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JPH08327006A - 超臨界圧変圧貫流ボイラ - Google Patents

超臨界圧変圧貫流ボイラ

Info

Publication number
JPH08327006A
JPH08327006A JP13353595A JP13353595A JPH08327006A JP H08327006 A JPH08327006 A JP H08327006A JP 13353595 A JP13353595 A JP 13353595A JP 13353595 A JP13353595 A JP 13353595A JP H08327006 A JPH08327006 A JP H08327006A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
furnace
peripheral wall
steam
wall
outlet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13353595A
Other languages
English (en)
Inventor
Shozo Kaneko
祥三 金子
Susumu Sato
佐藤  進
Yoshinori Kobayashi
由則 小林
Takayuki Sudo
隆之 須藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP13353595A priority Critical patent/JPH08327006A/ja
Publication of JPH08327006A publication Critical patent/JPH08327006A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F22STEAM GENERATION
    • F22BMETHODS OF STEAM GENERATION; STEAM BOILERS
    • F22B29/00Steam boilers of forced-flow type
    • F22B29/06Steam boilers of forced-flow type of once-through type, i.e. built-up from tubes receiving water at one end and delivering superheated steam at the other end of the tubes
    • F22B29/067Steam boilers of forced-flow type of once-through type, i.e. built-up from tubes receiving water at one end and delivering superheated steam at the other end of the tubes operating at critical or supercritical pressure

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Control Of Steam Boilers And Waste-Gas Boilers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 超臨界圧変圧貫流ボイラにおいて、火炉周壁
蒸発管出口部の管群間の温度アンバランスを解消し、負
荷変化に伴なう繰返し熱応力による火炉耐圧部の寿命消
費をなくすこと。 【構成】 火炉周壁を上部(10)と下部(11)に分
割し、それら分割された火炉の一方(燃焼ガス流れの下
流側)(10)の周壁を蒸冷壁(13)とするととも
に、他方(上流側)(11)の周壁を水冷壁(3)とし
て、亜臨界運転時に常に気液二相流が存在するようにし
た。これにより、水冷壁(3)で熱吸収量が不均一で
も、伝熱管出口温度は常に一定(飽和温度)となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電力事業用その他、産業
用の超臨界圧変圧貫流ボイラの火炉系統構成に関する。
【0002】
【従来の技術】図6は従来の超臨界圧変圧貫流ボイラの
構成の一例を示す系統図である。図において、後部煙道
(20)内に配置された図示しない節炭器を出たボイラ
水は、火炉入口連絡管(1)を経て火炉(22)の下部
にある火炉周壁蒸発管入口管寄せ(4)に入り、ほぼ垂
直に配置された火炉周壁を構成する火炉周壁蒸発管
(2)内を加熱されつつ上昇して火炉最上部に至る。そ
して火炉周壁蒸発管出口管寄せ(5)から、火炉出口連
絡管(6)を経て気水分離器(7)に流入し、ここで蒸
気とドレンに分離される。気水分離器(7)で分離され
た蒸気は、過熱器入口連絡管(21)を経て過熱器(1
7)へと流れる。一方、気水分離器(7)で分離された
ドレンは、ドレン排出管(9)を経て循環ポンプ(1
9)により前記節炭器の入口に戻される。この場合当然
なことながら、気水分離器(7)内のドレンレベルが一
定レベル以下とならぬように、ドレンレベル調整弁(1
8)により制御されるようになっている。
【0003】このような系統を有する従来のボイラの火
炉周壁蒸発管(2)に対する設計上の考慮点としては、
貫流型ということもあり、火炉出口流体のエンタルピレ
ベルは図5に示す火炉の静特性データのように、亜臨界
圧領域では飽和温度よりも高く設定されるが、次項で述
べる理由によって、その過熱度が極力小さくなるように
設計されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前項に述べたような従
来のボイラにおいて、火炉周壁蒸発管出口部の管群間で
温度アンバランスが発生する問題がある。これは、炉内
の燃焼状況によって壁面内の熱吸収量に偏差が発生した
場合に、これが各蒸発管の出口流体温度のアンバランス
となって現れるものである。火炉周壁のメタル温度にア
ンバランスが生じると、それに伴う熱応力による火炉耐
圧部の障害が危惧されるので、この温度アンバランスを
防止する対応策の早期確立が迫られている。
【0005】これに対する設計上の配慮としては、各蒸
発管の入口にオリフィス等を設け、熱吸収偏差に応じて
給水量を調整することにより、出口流体温度のアンバラ
ンスを抑えることがまず考えられるが、熱吸収量の偏差
や給水配分特性はボイラ負荷によって変化するから、こ
の方法で温度アンバランスを無くすことは現実には難し
い。
【0006】そこで、この温度アンバランスを無くす根
本的な方法として、火炉周壁蒸発管出口の流体エンタル
ピレベルをウェットの状態としての火炉の設計を行なう
ことが考えられる。そうすれば、先に引用した図5の火
炉静特性データのa〜b間で多少の熱吸収量の差、つま
り流体エンタルピのアンバランスが発生しても、流体の
温度としては飽くまでも飽和温度で一定となるから、温
度差としては表われないことになる。
【0007】しかしながら、火炉の体格寸法は燃料が完
全燃焼するのに必要な空間として決定されるのであるか
ら、それ以下に火炉を小さくして火炉周壁の伝熱面積を
減らすことはできない。そのために、火炉周壁出口のボ
イラ水系統に付加して、更に蒸発器の役割を果たす伝熱
面を後流側に設けることにより、火炉周壁蒸発管出口の
流体エンタルピレベルをウエットに設計する例もあっ
た。図7は、そのような従来の事例の火炉特性を示す図
である。しかしながらこの場合、静特性的にはウエット
となっても、動特性的には同図に示すように、メタルの
蓄熱容量により「負荷上げ」と「負荷下げ」とでヒステ
リシスを持った特性を示す。特に「負荷下げ」の場合
は、図に示されるように大きな過熱度の発生する可能性
がある。また図8は、上記図7の場合と異なり、蒸発器
からなる伝熱面が後部煙道に設けられていないボイラの
場合であり、静的には火炉周壁蒸発管出口の流体のエン
タルピレベルが図7の事例よりも高い(ドライ)が、蒸
発器のメタル重量が少ない分、動的な過熱度の上昇はや
や少ない特性を示している。
【0008】このように過熱度の上昇に伴って温度アン
バランスが発生すると、火炉壁面内に大きな熱応力が生
ずるから、負荷変化に伴う熱応力の繰り返しにより、火
炉耐圧部はその寿命を消費し、ひいては損傷によりボイ
ラの運転に支障を来す恐れもある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記従来の
課題を解決するために、次のような超臨界圧変圧貫流ボ
イラを提案するものである。 〔1〕周壁が伝熱管により構成された火炉と、同火炉内
下部に燃料および燃焼用空気を投入して燃焼させるバー
ナとを備え、上記火炉内で発生した燃焼ガスが火炉周壁
に熱吸収されつつ上昇し上記火炉の上部から後部煙道へ
流れる超臨界圧変圧貫流ボイラにおいて、上記火炉周壁
を上下に分割し、上側の周壁を蒸冷壁とするとともに、
下側の周壁を亜臨界圧運転時に常に気液二相流が存在す
る水冷壁としたことを特徴とする超臨界圧変圧貫流ボイ
ラ。 〔2〕上記〔1〕の要件に加えて、上記下側の周壁の伝
熱管出口に設けられた周壁蒸発管出口管寄せが気水分離
器の入口に接続され、同気水分離器の蒸気出口が上記上
側の周壁の伝熱管入口に設けられた蒸冷壁入口管寄せに
接続されるとともに、上記気水分離器のドレン出口が過
熱器の上流および/または中段に設けられた減温器のス
プレイ水入口に接続されたことを特徴とする超臨界圧変
圧貫流ボイラ。 〔3〕周壁が伝熱管により構成された火炉と、同火炉内
上部に燃料および燃焼用空気を投入して燃焼させるバー
ナとを備え、上記火炉内で発生した燃焼ガスが火炉周壁
に熱吸収されつつ下降し上記火炉の下部から後部煙道へ
流れる超臨界圧変圧貫流ボイラにおいて、上記火炉周壁
を上下に分割し、下側の周壁を蒸冷壁とするとともに、
上側の周壁を亜臨界圧運転時に常に気液二相流が存在す
る水冷壁としたことを特徴とする超臨界圧変圧貫流ボイ
ラ。 〔4〕上記〔3〕の要件に加えて、上記上側の周壁の伝
熱管出口に設けられた周壁蒸発管出口管寄せが気水分離
器の入口に接続され、同気水分離器の蒸気出口が上記下
側の周壁の伝熱管入口に設けられた蒸冷壁入口管寄せに
接続されるとともに、上記気水分離器のドレン出口が過
熱器の上流および/または中段に設けられた減温器のス
プレイ水入口に接続されたことを特徴とする超臨界圧変
圧貫流ボイラ。 〔5〕上記〔2〕または上記〔4〕の要件に加えて、上
記気水分離器の蒸気出口が、上記蒸冷壁入口管寄せに直
接ではなく、上記後部煙道に配された横置の低温過熱器
および上記減温器を順次介して、上記蒸冷壁入口管寄せ
に接続されたことを特徴とする超臨界圧変圧貫流ボイ
ラ。
【0010】
【作用】前記第1および第3の解決手段においては、火
炉周壁を上下に分割し、それら分割された火炉周壁の一
方を蒸冷壁とするとともに、他方の火炉周壁を亜臨界圧
運転時に常に気液二相流が存在する水冷壁としたので、
各水冷壁管の熱吸収量が不均一でも、出口温度は一定
(飽和温度)となる。したがって、従来発生していた火
炉壁メタル温度のアンバランスは一切生じず、負荷変化
に伴なう熱応力の繰返しによる火炉耐圧部の寿命消費が
なくなる。
【0011】また前記第2および第4の解決手段におい
ては、水冷壁の蒸発管出口管寄せが気水分離器の入口に
接続され、同気水分離器の蒸気出口が蒸冷壁の伝熱管入
口に設けられた蒸冷壁入口管寄せに接続されるととも
に、上記気水分離器のドレン出口が過熱器の上流および
/または中段に設けられた減温器のスプレイ水入口に接
続されているので、水冷壁で発生した蒸気と水の混合流
体は気水分離器で蒸気と水に分離され、分離された蒸気
はほぼ均一に蒸冷壁に導入される。また分離された水は
減温器のスプレイ水として無駄なく利用される。
【0012】更に前記第5の解決手段においては、上記
気水分離器の蒸気出口が、上記蒸冷壁入口管寄せに直接
ではなく、上記後部煙道に配された横置の低温過熱器お
よび上記減温器を順次介して、上記蒸冷壁入口管寄せに
接続されているので、燃焼ガスからの熱回収が効果的に
なされ、プラント効率が向上する。
【0013】
【実施例】図1は本発明の第1実施例に係る超臨界圧変
圧貫流ボイラの構成を示す系統図である。このボイラは
ほぼ鉛直に立つ火炉構造で、下部に燃料と燃焼用空気を
投入して燃焼させるバーナ、空気噴出口等より成る燃焼
設備を備え、火炉下部(11)で発生した燃焼ガスは火
炉周壁に熱吸収されつつ上昇し、火炉上部(10)から
後部煙道(20)へ流れる配置のボイラである。本実施
例では、火炉上部(10)の周壁は蒸気冷却管で構成す
る蒸冷壁(13)、火炉下部(11)の周壁は蒸発管で
構成する水冷壁(3)となっている。
【0014】給水と蒸気の流れについて言えば、後部煙
道(20)に設置された図示しない節炭器の出口から、
火炉入口連絡管(1)を経て火炉下部の水冷壁入口管寄
せ(4)に入った給水は、水冷壁(2)に入って火炉内
の燃焼ガスから熱吸収しつつ上昇し、水冷壁(2)上端
で水冷壁出口管寄せ(5)に集められ、火炉出口連絡管
(6)を経て気水分離器(7)に至る。気水分離器
(7)により分離された蒸気は、蒸冷壁入口連絡管
(8)を経て火炉上部の蒸冷壁入口管寄せ(14)から
蒸冷壁(13)へ流れ、そこで過熱された後、蒸冷壁出
口管寄せ(15)に集められ、過熱器入口連絡管(2
1)により減温器(12)を経て過熱器(17)に向か
う。気水分離器(7)で発生したドレンのうち約半量
は、最初の過熱器(17)の直前の過熱器入口連絡管
(21)に設けられている減温器(12)のスプレイ水
として、ドレン排出管(9)を経て投入され、残り約半
量は次の過熱器(2次)入口に設けられる減温器(2段
目)のスプレイ水として投入されるようになっている。
起動時には、このドレンは循環ポンプ(19)により節
炭器入口給水管に戻される。なお、気水分離器(7)の
ドレンレベルを保つために、ドレンレベル調整弁(1
8)が上記スプレイ水の分岐点前のドレン排出管(9)
に設けられている。
【0015】次に本実施例の火炉特性を従来のボイラと
比較検討する。特に、変圧貫流ボイラで温度アンバラン
スの発生しやすい部分負荷として、 30%負荷における
ケーススタディを行なった結果について説明する。そし
てこの 30%負荷時の各ケースの静特性値を表1に示
す。
【0016】
【表1】
【0017】従来型ボイラにおいては、火炉周壁出口の
エンタルピレベルを 670 kcal/kgとし、約 10℃の過
熱度をもって設計されているが、本実施例では気水を図
5中のc点のエンタルピレベルで火炉周壁蒸発管出口管
寄せを経て気水分離器に導くことを考える。
【0018】検討ケースは、図4において従来ボイラの
周壁蒸発管出口の高さをHとした時に、高さ 0.7Hを周
壁蒸発管出口とした場合であって、この場合の周壁蒸発
管出口流体エンタルピは 570 kcal/kg である。この時
気水分離器においては、蒸発量 365 t/h のうち 99t/
h のドレンが発生する。一方気水分離器で分離された蒸
気は、火炉上部蒸冷壁へ導かれ、そのあと過熱器に向か
う。この時点で蒸冷壁出口における飽和蒸気温度である
310 ℃から 470 ℃へと過熱されている。この検討ケ
ースでは、気水分離器で発生したドレンの半分を過熱器
入口で投入し、残りの半量を1次過熱器出口に投入する
2段階スプレイとした。スプレイ前後の温度は1段目で
470 ℃から 355 ℃、2段目で 470 ℃から 380 ℃
であり、更に過熱器で加熱されて、最終過熱器出口にお
いては 570 ℃の定格温度となるまで過熱されることが
判った。
【0019】上記検討ケースよりも更に火炉下部水冷壁
部を小さく、例えば高さを0.5H程度とした場合につい
て試算すると、その場合は気水分離器における発生ドレ
ン量が蒸発量の約半分を占め、火炉上部蒸冷壁を通過す
る蒸気量が上記検討ケースに比して少ないため、火炉上
部蒸冷壁あるいは1次過熱器出口において、 540 ℃ま
で過熱されてしまう。これは最終過熱器と同じレベルの
温度であり、チューブの材質選定面での問題が生ずるこ
とや、スプレイとして投入するドレン量の比率が高いこ
となど、技術的にも困難が増すので、このような流体エ
ンタルピレベルまで火炉周壁蒸発管出口を下げるより
は、上記検討ケース(すなわち0.7)程度のレベルとす
るのが妥当と考えられる。
【0020】図2は本発明の第2実施例の超臨界圧変圧
貫流ボイラの構成を示す系統図である。本実施例も前記
第1実施例と同様にほぼ鉛直に立つ火炉構造であるが、
バーナ、空気噴出口等より成る燃焼設備を火炉の上部に
備えており、火炉上部で発生した燃焼ガスは火炉周壁に
熱吸収されつつ下降し、火炉下部から後部煙道(20)
へ流れるようになっている。そして上下に分割された火
炉周壁の下部(11)を構成する比較的熱負荷の低い周
壁を蒸冷壁(13)とするとともに、火炉上部(10)
を、出口の流体エンタルピレベルを十分低いウエットな
状態に常に維持できる水冷壁(3)としている。給水、
蒸気の流れ系統については、基本的には図1に示す第1
実施例と同様であり、火炉の上下の水冷壁部と蒸冷壁部
との位置関係に伴う相違がある以外は、系統としてもボ
イラ特性面でも同等であるので説明を省略する。
【0021】本実施例と前記第1実施例とは、上記のと
おり単に配置上あるいはガス流れ上の差異があるだけで
伝熱的には同一であるから、その作用も全く同一であ
る。したがって、火炉周壁出口流体のエンタルピレベル
を常にウエットに維持できるよう、負荷低下時の動特性
をも考慮した火炉出口の流体温度レベルを適正に設定
し、火炉周壁の水冷壁伝熱面積を決定して、残りの熱負
荷の比較的低い火炉周壁は蒸気冷却壁で構成するととも
に、火炉周壁蒸発管出口に気水分離器を設け、発生する
ドレンを過熱器の中段へ1次ないし2次スプレイとして
投入すれば、水冷壁管に熱吸収量の差が多少生じても、
出口部温度は一定の飽和温度となる。その結果、従来発
生している火炉壁メタル温度アンバランスは一切生じな
くなるので、負荷変化に伴なう熱応力の繰り返しによる
火炉耐圧部の寿命消費がなくなり、更に疲労によるボイ
ラの損傷事故等が防止される。
【0022】図3は本発明の第3実施例を示すボイラ系
統図である。本実施例においても、前記第1実施例と同
様火炉下部(11)の水冷壁(3)の気水混合物が水冷
壁出口管寄せ(5)、火炉出口連絡管(6)を経て気水
分離器(7)に入る。その後本実施例では、分離蒸気が
蒸冷壁(13)に直接入らず、低温過熱器入口連絡管
(24)を経て、後部煙道(20)に設置された横置の
低温過熱器(23)に入り、そこで過熱された後、蒸冷
壁入口連絡管(8)、減温器(26)を経て蒸冷壁入口
管寄せ(14)に入る。蒸冷壁(13)で過熱された蒸
気はその出口管寄せより過熱器入口連絡管(21)を経
て過熱器(17)に入るが、その途中に減温器(12)
が設けられている。そして前記気水分離器(7)の分離
ドレンが、上記減温器(12),(26)にスプレイ水
として分配注入されるようになっている。
【0023】この実施例においては、運転・燃焼状態の
変化による火炉下部(11)の水冷壁出口流体のエピタ
ルピレベル(湿り度)が変動した場合に、蒸冷壁(1
3)を通過する蒸気流量が変化することによる蒸冷壁
(13)のメタル温度の過上昇を防止することができ
る。すなわちガスの低温部においた低温過熱器(23)
によってガスの高温部に置いた蒸冷壁(13)を保護す
るのである。なお、この場合、低温過熱器(23)はガ
ス温度が低い後部煙道(20)に設置されているので、
蒸気量が多少変動してもトラブルが発生しないような設
計とすることができる。
【0024】更に本発明の第4実施例として、前記第2
実施例の気水分離器(7)で分離された蒸気を火炉下部
の蒸冷壁(13)に直接には導入せず、後部煙道内の低
温過熱器および減温器を経由した後、蒸冷壁(13)に
導入するようにしたボイラも可能である。この場合も前
記第3実施例と同様の作用効果を得ることができる。
【0025】以上に述べた第1ないし第4実施例のよう
な構成とし、火炉出口流体の流体エンタルピレベルをウ
エットとなるように設定すれば、水冷壁出口部でのメタ
ル温度アンバランスを無くすことができる。ここで「負
荷下げ」の場合のように、動特性や火炉の熱容量による
ヒステリシス特性によって大きな過熱度が生じ、この過
熱度の上昇に伴って温度がアンバランスとなり火炉壁面
内に大きな熱応力が発生する恐れがある。このように負
荷変化に伴う熱応力の繰り返しによって火炉耐圧部の寿
命が消費される可能性があるが、この問題点は次のよう
に処理することにより解決される。
【0026】前記のとおり、火炉出口流体エンタルピレ
ベルを検討ケース程度のレベル設定すれば、火炉上部も
しくは火炉下部の蒸冷壁(13)の出口あるいは一次過
熱器出口の温度が材質アップを要する程上昇することは
なく、また蒸気とスプレイ水の比率もそれ程大きくなく
て技術的に可能な範囲内にあるので、これに見合う水冷
壁伝熱面積を決定し、残余の熱負荷の低い火炉周壁を蒸
冷壁(13)として構成配置して、給水と蒸気の系統を
上記諸実施例のように構成する。そうすると、水冷壁
(3)の出口部で多少の熱吸収の差が生じても、温度は
飽和温度で一定となるから、前記従来の問題点、すなわ
ち火炉周壁メタル温度アンバランス等は一切生じなくな
る。
【0027】
【発明の効果】以上に説明して来たように、本発明は火
炉周壁出口流体のエンタルピレベルを常にウエットに維
持できるよう、動特性(負荷降下時)をも考慮した火炉
出口流体温度レベルを設定の上、火炉周壁の水冷壁伝熱
面積を決定し、残りの熱負荷の比較的低い火炉周壁は蒸
気冷却壁で構成するとともに、火炉周壁蒸発管出口に気
水分離器を設け、発生するドレンは過熱器の中段へ1次
ないし2次スプレイとして投入するので、火炉水冷壁で
多少の熱吸収量の差が生じても、出口部温度は飽和温度
で一定となる。したがって従来発生していた火炉壁メタ
ル温度アンバランスは動特性的(負荷降下時)にも生じ
なくなるので、負荷変化に伴なって発生する熱応力の繰
り返しによる火炉耐圧部の寿命消費がなくなり、更に疲
労によるボイラの損傷事故等が防止される。また、気水
分離器で分離される発生ドレンを過熱器中段へスプレイ
水として投入することによる最終過熱器出口の蒸気条件
への影響は無い。
【0028】そして火炉の配置構成として、燃焼設備を
火炉の下部に設ける場合も上部に設ける場合も、発明に
よる効果は全く同一である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第1実施例に係る超臨界圧変圧
貫流ボイラの構成を示す系統図である。
【図2】図2は本発明の第2実施例に係る超臨界圧変圧
貫流ボイラの構成を示す系統図である。
【図3】図3は本発明の第3実施例に係る超臨界圧変圧
貫流ボイラの構成を示す系統図である。
【図4】図4は本発明に関するケーススタディの対象と
なるモデルボイラの説明図である。
【図5】図5は図4のモデルボイラの火炉静特性データ
である。
【図6】図6は従来の超臨界圧変圧貫流ボイラの構成の
一例を示す系統図である。
【図7】図7は従来の超臨界圧変圧貫流ボイラの火炉特
性の一例を示す図である。
【図8】図8は従来の超臨界圧変圧貫流ボイラの火炉特
性の他の例を示す図である。
【符号の説明】
(1) 火炉入口連絡管 (2) 火炉周壁蒸発管 (3) 水冷壁 (4) 火炉周壁蒸発管入口管寄せ(水冷壁入口管寄
せ) (5) 火炉周壁蒸発管出口管寄せ(水冷壁出口管寄
せ) (6) 火炉出口連絡管 (7) 気水分離器 (8) 蒸冷壁入口連絡管 (9) ドレン排出管 (10) 火炉上部 (11) 火炉下部 (12) 減温器 (13) 蒸冷壁 (14) 蒸冷壁入口管寄せ (15) 蒸冷壁出口管寄せ (17) 過熱器 (18) ドレンレベル調整弁 (19) 循環ポンプ (20) 後部煙道 (21) 過熱器入口連絡管 (22) 火炉 (23) 低温過熱器 (24) 低温過熱器入口連絡管 (26) 減温器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 須藤 隆之 長崎市飽の浦町1番1号 三菱重工業株式 会社長崎造船所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周壁が伝熱管により構成された火炉と、
    同火炉内下部に燃料および燃焼用空気を投入して燃焼さ
    せるバーナとを備え、上記火炉内で発生した燃焼ガスが
    火炉周壁に熱吸収されつつ上昇し上記火炉の上部から後
    部煙道へ流れる超臨界圧変圧貫流ボイラにおいて、上記
    火炉周壁を上下に分割し、上側の周壁を蒸冷壁とすると
    ともに、下側の周壁を亜臨界圧運転時に常に気液二相流
    が存在する水冷壁としたことを特徴とする超臨界圧変圧
    貫流ボイラ。
  2. 【請求項2】 上記下側の周壁の伝熱管出口に設けられ
    た周壁蒸発管出口管寄せが気水分離器の入口に接続さ
    れ、同気水分離器の蒸気出口が上記上側の周壁の伝熱管
    入口に設けられた蒸冷壁入口管寄せに接続されるととも
    に、上記気水分離器のドレン出口が過熱器の上流および
    /または中段に設けられた減温器のスプレイ水入口に接
    続されたことを特徴とする請求項1記載の超臨界圧変圧
    貫流ボイラ。
  3. 【請求項3】 周壁が伝熱管により構成された火炉と、
    同火炉内上部に燃料および燃焼用空気を投入して燃焼さ
    せるバーナとを備え、上記火炉内で発生した燃焼ガスが
    火炉周壁に熱吸収されつつ下降し上記火炉の下部から後
    部煙道へ流れる超臨界圧変圧貫流ボイラにおいて、上記
    火炉周壁を上下に分割し、下側の周壁を蒸冷壁とすると
    ともに、上側の周壁を亜臨界圧運転時に常に気液二相流
    が存在する水冷壁としたことを特徴とする超臨界圧変圧
    貫流ボイラ。
  4. 【請求項4】 上記上側の周壁の伝熱管出口に設けられ
    た周壁蒸発管出口管寄せが気水分離器の入口に接続さ
    れ、同気水分離器の蒸気出口が上記下側の周壁の伝熱管
    入口に設けられた蒸冷壁入口管寄せに接続されるととも
    に、上記気水分離器のドレン出口が過熱器の上流および
    /または中段に設けられた減温器のスプレイ水入口に接
    続されたことを特徴とする請求項3記載の超臨界圧変圧
    貫流ボイラ。
  5. 【請求項5】 上記気水分離器の蒸気出口が、上記蒸冷
    壁入口管寄せに直接ではなく、上記後部煙道に配された
    横置の低温過熱器および上記減温器を順次介して、上記
    蒸冷壁入口管寄せに接続されたことを特徴とする請求項
    2または請求項4記載の超臨界圧変圧貫流ボイラ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102444886A (zh) * 2011-12-19 2012-05-09 清华大学 一种低质量流率垂直水冷壁布置方法
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