JPH08508490A - 新規5’−置換ヌクレオシド及びそれから得られるオリゴマー - Google Patents
新規5’−置換ヌクレオシド及びそれから得られるオリゴマーInfo
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Abstract
(57)【要約】
新規5’−置換ヌクレオシド、及びホスホジエステルヌクレオシド間結合の天然バックボーンの代わりに1個またはそれ以上の3'-O-PO2H-O-5'-CR1R2ヌクレオシド間結合を含むヌクレオシド間バックボーンを有する、該5’−置換ヌクレオシドから得られる、塩基数が2〜約60のオリゴヌクレオチド類似体が開示する。本発明はさらに、ホスホジエステルヌクレオシド間結合の天然バックボーンの代わりに1個またはそれ以上の3'-O-PO2H-O-5'-CR1R2ヌクレオシド間結合を含むヌクレオシド間バックボーンを有する、塩基数が2〜約60のオリゴヌクレオチド化合物の合成方法に開示し、この方法は、5’−置換ヌクレオシド化合物を製造し(たとえば、反応式1に図示)、そしてDNA自動合成装置において該5’−置換ヌクレオシド化合物をシントンとして使用することからなる。本発明のオリゴヌクレオチド類似体はヌクレアーゼ抵抗性の配列特異的アンチセンス化合物である。
Description
【発明の詳細な説明】
新規5’−置換ヌクレオシド及びそれから得られるオリゴマー
発明の分野
本発明は、新規5’−置換ヌクレオシド、及びホスホジエステルヌクレオシド
間結合の天然バックボーンの代わりに1個またはそれ以上の3'-O-PO2H-O-5'-CR1
R2ヌクレオシド間結合を含むヌクレオシド間バックボーンを有する、塩基数が2
〜約60の、該5’−置換ヌクレオシドから得られるオリゴヌクレオチド類似体に
関する。本発明はさらに、ホスホジエステルヌクレオシド間結合の天然バックボ
ーンの代わりに1個またはそれ以上の3'-O-PO2H-O-5'-CR1R2ヌクレオシド間結合
を含むヌクレオシド間バックボーンを有する、塩基数が2〜約60のオリゴヌクレ
オチド化合物の合成方法に関し、この方法は、5’−置換ヌクレオシド化合物を
製造し(たとえば、反応式1に図示)、そしてDNA自動合成装置において該5’
−置換ヌクレオシド化合物をシントンとして使用することからなる。本発明のオ
リゴヌクレオチド類似体は、ヌクレアーゼ抵抗性の配列特異的アンチセンス(an
tisense)化合物として有用である。
発明の背景
アンチセンス化合物は、核酸(RNAまたはDNA)中のヌクレオチド配列に結合す
るかまたはそれとハイブリッド形成して、核酸の作用(または合成)を阻害する
。アンチセンス化合物はRNA及びDNAの両者とハイブリッド形成できるため、転写
、RNAプロセッシングまたは翻訳のレベルで遺伝子発現を妨害し得る。
たとえば、Klausner,A.,Biotechnology,8:303〜304(1990)で論じられて
いるように、アンチセンス技術の実際への応用は、数々の技術的問題によってそ
の進展が妨げられている。従って、天然の、ホスホジエステル結合したアンチセ
ンスオリゴマー化合物は、体内の標的細胞などに存在するヌクレアーゼ;核酸の
3’または5’末端に作用するエクソヌクレアーゼ、及び個々のヌクレオシド間
の内部ホスホジエステル結合の位置で核酸を分解するエンドヌクレアーゼの両者
によって急速に分解されやすい。このようなヌクレアーゼの作用の結果、投与さ
れる多くのアンチセンス化合物の有効半減期は極めて短いため、大用量を短い時
間間隔で投与しなければならない。
もう1つの問題は、現在入手できるDNA合成装置では、アンチセンスDNAまたは
RNAの製造コストが高いことである。Armstrong,L.(Business Week,1990年3
月5日、89ページ)は、1gのアンチセンスDNAの製造コストを約$100,000と見
積もった。
さらに、体(及び細胞)内の標的へのアンチセンス薬剤の送達に関して別の問
題がある。たとえば、ゲノムDNAを標的とするアンチセンス薬剤は原形質膜及び
核膜を等価しなければ核に入れない。その結果、膜透過性を増大するためには疎
水性を増大しなければならないが、他方においては、細胞質及び細胞サイトゾル
のような体液中においては親水性(水溶性)を増大しなければならないので、そ
のいずれかを優先するかを考えなければならない。
さらに、アンチセンスDNAのようなオリゴヌクレオチド化合物は、キラール隣
(phosphorus)中心の回りで立体配置の変換を受けやすい。このため、化合物が
体内で遊離しているかまたは標的核酸に対してハイブリッド形成するかという安
定性の問題も生じる。
安定性と薬物送達の限界を克服するために、種々のオリゴヌクレ
オチド類似体が研究されてきた。実際に使用するのに必要なことは、このような
類似体が優れた細胞透過性を有し、ヌクレアーゼ分解に対して抵抗性であり、標
的核酸に対して配列特異的な優れたハイブリッド形成能を有し、しかもむずかし
すぎたり費用がかかりすぎたりしない化学的方法で合成できることである。
最近は、前記問題を克服すると同時に、安定で、ヌクレアーゼ抵抗性で、比較
的製造コストが低く、しかも体じゅうの核酸標的に送達でき且つそれらとハイブ
リッド形成できるアンチセンス化合物を製造しようという努力がなされているが
、それには、ホスホジエステル構造中への修飾の導入によって、または長さと向
きが正常のホスホジエステルヌクレオシド間結合に近い非ホスフェートヌクレオ
シド間結合を使用することによって、「正常な」ヌクレオシド間ホスホジエステ
ル結合とは異なるヌクレオシド間結合を有するオリゴヌクレオチド類似体配列か
らなるオリゴヌクレオチド類似体を合成することが必要である。Uhlman,E.及び
Peyman,A.,Chemical Reviews,9(4):544〜584(1990)。
これまで報告されている修飾ホスホジエステル結合には、ホスホロチオエート
、アルキルホスホトリエステル、メチルホスホネート及びアルキルホスホルアミ
デートがある。また、非ホスフェートヌクレオシド間結合、たとえば、カーボネ
ート、アセテート、カルバメート、スルホン、スルホキシド、スルホンアミド及
びジアルキルまたはジアリール−シリル誘導体を含む種々の非イオン性オリゴヌ
クレオチド類似体配列も合成され、報告されている。さらに最近になって、炭素
原子2個と窒素原子1個または酸素原子1個を含むヌクレオシド結合や炭素原子
3個を含むヌクレオシド結合を含むキメラオリゴヌクレオチド類似体が報告され
た。たとえば、国際特許公開公報 WO 9202534参照。
先行技術では、5’位が種々の置換基で置換された1−モノヌクレオシド及び
モノヌクレオチド、3’末端ヌクレオシドの5’位がメチル、エチル、プロピル
及びアリルで置換された2−ジヌクレオシドホスフェートの記載があり;さらに
、対応する立体異性体対が開示されている(Padyukov,Aら(1980),Collectio n of Czechoslovak Chemical Communications
,vol 45,2550〜2557)。この参考
文献の報告では、膵リボヌクレアーゼ分解において2種の立体異性体の間には有
意差が認められなかった。先行技術は、ヌクレアーゼによる5’−置換ジヌクレ
オチドホスフェートの分解速度が5’位の立体配置、ヌクレオシド塩基及び使用
するヌクレアーゼによって変化するという予測できない結果を示している。しか
しながら、先行技術は、本発明の新規な5’−オリゴヌクレオチドについて開示
していないばかりでなく、それらの優れたヌクレアーゼ安定性やハイブリッド形
成性についても何ら示唆していない。
本発明は、新規5’−置換ヌクレオシド、及びヌクレアーゼに対して抵抗性で
あり且つ相補的な核酸配列に配列特異的に結合する、該5’−置換ヌクレオシド
から得られる、塩基数が2またはそれ以上のオリゴヌクレオチド類似体を提供す
る。本発明はまた、本明細書中に記載したヌクレオシド誘導体を用いた、このよ
うなオリゴヌクレオチド類似体の合成方法を提供する。本発明の別の有利な特徴
は、先行技術においてオリゴヌクレオチド類似体の合成に使用されたホスホロチ
オエート、メチルホスホネート及びホスホロアミデートヌクレオシドに比較して
、光学的に純粋な、本発明の5’−置換ヌクレオシド類似体の異性体が比較的に
容易に合成できることにある。
発明の要約
本発明は、新規5’−置換ヌクレオシド類似体、及び天然のホス
ホジエステルヌクレオシド間結合の代わりに3'-O-PO2H-O-5'-CR1R2置換ヌクレオ
シド間結合を含む、塩基数が2〜約60のオリゴヌクレオチド類似体を提供する。
さらに詳しくは、一面において、本発明は下記式I:
[式中、
Qは、H,.OH、NHR、CHO、ホスフェート、低級アルキル、低級アルケニル、
保護O−、保護N−、低級アルコキシ、低級アルケニルオキシ、ベンジルオキシ
、ジメトキシトリチルオキシ、アミノ−低級アルキル、アミノ−低級アルコキシ
、N3、エポキシエチル、ハロゲン、ホスホニウム塩及びホスホネートからなる
群から選ばれ;
Lは、-OP(OCH2CH2CN)(N-iPr2)、H、OH、NHR、ホスフェート、低級アルキル
、低級アルケニル、低級アルコキシ、低級アルケニルオキシ、アミノ−低級アル
キル、アミノ−低級アルコキシ、N3、ハロゲン、エポキシエチル、ホスホニウ
ム塩、ホスホネート及びt−ブチルジメチルシリルオキシからなる群から選ばれ
;
各Rは独立して、H、OZ、SZ及びNHZからなる群から選はれ;
各R1及びR2は独立して、H、OH、低級アルキル、低級アルケニル、低級シク
ロアルキル、エポキシエチル、アミノ低級アルキル、アミノ低級アルコキシ、低
級アルコキシ及び低級アルケニルオキシからなる群から選ばれ;
各R3及びR4は独立して、H、低級アルキル、低級アルケニル
、低級アルコキシ及び低級アルケニルオキシからなる群から選ばれ;
各Zは独立して、H、低級アルキル、低級アルケニル、アリール、アセチル並
びにO−、S−及びN−の保護基から選ばれ、
各Eは独立して、-OP(OCH2CH2CN)(N-iPr2)、H、OH、NHR、低級アルキル、低
級アルケニル、低級アルコキシ、低級アルケニルオキシ、アミノ−低級アルキル
、アミノ−低級アルコキシ、N3、ハロゲン、エポキシエチル、ホスホニウム塩
及びホスホネートからなる群から選ばれ;
各nは独立して、0または1〜4の整数であり;且つ
各Bは独立して、アデニン、シトシン、グアニン、チミン、ウラシル、または
それらの修飾形からなる群から選ばれ、該修飾形は、オリゴヌクレオシドまたは
キメラオリゴヌクレオチド類似体のそのアンチセンス対応物(塩基はアデニン、
シトシン、グアニン、チミン及びウラシルからなる群から選ばれる)に対する親
和性を本質的には妨害しない]
の構造を有する新規ヌクレオシド類似体もしくはそれらの光学異性体またはそれ
らの医薬として許容され得る塩を提供する。
別の実施態様において、本発明は下記式II:
[式中、
Qは、H、OH、NHR、CHO、ホスフェート、低級アルキル、低級アルケニル、保
護O−、保護N−、低級アルコキシ、低級アルケニルオキシ、ベンジルオキシ、
ジメトキシトリチルオキシ、アミノ−低級アルキル、アミノ−低級アルコキシ、
N3、エポキシエチル、ハロゲン、ホスホウム塩及びホスホネートからなる群か
ら選ばれ;
Lは、-OP(OCH2CH2CN)(N-iPr2)、H、0H、NHR、ホスフェート、低級アルキル
、低級アルケニル、低級アルコキシ、低級アルケニルオキシ、アミノ−低級アル
キル、アミノ−低級アルコキシ、N3、ハロゲン、エポキシエチル、ホスホニウ
ム塩、ホスホネート及びt−ブチルジメチルシリルオキシからなる群から選ばれ
;
各Rは独立して、H、OZ、SZ及びNHZからなる群から選ばれ;
各R1及びR2は独立して、H、OH、低級アルキル、低級アルケニル、低級シク
ロアルキル、エポキシエチル、アミノ低級アルキル、アミノ低級アルコキシ、低
級アルコキシ及び低級アルケニルオキシからなる群から選ばれ;
各R3及びR4は独立して、H、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルコキ
シ及び低級アルケニルオキシからなる群から選ばれ;
各Zは独立して、H、低級アルキル、低級アルケニル、アリール、アセチルな
らびにO−、S−及びN−保護基からなる群から選ばれ、
各Eは独立して、-OP(OCH2CH2CN)(N-iPr2)、H、OH、NHR、低級アルキル、低
級アルケニル、低級アルコキシ、低級アルケニルオキシ、アミノ−低級アルキル
、アミノ−低級アルコキシ、N3、ハロゲン、エポキシエチル、ホスホニウム塩
及びホスホネートからなる群から選ばれ;
各nは独立して、0または1〜4の整数であり;且つ
各Bは独立して、アデニン、シトシン、グアニン、チミン、ウラシル、または
それらの修飾形からなる群から選ばれ、該修飾形は、オリゴヌクレオシドまたは
キメラオリゴヌクレオチド類似体のそのアンチセンス対応物(塩基はアデニン、
シトシン、グアニン、チミン及びウラシルからなる群から選ばれる)に対する親
和性を本質的には妨害せず;
各Wは、3'-(OPO2HO)C(R1R2)-5'及び天然ホスホジエステルヌクレオシド間結
合から選ばれるが、ただし、Wの少なくとも1個は3'-(OPO2HO)C(R1R2)-5'であ
り;且つ
qは0または1〜60の整数である]
の構造を有するオリゴヌクレオチド類似体を提供する。
本明細書中で使用する用語「オリゴヌクレオチド」は、「天然の」ホスホジエ
ステルヌクレオシド間結合のみを含む核酸化合物を意味する。他方、用語「キメ
ラオリゴヌクレオチド類似体」は、「合成」オリゴヌクレオシド結合及びオリゴ
ヌクレオチド結合の両者を含む配列からなる化合物を意味する。用語「オリゴヌ
クレオチド類似体」は、合成(天然のホスホジエステルと対立するものとして)
ヌクレオシド間結合のみを含むオリゴヌクレオチド類似体及びキメラオリゴヌク
レオチド類似体の両者を意味する。
本発明はまた、ホスホジエステルヌクレオシド間結合の天然バックボーンの代
わりに1個またはそれ以上の3'-O-PO2H-O-5'-CR1R2ヌクレオシド間結合を含むヌ
クレオシド間バックボーンを有する、塩基数が2〜約60のオリゴヌクレオチド化
合物の合成方法であって、5’−末端ヌクレオシド、中間単位(middle unit)
及び3’−末端ヌクレオシドを公知の常用の有機合成法によってつなぐことから
なる方法を提供する。
発明の詳細な説明
本発明のヌクレオシド類似体は、下記式I
[式中、
Qは、H、OH、NHR、CHO、ホスフェート、低級アルキル、低級アルケニル、保
護O−、保護N−、低級アルコキシ、低級アルケニルオキシ、ベンジルオキシ、
ジメトキシトリチルオキシ、アミノ−低級アルキル、アミノ−低級アルコキシ、
N3、エポキシエチル、ハロゲン、ホスホニウム塩及びホスホネートからなる群
から選ばれ;
Lは、-OP(OCH2CH2CN)(N-iPr2)、H、OH、NHR、ホスフェート、低級アルキル
、低級アルケニル、低級アルコキシ、低級アルケニルオキシ、アミノ−低級アル
キル、アミノ−低級アルコキシ、N3、ハロゲン、エポキシエチル、ホスホニウ
ム塩、ホスホネート及びt−ブチルジメチルシリルオキシからなる群から選ばれ
;
各Rは独立して、H、OZ、SZ及びNHZからなる群から選ばれ;
各R1及びR2は独立して、H、OH、低級アルキル、低級アルケニル、低級シク
ロアルキル、エポキシエチル、アミノ低級アルキル、アミノ低級アルコキシ、低
級アルコキシ及び低級アルケニルオキシからなる群から選ばれ;
各R3及びR4は独立して、H、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルコキ
シ及び低級アルケニルオキシからなる群から選ばれ;
各Zは独立して、H、低級アルキル、低級アルケニル、アリール、アセチルな
らびにO−、S−及びN−の保護基からなる群から選ばれ、
各Eは独立して、-OP(OCH2CH2CN)(N-iPr2)、H、OH、NHR、低級アルキル、低
級アルケニル、低級アルコキシ、低級アルケニルオキシ、アミノ−低級アルキル
、アミノ−低級アルコキシ、N3、ハロゲン、エポキシエチル、ホスホニウム塩
及びホスホネートからなる群から選ばれ;
各nは独立して、0または1〜4の整数であり;且つ
各Bは独立して、アデニン、シトシン、グアニン、チミン、ウラシル、または
それらの修飾形からなる群から選ばれ、該修飾形は、オリゴヌクレオシドまたは
キメラオリゴヌクレオチド類似体のそのアンチセンス対応物(塩基はアデニン、
シトシン、グアニン、チミン及びウラシルまたはそれらの天然の修飾形からなる
群から選ばれる)に対する親和性を本質的には妨害しない]
の構造を有するかもしくはその光学異性体及びそれらの医薬として許容され得る
塩である。
本発明のオリゴヌクレオチド類似体は下記式IIを有する:
[式中、
Qは、H、OH、NHR、CHO、ホスフェート、低級アルキル、低級アルケニル、保
護O−、保護N−、低級アルコキシ、低級アルケニルオキシ、ベンジルオキシ、
ジメトキシトリチルオキシ、アミノ−低級アルキル、アミノ−低級アルコキシ、
N3、エポキシエチル、ハロゲン、ホスホニウム塩及びホスホネートからなる群
から選ばれ;
Lは、-OP(OCH2CH2CN)(N-iPr2)、H、OH、NHR、ホスフェート、低級アルキル
、低級アルケニル、低級アルコキシ、低級アルケニルオキシ、アミノ−低級アル
キル、アミノ−低級アルコキシ、N3、ハロゲン、エポキシエチル、ホスホニウ
ム塩、ホスホネート及びt−ブチルジメチルシリルオキシからなる群から選ばれ
;
各Rは独立して、H、OZ、SZ及びNHZからなる群から選ばれ;
各R1及びR2は独立して、H、OH、低級アルキル、低級アルケニル、低級シク
ロアルキル、エポキシエチル、アミノ低級アルキル、アミノ低級アルコキシ、低
級アルコキシ及び低級アルケニルオキシからなる群から選ばれ;
各R3及びR4は独立して、H、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルコキ
シ及び低級アルケニルオキシからなる群から選ばれ;
各Zは独立して、H、低級アルキル、低級アルケニル、アリール、アセチルな
らびにO−、S−及びN−の保護基からなる群から選ばれ、
各Eは独立して、-OP(OCH2CH2CN)(N-iPr2)、H、OH、NHR、低級アルキル、低
級アルケニル、低級アルコキシ、低級アルケニルオキシ、アミノ−低級アルキル
、アミノ−低級アルコキシ、N3、ハロゲン、エポキシエチル、ホスホニウム塩
及びホスホネートからなる
群から選ばれ;
各nは独立して、0または1〜4の整数であり;且つ
各Bは独立して、アデニン、シトシン、グアニン、チミン、ウラシル、または
それらの修飾形からなる群から選ばれ、該修飾形は、オリゴヌクレオシドまたは
キメラオリゴヌクレオチド類似体のそのアンチセンス対応物(塩基はアデニン、
シトシン、グアニン、チミン及びウラシルまたはそれらの天然の修飾形からなる
群から選ばれる)に対する親和性を本質的には妨害せず;
各Wは、3'-(OPO2HO)C(R1R2)-5'及び天然ホスホジエステルヌクレオシド間結
合から選ばれるが、ただし、Wの少なくとも1個は3'-(OPO2HO)C(R1R2)-5'であ
り;且つ
qは0または1〜60の整数である]。
本明細書中で使用する以下の用語は、特に断らない限り、以下の意味を有する
ものと理解されたい:
「アルキル」は、直鎖または分枝鎖のいずれかであることができる飽和脂肪族
炭化水素を意味する。好ましい基は、炭素数が約12以下であり、メチル、エチル
ならびにプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル
、デシル、ウンデシル及びドデシルの構造異性体であることができる。
「低級アルキル」は、炭素数が1〜7の前記アルキル基を意味する。適当な低
級アルキル基はメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−
ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル及びn−ヘプチルである。
「アリール」は、フェニル、ナフチル、置換フェニル及び置換ナフチルを意味
する。
「置換フェニル(またはナフチル)」は、1個またはそれ以上の水素が、ハロ
、低級アルキル、ニトロ、アミノ、アシルアミノ、ヒ
ドロキシル、低級アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、低級アルコキシ、ア
ルキルスルホニル及びトリフルオロメチルから選ばれる同一または異なる置換基
で置換されたフェニル(またはナフチル)基を意味する。
「ヘテロアリール基」は、ピリジル、フリル、チエニルまたはイミダゾリルを
意味する。
「置換ヘテロアリール」は、1個またはそれ以上の水素が、ハロ、低級アルキ
ル、ニトロ、アミノ、アシルアミノ、ヒドロキシル、低級アルコキシ、アリール
、ヘテロアリール、低級アルコキシ、アルキルスルホニル及びトリフルオロメチ
ルから選ばれた同一または異なる置換基で置換されたヘテロアリール基を意味す
る。
「低級アルケニル」は、炭素数2〜8の不飽和脂肪族炭化水素、例えば、エチ
レン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンなどを意味し、それらの全ての構造
異性体及び幾何異性体を含む。
「ハロ」は、ブロモ、クロロまたはフルオロを意味する。
「O−、S−またはN−保護基」は、各々、酸素、硫黄または窒素官能価を不
所望な反応から保護するように働く、酸素、硫黄または窒素原子に結合した基で
ある。このような保護基は公知であり;その多くが“The Peptides.”E.Gross
及びJ.Meienhofer,Eds.Vol 3 Academic Press,NY(1981)に記載されている
。N−保護基は、N−アシル、N−アルコキシカルボニル、N−アリールメトキ
シ−カルボニル、トリフルオロメチルアシル及びN−アリールスルホニル保護基
であることができる。適当なO−保護基としてはベンジル、tert−ブチル、メチ
ル、トシル、ジメトキシトリチル、tert−ブチル−ジメチルシリル、及びカルボ
ベンゾキシ基が挙げられる。S−保護基としては、メチル、tert-ブチル、ベン
ジル及びカルボベンゾキシ基が挙げられる。
本明細書中で使用する略語「iPr2」は、ジイソプロピルを指す。
本発明は、ホスホジエステルヌクレオシド間結合の天然バックボーンの代わり
に1個またはそれ以上の3'-O-PO2H-O-5'-CR1R2ヌクレオシド間結合を含むヌクレ
オシド間バックボーンを有する、塩基数が2〜約60のオリゴヌクレオチド化合物
の合成方法を提供し、この方法は、5’−置換ヌクレオシド化合物を製造し(た
とえば、反応式1に図示)、そしてDNA自動合成装置において該5’−置換ヌク
レオシド化合物をシントンとして使用することからなる。
反応式1は、本発明の種々の5−置換ヌクレオシド類似体を説明するものであ
る。これらの類似体は、本発明の3'-O-PO2H-O-5'-CR1R2結合ヌクレオシド及びオ
リゴヌクレオチド類似体の製造に有用である。反応式1に示すように、(Bがチ
ミジンである場合には)3’−t−ブチルジメチルシリルオキシ−2’−デオキ
シ−5’−ホルミル−5’−デオキシ−チミジン2は、本発明の種々の5’−置
換ヌクレオシド類似体、たとえば、5’−メチル基を含むもの5、5’−ニトロ
メチル基を含むもの8、5’−アミノメチル基を含むもの9、5’−エポキシ基
を含むもの7、及び5’−アジドメチル基を含むもの13の製造の重要な中間体で
ある。
たとえば、反応式1Aに示した通り、臭化メチルマグネシウムとアルデヒド2
との反応によって5’−メチルチミジン3が生成される。5’−メチルチミジン
3をジメチルトリチルクロリドで処理した後、脱シリル化し、クロロ−2−シア
ノエチル−N,N−ジイソプロピル−ホスホルアミダイトと反応させることによ
って、5’−置換ヌクレオシドシントン5が生成される。シントン5はDNA合成
装置、例えば、ABI 380Bオリゴマー合成装置を用いた5’−修飾DNAの合成に使
用できる。反応式1Bに示した通り、5’−エポキシ化合物7は、アルデヒド2
とジアゾメタンとの反応によって製造で
きるのに対して、5’−ニトロメチル化合物8は、アルデヒド2とニトロメタン
との反応によって製造できる。水素化リチウムアルミニウムによるニトロ基の化
学還元によって、所望の5’−アミノメチル化合物9が生成され、そのアシル化
によってトリフルオロアセチルアミド10が生成される。反応式1Cに示した通り
、エポキシ化合物7のアジドの開環によって、対応するアジドメチル類似体12が
生成される。アミド11及びアジド類似体13は各々、化合物10及び12からt−ブチ
ルジメチルシリルオキシ基を保護解除した後、クロロ−2−シアノエチル−N,
N−ジイソプロピル−ホスホルアミダイトと反応させることによって製造できる
。
反応式1 標的モノマー(B=T)の一般合成
A. 5’−アルキル修飾
B.5’−アミノアルキル修飾
C.5’−アジドアルキル修飾
本発明においてはまた、式Iの化合物の医薬として許容され得る塩も考えられ
る。薬理学の業界ではよく知られたことであるが、薬理活性のあるアミン化合物
の無毒性付加塩はそれらの遊離塩基と活性の点では異ならない。本明細書中に記
載した新規アンチセンス薬剤に関連した全ての立体異性体及び光学異性体もまた
、本発明の範囲内と考えられる。
医薬として許容され得る塩としては、酸付加塩及び塩基付加塩の両者が挙げら
れる。「医薬として許容され得る塩」は、遊離塩基の生物学的有効性及び性質を
保持するが、生物学的にまたは他の点で有害ではないそれらの塩を指す。適当な
医薬として許容され得る酸付加塩は、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸
、硝酸、燐酸など及び有機酸、たとえば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、
ピルビン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メ
タンスルホン酸及びp−トルエンスルホン酸などを用いて形成できる。
医薬として許容され得る塩基付加塩としては、無機塩基、例えば、ナトリウム
、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、
銅、マンガン、アルミニウム塩などから誘導されるものが挙げられる。特に好ま
しいのは、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム及びマグネシウム
塩である。医薬として許容され得る無毒性有機塩基から誘導される塩としては、
第一、第二及び第三アミン、置換アミン(例えば、天然置換アミン)、環状アミ
ン及び塩基性イオン交換樹脂、例えば、イソプロピルアミン、トリプロピルアミ
ン、エタノールアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエ
タノール、ジシクロヘキシルアミン、リシン、アルギニン、ヒスチジン、カフェ
イン、プロカイン、ヒドラバミン(hydrabamine)、コリン、ベタイン、エチレ
ン
ジアミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、プリン、ペペリジ
ン、ピペリジン、ポリアミン樹脂などの塩が挙げられる。特に好ましい有機無毒
性塩基はイソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノール−アミン及びジシク
ロヘキシルアミンである。
一実施態様において、本発明の化合物は、式IIに示したような、塩基数が約6
〜約60、好ましくは約9〜約50、より好ましくは約12〜約25、最も好ましくは15
〜18のオリゴマーアンチセンス薬剤からなる。本発明の重要な特徴は、糖の5’
位に存在するメチル基がヌクレアーゼによるホスホジエステル結合の加水分解を
妨害することである。5’位に存在するメチル基は意外にもヌクレアーゼの安定
性を増大させた。本発明の別の重要な特徴は、本発明の新規5’−置換ヌクレオ
シドがオリゴヌクレオチド類似体内の多数の部位において取り込まれることがで
き、しかも、得られる(アンチセンス)オリゴヌクレオチド類似体の、天然の「
センス」標的オリゴヌクレオチドに対するハイブリッド形成安定性に対しては、
対応する非修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドの同じ「センス」標的に対する
ハイブリッド形成安定性に比較した場合、ハッキリ認められる作用を有さないと
いう発見である。
これらのアンチセンス薬剤は、1種またはそれ以上の無毒性の生理的に許容さ
れ得る担体、補助剤または賦形剤(本明細書中においてはこれらをひとまとめに
して担体と称する)と共に、固体または液体の形態の非経口注射または経口投与
用、直腸または局所投与用などの組成物に製剤化できる。
組成物は、ヒトまたは動物に経口、直腸、非経口(静脈内、筋肉内また皮下)
、槽内、腟内、腹腔内、局所(散剤、軟膏剤または点滴剤)投与することもでき
るし、頬または鼻用噴霧剤として投与することもできる。
非経口注射に適当な組成物は、生理的に許容され得る水性または非水性の滅菌
溶液、分散液、懸濁液または乳濁液及び滅菌注射溶液もしくは分散液に再構成さ
れる滅菌散剤を含むことができる。適当な水性及び非水性担体、希釈剤、溶剤ま
たは賦形剤の例としては、水、エタノール、ポリオール(プロピレングリコール
、ポリエチレングリコール、グリセロールなど)、それらの適当な混合物、植物
油(例えば、オリーブ油)及び注射可能な有機エステル、例えば、オレイン酸エ
チルが挙げられる。適当な流動性は、例えば、レシチンのようなコーティングの
使用、分散液の場合には必要な粒度の保持、及び界面活性剤の使用によって保持
できる。
これらの組成物はまた、補助剤、例えば、保存剤、湿潤剤、乳化剤及び分散助
剤を含むことができる。微生物の作用は、種々の抗菌剤及び抗真菌剤、たとえば
、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸などによって確実に防
止できる。等張化剤、たとえば、糖、塩化ナトリウムなどを添加するのも望まし
い。注射用剤形の吸収の延長は、吸収を遅らせる薬剤、例えば、モノステアリン
酸アルミニウム及びゼラチンを用いれば可能である。
経口投与用の固体剤形としては、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤及び顆粒剤が
挙げられる。このような固体剤形の場合には、活性化合物は、少なくとも1種の
常用の不活性賦形剤(または担体)、たとえば、クエン酸ナトリウムもしくは燐
酸二カルシウムまたは(a)充填剤または増量剤、例えば、澱粉、ラクトース、
スクロース、グルコース、マンニトール及び珪酸、(b)結合剤、例えば、カル
ボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ス
ルクロース及びアラビアゴム、(c)保湿剤、例えば、グリセロール、(d)崩
壊剤、たとえば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカ澱粉、アル
ギン酸、ある種の複合珪酸
塩及び炭酸ナトリウム、(e)溶解遅延剤、例えば、パラフィン、(f)吸収促
進剤、例えば、第四アンモニウム化合物、(g)湿潤剤、例えば、セチルアルコ
ール及びモノステアリン酸グリセロール、(h)吸着剤、たとえば、カオリン及
びベントナイト、ならびに(i)滑沢剤、たとえば、タルク、ステアリン酸カル
シウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫
酸ナトリウムまたはそれらの混合物と混合する。カプセル剤、錠剤及び丸剤の場
合には、剤形はさらに緩衝剤を含むことができる。
同様な型の固体組成物はまた、ラクトース、すなわち、乳糖及び高分子量ポリ
エチレングリコールなどのような賦形剤を用いて、軟ゼラチンカプセル剤及び硬
ゼラチンカプセル剤中に充填剤として使用できる。
固体剤形、例えば、錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤及び顆粒剤は、当業界に
おいて公知の皮膜及び外皮、たとえば、腸溶性皮膜などを用いて調製できる。そ
れらは不透明化剤を含むことができ、さらに、腸管の一定部分で活性化合物を遅
れて遊離するような組成物であることもできる。使用できる埋蔵組成物の例とし
ては、ポリマー物質及びロウがある。
活性化合物はまた、適当であるならば、1種またはそれ以上の前記賦形剤と共
にミクロカプセル剤の形態にすることもできる。
経口投与用の液体剤形としては、医薬として許容され得る乳剤、液剤、懸濁剤
、シロップ剤及びエリキシル剤が挙げられる。液体剤形は、活性化合物の他に、
常用の不活性希釈剤、例えば、水または他の溶剤、可溶化剤及び乳化剤、例えば
、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベン
ジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレン
グリコール、ジメチルホルムアミド、油、特に、綿実油、ピーナッ
ツ(ground-nut)油、コーン胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油及びゴマ油、グリセ
ロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールならびに
ソルビタンの脂肪酸エステルまたはこれらの物質の混合物などを含むことができ
る。このような不活性希釈剤の他に、組成物は補助剤、例えば、湿潤剤、乳化剤
及び懸濁化剤、甘味剤、香味剤ならびに芳香剤を含むこともできる。
懸濁剤は、活性化合物の他に、懸濁化剤、例えば、エトキシル化イソステアリ
ルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール及びソルビタンエステル、微晶
質セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、寒天及びトラガ
カント、またはこれらの物質の混合物などを含むことができる。
直腸または腟内投与用の組成物は座剤であるのが好ましく、座剤は、本発明の
化合物を適当な非刺激性賦形剤または担体、例えば、カカオ脂、ポリエチレング
リコールまたは座剤用ロウと混合することによって調製できる。座剤は常温では
固体であるが体温では液体であるため、直腸または腟内で溶融して、活性成分を
放出する。
局所投与用の剤形としては、軟膏剤、散剤、噴霧剤及び吸入剤が挙げられる。
活性成分は、生理的に許容され得る担体及び必要に応じて任意の保存剤、緩衝剤
または噴射剤と滅菌条件下で混合する。眼用製剤、眼軟膏剤、散剤及び液剤も考
えられる。
組成物中の活性成分の実際の投薬量は、個々の組成物及び投与方法に関して、
所望の治療反応を得るのに有効な活性成分の量が得られるように変化させること
ができる。従って、選択される投薬量は、所期の治療作用、投与経路、所期の治
療持続時間及び他の因子によって決まる。
宿主に一度にまたは分割して投与される活性成分の総日用量は、例えば、体重
kg当り約0.5mg〜約10mgの量であることができる。投
薬単位組成物は、合計して日用量を構成できるような量または約量を含むことが
できる。しかしながら、個々の患者に関する具体的な用量レベルは、体重、全身
健康状態、性別、食事、投与時間及び投与経路、吸収速度及び排出速度、他の薬
物との併用の有無、及び治療される個々の疾病の重症度によって決まるであろう
ことを理解されたい。
本発明はさらに、遺伝子発現の抑制が必要な宿主哺乳類に、抑制有効量の式II
の化合物を投与することを含んでなる遺伝子発現の抑制方法であって、該化合物
が発現を抑制すべき遺伝子のヌクレオチド配列に対してハイブリッド形成する方
法に関する。好ましい一実施態様において、式IIの化合物は生理的に許容され得
る担体中に溶解または分散させる。
本明細書の別の箇所で論じたように、遺伝子発現の抑制は、転写、翻訳、また
はRNAプロセッシングを妨害することによって行うことができる。従って、アン
チセンス分子の活性は、メッセンジャーRNAまたはゲノムDNAのレベルであり得る
。従って、例えば、アンチセンス分子がメッセンジャーRNAに対してハイブリッ
ド形成する場合には、翻訳が抑制される。アンチセンス分子がゲノムDNAに対し
てハイブリッド形成する場合には、転写が抑制される。アンチセンス分子は異種
の核RNA(hnRNA)または前メッセンジャーRNAを含む細胞中の他の核酸種に結合す
ることもできる。
遺伝子発現の抑制が必要な宿主哺乳類は、遺伝子発現が関与した疾病状態にあ
る。このような疾病状態には、1種またはそれ以上のがん遺伝子の表現が関与し
た種々の癌、嚢胞性線維症、ハンチングトン舞踏病、ならびに疾病の状態の原因
の全部または一部分が、正常な遺伝子の異常な発現または異常な遺伝子の発現で
ある他のこのような疾病状態がある。
本明細書中において使用する「抑制有効量」は、発現を抑制すべき遺伝子の発
現を抑制するのに充分な、本発明の化合物の量である。抑制有効量を求める手段
は、当業界でよく知られる通り、抑制すすべき遺伝子の性質、目的とする抑制の
型(すなわち、翻訳もしくは転写またはその両方の抑制)、治療される患者の体
重によって決まるであろう。
遺伝子の発現の抑制に使用する式IIの化合物は、その遺伝子の発現を抑制する
ような方法でその遺伝子の配列に対してハイブリッド形成しなければならないこ
とを理解されたい。すなわち、式IIの化合物を作るのに使用するヌクレオチド塩
基(前記式II中のB)は、発現を抑制すべき遺伝子のヌクレオチド配列に対して
ハイブリッド形成しなければならない。このような配列はその遺伝子の公知の配
列から容易に確認することができるので、式IIの適当なアンチセンス分子を製造
することができる。本発明において考えられるのは、相同性(同一性)が約90%
より大きい、より好ましくは約99%より大きいハイブリッド形成である。
以下の例は本発明をさらに説明するものであるが、決して明細書及び請求の範
囲を限定するものと解してはならない。実施例
例1 N6−ベンゾイル−3’−t−ブチルジメチルシリルオキシ−2’−デオ キシ−5’(RS)−メチル−アデノシン
−78℃、窒素下において塩化オキサリル(2.5ml)の攪拌溶液にDMSO(2mM,1
42μL)の塩化メチレン(0.5ml)中溶液を添加した。5分後、10分間にわたっ
て、N6−ベンゾイル−3’−t−ブチルジメチルシリルオキシ−2’−デオキ
シ−アデノシン(1mM,469mg)のDMSO/CH2Cl2(0.4ml/1.16ml)中溶液を添加し
た。20分間、攪拌
を続けてから、トリエチルアミン(5mL,700μL)を添加した。反応混合物を
さらに5分間攪拌した。シリンジによって臭化メチルマグネシウム(エーテル中
3M,2mM,666μl)を添加し、反応混合物を−78℃で1時間攪拌し、次いで
、一晩中室温に加温した。水を添加し、混合物をクロロホルム(2×40ml)中に
抽出し、ブラインで洗浄し、そして無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。粗製生
成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル;90%EtOAc/ヘキサン)に
よって精製した。収量390mg(81%)。分子量(C24H33N50Si):483.3。FAB-MS
:(M+H)+=484.2。
例2 N6−ベンゾイル−3’−t−ブチルジメチルシリルオキシ−2’−デオ キシ−5’−ジメトキシトリチル−5’(RS)−メチル−アデノシン
N6−ベンゾイル−3’−t−ブチルジメチルシリルオキシ−2’−デオキシ
−5’(RS)−メチル−アデノシン(0.824mM,400mg)、トリエチルアミン(1.
12mM,156μl)及び4−ジメチルアミノピリジン(0.04mM,4.88mg)のピリジ
ン/塩化エチレン(1:1;32ml)中溶液に4,4−ジメトキシトリチルクロリ
ド(0.992mM,336mg)を添加し、60℃において窒素下で1時間攪拌した。次いで
、反応混合物を100℃に加熱し、反応の進行を薄層クロマトグラフィー(TLC)に
よって監視した。必要に応じて、温度を100℃に保持しながら、ジメトキシトリ
チルクロリド(2×200mg)をさらに添加した。18時間後に水の添加によって反
応を停止させ、酢酸エチル中に抽出し、そしてプールした有機層を無水硫酸ナト
リウム上で乾燥させた。粗製生成物をフラッシュクロマトグラフィーで精製した
(シリカゲル:20%EtOAc/ヘキサン)。収量:307mg(54%)。分子量(C45H51
N5O6Si):785.3。FAB-MS:(M+H)+=786.3。
例3 N6−ベンゾイル−2’−デオキシ−5’−ジメトキシトリ チル−5’(RS)−メチル−アデノシン
3’−t−ブチルジメチルシリルオキシ−2’−デオキシ−5’−ジメトキシ
トリチル−5’(RS)−メチル−アデノシン(0.382mM,300mg)の無水THF(4m
l)中溶液に、シリンジによってフッ化テトラ−n−ブチルアンモニウム(THF中
1M;0.764mM)を滴加した。反応を室温において6時間、窒素下で攪拌した。
標準水処理後、粗製生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル;100
%EtOAc)によって精製した。収量:260mg(97%)。分子量(C39H37N5O6):67
1.4。FAB-MS:(M+H)+=672.4。
例4 N6−ベンゾイル−2’−デオキシ−5’−ジメトキシトリチル−5’(R S)−メチル−アデノシン−3’−O−(RS)−(2−シアノエチル−N,N− ジイソプロロピル−ホスホルアミダイト)
N6−ベンゾイル−2’−デオキシ−5’−ジメトキシトリチル−5’(RS)
−メチル−アデノシン(0.235mM,160mg)、ジイソプロピルエチルアミン(0.92
mM,200μl)及び4−ジメチルアミノピリジン(8mg)の無水THF(2ml)中溶
液にクロロ−2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホルアミダイト(
0.345mM,66.2μl)の無水THF(2ml)中溶液を添加し、窒素下で3時間攪拌し
た。水処理後、粗製生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル;50%
EtOAc/ヘキサン)によって精製した。収量:140mg(68.4%)。分子量(C48H54
N7O7P):871.0。FAB-MS:(M+H)+=872.3。
例5 3’−t−ブチルジメチルシリルオキシ−2’−デオキシ−5’(RS)− メチル−チミジン
3’−t−ブチルジメチルシリルオキシ−2’−デオキシ−チミジン(14mM,
5g)の塩化メチレン140ml中溶液に室温でDess-Marti
n periodinane試薬8.98g(21ミリモル)を添加した。30分間の反応時間の後、
混合物をエーテル150mlで希釈し、Na2S2O3(19.9g,126ミリモル)の飽和炭酸
水素ナトリウム150ml中混合物を添加し、15分間攪拌を続けた。反応混合物を酢
酸エチル150ml上に注ぎ、有機層を分離し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(2×1
50ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧濃縮した。ベンゼン60
0ml中の粗製アルデヒドを共沸させ(ディーンスターク)、溶剤を減圧下で除去
して粗製アルデヒド4gを得た。
前記アルデヒド(4g)のTHF 150ml中溶液に−78℃においてエーテル中臭化
メチルマグネシウム(3.0M,90ml,20eq.)を滴加し;1時間攪拌後、反応混合
物を氷/飽和塩化アンモニウム1000mlと酢酸10mlとの混合物上に注いだ。得られ
た混合物を酢酸エチル(5×200ml)で抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウ
ム(2×450ml)及びブライン(1×450ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で
乾燥させ、減圧濃縮した。生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製
した(シリカゲル100g;50%EtOAc/ヘキサン)。収量:1.93g。
例6 3’−t−ブチルジメチルシリルオキシ−2’−デオキシ−5’−ジメト キシトリチル−5’(RS)−メチル−チミジン
3’−t−ブチルジメチルシリルオキシ−2’−デオキシ−5’(RS)−メチ
ル−チミジン(300mg,0.8ミリモル)のピリジン2.7ml中溶液に、室温でジメチ
ルアミノ−ピリジン98mg(leq.)、トリエチルアミン0.6ml(5eq.)及びジメト
キシトリチルクロリド1.37g(5eq.)を添加した。反応混合物を一晩75℃で反
応させた。混合物を酢酸エチルで希釈し、水、次いで、飽和塩化アンモニウム溶
液で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ、減圧濃縮した。粗
製生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製し
た(シリカゲル;30%EtOAc/ヘキサン)。収量:225mg。
例7 2’−デオキシ−5’−ジメトキシトリチル−5’(RS)−メチル−チミ ジン
3’−t−ブチルジメチルシリルオキシ−2’−デオキシ−5’−ジメトキシ
トリチル−5’(RS)−メチル−チミジン(0.68mM,460mg)の無水THF(3.44ml
)中溶液に、シリンジによってテトラ−n−ブチルアンモニウムフルオリド(TH
F中1.1M;0.68mM.0.9ml)を滴加した。反応を室温で窒素下において4時間攪
拌した。標準水処理後、粗製生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって精
製した(シリカゲル:60〜75%EtOAc/ヘキサン)。収量:340mg(92%)。
例8 2’−デオキシ−5’−ジメトキシトリチル−5’(RS)−メチル−チミ ジン−3’−O−(RS)−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピル−ホス ホルアミダイト
2’−デオキシ−5’−ジメトキシトリチル−5’(RS)−メチル−チミジン
(0.58mM,320mg)の塩化メチレン6ml中の溶液に、−40℃においてジイソプロ
ピルエチルアミン(1.5eq.,155mg)、次いで、クロロ−2−シアノエチル−N
,N−ジイソプロピル−ホスホルアミダイト(170mg,1.3eq.)を添加した。反
応混合物を−30℃において2時間、0℃においてさらに2時間攪拌した。混合物
にメタノール(0.1ml)を添加し、得られた反応混合物を0℃において1/2時
間攪拌し、酢酸エチルで希釈し、塩化アンモニウム飽和溶液で洗浄した。有機層
を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧濃縮した。粗製生成物をフラッシュク
ロマトグラフィーによって精製した(シリカゲル;40%EtOAc/ヘキサン)。収
量:376mg(65%)。
例9 3’−t−ブチルメチルシリルオキシ−2’−デオキシ−5 ’(RS)−(1−カルボメトキシ−1−フェニルスルホニル)メチル−チミジン
例5からの粗製アルデヒド(3ミリモル)に、−78℃においてナトリウムメチ
ルフェニルスルホニルアセテートのTHF 6ml中溶液を滴加した。混合物を−78℃
において一晩反応させた後、反応混合物を例5に記載した方法に従って処理した
。生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。(シリカゲル;50
%EtOAc/ヘキサン)。FAB-MS:(M+H)+=569。
例10 3’−t−ブチルジメチルシリルオキシ−2’−デオキシ−5’−エポキ シエチル−5’−デオキシ−チミジン
例5からの粗製アルデヒド(0.5ミリモル)を−78℃においてシリンジによっ
てジアゾメタン(約1.5ミリモル)のエーテル中溶液に滴加した。2時間の反応
時間後、混合物を一晩−78℃に放置した。反応混合物を例5に記載した方法に従
って処理した。生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製した(シリ
カゲル;50%EtOAc/ヘキサン)。収量:100mg。FAB-MSは表題エポキシドに関す
る所望のモルイオンを示した。
例11 2’デオキシ−5’−ジメトキシトリチル−5’(RS)−メチル−チミジ ン−3’−O−(RS)−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピル−ホスホ ルアミダイト)を用いたオリゴマー合成
ABI 380B合成装置を用いてメーカーのプロトコールに従って、表1に示したオ
リゴマーの合成を行った。モノマー(例えば、2’−デオキシ−5’−ジメトキ
シトリチル−5’(RS)−メチル−チミジン−3’−O−(RS)−(2−シアノ
エチル−N,N−ジイソプロピル−ホスホルアミダイト)を用いて1マイクロモ
ルスケールで鎖の合成を行った。モノマーはDNA合成の直前に乾燥させた。DNA生
成物の精製は、DMT+逆相HPLCを用いて主ピークを薄く切ること
によって行った。
前記表1において、配列中の*は天然のホスホジエステル結合の代わりの5’
−メチル−ホスホジエステル結合の位置を意味する。
例11 ヌクレアーゼ安定性の分析
ヌクレアーゼ安定性の研究のために、T4ポリヌクレオチドキナーゼ及び標準
末端標識法を用いて、オリゴヌクレオチドの5’末端を32Pで標識した。取り込
まれなかった32P-ATPは、NucTrapカラム上に通してから、Sephadex G-25で精製
することによって除去した。極微量(1〜10μM)の32P標識オリゴヌクレオチ
ドを1μMの濃度の未標識オリゴマーと一緒にした。これらの条件は、オリゴマ
ー標識効率の差によって生じるあらゆる変動を最小にし、代表的なアンチセンス
実験に使用される濃度をシュミレートするものである。3’エクソヌクレアーゼ
活性源として作用する20%ウシ胎児血清(FSC)を含むDulbecco最小必須培地(D
MEM)細胞培養培地にオリゴマーを加えた。37℃において2.5時間インキュベーシ
ョン後、混合物を90℃において2分間変性させ、ポリアクリルアミドゲル電気
泳動(PAGE;20%ポリアクリルアミド/8M尿素;アクリルアミド:ビス−アク
リルアミド19:1;89mM Tris/89mM硼酸/2mM EDTA)を変性させることによっ
て分析した。0時間の対照として、PAGE分析の前に、血清を含まないDMEM培地に
オリゴヌクレオチドを添加した。ゲルをセルロース乾燥フィルムのシートの間で
乾燥させ、画像化し(imaged)、Phosphorimagerを用いて定量的データを得た。
ゲルのバンドは、種々の修飾オリゴヌクレオチドについて観察される作用を、対
照のホスホジエステルオリゴマーに比較して示す。各オリゴヌクレオチドについ
て多数の反応を行い、結果に再現性があることが判明した。さらに、10%または
20%のFCSを含む培地に極微量の32P標識オリゴヌクレオチド(すなわち、総オ
リゴマー1〜10μM)のみを加えた実験では、より劇的な結果が得られた。
オリゴデオキシヌクレオチド#1(5'-TT TTT TTT TT* T-3';SEQ ID NO:1;
末端前チミジレート残基の糖の5’炭素の位置にあるメチル基による3’−末端
キャップ修飾を含む)を、L−グルタミン(GIBCO)と共にRPMI 1640培地を含む
氷上の管に最終濃度3nMまで加えた。さらに、HEPES(GIBCO)を最終濃度20mMま
で、ウシ胎児血清を10%まで加えた。総反応容量は400μlであった。インキュ
ベーション時間0時間の管(対照)には血清を入れなかった。管を37℃において
5、30、60及び120分間インキュベートした。時間0の管を氷上に保存した。血
清を含まない余分の120分の反応も対照として37℃においてインキュベートして
、オリゴマーの化学分解を調べた。正の対照として、d(T)11オリゴデオキシヌク
レオチド(オリゴマー#2(SEQ ID NO:2)(他の実験のオリゴマーと同様に
して製造)を血清を加えずに0分及び120分に分析した。
同容量のクロロホルムとイソアミルアルコールとの24:1混合物で5回抽出す
ることによって反応を停止させた。最後の水層をSpin
-X,0.22μM酢酸セルロースフィルターユニットを通して濾過した。4℃で保存
した最終サンプル50μlを、自動注入によってGen Pak Fax陰イオン交換カラム
上に装填し、LKB HPLC系を用いて、15mM燐酸ナトリウム、1mM EDTA移動相(pH8
.0)中に0〜0.5M NaCl勾配によって溶離した。勾配は55分でNaCl 0〜0.4Mに
達し、60分までその状態に保持し、65分に0.5M NaClに増加し、70分までその状
態に保持した。溶離は269nmで監視した。
親オリゴマー及び反応生成物のピークをピーク面積について積分した。ピーク
の保持時間を対照、及びこのHPLC系上で前に分析したd(T)オリゴマー標準に比較
した。アッセイの結果から、親オリゴマー(オリゴマー#1,11−マー(保持時
間41.76分))は、10%ウシ胎児血清中に存在する3’−>5’エクソヌクレア
ーゼ活性によって急速に分解されたことがわかる。生成物は、酵素による3’−
末端チミジレート残基の分解の結果である極めて安定なN−1反応生成物、10−
マー(保持時間38.64分)であった。得られたピーク面積に基づくと、10−マー
は血清の存在下では120分までの間は未消化で残った。
従って、3’−修飾は、血清中に存在する3’−>5’エクソヌクレアーゼの
活性を阻害することによって残りのオリゴマーをそれ以上の消化から保護する。
糖の5’位に存在するメチル基はヌクレアーゼ酵素によるホスホジエステル結合
の加水分解を妨害するという結論できる。
例13 ハイブリッド形成(Tm)試験
表1の各17−マーアンチセンスオリゴヌクレオチド(オリゴマー番号6、7、
8及び9)2ナノモルを、50mM Na2HPO4/100mM NaCl/1mM EDTAを含む緩衝液
中においてそれらの各相補センス鎖2ナノモルと合し、85℃において変性させ、
室温への徐冷によってアニ
ーリングした。アニーリングしたDNAを35℃から85℃まで加熱し、260nMにおける
吸光度のデータを0.2℃間隔で取った。このデータから融解曲線を作成し、溶解
温度(Tm)の値を得た。
一緒にアニーリングしたセンス及びアンチセンス対照(正常、未修飾ホスホジ
エステル[PDE])のTmは68+/−0.5度である。オリゴマー6(SEQ ID NO:6)
及び7(SEQ ID NO:7)のTmは68℃であった。センスPDE鎖と共にアニーリング
したオリゴマー#8(SEQ ID NO:8)について観測されたTmは67.8度であった
。一緒にアニーリングしたオリゴマー8(SEQ ID NO:8)及び9(SEQ ID NO:
9)のTmは66.8度である。これらの結果から、正常のPDE結合をこの置換PDE結合
で置き換えると、デュプレックス安定性は実質的に低下しないことがわかる。さ
らにこれらの結果から、互いにアニーリングする対の両方をメチル−PDE修飾し
た場合でさえ(すなわち、オリゴマー8及び9)、メチル−PDE結合はワトソン
・クリック塩基対合を全く妨害しないことがわかる。この結果から、ヌクレオシ
ドのラセミ5’−メチル類似体の取り込みはオリゴヌクレオチド内の多数の部位
で可能であり、しかも、ハイブリッド形成安定性に対してほとんど影響がないこ
とがわかる。
配列表
(1)一般情報:
(i)出願人:Saha,Ashis
(ii)発明の名称:新規5’−置換ヌクレオシド及びそれから得られるオリゴ
マー
(iii)配列の数:9
(iv)連絡住所:
(A)受信者:Sterling Winthrop,Inc.
(B)通り:9 Great Valley Parkway
(C)市:Malvern
(D)州:PA
(E)国:USA
(F)ZIP:19355
(v)コンピュータ可読形式:
(A)媒体の型:フロッピーディスク
(B)コンピュータ:IBM PC互換機
(C)オペレーティングシステム:PC-DOS/MS-DOS
(D)ソフトウェア:Patentln Relaese #1.0,Version #1.25
(vi)本出願の情報:
(A)出願番号:
(B)出願日:
(C)分類
(viii)弁理士/代理人の情報:
(A)名称:Newman,Irving
(B)登録番号:22,638
(C)REFERENCE/DOCKET NUMBER:PRF 161
(ix)電気通信情報:
(A)電話番号:(215)889-8824
(2)SEQ ID NO:1の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:塩基対11個
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子型:DNA(ゲノム)
(ix)特徴:
(A)特徴を表す記号:misc
(B)存在位置:(10^11)
(D)他の情報:/注=「塩基は5’−メチル−ホスホジエステル結合に
よって結合している。」
(xi)配列の説明:SEQ ID NO:1:
(2)SEQ ID NO:2の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:塩基対11個
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子型:DNA(ゲノム)
(xi)配列の説明:SEQ ID NO:2:
(2)SEQ ID NO:3の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:塩基対10個
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子型:DNA(ゲノム)
(ix)特徴:
(A)特徴を表す記号:misc
(B)存在位置:(8^9)
(D)他の情報:/注=「塩基は5’−メチル−ホスホジエ
ステル結合によって結合している。」
(ix)特徴:
(A)特徴を表す記号:misc
(B)存在位置:(9^10)
(D)他の情報:/注=「塩基は5’−メチル−ホスホジエステル結合に
よって結合している。」
(xi)配列の説明:SEQ ID NO:3:
(2)SEQ ID NO:4の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:塩基対11個
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子型:DNA(ゲノム)
(ix)特徴:
(A)特徴を表す記号:misc
(B)存在位置:(6^7)
(D)他の情報:/注=「塩基は5’−メチル−ホスホジエステル結合に
よって結合している。」
(xi)配列の説明:SEQ ID NO:4:
(2)SEQ ID NO:5の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:塩基対12個
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子型:DNA(ゲノム)
(ix)特徴:
(A)特徴を表す記号:misc
(B)存在位置:(2^3)
(D)他の情報:/注=「塩基は5’−メチル−ホスホジエステル結合に
よって結合している。」
(ix)特徴:
(A)特徴を表す記号:misc
(B)存在位置:(5^6)
(D)他の情報:/注=「塩基は5’−メチル−ホスホジエステル結合に
よって結合している。」
(ix)特徴:
(A)特徴を表す記号:misc
(B)存在位置:(6^7)
(D)他の情報:/注=「塩基は5’−メチル−ホスホジエステル結合に
よって結合している。」
(ix)特徴:
(A)特徴を表す記号:misc
(B)存在位置:(9^10)
(D)他の情報:/注=「塩基は5’−メチル−ホスホジエステル結合に
よって結合している。」
(ix)特徴:
(A)特徴を表す記号:misc
(B)存在位置:(10^11)
(D)他の情報:/注=「塩基は5’−メチル−ホスホジエステル結合に
よって結合している。」
(ix)特徴:
(A)特徴を表す記号:misc
(B)存在位置:(11^12)
(D)他の情報:/注=「塩基は5’−メチル−ホスホジエステル結合に
よって結合している。」
(xi)配列の説明:SEQ ID NO:5:
(2)SEQ ID NO:6の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:塩基対17個
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子型:DNA(ゲノム)
(ix)特徴:
(A)特徴を表す記号:misc
(B)存在位置:(10^11)
(D)他の情報:/注=「塩基は5’−メチル−ホスホジエステル結合に
よって結合している。」
(xi)配列の説明:SEQ ID NO:6:
(2)SEQ ID NO:7の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:塩基対17個
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子型:DNA(ゲノム)
(ix)特徴:
(A)特徴を表す記号:misc
(B)存在位置:(11^12)
(D)他の情報:/注=「塩基は5’−メチル−ホスホジエステル結合に
よって結合している。」
(xi)配列の説明:SEQ ID NO:7:
(2)SEQ ID NO:8の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:塩基対17個
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子型:DNA(ゲノム)
(ix)特徴:
(A)特徴を表す記号:misc
(B)位置:(9^10)
(D)他の情報:/注=「塩基は5’−メチル−ホスホジエステル結合に
よって結合している。」
(ix)特徴:
(A)特徴を表す記号:misc
(B)存在位置:(10^11)
(D)他の情報:/注=「塩基は5’−メチル−ホスホジエステル結合に
よって結合している。」
(ix)特徴:
(A)特徴を表す記号:misc
(B)存在位置:(11^12)
(D)他の情報:/注=「塩基は5’−メチル−ホスホジエステル結合に
よって結合している。」
(xi)配列の説明:SEQ ID NO:8:
(2)SEQ ID NO:9の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:塩基対17個
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子型:DNA(ゲノム)
(ix)特徴:
(A)特徴を表す記号:misc
(B)存在位置:(5^6)
(D)他の情報:/注=「塩基は5’−メチル−ホスホジエステル結合に
よって結合している。」
(ix)特徴:
(A)特徴を表す記号:misc
(B)存在位置:(6^7)
(D)他の情報:/注=「塩基は5’−メチル−ホスホジエステル結合に
よって結合している。」
(ix)特徴:
(A)特徴を表す記号:misc
(B)存在位置:(7^8)
(D)他の情報:/注=「塩基は5’−メチル−ホスホジエステル結合に
よって結合している。」
(xi)配列の説明:SEQ ID NO:9:
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
C07H 21/04 8615−4C C07H 21/04 Z
C12N 15/09 9162−4B C12N 15/00 A
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.構造式 [式中、 Qは、H、OH、NHR、CHO、ホスフェート、低級アルキル、低級アルケニル、保 護O−、保護N−、低級アルコキシ、低級アルケニルオキシ、ベンジルオキシ、 ジメトキシトリチルオキシ、アミノ−低級アルキル、アミノ−低級アルコキシ、 N3、エポキシエチル、ハロゲン、ホスホニウム塩及びホスホネートからなる群 から選ばれ; Lは、−OP(OCH2CH2CN)(N-iPr2)、H、OH、NHR、ホスフェート、低級アルキル 、低級アルケニル、低級アルコキシ、低級アルケニルオキシ、アミノ−低級アル キル、アミノ−低級アルコキシ、N3、ハロゲン、エポキシエチル、ホスホニウ ム塩、ホスホネート及びt−ブチルジメチルシリルオキシからなる群から選ばれ ; 各Rは独立して、H、OZ、SZ及びNHZからなる群から選はれ; 各R1及びR2は独立して、H、OH、低級アルキル、低級アルケニル、低級シク ロアルキル、エポキシエチル、アミノ低級アルキル、アミノ低級アルコキシ、低 級アルコキシ及び低級アルケニルオキシからなる群から選ばれ; 各R3及びR4は独立して、H、低級アルキル、低級アルケニル、 低級アルコキシ及び低級アルケニルオキシからなる群から選ばれ; 各Zは独立して、H、低級アルキル、低級アルケニル、アリール、アセチルな らびにO−、S−及びN−の保護基からなる群から選ばれ、 各Eは独立して、-OP(OCH2CH2CN)(N-iPr2)、H、OH、NHR、低級アルキル、低 級アルケニル、低級アルコキシ、低級アルケニルオキシ、アミノ−低級アルキル 、アミノ−低級アルコキシ、N3、ハロゲン、エポキシエチル、ホスホニウム塩 及びホスホネートからなる群から選ばれ; 各nは独立して、0または1〜4の整数であり;且つ 各Bは独立して、アデニン、シトシン、グアニン、チミン、ウラシル、または それらの修飾形からなる群から選ばれ、該修飾形は、オリゴヌクレオシドまたは キメラオリゴヌクレオチド類似体のそのアンチセンス対応物(塩基はアデニン、 シトシン、グアニン、チミン及びウラシルからなる群から選ばれる)に対する親 和性を本質的には妨害しない] を有する化合物もしくはその光学異性体またはその医薬として許容され得る塩。 2.構造式II [式中、 Qは、H、OH、NHR、CHO、ホスフェート、低級アルキル、低級アルケニル、保 護O−、保護N−、低級アルコキシ、低級アルケニルオキシ、ベンジルオキシ、 ジメトキシトリチルオキシ、アミノ−低級アルキル、アミノ−低級アルコキシ、 N3、エポキシエチル、ハロゲン、ホスホニウム塩及びホスホネートからなる群 から選ばれ; Lは、-OP(OCH2CH2CN)(N-iPr2)、H、OH、NHR、ホスフェート、低級アルキル 、低級アルケニル、低級アルコキシ、低級アルケニルオキシ、アミノ−低級アル キル、アミノ−低級アルコキシ、N3、ハロゲン、エポキシエチル、ホスホニウ ム塩、ホスホネート及びt−ブチルジメチルシリルオキシからなる群から選ばれ ; 各Rは独立して、H、OZ、SZ及びNHZからなる群から選ばれ; 各R1及びR2は独立して、H、OH、低級アルキル、低級アルケニル、低級シク ロアルキル、エポキシエチル、アミノ低級アルキル、アミノ低級アルコキシ、低 級アルコキシ及び低級アルケニルオキシからなる群から選ばれ: 各R3及びR4は独立して、H、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルコキ シ及び低級アルケニルオキシからなる群から選ばれ; 各Zは独立して、H、低級アルキル、低級アルケニル、アリール、アセチルな らびにO−、S−及びN−の保護基からなる群から選ばれ、 各Eは独立して、-OP(OCH2CH2CN)(N-iPr2)、H、0H、NHR、低級アルキル、低 級アルケニル、低級アルコキシ、低級アルケニルオキシ、アミノ−低級アルキル 、アミノ−低級アルコキシ、N3、ハロゲン、エポキシエチル、ホスホニウム塩 及びホスホネートからなる 群から選ばれ; 各nは独立して、0または1〜4の整数であり;且つ 各Bは独立して、アデニン、シトシン、グアニン、チミン、ウラシル、または それらの修飾形からなる群から選ばれ、該修飾形は、オリゴヌクレオシドまたは キメラオリゴヌクレオチド類似体のそのアンチセンス対応物(塩基はアデニン、 シトシン、グアニン、チミン及びウラシルからなる群から選ばれる)に対する親 和性を本質的には妨害せず; 各Wは、3'-(OPO2HO)C(R1R2)-5'及び天然ホスホジエステルヌクレオシド間結 合から選ばれるが、ただし、Wの少なくとも1個は3'-(OPO2HO)C(R1R2)-5'であ り;且つ qは0または1〜60の整数である] を有する化合物。 3.Wが3'-(O-PO2H-O)-5'-CH(CH3)-である請求の範囲第2項の化合物。 4.少なくとも1個のWが天然のホスホジエステルヌクレオシド間結合である 請求の範囲第2項の化合物。 5.qが2、3または4である請求の範囲第2項の化合物。 6.qが9〜50である請求の範囲第2項の化合物。 7.qが12〜25である請求の範囲第2項の化合物。 8.qが15〜18である請求の範囲第2項の化合物。 9.ホスホジエステルヌクレオシド間結合の天然バックボーンの代わりに1個 またはそれ以上の3'-O-PO2H-O-5'-CR1R2ヌクレオシド間結合を含むヌクレオシド 間バックボーンを有する、塩基数が2〜約60のオリゴヌクレオチド化合物の合成 方法であって、オリゴヌクレオチドを合成するための常用の有機合成法において シントンとして請求の範囲第1項の化合物を用いることを含んでなる方法。 10.前記合成をDNA自動合成装置中で行う請求の範囲第9項の方法。 11.遺伝子発現の抑制の必要な宿主哺乳類に抑制有効量の請求の範囲第2項の 化合物を投与することを含んでなる遺伝子発現の抑制方法であって、該化合物が 該遺伝子のヌクレオチド配列に対してハイブリッド形成する方法。 12.生理的に許容されうる担体中に溶解または分散された請求の範囲第2項の 化合物を含んでなる医薬組成物。
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