JPH0873342A - 覆盆子抽出物含有皮膚外用剤または浴用剤 - Google Patents
覆盆子抽出物含有皮膚外用剤または浴用剤Info
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- JPH0873342A JPH0873342A JP6238346A JP23834694A JPH0873342A JP H0873342 A JPH0873342 A JP H0873342A JP 6238346 A JP6238346 A JP 6238346A JP 23834694 A JP23834694 A JP 23834694A JP H0873342 A JPH0873342 A JP H0873342A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】アレルギー性の皮膚炎症疾患や肌荒れなどの皮
膚及び頭皮のトラブルの予防もしくは改善に優れた皮膚
外用剤および浴用剤を提供する。 【構成】本発明は、覆盆子抽出物を有効成分として含有
してなる皮膚外用剤または浴用剤に関するものであり、
あらゆる形態の製剤(外用医薬品類、外用医薬部外品
類、皮膚・頭髪化粧品類、浴用剤など)に応用が可能で
ある。また本発明の皮膚外用剤または浴用剤は、安全性
が高く、皮膚・頭髪に対して優れた抗アレルギー・抗炎
症効果を発揮する。
膚及び頭皮のトラブルの予防もしくは改善に優れた皮膚
外用剤および浴用剤を提供する。 【構成】本発明は、覆盆子抽出物を有効成分として含有
してなる皮膚外用剤または浴用剤に関するものであり、
あらゆる形態の製剤(外用医薬品類、外用医薬部外品
類、皮膚・頭髪化粧品類、浴用剤など)に応用が可能で
ある。また本発明の皮膚外用剤または浴用剤は、安全性
が高く、皮膚・頭髪に対して優れた抗アレルギー・抗炎
症効果を発揮する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、覆盆子抽出物を有効成
分として含有する、アレルギー性の皮膚炎症疾患の予
防、肌荒れの予防ならびにその改善、皮膚の老化防止に
有効で、安全性の高い皮膚外用剤および浴用剤に関する
ものである。本発明でいう皮膚外用剤または浴用剤と
は、アレルギー性の皮膚炎症疾患(例えば、発赤、湿
疹、浮腫、腫脹など)や、肌荒れといった皮膚及び頭皮
のトラブルの予防もしくはその改善を目的とする、外用
製剤類全般を意味する。具体的には、液状、乳液状、ク
リーム状、軟膏状、ゲル状、パウダー状、顆粒状、固形
状、或いは気泡性の、1)外用医薬品類、2)医薬部外品
類、3)局所又は全身用の皮膚化粧品類、4)頭皮・頭髪に
適用する薬用及び/又は化粧用の製剤類(例えば、シャ
ンプー剤、リンス剤、トリートメント剤、パーマネント
液、整髪料、ヘアートニック剤、育毛・養毛料など)、
5)浴湯に投じて使用する浴用剤などがあげられる。
分として含有する、アレルギー性の皮膚炎症疾患の予
防、肌荒れの予防ならびにその改善、皮膚の老化防止に
有効で、安全性の高い皮膚外用剤および浴用剤に関する
ものである。本発明でいう皮膚外用剤または浴用剤と
は、アレルギー性の皮膚炎症疾患(例えば、発赤、湿
疹、浮腫、腫脹など)や、肌荒れといった皮膚及び頭皮
のトラブルの予防もしくはその改善を目的とする、外用
製剤類全般を意味する。具体的には、液状、乳液状、ク
リーム状、軟膏状、ゲル状、パウダー状、顆粒状、固形
状、或いは気泡性の、1)外用医薬品類、2)医薬部外品
類、3)局所又は全身用の皮膚化粧品類、4)頭皮・頭髪に
適用する薬用及び/又は化粧用の製剤類(例えば、シャ
ンプー剤、リンス剤、トリートメント剤、パーマネント
液、整髪料、ヘアートニック剤、育毛・養毛料など)、
5)浴湯に投じて使用する浴用剤などがあげられる。
【0002】
【従来の技術】近年、気管支喘息やアレルギー性鼻炎な
どのアレルギー性の疾患は、急激な増加傾向にある。ア
レルギーとは、通常、病原微生物など異質のものを排除
して体を守るために働く免疫の機能が時としてその反応
が過敏になるために体を傷害するように働いて病気の原
因となるといった免疫機能による障害反応であり、現在
I〜IV型まで4つのタイプに分類されている。
どのアレルギー性の疾患は、急激な増加傾向にある。ア
レルギーとは、通常、病原微生物など異質のものを排除
して体を守るために働く免疫の機能が時としてその反応
が過敏になるために体を傷害するように働いて病気の原
因となるといった免疫機能による障害反応であり、現在
I〜IV型まで4つのタイプに分類されている。
【0003】免疫系を構成する中心的細胞は、主に骨
髄、胸腺、脾臓、リンパ節、血液などに存在するB細胞
とT細胞と呼ばれる2種類のリンパ球の集団である。B
細胞は体液性免疫(I〜III型アレルギー)に関与し、
抗原に反応して形質細胞(抗体産生細胞)に分化、増殖
し、抗体を細胞外に分泌するようになる。また、T細胞
は主に細胞性免疫(IV型アレルギー)に関与し、抗原と
反応すると、分化、増殖し、抗原を破壊する活性化T細
胞となる。
髄、胸腺、脾臓、リンパ節、血液などに存在するB細胞
とT細胞と呼ばれる2種類のリンパ球の集団である。B
細胞は体液性免疫(I〜III型アレルギー)に関与し、
抗原に反応して形質細胞(抗体産生細胞)に分化、増殖
し、抗体を細胞外に分泌するようになる。また、T細胞
は主に細胞性免疫(IV型アレルギー)に関与し、抗原と
反応すると、分化、増殖し、抗原を破壊する活性化T細
胞となる。
【0004】I型アレルギー反応は主にIgE抗体が関与
している。その発症過程は、外来性の抗原に対してB細
胞からIgE抗体が産生され、肥満細胞や好塩基球にIgE抗
体が固着し感作が成立する第1段階、抗原が再び接触し
た感作細胞からヒスタミン、セロトニン、SRS−Aな
どの化学伝達物質が遊離する第2段階、遊離した化学伝
達物質が平滑筋の収縮、血管透過性の亢進、浮腫、神経
刺激などを引き起こしたりして、各種のアレルギー症状
を発現する第3段階に大別される。I型アレルギー疾患
には、気管支喘息、じんましん、花粉アレルギーなどが
知られている。
している。その発症過程は、外来性の抗原に対してB細
胞からIgE抗体が産生され、肥満細胞や好塩基球にIgE抗
体が固着し感作が成立する第1段階、抗原が再び接触し
た感作細胞からヒスタミン、セロトニン、SRS−Aな
どの化学伝達物質が遊離する第2段階、遊離した化学伝
達物質が平滑筋の収縮、血管透過性の亢進、浮腫、神経
刺激などを引き起こしたりして、各種のアレルギー症状
を発現する第3段階に大別される。I型アレルギー疾患
には、気管支喘息、じんましん、花粉アレルギーなどが
知られている。
【0005】II型アレルギー反応は、IgGやIgM抗体によ
って組織の細胞が破壊されて起こる障害反応である。抗
体が抗原細胞に結合すると、補体系を構成するタンパク
質が連鎖的に活性化され、細胞膜を破壊する複合体が形
成されるために、細胞が破壊する。また、活性化された
補体系の成分が細胞に結合すると、多形核白血球やマク
ロファージなどの貪食細胞によって抗原細胞は捕促され
て分解され、除去される。一方、補体系の活性化の過程
で、貪食細胞による抗原の分解を著しく促進する作用を
有するアナフィラトキシンと呼ばれる物質が生じる。こ
れは毛細血管の透過性を増大させる作用、平滑筋を収縮
させる作用、肥満細胞からヒスタミンを遊離させる作用
も持っているため、過剰に生成されると各種のアレルギ
ー症状が発現することとなる。II型アレルギー疾患に
は、薬物アレルギー、溶血性貧血などがある。
って組織の細胞が破壊されて起こる障害反応である。抗
体が抗原細胞に結合すると、補体系を構成するタンパク
質が連鎖的に活性化され、細胞膜を破壊する複合体が形
成されるために、細胞が破壊する。また、活性化された
補体系の成分が細胞に結合すると、多形核白血球やマク
ロファージなどの貪食細胞によって抗原細胞は捕促され
て分解され、除去される。一方、補体系の活性化の過程
で、貪食細胞による抗原の分解を著しく促進する作用を
有するアナフィラトキシンと呼ばれる物質が生じる。こ
れは毛細血管の透過性を増大させる作用、平滑筋を収縮
させる作用、肥満細胞からヒスタミンを遊離させる作用
も持っているため、過剰に生成されると各種のアレルギ
ー症状が発現することとなる。II型アレルギー疾患に
は、薬物アレルギー、溶血性貧血などがある。
【0006】III型アレルギー反応は主にIgG抗体によっ
て起こるが、その発症は補体系や多形核白血球などの多
くの因子が関与する複雑な機構で起こる。抗原に抗体が
結合して生成した抗原抗体結合物は血管、腎臓、関節、
皮膚などの組織に沈着して補体系を活性化する。結合物
の量が多いときには、補体系が過度に活性化してアナフ
ィラトキシンが生じ、そのために血管透過性が増大した
りして炎症が起こる。またアナフィラトキシンの作用で
貪食細胞が抗原抗体結合物を除去しようと働く際に、リ
ソソームの脱顆粒反応が起こり、リソソーム内のプロテ
アーゼなど多種類の加水分解酵素が細胞外に放出される
ため、組織や細胞の障害が進み、III型アレルギーが発
症する。糸球状腎炎、血清病などがIII型アレルギー疾
患に分類される。
て起こるが、その発症は補体系や多形核白血球などの多
くの因子が関与する複雑な機構で起こる。抗原に抗体が
結合して生成した抗原抗体結合物は血管、腎臓、関節、
皮膚などの組織に沈着して補体系を活性化する。結合物
の量が多いときには、補体系が過度に活性化してアナフ
ィラトキシンが生じ、そのために血管透過性が増大した
りして炎症が起こる。またアナフィラトキシンの作用で
貪食細胞が抗原抗体結合物を除去しようと働く際に、リ
ソソームの脱顆粒反応が起こり、リソソーム内のプロテ
アーゼなど多種類の加水分解酵素が細胞外に放出される
ため、組織や細胞の障害が進み、III型アレルギーが発
症する。糸球状腎炎、血清病などがIII型アレルギー疾
患に分類される。
【0007】I〜III型アレルギー反応がいずれも体液
性免疫による反応で、抗原と接触後2〜3分で反応が現
われ、十数分で反応が最高となるため、即時型と呼ばれ
るのに対し、IV型アレルギー反応は数時間後に現われ、
最高に達するには48〜72時間かかることから、遅延型ア
レルギーと呼ばれる。このアレルギー反応は細胞性免疫
による反応で、T細胞の一部が抗原と反応して活性化T
細胞となり、これが再び抗原と反応すると、リンホカイ
ンと呼ばれる種々の活性タンパク質を放出する。活性化
T細胞及びリンホカインがマクロファージを活性化させ
て抗原を排除するように働くが、この反応が過度に進行
すると障害反応としてアレルギーが発症する。IV型アレ
ルギーの症状としては、ツベルクリン反応、接触性皮膚
炎などがあげられる。
性免疫による反応で、抗原と接触後2〜3分で反応が現
われ、十数分で反応が最高となるため、即時型と呼ばれ
るのに対し、IV型アレルギー反応は数時間後に現われ、
最高に達するには48〜72時間かかることから、遅延型ア
レルギーと呼ばれる。このアレルギー反応は細胞性免疫
による反応で、T細胞の一部が抗原と反応して活性化T
細胞となり、これが再び抗原と反応すると、リンホカイ
ンと呼ばれる種々の活性タンパク質を放出する。活性化
T細胞及びリンホカインがマクロファージを活性化させ
て抗原を排除するように働くが、この反応が過度に進行
すると障害反応としてアレルギーが発症する。IV型アレ
ルギーの症状としては、ツベルクリン反応、接触性皮膚
炎などがあげられる。
【0008】今日、最も発症頻度の高いアレルギー疾患
としては、花粉症、ダニ,ハウスダストなどにより発症
するアレルギー性鼻炎、サバ・卵などの特定の食物に対
して起こる食物アレルギー、アレルギー性気管支喘息、
アトピー性皮膚炎などがあげられる。特に、アトピー性
皮膚炎は子供のみならず、成人に及ぶまでの広い年代層
でその増加が叫ばれ、現代病のひとつとして注目されて
いる。
としては、花粉症、ダニ,ハウスダストなどにより発症
するアレルギー性鼻炎、サバ・卵などの特定の食物に対
して起こる食物アレルギー、アレルギー性気管支喘息、
アトピー性皮膚炎などがあげられる。特に、アトピー性
皮膚炎は子供のみならず、成人に及ぶまでの広い年代層
でその増加が叫ばれ、現代病のひとつとして注目されて
いる。
【0009】従来より使用されている抗アレルギー剤
は、作用点が比較的明かなI型アレルギー反応によって
引き起こされる疾患に対する薬剤である。例えば、平滑
筋を弛緩させる鎮痙薬や毛細血管の透過性の亢進を抑制
する交感神経興奮薬、さらには抗ヒスタミン薬などがあ
げられるが、これらはいずれも第3段階に作用する薬物
であり、対症的治療薬である。しかし、これらの薬剤の
ほとんどは合成医薬品であり、副作用の点で問題があっ
た。
は、作用点が比較的明かなI型アレルギー反応によって
引き起こされる疾患に対する薬剤である。例えば、平滑
筋を弛緩させる鎮痙薬や毛細血管の透過性の亢進を抑制
する交感神経興奮薬、さらには抗ヒスタミン薬などがあ
げられるが、これらはいずれも第3段階に作用する薬物
であり、対症的治療薬である。しかし、これらの薬剤の
ほとんどは合成医薬品であり、副作用の点で問題があっ
た。
【0010】一方、現在最も活発に行われているI型ア
レルギー疾患に関与する抗アレルギー剤の研究は、化学
伝達物質の遊離を抑制する薬剤、遊離された化学伝達物
質に対して拮抗作用を示す薬剤など、第2段階を抑制す
る薬剤の開発であるが、充分な効力を有するものは特に
見つかっていない。
レルギー疾患に関与する抗アレルギー剤の研究は、化学
伝達物質の遊離を抑制する薬剤、遊離された化学伝達物
質に対して拮抗作用を示す薬剤など、第2段階を抑制す
る薬剤の開発であるが、充分な効力を有するものは特に
見つかっていない。
【0011】またII型及びIII型アレルギー反応に対す
る特異的な抗アレルギー剤は見出されておらず、これら
の反応には補体が関与することから、抗補体作用を有す
る薬剤に関する研究が行なわれつつある。
る特異的な抗アレルギー剤は見出されておらず、これら
の反応には補体が関与することから、抗補体作用を有す
る薬剤に関する研究が行なわれつつある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】このような実情に鑑
み、本発明者らは、抗アレルギー作用に優れ、かつ、副
作用がなく、皮膚に緩和である物質について、天然物で
ある植物からのスクリーニングを試みた。その結果、覆
盆子抽出物が安全性が高く、ヒスタミン遊離抑制作用、
アラキドン酸の代謝活性抑制作用、抗補体活性、ヒアル
ロニダーゼ活性阻害作用といった抗アレルギー・抗炎症
作用を有することを見い出し、本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明の目的は、アレルギー性の皮膚炎
症疾患(例えば、発赤、湿疹、浮腫、腫脹など)や、肌
荒れといった皮膚・頭皮のトラブルの予防もしくはその
改善に優れた皮膚外用剤または浴用剤を提供することに
ある。
み、本発明者らは、抗アレルギー作用に優れ、かつ、副
作用がなく、皮膚に緩和である物質について、天然物で
ある植物からのスクリーニングを試みた。その結果、覆
盆子抽出物が安全性が高く、ヒスタミン遊離抑制作用、
アラキドン酸の代謝活性抑制作用、抗補体活性、ヒアル
ロニダーゼ活性阻害作用といった抗アレルギー・抗炎症
作用を有することを見い出し、本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明の目的は、アレルギー性の皮膚炎
症疾患(例えば、発赤、湿疹、浮腫、腫脹など)や、肌
荒れといった皮膚・頭皮のトラブルの予防もしくはその
改善に優れた皮膚外用剤または浴用剤を提供することに
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、覆盆子抽出物
を有効成分として含有することを特徴とする皮膚外用剤
および浴用剤である。
を有効成分として含有することを特徴とする皮膚外用剤
および浴用剤である。
【0014】本発明で使用する覆盆子とは、バラ科(Ro
saceae)植物のゴショイチゴ Rubuschingii Hu、トック
リイチゴ R.coreanus Miq.またはクマイチゴ R.crataeg
ifolius Bge.あるいはその近縁植物の果実を指す。覆盆
子は中国あるいは韓国では嘔吐、吐血、月経不順に漢方
薬として使用されるが、その抽出物が抗アレルギー・抗
炎症作用を有すること、またそれを皮膚外用剤や浴用剤
へ応用することについては知られていない。
saceae)植物のゴショイチゴ Rubuschingii Hu、トック
リイチゴ R.coreanus Miq.またはクマイチゴ R.crataeg
ifolius Bge.あるいはその近縁植物の果実を指す。覆盆
子は中国あるいは韓国では嘔吐、吐血、月経不順に漢方
薬として使用されるが、その抽出物が抗アレルギー・抗
炎症作用を有すること、またそれを皮膚外用剤や浴用剤
へ応用することについては知られていない。
【0015】本発明で使用する覆盆子抽出物とは、植物
体の果実をそのままあるいは乾燥させて、溶媒で抽出し
たものである。抽出溶媒としては、例えば、水、アルコ
ール類(例えば、メタノール、エタノールなどの低級ア
ルコール、あるいはプロピレングリコール、1,3−ブ
チレングリコールなどの多価アルコール)、アセトンな
どのケトン類、ジエチルエーテル、ジオキサン、アセト
ニトリル、酢酸エチルエステルなどのエステル類、キシ
レン、ベンゼン、クロロホルム、トルエンなどの有機溶
媒を使用することができる。抽出物を溶媒除去して乾燥
物として使用する場合には、上記の任意の溶媒を単独で
または混合して使用することができるが、抽出物を溶媒
に溶解した状態で使用する場合には人体に無害な水、エ
タノール、1,3−ブチレングリコール、またはこれら
の混合溶媒を用いるのが好ましい。また、抽出温度は常
温〜常圧下での溶媒の沸点の範囲であればよい。得られ
た抽出液は必要に応じて、濃縮又は希釈、あるいは乾固
して各種の製剤に添加して用いることができる。
体の果実をそのままあるいは乾燥させて、溶媒で抽出し
たものである。抽出溶媒としては、例えば、水、アルコ
ール類(例えば、メタノール、エタノールなどの低級ア
ルコール、あるいはプロピレングリコール、1,3−ブ
チレングリコールなどの多価アルコール)、アセトンな
どのケトン類、ジエチルエーテル、ジオキサン、アセト
ニトリル、酢酸エチルエステルなどのエステル類、キシ
レン、ベンゼン、クロロホルム、トルエンなどの有機溶
媒を使用することができる。抽出物を溶媒除去して乾燥
物として使用する場合には、上記の任意の溶媒を単独で
または混合して使用することができるが、抽出物を溶媒
に溶解した状態で使用する場合には人体に無害な水、エ
タノール、1,3−ブチレングリコール、またはこれら
の混合溶媒を用いるのが好ましい。また、抽出温度は常
温〜常圧下での溶媒の沸点の範囲であればよい。得られ
た抽出液は必要に応じて、濃縮又は希釈、あるいは乾固
して各種の製剤に添加して用いることができる。
【0016】本発明における覆盆子抽出物の配合量は、
製剤全量中、固形分換算して0.0001〜20重量%、好まし
くは0.001〜10重量%配合することが適当である。0.000
1重量%以下では充分な効果が認められないし、20重量
%以上配合しても効果の増強は期待できない。
製剤全量中、固形分換算して0.0001〜20重量%、好まし
くは0.001〜10重量%配合することが適当である。0.000
1重量%以下では充分な効果が認められないし、20重量
%以上配合しても効果の増強は期待できない。
【0017】本発明の皮膚外用剤または浴用剤は、覆盆
子抽出物に加えて、必要に応じて、通常、医薬品類、医
薬部外品類、化粧品類などの製剤に使用される基剤や添
加剤を併用して製造され得る。例えば、油分としては動
植物油,鉱物油をはじめ、エステル油,ワックス油,高
級アルコール,脂肪酸類,シリコン油,リン脂質などが
上げられる。また、界面活性剤としては、アニオン界面
活性剤,カチオン界面活性剤,両性界面活性剤,非イオ
ン界面活性剤などが用いられる。その他、p-アミノ安
息香酸,アントラニル誘導体,サリチル酸誘導体,クマ
リン誘導体,アミノ酸系化合物,ベンゾトリアゾール誘
導体,テトラゾール誘導体,イミダゾリン誘導体,ピリ
ミジン誘導体,ジオキサン誘導体,カンファー誘導体,
フラン誘導体,ピロン誘導体,核酸誘導体,アラントイ
ン誘導体,ニコチン酸誘導体,シコニン,ビタミンB6
誘導体などの紫外線吸収剤、アスコルビン酸およびその
塩,ステアリン酸エステル,トコフェロールおよびその
エステル誘導体,ノルジヒドログアセレテン酸,ブチル
ヒドロキシトルエン(BHT),ブチルヒドロキシアニ
ソール(BHA),パラヒドロキシアニソール,没食子
酸プロピルなどの抗酸化剤、ヒドロキシエチルセルロー
ス,メチルセルロース,エチルセルロース,カルボキシ
メチルセルロース,カルボキシエチルセルロース,アラ
ビアガム,ポリビニルアルコール,ポリビニルピロリド
ン,ポリビニルメタアクリレート,ポリアクリル酸塩,
カルボキシビニルポリマー,カラギーナン,ペクチン,
アルギン酸およびその塩,カゼイン,ゼラチンなどの増
粘剤、グリセリン,プロピレングリコール,1,3-ブチレ
ングリコール,ヒアルロン酸およびその塩,ポリエチレ
ングリコール,コンドロイチン硫酸およびその塩,水溶
性キチンあるいはキトサン誘導体,乳酸ナトリウムなど
の保湿剤,低級アルコール,多価アルコール,水溶性高
分子,pH調整剤,キレート剤,防腐・防バイ剤,香
料,着色料,清涼剤,安定化剤,動・植物を起源とした
抽出物,動・植物性蛋白質およびその分解物,動・植物
性多糖類およびその分解物,動・植物性糖蛋白質および
その分解物,血流促進剤,消炎・抗炎症剤,細胞賦活
剤,ビタミン類,アミノ酸およびその塩,角質溶解剤,
収斂剤,創傷治癒剤,増泡剤,消臭・脱臭剤など必要に
応じて併用し、前述のような各種製品とすることができ
る。
子抽出物に加えて、必要に応じて、通常、医薬品類、医
薬部外品類、化粧品類などの製剤に使用される基剤や添
加剤を併用して製造され得る。例えば、油分としては動
植物油,鉱物油をはじめ、エステル油,ワックス油,高
級アルコール,脂肪酸類,シリコン油,リン脂質などが
上げられる。また、界面活性剤としては、アニオン界面
活性剤,カチオン界面活性剤,両性界面活性剤,非イオ
ン界面活性剤などが用いられる。その他、p-アミノ安
息香酸,アントラニル誘導体,サリチル酸誘導体,クマ
リン誘導体,アミノ酸系化合物,ベンゾトリアゾール誘
導体,テトラゾール誘導体,イミダゾリン誘導体,ピリ
ミジン誘導体,ジオキサン誘導体,カンファー誘導体,
フラン誘導体,ピロン誘導体,核酸誘導体,アラントイ
ン誘導体,ニコチン酸誘導体,シコニン,ビタミンB6
誘導体などの紫外線吸収剤、アスコルビン酸およびその
塩,ステアリン酸エステル,トコフェロールおよびその
エステル誘導体,ノルジヒドログアセレテン酸,ブチル
ヒドロキシトルエン(BHT),ブチルヒドロキシアニ
ソール(BHA),パラヒドロキシアニソール,没食子
酸プロピルなどの抗酸化剤、ヒドロキシエチルセルロー
ス,メチルセルロース,エチルセルロース,カルボキシ
メチルセルロース,カルボキシエチルセルロース,アラ
ビアガム,ポリビニルアルコール,ポリビニルピロリド
ン,ポリビニルメタアクリレート,ポリアクリル酸塩,
カルボキシビニルポリマー,カラギーナン,ペクチン,
アルギン酸およびその塩,カゼイン,ゼラチンなどの増
粘剤、グリセリン,プロピレングリコール,1,3-ブチレ
ングリコール,ヒアルロン酸およびその塩,ポリエチレ
ングリコール,コンドロイチン硫酸およびその塩,水溶
性キチンあるいはキトサン誘導体,乳酸ナトリウムなど
の保湿剤,低級アルコール,多価アルコール,水溶性高
分子,pH調整剤,キレート剤,防腐・防バイ剤,香
料,着色料,清涼剤,安定化剤,動・植物を起源とした
抽出物,動・植物性蛋白質およびその分解物,動・植物
性多糖類およびその分解物,動・植物性糖蛋白質および
その分解物,血流促進剤,消炎・抗炎症剤,細胞賦活
剤,ビタミン類,アミノ酸およびその塩,角質溶解剤,
収斂剤,創傷治癒剤,増泡剤,消臭・脱臭剤など必要に
応じて併用し、前述のような各種製品とすることができ
る。
【0018】また本発明の皮膚外用剤には、すでに消炎
・抗炎症・抗アレルギー作用を有することが知られてい
る植物抽出物を併用して使用することも可能である。例
えば、アルニカ、アロエ、アンゲリカ、イチヤクソウ、
ウコン、オウゴン、オウバク、オウレン、オトギリソ
ウ、オドリコソウ、オナモミ、カクシツ、カゴソウ、カ
ッコン、カノコソウ、カバノキ、カミツレ、カワラヨモ
ギ、カンゾウ、キカラスウリ、キク、キュウリ、クジ
ン、クマザサ、クワ、ケイガイ、コウホネ、コウホン、
コツサイホ、ゴボウ、サルビア、サンシシ、サンシチソ
ウ、シコン、シソ、シナノキ、シマカンギク、シャクヤ
ク、ジユ、ショウマ、ジュズダマ、シラカンバ、スギ
ナ、セイヨウキズタ、セイヨウトチノキ、セイヨウニワ
トコ、セイヨウノコギリソウ、セイヨウハッカ、セイヨ
ウボダイジュ、センキュウ、センダン、センブリ、ダイ
オウ、タイソウ、タイム、タンポポ、チョウセンニンジ
ン、チンピ、ツワブキ、トウカ、トウキ、トウキンセン
カ、トクサ、ドクダミ、トマト、トロロアオイ、ニワト
コ、ニンジン、ノアザミ、パセリ、ハッカ、ハマゴウ、
バラ、ヒシ、ビャクシ、ビワ、フキ、フキタンポポ、フ
ジバカマ、ベニバナ、ボダイジュ、ボタンピ、ホップ、
マロニエ、ミルラ、ムクロジ、メリロート、メリッサ、
モモ、ヤグルマギク、ヤドリギ、ヤブジラミ、ユーカ
リ、ユキノシタ、ヨクイニン、ヨメナ、ヨモギ、ラベン
ダー、リンドウ、レンギョウ、ローズマリー、ローマカ
ミツレなどの植物抽出物があげられる。また、本発明の
覆盆子抽出物とこれらの植物抽出物との併用によって、
相加的または相乗的な抗アレルギー・抗炎症作用が期待
されうる。
・抗炎症・抗アレルギー作用を有することが知られてい
る植物抽出物を併用して使用することも可能である。例
えば、アルニカ、アロエ、アンゲリカ、イチヤクソウ、
ウコン、オウゴン、オウバク、オウレン、オトギリソ
ウ、オドリコソウ、オナモミ、カクシツ、カゴソウ、カ
ッコン、カノコソウ、カバノキ、カミツレ、カワラヨモ
ギ、カンゾウ、キカラスウリ、キク、キュウリ、クジ
ン、クマザサ、クワ、ケイガイ、コウホネ、コウホン、
コツサイホ、ゴボウ、サルビア、サンシシ、サンシチソ
ウ、シコン、シソ、シナノキ、シマカンギク、シャクヤ
ク、ジユ、ショウマ、ジュズダマ、シラカンバ、スギ
ナ、セイヨウキズタ、セイヨウトチノキ、セイヨウニワ
トコ、セイヨウノコギリソウ、セイヨウハッカ、セイヨ
ウボダイジュ、センキュウ、センダン、センブリ、ダイ
オウ、タイソウ、タイム、タンポポ、チョウセンニンジ
ン、チンピ、ツワブキ、トウカ、トウキ、トウキンセン
カ、トクサ、ドクダミ、トマト、トロロアオイ、ニワト
コ、ニンジン、ノアザミ、パセリ、ハッカ、ハマゴウ、
バラ、ヒシ、ビャクシ、ビワ、フキ、フキタンポポ、フ
ジバカマ、ベニバナ、ボダイジュ、ボタンピ、ホップ、
マロニエ、ミルラ、ムクロジ、メリロート、メリッサ、
モモ、ヤグルマギク、ヤドリギ、ヤブジラミ、ユーカ
リ、ユキノシタ、ヨクイニン、ヨメナ、ヨモギ、ラベン
ダー、リンドウ、レンギョウ、ローズマリー、ローマカ
ミツレなどの植物抽出物があげられる。また、本発明の
覆盆子抽出物とこれらの植物抽出物との併用によって、
相加的または相乗的な抗アレルギー・抗炎症作用が期待
されうる。
【0019】また、本発明の皮膚外用剤の剤型は任意で
あり、液状、乳液状、クリーム状、軟膏状、ゲル状、パ
ウダー状、顆粒状、固形状、気泡状などの、外用医薬品
類、外用医薬部外品類、皮膚・頭髪用化粧品類、及び浴
用剤に配合して用いることができる。具体的には、化粧
水、乳液、クリーム、軟膏、オイル、パックなどの基礎
化粧料、洗顔料や皮膚洗浄料、シャンプー、リンス、ヘ
アートリートメント、整髪料、パーマ剤、ヘアートニッ
ク、育毛・養毛料などの頭髪化粧料、ファンデーショ
ン、口紅、頬紅、アイシャドウ、アイライナー、マスカ
ラなどのメークアップ化粧料、液体・粉末・固形状の浴
用剤などがあげられる。
あり、液状、乳液状、クリーム状、軟膏状、ゲル状、パ
ウダー状、顆粒状、固形状、気泡状などの、外用医薬品
類、外用医薬部外品類、皮膚・頭髪用化粧品類、及び浴
用剤に配合して用いることができる。具体的には、化粧
水、乳液、クリーム、軟膏、オイル、パックなどの基礎
化粧料、洗顔料や皮膚洗浄料、シャンプー、リンス、ヘ
アートリートメント、整髪料、パーマ剤、ヘアートニッ
ク、育毛・養毛料などの頭髪化粧料、ファンデーショ
ン、口紅、頬紅、アイシャドウ、アイライナー、マスカ
ラなどのメークアップ化粧料、液体・粉末・固形状の浴
用剤などがあげられる。
【0020】また本発明の覆盆子抽出物の皮膚外用剤や
浴用剤への添加の方法については、予め加えておいて
も、製造途中で添加しても良く、作業性を考えて適宜選
択すれば良い。
浴用剤への添加の方法については、予め加えておいて
も、製造途中で添加しても良く、作業性を考えて適宜選
択すれば良い。
【0021】
【実施例】次に、製造例、試験例、処方例をあげて本発
明を更に具体的に説明するが、本発明がこれらに制約さ
れるものではないということはいうまでもない。
明を更に具体的に説明するが、本発明がこれらに制約さ
れるものではないということはいうまでもない。
【0022】(製造例1)覆盆子100gを50%エタノール
溶液1Lに浸漬し、室温にて3昼夜抽出した後、吸引濾
過して抽出液(乾燥固形分1.3〜1.5重量%)を得る。
溶液1Lに浸漬し、室温にて3昼夜抽出した後、吸引濾
過して抽出液(乾燥固形分1.3〜1.5重量%)を得る。
【0023】(製造例2)覆盆子50gを30%エタノール
溶液及び20%1,3-ブチレングリコール溶液の等量混液1
Lにて50℃で約6時間程度緩やかに加温抽出し、抽出液
(乾燥固形分1.0〜1.2重量%)を得る。
溶液及び20%1,3-ブチレングリコール溶液の等量混液1
Lにて50℃で約6時間程度緩やかに加温抽出し、抽出液
(乾燥固形分1.0〜1.2重量%)を得る。
【0024】(製造例3)覆盆子100gをヘキサン500ml
に室温で1昼夜浸漬後、溶媒を留去し、得られたペース
ト状物質を30%プロピレングリコール溶液1Lに再溶解
し、吸引濾過して抽出液(乾燥固形分0.9〜1.0)を得
る。
に室温で1昼夜浸漬後、溶媒を留去し、得られたペース
ト状物質を30%プロピレングリコール溶液1Lに再溶解
し、吸引濾過して抽出液(乾燥固形分0.9〜1.0)を得
る。
【0025】(試験1)ヒスタミン遊離抑制作用の測定 I型アレルギー反応では、第2段階において感作された
肥満細胞あるいは好塩基球からヒスタミンなどの化学伝
達物質が遊離する。したがってヒスタミン遊離を抑制す
るような物質は抗アレルギー作用が期待できる。本試験
ではラットの肥満細胞からヒスタミン遊離試薬であるco
mpound48/80でヒスタミンを遊離させる試験法(J.Soc.C
osmet.Japan,Vol.25,No.4,P.246(1992))を用い、製
造例1で得られた抽出液について検討した。
肥満細胞あるいは好塩基球からヒスタミンなどの化学伝
達物質が遊離する。したがってヒスタミン遊離を抑制す
るような物質は抗アレルギー作用が期待できる。本試験
ではラットの肥満細胞からヒスタミン遊離試薬であるco
mpound48/80でヒスタミンを遊離させる試験法(J.Soc.C
osmet.Japan,Vol.25,No.4,P.246(1992))を用い、製
造例1で得られた抽出液について検討した。
【0026】(試験方法) a.試料 抽出液は減圧下で溶媒を留去後、精製水にて固形分濃度
を0.01,0.1,0.5重量%となるように再溶解し、試験に
供した。なお、陽性対照として同濃度のグリチルリチン
酸ジカリウム及びクロモグリク酸ナトリウムを用いた。 b.遊離ヒスタミン量の測定 ラット(Slc:Wister系雄性ラット,約7〜9週齢)の
腹腔内から採取した肥満細胞浮遊液3mlに、試料0.5ml
とCompound48/80を最終濃度1μg/mlとなるように加
え、37℃で15分間インキュベートした。氷冷して反応停
止後、反応液を遠心分離し、上清から遊離したヒスタミ
ンを抽出、精製し、o-フタルジアルデヒドにて発色さ
せ、励起波長350nm、蛍光波長450nmにおける蛍光強度を
測定し、次式によりヒスタミン遊離抑制率を算出した。
を0.01,0.1,0.5重量%となるように再溶解し、試験に
供した。なお、陽性対照として同濃度のグリチルリチン
酸ジカリウム及びクロモグリク酸ナトリウムを用いた。 b.遊離ヒスタミン量の測定 ラット(Slc:Wister系雄性ラット,約7〜9週齢)の
腹腔内から採取した肥満細胞浮遊液3mlに、試料0.5ml
とCompound48/80を最終濃度1μg/mlとなるように加
え、37℃で15分間インキュベートした。氷冷して反応停
止後、反応液を遠心分離し、上清から遊離したヒスタミ
ンを抽出、精製し、o-フタルジアルデヒドにて発色さ
せ、励起波長350nm、蛍光波長450nmにおける蛍光強度を
測定し、次式によりヒスタミン遊離抑制率を算出した。
【数1】
【0027】(試験結果)表1のごとく、本発明の覆盆
子抽出物には、グリチルリチン酸ジカリウムやクロモグ
リク酸ナトリウムに比べ、優れたヒスタミン遊離抑制作
用を有することが確認された。
子抽出物には、グリチルリチン酸ジカリウムやクロモグ
リク酸ナトリウムに比べ、優れたヒスタミン遊離抑制作
用を有することが確認された。
【表1】
【0028】(試験2)アラキドン酸耳浮腫抑制試験 I型アレルギー反応においては、IgE抗体と抗原の反応
により、細胞膜のリン脂質が破壊されてアラキドン酸が
遊離し、各種酵素の作用を受けて化学伝達物質の1つで
あるプロスタグランジン、SRS−Aに代謝され、その
結果、各種のアレルギー症状を発現する。したがってこ
のアラキドン酸の代謝活性を抑制する作用を有する物質
は抗アレルギー剤としての利用が期待できる。本試験で
は、製造例1で得られた抽出液を含有する親水軟膏を処
方し、新納らの方法(「3,4-Dihydroxychalcone類のマ
ウスアラキドン酸耳浮腫に対する作用」:日本薬学会第
113年会)を参照して、その作用の検討を行った。
により、細胞膜のリン脂質が破壊されてアラキドン酸が
遊離し、各種酵素の作用を受けて化学伝達物質の1つで
あるプロスタグランジン、SRS−Aに代謝され、その
結果、各種のアレルギー症状を発現する。したがってこ
のアラキドン酸の代謝活性を抑制する作用を有する物質
は抗アレルギー剤としての利用が期待できる。本試験で
は、製造例1で得られた抽出液を含有する親水軟膏を処
方し、新納らの方法(「3,4-Dihydroxychalcone類のマ
ウスアラキドン酸耳浮腫に対する作用」:日本薬学会第
113年会)を参照して、その作用の検討を行った。
【0029】(試験方法) a.試料 抽出液は減圧下で溶媒を留去して濃縮後、固形分濃度に
換算して5,10重量%になる量を含有する親水軟膏剤を
常法により製造した。なお、陽性対照としてはグリチル
リチン酸ジカリウムを配合した軟膏剤を使用した。 b.浮腫腫脹率の測定 上記の軟膏剤をあらかじめアラキドン酸塗布の3,2,
1時間前に計3回、マウス(Slc:ICR系雌性マウス,約
6週齢)右側耳介に丹念に擦り込むように塗布した。ア
ラキドン酸塗布直前に耳介に付着している軟膏剤を拭き
取り、アセトンに溶解した5w/w%アラキドン酸(SIGMA
製)20μlを塗布し、1時間後耳介をパンチ切除(5.0m
m)した。同様に左側耳介も切除を行い、左右耳介の重
量差よりアラキドン酸耳浮腫腫脹率を測定した。判定は
ブランクとして基剤のみを塗布した対照群の耳浮腫腫脹
率と比較して耳浮腫抑制率を算出した。なお各試験系に
はマウスを8〜9匹使用した。
換算して5,10重量%になる量を含有する親水軟膏剤を
常法により製造した。なお、陽性対照としてはグリチル
リチン酸ジカリウムを配合した軟膏剤を使用した。 b.浮腫腫脹率の測定 上記の軟膏剤をあらかじめアラキドン酸塗布の3,2,
1時間前に計3回、マウス(Slc:ICR系雌性マウス,約
6週齢)右側耳介に丹念に擦り込むように塗布した。ア
ラキドン酸塗布直前に耳介に付着している軟膏剤を拭き
取り、アセトンに溶解した5w/w%アラキドン酸(SIGMA
製)20μlを塗布し、1時間後耳介をパンチ切除(5.0m
m)した。同様に左側耳介も切除を行い、左右耳介の重
量差よりアラキドン酸耳浮腫腫脹率を測定した。判定は
ブランクとして基剤のみを塗布した対照群の耳浮腫腫脹
率と比較して耳浮腫抑制率を算出した。なお各試験系に
はマウスを8〜9匹使用した。
【0030】(試験結果)表2のごとく、本発明の覆盆
子抽出物はグリチルリチン酸ジカリウムを上回る優れた
抑制率を示し、アラキドン酸の代謝活性を抑制する作用
を有することが確認された。
子抽出物はグリチルリチン酸ジカリウムを上回る優れた
抑制率を示し、アラキドン酸の代謝活性を抑制する作用
を有することが確認された。
【表2】
【0031】(試験3)覆盆子抽出物の抗補体活性の測
定 補体系はII型,III型アレルギー反応に大きく関与して
いるため、補体活性を測定することにより、アレルギー
への影響を評価することが可能である。本試験では、製
造例1で得られた抽出液について、感作赤血球の溶血反
応を指標とした抗補体作用測定法を用いて検討を行っ
た。
定 補体系はII型,III型アレルギー反応に大きく関与して
いるため、補体活性を測定することにより、アレルギー
への影響を評価することが可能である。本試験では、製
造例1で得られた抽出液について、感作赤血球の溶血反
応を指標とした抗補体作用測定法を用いて検討を行っ
た。
【0032】(試験方法) a.ゼラチン・ベロナール緩衝液(GVB2+) 塩化ナトリウム1.7g、バルビタール0.115g、バルビター
ルナトリウム0.075g、塩化カルシウム0.015g、塩化マグ
ネシウム0.010g、ゼラチン0.2g、精製水100mlを混合
し、pH7.5に調整後、精製水にて全量を200mlにした。 b.ヒツジ赤血球(SRBC)浮遊液 ヒツジ血球を2,000rpm,5分間遠心分離し、生理食塩水
で3回洗浄後、沈渣にGVB2+を加えて10%SRBC浮
遊液を作成し、最終的にはSRBC浮遊液0.25mlに3.05
mlの0.1%炭酸ナトリウム溶液を加えて完全溶血させた
とき、540nmにおける吸光度が0.455となるように調整し
た。 c.抗SRBCマウス血清 10%SRBC浮遊液0.2mlをIVCS系雄性マウスの尾
に静脈注射し、その4日後に採血、血清を分離し、GV
B2+にて40倍に希釈し用いた。 d.補体 モルモットの新鮮血清をGVB2+にて20倍に希釈し用い
た。 e.試料 抽出液は減圧下で溶媒を留去した後、精製水にて固形分
濃度0.5重量%となるよう再溶解し、試験に供した。な
お、陽性対照としてグリチルリチン酸ジカリウムを使用
した。 f.抗補体活性の測定 GVB2+1.2mlに試料0.2mlと抗SRBC血清0.5ml、S
RBC浮遊液0.25ml、補体溶液0.25mlを順次加えてか
ら、37℃の恒温槽にて60分間反応させた。氷水中にて10
分間放置して反応を停止後、反応液を2,000rpmで10分間
遠心分離し、未溶血の赤血球を分離した後、その上澄み
の540nmにおけるOD値を測定した。なお、試料の代わ
りに精製水を入れたものを対照とし、各試料、対照につ
いて血清を入れないブランクを設定し、次式により補体
抑制率(=抗補体活性)を求めた。
ルナトリウム0.075g、塩化カルシウム0.015g、塩化マグ
ネシウム0.010g、ゼラチン0.2g、精製水100mlを混合
し、pH7.5に調整後、精製水にて全量を200mlにした。 b.ヒツジ赤血球(SRBC)浮遊液 ヒツジ血球を2,000rpm,5分間遠心分離し、生理食塩水
で3回洗浄後、沈渣にGVB2+を加えて10%SRBC浮
遊液を作成し、最終的にはSRBC浮遊液0.25mlに3.05
mlの0.1%炭酸ナトリウム溶液を加えて完全溶血させた
とき、540nmにおける吸光度が0.455となるように調整し
た。 c.抗SRBCマウス血清 10%SRBC浮遊液0.2mlをIVCS系雄性マウスの尾
に静脈注射し、その4日後に採血、血清を分離し、GV
B2+にて40倍に希釈し用いた。 d.補体 モルモットの新鮮血清をGVB2+にて20倍に希釈し用い
た。 e.試料 抽出液は減圧下で溶媒を留去した後、精製水にて固形分
濃度0.5重量%となるよう再溶解し、試験に供した。な
お、陽性対照としてグリチルリチン酸ジカリウムを使用
した。 f.抗補体活性の測定 GVB2+1.2mlに試料0.2mlと抗SRBC血清0.5ml、S
RBC浮遊液0.25ml、補体溶液0.25mlを順次加えてか
ら、37℃の恒温槽にて60分間反応させた。氷水中にて10
分間放置して反応を停止後、反応液を2,000rpmで10分間
遠心分離し、未溶血の赤血球を分離した後、その上澄み
の540nmにおけるOD値を測定した。なお、試料の代わ
りに精製水を入れたものを対照とし、各試料、対照につ
いて血清を入れないブランクを設定し、次式により補体
抑制率(=抗補体活性)を求めた。
【数3】
【0033】(試験結果)表3のごとく、本発明の覆盆
子抽出物はグリチルリチン酸ジカリウムを上回る強い抗
補体活性を有することが確認され、II型,III型アレル
ギー症状の発現を抑制する作用が期待できる。
子抽出物はグリチルリチン酸ジカリウムを上回る強い抗
補体活性を有することが確認され、II型,III型アレル
ギー症状の発現を抑制する作用が期待できる。
【表3】
【0034】(試験4)ヒアルロニダーゼ活性阻害作用
の測定 ヒアルロニダーゼは結合組織に分布するヒアルロン酸の
加水分解酵素であり、炎症時において活性化され、結合
組織のマトリックスを破壊し、炎症系の細胞及び血管の
透過性を高める役割を演じていると考えられている。ま
た、起炎酵素としても知られており、実験的に急性浮腫
を惹起させる起炎剤としても使用されている。更に抗炎
症剤や抗アレルギー剤により阻害されることが報告され
ており(炎症,Vol.4,No.4,P.437(1984))、本酵素の
活性を測定することにより、抗炎症・抗アレルギー作用
を評価することが可能である。本試験では、製造例1で
得られた抽出液について、Morgan-Elson法を参考にその
阻害作用の検討を行った。
の測定 ヒアルロニダーゼは結合組織に分布するヒアルロン酸の
加水分解酵素であり、炎症時において活性化され、結合
組織のマトリックスを破壊し、炎症系の細胞及び血管の
透過性を高める役割を演じていると考えられている。ま
た、起炎酵素としても知られており、実験的に急性浮腫
を惹起させる起炎剤としても使用されている。更に抗炎
症剤や抗アレルギー剤により阻害されることが報告され
ており(炎症,Vol.4,No.4,P.437(1984))、本酵素の
活性を測定することにより、抗炎症・抗アレルギー作用
を評価することが可能である。本試験では、製造例1で
得られた抽出液について、Morgan-Elson法を参考にその
阻害作用の検討を行った。
【0035】(試験方法) a.試料 抽出液は減圧下で溶媒を留去後、精製水にて固形分濃度
0.5%となるように再溶解し、試験に供した。なお、陽
性対照としてグリチルリチン酸ジカリウムを使用した。 b.ヒアルロニダーゼ活性の測定 試料0.1mlに、ヒアルロニダーゼ溶液(最終濃度0.4mg/
ml)0.05mlを加え、37℃で20分間放置後、Compound48/
80溶液(最終濃度0.1mg/ml)を加え、更に37℃で20分
間放置した後、ヒアルロン酸溶液(最終濃度0.4mg/m
l)0.25mlを加え、37℃で40分間放置した。0.4N水酸化
ナトリウム溶液0.1mlを加え反応を停止させた後、0.8M
ホウ酸カリウム溶液0.1mlを加え、沸水中で3分間加熱し
た。室温まで冷却後、1%p-ジメチルアミノベンズアル
デヒド酢酸溶液3mlを加え、37℃で20分間放置した後、5
85nmにおける吸光度を測定した。なお、試料の代わりに
精製水を入れたものを対照とし、各試料、対照について
酵素を入れないブランクを設定し、次式によりヒアルロ
ニダーゼ活性阻害率を求めた。
0.5%となるように再溶解し、試験に供した。なお、陽
性対照としてグリチルリチン酸ジカリウムを使用した。 b.ヒアルロニダーゼ活性の測定 試料0.1mlに、ヒアルロニダーゼ溶液(最終濃度0.4mg/
ml)0.05mlを加え、37℃で20分間放置後、Compound48/
80溶液(最終濃度0.1mg/ml)を加え、更に37℃で20分
間放置した後、ヒアルロン酸溶液(最終濃度0.4mg/m
l)0.25mlを加え、37℃で40分間放置した。0.4N水酸化
ナトリウム溶液0.1mlを加え反応を停止させた後、0.8M
ホウ酸カリウム溶液0.1mlを加え、沸水中で3分間加熱し
た。室温まで冷却後、1%p-ジメチルアミノベンズアル
デヒド酢酸溶液3mlを加え、37℃で20分間放置した後、5
85nmにおける吸光度を測定した。なお、試料の代わりに
精製水を入れたものを対照とし、各試料、対照について
酵素を入れないブランクを設定し、次式によりヒアルロ
ニダーゼ活性阻害率を求めた。
【数3】
【0036】(試験結果)表3のごとく、本発明の覆盆
子抽出物にはグリチルリチンジカリウムに匹敵する優れ
たヒアルロニダーゼ活性阻害作用が確認され、抗炎症・
抗アレルギー作用を有すると判断できる。
子抽出物にはグリチルリチンジカリウムに匹敵する優れ
たヒアルロニダーゼ活性阻害作用が確認され、抗炎症・
抗アレルギー作用を有すると判断できる。
【0037】(試験5)安全性試験 (1)皮膚一次刺激性試験 製造例1〜3で得られた抽出液を乾燥固形分濃度が約20
重量%になるように調製し、これを背部を除毛した兎
(1群3匹,体重3,800g前後)の皮膚に貼布した。判
定は、貼付後24,48,72時間に一次刺激性の評点法によ
り紅斑及び浮腫を指標として行った。その結果、すべて
の動物において、何等、紅斑及び浮腫を認めず陰性と判
定された。 (2)皮膚累積刺激性試験 製造例1〜3で得られた抽出液を乾燥固形分濃度が約20
重量%となるように調製し、これを側腹部を除毛(2×4
cm2)したハートレー系モルモット(雌性,1群5匹,
体重320g前後)の皮膚に1日1回,週5回,0.5ml/動
物当りを塗布した。塗布は4週にわたって、また除毛は
各週の最終塗布日に行った。判定は、各週の最終日の翌
日に1次刺激の評点法により紅斑及び浮腫を指標として
行った。その結果、すべての動物において、塗布後1〜
4週にわたって、何等、紅斑及び浮腫を認めず陰性と判
定された。
重量%になるように調製し、これを背部を除毛した兎
(1群3匹,体重3,800g前後)の皮膚に貼布した。判
定は、貼付後24,48,72時間に一次刺激性の評点法によ
り紅斑及び浮腫を指標として行った。その結果、すべて
の動物において、何等、紅斑及び浮腫を認めず陰性と判
定された。 (2)皮膚累積刺激性試験 製造例1〜3で得られた抽出液を乾燥固形分濃度が約20
重量%となるように調製し、これを側腹部を除毛(2×4
cm2)したハートレー系モルモット(雌性,1群5匹,
体重320g前後)の皮膚に1日1回,週5回,0.5ml/動
物当りを塗布した。塗布は4週にわたって、また除毛は
各週の最終塗布日に行った。判定は、各週の最終日の翌
日に1次刺激の評点法により紅斑及び浮腫を指標として
行った。その結果、すべての動物において、塗布後1〜
4週にわたって、何等、紅斑及び浮腫を認めず陰性と判
定された。
【0038】 (処方例1)化粧水 1.グリセリン 5.0重量% 2.プロピレングリコール 4.0 3.オレイルアルコール 0.1 4.ポリオキシエチレン(20)ソルビタン モノラウリル酸エステル 1.5 5.ポリオキシエチレン(20)ラウリルエーテル 0.5 6.エタノール 7.0 7.覆盆子の熱水抽出液 2.0 8.防腐剤 適量 9.精製水 残余
【0039】 (処方例2)乳液 1.スクワラン 5.0重量% 2.オリーブ油 5.0 3.ホホバ油 5.0 4.セチルアルコール 1.5 5.グリセリンモノステアレート 2.0 6.ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル 3.0 7.ポリオキシエチレン(20)ソオルビタンモノオレート 2.0 8.1,3-ブチレングリコール 1.0 9.グリセリン 2.0 10.製造例1による覆盆子抽出液 3.0 11.香料,防腐剤 適量 12.精製水 残余
【0040】 (処方例3)クリーム 1.スクワラン 20.0重量% 2.ミツロウ 5.0 3.精製ホホバ油 5.0 4.グリセリンモノステアレート 2.0 5.ポリオキシエチレン(20)ソルビタン モノステアレート 2.0 6.ソルビタンモノステアレート 2.0 7.グリセリン 5.0 8.製造例2による覆盆子抽出液 3.0 9.香料,防腐剤 適量 10.精製水 残余
【0041】 (処方例4)シャンプー 1.ラウリル硫酸トリエタノールアミン 5.0重量% 2.ポリオキシエチレンラウリルエーテル 硫酸ナトリウム 12.0 3.1,3-ブチレングリコール 4.0 4.ラウリン酸ジエタノールアミド 2.0 5.エデト酸二ナトリウム 0.1 6.製造例1による覆盆子抽出液 1.5 7.防腐剤 適量 8.精製水 残量
【0042】 (処方例5)リンス 1.塩化セチルトリメチルアンモニウム 1.5重量% 2.セタノール 2.5 3.スクワラン 2.0 4.ポリオキシエチレンステアリルエーエル 1.0 5.1,3-ブチレングリコール 5.0 6.製造例1による覆盆子抽出液 1.0 7.香料,防腐剤 適量 8.精製水 残余
【0043】 (処方例6)ヘアトニック 1.lーメントール 0.2 2.エタノール 32.5 3.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5 4.プロピレングリコール 5.0 5.塩酸ジフェンヒドラミン 0.3 6.製造例2による覆盆子抽出液 7.0 7.香料,防腐剤 適量 8.精製水 残余
【0044】 (処方例7)洗顔クリーム 1.ステアリン酸 10.0重量% 2.パルミチン酸 10.0 3.ミリスチン酸 12.0 4.ラウリン酸 4.0 5.オレイルアルコール 1.5 6.ラノリン誘導体(E.O.付加物) 1.0 7.グリセリン 18.0 8.水酸化カリウム 6.0 9.製造例1による覆盆子抽出液 1.0 10.香料,防腐剤 適量 11.精製水 残量
【0045】 (処方例8)クリームファンデーション(W/O型) 1.ソルビタンセスキオレエート 3.0重量% 2.自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 2.0 3.アルミニウムステアレート 0.5 4.セレシンワックス 5.0 5.スクワラン 10.0 6.流動パラフィン 15.0 7.ワセリン 5.0 8.酸化チタン 8.0 9.タルク 4.0 10.製造例3による覆盆子抽出液 5.0 11.着色顔料,香料,防腐剤 適量 12.防腐剤 適量 13.プロピレングリコール 5.0 14.精製水 残余
【0046】 (処方例9)顆粒状浴用剤 1.炭酸水素ナトリウム 45.0重量% 2.無水硫酸ナトリウム 40.0 3.製造例1による覆盆子抽出物の乾燥固形物 10.0 4.色素,香料 適量
【0047】(試験6)使用効果試験 本発明の皮膚外用剤または浴用剤を実際に使用した場合
の効果について検討を行った。使用テストは湿疹、じん
ましんなどの皮膚疾患やアトピー性皮膚炎で悩む0〜30
歳の5名をパネラーとし、毎日、朝と夜の2回、洗顔後
に処方例2の乳液の適量を顔面に1ヶ月にわたって塗布
することにより行った。また、頭皮や髪の生え際に同様
の皮膚炎症が見られる5名(いずれも小児)について
も、毎日の洗髪後、処方例6のヘアートニックを頭皮に
1ヶ月にわたって塗布することにより使用テストを行っ
た。更に、処方例9の覆盆子抽出物を含有する浴用剤に
ついても、カサついて乾燥ぎみの肌や、湿疹,じんまし
んなどの皮膚疾患、及びアトピー性皮膚炎をもつ1〜45
歳の20名を対象に、一ヶ月間、浴用剤を溶解させた浴湯
に入浴してもらい、モニターテストを試みた。対照に
は、乳液,シャンプーは覆盆子抽出物を除いて精製水
で、浴用剤は覆盆子抽出物の代わりに無水硫酸ナトリウ
ムで補正し、同様の方法にて処方したものを用いた。
尚、使用期間中に皮膚または頭皮の異常を訴えた者はな
かった。
の効果について検討を行った。使用テストは湿疹、じん
ましんなどの皮膚疾患やアトピー性皮膚炎で悩む0〜30
歳の5名をパネラーとし、毎日、朝と夜の2回、洗顔後
に処方例2の乳液の適量を顔面に1ヶ月にわたって塗布
することにより行った。また、頭皮や髪の生え際に同様
の皮膚炎症が見られる5名(いずれも小児)について
も、毎日の洗髪後、処方例6のヘアートニックを頭皮に
1ヶ月にわたって塗布することにより使用テストを行っ
た。更に、処方例9の覆盆子抽出物を含有する浴用剤に
ついても、カサついて乾燥ぎみの肌や、湿疹,じんまし
んなどの皮膚疾患、及びアトピー性皮膚炎をもつ1〜45
歳の20名を対象に、一ヶ月間、浴用剤を溶解させた浴湯
に入浴してもらい、モニターテストを試みた。対照に
は、乳液,シャンプーは覆盆子抽出物を除いて精製水
で、浴用剤は覆盆子抽出物の代わりに無水硫酸ナトリウ
ムで補正し、同様の方法にて処方したものを用いた。
尚、使用期間中に皮膚または頭皮の異常を訴えた者はな
かった。
【0048】試験結果を表3に示す。尚、評価は次の基
準で行った。 ・皮膚(頭皮)炎症改善効果 有 効:湿疹などの炎症に伴う赤みやかゆみ、肌荒れ
が改善された やや有効:湿疹などの炎症に伴う赤みやかゆみ、肌荒れ
がやや改善された 無 効:使用前と変化なし 表4の結果より明らかなように、本発明の覆盆子抽出物
含有皮膚外用剤の使用により、皮膚炎症への優れた効果
が確認された。
準で行った。 ・皮膚(頭皮)炎症改善効果 有 効:湿疹などの炎症に伴う赤みやかゆみ、肌荒れ
が改善された やや有効:湿疹などの炎症に伴う赤みやかゆみ、肌荒れ
がやや改善された 無 効:使用前と変化なし 表4の結果より明らかなように、本発明の覆盆子抽出物
含有皮膚外用剤の使用により、皮膚炎症への優れた効果
が確認された。
【表4】
【0049】
【発明の効果】本発明の覆盆子抽出物は皮膚に対する刺
激がなく、ヒスタミン遊離抑制作用、アラキドン酸の代
謝活性抑制作用、抗補体活性、ヒアルロニダーゼ活性阻
害作用といった抗アレルギー・抗炎症作用を有し、かつ
安全性が高いため、あらゆる形態の製剤(医薬品類、医
薬部外品類、化粧品類)への応用が可能である。また本
発明による皮膚外用剤または浴用剤は、アレルギー性の
皮膚炎症疾患(例えば、発赤、湿疹、浮腫、腫脹など)
や、アトピー性皮膚炎、肌荒れといったトラブルを有す
る皮膚・頭皮に対して、その予防及び改善を目的として
使用することができ、また、皮膚のタルミやクスミを防
ぎ、ツヤを与え、キメを整えるなどといった皮膚老化防
止にも効果的である。
激がなく、ヒスタミン遊離抑制作用、アラキドン酸の代
謝活性抑制作用、抗補体活性、ヒアルロニダーゼ活性阻
害作用といった抗アレルギー・抗炎症作用を有し、かつ
安全性が高いため、あらゆる形態の製剤(医薬品類、医
薬部外品類、化粧品類)への応用が可能である。また本
発明による皮膚外用剤または浴用剤は、アレルギー性の
皮膚炎症疾患(例えば、発赤、湿疹、浮腫、腫脹など)
や、アトピー性皮膚炎、肌荒れといったトラブルを有す
る皮膚・頭皮に対して、その予防及び改善を目的として
使用することができ、また、皮膚のタルミやクスミを防
ぎ、ツヤを与え、キメを整えるなどといった皮膚老化防
止にも効果的である。
【数2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 7/075 ADA 7/08 7/50 35/78 AEM H 8217−4C (72)発明者 安藤 弘 岐阜県各務原市松ヶ丘6の50
Claims (1)
- 【請求項1】覆盆子抽出物を有効成分として含有するこ
とを特徴とする皮膚外用剤および浴用剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6238346A JPH0873342A (ja) | 1994-09-05 | 1994-09-05 | 覆盆子抽出物含有皮膚外用剤または浴用剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6238346A JPH0873342A (ja) | 1994-09-05 | 1994-09-05 | 覆盆子抽出物含有皮膚外用剤または浴用剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0873342A true JPH0873342A (ja) | 1996-03-19 |
Family
ID=17028840
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6238346A Pending JPH0873342A (ja) | 1994-09-05 | 1994-09-05 | 覆盆子抽出物含有皮膚外用剤または浴用剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0873342A (ja) |
Cited By (19)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1998005345A1 (en) * | 1996-08-02 | 1998-02-12 | Dong Deok Oh | Preparation of extract liquor of grubs, e. sieboldianus blume, r. coreanus miq, unji, aloe and box tree mixture; and their use |
JPH10139679A (ja) * | 1996-11-05 | 1998-05-26 | Noevir Co Ltd | ケミカルメディエーター遊離抑制剤及びこれを含有する化粧料,医薬品並びに食品 |
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WO2002045733A3 (fr) * | 2000-12-08 | 2004-10-14 | Kyowa Hakko Kogyo Kk | Preparations orales ayant une action de soulagement des demageaisons ou un effet antiprurigineux |
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JP2008501681A (ja) * | 2004-06-08 | 2008-01-24 | アン−グーク ファーマシューティカル カンパニー リミテッド | 尿失禁の予防及び治療用組成物 |
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-
1994
- 1994-09-05 JP JP6238346A patent/JPH0873342A/ja active Pending
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