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JPH08502095A - 改良型汎用洗浄組成物 - Google Patents

改良型汎用洗浄組成物

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JPH08502095A
JPH08502095A JP6509606A JP50960693A JPH08502095A JP H08502095 A JPH08502095 A JP H08502095A JP 6509606 A JP6509606 A JP 6509606A JP 50960693 A JP50960693 A JP 50960693A JP H08502095 A JPH08502095 A JP H08502095A
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ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ
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Abstract

(57)【要約】 理想的な家庭用洗浄組成物は、表面に適用すると比較的安定な気泡を形成し、表面のすすぎの際には速やかに脱泡するものでなければならない。本発明は、(a)脂肪酸のアルカリ金属塩以外のアニオン界面活性剤を含む界面活性剤系、(b)C10−C18モノカルボン酸脂肪酸、(c)半極性溶媒、(d)ポリカルボン酸、及び(e)塩基からなり、6未満のpHを有する水性洗浄組成物を提供する。C10−C18脂肪酸は傾斜又は垂直表面に対する気泡の「粘着」を増進する発泡増進作用を有していると考えられる。すすぎの間に組成物を希釈すると、脂肪酸と溶媒は組成物を消泡する発泡防止系を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】 改良型汎用洗浄組成物 技術分野 本発明は、家庭用の改良型汎用洗浄組成物に関する。発明の背景 家庭用の汎用洗浄組成物は粉末形態及び液体形態で市販されている。 粉末洗浄組成物は主として、ビルダー又は緩衝塩、例えば、リン酸塩、炭酸塩 、ケイ酸塩などから構成されている。そのような組成物は、無機的な汚れの除去 には優れていても、脂肪酸のカルシウム及び/又はマグネシウム塩のような有機 的な汚れ並びに家庭環境に典型的に見受けられる脂肪性/グリース性の汚れを洗 浄する能力に欠けている。そのような組成物は一般に、ビルダーによりアルカリ 性pHで緩衝された溶液を形成する。アルカリ性pHは、脂肪酸を対応するセッ ケンに転換して遊離脂肪酸の洗浄力を促進すると考えられている。 液体洗浄組成物は一般に有機溶媒を含んでおり、純粋又は濃縮形態で硬質表面 に適用可能であり、従って比較的高 レベルの表面活性物質及び有機溶媒が汚れの上に直接加えられるという大きな利 点を有している。これらの液体組成物は、室内装飾用品、カーペット、カーテン などのような柔らかな調度品の洗浄に有用であるばかりか、床、壁及び台所又は 浴室の表面のような硬質表面の洗浄に特に効力を有するものである。さらにこれ らの組成物は一般に緩衝アルカリ性であるが、中性の組成物が公知となっており 、数種の酸性組成物も専門家の浴室用洗剤として市販されている。 上記タイプの組成物はいずれも、クエン酸、アジピン酸及びグルタル酸のよう な有機酸を含んでいてよい。 典型的には、市販の汎用洗剤に用いらる界面活性剤は、線状アルキルベンゼン スルホネート(ABS)及び第2級アルカンスルホネート(SAS)のどちらか 一方又はその両方を含んでいる。 そのような溶媒/水組成物に特定の界面活性剤を組み込んでも、これらの界面 活性剤が比較的低濃度で存在する場合には何ら問題はない。例えば、欧州特許EP 0344847号(P&G)は、5重量%までの線状C8−C18アルキルベンゼンスルホ ン酸ナトリウムと組み合わせたブトキシプロ パノール溶媒からなる組成物を開示している。 任意に少量の脂肪セッケンを加えた線状アルキルベンゼンスルホネートとアル コールエトキシレートの混合物は、製品内pHが8〜11の範囲のいくつかの成功 している市販の液体アルカリ製品に用いられている界面活性剤系を含んでいる。 家庭用洗浄組成物は、脂肪性/グリース性の汚れの除去の他に、石灰スケール を除去する能力を有している必要がある。石灰スケールは主として炭酸カルシウ ム及び炭酸マグネシウムからなり、これらは天然水中に異なるレベルの対応重炭 酸塩として存在し、不均化により結晶化して炭酸塩を形成する。炭酸塩が酸性溶 液に可溶であることは周知である。しかし上記に述べた理由から、酸性組成物は アルカリ性組成物に比べて効力が劣ると考えられる。 そのような組成物にかかわるさらに大きな技術的問題点は、最も一般的に用い られている界面活性剤が低生分解性であり、従って他の界面活性剤系に比べて環 境的に好ましくないということである。 特に第1級アルコールスルフェート(以下PASという)は、線状アルキルベ ンゼンスルホネート及び第2級アルカ ンスルホネートに比べて生分解し易いこと及び脂肪酸残基源としての椰子油及び 他の植物油のような天然物質から誘導し得ることから、環境的に望ましいアニオ ン界面活性剤である。 第1級アルコールスルフェートは、一般式: RO−SO3X 〔式中、RはC8−C18第1級アルキル基であり、Xは可溶化カチオンである〕 を有する物質の混合物を含む。適当なカチオンには、ナトリウム、マグネシウム 、カリウム、アンモニウム、TEA及びその混合物が含まれる。 PASの塩を他の界面活性剤と組み合わせて用いることは文献から周知となっ ている。 EP125711(Clarke:1984)は、非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤(例 えば、Mg−PAS)及び部分的にエステル化された樹脂を含有するGPCに関 する。 GB-2160887(Bristol Myers:1984)は、溶媒と、アルカリ金属、マグネシウ ム、アンモニウム及びTEA−PAS塩を含むアニオン界面活性剤、及び水不溶 性非イオン界面活性剤を非イオン界面活性剤の75−100%含む非イオン 界面活性剤0.005〜3.0%からなるGPCに関する。ラウリルスルフェートのナト リウム塩(Na−C12PAS)が最も好ましいアニオン界面活性剤である。 GB2144763(P&G:1983)は、少なくとも5%の溶媒とマグネシウム塩を含 むマイクロエマルションの形態の洗浄組成物に関する。好ましい組成物は、非イ オン界面活性剤、パラフィンスルホネート、アルキルスルフェート(PAS)、 エトキシル化フェノール及びエトキシル化アルコールを含む。 EP107946(P&G:1982)は、水溶性C13−C18アルカン又はアルケンスルホ ネート及び水溶性アルキルエーテルスルフェートと共に、6〜18%のMg−PA Sを含む液体洗浄(皿洗い用)組成物に関する。 上記の界面活性剤、ABS、SAS及びPASは、非常に有効な発泡界面活性 剤である。多くの個人向け洗剤製品、例えば、シャンプー及び固形セッケンの場 合には気泡の形成は望ましいことであるが、気泡の存在は、気泡が洗浄作業後に 除去困難になり得るために、繊維の洗浄及び表面の洗浄作業の場合には望ましく ないことが多い。このために配合物には消泡剤が含有されている。カルシウムセ ッケン、 即ち、脂肪酸のカルシウム塩は、繊維用洗浄組成物及び硬質表面用洗浄組成物の 消泡成分として周知である。 炭化水素と粉末組成物用の消泡系としてのカルシウム敏感性脂肪酸セッケンの 組み合わせの使用が、GB1099562(Unilever:1964)に開示されている。該参考 文献には、アニオン性スルフェート又はスルホネート洗剤、アルカリポリホスフ ェート及び炭化水素と12〜31個の炭素原子を有する脂肪酸との「セッケン水降下 剤」(suds-depressant)混合物を含む粉末洗浄組成物が開示されている。炭化 水素は、直鎖又は分岐鎖アルカン(90℃を超える沸点を有する高融点パラフィン ろうとの1:1混和物中の液体パラフィン油)、アルケン、アルキル化ベンゼン 、ナフタレン及びアントラセンのような縮合芳香族及びそれらのアルキル化誘導 体、並びにテルペン及び同様な化合物を含む脂環式炭化水素を含むものとして広 義に定義される。好ましい炭化水素には、90℃を超える沸点を有する物質、例え ば、上記のパラフィン油とろうの混合物、ドデシルベンゼン及びテレビン油(tu rpentine oil)が含まれる。 さらにEP0080749(P&G:1982)には、溶媒、セッケン、及び液体硬質表面 用洗浄組成物の消泡系として選択さ れたテルペン溶媒の組み合わせの使用が開示されている。例えばカーペット洗浄 用組成物とは異なるこれらの組成物においては、分離した消泡成分添加段階を必 要とせずに、製品を任意に用いることができるという利点がある。 より明確に言えば、EP0080749は、特定の溶媒{2−(2−ブトキシ−エトキ シ)エタノール:BUTYL CARBITOL〔登録商標〕として市販されている}と、消泡 系としてのC13−C24脂肪酸のアルカリセッケン、アンモニウムセッケン及びア ルカノール−アンモニウムセッケンの中の1種以上0.05〜2重量%とを組み合わ せたモノ(イソプレン2単位)又はセスキ(イソプレン3単位)テルペンの使用 を教示している。該参考文献には、これら3種の成分が消泡活性を有するように 相互作用すると記載されている。 該参考文献に開示されている好ましいテルペンは、「炭化水素種」のテルペン のうちのモノ及び二環式テルペン、例えば、テルピネン、テルピノレン、リモネ ン、ピネン及びオレンジの皮から得られる所謂「オレンジ」テルペンである。テ ルペンアルコール、アルデヒド及びケトンを含む他のテルペンはあまり好ましく ない。 テルペン及び関連化合物は、それらが比較的高価な原料 であり且つ臭いのある化合物であり、製品にパイン又はレモンのような香りをつ けるという一般的な不利点を有している。洗浄組成物のベース配合物は匂いがあ まりないか又は全く匂いのないものであることが望ましい。さらに、テルペンは 所謂「ムスクキシレン」の痕跡を含んでいる可能性があり、これらの物質の生理 的受容性については疑いがもたれている。 浴室用洗剤製品は、洗浄の初期段階において比較的安定な粘着性の気泡を形成 する必要がある。この気泡により、表面の部分に洗剤が適用されたことが視覚的 に示される。さらに重要なことには、気泡が表面に付着して流出が防止され、そ れによって必要とされる製品を含む界面活性剤の量が最小限になり、その結果コ ストも環境への界面活性剤の放出も最小限になる。しかし使用を容易にし且つ水 を節約し得るように、組成物が可能な限り最低量の水で殆ど努力を要さずにすす ぎ得ることが望ましい。 上記の全てを勘案すれば、理想的な家庭用洗浄組成物は、表面に適用すると比 較的安定な気泡を形成し、表面のすすぎの際には速やかに脱泡する必要があるこ とがわかる。そのような組成物は環境的又は生理的に許容不能な成分を含 んでいてはならず、且つすすぎ水に特殊な消泡成分を添加する必要があってはな らない。これらの多くのニーズそれぞれに対応する専門の洗浄組成物が市販され るか又は文献に示唆されてはいるが、石灰スケールに対する酸性洗剤の利点を有 しながら、広範な汚れに対しても有効である汎用洗剤が必要とされている。 発明の簡単な説明 選択された脂肪酸は、特定の濃縮配合物において起泡増進作用を有し、該配合 物をややアルカリ性の水で希釈すると抑泡作用を有することが見いだされた。こ れらの脂肪酸を酸性pHでポリカルボン酸、溶媒及び界面活性剤と合わせた場合 、著しく単純な成分の組み合わせにより、広範な汚れに対して優れた洗浄力を示 し且つ優れたすすぎ挙動を示す組成物が生成される。 従って本発明は、 (a)脂肪酸のアルカリ金属塩以外のアニオン界面活性剤を含む界面活性剤系、 (b)C10−C18モノカルボン酸脂肪酸 (c)半極性溶媒、 (d)ポリカルボン酸、及び (e)塩基 からなり、6未満のpHを有する水性洗浄組成物を提供する。 発明の詳細な説明 上記のように、驚くべきことにはC10−C18脂肪酸が本発明の組成物において 起泡増進作用を有することが見いだされた。これは、傾斜又は垂直表面に対する 気泡の増進「粘着」(cling)として表わされる。従って本発明の組成物は硬質 表面用洗浄組成物としての使用に特に好適である。 操作原理を引用することにより本発明を制限することは望まないが、モノカル ボン酸脂肪酸のpKaを下回るpHで起泡増進作用が認められると考えられる。 脂肪酸はこれらの条件下では水溶性ではないので、脂肪酸の厳密なpKaを実際 に確認することは困難であるが、滴定によってpKaの精密な推定を得ることは 可能である。さらに、ポリカルボン酸が部分的にイオン化された形態で存在する ように、組成物のpHはポリカルボン酸の最低pKaを超える ものでなければならない。 家庭給水は一般に鉱物由来の溶解カルシウムを20〜400ppmの範囲の典型的な レベルで含んでいる(2〜40フランス硬度)。高レベルのカルシウムを含有する 水も知られてはいるが、比較的稀である。 家庭給水は普通、主として水中に天然に存在するような溶解重炭酸塩のせいで 、7.5より高く、典型的にはおよそ8というわずかにアルカリ性のpHを有して いる。いくつかの例外的な場合には、酸性水を中和し、それによって配管や取り 付け具からの鉛及び他の潜在的に有毒な金属の溶解を防止するように、給水に酸 化カルシウムのようなアルカリ形成成分を添加してもよい。 本発明の組成物に数容量のカルシウム含有アルカリ性家庭用水を添加すると、 水のアルカリ度により本来酸性系のpHが脂肪酸のPKaを超える点にまで上昇 し、それによって脂肪酸がイオン化され、その結果、水中に存在するカルシウム により脂肪酸の沈殿物が形成され、それによってカルシウムセッケンが形成され ると考えられる。公知のようにこの沈殿物は消泡作用を有しており、その結果製 品のすすぎを助けると考えられる。溶媒 半極性溶媒は本発明の必須成分である。以下の実施例により示されるように、 溶媒の存在は酸性溶液中の脂肪酸の起泡増進作用及びアルカリ性溶液中の脂肪酸 の消泡作用を強化すると考えられる。 好ましい溶媒は5〜35の範囲の誘電率を有している。 溶媒は、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコ ールモノn−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノt−ブチルエーテル、 ジプロピレングリコールモノt−ブチルエーテル、ジエチレングリコールヘキシ ルエーテル、エチルアセテート、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレ ングリコールモノブチルエーテル、ジ−エチレングリコールモノブチルエーテル 及びその混合物から選択するのが好ましい。 好ましい溶媒はグリコールエーテル溶媒であり、これらは、プロピレングリコ ールモノn−ブチルエーテル(「Dowanol PnB」〔登録商標〕として市販されて いる)及びジ−エチレングリコールモノブチルエーテル(「Butyl Digol」〔登 録商標〕又は「Butyl Carbitol」〔登録商標〕として市販されている)からなる 群から選択されるのが好ま しい。これらの溶媒は、コスト、有用性及び安全性の面で特に好ましいものであ る。この溶媒の選択により、インク及び染料に関して洗浄性能が向上し、且つす すぎの際の組成物の消泡挙動が強化されるのに加えて、製品の安定性も増進する ことが見いだされた。 総界面活性剤:溶媒比の好ましい範囲は、1:1〜10:1の範囲、好ましくは 2:1〜5:1の範囲である。コスト及び製品安定性の点から、比率の範囲は狭 い方が好ましい。濃縮物を希釈する場合に有効な溶媒濃度を達成するためには、 典型的な溶媒含量は組成物の1〜30重量%であり、組成物の2〜20重量%が好ま しい。緩衝剤 緩衝剤は本発明の組成物の必須成分である。 緩衝剤の存在は、非希釈組成物を脂肪酸のpKaを下回る酸性pHに維持する ことを確実にするために必須であると考えられる。しかし、脂肪酸のpKaを超 えてpHを上昇させるために過剰に水を加えなければならないほどpHを強度に 緩衝してはならない。 さらに、洗浄表面に対する損傷を軽減するように、強酸性溶液を用いることは 避けなければならないが、不溶なカ ルシウムセッケンが生成して気泡があまり急激に消えてしまい、組成物の石灰ス ケール除去作用が低減しないように、酸性度がいくらか保持されている必要があ る。 好ましい緩衝系はポリカルボン酸を含むが、アンモニウム又はアルカリ金属水 酸化物から選択される塩基並びに/又は有機アミンを用いることも可能である。 水酸化アンモニウムは、カルシウムセッケンの浮きカスの除去を強化すると考え られるので特に好ましいが、水酸化ナトリウムでも良好な結果を得る。そのよう な系が製品をpH2〜6に緩衝するのが好ましい。 緩衝系は、製品の10容量を超える量の水を添加すると脂肪酸のPKaに到達す るようなものが好ましい。添加される水のアルカリ度及び硬度は、pHをpKa より高くするのに必要な水の量に何らかの影響を与えるであろう。 製品の4〜6重量%という典型的な界面活性剤含量を得るためには、1,000容 量未満の量の水を添加するとpHが脂肪酸のpKaより高くなるように緩衝系を 選択する必要がある。 ある種のエナメルは3未満のpHには敏感であり、低いpHを有する製品は低 アルカリ度の水による組成物の中和 に過剰なすすぎを必要とする可能性があるので、製品の特に好ましいpH範囲は pH3.14〜4.9の範囲であり、pHがおよそ4であれば最も好ましい。酸形態と してよりむしろ配合物中で塩としてポリカルボン酸が存在することにより、より 良好な気泡が得られ、従って、組成物のpHは存在するポリカルボン酸の最低p Kaを上回るのが好ましい。好ましいポリカルボン酸であるクエン酸のpKaは、 3.14、4.77及び6.39であり、従ってpHが3.14より高いのが好ましい。金属イオン封鎖剤 有機ポリカルボン酸形態の弱金属イオン封鎖剤は、本発明の組成物の必須成分 である。これらの弱金属イオン封鎖剤が存在することにより、洗浄力が向上する 。これらの成分は、表面に付着した汚れに含まれる弱結合カルシウムイオンを封 鎖し、それによってこれらの汚れの除去を促進すると考えられる。 強金属イオン封鎖剤が存在してもよい。しかし、EDTAのような金属イオン 封鎖剤は、そのような生分解性が低い金属イオン封鎖剤が川底の体積物中の重金 属を溶解し得ると示唆されているために、環境的な理由からあまり好ま しくない。さらにEDTA及び他の強金属イオン封鎖剤は家庭用水中に存在する カルシウムと複合体を形成して、上記の脱泡カルシウムセッケンの形成を妨げる 傾向がある。 金属イオン封鎖剤は、クエン酸、アジピン酸、コハク酸、マレイン酸、グルタ ル酸、その混合物又はその塩から選択されるのが好ましい。金属イオン封鎖剤の 典型的なレベルは、製品の1〜10重量%の範囲、好ましくは製品の3〜6重量% の範囲である。 金属イオン封鎖剤がクエン酸又はその塩であるのが最も好ましい。クエン酸は 、カルシウムの弱金属イオン封鎖剤であり、再生可能な資源から得られ、且つ速 やかに生分解し得る。 クエン酸は、好ましくは製品の3〜6重量%の含量レベルでは、金属イオン封 鎖剤としても緩衝系成分としても特に好ましいものである。脂肪酸10−C18脂肪酸は本発明の組成物の必須成分である。 これより短い鎖長の脂肪酸は十分に不溶なカルシウムセッケンを形成せず、こ れより長い鎖長の脂肪酸は組成物中であまりに不溶であるために消泡成分として 機能しないであ ろうと考えられる。さらに、これらの中鎖長の脂肪酸は、妥当な価格で市販され ており、再生可能な資源から誘導される。 脂肪酸は、線状又は分枝状、飽和又は不飽和であってよいが、天然産生の線状 脂肪酸が好ましい。 C12−C16、好ましくはC14の平均鎖長を有する線状脂肪酸(椰子油及び椰子 種油のようなラウリン酸油から誘導され得る)が特に好ましい。これより長い鎖 長のセッケンは高価なヒドロトロープ又は有機溶媒が存在しないと溶解しにくく なる。 脂肪酸の典型的なレベルは、製品の0.1〜3重量%の範囲であり、0.5〜1重量 %の範囲が特に好ましい。 組成物のpHが用いられる脂肪酸のpKaより低いことが重要である。一般に C12−C16脂肪酸のpKaはおよそ4.9であり、従って組成物のpHはこの数字よ り低いものになるであろう。pHがポリカルボン酸のpKaを超えるという要求 条件を勘案すると、組成物のpHは一般に3.14〜4.9の範囲になるであろう。界面活性剤 セッケン以外の少なくとも1種のアニオン界面活性剤は、 本発明の組成物の必須成分である。 界面活性剤が、第1級及び第2級アルコールスルフェート、アルコールアルコ キシスルフェート、第1級及び第2級アルカンスルホネート並びにアルキルアリ ールスルホネートからなる群の中の1種以上を含むのが好ましい。アニオン界面 活性剤が存在しないと、本発明の製品の粘着性(cling)が低下する。 脂肪酸とアニオン界面活性剤の比率は、製品の脂肪酸とアニオン界面活性剤の 重量比で表して、1:4〜1:20の範囲が好ましく、およそ1:5〜1:10の範 囲が特に好ましい。このようにすると、起泡と洗浄性能との間に良好なバランス が得られる。 アニオン界面活性剤は、起泡性且つ容易に生分解し得る界面活性剤である第1 級アルコールスルフェート(PAS)であるのが好ましい。 好ましい第1級アルコールスルフェート(PAS)は、 一般式: RO−SO3X 〔式中、RはC8−C18第1級アルキル基であり、Xは可溶化カチオンである〕 を有する物質の混合物を含む。適当なカチオンには、ナトリウム、マグネシウム 、カリウム、アンモニウム及びその混合物が含まれる。 マグネシウムPAS及び部分的に塩基で中和した有機酸を含む組成物が、脂肪 性/グリース性の汚れに対する洗浄能力を保持しながら、特に石灰セッケン及び 石灰スケールに関して改良された洗浄効率を有することが確認された。従って本 発明の特に好ましい実施態様は、存在する第1級アルコールスルフェート1モル 当たり0.1〜0.8モルのMgというモル比のマグネシウムを含む。 PAS用の対イオンとしてマグネシウムのみを用いると、ポリカルボン酸の存 在下には問題が発生し得ることに留意する必要があり、従って、PAS用の対イ オンのモル比は、他の対イオンに対するMgの比率がおよそ5:1を超えないよ うにするのが好ましい。MgPASとNaPASの比率は、1:1〜2:1の範 囲であるのが好ましい。 特に好ましいPAS分子は、C10−C14アルキル残基が主要な割合を占めるも のである。 上記のように、これらの界面活性剤は再生可能な資源、例えば椰子油から得ら れる脂肪酸から第1級アルコールス ルフェートを形成して得ることが可能であるが、合成アルコール源から得ること も可能である。これらの界面活性剤は極めて満足すべき生分解挙動を示す。 適当な付加界面活性剤は、カチオン性、非イオン性、両性及び双性界面活性剤 、並びにその混合物から選択される。 非イオン界面活性剤が存在すると特に有利である。好ましい非イオン界面活性 剤はアルコキシル化アルコールであり、好ましいアルコキシル化アルコールは、 一般式: R1−(OCH2CH2m−OH 〔式中、R1は直鎖又は分子鎖のC8−C18アルキル又はヒドロキシアルキルであ り、良好な脂肪性汚れ洗浄力を得るための平均エトキシル化度mは1〜14の範囲 、好ましくは3〜10の範囲である〕 を有するエトキシル化アルコールからなる群から選択される。 界面活性剤系の少量成分であるこれらのエトキシル化アルコール合成用の出発 物質は、天然及び合成源から得られる。 界面活性剤系が第1級アルコールスルフェート及びアルコキシル化アルコール を含むのが最も好ましい。この規格 のために、アルコキシル化アルコールはアルキル又はヒドロキシ−アルキルエト キシル化アルコールを含むものを使用している。 第1級アルコールスルフェート及びアルコキシル化アルコールが3:1〜1: 1の範囲の比率で存在するのが好ましく、およそ2:1の比率が特に好ましい。 特に好ましい組成物は、15〜30%の第1級アルコールスルフェート及び5〜15 %の非イオン界面活性剤を含む。より効率的に輸送し得且つ包装材料をさして必 要としない濃縮組成物を形成するためには、これらの比較的高レベルのPAS及 び非イオン界面活性剤が望ましい。 界面活性剤の好ましい全体的なレベルは製品の1〜40重量%であり、非濃縮物 として家庭で使用するには、2〜10重量%のレベルが好ましい。濃縮物用には、 界面活性剤レベルが20〜40%であるのが好ましく、25〜35%であればなお好まし い。但し、界面活性剤が極めて高レベルになると、付加消泡成分が必要になる可 能性がある。少量成分及び他の非必須成分 本発明の組成物は、香料、着色剤及び染料、衛生剤、粘度調整剤及びその混合 物からなる群から選択される他の少 量成分をさらに含んでいてよい。本発明の特定の実施態様では、配合物中に発泡 調節剤(foam control agent)をさらに含むと有用である。 さらに付け加えられる発泡調節剤が疎水油を含むのが好ましい。疎水油は線状 若しくは分枝鎖炭化水素又はシリコーン油であるのが好ましく、疎水油がパラフ ィンであればなお好ましい。 疎水油が、170〜300℃の範囲の50重量%損失沸点を有するパラフィンであるの が最も好ましい。50%損失沸点という用語は、パラフィンの重量の50%をこの範 囲内の温度で蒸留し得ることを意味するものとする。一般に、本発明の組成物に 用いるのに好適なパラフィンの沸点限界は171〜250℃の範囲である。n−デカン 及びn−テトラデカンのような他の疎水油と比べて、イソパラフィン、即ち、分 枝鎖パラフィンが特に有効であることが判明した。 本発明の実施態様の可溶化疎水油含量は、0.2〜5重量%の範囲が典型的であ り、1.0〜2.0重量%の範囲が好ましい。疎水油が存在する場合、脂肪酸と疎水油 の好ましい比率は、0.5〜1:1〜0.5の範囲であり、およそ1:1であればなお 好ましい。これらの割合で特に有効な消泡系が形 成される。 本発明の組成物は均質であるのが好ましく、半透明であればなお好ましく、透 明であるのが最も好ましい。典型的な粘度は、25℃で測定して21s-1の剪断率で 1〜2,000mPasである。包装 本発明の組成物が、製品の噴霧、好ましくは気泡の噴霧を生成するように適合 されている包装容器に入って提供されるのが好ましいが、他の投与及び供給シス テムの可能性も包含するものとする。 上記の全てに関して、本発明の好ましい実施態様は: (a)第1級アルコールスルフェート及び好ましくは1種以上の非イオン界面活 性剤を含み、存在する界面活性剤の少なくとも50重量%が主要界面活性剤として の第1級アルコールスルフェートである界面活性剤2〜40重量%; (b)酸性条件下での発泡増進剤として、またアルカリ性条件下での消泡剤とし てのC10−C18非分枝鎖脂肪酸0.2〜5重量%; (c)グリコールエーテル及び1〜5個の炭素を含むアルコール溶媒からなる群 から選択され、界面活性剤:溶媒比 が1:1〜10:1の範囲になるような量の少なくとも1種の溶媒; (d)クエン酸、アジピン酸、コハク酸、グルタル酸、マレイン酸、その塩又は その混合物から選択され、カルシウム及びマグネシウム金属イオン封鎖剤及び緩 衝成分としての水溶性有機酸1〜10重量%;及び (e)組成物のpHを3.14〜4.9の範囲にするに十分な塩基 を含む酸性水性洗浄組成物を含む。 本発明のさらなる理解を得るために、本発明を実施例により、また添付図面を 参照して説明する。 図1は、異なる硬度の水を用いた気泡量の低減に必要なすすぎ回数に対する配 合物の作用を示す。 図2は、異なる硬度の水を用いた気泡量に対するpHの作用を示す。実施例1〜2 下記の表1に従って組成物を調製した。全成分を室温で混合し、トリガースプ レーヘッド(trigger spray head)を備えたびんに充填した。非イオン界面活性 剤は、DOBANO L23-6.5EO〔SHELL社の登録商標〕であり、PASはDACPON-27L〔DAC社の登録商 標〕であった。Butyl CarbitolはUnion Carbide社の商標である。脂肪酸はPRIFA C7901〔Unichema社の登録商標〕であった。 非水平表面に製品を噴霧し、硬水(典型的にはフランス硬度〉26)ですすいで 性能を評価した。1が弱い粘着を表し、5が強い粘着を表す1〜5段階のブライ ンドテストで気泡の粘着を評価するように指示された20人の熟練技術者団により 「粘着」を推定した。 実施例1は、比較実施例として選択された市販製品であり、該製品の性能は良 好であった。 実施例2は本発明の実施例であり、この配合物はより大きい粘着性の気泡を示 し、これは傾斜又は垂直表面に対する接着に関して特に有効であった。実施例1 の組成物は満足すべき粘着を示し、特に困難なくすすぐことが可能と思われるが 、実施例2の組成物は粘着が改良され且つすすぎが著しく容易であることが判明 した。実施例3〜8 図1は、異なる硬度の水を用いた気泡量の低減に必要なすすぎ回数に対する配 合物の作用を示す。 下記のように測定を行った。バルブを閉じた勾配分離漏斗中で指定硬度の水を 用いて製品5gを50mlに希釈した。漏斗を約10秒間手で激しく震盪して気泡を生 成し、過剰な液剤がバルブを介して流出した後で初期の気泡量を測定した。各す すぎ用に水50mlずつのアリコートを用い、漏斗に添加し、さらに震盪して、液剤 が除去された後でさらに気泡量を測定した。全く気泡が残らなくなるまでこの手 順を繰り返した。用いられた組成物は上記実施例1及び2と同様であり、脂肪酸 のレベルは0.5%であった。 図1から、比較実施例に脂肪酸を添加すると、全ての場合に要求されるすすぎ サイクルの回数が減少し、水の硬度 が増す毎に良好な結果が得られたことがわかる。 図2は、異なる硬度の水を用いた気泡量に対するpHの作用を示す。記載され ているpHは、上記のすすぎサイクルの間に得られた液剤のpHである。すすぎ が増すにつれ、液剤のpHが上昇するのがわかる。例外的に高いレベルのカルシ ウムを含有する水では、脂肪酸の作用が著しいことがわかる。より一般的な水の 場合には、10%希釈したpHが4〜5である初期製品から6.5を超えるpHに上 昇すると、気泡量が急激に減少した。 上記の実施例から、例示されている組成物は従来技術の組成物に比べて気泡の 粘着及びすすぎが改良されていることがわかる。実施例9〜15 下記の表2は、脂肪酸の平均鎖長が異なる実施例2の組成物のデータを示して いる。脂肪酸を含まない実施例1の組成物用のデータは比較目的で示されている 。累積気泡量(「CFV」)を、標準的な初期量及び実施例3〜8に関して上述 された震盪プロトコルを得るために立法センチメートル単位で測定する。CFV は、フランス硬度26の水を用いてすすぎ工程で生成した気泡の全量を示している 。気 泡の除去に必要なすすぎ回数を上記のように測定した。 上記のデータから、〉C12の鎖長を有する脂肪酸が著しくCFVを減少させる ことがわかる。〉C22の鎖長を有する脂肪酸は組成物に不溶であることが認めら れた。実施例16〜19 金属イオン封鎖剤型の作用が下記の表3に示されているが、金属イオン封鎖剤 型は脂肪酸(FA)の存在及び不在に応じて異なる。実施例3〜8に関して上述 したように、標準的な初期量及び震盪プロトコルを得るために、累積気泡量(「 CFV」)を立法センチメートル単位で測定する。CFVは、フランス硬度26の 水を用いてすすぎ工程で生成した気泡の全量を示している。気泡の除去に必要な すすぎ回数を上記のように測定した。 上記表3から、脂肪酸と金属イオン封鎖剤が存在することにより、より良い結 果が得られることがわかる。実施例20〜26 下記の表4に示されているデータを参照してpHの作用を示す。CFV及びす すぎは、フランス硬度12及び26の水を用いて上記のようにして測定した。概して フランス硬度26の水についての結果を示しているが、軟水を用いて同様な結果を 得た(実施例25及び26)。実施例20、22及び23は比較実施例である。 上記の結果は、アルカリ製品においては、脂肪酸の発泡防止作用が非常に顕著 であることを示している。しかし、これらのアルカリ組成物は石灰スケールを効 果的には除去しない。実施例24及び26は、組成物から緩衝剤のアルカリ成分 (NaOH)を省いた場合の作用を示している。実施例24の組成物は硬水中で は本発明の組成物と同様な挙動を示すが、特定の表面に用いるには酸性であり過 ぎる。フランス硬度が12の軟水を用いた実施例25及び26は、本発明の実施態 様(実施例25)が満足すべきすすぎを示すのに反して、アルカリ性緩衝成分が 存在しないと(実施例26)、発泡防止作用が低下することを示している。 約2.5のpHの組成物により生成された気泡は粘着が弱く、洗浄効率が劣るこ とが認められた。実施例27〜30 表5に示すように、実施例27〜30には溶媒と発泡防止脂肪酸との協同相互 反応が示されている。上記のようにして結果を得た。 上記の結果から、溶媒の存在は脂肪酸が希釈されたときに発泡防止作用を示す のに必須であることがわかる。溶媒が存在しないと(比較実施例29及び30) 、低粘着の不良な気泡を得た。溶媒が存在すると、脂肪酸を省いても(比較実施 例27)気泡は安定化している。脂肪酸と溶媒が共に存在する場合のみ、初期気 泡量が多く且つすすぎが速くなるという利点が得られる(実施例28)。実施例31〜36 表6に示すように、実施例31〜36において界面活性剤系の変更が製品特性 に及ぼす協同作用が示されている。フランス硬度26の水を用いて上記のようにし て結果を得た。 比較実施例33及び34は、アニオン界面活性剤が存在しないと気泡が殆ど発 生せず、製品が洗浄操作の間に傾斜表面から急速に流出してしまうことを示して いる。実施例35及び36は、本発明の実施態様において任意の非イオン界面活 性剤を省いた場合の作用を示している。比較実施例35から、非イオン界面活性 剤はいくらか発泡抑制作用を有してはいるが、非イオン界面活性剤が存在すると すすぎ時間が増大することがわかる。これらの結果から、脂肪酸及び少なくとも 1種の他のアニオン界面活性剤は必須成分であるが、非イオン界面活性剤は任意 の成分であることがわかる。実施例37〜39 下記の実施例37〜39(表7を参照されたい)において、本発明の配合物の 性能を市販配合物と比較する。 表7は、現在市販されている酸性浴室用洗浄組成物の2つの比較実施例(実施 例38及び39)のリストである。これらの配合を分析により得た。実施例39 の組成物では、 有機酸は、合計6.2重量%のコハク酸、グルタル酸、アジピン酸及び安息香酸の 混合物であった。実施例37及び38ではクエン酸を用いた。実施例38の組成 物が、PASのマグネシウム塩を用いず、脂肪酸も溶媒も存在しないという点で 、本発明の組成物と異なっていることがわかる。 実施例37〜39の組成物を評価するために、合成セッケン浮きカス、脂肪性 汚れ及び台所汚れでコーティングした汚れたタイルを準備した。各汚れは、可視 化剤としてカーボンブラックの可視痕跡を含んでいた。 セッケンの浮きカスは主としてステアリン酸カルシウムから構成し、イソプロ ピルアルコール中のステアリン酸カルシウム懸濁液をエナメル加工したスチール タイルに噴霧した。汚れを噴霧した後、タイルを180℃で30分間ベーキングした 。 脂肪性汚れは脂肪酸とパラフィンの混合物から構成し、石油エーテル中の該組 成物をセラミックタイルに噴霧した。 台所汚れは脂肪、脂肪酸、パラフィン及び粘土の混合物から構成し、石油エー テル中の該組成物をセラミックタイルに噴霧した。 組成物の有効性を評価するために、実施例37〜39の 組成物0.5mlを汚れたタイルそれぞれに適用し、表7に「接触時間」と示されて いる時間、タイルと接触させた。次いで清潔な湿ったクロスを用いて一定圧下の 1回のパスでタイルを機械的に拭き取った。カーボンブラックの除去を示す場合 に、0は汚れが全く除去されていないことを示し、5は汚れが完全に除去された ことを示す0〜5の6ポイント段階で残留汚れを視覚的に評価した。 上記の結果から、本発明の組成物が脂肪性の汚れの除去の点では公知の組成物 と同等であるが、台所汚れ及び特にセッケン浮きカスの除去の点では大いに改良 されていることがわかる。実施例39〜43 表8の下記実施例39〜44において、高濃度のPAS界面活性剤用の対イオ ンとしてのMgとNa比を変化させた場合の作用が示されている。Mg:NaP ASの比率が異なっているという点を除けば、全ての実施例は実施例37の配合 物と同様であった。 実施例41〜43において、クエン酸マグネシウムは長期の貯蔵の間に製品か ら沈殿するが、実施例39〜40は貯蔵安定性であることが判明した。実施例4 1〜43の製品はそれ以外では満足すべきものであった。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1994年7月7日 【補正内容】 これらの多くのニーズそれぞれに対応する専門の洗浄組成物が市販されるか又は 文献に示唆されてはいるが、石灰スケールに対する酸性洗剤の利点を有しながら 、広範な汚れに対しても有効である汎用洗剤が必要とされている。 発明の簡単な説明 選択された脂肪酸は、特定の濃縮配合物において起泡増進作用を有し、該配合 物をややアルカリ性の水で希釈すると抑泡作用を有することが見いだされた。こ れらの脂肪酸を酸性pHでポリカルボン酸、溶媒及び界面活性剤と合わせた場合 、著しく単純な成分の組み合わせにより、広範な汚れに対して優れた洗浄力を示 し且つ優れたすすぎ挙動を示す組成物が生成される。 従って本発明は、 (a)脂肪酸のアルカリ金属塩以外のアニオン界面活性剤を含む界面活性剤系、 (b)C10−C22モノカルボン酸脂肪酸 (c)半極性溶媒、 (d)ポリカルボン酸又はその塩、及び (e)塩基 からなり、6未満のpHを有する水性洗浄組成物を提供する。 発明の詳細な説明 上記のように、驚くべきことにはC10−C22脂肪酸が本発明の組成物において 起泡増進作用を有することが見いだされた。これは、傾斜又は垂直表面に対する 気泡の増進「粘着」(cling)として表わされる。従って本発明の組成物は硬質 表面用洗浄組成物としての使用に特に好適である。 操作原理を引用することにより本発明を制限することは望まないが、モノカル ボン酸脂肪酸のpKaを下回るpHで起泡増進作用が認められると考えられる。 脂肪酸はこれらの条件下では水溶性ではないので、脂肪酸の厳密なpKaを実際 に確認することは困難であるが、滴定によってpKaの精密な推定を得ることは 可能である。さらに、ポリカルボン酸が部分的にイオン化された形態で存在する ように、組成物のpHはポリカルボン酸の最低pKaを超えるものでなければな らない。 家庭給水は一般に鉱物由来の溶解カルシウムを20〜400p pmの範囲の典型的なレベルで含んでいる(2〜40フランス硬度)。高レベルのカ ルシウムを含有する水も知られてはいるが、比較的稀である。家庭給水は普通、 主として水中に天然に存在するような溶解重炭酸塩のせいで、7.5より高く、典 型的にはおよそ8というわずかにアルカリ性のpHを有している。いくつかの例 外的な場合には、酸性水を中和し、それによって配管や取り付け具からの鉛及び 他の潜在的に有毒な金属の溶解を防止するように、給水に酸化カルシウムのよう なアルカリ形成成分を添加してもよい。脂肪酸10−C22脂肪酸は本発明の組成物の必須成分である。 これより短い鎖長の脂肪酸は十分に不溶なカルシウムセッケンを形成せず、こ れより長い鎖長の脂肪酸は組成物中であまりに不溶であるために消泡成分として 機能しないであろうと考えられる。さらに、これらの中鎖長の脂肪酸は、妥当な 価格で市販されており、再生可能な資源から誘導される。 脂肪酸は、線状又は分枝状、飽和又は不飽和であってよいが、天然産生の線状 脂肪酸が好ましい。 C12−C16、好ましくはC14の平均鎖長を有する線状脂肪酸(椰子油及び椰子 種油のようなラウリン酸油から誘導され得る)が特に好ましい。これより長い鎖 長のセッケンは高価なヒドロトロープ又は有機溶媒が存在しないと溶解しにくく なる。 脂肪酸の典型的なレベルは、製品の0.1〜3重量%の範囲であり、0.5〜1重量 %の範囲が特に好ましい。 組成物のpHが用いられる脂肪酸のpKaより低いことが重要である。一般に C12−C16脂肪酸のpKaはおよそ4.9であり、従って組成物のpHはこの数字よ り低いものに なるであろう。pHがポリカルボン酸のpKaを超えるという要求条件を勘案す ると、組成物のpHは一般に3.14〜4.9の範囲になるであろう。 本発明の組成物は均質であるのが好ましく、半透明であればなお好ましく、透 明であるのが最も好ましい。典型的な粘度は、25℃で測定して21s-1の剪断率で 1〜2,000mPasである。包装 本発明の組成物が、製品の噴霧、好ましくは気泡の噴霧を生成するように適合 されている包装容器に入って提供されるのが好ましいが、他の投与及び供給シス テムの可能性も包含するものとする。 上記の全てに関して、本発明の好ましい実施態様は: (a)第1級アルコールスルフェート及び好ましくは1種以上の非イオン界面活 性剤を含み、存在する界面活性剤の少なくとも50重量%が主要界面活性剤として の第1級アルコールスルフェートである界面活性剤2〜40重量%; (b)酸性条件下での発泡増進剤として、またアルカリ性条件下での消泡剤とし てのC10−C18非分枝鎖脂肪酸0.2〜5重量%; (c)グリコールエーテル及び1〜5個の炭素を含むアルコール溶媒からなる群 から選択され、界面活性剤:溶媒比が1:1〜10:1の範囲になるような量の少 なくとも1種 の溶媒; (d)クエン酸、アジピン酸、コハク酸、グルタル酸、マレイン酸、その塩又は その混合物から選択され、カルシウム及びマグネシウム金属イオン封鎖剤及び緩 衝成分としての水溶性有機酸1〜10重量%;及び (e)組成物のpHを3.14〜4.9の範囲にするに十分な塩基 を含む酸性水性洗浄組成物を含む。 請求の範囲 1.(a)脂肪酸のアルカリ金属塩以外のアニオン界面活性剤を含む界面活性剤 系、 (b)C10−C22モノカルボン酸脂肪酸 (c)半極性溶媒、 (d)ポリカルボン酸又はその塩、及び (e)塩基 からなり、6未満のpHを有する水性洗浄組成物。 2.半極性溶媒が5〜35の範囲の誘電率を有する請求項1に記載の組成物。 3.半極性溶媒が、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジプロピレ ングリコールモノn−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノt−ブチルエ ーテル、ジプロピレングリコールモノt−ブチルエーテル、ジエチレングリコー ルヘキシルエーテル、エチルアセテート、エタノール、イソプロピルアルコール 、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエ ーテル及びその混合物から選択される請求項1に記載の組成物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 9306197.6 (32)優先日 1993年3月25日 (33)優先権主張国 イギリス(GB) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AT,AU,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CZ,DE,DK,SE,FI,GB,H U,JP,KP,KR,KZ,LK,LU,LV,MG ,MN,MW,NL,NO,NZ,PL,PT,RO, RU,SD,SE,SK,UA,US,UZ,VN (72)発明者 ジヨーンズ,デイビツド・フイリツプ イギリス国、シー・エイチ・4・0・エ ル・ビー、チエスター、ペニーミニツド、 ウエル・ハウス・ドライブ・14

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(a)脂肪酸のアルカリ金属塩以外のアニオン界面活性剤を含む界面活性剤 系、 (b)C10−C18モノカルボン酸脂肪酸 (c)半極性溶媒、 (d)ポリカルボン酸、及び (e)塩基 からなり、6未満のpHを有する水性洗浄組成物。 2.半極性溶媒が5〜35の範囲の誘電率を有する請求項1に記載の組成物。 3.半極性溶媒が、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジプロピレ ングリコールモノn−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノt−ブチルエ ーテル、ジプロピレングリコールモノt−ブチルエーテル、ジエチレングリコー ルヘキシルエーテル、エチルアセテート、エタノール、イソプロピルアルコール 、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエ ーテル及びその混合物から選択される請求項1に記載の組成物。 4.半極性溶媒がグリコールエーテル溶媒である請求項3 に記載の組成物。 5.半極性溶媒が、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテル及びジエチレ ングリコールモノブチルエーテルからなる群から選択される請求項4に記載の組 成物。 6.溶媒のレベルが製品の1〜30重量%の範囲である請求項1に記載の組成物。 7.総界面活性剤:溶媒の重量比が2:1〜5:1の範囲である請求項6に記載 の組成物。 8.1〜10%のポリカルボン酸又はその塩を含む請求項1に記載の組成物。 9.ポリカルボン酸が、クエン酸、アジピン酸、コハク酸、マレイン酸、グルタ ル酸、その塩、及び酸又はその塩の混合物から選択される請求項8に記載の組成 物。 10.組成物の酸性貯蔵が、製品1容量に対して少なくとも7.5のpHを有する 水を10容量を超える量添加すると、pHがモノカルボン酸のpKaを超えるよう な請求項1に記載の組成物。 11.組成物の酸性貯蔵が、製品1容量に対して少なくとも7.5のpHを有する 水を1000容量未満添加すると、pHがモノカルボン酸のpKaを超えて上昇する ような請求項 1に記載の組成物。 12.pHが3.14〜4.9の範囲である請求項1に記載の組成物。 13.モノカルボン酸のレベルが製品の0.1〜3%の範囲である請求項1に記載 の組成物。 14.少なくとも1種のアニオン界面活性剤が、第1級及び第2級アルコールス ルフェート、アルコールエトキシスルフェート、第1級及び第2級アルカンスル ホネート、アルキルアリールスルホネート及びその混合物からなる群から選択さ れる請求項1に記載の組成物。 15.非イオン界面活性剤をさらに含む請求項1に記載の組成物。 16.第1級アルコールスルフェート及びアルキルベンゼンスルホネートから選 択される界面活性剤とアルコキシル化アルコールを3:1〜1:1の比率で含む 請求項1に記載の組成物。 17.モノカルボン酸とアニオン界面活性剤の比率が1:4〜1:20の範囲であ る請求項1に記載の組成物。 18.界面活性剤のレベルが製品の2〜10重量%である請求項1に記載の組成物 。 19.界面活性剤のレベルが製品の20〜40重量%である請求項1に記載の組成物 。 20.製品を噴霧できるように適合されている包装容器中の請求項1に記載の組 成物。 21.(a)第1級アルコールスルフェート及び好ましくは1種以上の非イオン 界面活性剤を含み、存在する界面活性剤の少なくとも50重量%が第1級アルコー ルスルフェートである界面活性剤2〜40重量%; (b)C10−C18非分枝鎖脂肪酸0.2〜5重量%; (c)グリコールエーテル及び1〜5個の炭素を含むアルコール溶媒からなる群 から選択され、界面活性剤:溶媒の比率が1:1〜10:1の範囲になるような量 の少なくとも1種の溶媒; (d)クエン酸、アジピン酸、コハク酸、グルタル酸、マレイン酸、その塩又は その混合物から選択される水溶性有機酸1〜10重量%;及び (e)組成物のpHを3.14〜4.9の範囲にするに十分な塩基 を含む請求項1に記載の酸性水性洗浄組成物。
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