JPH0839416A - ワイヤソー用ワイヤ - Google Patents
ワイヤソー用ワイヤInfo
- Publication number
- JPH0839416A JPH0839416A JP17086494A JP17086494A JPH0839416A JP H0839416 A JPH0839416 A JP H0839416A JP 17086494 A JP17086494 A JP 17086494A JP 17086494 A JP17086494 A JP 17086494A JP H0839416 A JPH0839416 A JP H0839416A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- wire
- fe3o4
- saw
- abrasive grains
- abrasives
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B23—MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B23D—PLANING; SLOTTING; SHEARING; BROACHING; SAWING; FILING; SCRAPING; LIKE OPERATIONS FOR WORKING METAL BY REMOVING MATERIAL, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B23D61/00—Tools for sawing machines or sawing devices; Clamping devices for these tools
- B23D61/18—Sawing tools of special type, e.g. wire saw strands, saw blades or saw wire equipped with diamonds or other abrasive particles in selected individual positions
- B23D61/185—Saw wires; Saw cables; Twisted saw strips
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 砥粒の持ち込み性が良く、耐摩耗性に優れ、
かつ製造コストを安価にできるワイヤソー用ワイヤを提
供する。 【構成】 母材2の表面に、厚さ2〜5μmのFe3 O
4 を主成分とするスケール層3を形成してワイヤソー用
ワイヤ1と成す。
かつ製造コストを安価にできるワイヤソー用ワイヤを提
供する。 【構成】 母材2の表面に、厚さ2〜5μmのFe3 O
4 を主成分とするスケール層3を形成してワイヤソー用
ワイヤ1と成す。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、人工水晶、シリコンウ
ェハー等の硬質材料の切断に用いられるワイヤソー用ワ
イヤに関するものである。
ェハー等の硬質材料の切断に用いられるワイヤソー用ワ
イヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】ワイ
ヤソーは、ワイヤを切断用砥粒、一般には炭化珪素粒、
ダイヤモンド粒等の砥粒とともに被切断物に圧接しつつ
走行させ切断するものである。
ヤソーは、ワイヤを切断用砥粒、一般には炭化珪素粒、
ダイヤモンド粒等の砥粒とともに被切断物に圧接しつつ
走行させ切断するものである。
【0003】上記ワイヤには、切断時にかかる大きい張
力に耐え得る強度が必要なため、高抗張力鋼線材、一般
には硬鋼線材、ピアノ線材等が用いられている。しかし
ながら、これらの鋼線材は、その表面が硬く、しかも滑
らかであるため、被切断物への砥粒の持ち込み性が劣
り、切断速度を向上することができず、切断効率面で劣
るという問題を有していた。
力に耐え得る強度が必要なため、高抗張力鋼線材、一般
には硬鋼線材、ピアノ線材等が用いられている。しかし
ながら、これらの鋼線材は、その表面が硬く、しかも滑
らかであるため、被切断物への砥粒の持ち込み性が劣
り、切断速度を向上することができず、切断効率面で劣
るという問題を有していた。
【0004】近年、上記問題に鑑み、高抗張力鋼線材の
表面に銅あるいは錫のメッキ層を設け、この比較的軟質
なメッキ層に砥粒を保持させることで、被切断物への砥
粒の持ち込み性を向上せんとするワイヤソー用ワイヤが
提案されている(例えば特開昭54−21692号公
報)。
表面に銅あるいは錫のメッキ層を設け、この比較的軟質
なメッキ層に砥粒を保持させることで、被切断物への砥
粒の持ち込み性を向上せんとするワイヤソー用ワイヤが
提案されている(例えば特開昭54−21692号公
報)。
【0005】さらに他の例として、ワイヤ表面にあらか
じめ砥粒を被着して、該ワイヤを被切断物に圧接しつつ
走行させて加工することで、切断効率を向上せんとする
ワイヤソー用ワイヤも公知である。
じめ砥粒を被着して、該ワイヤを被切断物に圧接しつつ
走行させて加工することで、切断効率を向上せんとする
ワイヤソー用ワイヤも公知である。
【0006】後者に代表されるワイヤソー用ワイヤは図
3に示すように、断面略円形の高張力ワイヤ7の外周表
面に粒度♯150〜♯1000の砥粒8がニッケルメッ
キ、銅メッキ等の結合材9によって被着されてワイヤソ
ー用ワイヤ6が構成されている。
3に示すように、断面略円形の高張力ワイヤ7の外周表
面に粒度♯150〜♯1000の砥粒8がニッケルメッ
キ、銅メッキ等の結合材9によって被着されてワイヤソ
ー用ワイヤ6が構成されている。
【0007】前者のワイヤソー用ワイヤを用いて硬質材
料を切断していった場合、当然ワイヤのメッキ層も摩耗
する。メッキ層が残存するうちは砥粒の持ち込み性が良
いが、摩耗が進行してメッキ下地が露出するようになる
と、砥粒の持ち込み性が悪くなる。従ってこのような現
象が発生する前に、ワイヤソー用ワイヤを新しいものと
交換する必要があるが、前者のワイヤソー用ワイヤにお
いてはメッキ層が軟質で耐摩耗性に劣っているため、摩
耗進行が早く、切断速度を上げることも難しい。従って
ワイヤソー用ワイヤとしての寿命を短命化させてしま
い、切断効率も悪いという欠点がある。
料を切断していった場合、当然ワイヤのメッキ層も摩耗
する。メッキ層が残存するうちは砥粒の持ち込み性が良
いが、摩耗が進行してメッキ下地が露出するようになる
と、砥粒の持ち込み性が悪くなる。従ってこのような現
象が発生する前に、ワイヤソー用ワイヤを新しいものと
交換する必要があるが、前者のワイヤソー用ワイヤにお
いてはメッキ層が軟質で耐摩耗性に劣っているため、摩
耗進行が早く、切断速度を上げることも難しい。従って
ワイヤソー用ワイヤとしての寿命を短命化させてしま
い、切断効率も悪いという欠点がある。
【0008】また、後者のワイヤソー用ワイヤにあって
は、被切断物への砥粒の持ち込み性に優れているもの
の、砥粒の被着力、すなわち砥粒、結合材およびワイヤ
間の結合力に劣るという問題がある。このため、被切断
物を切断する時に、砥粒の脱落が早期に発生し、切断効
率が下がる欠点がある。そして結合材としてニッケル、
銅等の軟らかい金属を使用するため、摩耗進行が早い。
従ってワイヤソー用ワイヤとしての寿命が短かくなる。
は、被切断物への砥粒の持ち込み性に優れているもの
の、砥粒の被着力、すなわち砥粒、結合材およびワイヤ
間の結合力に劣るという問題がある。このため、被切断
物を切断する時に、砥粒の脱落が早期に発生し、切断効
率が下がる欠点がある。そして結合材としてニッケル、
銅等の軟らかい金属を使用するため、摩耗進行が早い。
従ってワイヤソー用ワイヤとしての寿命が短かくなる。
【0009】さらに、前者および後者のワイヤソー用ワ
イヤは、共にその表面にメッキ処理を施さねばならな
い。従って一連のメッキ処理ラインが必要となり、設置
スペース面、メッキ液管理等の設備管理面、および作業
性において甚だ不利であり、製造コストが高くなる問題
があった。
イヤは、共にその表面にメッキ処理を施さねばならな
い。従って一連のメッキ処理ラインが必要となり、設置
スペース面、メッキ液管理等の設備管理面、および作業
性において甚だ不利であり、製造コストが高くなる問題
があった。
【0010】本発明は、上記従来のワイヤソー用ワイヤ
の種々の問題点を解決するためになされたものであり、
砥粒の持ち込み性が良く、耐摩耗性に優れ、かつ製造コ
ストを安価にできるワイヤソー用ワイヤを提供すること
を目的とする。
の種々の問題点を解決するためになされたものであり、
砥粒の持ち込み性が良く、耐摩耗性に優れ、かつ製造コ
ストを安価にできるワイヤソー用ワイヤを提供すること
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明者はワイヤに施される種々の表面処理技術に
ついて実験を交じえて研究した。その結果、ワイヤ表面
が滑らかである場合、砥粒の持ち込み性を良くするため
ワイヤ表面硬度を低くすれば耐摩耗性に劣り、逆に耐摩
耗性を上げるため表面硬度を上げれば砥粒の持ち込み性
が悪くなるので、ワイヤ表面は凹凸でなければならない
という結論に達した。
め、本発明者はワイヤに施される種々の表面処理技術に
ついて実験を交じえて研究した。その結果、ワイヤ表面
が滑らかである場合、砥粒の持ち込み性を良くするため
ワイヤ表面硬度を低くすれば耐摩耗性に劣り、逆に耐摩
耗性を上げるため表面硬度を上げれば砥粒の持ち込み性
が悪くなるので、ワイヤ表面は凹凸でなければならない
という結論に達した。
【0012】そこで、ワイヤ表面に凹凸を設ける方法を
種々検討した。まず、ワイヤ最終伸線工程において、仕
上げダイスに溝付きローラーダイスを使用して、ワイヤ
表面に凹凸を設けた。しかし、この方法では、砥粒が食
い込むような微少な凹凸が作れず砥粒の持ち込みに劣
る。
種々検討した。まず、ワイヤ最終伸線工程において、仕
上げダイスに溝付きローラーダイスを使用して、ワイヤ
表面に凹凸を設けた。しかし、この方法では、砥粒が食
い込むような微少な凹凸が作れず砥粒の持ち込みに劣
る。
【0013】次に、ワイヤ表面に研磨砥石等により傷を
つけて、凹凸を設ける方法を試みた。この方法だと前記
ローラーダイスによる方法よりは砥粒の持ち込みが良か
った。しかし、研磨砥石が目詰りを起こすため、頻繁に
ドレッサーによる目詰り除去を施さねばならず、また塵
埃による作業環境の汚染も問題となる。さらに、研磨砥
石の押圧力が長手方向にばらつき凹凸にムラが生じるた
め、ワイヤソーに使用した場合に安定した切断が望めな
い。上述のような機械的な表面処理技術では、前述の目
的を達成することが困難である。
つけて、凹凸を設ける方法を試みた。この方法だと前記
ローラーダイスによる方法よりは砥粒の持ち込みが良か
った。しかし、研磨砥石が目詰りを起こすため、頻繁に
ドレッサーによる目詰り除去を施さねばならず、また塵
埃による作業環境の汚染も問題となる。さらに、研磨砥
石の押圧力が長手方向にばらつき凹凸にムラが生じるた
め、ワイヤソーに使用した場合に安定した切断が望めな
い。上述のような機械的な表面処理技術では、前述の目
的を達成することが困難である。
【0014】次に本発明者は、化学的にワイヤ表面に凹
凸を設ける方法を種々検討した。ここで注意すべき点
は、表面処理後のワイヤ表面硬度が母材の硬度に比べて
あまり低くなると、耐摩耗性に劣るので実用的でない、
ということである。従ってワイヤ表面に脱炭層を設ける
ような方法では、比較的軟質な脱炭層が早期に脱落して
しまい目的を達成できない。
凸を設ける方法を種々検討した。ここで注意すべき点
は、表面処理後のワイヤ表面硬度が母材の硬度に比べて
あまり低くなると、耐摩耗性に劣るので実用的でない、
ということである。従ってワイヤ表面に脱炭層を設ける
ような方法では、比較的軟質な脱炭層が早期に脱落して
しまい目的を達成できない。
【0015】上述の観点に立って本発明者はさらに研究
を重ねた。その結果、通常のワイヤにおいて大きな表面
欠陥となるスケール層を故意に設け、さらにスケール層
の種類、厚みを適正に制御すれば、砥粒の持ち込みを良
くし、耐摩耗性を向上し、かつ製造コストを安価にし得
ることを見い出し、この知見に基づいて本発明をなすに
至った。
を重ねた。その結果、通常のワイヤにおいて大きな表面
欠陥となるスケール層を故意に設け、さらにスケール層
の種類、厚みを適正に制御すれば、砥粒の持ち込みを良
くし、耐摩耗性を向上し、かつ製造コストを安価にし得
ることを見い出し、この知見に基づいて本発明をなすに
至った。
【0016】すなわち本発明のワイヤソー用ワイヤは、
硬鋼線材又はピアノ線材等の高抗張力鋼線材からなるワ
イヤソー用ワイヤにおいて、上記ワイヤの母材表面に、
厚さ2〜5μmのFe3 O4 を主成分とするスケール層
を形成したことを特徴とする。
硬鋼線材又はピアノ線材等の高抗張力鋼線材からなるワ
イヤソー用ワイヤにおいて、上記ワイヤの母材表面に、
厚さ2〜5μmのFe3 O4 を主成分とするスケール層
を形成したことを特徴とする。
【0017】
【作用】Fe3 O4 はいわゆるマグネタイトと呼ばれ、
焼線炉におけるワイヤ加熱時に、H2 O,CO2 等のガ
スを含有する雰囲気中にワイヤを通過させることによ
り、ワイヤ表面に生成できる。このFe3 O4 のスケー
ル表面は図2に示すようにFe3 O4 結晶4によりタ
テ、ヨコに微少の割れいわゆるクラックを有しており、
かつFe3 O4 自体の硬度は、前述したニッケル、銅等
のメッキ材(あるいは結合材)に比べてかなり高い。
焼線炉におけるワイヤ加熱時に、H2 O,CO2 等のガ
スを含有する雰囲気中にワイヤを通過させることによ
り、ワイヤ表面に生成できる。このFe3 O4 のスケー
ル表面は図2に示すようにFe3 O4 結晶4によりタ
テ、ヨコに微少の割れいわゆるクラックを有しており、
かつFe3 O4 自体の硬度は、前述したニッケル、銅等
のメッキ材(あるいは結合材)に比べてかなり高い。
【0018】上記Fe3 O4 スケールを生成させたワイ
ヤを砥粒とともに被切断物に圧接しつつ走行させた場
合、図2に示すように砥粒5が上記クラックにくい込む
ので、被切断物への砥粒の持ち込み性が大巾に向上す
る。
ヤを砥粒とともに被切断物に圧接しつつ走行させた場
合、図2に示すように砥粒5が上記クラックにくい込む
ので、被切断物への砥粒の持ち込み性が大巾に向上す
る。
【0019】また、上記Fe3 O4 スケールはワイヤ表
面のFe地とH2 OあるいはCO2との化学変化により
生成されたものであり、Fe地とFe3 O4 との間に働
く結合力が、従来の方法の砥粒、結合材およびワイヤ間
に働く結合力と比べてはるかに大きい。従ってワイヤソ
ーとして長時間使用した場合でも、Fe3 O4 スケール
層の脱落が少ない。
面のFe地とH2 OあるいはCO2との化学変化により
生成されたものであり、Fe地とFe3 O4 との間に働
く結合力が、従来の方法の砥粒、結合材およびワイヤ間
に働く結合力と比べてはるかに大きい。従ってワイヤソ
ーとして長時間使用した場合でも、Fe3 O4 スケール
層の脱落が少ない。
【0020】ところで、ワイヤ表面に発生するスケール
は、FeO(ウェスタイト)、Fe 3 O4 (マグネタイ
ト)、およびFe2 O3 (ヘンマタイト)の3種類が存
在する。その発生する際の反応式は下記の化1に示す通
りである。
は、FeO(ウェスタイト)、Fe 3 O4 (マグネタイ
ト)、およびFe2 O3 (ヘンマタイト)の3種類が存
在する。その発生する際の反応式は下記の化1に示す通
りである。
【0021】
【化1】
【0022】上記スケールはワイヤ内側から最低価酸化
物のFeO,Fe3 O4 ,最高価酸化物のFe2 O3 の
順に発生するが、そのうちFe2 O3 は外気と接して最
外表面に薄く形成される。
物のFeO,Fe3 O4 ,最高価酸化物のFe2 O3 の
順に発生するが、そのうちFe2 O3 は外気と接して最
外表面に薄く形成される。
【0023】また、FeOは焼線炉内の高温加熱の際、
次の化2に示す共析反応によりFe 3 O4 に変態する。
次の化2に示す共析反応によりFe 3 O4 に変態する。
【0024】
【化2】
【0025】上述の如く、ワイヤの表面にFe3 O4 を
主成分とするスケール層を形成させることができる。
主成分とするスケール層を形成させることができる。
【0026】上記スケール層の厚みが2μm未満では、
砥粒持ち込み性に劣り、また5μmを越えても砥粒持ち
込み性のさらなる上昇がなく、ワイヤソー自体の強度が
低下するだけである。従って上記スケール層の厚みは2
〜5μmに限定した。
砥粒持ち込み性に劣り、また5μmを越えても砥粒持ち
込み性のさらなる上昇がなく、ワイヤソー自体の強度が
低下するだけである。従って上記スケール層の厚みは2
〜5μmに限定した。
【0027】
【実施例】SWRS82A材(φ5.5)にパテンティ
ングおよび冷間伸線加工を施し、線径1mmのワイヤに
仕上げた。次に上記ワイヤを焼線炉(加熱温度900
℃)においてH2 O,CO2 ,N2 等のガスをブレンド
した雰囲気中を通過させ、続けて戻し炉(450℃)に
通過させることにより、ワイヤ表面に平均厚さ20μm
のFe3 O4 を主成分とするスケール層を有するワイヤ
を得た。
ングおよび冷間伸線加工を施し、線径1mmのワイヤに
仕上げた。次に上記ワイヤを焼線炉(加熱温度900
℃)においてH2 O,CO2 ,N2 等のガスをブレンド
した雰囲気中を通過させ、続けて戻し炉(450℃)に
通過させることにより、ワイヤ表面に平均厚さ20μm
のFe3 O4 を主成分とするスケール層を有するワイヤ
を得た。
【0028】さらに上記ワイヤを湿式伸線機により、
0.16mmに伸線して図1に示す概略断面のワイヤソ
ー用ワイヤ1を得た。図1において母材2の表面に平均
厚さ3μmのFe3 O4 を主成分とするスケール層3が
形成されている。
0.16mmに伸線して図1に示す概略断面のワイヤソ
ー用ワイヤ1を得た。図1において母材2の表面に平均
厚さ3μmのFe3 O4 を主成分とするスケール層3が
形成されている。
【0029】また同じSWRS82A材を使用して、従
来のブラスメッキを施したワイヤソー用ワイヤを比較材
として製造した。このときの線径は本発明材と同じ0.
16mmに仕上げ、メッキ厚さは2μmであった。
来のブラスメッキを施したワイヤソー用ワイヤを比較材
として製造した。このときの線径は本発明材と同じ0.
16mmに仕上げ、メッキ厚さは2μmであった。
【0030】次に本発明材と比較材のワイヤソー用ワイ
ヤとしての切削性および耐摩耗性を比べるため、下記条
件で切断試験を行なったところ、表1の如き結果を得
た。
ヤとしての切削性および耐摩耗性を比べるため、下記条
件で切断試験を行なったところ、表1の如き結果を得
た。
【0031】<切断条件> ・被切断試料 φ75シリコンウェハー ・ワイヤ線速 200m/分 ・ワイヤ張力 2kg ・使用砥粒 GC♯1000(14.5〜18μ
m)
m)
【0032】
【表1】
【0033】表1において切断効率は単位時間当りの切
削量を示し、比較材を100としたときの指数であらわ
し、大きいほど優れている。またワイヤ摩耗度は単位時
間当りのワイヤ摩耗量を示し、比較材を100としたと
きの指数で示し、小さいほど優れている。
削量を示し、比較材を100としたときの指数であらわ
し、大きいほど優れている。またワイヤ摩耗度は単位時
間当りのワイヤ摩耗量を示し、比較材を100としたと
きの指数で示し、小さいほど優れている。
【0034】表1より、本発明のワイヤソー用ワイヤ
は、比較材に比べ切断効率が1.7倍になった。これは
砥粒の持ち込み性が大きく向上したことを示す。また、
ワイヤ摩耗度においては約1/3に減少した。
は、比較材に比べ切断効率が1.7倍になった。これは
砥粒の持ち込み性が大きく向上したことを示す。また、
ワイヤ摩耗度においては約1/3に減少した。
【0035】
【発明の効果】本発明のワイヤソー用ワイヤは上記構成
になしたので、被切断物への砥粒の持ち込み性が大巾に
向上する。従って切断効率が大きく向上し、被切断物の
切断コストを安くできる。
になしたので、被切断物への砥粒の持ち込み性が大巾に
向上する。従って切断効率が大きく向上し、被切断物の
切断コストを安くできる。
【0036】また、耐摩耗性も従来のものより大巾に優
れており、ワイヤソー用ワイヤとしての寿命を2〜3倍
に延長できる。従って被切断物の切断工程時におけるワ
イヤソー用ワイヤの交換作業を減少できる。
れており、ワイヤソー用ワイヤとしての寿命を2〜3倍
に延長できる。従って被切断物の切断工程時におけるワ
イヤソー用ワイヤの交換作業を減少できる。
【0037】さらに、従来のようなメッキ工程を必要と
しないので、製造コストを安価にできる。
しないので、製造コストを安価にできる。
【図1】本発明のワイヤソー用ワイヤを示す概略断面図
である。
である。
【図2】本発明のワイヤソー用ワイヤの表面状態を示す
説明図である。
説明図である。
【図3】従来のワイヤソー用ワイヤを示す概略断面図で
ある。
ある。
1、6 ワイヤソー用ワイヤ 2 母材 3 スケール層 4 Fe3 O4 結晶 5、8 砥粒 7 高張力ワイヤ 9 結合材
Claims (1)
- 【請求項1】 硬鋼線材又はピアノ線材等の高抗張力鋼
線材からなるワイヤソー用ワイヤにおいて、上記ワイヤ
の母材表面に、厚さ2〜5μmのFe3 O4を主成分と
するスケール層を形成したことを特徴とするワイヤソー
用ワイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17086494A JPH0839416A (ja) | 1994-07-22 | 1994-07-22 | ワイヤソー用ワイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17086494A JPH0839416A (ja) | 1994-07-22 | 1994-07-22 | ワイヤソー用ワイヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0839416A true JPH0839416A (ja) | 1996-02-13 |
Family
ID=15912733
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17086494A Pending JPH0839416A (ja) | 1994-07-22 | 1994-07-22 | ワイヤソー用ワイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0839416A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012085253A (ja) * | 2010-03-25 | 2012-04-26 | Nippon Dempa Kogyo Co Ltd | 表面実装型の水晶デバイス及び水晶デバイスの製造方法 |
CN103358411A (zh) * | 2012-04-04 | 2013-10-23 | 应用材料瑞士有限责任公司 | 用于半导体线锯的线和线锯 |
US9322106B2 (en) | 2007-04-24 | 2016-04-26 | Rohm And Haas Electronic Materials Llc | Tin or tin alloy electroplating solution |
CN115516125A (zh) * | 2020-06-15 | 2022-12-23 | 住友电气工业株式会社 | 弹簧用钢线 |
US11807923B2 (en) | 2020-06-17 | 2023-11-07 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Spring steel wire |
-
1994
- 1994-07-22 JP JP17086494A patent/JPH0839416A/ja active Pending
Cited By (7)
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CN115516125B (zh) * | 2020-06-15 | 2023-10-03 | 住友电气工业株式会社 | 弹簧用钢线 |
US11892048B2 (en) | 2020-06-15 | 2024-02-06 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Spring steel wire |
US11807923B2 (en) | 2020-06-17 | 2023-11-07 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Spring steel wire |
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