JPH09205851A - 普通形コンバインの刈取前処理部 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 操縦性を向上させることができ、豆類の刈取
りの際には脱粒を少なくできる普通型コンバインの刈取
前処理部を提供する。 【解決手段】植立茎稈の各条毎に対応する刈取装置１４
と、刈取茎稈を後方のオーガ８へ搬送する搬送装置１５
と、接地体１６とを備えた刈取処理部７を、左右に複数
並設するとともに、前記オーガ８で寄せ集めた刈取茎稈
を後方の脱穀装置３へ搬送する搬送コンベアを備え、搬
送装置１５を構成するに、刈取茎稈を始端側ですくい上
げて載置搬送する縦回し型の突起付きの無端回動体を設
け、前記刈取装置１４を前記突起付きの無端回動体の始
端部の前方側に配置してある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、植立茎稈の各条毎
に対応する刈取装置と、刈取茎稈を後方のオーガへ搬送
する搬送装置と、接地体とを備えた刈取処理部を、左右
に複数並設するとともに、前記オーガで寄せ集めた刈取
茎稈を後方の脱穀装置へ搬送する搬送コンベアを備えた
普通型コンバインの刈取前処理部に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、上記の普通型コンバインの刈取前
処理部では、特開平7-115821号公報に開示されているよ
うに、刈取茎稈を挟持搬送する左右一対の横回し型の無
端回動体を設けて前記搬送装置を構成してあった。この
横回し型の無端回動体は、茎稈が刈取装置で切断されて
しまうと始端側での挟持取入れが困難になり、そのため
に、同公報の図３に示されるように、刈取装置としての
カッターを、搬送装置の始端部よりも少し後方に配置し
て、茎稈を切断前に挟持するようにしていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の構成によれ
ば、刈取装置としてのカッターを、搬送装置の始端部よ
りも少し後方に配置してあったために、運転者側から回
転刃が見えにくく、操縦性の面で改善の余地があった。
また、搬送装置から茎稈に挟持力が加わるために、豆類
の刈取りでは豆を覆うさやがはじけて脱粒しやすかっ
た。

【０００４】本発明の目的は、操縦性を向上させること
ができ、豆類の刈取りの際には脱粒を少なくできる普通
型コンバインの刈取前処理部を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

〔構成〕請求項１にかかる発明の特徴構成は、冒頭に記
載した普通型コンバインにおいて、前記搬送装置を構成
するに、刈取茎稈を始端側ですくい上げて載置搬送する
縦回し型の突起付きの無端回動体を設け、前記刈取装置
を前記突起付きの無端回動体の始端部の前方側に配置し
てあることにある。

【０００６】請求項２にかかる発明の特徴構成は、請求
項１にかかる発明において、前記搬送装置側から前方に
延出したカッター支持フレームで円盤形のカッターを縦
軸芯周りに回転する状態に支持して前記刈取装置を構成
し、各カッター支持フレームに前記接地体を設け、機体
の走行に伴って、各カッターが圃場面の凹凸に追従して
各別に上下動するのを許容する上下位置変更機構を、各
カッター支持フレームの基端側に設けてあることにあ
る。

【０００７】〔作用〕請求項１の構成によれば、 〔イ〕刈取装置が植立茎稈を切断し、縦回し型の突起付
きの無端回動体が刈取茎稈を始端側ですくい上げて載置
搬送する。前記突起付きの無端回動体は、上記のように
縦回し型に構成してあるから、茎稈が刈取装置で切断さ
れて地面に放置された状態にあっても始端側で確実にす
くい上げて取り込むことができ、刈取茎稈の取り残しを
防止できる。

【０００８】〔ロ〕刈取装置は、突起付きの無端回動体
の始端部の前方側に配置してあるから、運転者側から刈
取装置がよく見えて、操縦を簡単に行うことができるよ
うになる。

【０００９】〔ハ〕刈取茎稈を載置搬送するから、従来
のような挟持搬送に比べると、搬送時の茎稈に外力がほ
とんど加わらす、例えば豆類の刈取り時においては、豆
を覆うさやがはじけにくくなって脱粒を回避することが
できる。

【００１０】請求項２の構成によれば、 〔ニ〕上記作用〔イ〕，〔ロ〕，〔ハ〕と同様の作用に
加え、機体の走行に伴って、各カッターが圃場面の各条
の凹凸に追従して各別にその上下動を許容されるから、
例えば各条の圃場面の高さが異なっていても、それらの
カッターを各条の圃場面の高さに合わせて最適の刈り高
さに設定することができる。

【００１１】〔効果〕従って、請求項１の構成によれ
ば、上記作用〔イ〕，〔ロ〕，〔ハ〕により、操縦性を
向上させることができ、豆類の刈取りの際には脱粒を少
なくできる普通型コンバインの刈取前処理部を提供する
ことができた。

【００１２】請求項２の構成によれば、上記請求項１の
構成による効果と同様の効果を奏することができるのに
加え、作業性を向上させることができるようになった。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図１に、豆類を刈取脱穀する普通
形コンバインを示している。この普通形コンバインは、
左右一対のクローラ走行装置１に支持された走行機体２
に、脱穀装置３・操縦部４・原動部等を搭載装備し、刈
取前処理部５を、プラットホームフレーム６を介して走
行機体２の前端部で横軸芯Ｘ１周りに揺動自在に支持し
て構成してある。

【００１４】前記刈取前処理部５は、図２に示すよう
に、それぞれ植立茎稈の２条づつに対応する左右一対の
ロークロップヘッダ７（刈取処理部に相当）と、ローク
ロップヘッダ７で刈り取られ、かつ、後方に搬送される
刈取穀稈を左右方向で一箇所に寄せ集めて後方へ送り出
すオーガ８と、オーガ８からの刈取穀稈を脱穀装置３へ
搬送する搬送コンベア９とから成る。

【００１５】前記一対のロークロップヘッダ７は、刈取
主フレーム１０を介して後ろ側の横向き伝動軸１１周り
に各別に揺動自在に前記プラットホームフレーム６の前
端部で支持してあり、それぞれのロークロップヘッダ７
を構成するに、複数本のパイプ材からなる３角枠形状の
デバイダ１２と、油圧モータ１３で駆動回転する円盤形
のカッタ１４（刈取装置の一例）とを、植立茎稈の各条
に対応させて左右に一対づつ設けるとともに、刈取茎稈
を始端側ですくい上げて載置搬送する後ろ上がり傾斜姿
勢の縦回し型の突起付きチェーン１５（搬送装置の一
例）を、前記一対のカッタ１４間の後方に設け、接地体
としての前後一対のゲージ輪１６，１７を各条に対応さ
せて左右に一対設けてある。

【００１６】図３に示すように、前記一対のカッタ１４
を、突起付きチェーン１５の始端部の前方側でカッタ中
心軸が刈取対象の２条の植立茎稈を挟んで位置するよう
に、刈取主フレーム１０の前端から前方に延びる一対の
カッター支持フレーム１８で各別に支持し、両カッタ１
４の回転方向を、２条の植立茎稈を前方側から後方側に
向けて切断するように内向きに設定して、茎稈の刈取搬
送が円滑に行われるよう構成してある。

【００１７】また、前記前側のゲージ輪１６を前記カッ
ター支持フレーム１８に取付け、機体の走行に伴って、
各カッター１４が圃場面の各条の凹凸に追従して各別に
その上下動を許容されるように、各カッター支持フレー
ム１８の基端部を刈取主フレーム１０の前端に上下揺動
自在に連結してある（図５参照）。図４（イ），（ロ）
に、各カッター１４が圃場面の各条の凹凸に追従して各
別にその上下動を許容される状態を示している。前記カ
ッター支持フレーム１８の連結構造で上下位置変更機構
２９を構成する。カッター支持フレーム１８の後端部か
らは支持部材１９を立ち上げて、その上端部で前記デバ
イダ１２の後端部を支持してある。

【００１８】図３，図６に示すように各前側のゲージ輪
１６は、その回転支持軸２０を上方に立ち上げて、カッ
ター支持フレーム１８に固着した縦パイプ２１内に上下
スライド移動自在に挿通させ、上端側の雄ねじ部２４が
縦パイプ２１に設けた雌ねじ部２２に螺合するととも
に、下端側が回転支持軸２０側の穴内で上下移動を規制
された状態で回転するネジ操作部材２３を設けて、手動
操作により、各カッター１４の圃場面からの高さを変更
調節可能に構成してある。

【００１９】そして図２，図３に示すように、プラット
ホームフレーム６側から前方に延びる左右一対の支持ア
ーム２５を、プラットホームフレーム６の左右側壁の上
端部によって横軸芯Ｐ周りに上下揺動自在に支持すると
ともに、支持アーム２５を揺動駆動する油圧シリンダ２
６を設け、両支持アーム２５の前端部に架設した横向き
棒体２７と、刈取主フレーム１０の前後中間部とを複数
本の第１の鎖２８Ａで繋ぎ、前記横向き棒体２７と支持
部材１９とを複数本の第２の鎖２８Ｂで繋いである。

【００２０】前記第１，第２の鎖２８Ａ，２８Ｂは、と
もに緩やかに垂れるようにその長さを設定して、刈取走
行時には上記のように各カッター１４が圃場面の各条の
凹凸に対応して各別にその上下動を許容されるようにす
るとともに、枕地に達したときには、支持アーム２５を
油圧シリンダ２６で上昇操作することにより、全刈取処
理部６を第１，第２の鎖２８Ａ，２８Ｂで持ち上げてゲ
ージ輪１６，１７を浮上させるよう構成してある。

【００２１】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】普通形コンバインの前部を示す側面図

【図２】刈取前処理部のロークロップヘッダ構造を示す
平面図

【図３】刈取前処理部のロークロップヘッダ構造を示す
側面図

【図４】（イ）カッターが圃場面の各条の凹凸に追従し
て各別にその上下動を許容される状態を示す側面図 （ロ）カッターが圃場面の各条の凹凸に追従して各別に
その上下動を許容される状態を示す側面図

【図５】刈取前処理部のロークロップヘッダ構造の基端
側を示す一部切欠平面図

【図６】各カッターの圃場面からの高さを変更調節する
機構を示す一部切欠側面図

【符号の説明】

３ 脱穀装置 ７ 刈取処理部 ９ 搬送コンベア １４ 刈取装置 １５ 搬送装置 １６ 接地体 １８ カッター支持フレーム ２９ 上下位置変更機構

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 植立茎稈の各条毎に対応する刈取装置
   （１４）と、刈取茎稈を後方のオーガ（８）へ搬送する
   搬送装置（１５）と、接地体（１６）とを備えた刈取処
   理部（７）を、左右に複数並設するとともに、前記オー
   ガ（８）で寄せ集めた刈取茎稈を後方の脱穀装置（３）
   へ搬送する搬送コンベア（９）を備えた普通型コンバイ
   ンの刈取前処理部であって、 前記搬送装置（１５）を構成するに、刈取茎稈を始端側
   ですくい上げて載置搬送する縦回し型の突起付きの無端
   回動体を設け、前記刈取装置（１４）を前記突起付きの
   無端回動体の始端部の前方側に配置してある普通型コン
   バインの刈取前処理部。
2. 【請求項２】 前記搬送装置（１５）側から前方に延出
   したカッター支持フレーム（１８）で円盤形のカッター
   を縦軸芯周りに回転する状態に支持して前記刈取装置
   （１４）を構成し、各カッター支持フレーム（１８）に
   前記接地体（１６）を設け、機体の走行に伴って、各カ
   ッターが圃場面の凹凸に追従して各別に上下動するのを
   許容する上下位置変更機構（２９）を、各カッター支持
   フレーム（１８）の基端側に設けてある請求項１記載の
   普通型コンバインの刈取前処理部。