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JPH09239520A - エレクトロスラグホットトップ法 - Google Patents

エレクトロスラグホットトップ法

Info

Publication number
JPH09239520A
JPH09239520A JP4897396A JP4897396A JPH09239520A JP H09239520 A JPH09239520 A JP H09239520A JP 4897396 A JP4897396 A JP 4897396A JP 4897396 A JP4897396 A JP 4897396A JP H09239520 A JPH09239520 A JP H09239520A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
slag
alloy
solid phase
molten
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4897396A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Nakama
敦司 中間
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Metals Ltd filed Critical Hitachi Metals Ltd
Priority to JP4897396A priority Critical patent/JPH09239520A/ja
Publication of JPH09239520A publication Critical patent/JPH09239520A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に合金工具鋼を対象にして、ひけ巣やザク
巣など主に鋳塊上部に形成される鋳造欠陥を防止して歩
留向上を図るとともに、鋳塊内部に生成する逆V偏析を
抑制する。 【解決手段】 スラグの温度を、合金溶湯の固相率が10
〜50%の温度になるように制御するとともに、少なくと
も複数の電極を押湯枠内壁寄りに立設し、その温度域で
一定時間保持する工程と溶湯上部の固相率が10〜50%の
範囲になるように電極の位置を押湯枠の軸心寄りに移動
させる工程からなるエレクトロスラグホットトップ法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高品質の大型鋳塊
の造塊方法に係るエレクトロスラグホットトップ法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、10トン以上の大型鋳塊について
は、凝固収縮に伴う欠陥、ザク巣等の欠陥を防止するた
めに鋳塊の頭部に押湯部を設け、押湯部の保温のために
発熱剤を装入するなど、各種の工夫がなされている。こ
れに対して、本発明が対象とするエレクトロスラグホッ
トトップ法は、押湯枠内の合金溶湯面上に溶融スラグを
装入し、そのスラグ内に電極端部を浸漬して、電極と合
金溶湯との間、あるいは複数電極間に電流を流しスラグ
の抵抗発熱を利用して合金溶湯上部を加熱する造塊技術
であり、別名ESHT法、あるいはEST法とも呼ばれ
ている。この方法は、オーストリアVEW社によって開
発され(特公昭47−39817号)、その実例が報告
(Electric Furnance Proceeding VoL.33.Dec 1975 P185
〜189)されている。その後、スラグの組成を工夫した提
案(例えば特公昭59−31426号,日本金属学会会
報 第23巻 第4号(1984) P282/283)などホットトップ法
に関して多くの改良がなされている。
【0003】エレクトロスラグホットトップ法(以下代
表してESHT法と記す)の基本的な概略図を図2に示
す。別容器内で溶解された合金溶湯は、図1に示す鋳型
2内に注湯し、押湯枠3内の合金溶湯面上に装入された
溶融スラグ内に電極の端部を浸漬して電流を流し、抵抗
発熱によって、通常、溶湯の液相線以上の温度に加熱を
することにより、合金溶湯上部を最後に凝固させて鋳塊
上部に形成されるひけ巣、ザク巣などの鋳塊頭部の凝固
収縮に伴う欠陥を抑制することにある。そして、上記電
極を複数本用いる場合には、一般に冷却速度が大きい溶
湯上部の円周側に電極を固定して立設することにより、
溶湯上部の早期凝固が防止されている。上記手段は、例
えば大型の鋳塊によって製造されるタービンロータなど
の製造で実用化され、対象合金としては、Cr−Ni−
Mo鋼、Cr−Mo−V鋼等、炭素が0.3%程度の構造用
鋼などがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
ESHT法は、ひけ巣やザク巣などの鋳造欠陥を抑制す
る目的から、スラグの加熱温度を合金溶湯の液相線温度
以上の温度に保持した後、冷却することによって、溶湯
上部の早期凝固を抑えていた。ところが、工具鋼等、特
にCが0.5%以上、かつCを除く炭化物形成元素の合計が
5%以上を含有するFeを主体とする高炭素高合金鋼にお
いては、固液共存域の温度範囲が低Cの低合金鋼と比較
して一般に広くなり、ザク巣欠陥よりも凝固途中の固液
共存域での溶湯の対流等による逆V偏析と呼ばれる欠陥
の方が、鋼塊の品質に大きな影響を与える問題がある。
【0005】そのため、上記のような高炭素高合金鋼の
造塊にESHT法を適用すると、ザク巣欠陥に対しては
良い効果を与えるが、鋳型内で溶湯の上部と下部の温度
差が大きくなって凝固過程で生じる溶湯の対流が大きく
なり、逆V偏析の出現を助長するため、逆効果であると
言われていた。本発明の目的は、ひけ巣やザク巣など主
に鋳塊上部に形成される鋳造欠陥を防止して歩留向上を
図るとともに、鋳塊内部に生成する逆V偏析を抑制する
エレクトロスラグホットトップ法を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】フレミング、メフラビア
ンらによって提案された、逆V偏析が発生する条件は、
下記に示す式(1)を満足する場合に起こると言われて
いる。 (V・∇T)/ε<−1 ・・・(1) ここで、流速ベクトル:V、温度勾配:∇T、温度変化
率:εである。合金溶湯の凝固中においては、溶湯が低
温側から高温側に向かって流動している場合に、その流
れに伴う温度変化率V・∇Tが、その温度変化率εより
も大きくなる場合には再溶解が起き、通常、液相成分の
多い(solute-rich)部分が発生すると説明されている。
流速ベクトルVについては、その大きさを小さくできれ
ば、式(1)の左辺の値は、他のパラメータ∇T、ε等
が一定であるとすると、その絶対値は小さくでき、偏析
の発生を抑えることができる。
【0007】次に流速ベクトルVの大きさを小さくする
ためには、固液共存域での凝固中流動特性として、固相
が増すにしたがって、通常固相率の2乗から6乗に比例
して流動が抑えられる。発明者が高炭素高合金鋼につい
て詳細に検討を行なった結果、鋳型内に注湯した合金溶
湯の上部温度、すなわち押湯部の湯面近傍の温度を、少
なくとも逆V偏析が発生するまでの時間帯(ほぼ、鋳塊
の直径の2/3が凝固するまでの時間帯)において固相率で
30%前後になるように保持することで、ザク巣欠陥に対
する効果もある程度保持しながら、通常のESHTをし
ない場合よりも、溶湯の流動を抑えて、逆V偏析の発生
を低減することができることがわかった。
【0008】すなわち本発明は、鋳型および押湯枠内に
注湯した合金溶湯上にスラグを装入し、前記スラグ内に
複数からなる電極の端部を浸漬して、抵抗発熱により、
前記合金溶湯の上部を加熱するエレクトロスラグホット
トップ法において、前記スラグの温度を、合金溶湯の固
相率が10〜50%の温度になるように制御するとともに、
少なくとも前記電極を前記押湯枠内壁寄りに立設し、そ
の温度域で一定時間保持する工程と前記溶湯上部の固相
率が10〜50%の範囲になるように前記電極の位置を前記
押湯枠の軸心寄りに移動させる工程からなることを特徴
とするエレクトロスラグホットトップ法である。上記方
法を適用して、特に偏析軽減の効果が大きい合金溶湯の
組成は、少なくとも重量%でC 0.5%以上、かつCを除く
炭化物形成元素の合計が5%以上を含有するFeを主体と
する合金工具鋼である。
【0009】
【発明の実施の形態】次に本発明のESHT法における
作用、および数値限定理由について説明する。鋳型内に
注湯された合金の溶湯は、液相線以上の高温状態である
が、注湯直後から、接触する鋳型内面や底部の定盤側か
ら内部に向かって凝固が進行する。これに対して溶湯上
部は、鋳込み直後に予め別容器により溶融状態にしたス
ラグを溶湯面上に装入するとともに、このスラグ中に複
数の電極の端部を浸漬し、さらに押湯枠内壁寄りに同心
円状に等間隔で立設した後、電流を流して加熱し、一定
時間保持する工程によって、溶湯上部全面が早期に凝固
しないようにする。この際、スラグの温度を注湯した合
金溶湯の固相率が10〜50%の温度になるように、比較的
低温度で制御することが重要である。
【0010】スラグの保持温度が合金溶湯の固相率 10%
未満では、溶湯上部の温度が高すぎ、凝固途中の溶湯流
動を十分抑制できなくなって逆V偏の防止効果ができな
くなる。また、合金溶湯の固相率が50%を越えるスラグ
温度では、溶湯上部の温度が低下しすぎて、ひけ巣やザ
ク巣が発生する原因になる。したがって、加熱する溶融
スラグの温度範囲を合金溶湯の固相率 10〜50%とする。
上記本発明の第1の工程を経た後、溶湯上部の外周部
は、鋳型や押湯枠内面からの抜熱により凝固が進行し、
スラグの制御温度以下となる。この際、前記第1の工程
で押湯枠内壁寄りに立設した電極を溶湯上部の温度低
下、すなわち溶湯の固相率が10〜50%になる位置に合わ
せて複数の電極を押湯枠の軸心寄りに移動させる第2の
工程により、鋳塊上部の軸心部が最終的に凝固させる。
このようにして得られた鋳塊は、逆偏析が大幅に減少
し、しかもひけ巣やザク巣が著しく低減された高品質な
ものである。
【0011】なお、合金の固相率は、溶解する合金組成
と同じ化学成分のものを予め少量溶解して試験片を作成
し、これを示差熱量計(DSC)を用いて、凝固に伴う
潜熱の発生を測定することにより、潜熱の発生と固相の
増加は比例すると仮定して、固相率と温度の関係を求め
ることができる。その他、例えば市販されている各種合
金元素の熱力学的計算から求められるソフトウェア(商
品名:Thermo-Calcなど)を用いて合金の固相率と温度の
関係を求めることができる。また、溶湯上部の固相率は
上記方法によって予め求めた固相率に対応する温度を知
り、溶湯温度を実測することに溶湯上部の固相率の変化
に合わせて電極を移動させるのが望ましい。本発明方法
は、合金溶湯の固液共存の温度範囲が広いJIS規格の冷
間工具鋼のうち、特にSKD1,SKD11,SKD1
2,またはこれらの改良材である高炭素合金鋼などの造
塊に適している。
【0012】(実施例)本発明の実施例を図1に示す概
略図によって説明する。平均径が1000mmの10トン鋳塊を
本発明方法によるESHT法で造塊した。造塊に用いた
合金は、1.5%C、12%Crを主成分とする高C高合金鋼
で、別容器のアーク炉により溶解した溶湯を鋳型2に注
湯し、300kgのCaO−Al23−CaF2系の溶融スラ
グ5を溶湯面上に装入した。次いで、直径が100mmの3
本の電極6をスラグ中に浸漬し、ピッチサークル 750mm
φの同心円状の位置に等間隔に配置した。続いてこのス
ラグ温度を約1370℃に保持するように、約400〜600kwの
電源で4時間通電し、その後電極近傍のスラグ温度を13
70℃に保ちながら、ピッチサークルを400mmφの同心円
状に電極6′の位置まで1時間かけて押湯枠3の軸心寄
りに移動させてESHT鋳塊を製造した。なお、スラグ
温度 1370℃は、前述した示差熱量計(DSC)により
得られた固相率 30%相当の温度である。
【0013】(比較例1)上記実施例と同一の寸法の鋳
型と押湯枠を用い、電極の配置をピッチサークル750mm
φに固定したままで鋳造した以外は、同じ方法でESH
T鋳塊を製造して比較材とした。
【0014】(比較例2)上記実施例と同一の寸法の鋳
型と押湯枠を用い、ESHT法を用いない従来法である
鋳型に注湯後、50kgの保温剤を溶湯面上に装入しただけ
で造塊した鋳塊を製造し、本発明の実施例と比較した。
図2は、本発明法および比較例1,2によって、それぞ
れ同じ合金の溶湯を同一寸法の鋳型で造塊した鋳塊の押
湯部を除いた全長を下部から上部にわたって12等分に
輪切り状に切断し、それぞれの横断面について、100mm
×100mmの単位面積当りの粒状逆V偏析個数を目視でカ
ウントし、その平均値をプロットしたものである。
【0015】図2から、スラグの温度を従来より低温に
制御するESHT法によって得られた鋳塊は、ESHT
法を用いない従来法の造塊に比較して逆V偏析の発生が
著しく抑制されている。このうち、特にスラグの温度を
従来より低温に制御するとともに、スラグ装入後の初期
の段階で電極を押湯枠内壁寄りに配置して一定時間保持
した後、押湯枠の軸心寄りに移動させる本発明法が、さ
らに逆V偏析防止効果が高いことがわかる。また、上記
本発明法による鋳塊には、大きいひけ巣やザク巣欠陥も
認められず概ね健全な鋼塊であった。
【0016】
【発明の効果】本発明により、偏析の少ない比較的大き
い鋳塊を安価に製造することが可能となる。特に10ton
以上の高炭素高クロム鋼に代表される工具鋼について
は、大きな鋳塊が製造可能となることにより、後工程で
の鍛造比が大きく取れることから、最終製品の機械的性
質、特に抗折力や引張強さが大きく、かつ靭性の高い鋼
を製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のESHT法を示す概念図である。
【図2】従来のESHT法を示す概念図である。
【図3】本発明のESHT法とその比較法により得られ
た鋳塊、およびESHT法を用いない従来法による鋳塊
の性状を比較する図であり、鋳塊の高さ方向の位置と、
逆V偏析の欠陥個数との関係を示す。
【符号の説明】
1 定盤、2 鋳型、3 押湯枠、4 溶湯、5 スラ
グ、6 電極、7 電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 38/00 302 C22C 38/00 302E

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋳型および押湯枠内に注湯した合金溶湯
    上にスラグを装入し、前記スラグ内に複数からなる電極
    の端部を浸漬して、抵抗発熱により、前記合金溶湯の上
    部を加熱するエレクトロスラグホットトップ法におい
    て、前記スラグの温度を、合金溶湯の固相率が10〜50%
    の温度になるように制御するとともに、少なくとも前記
    電極を前記押湯枠内壁寄りに立設し、その温度域で一定
    時間保持する工程と前記溶湯上部の固相率が10〜50%の
    範囲になるように前記電極の位置を前記押湯枠の軸心寄
    りに移動させる工程からなることを特徴とするエレクト
    ロスラグホットトップ法。
  2. 【請求項2】 合金溶湯の組成のうち、少なくとも重量
    %で、C 0.5%以上、かつCを除く炭化物形成元素の合
    計が5%以上を含有するFeを主体とする合金工具鋼であ
    る請求項1に記載のエレクトロスラグホットトップ法。
JP4897396A 1996-03-06 1996-03-06 エレクトロスラグホットトップ法 Pending JPH09239520A (ja)

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JP4897396A JPH09239520A (ja) 1996-03-06 1996-03-06 エレクトロスラグホットトップ法

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013049082A (ja) * 2011-08-31 2013-03-14 Honda Motor Co Ltd 鋳造装置及び鋳造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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