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JPH09111166A - インク、これを用いたインクジェット記録方法及びかかるインクを用いた機器 - Google Patents

インク、これを用いたインクジェット記録方法及びかかるインクを用いた機器

Info

Publication number
JPH09111166A
JPH09111166A JP29599995A JP29599995A JPH09111166A JP H09111166 A JPH09111166 A JP H09111166A JP 29599995 A JP29599995 A JP 29599995A JP 29599995 A JP29599995 A JP 29599995A JP H09111166 A JPH09111166 A JP H09111166A
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JP
Japan
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ink
water
state
environment
fluidity
Prior art date
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Granted
Application number
JP29599995A
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English (en)
Other versions
JP3805006B2 (ja
Inventor
Satoshi Nagashima
聡 永嶋
Takashi Katsuragi
隆司 葛城
Hisashi Teraoka
恒 寺岡
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP29599995A priority Critical patent/JP3805006B2/ja
Publication of JPH09111166A publication Critical patent/JPH09111166A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3805006B2 publication Critical patent/JP3805006B2/ja
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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクの安定性及び信頼性を高次で維持しな
がら、種々の普通紙に対して印字記録の高画質化を図
り、耐水性に優れた印字を記録し得るインク、インクジ
ェット記録方法及びかかるインクを用いた機器を提供す
ること。 【解決手段】 60℃環境下で、インク中の水分を蒸発
させた状態で、該インク全体が流動性を有し、且つイン
クの初期成分が少なくとも色材と、水と、水に溶解又は
分散する液媒体とから成ることを特徴とするインク、こ
れを用いたインクジェット記録方法及びかかるインクを
用いた機器である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インク、これを用
いたインクジェット記録方法及びかかるインクを用いた
機器に関し、更に詳しくは、一般のオフィス等で使用さ
れている酸性紙や中性紙に対して記録を行った場合、高
品位な画像が得られ、且つ、インクの安定性、信頼性に
優れ、耐水性も良好なインク、これを用いたインクジェ
ット記録方法及びかかるインクを用いた機器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から筆記具(万年筆、サインペン、
水性ボールペン等)用インク及びインクジェット記録用
インクについては、実に様々な組成のものが報告されて
いる。なかでも近年、多方面で記録用紙として使用され
ているコピー紙、レポート用紙、ノート、便箋等の普通
紙に対しての印字記録の高画質化や耐水性向上の要望が
高まっており、インクの安定性及び信頼性を高次で維持
しながら、これらの要望に応えるべく、インクの組成及
び物性等の多様な面から詳細な研究開発がためされてい
る。
【0003】例えば、特開昭63−289081号公報
には、インク中に分子量10,000〜500,000
のポリカルボン酸型高分子界面活性剤を含有するインク
が、又、特開平6−93224号公報には、ポリカルボ
ン酸エステルを含むポリカルボン酸及び/又はその塩を
含有し、粘度が50〜2,000cpsのインクがボー
ルペン用インクにおける信頼性向上のために夫々提案さ
れている。
【0004】しかしながら、上記各提案ではボールペン
等の外部エネルギーの作用により記録を行うシステムに
おいては、例えば、ボールペンの先でインクが固着状態
になっても外部エネルギーを作用させる(この場合は外
圧を増す)ことにより、再び記録を可能にすることがで
きるが、インクジェット記録システムにおいては、内部
エネルギーを作用させる(この場合、インク吐出部より
内部のインクにエネルギーを作用させる)ことにより記
録を行っており、万一吐出口においてインクが固着状態
になった場合に、内部エネルギーを増大させることが難
しく十分な信頼性を得るには至っていない。更に、記録
物の耐水性も不十分である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は上記
問題点を改善するためのインク、インクジェット記録方
法及びかかるインクを用いた機器を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明
により達成される。即ち、本発明は、60℃環境下でイ
ンク中の水分を蒸発させた状態で、該インク全体が流動
性を有し、且つインクの初期成分が少なくとも色材と、
水と、水に溶解又は分散する液媒体とからなることを特
徴とするインク、これを用いたインクジェット記録方法
及びかかるインクを用いた機器である。
【0007】本発明によれば、高温環境下、低温環境下
及び高温低温の混合環境下等の劣悪環境状態下において
も、ノズル先端での目詰りが格段に減少したインク、こ
れを用いたインクジェット記録方法及びかかるインクを
用いた機器が提供される。上記本発明のインクが、高温
環境下、低温環境下及び高温低温の混合環境下等の劣悪
環境下において、目詰り等に対する高い信頼性を得るこ
とができる正確な理由は不明であるが、以下に推測の範
囲でその理由を述べる。
【0008】一般に固形体である色材を用いた水溶性イ
ンクは、該色材の水溶性インクの液媒体に対する飽和濃
度以下で使用している。該水溶性インク中の水分が多量
に蒸発すると、色材のインクに対する濃度が、飽和濃度
以上になり、色材が析出し、更に、水分蒸発が進むと、
色材が固まりだす。しかしながら、本発明のインクは、
色材のインク中の濃度が飽和濃度以上になっても、色材
の会合が抑制されているため、色材が析出せず、更に、
インク中の水分が蒸発しても色材が固まりだすことがな
いため、目詰り等に対する高い信頼性を得ることができ
ると推測される。
【0009】ボールペンのように被記録材に直接記録シ
ステムが接することにより記録を行う記録システムであ
れば、その吐出口で一旦インクが目詰りを起こしても、
記録を行う際の被記録材との摩擦による外部エネルギー
により目詰りが除去できるが、このような機能を有しな
い記録システムである、インクジェット記録方式では、
通常インクの吐出口からインク中の水分が蒸発して色材
が多量に析出し目詰りを生じてしまい、それを除去する
ことができない。しかし、このような場合でも、本発明
のインクを用いれば、吐出口及び吐出口内部でインク中
の色材が会合を生じないために、色材の析出や目詰りを
発生せず、即ちインクが液状を保っているために、イン
ク吐出口内部でインクを吐出させるために発生するイン
クに対するエネルギーを良好に機能させることが可能に
なり、良好なインクの吐出性、言い換えれば、良好な記
録性を可能にし、耐目詰り性が向上しているのではない
かと推測される。
【0010】
【発明の実施の形態】次に実施の形態を挙げて本発明を
更に詳細に説明する。本発明のインクは、60℃環境下
でインク中の水分を蒸発させた状態で、該インク全体が
流動性を有することを特徴とする。又、本発明のインク
は、その初期成分が少なくとも色材と、水と、水に溶解
又は分散する液媒体とからなることを特徴とする。
【0011】本発明のインクは、更に60℃環境下でイ
ンク中の水分を蒸発させた状態での気液界面に浮遊状態
の析出物が発生しないものが好ましい。この理由として
は、例えば、本発明のインクをインクジェット記録方法
に用いた場合、該方法に用いられる装置はインクを吐出
させるための吐出口が非常に小さく、且つインク吐出を
良好にするために該吐出口の周辺が撥水剤で覆われてい
るが、もしインク吐出口の気液界面に色材等の固形分の
析出物が微少でも浮遊していると、この浮遊物が吐出口
の縁に付着し、吐出性能を低下させてしまうことがある
ためである。
【0012】又、本発明のインクは、60℃環境下でイ
ンク中の水分を蒸発させた状態で該インク全体が流動性
を有し、その状態でのインクの粘度が、60℃環境下に
放置する前のインクの初期の状態での粘度の600倍以
下であることが更に好ましい。この理由としては、例え
ば、インクジェット記録方法においてはインクの目詰り
や固着を抑制するために、目詰り回復のための吐出を行
ったり、或いは、装置自体に吐出口面からインクを吸引
する回復装置を備えていたりするが、60℃環境下でイ
ンク中の水分を蒸発した状態でのインクの粘度があまり
大きくなり過ぎると、目詰り回復のための吐出を行う際
にインクにエネルギーを作用させても、該エネルギーが
インクの粘度に吸収されて目的の吐出を行うことができ
なかったり、又、回復レベルまで回復装置を作用できな
かったりするためである。従って、インクとインクジェ
ット記録方式等の記録システムとの相関性等から、60
℃環境下でインク中の水分を蒸発させた状態でのインク
の粘度が、インクの初期の粘度の600倍以下であるこ
とが好ましい。
【0013】一方、本発明のインクは、60℃環境下で
インク中の水分を蒸発させた状態で、該インク全体が流
動性を有し、インクの初期成分が少なくとも色材と、水
と、水に溶解又は分散する液媒体とから成り、且つイン
クを60℃環境下でインク中の水分を蒸発させた状態か
ら25℃環境下に再放置しても、インク全体の流動性が
失われないものが特に好ましい。この理由としては、例
えば、本発明のインクをインクジェット記録方法に用い
た場合に、該方法に用いられる装置全体が通電されてい
る状態で、インクの吐出性向上のために予備加熱が一般
的に行われており、この温度条件は、記録システムによ
って違いはあるが、一般的には約25℃〜35℃の温度
が加えられているからである。
【0014】即ち、例えば、60℃のような劣悪環境下
で、インク吐出口よりインク中の水分が蒸発した状態で
該インクが流動性を有していても、その後10℃以下の
ような低温環境下になり、インク中の各化合物が溶解す
るための外部エネルギーが殆ど与えられない状態でも、
インクジェット記録方式における予備加熱操作により、
約25〜35℃の環境温度にインクは置かれることとな
るため、60℃環境下でインク中の水分を蒸発させた状
態から25℃環境下に再放置しても、インク全体の流動
性が失われないものが、インクの吐出安定性、耐目詰り
性に優れるものとなる。
【0015】又、本発明のインク中には、遊離酸の状態
でリン酸、スルホン酸又はカルボン酸から選ばれた少な
くとも1種を水溶性基として複数個有する水溶性高分子
化合物が色材等と併用されていることが好ましい。該水
溶性高分子化合物は、インクの長期安定性やインクの置
かれる環境(高温及び低温)及びインクのpH等の影響
を考慮すると、エステル結合を有していないものが特に
好ましい。これは、エステル結合は上記のような環境に
おいて結合が切れ、アルコールを発生させてしまう可能
性が十二分にあり、エステル結合を有する水溶性高分子
化合物を有するインクを上記環境下に放置後、該インク
を用いて記録を行った場合、インクの設計によって左右
されるが、記録画像の品位が劣化してしまう可能性があ
るからである。
【0016】又、前記水溶性高分子化合物は、アニオン
性の極性のみを有する方が好ましい。もし、該化合物が
カチオン性を有した場合、インクを取り巻く環境によっ
て、該化合物自身内で反応してしまう可能性があるから
である。
【0017】上記の水溶性高分子化合物は、インクの設
計及び使用目的によって左右されるが、分子量が2,0
00〜12,000の範囲であるのが好ましい。分子量
が2,000未満であると、該水溶性高分子化合物の安
定性が低く、又、分子量が12,000を越えると、例
えば、インクジェット記録方式に用いた場合、粘度の過
度の上昇等の不具合が生じる。又、水溶性高分子化合物
を塩の形にした場合、理由は定ではないが2種類以上の
対イオンを用いると、更にインクジェット記録適性が良
好になる。
【0018】本発明で使用される色材は、アニオン性の
溶解タイプの色材であることが好ましい。この理由とし
ては、例えば本発明で好ましく使用される前記水溶性高
分子化合物がアニオン性溶解タイプであるため、60℃
環境下で、インク中の水分を蒸発させた状態で、該イン
ク全体が流動性を有するためには、この同極性同士の反
発も必要と考えられるからである。但しインク全体が流
動性を有するためには、前記の同極性同士の反発のみに
よるものではなく、同じタイプの色材でも流動性を有す
るものと、有さないものがあるため、はっきりとしたこ
とは解っていない。しかし、好ましくは前記水溶性高分
子化合物に用いられている水溶性基と同じ水溶性基を有
している色材がよい。又、上記において、色材が有する
前記水溶性高分子化合物と同じ水溶性基が、該色材の総
水溶性基数の半数以上であるのが更に好ましい。
【0019】上記のような色材として具体的なものを以
下に示すが、本発明はこれらの具体例に限定されるもの
ではない。 遊離酸の状態で下記一般式(I)で表わされる色材 Ar1N=NJX(NR1LNR2X)nJN=NAr2 (I) (式中、Jは下記式を表す。 Ar1及びAr2は、各々独立に、アリール基又は置換ア
リール基であって、Ar1とAr2の少なくとも1つが独
立にCOOHとCOSHから選ばれる置換基を1個以上
有する。R1及びR2 は独立に、H、アルキル基、置換ア
ルキル基、アルケニル基又は置換アルケニル基を表し、
Lは2価の有機連結基を表し、nは0又は1を表す。X
は夫々独立に、カルボニル基、又は下記(1)〜(3)
式で示される基を表す。
【0020】 (Zは夫々独立にNR3 4、SR5又はOR5を表し、Y
はH、Cl、Z、SR6又はOR6を表し、EはCl又は
CNを表す。R3、R4、R5及びR6は夫々独立にH、ア
ルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケ
ニル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基、
置換アラルキル基を表し、R3又はR4は窒素原子と共に
5又は6員環を形成することもある。) 又、一般式(I)で表される化合物は、少なくともSO
3Hと同数のCOOH又はCOSHから選ばれた基を有
する。)
【0021】一般式(I)で示される色材として、具体
的には、例えば、以下のようなものが挙げられる。
【0022】
【0023】遊離酸の状態で下記一般式(II)で表わさ
れる色材 (式中、Ar及びAr1は夫々アリール基又は置換アリ
ール基を示し、Ar及びAr1の少なくとも1つはCO
OH又はCOSHから選ばれる置換基を有する。J及び
1は夫々下記一般式(4)、(5)及び(6)からな
る群から選ばれる構造からなる
【0024】 (式中、R5は独立的に、H、アルキル基、置換アルキ
ル基、アルコキシ基、ハロゲン、CN、ウレイド及びN
HCOR6から選択される。R6はH、アルキル基、置換
アルキル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル
基及び置換アラルキル基から選択される。Tはアルキル
基を示し、WはH、CN、CONR1011、ピリジウム
及びCOOHから選択される。(m)は炭素数2〜8の
アルキレン鎖を示し、BはH、アルキル基及びCOOH
から選択される。R10及びR11は夫々H、アルキル基及
び置換アルキル基から選択される。)。
【0025】R1、R2、R3及びR4は夫々H、アルキル
基及び置換アルキル基から選択され、Lは2価の有機結
合基を示し、nは0又は1を示す。Xはカルボニル基又
は下記一般式(7)、(8)又は(9)の構造からな
る。
【0026】 (式中、Zは、OR7、SR7及びNR89から選択さ
れ、YはH、Cl、CN及びZから選択され、EはCl
及びCNから選択される。R7、R8及びR9は夫々H、
アルケニル基、置換アルケニル基、アルキル基、置換ア
ルキル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基
及び置換アラルキル基から選択される。更にR8及びR9
はこれらが結合された窒素原子と共に5員環又は6員環
を形成する場合もある。) 一般式(II)がSO3H基をもたない場合は、少なく
とも2つのCOOH基又はCOSH基から選ばれる基を
有し、一般式(II)がSO3H基をもつ場合は、CO
OH基又はCOSH基から選ばれる基が少なくともSO
3H基の数と同数以上有する。)
【0027】一般式(II)で表わされる色材としては、
具体的には、例えば、以下の様なものが挙げられる。
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】遊離酸の形で下記一般式(III)で表わさ
れる色材: (式中、R1及びR2は夫々独立に水素原子、カルボキシ
ル基、スルホン基及び炭素数1〜2のアルキル基から選
ばれ、X及びYは夫々独立にNR34及びNR56から
選ばれる。R3及びR4は夫々独立にアルキル基、置換ア
ルキル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル
基、置換アラルキル基、アルコキシル基及び置換アルコ
キシル基から選ばれ、R5は水素原子、アルキル基、置
換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アラ
ルキル基、置換アラルキル基、アルコキシル基及び置換
アルコキシル基から選ばれ、R6はCOSH又はCOO
Hで置換された無色有機残基を表わす。)
【0033】一般式(III)で表わされる化合物として
は、具体的には、以下のものが挙げられる。
【0034】遊離酸の状態で下記一般式(IV)で表わさ
れる色材 (上記一般式(IV)中、R1、R2及びR2´は夫々、カ
ルボキシル基、スルホン基、水酸基、アミノ基、炭素数
1〜2のアルキル基及び水素原子から選ばれ、R3
4、R5及びR6はカルボキシル基、スルホン基、アミ
ノ基、水酸基、アルキルアミド基及び水素原子から選ば
れる。
【0035】又、Xは下記一般式(A)、又は(B)の
構造からなる。 (上記一般式(A)及び(B)中、R7はカルボキシル
基、スルホン基及び水素原子から選ばれる。R8、R9
カルボキシル基、スルホン基、下記式で表わされる構造
及び水素からなる群から選ばれる。 (上記式中、nは1〜5の整数を、mは0又は1を夫々
表す。)))
【0036】一般式(IV)で示される色材として、具体
的には、例えば、以下の様なものが挙げられる。
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】又、本発明で使用される色材が、遊離酸の
状態での色材の水溶性基種と、水溶性高分子化合物の有
する水溶性基種とが同種のものであり、且つ上記の色材
の水溶性基数が、色材中に有する他の水溶性基数と同数
或いはそれ以上のものである場合に信頼性がより良好に
なる傾向がある。更に、記録物の耐水性等の向上を考慮
に入れると、上記の場合の水溶性基が遊離酸の状態でカ
ルボン酸である場合が特に良好である。
【0042】本発明で使用される液媒体は、水と水溶性
有機溶剤との混合物であることが好ましい。具体的な水
溶性有機溶剤の例としては、例えば、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン等
のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエー
テル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリ
コール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、
トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオ
ール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエ
チレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原
子を含むアルキレングリコール類;グリセリン;エチレ
ングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエ
チレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、
トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エー
テル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;N
−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イ
ミダゾリジノン、トリエタノールアミン、スルホラン、
ジメチルサルフォオキサイド、2−ピロリドン、ε−カ
プロラクタム等の環状アミド化合物及びスクシンイミド
等のイミド化合物等が挙げられる。
【0043】上記水溶性有機溶剤の含有量は、一般には
インクの全重量に対して1〜40重量%が好ましく、よ
り好ましくは3〜30重量%の範囲である。又、インク
中の水の含有量は、インクの全重量に対して30〜95
重量%の範囲で使用される。30重量%より少ないと染
料の溶解性等が悪くなり、インクの粘度も高くなるため
好ましくない。一方、95重量%より多いと蒸発成分が
多すぎて、十分な固着特性を満足することができない。
【0044】本発明のインクには、インク中の無機イオ
ンである不純物により、例えば、インクジェット記録方
法においてコゲという問題を発生させるため、このよう
なインクの悪影響を防止するためにコゲ防止剤を含有し
た方がよい。但し、これらのコゲ防止剤も熱エネルギー
を伝えるヒーターの表面状態と相関関係があるため、場
合によっては未添加でもよい。又、インク中の無機イオ
ンが1ppm、好ましくは0.5ppm以下であれば添
加しなくてもよい。それらのインク中への含有量はイン
ク全重量に対して0.01〜10重量%、好ましくは
0.05〜5重量%、更に好ましくは0.1〜3重量%
である。
【0045】又、本発明のインクは、インク中に尿素、
チオ尿素及びそれらの誘導体を含有することが好まし
い。これらの物質のインク中への含有量はインク全重量
に対して0.1〜50重量%、好ましくは1〜30重量
%、更に好ましくは2〜10重量%である。
【0046】更に本発明のインクには、インクの定着剤
として一価アルコールを添加してもよい。又、非イオン
性界面活性剤も定着剤として機能する。これらは異なっ
た色調を印字した場合、その境界で生じる混色滲みを防
止するためには必要となる。又、これらは染料のインク
中での溶解性を安定向上させるという意味でもインク中
に含有している方が好ましい。その場合、インク中への
添加量と効果を考えるならば非イオン性界面活性剤の方
が好ましい。
【0047】定着剤として本発明のインクに添加し得る
一価アルコールの具体例としてはエタノール、イソプロ
ピルアルコール及びn−ブタノール等が挙げられる。
又、同様に添加し得る非イオン性界面活性剤の具体例と
しては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオ
キシエチレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−
ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレン
−ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、アセチレン
グリコールポリエチレンオキサイド付加物等が挙げられ
るが、好ましくはノニルフェニルエーテルEO付加体、
エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体
(EO−PO共重合体)、アセチレングリコールポリオ
キシエチレンオキサイド付加物が好ましく、より好まし
くは下記一般式(V)で表されるアセチレングリコール
ポリオキシエチレンオキサイド付加物(アセチレングリ
コールEO付加物)である。
【0048】 上記一価アルコール又は非イオン界面活性剤のインクの
含有量は、インク全重量に対して0.1〜20重量%、
好ましくは0.5〜10重量%である。0.1重量%よ
り少ないと定着剤としての効果がなく、又、20重量%
より多いと印字品位のバランス、例えば、濃度や定着性
やヒゲ状の滲みであるフェザリングと定着性や濃度との
バランスが悪くなる。
【0049】本発明のインクは、熱エネルギーによるイ
ンクの発泡現象によりインクを吐出させるタイプのイン
クジェット記録方法に適用する場合に特に好適であり、
吐出が極めて安定となり、サテライトドットの発生等が
生じないという特徴がある。但しこの場合には、熱的な
物性値(例えば、比熱、熱膨張係数、熱伝導率等)を調
整する場合もある。
【0050】更に、本発明のインクは普通紙等に記録し
た場合の印字記録物のインクの耐水性の問題を解決する
と同時に、インクジェット用ヘッドに対するマッチング
を良好にする面から、インク自体の物性として25℃に
おける表面張力が20〜55dyne/cm、粘度が1
5cP以下、好ましくは10cP以下、より好ましくは
5cP以下に調整されることが望ましいが、インクジェ
ット記録用ヘッドの性態に左右されるため、これに限定
されるものではない。従って、上記物性にインクを調整
し、普通紙における問題を解決するためには、本発明の
インク中に含有される水分量としては50重量%以上9
8重量%以下、好ましくは60重量%以上95重量%以
下とされるのが好適である。
【0051】本発明のインクは、熱エネルギーの作用に
より液滴を吐出させて記録を行なうインクジェット記録
方法にとりわけ好適に用いられるが、一般の筆記具用と
しても使用できる。本発明のインクを用いて記録を行う
のに好適な方法及び装置としては、記録ヘッドの室内の
インクに記録信号に対応した熱エネルギーを与え、該熱
エネルギーにより液滴を発生させる方法及び装置が挙げ
られる。
【0052】その装置の主要部であるヘッド構成例を図
1、図2及び図3に示す。ヘッド13はインクを通す溝
14を有するガラス、セラミックス又はプラスチック板
等と、感熱記録に用いられる発熱ヘッド15(図では薄
膜ヘッドが示されているが、これに限定されるものでは
ない)とを接着して得られる。発熱ヘッド15は酸化シ
リコン等で形成される保護膜16、アルミニウム電極1
7−1及び17−2、ニクロム等で形成される発熱抵抗
体層18、蓄熱層19、アルミナ等の放熱性の良い基板
20とによりなっている。
【0053】インク21は吐出オリフィス(微細孔)2
2まで来ており、圧力Pによりメニスカス23を形成し
ている。今、アルミニウム電極17−1及び17−2に
電気信号が加わると、発熱ヘッド15のnで示される領
域が急激に発熱し、ここに接しているインク21に気泡
が発生し、その圧力でメニスカス23が突出し、インク
21が吐出し、オリフィス22よりインク小滴24とな
り、被記録材25に向かって飛翔する。図3には図1に
示すヘッドを多数並べたマルチヘッドの外観図を示す。
該マルチヘッドはマルチ溝26を有するガラス板27
と、図1に説明したものと同様な発熱ヘッド28を密着
して製作されている。尚、図1は、インク流路に沿った
ヘッド13の断面図であり、図2は図1のA−B線での
切断面である。
【0054】図4に、かかるヘッドを組み込んだインク
ジェット記録装置の1例を示す。図4において、61は
ワイピング部材としてのブレードであり、その一端はブ
レード保持部材によって保持されて固定端となり、カン
チレバーの形態をなす。ブレード61は記録ヘッド65
による記録領域に隣接した位置に配設され、又、本例の
場合、記録ヘッド65の移動経路中に突出した形態で保
持される。62はキャップであり、ブレード61に隣接
するホームポジションに配設され、記録ヘッドの移動方
向と垂直な方向に移動して、インク吐出口面と当接し、
キャッピングを行う構成を備える。更に63はブレード
61に隣接して設けられるインク吸収体であり、ブレー
ド61と同様、記録ヘッド65の移動経路中に突出した
形態で保持される。上記ブレード61、キャップ62及
びインク吸収体63によって吐出回復部64が構成さ
れ、ブレード61及びインク吸収体63によってインク
吐出口面の水分、塵埃等の除去が行われる。
【0055】65は吐出エネルギー発生手段を有し、吐
出口を配した吐出口面に対向する被記録材にインクを吐
出して記録を行う記録ヘッドであり、66は記録ヘッド
65を搭載して記録ヘッド65の移動を行うためのキャ
リッジである。キャリッジ66はガイド軸67と慴動可
能に係合し、キャリッジ66の一部はモーター68によ
って駆動されるベルト69と接続(不図示)している。
これによりキャリッジ66はガイド軸67に沿った移動
が可能となり、記録ヘッド65による記録領域及びその
隣接した領域の移動が可能となる。51は被記録材を挿
入するための給紙部、52は不図示のモーターにより駆
動される紙送りローラーである。これらの構成によって
記録ヘッド65の吐出口面と対向する位置へ被記録材が
給紙され、記録が進行するにつれて排紙ローラー53を
配した排紙部へ排紙される。
【0056】上記構成において記録ヘッド65が記録終
了等でホームポジションに戻る際、吐出回復部64のキ
ャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避してい
るが、ブレード61は移動経路中に突出している。この
結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピングされる。
尚、キャップ62が記録ヘッド65の吐出面に当接して
キャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘッドの
移動経路中に突出するように移動する。
【0057】記録ヘッド65がホームポジションから記
録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード
61は上述したワイピング時の位置と同一の位置にあ
る。この結果、この移動においても記録ヘッド65の吐
出口面はワイピングされる。上述の記録ヘッドのホーム
ポジションへの移動は、記録終了時や吐出回復時ばかり
でなく、記録ヘッドが記録のために記録領域を移動する
間に所定の間隔で記録領域に隣接したホームポジション
へ移動し、この移動に伴って上記ワイピングが行われ
る。
【0058】図5は、ヘッドにインク供給部材、例え
ば、チューブを介して供給されるインクを収容したイン
クカートリッジ45の一例を示す図である。ここで40
は供給用インクを収容したインク収容部、例えば、イン
ク袋であり、その先端にはゴム製の栓42が設けられて
いる。この栓42に針(不図示)を挿入することによ
り、インク袋40中のインクをヘッドに供給可能ならし
める。44は廃インクを受容するインク吸収体である。
インク収容部としては、インクとの接液面がポリオレフ
ィン、特にポリエチレンで形成されているものが本発明
にとって好ましい。本発明で使用されるインクジェット
記録装置としては、上記の如きヘッドとインクカートリ
ッジとが別体となったものに限らず、図6に示す如きそ
れらが一体になったものにも好適に用いられる。
【0059】図6において、70は記録ユニットであっ
て、この中にはインクを収容したインク収容部、例え
ば、インク吸収体が収納されており、かかるインク吸収
体中のインクが複数のオリフィスを有するヘッド部71
からインク滴として吐出される構成になっている。イン
ク吸収体の材料としては、ポリウレタン、セルロース又
はポリビニルアセタールを用いることが本発明にとって
好ましい。72は記録ユニット内部を大気に連通させる
ための大気連通口である。この記録ユニット70は、図
4で示す記録ヘッドに代えて用いられるものであって、
キャリッジ66に対し着脱自在になっている。
【0060】本発明のインクは、好ましい条件として、
アニオン性の溶解又は分散タイプの化合物を併用させて
いるため、インクのpHは8以上が好ましい。しかしな
がら、インクジェット記録方法に用いた場合、吐出性等
の信頼性等を考えるとpHは8.5以上、更に好ましく
は9.0以上である。又、本発明のインクは、含窒素化
合物や2価の金属でpHを調整してもよい。尚、本発明
のインクは、上記成分の他に必要に応じて水溶性有機溶
剤、界面活性剤、防錆剤、防カビ剤、酸化防止剤、蒸発
促進剤、キレート化剤、水溶性ポリマー等の種々の添加
剤を添加してもよい。
【0061】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を
更に具体的に説明する。尚、文中「部」及び「%」と表
示のあるものは、特に断りのない限り重量基準である。
【0062】実施例1〜4及び比較例1〜3 <インクの作製>下記に示す各成分を混合し、十分攪拌
して溶解後、ポアサイズが0.4μmのフロロポアフィ
ルター(商品名:住友電工(株)製)にて加圧濾過し、
本発明及び比較例のインクを夫々調製した。
【0063】実施例1 C.I.ダイレクトブラック195 3.0% チオジグリコール 10.0% ジエチレングリコール 10.0% 分子量5,000のポリアクリル酸アンモニウム塩 1.0% 純水 76.0%
【0064】実施例2 C.I.ダイレクトブラック195 2.5% グリセリン 10.0% イソプロピルアルコール 3.0% 分子量5,000のポリアクリル酸トリエタノールアミン塩 0.5% 分子量10,000のポリアクリル酸ナトリウム塩 0.4% 純水 85.4%
【0065】実施例3 染料5 3.0% 2−ピロリドン 10.0% エタノール 4.0% 分子量7,800のポリアクリル酸トリエタノールアミン塩 1.0% 分子量3,000のポリアクリル酸アンモニウム塩 1.0% 一般式(V)の化合物(式中、a=b=1、m+n=15) 1.0% 純水 80.0%
【0066】実施例4 染料1 2.5% グリセリン 7.0% 尿素 10.0% エタノール 3.0% 分子量5,000のポリアクリル酸アンモニウム塩 2.0% 純水 75.5%
【0067】比較例1 C.I.ダイレクトブラック195 3.0% チオジグリコール 10.0% ジエチレングリコール 10.0% 純水 77.0%
【0068】比較例2 C.I.ダイレクトブラック51 2.0% チオジグリコール 10.0% ジエチレングリコール 10.0% 分子量5,000のポリアクリル酸アンモニウム塩 1.0% 純水 76.0%
【0069】比較例3 C.I.フードブラック2 3.0% グリセリン 10.0% イソプロピルアルコール 3.0% 分子量10,000のポリアクリル酸ナトリウム塩 1.0% 純水 83.0%
【0070】<流動性の確認>得られた各インクについ
て、その流動性を以下の方法により確認した。
【0071】(1)流動性(A) 100ccガラスビーカーに試料インク100gを入
れ、60℃、20%RH環境のオーブンに5日間放置し
た後の状態を、下記基準で評価した。
【0072】(2)流動性(B) 100ccガラスビーカーに試料インク100gを入
れ、60℃、20%RH環境のオーブンに5日間放置し
た後、該ガラスビーカーを更に25℃環境に5日間放置
した後の状態を、下記基準で評価した。 ○:インク表面に析出物は認められず、且つインク内部
は流動性があった。又、ビーカーを逆さまにすると、イ
ンクが流れ落ちた。 △:インク表面に析出物が認められるが、インク内部は
流動性はある。しかし、インクは粘稠な状態である。
又、ビーカーを逆さまにしてもインクは流れ落ちなかっ
た。 ×:インク表面に析出物は認められ、且つインク内部も
表面と同じ様な状態で、流動性が見られなかった。又、
ビーカーを逆さまにしてもインクは流れ落ちなかった。
【0073】<評価試験>次に、上記で得られた実施例
1〜4及び比較例1〜3のインクについて、インクジェ
ット記録装置として、発熱素子をインクの吐出エネルギ
ー源として利用したBJC−600J(商品名:キヤノ
ン(株)製)を用いて、以下の各評価を行い、その結果
を表1にまとめた。
【0074】<評価方法及び評価基準> (1)耐水性 プリンターに所定のインクを充填して、市販の酸性紙に
英数文字及びベタ部を印字した後、プリントを停止し、
印字物を1時間以上放置後、印字濃度をマクベスRD9
15(商品名:マクベス社製)にて測定を行う。その
後、印字物を水を満たした容器に3分間以上浸漬した
後、放置、乾燥して再度印字濃度を測定し、印字物濃度
の残存率を求め、耐水性の評価とした。 ○:印字物濃度の残存率が80%以上。 △:印字物濃度の残存率が65%以上〜80%未満。 ×:印字物濃度の残存率が65%未満。
【0075】(2)周波数応答性 得られた印字物の印字状態、即ちカスレや白抜け状態及
びスブラッシュやヨレ等の着弾点不良状態を肉眼で観察
し、評価した。 ○:周波数に対するインクの追従状態は、ほぼ良好であ
り、キャラクタ印字ではカスレや白抜け、着弾点不良が
見られないが、ベタ印字において僅かにカスレが見られ
る。 △:キャラクタ印字ではカスレや白抜けは見られない
が、一部に着弾点不良が見られる。又、ベタ印字ではカ
スレ、白抜けがベタ印字全体の1/3程度で見られる。 ×:ベタ印字ではカスレ、白抜けが多く、又、キャラク
タ印字においてもカスレや着弾点不良が多数見られる。
【0076】(3)印字品位の評価 プリンターで市販の普通紙紙に英数文字を印字し、印字
物を1時間以上放置した後、顕微鏡及び目視で文字のシ
ャープさや文字より発生するヒゲ状の滲みの度合いを評
価した。 ◎:文字がシャープでヒゲ状の滲みがない。 ○:文字がシャープであるが、ヒゲ状の滲みが少し発
生。 △:文字にシャープさがない。又は、ヒゲ状の滲みがや
や多い。 ×:文字にシャープさがなく、ヒゲ状の滲みも多い。
【0077】(4)耐目詰り性の評価 BJC600に各々のインクを充填し、50℃の環境に
1週間放置し、正常に吐出するまでの回復操作の回数に
より、耐目詰り性を以下の基準で評価した。 ○:回復操作5回以内で正常な吐出をした。 △:回復操作6回〜10回で正常な吐出をした。 ×:回復操作11回でも正常な吐出をしなかった。
【0078】(5)固着性の評価 BJC600に各々のインクを充填し、50℃の環境に
1週間放置後、そのまま5℃の環境に1週間放置して、
正常に吐出するまでの回復操作の回数により、固着性を
以下の基準で評価した。 ○:回復操作5回以内で正常な吐出をした。 △:回復操作6回〜10回で正常な吐出をした。 ×:回復操作11回でも正常な吐出をしなかった。
【0079】表1:実施例及び比較例の評価結果
【0080】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
一般オフィス等で用いられている普通紙に対して印字記
録をした場合、高品位な画像が得られ、且つインクの安
定性、信頼性に優れ、耐水性も良好なインク、これを用
いたインクジェット記録方法及びかかるインクを用いた
機器を提供することができる。更に、本発明によれば、
長期間の保存後も安定性が良好であり、インクジェット
記録システムに用いても、何ら問題のない信頼性の高い
記録を行い得るインク、これを用いたインクジェット記
録方法及びかかるインクを用いた機器を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置のヘッド部の縦断面図
である。
【図2】インクジェット記録装置のヘッド部の横断面図
である。
【図3】図1に示したヘッドをマルチ化したヘッドの外
観斜視図である。
【図4】インクジェット記録装置の一例を示す斜視図で
ある。
【図5】インクカートリッジの縦断面図である。
【図6】記録ユニットの斜視図である。
【図7】本発明のインクのpHと粘度の関係を示す図で
ある。
【図8】本発明で使用される化合物のpHと溶解性との
関係を示す図である。
【符号の説明】
61:ワイピング部材 62:キャップ 63:インク吸収体 64:吐出回復部 65:記録ヘッド 66:キャリッジ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年3月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置のヘッド部の縦断面図
である。
【図2】インクジェット記録装置のヘッド部の横断面図
である。
【図3】図1に示したヘッドをマルチ化したヘッドの外
観斜視図である。
【図4】インクジェット記録装置の一例を示す斜視図で
ある。
【図5】インクカートリッジの縦断面図である。
【図6】記録ユニットの斜視図である。
【符号の説明】 61:ワイピング部材 62:キャップ 63:インク吸収体 64:吐出回復部 65:記録ヘッド 66:キャリッジ

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 60℃環境下でインク中の水分を蒸発さ
    せた状態で、該インク全体が流動性を有し、且つインク
    の初期成分が少なくとも色材と、水と、水に溶解又は分
    散する液媒体とからなることを特徴とするインク。
  2. 【請求項2】 60℃環境下でインク中の水分を蒸発さ
    せた状態で、気液界面に析出物が発生しない請求項1に
    記載のインク。
  3. 【請求項3】 60℃環境下でインク中の水分を蒸発さ
    せた状態で、該インク全体が流動性を有し、その状態で
    のインクの粘度が、60℃環境下で、インク中の水分を
    蒸発させる前のインクの初期の状態での粘度の600倍
    以下である請求項1又は2に記載のインク。
  4. 【請求項4】 60℃環境下でインク中の水分を蒸発さ
    せた状態で、該インク全体が流動性を有し、且つインク
    を60℃環境下でインク中の水分を蒸発させた状態から
    25℃環境下に再放置しても、インクの流動性が失われ
    ない請求項1に記載のインク。
  5. 【請求項5】 60℃環境下でインク中の水分を蒸発さ
    せた状態で、該インク全体が流動性を有し、インクを6
    0℃環境下でインク中の水分を蒸発させた状態から25
    ℃環境下に再放置しても、インクの流動性が失われず、
    且つ気液界面に析出物が発生しない請求項4に記載のイ
    ンク。
  6. 【請求項6】 60℃環境下でインク中の水分を蒸発さ
    せた状態で、該インク全体が流動性を有し、インクを6
    0℃環境下でインク中の水分を蒸発させた状態から25
    ℃環境下に再放置しても、インクの流動性が失われず、
    且つ25℃環境下で流動性を失っていないインクの粘度
    が、60℃環境下でインク中の水分を蒸発させる前のイ
    ンクの初期の状態での粘度の600倍以下である請求項
    4又は5に記載のインク。
  7. 【請求項7】 60℃環境下でインク中の水分を蒸発さ
    せた状態で、該インク全体が流動性を有し、且つインク
    の初期成分が少なくとも色材と、水と、水に溶解又は分
    散する液媒体と、遊離酸の状態でリン酸、スルホン酸又
    はカルボン酸から選ばれた少なくとも1種を水溶性基と
    して複数個有する水溶性高分子化合物とからなる請求項
    1〜6に記載のインク。
  8. 【請求項8】 遊離酸の状態でリン酸、スルホン酸又は
    カルボン酸から選ばれた少なくとも1種を水溶性基とし
    て複数個有する水溶性高分子化合物が、エステル結合を
    有さない化合物である請求項7に記載のインク。
  9. 【請求項9】 遊離酸の状態でリン酸、スルホン酸又は
    カルボン酸から選ばれた少なくとも1種を水溶性基とし
    て複数個有する水溶性高分子化合物が、アニオン性化合
    物である請求項8に記載のインク。
  10. 【請求項10】 遊離酸の状態でリン酸、スルホン酸又
    はカルボン酸から選ばれた少なくとも1種を水溶性基と
    して複数個有する水溶性高分子化合物の分子量が、2,
    000〜12,000の範囲内にある請求項9に記載の
    インク。
  11. 【請求項11】 遊離酸の状態でリン酸、スルホン酸又
    はカルボン酸から選ばれた少なくとも1種を水溶性基と
    して複数個有する水溶性高分子化合物が、2種以上の塩
    からなる請求項7〜10に記載のインク。
  12. 【請求項12】 色材が、アニオン性色材である請求項
    1、4、7又は11に記載のインク。
  13. 【請求項13】 遊離酸の状態での色材の水溶性基が、
    遊離酸の状態でリン酸、スルホン酸又はカルボン酸から
    選ばれた少なくとも1種を水溶性基として複数個有する
    水溶性高分子化合物の水溶性基と同種のものである請求
    項1、4、7、11又は12に記載のインク。
  14. 【請求項14】 遊離酸の状態での色材の水溶性基が、
    遊離酸の状態でリン酸、スルホン酸又はカルボン酸から
    選ばれた少なくとも1種を水溶性基として複数個有する
    水溶性高分子化合物の水溶性基とが同種のものであり、
    且つ該水溶性基の数が色材が有する他の水溶性基の数と
    同数又はそれ以上である請求項13に記載のインク。
  15. 【請求項15】 水溶性基が、遊離酸の状態でカルボン
    酸である請求項14に記載のインク。
  16. 【請求項16】 インク滴を記録信号に応じて記録ヘッ
    ドのオリフィスから吐出させて、被記録材に記録を行う
    インクジェット記録方法において、インクとして請求項
    1〜15に記載のインクを使用するインクジェット記録
    方法。
  17. 【請求項17】 インクを熱エネルギーにより流動性に
    し、該流動性によりインクを液滴としてオリフィスより
    吐出させる請求項16に記載のインクジェット記録方
    法。
  18. 【請求項18】 インクを収容したインク収容部と、イ
    ンクをインク滴として吐出させるためのヘッド部とを備
    えた記録ユニットにおいて、前記インクが請求項1〜1
    5に記載のインクである記録ユニット。
  19. 【請求項19】 ヘッド部が、インクを熱エネルギーに
    より発生した流動性により液滴としてオリフィスより吐
    出させるヘッドを有する請求項18に記載の記録ユニッ
    ト。
  20. 【請求項20】 インク収容部が、内部にインク保持体
    を有している請求項19に記載の記録ユニット。
  21. 【請求項21】 インク収容部が、ポリウレタン、セル
    ロース又はポリオレフィンを材料としてなるインク保持
    体を有している請求項20に記載の記録ユニット。
  22. 【請求項22】 インク収容部が、内部にインクの疎密
    状態を有する請求項21に記載の記録ユニット。
  23. 【請求項23】 インクを収容したインク収容部を備え
    たインクカートリッジにおいて、前記インクが請求項1
    〜15に記載のインクであるインクカートリッジ。
  24. 【請求項24】 インク収容部がポリオレフィンで形成
    された接液面を有する請求項23に記載のインクカート
    リッジ。
  25. 【請求項25】 インクを収容したインク収容部と、該
    インクをインク滴として吐出させるためのヘッド部とを
    有する記録ユニットを備えたインクジェット記録装置に
    おいて、上記インクが請求項1〜15に記載のインクで
    あるインクジェット記録装置。
  26. 【請求項26】 ヘッド部が、インクを熱エネルギーに
    より流動性にし、該流動性によりインクを液滴としてオ
    リフィスより吐出させるヘッドである請求項25に記載
    のインクジェット記録装置。
  27. 【請求項27】 インク収容部が、内部にインク保持体
    を有している請求項26に記載のインクジェット記録装
    置。
  28. 【請求項28】 インク収容部が、ポリウレタン、セル
    ロース又はポリオレフィンを材料としてなるインク保持
    体を有している請求項27に記載のインクジェット記録
    装置。
  29. 【請求項29】 インク滴を吐出するための記録ヘッ
    ド、インクを収容したインク収容部を有するインクカー
    トリッジ及び該インクカートリッジから記録ヘッドにイ
    ンクを供給するためのインク供給部を備えたインクジェ
    ット記録装置において、上記インクが請求項1〜15に
    記載のインクであるインクジェット記録装置。
  30. 【請求項30】 記録ヘッドが、インクを熱エネルギー
    により流動性にし、該流動性によりインクを液滴として
    オリフィスより吐出させるヘッドである請求項29に記
    載のインクジェット記録装置。
  31. 【請求項31】 インク収容部がポリオレフィンで形成
    された接液面を有する請求項30に記載のインクジェッ
    ト記録装置。
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