JPH09241027A - リチウムニッケル複合酸化物とその製造法及びその用途 - Google Patents
リチウムニッケル複合酸化物とその製造法及びその用途Info
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- JPH09241027A JPH09241027A JP8047330A JP4733096A JPH09241027A JP H09241027 A JPH09241027 A JP H09241027A JP 8047330 A JP8047330 A JP 8047330A JP 4733096 A JP4733096 A JP 4733096A JP H09241027 A JPH09241027 A JP H09241027A
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Abstract
製造法を提供することができ、特に正極活物質および非
水系二次電池に使用した場合、大容量の充放電が可能と
なる。また、本発明の新規なリチウムニッケル複合酸化
物は、電池材料の他に、触媒、吸着剤、誘電体、磁性材
料としての用途も期待される。 【解決手段】 組成式Li2NiO2+yで表されyの範囲
が0.0<y<0.3であることを特徴とするリチウム
ニッケル複合酸化物と、その製造法、及びその用途を提
供する。
Description
ケル複合酸化物とその製造法に関し、特に本発明のリチ
ウムニッケル複合酸化物は、大容量の充放電が可能でサ
イクル特性に優れた正極活物質および非水系二次電池に
有用に使用できる。また、本発明の新規なリチウムニッ
ケル酸化物は電池材料の他に触媒、吸着剤、誘電体、磁
性材料としての用途も期待される。
の点から二次電池が多く使われる。二次電池には様々な
種類があり、現在最も一般的なのがニッカド電池で、最
近になってニッケル水素電池も普及しつつある。しかし
リチウムを用いたリチウム二次電池はこれらの二次電池
よりも出力電位が高く高エネルギー密度であるために、
一部実用化され、更に高性能化するために近年盛んに研
究が行われている。このリチウム二次電池の正極材料と
しては現在市販されているものはLiCoO2である。
しかしLiCoO2の原料であるコバルトが高価である
ために、同じ結晶構造をとり、電気化学的な挙動もほと
んど同じでかつ、より安価な原料であるニッケルを用い
たLiNiO2が次世代のリチウム二次電池用の正極材
料であると考えられている。
NiO2が最も安定に存在し比較的簡単に合成できるこ
とが知られている。ニッケルはLiNiO2は結晶中に
てNi3+の状態で存在している。LiNiO2を正極と
して使用した場合、充電を行うことによってリチウムを
構造中から電気化学的に引き抜くことになり、この時に
ニッケルは3+から4+に酸化されることになる。ニッ
ケルは最高酸化数は4+でありこれ以上の酸化を行うこ
とは出来ないので、かりにすべてのリチウムを充電を行
うことによって電気化学的に引き抜くことが出来たとし
ても、その電気容量は1電子当量以上には成り得ない、
すなわちその理論容量である274.6mAh/g以上
にはなり得ない。
物質として用い、実際の電池として作動させた場合、正
極としての容量はこれらの理論容量の半分近くしかない
と言うのが現状である。電気化学的にはそれらの理論容
量の70から80%程度の容量を出すことは可能である
がその場合サイクル性が非常に悪くなり、実用的な二次
電池を構成することが出来なくなる。これはLiNiO
2はいわゆる層状構造でLi層とNiO層から成ってお
りリチウム層からリチウムを抜きすぎるとNiO層間の
反発が大きくなり構造が維持できなくなり結晶構造その
ものが崩壊してしまうためである。またリチウムを抜い
た場合にNiO層中のニッケルがリチウムのサイトに落
ち込みこれがリチウムの拡散を妨げ結果として容量の低
下につながる場合もある。
が採られているが、上記の性質はLiNiO2の基本構
造からくるものであり、根本的な改良はなされていない
のが現状である。このように、公知のリチウムニッケル
複合酸化物には根本的な問題点があり、優れた特性、特
に大容量のリチウム二次電池を提供するには、新規な正
極活物質を用いることが望まれている。
ムアルミニウム等のリチウム合金や、炭素材料、あるい
はリチウムイオンを挿入・脱離できる物質、例えばポリ
アセチレン、ポリチオフェン、ポリパラフェニレン等の
導電性高分子、または遷移金属酸化物、遷移金属硫化
物、遷移金属窒化物、リチウム遷移金属酸化物、リチウ
ム遷移金属硫化物、リチウム遷移金属窒化物などを単独
又は複合体として用いることが出来る。これらの中でも
金属リチウムあるいはリチウムアルミニウム合金が単位
重量あたりの容量が大きいために、高エネルギー密度の
二次電池を構成しうる。しかし、こられのリチウムある
いはリチウムアルミニウムは、充放電を繰り返すことに
よってリチウム金属表面上に樹枝状結晶、いわゆるデン
ドライトが生成する。成長したデンドライトはやがて正
極と接触して電池内部にて短絡を引き起こし、最悪の場
合発火する危険性を伴う。このため、二次電池用の負極
としては、リチウムイオンの内部への挿入−脱離反応を
利用する、これらの金属リチウムあるいはリチウムアル
ミニウム合金以外の材料を用いることが好ましいが、エ
ネルギー密度とその価格から考えると中でも炭素材料が
最も有望であると考えられている。
点を鑑みてなされたものであり、従来にはない構造を持
つリチウムニッケル複合酸化物を用いて、従来よりも大
きな容量を持つ新規な正極活物質を提供し、更にこの新
規な正極活物質とと炭素材料等とを組み合わせて大容量
の二次電池を提供することを目的としている。
点を克服するために、これまでのLiNiO2に代わる
新たな材料を探索した。電気化学的にリチウムあるいは
他のアルカリ金属を脱離させて、そこから化学的なエネ
ルギーを取りだそうとしたときに、より大きなエネルギ
ー密度を得るためには、より多くのリチウムあるいはア
ルカリ金属を脱離させる必要がある。しかし元々の結晶
を構成してる元素を脱離させすぎると、結晶そのものの
構造が維持できなくなり崩壊してしまい、かえって容量
の低下を招く。これを防ぐためにはあらかじめ結晶中に
多くのリチウムあるいはアルカリ金属を含むものを合成
し、そこからこれらの元素を脱離させてやれば結晶の崩
壊が起こらず、かつエネルギー密度の大きな電極材料が
得られるはずであり、かかる上記の課題を克服しうるの
ではないかと考えた。
物について検討を行ったところ、LiNiO2とは全く
異なる構造を持つLi2NiO2+y(0.0<y<0.
3)で表される新規のリチウムニッケル複合酸化物が固
相反応にて合成が可能で、これが非常に有望な電極材料
であることを見いだした。
0.3)はあらかじめ構造中にニッケルに対して二倍以
上のリチウムが存在している。またニッケルは平均価数
で2+から2.6+の間にあり、ニッケル自身は2+〜
4+の価数を取りうるので、Li2NiO2+y(0.0<
y<0.3)から電気化学的に1.4〜2個のリチウム
を脱離させうる可能性がある。仮に組成式をLi2Ni
O2.25(y=0.25)とした場合、ここからリチウム
が1個脱離したとすると約245mAh/g、2個脱離
すると約490mAh/gと非常に大きな容量を持つこ
とがわかる。LiNiO2の場合リチウムが完全に脱離
したとすると約275mAh/gであるが、実用的に使
えるのはそのほぼ半分である。本発明のLi2NiO2+y
(0.0<y<0.3)では、全体のリチウムの半分を
使用したとしても約245mAh/gと非常に大きな容
量を得ることができる。
0.3)とよく似た組成を持つものにLi2NiO2が公
知のものとして存在する。この公知のLi2NiO2は固
相法での合成の報告はなく、LiNiO2への電気化学
的なリチウムの挿入によって得られると報告されている
(H.Rieck et.al.,Z. Anorg. Allg. Chem., 392(1972)1
93, J.R.Dahn et.al., Solid State Ionic 44(1990)8
7, I.Davidson et.al.,Solid State Ionics 46(1991),
I.J.Davidson et.al., Solid State Chem, 105(1993)41
0)。本発明におけるLi2NiO2+y(0.0<y<
0.3)は公知のLi2NiO2とよく似た構造を持つ
が、本発明におけるLi2NiO2+y(0.0<y<0.
3)の方が公知のLi2NiO2よりも多くの酸素を持
ち、別の構造を持った新規の化合物である。
0.3)をCuをターゲットとした封入X線管球を線源
としCuKα線を用いた、粉末X線回折測定を行ったと
ころ、図1に示すX線回折パターンが得られ、これはす
でに報告されているLi2NiO2(JCPDSカード2
6−1175)と比較的よく似たパターンを持っている
ことがわかった。本発明のLi2NiO2+y(0.0<y
<0.3)のX線回折パターンは2θ=19.6±0.
5、25.6±0.5、44.3±0.5、45.3±
0.5、48.5±0.5、58.0±0.5の範囲に
それぞれピークを有し、そのピーク強度比が2θ=2
5.0〜26.0゜に存在するピークを最強強度としこ
れを100と規格化した場合に、それぞれ20〜35、
100、28〜35、18〜22、10〜14、17〜
20である。この回折パターンに指数付けを行ったとこ
ろ、本発明のLi2NiO2+y(0.0<y<0.3)
は、空間群Immmに属することが確認された。
し4jサイトにリチウム、2bサイトにニッケル、そし
て4iサイトに酸素が位置している。本発明のLi2N
iO2+y(0.0<y<0.3)は基本構造はLi2Ni
O2と同じであり、平面四配位NiO4が向かい合う辺を
共有して一次元直鎖状につながり、またそれぞれの直鎖
がそれぞれの面を向かい合わせるように平行に位置し、
これが一種の層(以下ではNiO4層とする)を形成し
ている。しかし本発明のLi2NiO2+y(0.0<y<
0.3)は公知のLi2NiO2とは異なり、yに相当す
る酸素原子を持ち、この酸素は2aサイトつまり、平面
四配位NiO4一次元鎖の間のサイトに入る。これはこ
のサイトが平面四配位NiO4一次元鎖のニッケルとニ
ッケルの間になるために電荷のバランスをとりやすいた
めであることと、このサイトが立体的に考えて最も過剰
の酸素を受け入れやすいサイトであるためである。図2
に本発明のLi2NiO2+y(0.0<y<0.3)の基
本的な構造を示す。またこの位置に酸素が入り込んだ場
合、平面四配位NiO4はその頂点位置に酸素を持つよ
うになるためにピラミッド型NiO5−5面体を形成す
る事になる。この5面体はその頂上の酸素をお互いに平
行な平面四配位NiO4一次元鎖間で共有することにな
り、一種の架橋酸素が形成されるといえる。このために
平面四配位NiO4一次元鎖同士が結合されることにな
り、結果としてNiO4層自身の結合力が増大すること
になる。さらに本発明のLi2NiO2+y(0.0<y<
0.3)が空間群Immmに属し、4jサイトにリチウ
ム、2bサイトにニッケル、4iサイトおよび2aサイ
トに酸素が位置していると仮定したモデルを元にRie
tveld法を用いた粉末X線構造解析を行った結果、
比較的よい一致が見られた。
ケルは2+であるが本発明のLi2NiO2+y(0.0<
y<0.3)においては常にニッケルの価数は2+以上
となる。このためにLi2NiO2+y(0.0<y<0.
3)においては公知のLi2NiO2よりも電子導電性が
よくなることが予想される。
元直鎖平面間に位置するが、その酸素との位置関係は4
つの酸素を頂点とした四面体サイトの中心に相当し、L
iO4四面体層と言い換えることもできる。LiNiO2
の場合、リチウムはNiO6層間に位置し酸素との位置
関係からするとLiO6八面体といえる。スピネル構造
中の四面体サイトと八面体サイトの例をみても明らかな
ように、リチウムの拡散に対しては四面体サイトの方が
有利であり、この事からLiNiO2よりも本発明のL
i2NiO2+y(0.0<y<0.3)の方がLiの拡散
が早く大電流での充放電特性が期待できる。
0.3)を合成するに当たり、酢酸ニッケル、アミド硫
酸ニッケル、硫酸ニッケル(II)二アンモニウム(6
水和物)、安息香酸ニッケル、臭化ニッケル、塩基性炭
酸ニッケル、ニッケルカルボニル、塩化ニッケル、クエ
ン酸ニッケル、シアン化ニッケル、二リン酸ニッケル、
2−エチルヘキサン酸ニッケル、フッ化ニッケル蟻酸ニ
ッケル、水酸化ニッケル次亜リン酸ニッケル、沃化ニッ
ケル、乳酸ニッケル、ナフテン酸ニッケル、硝酸ニッケ
ル、オレイン酸ニッケル、シュウ酸ニッケル、一酸化ニ
ッケル、三酸化二ニッケル、過塩素酸ニッケル、リン酸
ニッケル、ホスフィン酸ニッケル、ピロリン酸ニッケ
ル、ステアリン酸ニッケル、硫酸ニッケル、硫化ニッケ
ル、酒石酸ニッケル、金属ニッケルから成る群より選択
される1種または2種類以上のニッケル原料と、金属リ
チウム、酸化リチウム、過酸化リチウム、硫化リチウ
ム、窒化リチウム、フッ化リチウム、塩化リチウム、臭
化リチウム、ヨウ化リチウム、水酸化リチウム、硝酸リ
チウム、炭酸リチウム、蟻酸リチウム、酢酸リチウム、
安息香酸リチウム、クエン酸リチウム、乳酸リチウム、
しゅう酸リチウム、ピルビン酸リチウム、ステアリン酸
リチウム、および酒石酸リチウムから成る群より選択さ
れる1種または2種類以上のリチウム原料とを用いた。
2.0:1.0から2.5:1.0になるように混合し
て、焼成を行い、本発明のLi2NiO2+y(0.0<y
<0.3)を得ることが出来た。
しかし、あまり温度が低いと反応性が悪いために単一相
を得るために長時間の焼成が必要となり、また逆に温度
が高すぎるとリチウムの昇華−飛散が激しいうえに、製
造コストが高くなってしまううえに、750℃以上の温
度ではNiOが安定化してしまいきわめて反応性が悪く
なりLi2NiO2+y(0.0<y<0.3)が合成でき
ず原料のLi2OとNiOの混合体しか得られない。よ
って好ましい焼成温度は400℃〜750℃である。
合成する場合にリチウムとニッケルの比は化学量論的に
は2.0:1.0であるが、焼成時のリチウムの飛散な
どがあるので出発組成では2.0:1.0〜2.5:
1.0が好ましい。これ以上リチウムの量を増やすとL
i2Oが原料として残存する。また逆に前述の範囲以下
の比であるとNiOが残存する。
ガスを用いた。不活性ガスとしては窒素、ヘリウム、ネ
オン、アルゴン、クリプトンからなる群より選択される
1種または2種類以上のガスを使用することができる。
またこの不活性ガスには0.1%程度ならば、H2O、
CO2等が不純物として含まれていても影響はない。酸
素の体積分率としては0.1〜5%が使用できる。これ
以上酸素の体積分率が大きくなるとLi2NiO
2+y(0.0<y<0.3)ではなく超構造岩塩型であ
るLiNiO2かもしくはそれに関連する構造の化合物
が生成する。焼成温度が高くなると酸素による酸化力が
増すために、酸素の体積分率を下げる必要がある。
0.3)のさらなる製造法として、酢酸ニッケル、アミ
ド硫酸ニッケル、硫酸ニッケル(II)二アンモニウム
(6水和物)、安息香酸ニッケル、臭化ニッケル、塩基
性炭酸ニッケル、ニッケルカルボニル、塩化ニッケル、
クエン酸ニッケル、シアン化ニッケル、二リン酸ニッケ
ル、2−エチルヘキサン酸ニッケル、フッ化ニッケル蟻
酸ニッケル、水酸化ニッケル次亜リン酸ニッケル、沃化
ニッケル、乳酸ニッケル、ナフテン酸ニッケル、硝酸ニ
ッケル、オレイン酸ニッケル、シュウ酸ニッケル、一酸
化ニッケル、三酸化二ニッケル、過塩素酸ニッケル、リ
ン酸ニッケル、ホスフィン酸ニッケル、ピロリン酸ニッ
ケル、ステアリン酸ニッケル、硫酸ニッケル、硫化ニッ
ケル、酒石酸ニッケル、金属ニッケルから成る群より選
択される1種または2種類以上のニッケル原料と、金属
リチウム、酸化リチウム、過酸化リチウム、硫化リチウ
ム、窒化リチウム、フッ化リチウム、塩化リチウム、臭
化リチウム、ヨウ化リチウム、水酸化リチウム、硝酸リ
チウム、炭酸リチウム、蟻酸リチウム、酢酸リチウム、
安息香酸リチウム、クエン酸リチウム、乳酸リチウム、
しゅう酸リチウム、ピルビン酸リチウム、ステアリン酸
リチウム、および酒石酸リチウムから成る群より選択さ
れる1種または2種類以上のリチウム原料とをリチウム
とニッケルのモル比が2.0:1.0〜2.5:1.0
になるように混合し、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴ
ン、クリプトンからなる群より選択される1種または2
種類以上のガス雰囲気下で300から2000℃の温度
範囲で合成した後に、大気雰囲気あるいは不活性雰囲気
に窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトンから
なる群より選択される1種または2種類以上のガスを使
用し、かつ酸素の体積分率が0.1〜20.0%の雰囲
気下で再度100〜2000℃で焼成する事によっても
得られる。再焼成温度はあまり高いとLiNiO2が生
成するので好ましくは100〜750℃である。また酸
素分率は合成しようとするyの値あるいは再焼成の温度
にあわせて調節する必要があり、酸素分率が大きいほど
あるいは再焼成温度が高いほどy値が大きくなる。また
酸化の温度が低ければ大気中での合成が可能である。こ
の製造法においてはいったん酸素のない雰囲気でLi2
NiO2+y(0.0<y<0.3)を合成し、これを酸
化するという方法であるため、前述の不活性ガスー酸素
混合雰囲気中での合成よりも工程が余分に必要となる
が、大気中での酸化が可能であるために、目的のyの値
を持つ物質の合成が大気中での温度制御により得られる
ので、シビアな酸素分圧を気にすることなく合成が可能
であるために産業的価値も高い。
本発明のLi2NiO2+y(0.0<y<0.3)Li2
NiO2+yにおいては合成しうるyの範囲は0.0<y
<0.3であった。これ以上のy値を持つ試料を合成し
ようと試みても岩塩型のLiNiO2が生成した。
0.3)を用いてリチウム二次電池の電極を構成するた
めには、正極活物質としてLi2NiO2+y(0.0<y
<0.3)粉末と、これに導電剤、結着剤及び場合によ
っては、固体電解質を混合して形成される。導電剤には
アセチレンブラック、グラファイト粉末等の炭素材料
や、金属粉末、導電性セラミックスを用いることが出来
るが、これに限定されない。結着剤にはポリテトラフル
オロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系ポリ
マー、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン系ポリマー等を用いることが出来るが、これに限定さ
れない。これらの混合比はリチウムニッケル酸化物10
0重量部に対して、導電剤を1〜50重量部、結着剤を
1〜50重量部とすることができる。導電剤が1重量部
より少ないと電極の抵抗あるいは分極が大きくなり、電
極としての容量が小さくなるために実用的なリチウム二
次電池が構成できない。また導電剤が50重量部より大
きいと電極内のリチウムニッケル酸化物の量が減少する
ために容量が小さくなり好ましくない。結着剤が1重量
部より少ないと、結着能力がなくなってしまい、電極が
構成できなくなる。また結着剤が30重量部より大きい
と、電極の抵抗あるいは分極が大きくなり、かつ電極内
のリチウムニッケル酸化物の量が減少するために容量が
小さくなり実用的ではない。これらの混合物を集電体に
圧着又は、N−メチル−2−ピロリドン等の溶剤に溶か
しスラリー状にし、これを集電体に塗布し乾燥する等の
方法で正極を構成できる。集電体には金属箔、金属メッ
シュ、金属不繊布等の導電性体が使用できる。なお、集
電体の材質および形状はこれらに限定されない。
極は、金属リチウム、リチウムアルミニウム等のリチウ
ム合金や、リチウムイオンを挿入・脱離できる物質、例
えばポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリパラフェニ
レン等の導電性高分子、熱分解炭素、触媒の存在下で気
相分解された熱分解炭素、ピッチ、コークス、タール等
から焼成された炭素、セルロース、フェノール樹脂等の
高分子を焼成して得られる炭素、天然黒鉛、人造黒鉛、
膨張黒鉛等の黒鉛材料、リチウムイオンを挿入・脱離反
応しうるWO2、MoO2等の物質単独又はこれらの複合
体を用いることが出来る。これらの混合物を集電体に圧
着又は、N−メチル−2−ピロリドン等の溶剤に溶かし
スラリー状にし、これを集電体に塗布し乾燥する等の方
法で負極を構成できる。集電体には金属箔、金属メッシ
ュ、金属不繊布等の導電性体が使用できる。なお、集電
体の材質および形状はこれらに限定されない。
オン伝導体には、例えば有機電解液、高分子固体電解
質、無機固体電解質、溶融塩等を用いることが出来る
が、中でも有機電解液が好ましい。有機電解質は、有機
溶媒と電解質から構成される。
エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジエチ
ルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチル
カーボネート、γ−ブチロラクトン等のエステル類やテ
トラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等の
置換ヒドロフラン、ジオキソラン、ジエチルエーテル、
ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、メトキシエトキ
シエタン等のエーテル類、ジメチルスルホキシド、スル
ホオラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、蟻酸メ
チル、酢酸メチル等があげられる。これら有機溶媒は1
種または2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
フッ化リチウム、ヘキサフルオロリン酸リチウム、6フ
ッ化砒素リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチ
ウム、ハロゲン化リチウム、塩化アルミン酸リチウム等
のリチウム塩があげられ、これらのうち少なくとも1種
類以上のものを用いることが出来る。
れない。電解液は、活性アルミニウム、金属リチウム等
により脱水して用いることが好ましく、その含有する水
分としては、1000ppm以下が好ましく、より好ま
しくは100ppmである。また、脱水行程の代わりに
脱水した電解質又は溶媒を使用してもよく、脱水された
溶質と電解質を用いても良い。
極と集電体、及び負極と集電体をそれぞれ外部電極に接
合し、さらにこれらの間に上記のイオン伝導体を介在さ
せて構成される。なおイオン導電体と同時に必要に応じ
て多孔質ポリエチレン、多孔質ポリプロピレンなどのセ
パレーターを介在させても良い。なお、セパレーターの
材質および形状はこれらに限定されない。さらに正極と
負極が接合された外部電極がお互いに接触しないよう
に、ポリプロピレンやポリエチレンなどのパッキングま
たはハーメチックシールなどを行うことが好ましい。こ
れらの、電池の製造工程は、水分の進入を防止するため
に、アルゴン等の不活性雰囲気中か又は極度に乾燥した
空気中で行うことが好ましい。
されず、円筒型、ボタン型、角形、シート状等があげら
れる。
NiO2+y(0.0<y<0.3)からなることを特徴
とする新規なリチウムニッケル複合酸化物が提供され
る。
アミド硫酸ニッケル、硫酸ニッケル(II)二アンモニ
ウム(6水和物)、安息香酸ニッケル、臭化ニッケル、
塩基性炭酸ニッケル、ニッケルカルボニル、塩化ニッケ
ル、クエン酸ニッケル、シアン化ニッケル、二リン酸ニ
ッケル、2−エチルヘキサン酸ニッケル、フッ化ニッケ
ル蟻酸ニッケル、水酸化ニッケル次亜リン酸ニッケル、
沃化ニッケル、乳酸ニッケル、ナフテン酸ニッケル、硝
酸ニッケル、オレイン酸ニッケル、シュウ酸ニッケル、
一酸化ニッケル、三酸化二ニッケル、過塩素酸ニッケ
ル、リン酸ニッケル、ホスフィン酸ニッケル、ピロリン
酸ニッケル、ステアリン酸ニッケル、硫酸ニッケル、硫
化ニッケル、酒石酸ニッケル、金属ニッケルから成る群
より選択される1種または2種類以上のニッケル原料
と、金属リチウム、酸化リチウム、過酸化リチウム、硫
化リチウム、窒化リチウム、フッ化リチウム、塩化リチ
ウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、水酸化リチウ
ム、硝酸リチウム、炭酸リチウム、蟻酸リチウム、酢酸
リチウム、安息香酸リチウム、クエン酸リチウム、乳酸
リチウム、しゅう酸リチウム、ピルビン酸リチウム、ス
テアリン酸リチウム、および酒石酸リチウムから成る群
より選択される1種または2種類以上のニッケル原料と
を、リチウムとニッケルのモル比が2.0:1.0〜
2.5:1.0になるように混合し不活性ガスあるいは
酸素−不活性ガス混合気流中下で焼成することにより、
本発明のLi2NiO2+y(0.0<y<0.3)で表さ
れるリチウムニッケル複合酸化物を形成することを特徴
とするリチウムニッケル複合酸化物が簡単に製造され
る。
リチウム、過酸化リチウム、硫化リチウム、窒化リチウ
ム、フッ化リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨ
ウ化リチウム、水酸化リチウム、硝酸リチウム、炭酸リ
チウム、蟻酸リチウム、酢酸リチウム、安息香酸リチウ
ム、クエン酸リチウム、乳酸リチウム、しゅう酸リチウ
ム、ピルビン酸リチウム、ステアリン酸リチウム、およ
び酒石酸リチウムから成る群より選択される1種または
2種類以上のリチウム原料と、酢酸ニッケル、アミド硫
酸ニッケル、硫酸ニッケル(II)二アンモニウム(6
水和物)、安息香酸ニッケル、臭化ニッケル、塩基性炭
酸ニッケル、ニッケルカルボニル、塩化ニッケル、クエ
ン酸ニッケル、シアン化ニッケル、二リン酸ニッケル、
2−エチルヘキサン酸ニッケル、フッ化ニッケル蟻酸ニ
ッケル、水酸化ニッケル次亜リン酸ニッケル、沃化ニッ
ケル、乳酸ニッケル、ナフテン酸ニッケル、硝酸ニッケ
ル、オレイン酸ニッケル、シュウ酸ニッケル、一酸化ニ
ッケル、三酸化二ニッケル、過塩素酸ニッケル、リン酸
ニッケル、ホスフィン酸ニッケル、ピロリン酸ニッケ
ル、ステアリン酸ニッケル、硫酸ニッケル、硫化ニッケ
ル、酒石酸ニッケル、金属ニッケルから成る群より選択
される1種または2種類以上のニッケル原料をリチウム
とニッケルのモル比が2.0:1.0〜2.5:1.0
になるように混合し、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴ
ン、クリプトンからなる群より選択される1種または2
種類以上の気体からなる不活性ガス雰囲気下で焼成し、
更にこの焼成物を不活性ガス−酸素混合雰囲気下で酸化
することによりLi2NiO2+y(0.0<y<0.3)
で表されるリチウムニッケル複合酸化物を形成すること
を特徴とするリチウムニッケル複合酸化物が簡単に製造
される。
1個のNiに対して2個のLiを持っているために、か
りに1個以上のLiが脱離したとしても、まだ1個のL
iが残っており、十分に結晶構造を維持することが出
来、この時の状態(Li2NiO2+y(0.0<y<0.
3)→LiNiO2+y)においてもも存在するLiの5
0%が抜けたに過ぎずその格子体積そのものの変化はL
iCoO2等に比較して極めて小さく、サイクル特性に
優れた正極活物質が提供できる。
はリチウムが1個抜けたとすると約245mAh/g、
さらに2個抜けたとすると約490mAh/gと非常に
大きな容量の正極活物質を提供することができる。
は、比較的安価なNiを原料に用いているために、Co
に比べて原料価格がきわめて安価であり、産業上の価値
も高い正極活物質及び非水二次電池が得られる。
本発明はこれによりなんら制限されることはない。
って合成した。
比が2.0:1.0になるように秤量して乳鉢にて混合
を行った。これを油圧プレスにて150k/cm2の圧
力で直径8mm厚さ3mmの円盤状に加圧形成した。こ
こまでの秤量−混合−加圧形成の作業は湿度1%以下の
乾燥空気中にて行われた。このようにして得られたペレ
ットを磁製のボート上に置き、99%窒素ガス−1%酸
素ガスを導入した。電気炉内の雰囲気が99%窒素ガス
−1%酸素ガスに十分置き換わった後、電気炉の温度を
室温から750℃まで昇温させて、750℃で12時間
保持した。昇温時及び保持時間の間も99%窒素ガス−
1%酸素ガスを2l/minの流量で流した。所定の保
持時間経過した後に電気炉の温度を下げ、電気炉内の温
度が室温付近の温度になってから試料を取り出した。こ
のようにして得られた粉末は黒色を呈していた。この試
料をA1とする。X線源としてターゲットCuの封入管
を使用し出力2kWにて測定を行った時の粉末のX線回
折パターンを図3に示す。A1のX線回折パターンは2
θ=19.6±0.5、25.6±0.5、44.3±
0.5、45.3±0.5、48.5±0.5、58.
0±0.5の範囲にそれぞれピークを有し、そのピーク
強度比が2θ=25. 6±0.5゜に存在するピーク
を最強強度としこれを100と規格化した場合に、それ
ぞれ20〜35、100、28〜35、18〜22、1
0〜14、17〜20であった。この回折パターンに指
数付けを行ったところ、A1は、空間群Immmに属す
ることが確認された。またヨードメトリー法によるニッ
ケルの価数分析及びICPによる元素分析の結果から、
A1はLi2NiO2.2であることが確認された。
℃にした以外は全く同じ手順を用いて、試料の調製を行
った。この試料をA2とする。このようにして得られた
粉末はいずれも黒色を呈していた。X線回折測定は実施
例1と同様の条件で行った。A2の粉末のX線回折パタ
ーンを図4に示す。この回折パターンに指数付けを行っ
たところ、A2は、空間群Immmに属することが確認
された。またヨードメトリー法によるニッケルの価数分
析及びICPによる元素分析の結果から、A2はLi2
NiO2.05であることが確認された。
%アルゴンガス−5%酸素にした以外は全く同じ手順を
用いて、試料の調製を行った。この試料をA3とする。
このようにして得られた粉末は黒色を呈していた。X線
回折測定は実施例1と同様の条件で行った。この回折パ
ターンに指数付けを行ったところ、A3は、空間群Im
mmに属することが確認された。またヨードメトリー法
によるニッケルの価数分析及びICPによる元素分析の
結果から、A3はLi2NiO2.28であることが確認さ
れた。
料に用いた以外は実施例1と全く同じ手順を用いて、試
料の調製を行った。この試料をA4とする。このように
して得られた粉末は黒色を呈していた。X線回折測定は
実施例1と同様の条件で行った。この回折パターンに指
数付けを行ったところ、A4は、空間群Immmに属す
ることが確認された。またヨードメトリー法によるニッ
ケルの価数分析及びICPによる元素分析の結果から、
A4はLi2NiO2.2であることが確認された。
ルの比が2.5:1.0にした以外は全く同じ手順を用
いて、試料の調製を行った。この試料をA5とする。こ
のようにして得られた粉末は黒色を呈していた。X線回
折測定は実施例1と同様の条件で行った。この回折パタ
ーンに指数付けを行ったところ、A5は、空間群Imm
mに属することが確認された。またヨードメトリー法に
よるニッケルの価数分析及びICPによる元素分析の結
果から、A5はLi2NiO2.2であることが確認され
た。
℃にした以外は全く同じ手順を用いて、試料の調製を行
った。この試料をB1とする。この粉末のX線回折パタ
ーンを図5に示す。X線回折測定は実施例1と同様の条
件で行った。この回折パターンから、B1は原料である
Li2OとNiOの混合体であることが確認された。
℃にした以外は全く同じ手順を用いて、試料の調製を行
った。この試料をB2とする。X線回折測定は実施例1
と同様の条件で行った。この回折パターンから、B2は
NiOとLi2Oの混合体であることが確認された。
%窒素ガス−10%酸素にした以外は全く同じ手順を用
いて、試料の調製を行った。この試料をB3とする。こ
の粉末のX線回折パターンを図6に示す。X線回折測定
は実施例1と同様の条件で行った。この回折パターンか
ら、B3はLiNiO2とLi2NiO2+yの混合体であ
ることが確認された。
ムとニッケルの原子比で1.0:1、3.0:1にした
以外は全く同じ手順を用いて、試料の調製を行った。リ
チウムとニッケルの原子比で1.0:1、3.0:1の
ものをそれぞれB4a、B4bとする。この粉末のX線
回折パターンを図7に示す。X線回折測定は実施例1と
同様の条件で行った。この回折パターンから、B4aと
B4bはそれぞれLi2NiO2+yとNiOあるいはLi
2Oの混合体であることが確認された。
0%窒素ガスにした以外は全く同じ手順を用いて、試料
の調製を行った。この試料をB5とする。X線回折測定
は実施例1と同様の条件で行った。この回折パターンに
指数付けを行ったところ、A4は、空間群Immmに属
することが確認された。またヨードメトリー法によるニ
ッケルの価数分析及びICPによる元素分析の結果か
ら、B5は過剰の酸素を持たないLi2NiO2であるこ
とが確認された。
とNiの原子比が2.0:1.0になるように秤量して
乳鉢にて混合を行った。これを油圧プレスにて150k
/cm2の圧力で直径8mm厚さ3mmの円盤状に加圧
形成した。ここまでの秤量−混合−加圧形成の作業は湿
度1%以下の乾燥空気中にて行われた。このようにして
得られたペレットを磁製のボート上に置き、99.99
%窒素ガスを導入した。電気炉内の雰囲気が99.99
%窒素ガスに十分置き換わった後、電気炉の温度を室温
から750℃まで昇温させて、750℃で12時間保持
した。昇温時及び保持時間の間も99.99%窒素ガス
を2l/minの流量で流した。所定の保持時間経過し
た後に、電気炉の温度を100℃まで下げた後に電気炉
に80%窒素ガス−20%酸素ガスを導入し、12時間
保持しこれを再焼成とした。保持時間の間も80%窒素
ガス−20%酸素ガスを2l/minの流量で流した。
所定の保持時間が経過した後に電気炉の温度を下げ、電
気炉内の温度が室温付近の温度になってから試料を取り
出した。このようにして得られた粉末は黒色を呈してい
た。この試料をA6とする。
行った。A6のX線回折パターンは2θ=19.6±
0.5、25.6±0.5、44.3±0.5、45.
3±0.5、48.5±0.5、58.0±0.5の範
囲にそれぞれピークを有し、そのピーク強度比が2θ=
25.6±0.5゜に存在するピークを最強強度としこ
れを100と規格化した場合に、それぞれ20〜35、
100、28〜35、18〜22、10〜14、17〜
20であった。この回折パターンに指数付けを行ったと
ころ、A6は、空間群Immmに属することが確認され
た。またヨードメトリー法によるニッケルの価数分析及
びICPによる元素分析の結果から、A6はLi2Ni
O2.05であることが確認された。
ヘリウムガスにした以外は全く同じ手順を用いて、試料
の調製を行った。この試料をA7とする。X線回折測定
は実施例1と同様の条件で行った。この回折パターンに
指数付けを行ったところ、A7、空間群Immmに属す
ることが確認された。またヨードメトリー法によるニッ
ケルの価数分析及びICPによる元素分析の結果から、
A7はLi2NiO2.05であることが確認された。
99%アルゴンガス−1%酸素にし、酸化時の温度を7
50℃にした以外は全く同じ手順を用いて、試料の調製
を行った。この試料をA8とする。この回折パターンに
指数付けを行ったところ、A8、空間群Immmに属す
ることが確認された。またヨードメトリー法によるニッ
ケルの価数分析及びICPによる元素分析の結果から、
A8はLi2NiO2.2であることが確認された。
00℃にした以外は全く同じ手順を用いて、試料の調製
を行った。この試料をA9とする。X線回折測定は実施
例1と同様の条件で行った。この回折パターンに指数付
けを行ったところ、A9空間群Immmに属することが
確認された。またヨードメトリー法によるニッケルの価
数分析及びICPによる元素分析の結果から、A9はL
i2NiO2.05であることが確認された。
2.5:1.0にした以外は実施例6と全く同じ手順を
用いて、試料の調製を行った。この試料をA10とす
る。X線回折測定は実施例1と同様の条件で行った。こ
の回折パターンに指数付けを行ったところ、A10は空
間群Immmに属することが確認された。またヨードメ
トリー法によるニッケルの価数分析及びICPによる元
素分析の結果から、A10はLi2NiO2.05であるこ
とが確認された。
℃にした以外は全く同じ手順を用いて、試料の調製を行
った。出発組成がリチウムとニッケルの原子比で2.
0:1、2.5:1のものをそれぞれB6a、B6bと
する。X線回折測定は実施例1と同様の条件で行った。
この回折パターンから、B6a、B6はいずれもNiO
とLi2Oの混合体であることが確認された。
℃にした以外は全く同じ手順を用いて、試料の調製を行
った。この試料をB7とする。X線回折測定は実施例1
と同様の条件で行った。この回折パターンから、B7は
NiOとLi2Oの混合体であることが確認された。
75%窒素ガス−25%酸素ガスにした以外は全く同じ
手順を用いて、試料の調製を行った。この試料をB8と
する。この回折パターンから、B8はLiNiO2とL
i2NiO2+yの混合体であることが確認された。
00℃にした以外は全く同じ手順を用いて、試料の調製
を行った。この試料をB9とする。X線回折測定は実施
例1と同様の条件で行った。この回折パターンから、B
9はLiNiO2とLi2NiO2+yの混合体であること
が確認された。
75℃にした以外は全く同じ手順を用いて、試料の調製
を行った。この試料をB10とする。X線回折測定は実
施例1と同様の条件で行った。この回折パターンに指数
付けを行ったところ、B10は空間群Immmに属する
ことが確認された。またヨードメトリー法によるニッケ
ルの価数分析及びICPによる元素分析の結果から、B
10は過剰酸素を持たないLi2NiO2であることが確
認された。
る3極式電池の概略図である。図8中、1はガラス製セ
ル、2は蓋、3a、3b、3cはいずれもリード、4は
対極を示している。実施例1の方法で合成したA1を乳
鉢にて粉砕した粉末に約10wt%のアセチレンブラッ
クを導電剤として混合し、次に天然黒鉛と約10wt%
のテフロン樹脂粉末を結着剤として混合して、これを錠
剤成型器にてペレット状に成型したものを金属メッシュ
に圧着し正極5とした。金属リチウムシートNiメッシ
ュに圧着したものを負極6として用いた。50体積%エ
チレンカーボネート−50体積%ジエチレンカーボネー
トに1mol/lのLiClO4を溶解させたものを電
解質7として用いた。これらの正極、負極、電解質をガ
ラス製セルの中に組み込み、充放電試験を行った。な
お、以上の作業はArドライボックス内にて行った。
て1.5Vから4.2Vの範囲で充放電を行った場合の
電位の変化を図9に充放電サイクルに伴う容量の変化を
図10と表1に示す。初回の充電では約460mAh/
gの充電が行われ、また放電では約400mAh/gと
いうきわめて大きな容量が得られた。初回充電の容量
は、Li2NiO2.2から約1.9個のリチウムが抜け、
放電においては約1.6個のリチウムが戻ったことをに
相当する。また、充放電効率も非常に高いことがわか
る。
2Vにした場合の、電位の変化を図11に、充放電サイ
クルに伴う容量の変化を図12と表2に示す。一回目の
充電時には約350mAh/gと非常に大きな容量が得
られ、またその電位も非常に平坦である。この容量はL
i2NiO2.2からリチウムが約1.4個のリチウムが抜
けたことを示している。放電においては電位が緩やかに
下降し約160mAh/gの放電容量が得られた。その
後充電及び放電を繰り返しても容量に大きな変化は見ら
れなかった。
A2を乳鉢にて粉砕した粉末に約1wt%のアセチレン
ブラックを導電剤として混合し、次に約50wt%のテ
フロン樹脂粉末を結着剤として混合して、これを錠剤成
型器にてペレット状に成型したものを金属メッシュに圧
着し正極とした。負極及び対極にはには金属リチウムシ
ートをニッケルメッシュに圧着したものを用いた。電解
質としては50体積%プロピレンカーボネート−50体
積%テトラヒドロフランに1mol/lのLiPF6を
溶解させたものを用いた。これらの正極、負極、電解質
を実施例6と同様のガラス製セルの中に組み込み、充放
電試験を行った。
定電流で充放電を行った場合の充放電時の容量の変化を
表3に示す。実施例7の電池も実施例6の電池とほぼ同
様な傾向を示し、大きな容量を有すると共に、充放電効
率も高いことが判った。
あるコイン型電池の概略図である。図13中、8は正極
缶、9は正極集電体、10は負極缶、11は負極集電
体、12はパッキン、13はセパレーターを示してい
る。A3を乳鉢にて粉砕した粉末に約50wt%のアセ
チレンブラックを導電剤として混合し、次に天然黒鉛と
約1wt%のテフロン樹脂粉末を結着剤として混合し
て、これを錠剤成型器にてペレット状に成型したものを
金属メッシュに圧着し正極14とし、また約1wt%の
テフロン樹脂粉末を結着剤として混合して、錠剤成型器
にてペレット状に成型したものを金属メッシュに圧着し
たものを負極15として用いた。10体積%プロピレン
カーボネート−90体積%テトラヒドロフランに0.5
mol/lのLiPF6を溶解させたものを電解質16
として用いた。これらの正極、負極、電解質をコイン型
セルの中に組み込み、2.5Vから4.2Vの電位範囲
において充放電試験を行った。なお、以上の作業はAr
ドライボックス内にて行った。充放電時の容量の変化を
表4に示す。実施例8の電池も実施例6の電池とほぼ同
様な傾向を示し、大きな容量を有すると共に、充放電効
率も高いことが判った。
た以外は実施例11と全く同じ手順を用いて、セルを構
成し定電流にて充放電を行った。LiNiO2はLiO
HとNiOをよく混合して、酸素気流中下750℃で1
2時間焼成する事により得た。このセルの2.5Vから
4.2Vの電位範囲においての充電容量、放電容量及び
充放電効率の変化を表5に示す。表2と表5を比較して
わかるように本発明におけるLi2NiO2+yを用いたセ
ルの方が従来のLiNiO2を用いたセルよりも大きな
容量を持つことがわかる。
ルを使用したLi2NiO2+y(0.0<y<0.3)を
正極に用いることにより、従来のリチウムニッケル複合
酸化物であるLiNiO2と比較してより大容量の電池
を提供することが可能となった。
である。
ーンを示す図である。
1)のX線回折パターンを示す図である。
2.05(A2)のX線回折パターンを示す図である。
ある。
ある。
を示す図である。
図である。
電位の変化の図である。
イクルに伴う容量の変化を示す図である。
の電位の変化を示す図である。
イクルに伴う容量の変化を示す図である。
概略図である。
Claims (23)
- 【請求項1】 組成式Li2NiO2+y(0.0<y<
0.3)で表されることを特徴とするリチウムニッケル
複合酸化物。 - 【請求項2】 Li2NiO2+y(0.0<y<0.3)
が、向かい合う辺を共有した平面四配位NiO4一次元
鎖状につながり、かつそれぞれの一次元鎖の間に酸素が
位置してピラミッド型NiO5を形成し平面四配位Ni
O4一次元鎖が酸素を頂点共有して相互に結合したNi
−O二次元平面を有する請求項1に記載のリチウムニッ
ケル複合酸化物。 - 【請求項3】 空間群Immmに属する構造を有する請
求項1又は2のいずれかに記載のリチウムニッケル複合
酸化物。 - 【請求項4】 CuKα線を用いたX線回折パターンに
おいて、少なくとも2θ=19.6±0.5、25.6
±0.5、44.3±0.5、45.3±0.5、4
8.5±0.5、58.0±0.5の範囲にそれぞれピ
ークを有している請求項1、2、又は3のいずれかに記
載のリチウムニッケル複合酸化物。 - 【請求項5】 CuKα線を用いたX線回折パターンに
おいて、少なくとも2θ=19.6±0.5、25.6
±0.5、44.3±0.5、45.3±0.5、4
8.5±0.5、58.0±0.5の範囲にそれぞれピ
ークを有し、そのピーク強度比が2θ=25.0〜2
6.0゜に存在するピークを最強強度としこれを100
と規格化した場合に、それぞれ20〜35、100、2
8〜35、18〜22、10〜14、17〜20で定義
される請求項1、2、3、又は4のいずれかに記載のリ
チウムニッケル複合酸化物。 - 【請求項6】 金属リチウム、酸化リチウム、過酸化リ
チウム、硫化リチウム、窒化リチウム、フッ化リチウ
ム、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、水
酸化リチウム、硝酸リチウム、炭酸リチウム、蟻酸リチ
ウム、酢酸リチウム、安息香酸リチウム、クエン酸リチ
ウム、乳酸リチウム、しゅう酸リチウム、ピルビン酸リ
チウム、ステアリン酸リチウム、および酒石酸リチウム
から成る群より選択される1種または2種類以上のリチ
ウム原料と、酢酸ニッケル、アミド硫酸ニッケル、硫酸
ニッケル(II)二アンモニウム(6水和物)、安息香
酸ニッケル、臭化ニッケル、塩基性炭酸ニッケル、ニッ
ケルカルボニル、塩化ニッケル、クエン酸ニッケル、シ
アン化ニッケル、二リン酸ニッケル、2−エチルヘキサ
ン酸ニッケル、フッ化ニッケル蟻酸ニッケル、水酸化ニ
ッケル次亜リン酸ニッケル、沃化ニッケル、乳酸ニッケ
ル、ナフテン酸ニッケル、硝酸ニッケル、オレイン酸ニ
ッケル、シュウ酸ニッケル、一酸化ニッケル、三酸化二
ニッケル、過塩素酸ニッケル、リン酸ニッケル、ホスフ
ィン酸ニッケル、ピロリン酸ニッケル、ステアリン酸ニ
ッケル、硫酸ニッケル、硫化ニッケル、酒石酸ニッケ
ル、金属ニッケルから成る群より選択される1種または
2種類以上のニッケル原料を混合し、これを原料として
不活性ガス−酸素混合雰囲気下において焼成によりLi
2NiO2+y(0.0<y<0.3)で表されるリチウム
ニッケル複合酸化物を形成することを特徴とするリチウ
ムニッケル複合酸化物の製造法。 - 【請求項7】 リチウムとニッケルのモル比が2.0:
1.0〜2.5:1.0である請求項6に記載のリチウ
ムニッケル複合酸化物の製造法。 - 【請求項8】 原料が酸化リチウム(Li2O)と酸化
ニッケル(NiO)である請求項6又は7のいずれかに
記載のリチウムニッケル複合酸化物の製造法。 - 【請求項9】 焼成時の雰囲気が窒素、ヘリウム、ネオ
ン、アルゴン、クリプトンからなる群より選択される1
種または2種類以上の気体からなり、かつ酸素の体積分
率が0.1〜10.0%である請求項6、7、又は8の
いずれかに記載のリチウムニッケル複合酸化物の製造
法。 - 【請求項10】 焼成温度が300〜2000℃である
請求項6、7、8又はの9いずれかに記載のリチウムニ
ッケル複合酸化物の製造法。 - 【請求項11】 焼成温度が400〜750℃である請
求項10に記載のリチウムニッケル複合酸化物の製造
法。 - 【請求項12】 金属リチウム、酸化リチウム、過酸化
リチウム、硫化リチウム、窒化リチウム、フッ化リチウ
ム、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、水
酸化リチウム、硝酸リチウム、炭酸リチウム、蟻酸リチ
ウム、酢酸リチウム、安息香酸リチウム、クエン酸リチ
ウム、乳酸リチウム、しゅう酸リチウム、ピルビン酸リ
チウム、ステアリン酸リチウム、および酒石酸リチウム
から成る群より選択される1種または2種類以上のリチ
ウム原料と、酢酸ニッケル、アミド硫酸ニッケル、硫酸
ニッケル(II)二アンモニウム(6水和物)、安息香
酸ニッケル、臭化ニッケル、塩基性炭酸ニッケル、ニッ
ケルカルボニル、塩化ニッケル、クエン酸ニッケル、シ
アン化ニッケル、二リン酸ニッケル、2−エチルヘキサ
ン酸ニッケル、フッ化ニッケル蟻酸ニッケル、水酸化ニ
ッケル次亜リン酸ニッケル、沃化ニッケル、乳酸ニッケ
ル、ナフテン酸ニッケル、硝酸ニッケル、オレイン酸ニ
ッケル、シュウ酸ニッケル、一酸化ニッケル、三酸化二
ニッケル、過塩素酸ニッケル、リン酸ニッケル、ホスフ
ィン酸ニッケル、ピロリン酸ニッケル、ステアリン酸ニ
ッケル、硫酸ニッケル、硫化ニッケル、酒石酸ニッケ
ル、金属ニッケルから成る群より選択される1種または
2種類以上のニッケル原料を混合し、これを原料として
不活性ガス雰囲気中にて焼成し、更にこの焼成物を不活
性ガス−酸素混合雰囲気下で酸化することによりLi2
NiO2+y(0.0<y<0.3)で表されるリチウム
ニッケル複合酸化物を形成することを特徴とするリチウ
ムニッケル複合酸化物の製造法。 - 【請求項13】 不活性ガス雰囲気が窒素、ヘリウム、
ネオン、アルゴン、クリプトンからなる群より選択され
る1種または2種類以上の気体である請求項12に記載
のリチウムニッケル複合酸化物の製造法。 - 【請求項14】 酸化時の不活性ガス−酸素混合雰囲気
が窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトンから
なる群より選択される1種または2種類以上の気体から
なり、かつ酸素の体積分率が0.1〜20.0%である
請求項12に記載のリチウムニッケル複合酸化物の製造
法。 - 【請求項15】 リチウムとニッケルのモル比が2.
0:1.0〜2.5:1.0である請求項12、13、
又は14のいずれかに記載のリチウムニッケル複合酸化
物の製造法。 - 【請求項16】 原料が酸化リチウム(Li2O)と酸
化ニッケル(NiO)である請求項12、13、14、
又は15のいずれかに記載のリチウムニッケル複合酸化
物の製造法。 - 【請求項17】 焼成温度が400〜750℃である請
求項12、13、14又は15のいずれかに記載のリチ
ウムニッケル複合酸化物の製造法。 - 【請求項18】 酸化の温度が100〜750℃である
請求項17に記載のリチウムニッケル複合酸化物の製造
法。 - 【請求項19】 請求項1、2、3、4又は5のいずれ
かに記載のリチウムニッケル複合酸化物を用いてなるこ
とを特徴とする正極活物質。 - 【請求項20】 請求項1、2、3、4又は5のいずれ
かに記載のリチウムニッケル複合酸化物を正極活物質と
して含む正極と、リチウム金属またはリチウムを吸蔵放
出可能な物質からなる負極と、イオン伝導体からなるこ
とを特徴とする非水系二次電池。 - 【請求項21】 負極が、黒鉛材料である請求項20に
記載の非水系二次電池。 - 【請求項22】 負極が、炭素材料である請求項20に
記載の非水系二次電池。 - 【請求項23】 イオン伝導体が、非水電解質である請
求項20に記載の非水系二次電池。
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