している場合は本発明の効果は顕著である。
また、薄帯幅方向に向って研磨した場合の方が本発明の
効果が著しい。また、初期の研磨の際は荒く削って研磨
の速度を上げても良いが最終段階ではきれいに研磨した
方が良い結果が得られる。研磨方法としては、エメリ−
紙による研磨等の方法を行える。ギャップ間隔が非常に
狭い磁心の場合は本方法は実施が困難になるので、この
場合は次に示すエッチングによる方法の方が適してい
る。
【0013】もう一つの本発明は、厚さ3μmから50μm
のFe基アモルファス合金薄帯を巻回し磁心とする工程
と、組織の一部が粒径50nm以下の結晶粒からなるナノ結
晶合金磁心とする熱処理工程と、樹脂により含浸し樹脂
を硬化する工程と、磁路の少なくとも一部を切断する工
程からなるチョ−クコイル用磁心の製造方法において、
切断後切断面をエッチング処理することを特徴とするチ
ョ−クコイル用磁心の製造方法である。この方法によっ
ても層間抵抗が高くなり磁心損失が低減する。研磨を行
なう場合はギャップが大きくないと研磨するのが難しい
が、エッチングではギャップ間隔にあまり関係なく作業
が行える利点がある。ギャップ部には通常はスペ−サを
入れ固定しギャップ間隔が変化しないようにする。ま
た、磁心は磁心ケ−スに入れるか、エポキシ樹脂等でコ
−ティングし絶縁を行い使用する。チョ−クコイルとし
て使用する場合はこれに巻線を行なう。
【0014】エッチングする液の例としては硝酸や硫酸
等の水溶液が挙げられるがこのほかのエッチング液を使
用しても良い。また、電解エッチングを行っても良い。
切断面付近をエッチングするだけでなく磁心全体をエッ
チングしても同様の効果が得られる。エッチング後の磁
心は水洗、乾燥し、防錆油や防錆剤を塗布し、錆を防止
した方が信頼性の高いものが得られる。また、切断面に
電気的絶縁を行なうためにセラミックや樹脂系の膜を形
成する場合もある。
【0015】もうひとつの本発明は、厚さ3μmから50μ
mのFe基アモルファス合金薄帯を巻回し磁心とする工程
と、組織の一部が粒径50nm以下の結晶粒からなるナノ結
晶合金磁心とする熱処理工程と、樹脂により含浸し樹脂
を硬化する工程と、磁路の少なくとも一部を切断する工
程からなるチョ−クコイル用磁心の製造方法において、
切断後切断面を研磨し更にエッチング処理することを特
徴とするチョ−クコイル用磁心の製造方法である。この
方法によれば、更に磁心損失が低いチョ−クコイル用磁
心を実現できる。
【0016】樹脂をできるだけ完全に層間に入れるため
には真空含浸を行なうのが望ましい。切断に用いる砥石
としてはレジノイド結合剤を使用したGC砥石が適して
おり、結合度K〜P、粒度80〜150の範囲のものが特に適
している。切断の条件としては、送り速度0.5から30mm/
min、砥石回転数1000〜4000rpm程度が適している。砥石
の厚さは0.5mmから1.5mm程度の範囲のものが適してい
る。この範囲を越えると薄帯のはがれや切断面のきずが
発生しやすくなる。また、砥石の磨耗や破損が起こりや
すくなる。
【0017】本発明に係わる合金薄帯は通常次のように
製造される。まず、単ロ−ル法や双ロ−ル法等の液体急
冷法により板厚3〜100μm程度のアモルファス合金薄帯
を大気中、アルゴンやヘリウム等の不活性ガス雰囲気中
あるいはヘリウム等の減圧雰囲気で作製する。次に、こ
の合金薄帯を巻回しトロイダル状にした後アルゴンガス
や窒素ガス等の不活性ガス雰囲気中あるいは真空中等で
熱処理し上記微細結晶粒からなる合金薄帯からなる磁心
を作製する。この際合金薄帯表面をSiO2やAl2O3等の酸
化物で被覆し層間絶縁を行うと特に広幅材においてより
好ましい結果が得られ、本発明の製造方法の特性改善効
果がより顕著となる。層間絶縁の方法としては、電気泳
動法によりMgO等の酸化物を付着させる方法、金属アル
コキシド溶液を表面につけこれを熱処理しSiO2、Li2O、
MgO等の酸化物の膜を形成させる方法、リン酸塩やクロ
ム酸塩処理を行い表面に酸化物の被覆を行う方法、Si
O2、Al2O3やMgO等のセラミックスの微粉末を流動させそ
の中を薄帯を通過させ付着する方法等がある。含浸樹脂
としてはエポキシ系、ポリイミド系、アクリル系が耐熱
性、温度特性、付着力の点で好ましいが、無機系のワニ
ス等も使用できる。
【0018】
【実施例】以下本発明を実施例にしたがって説明するが
本発明はこれらに限定されるものではない。 (実施例1)単ロ−ル法により幅6.5mm厚さ17μmのFe
bal.Cu1Nb3Si15.7B6.5アモルファス合金薄帯を作製し
た。次にこの合金薄帯をリチウムシリケ−ト溶液中を通
した後乾燥し厚さ約0.5μmの絶縁層を薄帯両面に形成
し、外径21.5mm、内径12.0mmの巻磁心を作製した。次に
この磁心を窒素ガス雰囲気中550゜Cで1時間熱処理を行っ
た。昇温速度は10゜C/min、冷却速度は20゜C/minとした。
次に、この磁心をエポキシ樹脂で真空含浸し150゜Cで4h
放置し硬化させ、GC砥石により前記磁心を切断しギャ
ップ間隔0.5mmの磁心を作製した。また合金の組織を透
過電子顕微鏡により観察した結果、結晶粒径は13nm、結
晶粒の割合は75%以上であった。次に切断面を研磨する
前と後およびエッチング前後のギャップ付き磁心の20kH
z、0.2Tの室温の磁心損失Pcおよび100kHzにおける
実効比透磁率μ100kと直流重畳特性を測定した。なお、
測定の際ギャップ部にはスペ−サを入れ固定した。得ら
れた結果を表1に示す。
【表1】 本発明磁心は研磨やエッチングを行わない従来のチョ−
クコイル用磁心に比べ磁心損失が低く優れていることが
分る。また、直流重畳特性も同等以上である。
【0019】(実施例2)Febal.Cu1Ta3Si15.7B6.4 (at
%)なる組成を有する幅10mm厚さ10μmのアモルファス合
金薄帯を単ロ−ル法により作製した。次にこの合金薄帯
表面にMgOによる電気泳動法により絶縁層を形成しなが
ら巻回し、外径25mm、内径15mmのトロイダル磁心を作製
した。次にこの磁心を室温から2゜C/minの速度で昇温し
アルゴンガス雰囲気中550゜Cで1時間熱処理を行い、室温
まで2゜C/minの冷却速度で冷却した。次に エポキシ樹
脂で真空含浸し150゜Cに6h保持し硬化させた。次にこの
磁心をGC砥石を用いて外周スライサにより切断し、ギ
ャップを形成した磁心を作製した。また合金の組織を透
過電子顕微鏡により観察した結果、結晶粒径は11nm、結
晶粒の割合は80%以上であった。ギャップを形成した後
研磨やエッチングを行い種々の抵抗値を示す磁心を作製
した。なお、処理を行わなかった場合のRは1Ω未満で
あった。 図1に20kHz,0.2Tにおける磁心損失Pcと磁
心の抵抗値Rの関係を示す。研磨やエッチングを行わな
かったRが1Ω未満の磁心では著しくPcが増加すること
が分る。
【0020】(実施例3)表2に示す組成の幅10mm厚さ
15μmのアモルファス合金薄帯を単ロ−ル法により作製
した。次にこの合金薄帯を外径25mm、内径20mmのトロイ
ダル磁心を作製した。次にこの磁心を室温から5゜C/min
の昇温速度で昇温し、アルゴンガス雰囲気中550゜Cで1時
間の熱処理を行い室温まで1゜C/minの速度で冷却しギャ
ップを形成した磁心を作製した。また合金の組織を透過
電子顕微鏡により観察した結果、結晶粒径は50nm以下で
あり、結晶粒の割合は80%以上であった。これらの磁心
の抵抗値Rおよび20kHz、0.2Tの磁心損失Pcを測定し
た。得られた結果を表2に示す。比較のため従来の切断
しギャップを形成し特に処理を行わない磁心の特性も示
す。
【表2】 本発明の磁心は従来のギャップを形成した磁心より磁心
損失が低く優れており、平滑チョークコイルやアクティ
ブフィルタ用チョ−クコイルに使用した場合、従来のチ
ョ−クコイルより、温度上昇が低く押さえられる。
【0021】(実施例4)実施例1と同様の工程により
Fe74Cu1Nb3Si11.5B9.5の組成を有するナノ結晶合金薄帯
からなる本発明磁心を作製し、磁心の抵抗Rを測定し
た。次に、図3示すアクティブフィルタ回路に本発明磁
心を用いたチョ−クコイルLを使用し、温度上昇△Tを
測定した。比較のため従来の切断後研磨やエッチングを
行わないチョ−クコイルを用いた場合についても検討し
た。測定結果を表3に示す。
【表3】 本発明磁心を用いたチョ−クコイルの温度上昇△Tは従
来の磁心を用いたチョ−クコイルよりも小さく優れてい
ることが分った。本発明磁心を用いたチョ−クコイルは
温度上昇が低く、アクティブフィルタ回路の効率向上や
回路の信頼性を向上することが可能である。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、低損失のチョ−クコイ
ル用磁心およびその製造方法を提供できるためその効果
は著しいものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる磁心の形状の例を示した図であ
る。
【図2】本発明に係わる磁心の20kHz,0.2Tにおける磁心
損失Pcと磁心の抵抗値Rの関係を示した図である。
【図3】アクティブフィルタ回路の一例を示した図であ
る。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組織の一部が平均粒径50nm以下の結晶粒
    からなるFe基ナノ結晶合金薄帯が巻回され、かつ磁路の
    少なくとも一部が切断された構造のチョ−クコイル用磁
    心において、磁心の内周部と外周部との間の抵抗値が10
    mm厚さあたり1Ω以上であることを特徴とするチョ−
    クコイル用磁心。
  2. 【請求項2】 ナノ結晶合金薄帯がCu、Auから選ばれる
    少なくとも一種の元素、Nb,Mo,Ta,Ti,Zr,Hf,V及びWから
    なる群から選ばれた少なくとも1種の元素、Si,Bからな
    る群から選ばれた少なくとも1種の元素とFeを必須元素
    として含む組成であることを特徴とする請求項1のチョ
    −クコイル用磁心。
  3. 【請求項3】 磁心の内周部と外周部との間の抵抗値が
    10mm厚さあたり5Ω以上であることを特徴とする請求
    項1又は請求項2に記載のチョ−クコイル用磁心。
  4. 【請求項4】 厚さ3μmから50μmのFe基アモルファス
    合金薄帯を巻回し磁心とする工程と、組織の一部が粒径
    50nm以下の結晶粒からなるナノ結晶合金磁心とする熱処
    理工程と、樹脂により含浸し樹脂を硬化する工程と、磁
    路の少なくとも一部を切断する工程からなるチョ−クコ
    イル用磁心の製造方法において、切断後切断面を研磨す
    ることを特徴とするチョークコイル用磁心の製造方法。
  5. 【請求項5】 厚さ3μmから50μmのFe基アモルファス
    合金薄帯を巻回し磁心とする工程と、組織の一部が粒径
    50nm以下の結晶粒からなるナノ結晶合金磁心とする熱処
    理工程と、樹脂により含浸し樹脂を硬化する工程と、磁
    路の少なくとも一部を切断する工程からなるチョ−クコ
    イル用磁心の製造方法において、切断後切断面をエッチ
    ング処理することを特徴とするチョ−クコイル用磁心の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 厚さ3μmから50μmのFe基アモルファス
    合金薄帯を巻回し磁心とする工程と、組織の一部が粒径
    50nm以下の結晶粒からなるナノ結晶合金磁心とする熱処
    理工程と、樹脂により含浸し樹脂を硬化する工程と、磁
    路の少なくとも一部を切断する工程からなるチョ−クコ
    イル用磁心の製造方法において、切断後切断面を研磨し
    更にエッチング処理することを特徴とするチョ−クコイ
    ル用磁心の製造方法。
  7. 【請求項7】 合金薄帯がCu、Auから選ばれる少なくと
    も一種の元素、Nb,Mo,Ta,Ti,Zr,Hf,V及びWからなる群か
    ら選ばれた少なくとも1種の元素、Si,Bからなる群から
    選ばれた少なくとも1種の元素とFeを必須元素として含
    む組成であることを特徴とする請求項4乃至請求項6の
    いずれかに記載のチョ−クコイル用磁心の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002134329A (ja) * 2000-10-24 2002-05-10 Hitachi Metals Ltd 信号回線のコモンモード雷サージ電流抑制用磁性部品
CN103060507A (zh) * 2013-01-06 2013-04-24 莱芜钢铁集团有限公司 一种转炉真空炼钢的方法
JP2018053319A (ja) * 2016-09-29 2018-04-05 セイコーエプソン株式会社 軟磁性粉末、圧粉磁心、磁性素子および電子機器
CN114300211A (zh) * 2022-01-13 2022-04-08 中国科学院近代物理研究所 一种卷绕型纳米晶扫描磁铁及其制备方法

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