JP3805006B2 - インク、これを用いたインクジェット記録方法、記録ユニット、インクカートリッジ及びインクジェット記録装置 - Google Patents
インク、これを用いたインクジェット記録方法、記録ユニット、インクカートリッジ及びインクジェット記録装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インク、これを用いたインクジェット記録方法及びかかるインクを用いた機器に関し、更に詳しくは、一般のオフィス等で使用されている酸性紙や中性紙に対して記録を行った場合、高品位な画像が得られ、且つ、インクの安定性、信頼性に優れ、耐水性も良好なインク、これを用いたインクジェット記録方法、記録ユニット、インクカートリッジ及びインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から筆記具(万年筆、サインペン、水性ボールペン等)用インク及びインクジェット記録用インクについては、実に様々な組成のものが報告されている。なかでも近年、多方面で記録用紙として使用されているコピー紙、レポート用紙、ノート、便箋等の普通紙に対しての印字記録の高画質化や耐水性向上の要望が高まっており、インクの安定性及び信頼性を高次で維持しながら、これらの要望に応えるべく、インクの組成及び物性等の多様な面から詳細な研究開発がためされている。
【0003】
例えば、特開昭63−289081号公報には、インク中に分子量10,000〜500,000のポリカルボン酸型高分子界面活性剤を含有するインクが、又、特開平6−93224号公報には、ポリカルボン酸エステルを含むポリカルボン酸及び/又はその塩を含有し、粘度が50〜2,000cpsのインクがボールペン用インクにおける信頼性向上のために夫々提案されている。
【0004】
しかしながら、上記各提案ではボールペン等の外部エネルギーの作用により記録を行うシステムにおいては、例えば、ボールペンの先でインクが固着状態になっても外部エネルギーを作用させる(この場合は外圧を増す)ことにより、再び記録を可能にすることができるが、インクジェット記録システムにおいては、内部エネルギーを作用させる(この場合、インク吐出部より内部のインクにエネルギーを作用させる)ことにより記録を行っており、万一吐出口においてインクが固着状態になった場合に、内部エネルギーを増大させることが難しく十分な信頼性を得るには至っていない。更に、記録物の耐水性も不十分である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は上記問題点を改善するためのインク、これを用いたインクジェット記録方法、記録ユニット、インクカートリッジ及びインクジェット記録装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的は以下の本発明により達成される。即ち、本発明の一実施態様は、インクが少なくとも色材と、水と、水に溶解または分散する液媒体と、水溶性高分子化合物であるポリアクリル酸塩を含み、上記色材が、その化学構造中に、SO 3 H基をもたない場合は少なくとも2つのCOOH基を有し、SO 3 H基をもつ場合はCOOH基をSO 3 H基の数と同数以上で且つ2以上を有するものであり、且つ、60℃環境下で該インク中の水分を蒸発させた状態で、該インク全体が流動性があることを特徴とするインクである。尚、本明細書に記載されている上記構成以外の水溶性高分子化合物及び色材は、本発明に含まれることはない。
本発明の他の実施態様は、インクを記録信号に応じて記録ヘッドのオリフィスから吐出させて、被記録材に記録を行うインクジェット記録方法において、インクとして上記に記載のインクを使用することを特徴とするインクジェット記録方法である。
又、本発明の他の実施態様は、インクを収容したインク収容部と、インクを吐出させるためのヘッド部とを備えた記録ユニットにおいて、前記インクがインクジェット用の上記に記載のインクである記録ユニットである。
更に、本発明の他の実施態様は、インクを収容したインク収容部を備えたインクカートリッジにおいて、前記インクが上記に記載のインクであるインクカートリッジである。
本発明の他の実施態様は、インクを収容したインク収容部と、該インクを吐出させるためのヘッド部とを有する記録ユニットを備えたインクジェット記録装置において、該記録ユニットが上記に記載の記録ユニットであることを特徴とするインクジェット記録装置である。
更に、本発明の他の実施態様は、インクを吐出するための記録ヘッド、インクを収容したインク収容部を有するインクカートリッジ及び該インクカートリッジから記録ヘッドにインクを供給するためのインク供給部を備えたインクジェット記録装置において、該インクカートリッジが上記に記載のインクカートリッジであることを特徴とするインクジェット記録装置である。
【0007】
本発明によれば、高温環境下、低温環境下及び高温低温の混合環境下等の劣悪環境状態下においても、ノズル先端での目詰りが格段に減少したインク、これを用いたインクジェット記録方法、記録ユニット、インクカートリッジ及びインクジェット記録装置が提供される。
上記本発明のインクが、高温環境下、低温環境下及び高温低温の混合環境下等の劣悪環境下において、目詰り等に対する高い信頼性を得ることができる正確な理由は不明であるが、以下に推測の範囲でその理由を述べる。
【0008】
一般に固形体である色材を用いた水溶性インクは、該色材の水溶性インクの液媒体に対する飽和濃度以下で使用している。該水溶性インク中の水分が多量に蒸発すると、色材のインクに対する濃度が、飽和濃度以上になり、色材が析出し、更に、水分蒸発が進むと、色材が固まりだす。しかしながら、本発明のインクは、色材のインク中の濃度が飽和濃度以上になっても、色材の会合が抑制されているため、色材が析出せず、更に、インク中の水分が蒸発しても色材が固まりだすことがないため、目詰り等に対する高い信頼性を得ることができると推測される。
【0009】
ボールペンのように被記録材に直接記録システムが接することにより記録を行う記録システムであれば、その吐出口で一旦インクが目詰りを起こしても、記録を行う際の被記録材との摩擦による外部エネルギーにより目詰りが除去できるが、このような機能を有しない記録システムである、インクジェット記録方式では、通常インクの吐出口からインク中の水分が蒸発して色材が多量に析出し目詰りを生じてしまい、それを除去することができない。しかし、このような場合でも、本発明のインクを用いれば、吐出口及び吐出口内部でインク中の色材が会合を生じないために、色材の析出や目詰りを発生せず、即ちインクが液状を保っているために、インク吐出口内部でインクを吐出させるために発生するインクに対するエネルギーを良好に機能させることが可能になり、良好なインクの吐出性、言い換えれば、良好な記録性を可能にし、耐目詰り性が向上しているのではないかと推測される。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に実施の形態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
本発明のインクは、60℃環境下でインク中の水分を蒸発させた状態で、該インク全体が流動性があることを特徴とする。又、本発明のインクは、その初期成分が少なくとも色材と、水と、水に溶解又は分散する液媒体とからなる。
【0011】
本発明のインクは、更に60℃環境下でインク中の水分を蒸発させた状態での気液界面に浮遊状態の析出物が発生しないものが好ましい。この理由としては、例えば、本発明のインクをインクジェット記録方法に用いた場合、該方法に用いられる装置はインクを吐出させるための吐出口が非常に小さく、且つインク吐出を良好にするために該吐出口の周辺が撥水剤で覆われているが、もしインク吐出口の気液界面に色材等の固形分の析出物が微少でも浮遊していると、この浮遊物が吐出口の縁に付着し、吐出性能を低下させてしまうことがあるためである。
【0012】
又、本発明のインクは、60℃環境下でインク中の水分を蒸発させた状態で該インク全体が流動性を有し、その状態でのインクの粘度が、60℃環境下に放置する前のインクの初期の状態での粘度の600倍以下であることが更に好ましい。
この理由としては、例えば、インクジェット記録方法においてはインクの目詰りや固着を抑制するために、目詰り回復のための吐出を行ったり、或いは、装置自体に吐出口面からインクを吸引する回復装置を備えていたりするが、60℃環境下でインク中の水分を蒸発した状態でのインクの粘度があまり大きくなり過ぎると、目詰り回復のための吐出を行う際にインクにエネルギーを作用させても、該エネルギーがインクの粘度に吸収されて目的の吐出を行うことができなかったり、又、回復レベルまで回復装置を作用できなかったりするためである。
従って、インクとインクジェット記録方式等の記録システムとの相関性等から、60℃環境下でインク中の水分を蒸発させた状態でのインクの粘度が、インクの初期の粘度の600倍以下であることが好ましい。
【0013】
一方、本発明のインクは、60℃環境下でインク中の水分を蒸発させた状態で、該インク全体が流動性を有し、インクの初期成分が少なくとも色材と、水と、水に溶解又は分散する液媒体とから成り、且つインクを60℃環境下でインク中の水分を蒸発させた状態から25℃環境下に再放置しても、インク全体の流動性が失われないものが特に好ましい。この理由としては、例えば、本発明のインクをインクジェット記録方法に用いた場合に、該方法に用いられる装置全体が通電されている状態で、インクの吐出性向上のために予備加熱が一般的に行われており、この温度条件は、記録システムによって違いはあるが、一般的には約25℃〜35℃の温度が加えられているからである。
【0014】
即ち、例えば、60℃のような劣悪環境下で、インク吐出口よりインク中の水分が蒸発した状態で該インクが流動性を有していても、その後10℃以下のような低温環境下になり、インク中の各化合物が溶解するための外部エネルギーが殆ど与えられない状態でも、インクジェット記録方式における予備加熱操作により、約25〜35℃の環境温度にインクは置かれることとなるため、60℃環境下でインク中の水分を蒸発させた状態から25℃環境下に再放置しても、インク全体の流動性が失われないものが、インクの吐出安定性、耐目詰り性に優れるものとなる。
【0015】
又、本発明のインク中には、遊離酸の状態でリン酸、スルホン酸又はカルボン酸から選ばれた少なくとも1種を水溶性基として複数個有する水溶性高分子化合物が色材等と併用されていることが好ましい。
該水溶性高分子化合物は、インクの長期安定性やインクの置かれる環境(高温及び低温)及びインクのpH等の影響を考慮すると、エステル結合を有していないものが特に好ましい。これは、エステル結合は上記のような環境において結合が切れ、アルコールを発生させてしまう可能性が十二分にあり、エステル結合を有する水溶性高分子化合物を有するインクを上記環境下に放置後、該インクを用いて記録を行った場合、インクの設計によって左右されるが、記録画像の品位が劣化してしまう可能性があるからである。
【0016】
又、前記水溶性高分子化合物は、アニオン性の極性のみを有する方が好ましい。もし、該化合物がカチオン性を有した場合、インクを取り巻く環境によって、該化合物自身内で反応してしまう可能性があるからである。
【0017】
上記の水溶性高分子化合物は、インクの設計及び使用目的によって左右されるが、分子量が2,000〜12,000の範囲であるのが好ましい。分子量が2,000未満であると、該水溶性高分子化合物の安定性が低く、又、分子量が12,000を越えると、例えば、インクジェット記録方式に用いた場合、粘度の過度の上昇等の不具合が生じる。
又、水溶性高分子化合物を塩の形にした場合、理由は定かではないが2種類以上の対イオンを用いると、更にインクジェット記録適性が良好になる。
【0018】
本発明で使用される色材は、アニオン性の溶解タイプの色材であることが好ましい。この理由としては、例えば本発明で好ましく使用される前記水溶性高分子化合物がアニオン性溶解タイプであるため、60℃環境下で、インク中の水分を蒸発させた状態で、該インク全体が流動性を有するためには、この同極性同士の反発も必要と考えられるからである。但しインク全体が流動性を有するためには、前記の同極性同士の反発のみによるものではなく、同じタイプの色材でも流動性を有するものと、有さないものがあるため、はっきりとしたことは解っていない。しかし、好ましくは前記水溶性高分子化合物に用いられている水溶性基と同じ水溶性基を有している色材がよい。
又、上記において、色材が有する前記水溶性高分子化合物と同じ水溶性基が、該色材の総水溶性基数の半数以上であるのが更に好ましい。
【0019】
上記のような色材として具体的なものを以下に示すが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
遊離酸の状態で下記一般式(I)で表わされる色材
Ar1N=NJX(NR1LNR2X)nJN=NAr2 (I)
(式中、Jは下記式を表す。
Ar1及びAr2は、各々独立に、アリール基又は置換アリール基であって、Ar1とAr2の少なくとも1つが独立にCOOHとCOSHから選ばれる置換基を1個以上有する。R1及びR2は独立に、H、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基又は置換アルケニル基を表し、Lは2価の有機連結基を表し、nは0又は1を表す。Xは夫々独立に、カルボニル基、又は下記(1)〜(3)式で示される基を表す。
【0020】
(Zは夫々独立にNR3R4、SR5又はOR5を表し、YはH、Cl、Z、SR6又はOR6を表し、EはCl又はCNを表す。R3、R4、R5及びR6は夫々独立にH、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基、置換アラルキル基を表し、R3又はR4は窒素原子と共に5又は6員環を形成することもある。)
又、一般式(I)で表される化合物は、少なくともSO3Hと同数のCOOH又はCOSHから選ばれた基を有する。)
【0021】
一般式(I)で示される色材として、具体的には、例えば、以下のようなものが挙げられる。
【0022】
【0023】
遊離酸の状態で下記一般式(II)で表わされる色材
(式中、Ar及びAr1は夫々アリール基又は置換アリール基を示し、Ar及びAr1の少なくとも1つはCOOH又はCOSHから選ばれる置換基を有する。J及びJ1は夫々下記一般式(4)、(5)及び(6)からなる群から選ばれる構造からなる
【0024】
(式中、R5は独立的に、H、アルキル基、置換アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン、CN、ウレイド及びNHCOR6から選択される。R6はH、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基及び置換アラルキル基から選択される。Tはアルキル基を示し、WはH、CN、CONR10R11、ピリジウム及びCOOHから選択される。(m)は炭素数2〜8のアルキレン鎖を示し、BはH、アルキル基及びCOOHから選択される。R10及びR11は夫々H、アルキル基及び置換アルキル基から選択される。)。
【0025】
R1、R2、R3及びR4は夫々H、アルキル基及び置換アルキル基から選択され、Lは2価の有機結合基を示し、nは0又は1を示す。Xはカルボニル基又は下記一般式(7)、(8)又は(9)の構造からなる。
【0026】
(式中、Zは、OR7、SR7及びNR8R9から選択され、YはH、Cl、CN及びZから選択され、EはCl及びCNから選択される。R7、R8及びR9は夫々H、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基及び置換アラルキル基から選択される。更にR8及びR9はこれらが結合された窒素原子と共に5員環又は6員環を形成する場合もある。)
▲1▼一般式(II)がSO3H基をもたない場合は、少なくとも2つのCOOH基又はCOSH基から選ばれる基を有し、▲2▼一般式(II)がSO3H基をもつ場合は、COOH基又はCOSH基から選ばれる基が少なくともSO3H基の数と同数以上有する。)
【0027】
一般式(II)で表わされる色材としては、具体的には、例えば、以下の様なものが挙げられる。
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
遊離酸の形で下記一般式(III)で表わされる色材:
(式中、R1及びR2は夫々独立に水素原子、カルボキシル基、スルホン基及び炭素数1〜2のアルキル基から選ばれ、X及びYは夫々独立にNR3R4及びNR5R6から選ばれる。R3及びR4は夫々独立にアルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基、置換アラルキル基、アルコキシル基及び置換アルコキシル基から選ばれ、R5は水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アラルキル基、置換アラルキル基、アルコキシル基及び置換アルコキシル基から選ばれ、R6はCOSH又はCOOHで置換された無色有機残基を表わす。)
【0033】
一般式(III)で表わされる化合物としては、具体的には、以下のものが挙げられる。
【0034】
遊離酸の状態で下記一般式(IV)で表わされる色材
(上記一般式(IV)中、R1、R2及びR2´は夫々、カルボキシル基、スルホン基、水酸基、アミノ基、炭素数1〜2のアルキル基及び水素原子から選ばれ、R3、R4、R5及びR6はカルボキシル基、スルホン基、アミノ基、水酸基、アルキルアミド基及び水素原子から選ばれる。
【0035】
又、Xは下記一般式(A)、又は(B)の構造からなる。
(上記一般式(A)及び(B)中、R7はカルボキシル基、スルホン基及び水素原子から選ばれる。R8、R9はカルボキシル基、スルホン基、下記式で表わされる構造及び水素からなる群から選ばれる。
(上記式中、nは1〜5の整数を、mは0又は1を夫々表す。)))
【0036】
一般式(IV)で示される色材として、具体的には、例えば、以下の様なものが挙げられる。
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
尚、上記した例示化合物の中で、化学構造中に、SO 3 H基をもたない場合は少なくとも2つのCOOH基を有し、SO 3 H基をもつ場合はCOOH基をSO 3 H基の数と同数以上で且つ2以上を有する色材としては、染料1〜23及び26が該当する。又、本発明で使用される色材が、遊離酸の状態での色材の水溶性基種と、水溶性高分子化合物の有する水溶性基種とが同種のものであり、且つ上記の色材の水溶性基数が、色材中に有する他の水溶性基数と同数或いはそれ以上のものである場合に信頼性がより良好になる傾向がある。更に、記録物の耐水性等の向上を考慮に入れると、上記の場合の水溶性基が遊離酸の状態でカルボン酸である場合が特に良好である。
【0042】
本発明で使用される液媒体は、水と水溶性有機溶剤との混合物であることが好ましい。具体的な水溶性有機溶剤の例としては、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;グリセリン;エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、トリエタノールアミン、スルホラン、ジメチルサルフォオキサイド、2−ピロリドン、ε−カプロラクタム等の環状アミド化合物及びスクシンイミド等のイミド化合物等が挙げられる。
【0043】
上記水溶性有機溶剤の含有量は、一般にはインクの全重量に対して1〜40重量%が好ましく、より好ましくは3〜30重量%の範囲である。
又、インク中の水の含有量は、インクの全重量に対して30〜95重量%の範囲で使用される。30重量%より少ないと染料の溶解性等が悪くなり、インクの粘度も高くなるため好ましくない。一方、95重量%より多いと蒸発成分が多すぎて、十分な固着特性を満足することができない。
【0044】
本発明のインクには、インク中の無機イオンである不純物により、例えば、インクジェット記録方法においてコゲという問題を発生させるため、このようなインクの悪影響を防止するためにコゲ防止剤を含有した方がよい。但し、これらのコゲ防止剤も熱エネルギーを伝えるヒーターの表面状態と相関関係があるため、場合によっては未添加でもよい。又、インク中の無機イオンが1ppm、好ましくは0.5ppm以下であれば添加しなくてもよい。それらのインク中への含有量はインク全重量に対して0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%、更に好ましくは0.1〜3重量%である。
【0045】
又、本発明のインクは、インク中に尿素、チオ尿素及びそれらの誘導体を含有することが好ましい。これらの物質のインク中への含有量はインク全重量に対して0.1〜50重量%、好ましくは1〜30重量%、更に好ましくは2〜10重量%である。
【0046】
更に本発明のインクには、インクの定着剤として一価アルコールを添加してもよい。又、非イオン性界面活性剤も定着剤として機能する。これらは異なった色調を印字した場合、その境界で生じる混色滲みを防止するためには必要となる。又、これらは染料のインク中での溶解性を安定向上させるという意味でもインク中に含有している方が好ましい。その場合、インク中への添加量と効果を考えるならば非イオン性界面活性剤の方が好ましい。
【0047】
定着剤として本発明のインクに添加し得る一価アルコールの具体例としてはエタノール、イソプロピルアルコール及びn−ブタノール等が挙げられる。又、同様に添加し得る非イオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、アセチレングリコールポリエチレンオキサイド付加物等が挙げられるが、好ましくはノニルフェニルエーテルEO付加体、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体(EO−PO共重合体)、アセチレングリコールポリオキシエチレンオキサイド付加物が好ましく、より好ましくは下記一般式(V)で表されるアセチレングリコールポリオキシエチレンオキサイド付加物(アセチレングリコールEO付加物)である。
【0048】
上記一価アルコール又は非イオン界面活性剤のインクの含有量は、インク全重量に対して0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%である。0.1重量%より少ないと定着剤としての効果がなく、又、20重量%より多いと印字品位のバランス、例えば、濃度や定着性やヒゲ状の滲みであるフェザリングと定着性や濃度とのバランスが悪くなる。
【0049】
本発明のインクは、熱エネルギーによるインクの発泡現象によりインクを吐出させるタイプのインクジェット記録方法に適用する場合に特に好適であり、吐出が極めて安定となり、サテライトドットの発生等が生じないという特徴がある。但しこの場合には、熱的な物性値(例えば、比熱、熱膨張係数、熱伝導率等)を調整する場合もある。
【0050】
更に、本発明のインクは普通紙等に記録した場合の印字記録物のインクの耐水性の問題を解決すると同時に、インクジェット用ヘッドに対するマッチングを良好にする面から、インク自体の物性として25℃における表面張力が20〜55dyne/cm、粘度が15cP以下、好ましくは10cP以下、より好ましくは5cP以下に調整されることが望ましいが、インクジェット記録用ヘッドの性態に左右されるため、これに限定されるものではない。
従って、上記物性にインクを調整し、普通紙における問題を解決するためには、本発明のインク中に含有される水分量としては50重量%以上98重量%以下、好ましくは60重量%以上95重量%以下とされるのが好適である。
【0051】
本発明のインクは、熱エネルギーの作用により液滴を吐出させて記録を行なうインクジェット記録方法にとりわけ好適に用いられるが、一般の筆記具用としても使用できる。
本発明のインクを用いて記録を行うのに好適な方法及び装置としては、記録ヘッドの室内のインクに記録信号に対応した熱エネルギーを与え、該熱エネルギーにより液滴を発生させる方法及び装置が挙げられる。
【0052】
その装置の主要部であるヘッド構成例を図1、図2及び図3に示す。ヘッド13はインクを通す溝14を有するガラス、セラミックス又はプラスチック板等と、感熱記録に用いられる発熱ヘッド15(図では薄膜ヘッドが示されているが、これに限定されるものではない)とを接着して得られる。発熱ヘッド15は酸化シリコン等で形成される保護膜16、アルミニウム電極17−1及び17−2、ニクロム等で形成される発熱抵抗体層18、蓄熱層19、アルミナ等の放熱性の良い基板20とによりなっている。
【0053】
インク21は吐出オリフィス(微細孔)22まで来ており、圧力Pによりメニスカス23を形成している。
今、アルミニウム電極17−1及び17−2に電気信号が加わると、発熱ヘッド15のnで示される領域が急激に発熱し、ここに接しているインク21に気泡が発生し、その圧力でメニスカス23が突出し、インク21が吐出し、オリフィス22よりインク小滴24となり、被記録材25に向かって飛翔する。
図3には図1に示すヘッドを多数並べたマルチヘッドの外観図を示す。該マルチヘッドはマルチ溝26を有するガラス板27と、図1に説明したものと同様な発熱ヘッド28を密着して製作されている。尚、図1は、インク流路に沿ったヘッド13の断面図であり、図2は図1のA−B線での切断面である。
【0054】
図4に、かかるヘッドを組み込んだインクジェット記録装置の1例を示す。図4において、61はワイピング部材としてのブレードであり、その一端はブレード保持部材によって保持されて固定端となり、カンチレバーの形態をなす。ブレード61は記録ヘッド65による記録領域に隣接した位置に配設され、又、本例の場合、記録ヘッド65の移動経路中に突出した形態で保持される。
62はキャップであり、ブレード61に隣接するホームポジションに配設され、記録ヘッドの移動方向と垂直な方向に移動して、インク吐出口面と当接し、キャッピングを行う構成を備える。更に63はブレード61に隣接して設けられるインク吸収体であり、ブレード61と同様、記録ヘッド65の移動経路中に突出した形態で保持される。上記ブレード61、キャップ62及びインク吸収体63によって吐出回復部64が構成され、ブレード61及びインク吸収体63によってインク吐出口面の水分、塵埃等の除去が行われる。
【0055】
65は吐出エネルギー発生手段を有し、吐出口を配した吐出口面に対向する被記録材にインクを吐出して記録を行う記録ヘッドであり、66は記録ヘッド65を搭載して記録ヘッド65の移動を行うためのキャリッジである。キャリッジ66はガイド軸67と慴動可能に係合し、キャリッジ66の一部はモーター68によって駆動されるベルト69と接続(不図示)している。これによりキャリッジ66はガイド軸67に沿った移動が可能となり、記録ヘッド65による記録領域及びその隣接した領域の移動が可能となる。
51は被記録材を挿入するための給紙部、52は不図示のモーターにより駆動される紙送りローラーである。これらの構成によって記録ヘッド65の吐出口面と対向する位置へ被記録材が給紙され、記録が進行するにつれて排紙ローラー53を配した排紙部へ排紙される。
【0056】
上記構成において記録ヘッド65が記録終了等でホームポジションに戻る際、吐出回復部64のキャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避しているが、ブレード61は移動経路中に突出している。この結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピングされる。尚、キャップ62が記録ヘッド65の吐出面に当接してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘッドの移動経路中に突出するように移動する。
【0057】
記録ヘッド65がホームポジションから記録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード61は上述したワイピング時の位置と同一の位置にある。この結果、この移動においても記録ヘッド65の吐出口面はワイピングされる。
上述の記録ヘッドのホームポジションへの移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘッドが記録のために記録領域を移動する間に所定の間隔で記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この移動に伴って上記ワイピングが行われる。
【0058】
図5は、ヘッドにインク供給部材、例えば、チューブを介して供給されるインクを収容したインクカートリッジ45の一例を示す図である。ここで40は供給用インクを収容したインク収容部、例えば、インク袋であり、その先端にはゴム製の栓42が設けられている。この栓42に針(不図示)を挿入することにより、インク袋40中のインクをヘッドに供給可能ならしめる。44は廃インクを受容するインク吸収体である。インク収容部としては、インクとの接液面がポリオレフィン、特にポリエチレンで形成されているものが本発明にとって好ましい。本発明で使用されるインクジェット記録装置としては、上記の如きヘッドとインクカートリッジとが別体となったものに限らず、図6に示す如きそれらが一体になったものにも好適に用いられる。
【0059】
図6において、70は記録ユニットであって、この中にはインクを収容したインク収容部、例えば、インク吸収体が収納されており、かかるインク吸収体中のインクが複数のオリフィスを有するヘッド部71からインク滴として吐出される構成になっている。インク吸収体の材料としては、ポリウレタン、セルロース又はポリビニルアセタールを用いることが本発明にとって好ましい。72は記録ユニット内部を大気に連通させるための大気連通口である。この記録ユニット70は、図4で示す記録ヘッドに代えて用いられるものであって、キャリッジ66に対し着脱自在になっている。
【0060】
本発明のインクは、好ましい条件として、アニオン性の溶解又は分散タイプの化合物を併用させているため、インクのpHは8以上が好ましい。しかしながら、インクジェット記録方法に用いた場合、吐出性等の信頼性等を考えるとpHは8.5以上、更に好ましくは9.0以上である。又、本発明のインクは、含窒素化合物や2価の金属でpHを調整してもよい。
尚、本発明のインクは、上記成分の他に必要に応じて水溶性有機溶剤、界面活性剤、防錆剤、防カビ剤、酸化防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、水溶性ポリマー等の種々の添加剤を添加してもよい。
【0061】
【実施例】
次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。尚、文中「部」及び「%」と表示のあるものは、特に断りのない限り重量基準である。
【0062】
実施例1〜4及び比較例1〜3
<インクの作製>
下記に示す各成分を混合し、十分攪拌して溶解後、ポアサイズが0.4μmのフロロポアフィルター(商品名:住友電工(株)製)にて加圧濾過し、本発明及び比較例のインクを夫々調製した。
【0063】
実施例1
C.I.ダイレクトブラック195(染料23)3.0%
チオジグリコール 10.0%
ジエチレングリコール 10.0%
分子量5,000のポリアクリル酸アンモニウム塩
1.0%
純水 76.0%
【0064】
実施例2
C.I.ダイレクトブラック195(染料23)2.5%
グリセリン 10.0%
イソプロピルアルコール 3.0%
分子量5,000のポリアクリル酸
トリエタノールアミン塩 0.5%
分子量10,000のポリアクリル酸
ナトリウム塩 0.4%
純水 85.4%
【0065】
実施例3
染料5 3.0%
2−ピロリドン 10.0%
エタノール 4.0%
分子量7,800のポリアクリル酸
トリエタノールアミン塩 1.0%
分子量3,000のポリアクリル酸
アンモニウム塩 1.0%
一般式(V)の化合物
(式中、a=b=1、m+n=15) 1.0%
純水 80.0%
【0066】
実施例4
染料1 2.5%
グリセリン 7.0%
尿素 10.0%
エタノール 3.0%
分子量5,000のポリアクリル酸
アンモニウム塩 2.0%
純水 75.5%
【0067】
比較例1
C.I.ダイレクトブラック195(染料23)3.0%
チオジグリコール 10.0%
ジエチレングリコール 10.0%
純水 77.0%
【0068】
比較例2
C.I.ダイレクトブラック51(染料24) 2.0%
チオジグリコール 10.0%
ジエチレングリコール 10.0%
分子量5,000のポリアクリル酸
アンモニウム塩 1.0%
純水 76.0%
【0069】
比較例3
C.I.フードブラック2 3.0%
グリセリン 10.0%
イソプロピルアルコール 3.0%
分子量10,000のポリアクリル酸
ナトリウム塩 1.0%
純水 83.0%
【0070】
<流動性の確認>
得られた各インクについて、その流動性を以下の方法により確認した。
【0071】
(1)流動性(A)
100ccガラスビーカーに試料インク100gを入れ、60℃、20%RH環境のオーブンに5日間放置した後の状態を、下記基準で評価した。
【0072】
(2)流動性(B)
100ccガラスビーカーに試料インク100gを入れ、60℃、20%RH環境のオーブンに5日間放置した後、該ガラスビーカーを更に25℃環境に5日間放置した後の状態を、下記基準で評価した。
○:インク表面に析出物は認められず、且つインク内部は流動性があった。又、ビーカーを逆さまにすると、インクが流れ落ちた。
△:インク表面に析出物が認められるが、インク内部は流動性はある。しかし、インクは粘稠な状態である。又、ビーカーを逆さまにしてもインクは流れ落ちなかった。
×:インク表面に析出物は認められ、且つインク内部も表面と同じ様な状態で、流動性が見られなかった。又、ビーカーを逆さまにしてもインクは流れ落ちなかった。
【0073】
<評価試験>
次に、上記で得られた実施例1〜4及び比較例1〜3のインクについて、インクジェット記録装置として、発熱素子をインクの吐出エネルギー源として利用したBJC−600J(商品名:キヤノン(株)製)を用いて、以下の各評価を行い、その結果を表1にまとめた。
【0074】
<評価方法及び評価基準>
(1)耐水性
プリンターに所定のインクを充填して、市販の酸性紙に英数文字及びベタ部を印字した後、プリントを停止し、印字物を1時間以上放置後、印字濃度をマクベスRD915(商品名:マクベス社製)にて測定を行う。その後、印字物を水を満たした容器に3分間以上浸漬した後、放置、乾燥して再度印字濃度を測定し、印字物濃度の残存率を求め、耐水性の評価とした。
○:印字物濃度の残存率が80%以上。
△:印字物濃度の残存率が65%以上〜80%未満。
×:印字物濃度の残存率が65%未満。
【0075】
(2)周波数応答性
得られた印字物の印字状態、即ちカスレや白抜け状態及びスブラッシュやヨレ等の着弾点不良状態を肉眼で観察し、評価した。
○:周波数に対するインクの追従状態は、ほぼ良好であり、キャラクタ印字ではカスレや白抜け、着弾点不良が見られないが、ベタ印字において僅かにカスレが見られる。
△:キャラクタ印字ではカスレや白抜けは見られないが、一部に着弾点不良が見られる。又、ベタ印字ではカスレ、白抜けがベタ印字全体の1/3程度で見られる。
×:ベタ印字ではカスレ、白抜けが多く、又、キャラクタ印字においてもカスレや着弾点不良が多数見られる。
【0076】
(3)印字品位の評価
プリンターで市販の普通紙紙に英数文字を印字し、印字物を1時間以上放置した後、顕微鏡及び目視で文字のシャープさや文字より発生するヒゲ状の滲みの度合いを評価した。
◎:文字がシャープでヒゲ状の滲みがない。
○:文字がシャープであるが、ヒゲ状の滲みが少し発生。
△:文字にシャープさがない。又は、ヒゲ状の滲みがやや多い。
×:文字にシャープさがなく、ヒゲ状の滲みも多い。
【0077】
(4)耐目詰り性の評価
BJC600に各々のインクを充填し、50℃の環境に1週間放置し、正常に吐出するまでの回復操作の回数により、耐目詰り性を以下の基準で評価した。
○:回復操作5回以内で正常な吐出をした。
△:回復操作6回〜10回で正常な吐出をした。
×:回復操作11回でも正常な吐出をしなかった。
【0078】
(5)固着性の評価
BJC600に各々のインクを充填し、50℃の環境に1週間放置後、そのまま5℃の環境に1週間放置して、正常に吐出するまでの回復操作の回数により、固着性を以下の基準で評価した。
○:回復操作5回以内で正常な吐出をした。
△:回復操作6回〜10回で正常な吐出をした。
×:回復操作11回でも正常な吐出をしなかった。
【0079】
表1:実施例及び比較例の評価結果
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、一般オフィス等で用いられている普通紙に対して印字記録をした場合、高品位な画像が得られ、且つインクの安定性、信頼性に優れ、耐水性も良好なインク、これを用いたインクジェット記録方法及びかかるインクを用いた機器を提供することができる。
更に、本発明によれば、長期間の保存後も安定性が良好であり、インクジェット記録システムに用いても、何ら問題のない信頼性の高い記録を行い得るインク、これを用いたインクジェット記録方法及びかかるインクを用いた機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置のヘッド部の縦断面図である。
【図2】インクジェット記録装置のヘッド部の横断面図である。
【図3】図1に示したヘッドをマルチ化したヘッドの外観斜視図である。
【図4】インクジェット記録装置の一例を示す斜視図である。
【図5】インクカートリッジの縦断面図である。
【図6】記録ユニットの斜視図である。
【符号の説明】
13:ヘッド
14:溝
15:発熱ヘッド
16:保護膜
17−1、17−2:電極
18:発熱抵抗体層
19:蓄熱層
20:基板
21:インク
22:吐出オリフィス
23:メニスカス
24:インク小滴
25:被記録材
26:マルチ溝
27:ガラス板
28:発熱ヘッド
40:インク袋
42:栓
44:インク吸収体
45:インクカートリッジ
51:給紙部
52:紙送りローラー
53:排紙ローラー
61:ワイピング部材
62:キャップ
63:インク吸収体
64:吐出回復部
65:記録ヘッド
66:キャリッジ
67:ガイド軸
68:モーター
69:ベルト
70:記録ユニット
71:ヘッド部
72:大気連通口
Claims (20)
- インクが少なくとも色材と、水と、水に溶解または分散する液媒体と、水溶性高分子化合物であるポリアクリル酸塩を含み、上記色材が、その化学構造中に、SO 3 H基をもたない場合は少なくとも2つのCOOH基を有し、SO 3 H基をもつ場合はCOOH基をSO 3 H基の数と同数以上で且つ2以上を有するものであり、且つ、60℃環境下で該インク中の水分を蒸発させた状態で、該インク全体が流動性があることを特徴とするインク。
- 60℃環境下でインク中の水分を蒸発させた状態で、気液界面に析出物が発生しない請求項1に記載のインク。
- 60℃環境下でインク中の水分を蒸発させた状態におけるインクの粘度が、60℃環境下で、インク中の水分を蒸発させる前のインクの初期の状態での粘度の600倍以下である請求項1又は2に記載のインク。
- インクを60℃環境下でインク中の水分を蒸発させた状態から25℃環境下に再放置しても、インクの流動性が失われない請求項1に記載のインク。
- インクを60℃環境下でインク中の水分を蒸発させた状態から25℃環境下に再放置しても、インクの流動性が失われず、且つ気液界面に析出物が発生しない請求項4に記載のインク。
- インクを60℃環境下でインク中の水分を蒸発させた状態から25℃環境下に再放置しても、インクの流動性が失われず、且つ25℃環境下で流動性を失っていないインクの粘度が、60℃環境下でインク中の水分を蒸発させる前のインクの初期の状態での粘度の600倍以下である請求項4又は5に記載のインク。
- 前記ポリアクリル酸塩の分子量が、2,000〜12,000の範囲内にある請求項1〜6の何れか1項に記載のインク。
- 前記ポリアクリル酸塩が、2種以上の塩を有する請求項1〜7の何れか1項に記載のインク。
- 前記インクがインクジェット用である請求項1〜8の何れか1項に記載のインク。
- インクを記録信号に応じて記録ヘッドのオリフィスから吐出させて、被記録材に記録を行うインクジェット記録方法において、インクとして請求項9に記載のインクを使用することを特徴とするインクジェット記録方法。
- インクに熱エネルギーを作用させて、インクをオリフィスより吐出させる請求項10に記載のインクジェット記録方法。
- インクを収容したインク収容部と、インクを吐出させるためのヘッド部とを備えた記録ユニットにおいて、前記インクが請求項9に記載のインクである記録ユニット。
- ヘッド部が、インクに熱エネルギーを作用させてインクをオリフィスより吐出させるヘッドを有する請求項12に記載の記録ユニット。
- インク収容部が、内部にインク吸収体を有している請求項12に記載の記録ユニット。
- インク収容部が、ポリウレタン、セルロース又はポリオレフィンを材料としてなるインク吸収体を有している請求項14に記載の記録ユニット。
- インクを収容したインク収容部を備えたインクカートリッジにおいて、前記インクが請求項1〜9の何れか1項に記載のインクであるインクカートリッジ。
- インク収容部がポリオレフィンで形成された接液面を有する請求項16に記載のインクカートリッジ。
- インクを収容したインク収容部と、該インクを吐出させるためのヘッド部とを有する記録ユニットを備えたインクジェット記録装置において、該記録ユニットが請求項12〜15の何れか1項に記載の記録ユニットであることを特徴とするインクジェット記録装置。
- インクを吐出するための記録ヘッド、インクを収容したインク収容部を有するインクカートリッジ及び該インクカートリッジから記録ヘッドにインクを供給するためのインク供給部を備えたインクジェット記録装置において、上記インクカートリッジが請求項16又は17に記載のインクカートリッジであることを特徴とするインクジェット記録装置。
- 記録ヘッドが、インクに熱エネルギーを作用させて、インクをオリフィスより吐出させるヘッドである請求項19に記載のインクジェット記録装置。
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