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JPH09193770A - ブレーキ圧力制御装置 - Google Patents

ブレーキ圧力制御装置

Info

Publication number
JPH09193770A
JPH09193770A JP2314596A JP2314596A JPH09193770A JP H09193770 A JPH09193770 A JP H09193770A JP 2314596 A JP2314596 A JP 2314596A JP 2314596 A JP2314596 A JP 2314596A JP H09193770 A JPH09193770 A JP H09193770A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
passage
valve
valve body
flow path
piston
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2314596A
Other languages
English (en)
Inventor
Yukio Hosoya
幸生 細谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nisshinbo Holdings Inc
Original Assignee
Nisshinbo Industries Inc
Nisshin Spinning Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nisshinbo Industries Inc, Nisshin Spinning Co Ltd filed Critical Nisshinbo Industries Inc
Priority to JP2314596A priority Critical patent/JPH09193770A/ja
Publication of JPH09193770A publication Critical patent/JPH09193770A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Valves And Accessory Devices For Braking Systems (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 急ブレーキ時に十分な液圧を供給して、安全
性の高いブレーキ圧力制御装置を提供すること。 【解決手段】 ボア孔12内にピストン16を収容し、
ピストン16内に弁体24を収容し、ボア孔12とピス
トン16間に形成した第1可変絞り32と、弁体24上
部と第1弁座部とで形成した第2可変絞り33と、弁体
24下部と第2弁座部とで形成した第3可変絞り34と
を直列に配置すると共に、第2可変絞り33と第3可変
絞り34の間にホイールシリンダ側の主流路Iと連通す
る流路を接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車輪のロックを防止
するアンチロックブレーキシステム(ABS)や駆動輪
のスリップを防止するトラクションコントロールシステ
ム(TCS)装着車両に適用できる、ブレーキ圧力制御
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にこの種の装置は多数の電磁作動式
弁(入口弁、排出弁)を装備するが、電磁作動式弁の使
用数低減を目的として、入口弁を液圧作動式弁で構成す
るブレーキ圧力制御装置が種々提案されている。例えば
特開平1−306357号公報に開示されている装置
は、図9に示すようにマスタシリンダ60とホイールシ
リンダ61とを連通する主流路62と、主流路62より
分岐する排出流路63の分岐箇所に液圧作動式の流量制
御切替弁64を設け、排出流路63に従来同様の電磁作
動式の排出弁65を設けている。
【0003】前記流量制御切替弁64はボア孔66に収
容した内筒67と、内筒67内に摺動自在に収容され、
内部に固定オリフィス68を形成するスプール69と、
スプール69をボア孔66の孔奥側に付勢するリターン
スプリング70とを具備している。また内筒67及びス
プール69には径方向に向けて多数の通液路が穿設され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記したブレーキ圧力
制御装置には次のような問題点がある。 <イ>前記したブレーキ圧力制御装置は、入口ポート7
1、液路72〜76、第1出口77とにより大流路を形
成するが、急ブレーキ時にあってはスプール69がリタ
ーンスプリング室80方向へ移動して、前記大流路が絞
り状態或いは遮断状態となりブレーキ力が不足する危険
性がある。すなわち、急ブレーキに伴いスプール69に
高流体力が作用するとスプール69がリターンスプリン
グ室80方向へ押圧される。これに伴い、圧迫されたリ
ターンスプリング室80内の液がスプール69の外周を
通ってホイールシリンダ61と連通する液路78に流出
すると、スプール69の降下(リターンスプリング室8
0方向の移動)を許容し、液路75と液路76との間の
連通が絞り状態或いは遮断状態となり、ブレーキ力が不
足する。
【0005】<ロ>前記したブレーキ圧力制御装置は内
筒67とスプール69に夫々径方向に向けて多数の液路
72、73、75、76、78、79を形成する必要が
あり、コスト増を招いている。
【0006】
【本発明の目的】本発明は以上の問題点を解決するため
になされたもので、その目的とするところは、急ブレー
キ時に液圧が不足せず、高い安全性を確保でき、また、
液路の加工数を低減できて、かつ、小型で安価なブレー
キ圧力制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段として、本発明は、圧力発生源と車輪ブレーキと
を結ぶ主流路から分岐して排出流路を設け、前記分岐部
に、制御された割合でブレーキ圧力を増減圧する流量調
整弁を設け、前記流量調整弁と排出流路の間に、車輪ブ
レーキ圧力を減圧する排出弁を設けたブレーキ圧力制御
装置において、前記流量調整弁は、ボア孔に摺動自在に
収容した軸方向に貫通孔を有するピストンと、前記貫通
孔内に軸方向に移動可能に収容した弁体とを具備し、前
記ボア孔には圧力発生源側の主流路と連通する入口と、
車輪ブレーキ側の主流路と連通する出口と、排出弁と連
通する排出口とを形成し、前記ピストンは、前記入口と
貫通孔とを連通する第1通液路と、前記出口と貫通孔と
を連通する第2通液路とを有し、前記弁体には、その上
端面から軸方向に軸路と、この軸路と連通する径方向の
第1通路と、この第1通路のやや下方に設けた第2通路
と、前記第1通路と第2通路間を連通するオリフィスと
を形成し、前記入口と第1通液路間に形成され、ピスト
ンの移動により流路断面積が変化し、制御時には小流路
を形成し、非制御時には大流路を形成する第1可変絞り
と、前記第1通液路と第2通液路間の前記貫通孔内に環
状に突設した第1弁座部と、この第1弁座部内に貫入す
る前記弁体上部とで形成され、前記ピストンと弁体の相
対移動により流路断面積が変化し、制御時には前記第1
弁座部の上部に位置する少なくとも前記軸路から圧力媒
体が流入し、第1弁座部の下部に位置する前記第2通路
から流出する小流路を形成し、非制御時には前記第1弁
座部の上部に位置する前記軸路から圧力媒体が流入し、
第1弁座部の下部に位置する前記第1通路及び第2通路
から流出する大流路を形成する第2可変絞りと、前記第
2通液路よりも前記排出口側の前記貫通孔内に環状に突
設した第2弁座部と、この第2弁座部内に貫入する弁体
下部とで形成され、前記ピストンと弁体の相対移動によ
り流路断面積が変化し、制御時には大流路を形成し、非
制御時には第2弁座部内周面と弁体外周面間に小流路を
形成する第3可変絞りとの3つの可変絞りを直列に配置
したことを特徴とする、ブレーキ圧力制御装置を提供す
る。
【0008】
【作用】本発明によれば、急ブレーキ時に高圧力を受け
てもピストンが降下せずに入口と出口の間で大流路を維
持できるのでブレーキ液圧不足の問題を解消できる。
【0009】
【発明の実施の形態1】つぎに図面を参照しながら本発
明の実施の形態について説明する。 <イ>全体の構成 図1はABS機能を具備するブレーキ圧力制御装置の概
念図を示す。圧力発生源であるマスタシリンダ1と、車
輪ブレーキであるホイールシリンダ2との間は二系統の
主流路I,IIで結ばれている。主流路I,IIと車両の各
車輪が具備するホイールシリンダ2との間の配管方式
は、クロス配管方式又は前後配管方式のいずれでもよ
く、これらの配管方式は公知である。
【0010】主流路Iとモータ3に連動して稼働する液
圧ポンプ4(補助液圧源)との間が排出流路5で結ば
れ、液圧ポンプ4と主流路Iとの間が吐出流路6で結ば
れている。排出流路5には電磁力で作動する常時閉式の
排出弁7と補助リザーバ8が夫々設けられている。主流
路Iと排出流路5の分岐部には、液圧で作動する常時開
式の流量調整弁9が設けられている。各車輪は関連する
車輪の速度を感知する公知の速度センサ(図示せず)を
具備し、各センサは公知の電子モジュール(図示せず)
に夫々接続し、電子モジュールは各車輪のスキッド傾向
が確認されたときモータ3、排出弁7に電気的な制御信
号を送信する。
【0011】<ロ>流量調整弁 図2は排出弁7と流量調整弁9を一体に組み立てた組立
体の非作動状態における断面図を示す。ハウジング11
は排出弁7と流量調整弁9を直列に収容する異径の一又
は複数のボア孔12を有する。ボア孔12には孔奥側か
ら順に入口13、出口14が夫々形成され、入口13は
マスタシリンダ1側の主流路Iと連通し、出口14はホ
イールシリンダ2側の主流路Iと連通している。排出口
15はボア孔12の開口部側に形成され、排出弁7を介
して排出流路5と連通する。
【0012】筒状のピストン16は貫通孔17を有し、
ボア孔12に摺動自在に収容されている。貫通孔17内
にはピストン16と一体に環状に突設した第2弁座部1
8bと、貫通孔17に環状ブッシュを固着して形成した
第1弁座部18aとが一定距離を隔てて設けられてい
る。さらに第1弁座部18aを間に挟んでその両側に径
方向に貫通する第1通液路19と第2通液路20とを夫
々形成している。
【0013】ボア孔12、ピストン16、排出弁7で包
囲された空間内には、孔奥側から順に入口室21、出口
室22、減圧室23を形成している。第1通液路19は
入口13と入口室21とを連通し、第2通液路20は出
口14と出口室22とを連通している。
【0014】弁体24は第1弁座部18a及び第2弁座
部18bの内径とほぼ同径の円柱体で、弁体24の下部
の外周面の一部が細幅に切り取られ、上下部が第1弁座
部18a及び第2弁座部18b内に貫挿し、軸方向に移
動可能に構成される(図3参照)。
【0015】また、弁体24には、その上端面から軸方
向に軸路25aと、この軸路25aと連通する径方向の
第1通路25bと、この第1通路25bのやや下方に設
けた第2通路25cと、前記第1通路25bと第2通路
25c間を連通するオリフィス25dとを形成する。こ
れらの通路は所定の液量が通過するよう断面積を設定す
る。
【0016】弁体24の外周溝26に装着されたC形の
止め輪27が第2弁座部18bの上面に当接すること
で、ピストン16に対する弁体24の降下位置が一定に
規制されている。出口室22と減圧室23の間は連通
し、通常は、第2弁座部18b内周面と弁体24下部の
外周面間に環状の小流路が形成されている。ピストン1
6の第1弁座部18aの下面と止め輪27の上面との間
にばね28を収縮状態で設置し、このばね28の復元力
が弁体24を孔入口(減圧室23)方向へ押し付けてい
る。
【0017】また、ボア孔12を排出弁7が封鎖し、排
出弁7のバルブボディ29と第2弁座部18bの間にリ
ターンスプリング30を収縮状態で設置してリターンス
プリング30の復元力がピストン16を孔奥(入口室2
1)へ押し付ける方向に作用している。リターンスプリ
ング30のばね力は前記ばね28より大きく設定してあ
る。尚、バルブボディ29の上面に設けたスリット構造
のスリーブ31はボア孔12に対して弁体24の降下位
置を規制する部材であり、第2弁座部18bの下方に位
置する弁体24の下部をスリーブ31の高さ分だけ延長
して形成すればスリーブ31は不要となる。また、スリ
ーブ31を使用する場合、リターンスプリング30の下
部がスリーブ31の裾部を押し付けるように設置すれ
ば、溶接やねじ止めといった固着手段を用いずにスリー
ブ31をバルブボディ29に取着できる。
【0018】ハウジング11とピストン16の素材とし
ては、同等の熱膨張係数を有する材料を用いるのが望ま
しい。これはハウジング11とピストン16の素材に熱
膨張係数の異なる素材を使用した場合、温度変化により
ボア孔12の内周とピストン16の外周のクリアランス
が変動し、両部材11、16間の気密性喪失やピストン
16の摺動不能といった現象が発生する可能性があるた
めである。好ましい素材例としては、ハウジング11と
ピストン16を共にアルミニウム合金で形成することで
あるが、この例示した素材に限定されるものではない。
【0019】また、後述する第2可変絞り33の第1弁
座部18aと弁体24の素材も同等の熱膨脹係数を有す
る材料を用いるのが望ましい。これは、流量調整弁9の
流量特性の決定主要因である、第2可変絞り33の絞り
状態における流路断面積の温度の変化に対する変動を小
さくするためである。好ましい素材例としては、第1弁
座部18aと弁体24を共にスチールで形成することで
あるが、例示した素材に限定されるものではない。
【0020】<ハ>可変絞り 図2において、ボア孔12、ピストン16、弁体24と
の間には、第1〜第3可変絞り32、33、34を直列
に形成している。入口13とピストン16の第1通液路
19の環状溝との間で形成される第1可変絞り32は、
ピストン16がボア孔12に対して相対的に摺動するこ
とで流路断面積が変化する。
【0021】第1弁座部18aと弁体24の上部との間
で形成される第2可変絞り33は、ピストン16と弁体
24の相対移動により流路断面積が変化し、制御時に
は、第1弁座部18aの上部に位置する弁体24の軸路
25aから、又は軸路25a及び第1通路25bから圧
力媒体が流入し、オリフィス25dを通過して、第1弁
座部18aの下部に位置する第2通路25cからのみ流
出する小流路を形成する。また非制御時には、第1弁座
部18aの上部に位置する軸路25aから圧力媒体が流
入し、第1弁座部18aの下部に位置する第1通路25
b及び第2通路25cから流出する大流路を形成する。
【0022】第2弁座部18bと弁体24の下部との間
で形成される第3可変絞り34は、同様にピストン16
と弁体24の相対移動により流路断面積が変化し、制御
時には第2弁座部内周面18bと弁体24外周面間に大
流路を形成し、非制御時には第2弁座部内周面18bと
弁体24外周面間に小流路が形成される。
【0023】本発明は、相対的に移動するボア孔12、
ピストン16、弁体24との間に形成した第1、第2、
第3可変絞り32、33、34を、圧力発生源に連通す
る入口13と排出弁7に連通する排出口15とを接続す
る液路に直列に配設すること、また、車輪ブレーキに連
通する出口14に通じる液路を、第2可変絞り33と第
3可変絞り34の間に接続すること、さらに弁体24の
内部に圧力媒体の小流路及び大流路を設けた点が、従来
装置と比べて構造上特徴を有する点である。
【0024】<ニ>排出弁 図2に示す排出弁7は公知の電磁弁で、バルブボディ2
9のフランジ35の外側に止め輪36をセットしてハウ
ジング11のボア孔12の孔口に離脱を防止した状態で
取り付けられている。バルブボディ29の中心に前記減
圧室23と連通する通路37を形成し、通路37の下部
に第3弁座部38を形成している。排出弁7はドーム形
のスリーブ39、マグネットコア40,ばね41,弁体
42と一体構造のアーマチュア43を組み立てて構成さ
れるアーマチュアアセンブリと、スリーブ39に外装し
たコイル44とを具備する。
【0025】排出弁7はコイル44に給電されないとき
はばね41の復元力により弁体42を第3弁座部38に
押し付けて、減圧室23と排出流路5の間の流路を遮断
し、またコイル44に給電するとアーマチュア43に電
磁力が作用し、その結果、弁体42が第3弁座部38か
ら離れて減圧室23と排出流路5間が連通状態に切り替
わる。またばね41のばね力は、排出弁7が非励磁時に
おいて弁体42に開弁方向に作用する液圧力より大きく
設定してある。尚、図中10はバルブボディ29に装着
したシール部材、45はバルブボディ29に穿設した通
路、46は磁気回路を形成する一部材であると共にバル
ブボディ29の下部開口を閉鎖するヨークリングであ
る。
【0026】
【作動】つぎにブレーキ圧力制御装置の作動について添
付図面を参照しながら説明する。<イ>非制御時 図2はブレーキペダルを踏み込み、車輪のスキッド傾向
が感知されないとき(非制御時)のブレーキ圧力制御装
置を示すもので、排出弁7は励磁されないから弁機構を
閉じ、またポンプも停止状態を保っている。ピストン1
6がリターンスプリング30のばね力を受けてボア孔1
2の孔奥側に押し付けられているため、第1可変絞り3
2の流路断面積は最大を維持している。また弁体24が
ばね28で下方へ押し付けられているため、第2可変絞
り33の流路断面積も最大を維持し、第3可変絞り34
の流路が絞り状態にある。したがって、マスタシリンダ
1で発生した圧液は、主流路I,入口13,第1通液路
19,入口室21,出口室22,第2通液路20,出口
14により構成される大流路を経てホイールシリンダ2
へ供給される。
【0027】<ロ>制御時(減圧) 図3、4は車輪のスキッド傾向が感知されてABS作動
を開始し、制御圧力を減圧するときの作動を示す概念図
で、まず排出弁7が給電されて閉弁から開弁に切り替わ
って減圧室23と排出流路5が連通状態となる。同時に
ポンプ4がモータ3の駆動を受けて稼働する。
【0028】小流路を形成する第3可変絞り34の絞り
作用により、リターンスプリング30を収縮しながらピ
ストン16が減圧室23の方向へ向けて移動(図面では
降下)を開始する。弁体24はばね28のばね力を受け
てピストン16と並行移動する。移動が進むと、弁体2
4がスリーブ31に当接して移動を停止するが、ピスト
ン16は継続して移動を続ける。
【0029】図3に示すようにピストン16のみが移動
すると第2可変絞り33の流路断面積が非絞り状態から
絞り状態に切り替わる。即ち、圧力媒体は弁体24の軸
路25aから流入し、オリフィス25dを通過して、第
2通路25cからのみ流出する小流路を通過することに
なる。
【0030】このとき、弁体24の外周面と第1弁座部
18aの内周面間に環状の隙間が発生するよう両者の径
を設定し、この環状の隙間を小流路として使用すること
が考えられる。しかし、この場合には圧力媒体の接触面
積が大となるため、管路抵抗が増大し、圧力媒体の粘度
の変化に対する流量の変動が大きくなる。従って、圧力
制御がしにくくなり、良好なブレ−キ力制御ができない
おそれがある。それに対して本発明の小流路は、圧力媒
体の接触面積が小さく、管路抵抗も小さいため、圧力媒
体の粘度の変化に対する流量の変動が小さくて済む。従
って、圧力制御が行いやすくなり、良好なブレ−キ力制
御が可能となる。
【0031】また、弁体24の外周面あるいは第1弁座
部18aの内周面の一部に、軸方向の溝を設け、これを
小流路として利用する場合も考えられる。しかしこの場
合は、弁体24やピストン16に偏荷重がかかるため、
安定した流量調整機能が得られない。それに対して本発
明の小流路は、弁体24の中心に小流路が形成されるた
め、偏荷重を防止することができ、安定した流量調整機
能を得ることができる。
【0032】その後に第3可変絞り34が絞り状態から
非絞り状態に切り替わる。その結果、ホイールシリンダ
2の圧液は、主流路I、出口14、第2通液路20、出
口室22、第3可変絞り34、減圧室23、通路37、
45を経て排出流路5へ排出されるため、ホイールシリ
ンダ2の圧力は減圧される。排出流路5へ排出された液
は、補助リザーバ8に一時的に収容されるか、或いはポ
ンプ4を通じて主流路Iへ還流される。
【0033】一方、図4に示すように、ピストン16は
第1可変絞り32を構成する入口13と第1通液路19
の連通を一旦遮断するが、その後はピストン16が微小
の範囲で往復動を繰り返して第1可変絞り32を開閉
し、マスタシリンダ1側から入口室21を経て出口室2
2に一定流量の液が流入する。出口室22に流入した一
定流量の液は、前記したように開弁状態の排出弁7を経
由して排出流路5へ排出される。
【0034】<ハ>増圧時 ABSが増圧モードに代わると図5に示すように排出弁
7が閉弁に切り替わり、減圧室23と排出流路5間の連
通を遮断するため、ホイールシリンダ2の減圧は停止さ
れる。排出弁7が閉じられても、第1及び第2可変絞り
32、33の絞り状態が維持されるため、ポンプ4から
主流路Iへ還流された液は、これらの第1及び第2可変
絞り32、33を通過する際に一定流量に調整された
後、ホイールシリンダ2へ供給される。その結果、ホイ
ールシリンダ2の液圧が緩やかに上昇する。
【0035】ここで、各可変絞りによる流量調整作用に
ついて説明する。ピストン16が降下して入口13と第
1通液路19の連通を遮断し、液の流入が停止した状態
において、ピストン16の受圧面積をA、リターンスプ
リング30の荷重をF1 、ばね28の荷重をF2 、入口
室21の圧力をP1 、出口室22(ホイールシリンダ
2、減圧室23)の圧力をP2 、とすると、ピストン1
6に作用する上向き及び下向きの力の釣合状態は次の式
1により求められる。
【0036】 P1 ・A=P2 ・A+F1 +F2 …………(式1)
【0037】このときのP1 とP2 の圧力差ΔP(一定
値)は、前記式1によりつぎの式2となる。
【0038】 ΔP=(F1 +F2 )/A …………(式2)
【0039】つまり入口室21の圧力が出口室22の圧
力より一定値(ΔP)高くなったときに第1可変絞り3
2が閉鎖状態となる。第1可変絞り32が閉鎖され、入
口13から入口室21への液の流入が停止すると、入口
室21と出口室22は第2可変絞り33を介して連通し
ているので、入口室21と出口室22の圧力差は前記一
定値より小さくなり(P1 −P2 <ΔP)、したがっ
て、このときのピストン16に作用する上向き及び下向
きの力の状態は次の式3のようになる。
【0040】 P1 ・A<P2 ・A+F1 +F2 …………(式3)
【0041】つまり第1可変絞り32が閉鎖状態になる
と、ピストン16を上方へ押す力(式3の右辺)が、ピ
ストン16を下方へ押す力(式3の左辺)よりも大きく
なってピストン16が上方へ移動し、第1可変絞り32
が開いて入口13から入口室21へ液が流入してくる。
入口室21へ液が流入してくると、第2可変絞り33の
絞り効果により入口室21と出口室22の圧力差が増加
してピストン16を下方へ移動させ、入口室21と出口
室22の圧力差(P1 −P2 )が一定値(ΔP)となっ
た状態(P1 −P2 =ΔP)で第1可変絞り32が閉鎖
される。
【0042】以上のようにピストン16は第1可変絞り
32の開閉する往復運動を繰り返し、入口13から一定
流量の液を車輪ブレーキへ供給する。尚、入口13(マ
スタシリンダ1)の圧力と出口室22(ホイールシリン
ダ2)の圧力差が一定値(ΔP)以下になると、リター
ンスプリング30とばね28のばね力によりピストン1
6は上方へ移動し、図2の非制御時の状態に戻る。
【0043】
【発明の実施の形態2】図6はABS機能とTCS機能
を併用するブレーキ圧力制御装置に適用した他の実施の
形態を示す。本実施例の基本的な構成要素と作動は上記
実施の形態1と同様であるので、同一の構造要素は同一
の符号を付してその説明を省略する。
【0044】本実施例が実施の形態1と異なる点は以下
の通りである。
【0045】主流路Iとポンプ4の吸引側の排出流路
5の間に吸入流路47を追加して設けた点。
【0046】主流路Iの吸入流路47との合流部より
下流側にトラクションコントロール用の常時開式の第1
電磁弁48を設けた点。
【0047】吸入流路47にトラクションコントロー
ル用の常時閉式の第2電磁弁49を設けた点。
【0048】排出流路5の吸入流路47との合流部よ
り上流側に、液圧ポンプ4方向への流れのみを許容する
一方向弁50を設けた点。
【0049】第1電磁弁48の前後の主流路Iを接続
するリリーフ弁51を介装したバイパス流路52を形成
した点。
【0050】つぎに実施の形態2に係るブレーキ圧力制
御装置の作動について説明する。 <イ>非制御時 非制御時においては、図6に示すようにすべての制御要
素に給電されないため、第1電磁弁48は開弁、第2電
磁弁49は閉弁状態にある。尚、非制御時における通常
ブレーキの作動は実施の形態1と同様であるので説明を
省略する。
【0051】<ロ>ABS制御時 ABS制御においては、追加部品の第1電磁弁48が開
弁状態にあり、同じく第2電磁弁49が閉弁状態にある
点が前記実施の形態1と異なるだけで、その他の作動は
同様であるので説明を省略する。
【0052】<ハ>TCS制御時 TCSが作動すると、まず第1電磁弁48が閉弁に切り
替わると同時に、第2電磁弁49が開弁に切り替わり、
ポンプ4が作動する。吸入流路47を通じてポンプ4で
液を汲み上げ、非作動状態の流量調整弁9を通過させて
ホイールシリンダ2へ圧液を供給して駆動輪のオーバー
スピンを抑制する。オーバースピンが抑制されると、排
出弁7を開き、減圧してブレーキ力を弱める。この時点
で流量調整弁9が既述した実施の形態1の減圧作動と同
じ作動を開始する。
【0053】これ以降排出弁7の開閉により駆動車輪の
ブレーキ圧力の増圧・減圧を制御して駆動輪のオーバー
スピンを集束させる。尚、TCS制御中、第1電磁弁4
8は閉弁状態を維持して、ポンプ4からの吐出圧液がマ
スタシリンダ1へ逃げるのを防止する。ポンプ4からの
過剰吐出圧液はリリーフ弁51を経由してマスタシリン
ダ1側へ排出される。
【0054】
【その他の発明の実施の形態】図7に示すように、弁体
24の下部をニードル形に形成してもよい。また、第1
弁座部18aを一体形成し、第2弁座部18bをブッシ
ュを固着することにより形成してもよい。
【0055】また、弁体24の上部にストッパ24aを
突設し、このストッパ24a上面とピストン16の内周
面に突設した止め輪27aとの間にばね28aを配設す
る場合もある。ばね28aのばね力を受けて弁体24
は、ストッパ24aの下面が第1弁座部18aの上面に
当接して位置決めされている。なお、ばね28aの上部
をボア孔12の孔底12aに当接させて配置してもよ
く、この場合には、止め輪27aが不要になると共に、
流量調整作動時において弁体24にリターンスプリング
30のばね力のみが作用することから、制御差圧の定数
を設定することが容易になり、より正確な流量調整が可
能となる利点が得られる。
【0056】さらに、ピストン16とボア孔12の間に
ガイド筒11aを介在させる場合もある。このガイド筒
11aの使用目的は、ボア孔12の製造公差を荒くして
ボア孔12の加工を容易にするためである。この場合ガ
イド筒11aの第1、第2通液路19、20に対応する
位置に、前述した入口及び出口に相当する液路13a、
14aが夫々穿設してあり、第1通液路19と液路13
aとの間に第1可変絞り32aを形成することになる。
【0057】また、図8は弁体24の下部内部に流路を
形成した場合を示す。円柱状を呈する弁体24の下部の
内部には、軸路25eとこの軸路25eと連通する径方
向の通路25fとが穿設されている。軸路25eと通路
25fとにより出口室22と減圧室23の間を連通する
流路が形成されている。これによって制御時は、通路2
5f及び軸路25eにより大流路が形成され、非制御時
には、弁体24の外周面と第2弁座部18bの内周面と
の間に小流路が形成されることになる。
【0058】
【発明の効果】本発明は以上説明したようになるから次
のような効果を得ることができる。 <イ>本発明の小流路は弁体の内部に設けられており、
圧力媒体との接触面積が小さく、管路抵抗も小さいた
め、圧力媒体の粘度の変化に対する流量の変動が小さく
て済む。従って、圧力制御が行いやすくなり、良好なブ
レ−キ力制御が可能となる。また、弁体の中心に小流路
が形成されるため、偏荷重を防止することができ、安定
した流量調整機能を得ることができる。
【0059】<ロ>入口と出口とを連通する流路をバイ
パスして減圧室と車輪ブレーキとを接続するための流路
を必要としない。そのため、急ブレーキ時にピストンを
減圧室方向へ押圧する高圧力が作用しても、減圧室の液
が流出しないのでピストンの移動を阻止し、入口と出口
との間で大流路を維持して十分な液圧を確保できて、安
全性確保の点でも優れている。
【0060】<ハ>ピストン及びボア孔の径方向の流路
が夫々2つであるので、加工数が少なくて済む。
【0061】<ニ>ボア孔の径方向の流路が2つと少な
く、また2つの流路間の位置関係が高い加工精度を必要
としないのでガイド筒を省略して、ピストンを直接ハウ
ジングのボア孔に収容することが容易となり、装置の小
型化と低コスト化を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ABS機能を具備するブレーキ圧力制御装置
に適用した液圧システム図
【図2】 排出弁と流量調整弁を一体に組み立てた組立
体の断面図
【図3】 ブレーキ圧力制御装置の一部を省略した図面
で、ABS作動の開始直後における作動を示す概念図
【図4】 ブレーキ圧力制御装置の一部を省略した図面
で、制御圧力を減圧するときの作動を示す概念図
【図5】 ブレーキ圧力制御装置の一部を省略した図面
で、制御圧力を増圧するときの作動を示す概念図
【図6】 実施の形態2の説明図
【図7】 その他の実施の形態の説明図
【図8】 その他の実施の形態の説明図
【図9】 従来のブレーキ圧力制御装置の概念図
【符号の説明】
I、II……主流路 1……マスタシリンダ(圧力発生源) 2……ホイールシリンダ(車輪ブレーキ) 3……モータ 4……液圧ポンプ 5……排出流路 6……吐出流路 7……排出弁 9……流量調整弁 11……ハウジング 12……ボア孔 13、13a……入口 14、14a……出口 15……排出口 16……ピストン 17……貫通孔 18a……第1弁座部 18b……第2弁座部 19……第1通液路 20……第2通液路 21……入口室 22……出口室 23……減圧室 24……弁体 25a……軸路 25b……第1通路 25c……第2通路 25d……オリフィス 26……外周溝 27、27a……止め輪 28、28a……ばね 29……バルブボディ 30……リターンスプリング 31……スリーブ 32、32a……第1可変絞り 33……第2可変絞り 34……第3可変絞り 35……バルブボディのフランジ 37……通路 38……第3弁座部 39……スリーブ 40……マグネットコア 41……排出弁のばね 42……排出弁の弁体 43……アーマチュア 44……コイル 45……バルブボディに穿設した通路 46……バルブボディの開口を閉鎖するヨークリング 47……吸入流路 48……常時開式の第1電磁弁 49……常時閉式の第2電磁弁 50……一方向弁 51……リリーフ弁 52……バイパス流路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧力発生源と車輪ブレーキとを結ぶ主流
    路から分岐して排出流路を設け、前記分岐部に、制御さ
    れた割合でブレーキ圧力を増減圧する流量調整弁を設
    け、前記流量調整弁と排出流路の間に、車輪ブレーキ圧
    力を減圧する排出弁を設けたブレーキ圧力制御装置にお
    いて、 前記流量調整弁は、ボア孔に摺動自在に収容した軸方向
    に貫通孔を有するピストンと、前記貫通孔内に軸方向に
    移動可能に収容した弁体とを具備し、 前記ボア孔には圧力発生源側の主流路と連通する入口
    と、車輪ブレーキ側の主流路と連通する出口と、排出弁
    と連通する排出口とを形成し、 前記ピストンは、前記入口と貫通孔とを連通する第1通
    液路と、前記出口と貫通孔とを連通する第2通液路とを
    有し、 前記弁体には、その上端面から軸方向に軸路と、この軸
    路と連通する径方向の第1通路と、この第1通路のやや
    下方に設けた第2通路と、前記第1通路と第2通路間を
    連通するオリフィスとを形成し、 前記入口と第1通液路間に形成され、ピストンの移動に
    より流路断面積が変化し、制御時には小流路を形成し、
    非制御時には大流路を形成する第1可変絞りと、 前記
    第1通液路と第2通液路間の前記貫通孔内に環状に突設
    した第1弁座部と、この第1弁座部内に貫入する前記弁
    体上部とで形成され、前記ピストンと弁体の相対移動に
    より流路断面積が変化し、制御時には前記第1弁座部の
    上部に位置する少なくとも前記軸路から圧力媒体が流入
    し、第1弁座部の下部に位置する前記第2通路から流出
    する小流路を形成し、非制御時には前記第1弁座部の上
    部に位置する前記軸路から圧力媒体が流入し、第1弁座
    部の下部に位置する前記第1通路及び第2通路から流出
    する大流路を形成する第2可変絞りと、 前記第2通液路よりも前記排出口側の前記貫通孔内に環
    状に突設した第2弁座部と、この第2弁座部内に貫入す
    る弁体下部とで形成され、前記ピストンと弁体の相対移
    動により流路断面積が変化し、制御時には大流路を形成
    し、非制御時には第2弁座部内周面と弁体外周面間に小
    流路を形成する第3可変絞りとの3つの可変絞りを直列
    に配置したことを特徴とする、ブレーキ圧力制御装置。
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