JPH08324590A - 詰め替え用プラスチックパック - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 詰め替え用プラスチックパック内に充填され
た液体洗剤等の内容物を所定の容器に詰め替える際に、
その詰め替え作業が容易な詰め替え用プラスチックパッ
クを提供する。 【構成】 プラスチックシートを溶融接着して接着側辺
部２，２の上部側が広幅に形成されたスタンディングパ
ウチ形状に製袋し、一方の接着側辺部２の広幅の部分に
切り口３と共に、上記容器Ｃの開口縁部６に係止される
凹状切り欠き部４を形成して、所定の容器Ｃに詰め替え
る内容物Ｂの詰め替え用プラスチックパックＡを製造す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、手持ちの容器に例えば
液体洗剤等の内容物を詰め替えて使用する際に、その詰
め替え作業が容易な詰め替え用プラスチックパックに関
する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、塩やコーヒー用粉ミルク等の粒状物を詰め替え用プ
ラスチックパックに収納して保存し、これらを使用する
時に手持ちの卓上用容器等に移し替えて利用することが
行われており、近年では、食器用、衣料用液体洗剤、液
体漂白剤、シャンプー、リンス等の液状物についても、
販売時の容器の軽量化、コストダウン、易廃棄性、環境
保護等のために、これらを多層フィルムの詰め替え用プ
ラスチックパックに収納して販売し、使用時に手持ちの
プラスチックボトル等の専用容器に詰め替えることが行
われている。

【０００３】ところで、従来の詰め替え用プラスチック
パックの場合、図２（１）に示すように、詰め替え用プ
ラスチックパックＡの製袋時にプラスチックフィルムを
溶融接着することにより接着側辺部２，２が形成される
が、一方の接着側辺部２には、プラスチックパックＡを
開封する時にハサミ等を使用しないでも済むように、そ
の上端側に切り口３が設けられている。なお、図中の網
目の部分は溶融接着部分を示す。そして、プラスチック
パックＡに充填された内容物Ｂを所定の容器Ｃに移し替
える場合は、図２（２）に示すように上記切り口３の部
分を引っ張ることによりプラスチックパックＡの上部に
開口部５を形成し、その後、図２（３）に示すように上
記一方の接着側辺部２を容器Ｃの開口縁部６に当接させ
た状態で内容物Ｂを容器Ｃ内に注ぎ込む。しかし、この
時、容器Ｃの開口縁部６に当接しているのは上記接着側
辺部２の端辺であり、この部分はプラスチックパックＡ
を製袋するプラスチックシート２枚分の厚さを有するの
みである。そのため、内容物Ｂを容器Ｃ内に注ぎ込む間
にプラスチックパックＡが滑ったり、挫屈することがあ
った。一般に、内容物Ｂを詰め替える専用容器は、その
開口部、即ち内容物Ｂを注ぎ込む部分の口径が小さいの
で、上記のようにプラスチックパックＡが滑ったり、挫
屈すると内容物Ｂが外にこぼれることがあり、その使用
性に改良の余地があった。

【０００４】特に、詰め替え用の内容物が液体洗剤等の
粘性を有するものである場合、内容物をこぼさないため
には容器内に該内容物をゆっくりと注ぎ込まなければな
らない上に、このような粘性液状物は比較的比重が大き
いため、容器注入時にプラスチックパックが容器からよ
り滑り易く、また挫屈も生じ易いので、特に上記の使用
性の改良が望まれている。

【０００５】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、プラスチックパック内に充填された詰め替え用の液
体洗剤等の内容物を所定の容器に詰め替える際に、その
詰め替え作業が容易な詰め替え用プラスチックパックを
提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、少なくとも一辺の溶融接着された接着側辺
部を有し、所定の容器に移し替えて使用される内容物の
詰め替え用プラスチックパックであって、上記接着側辺
部は、その上部側が広幅に形成されており、該広幅の部
分に上記容器の開口縁部に係止される凹状切り欠き部が
形成されたことを特徴とする詰め替え用プラスチックパ
ックを提供する。

【０００７】

【作用】本発明の詰め替え用プラスチックパックは、溶
融接着された接着側辺部にその内容物を移し替える容器
の開口縁部に係止される凹状切り欠き部を形成したこと
により、内容物を所定の容器に詰め替えるに当たり、上
記切り欠き部が容器の開口縁部に当接、係止された状態
で内容物を容器内に注ぎ込むことができる。従って、内
容物を容器内に注ぎ込む間にプラスチックパックが滑っ
たり、挫屈することがない。

【０００８】ここで、上記切り欠き部は、接着側辺部の
上部側が広幅に形成されており、その広幅の部分に形成
されるため、切り欠き部の形成が容易で、且つその切り
欠き部の周辺は溶融接着により補強されているので、詰
め替え用プラスチックパックの破損を防ぐことができ
る。

【０００９】特に、切り欠き部の底部両隅部を丸味を帯
びて形成することにより、切り欠き部の形成が容易で、
開口縁部に係止、当接させ易くなる上に、切り欠き部の
底部両隅部に切り裂け易い鋭角の部分がなく、内容物を
保存、運搬時にその切り欠き部から接着側辺部が裂け
て、プラスチックパックが破れるという事態を防ぐこと
ができる。また、容器が例えば肉厚や肉薄の容器、その
開口縁部の形状が丸味を帯びたものや先細のもの等、種
々の形状の容器であっても対応し易くなる。

【００１０】更に、本発明の詰め替え用プラスチックパ
ックの上記接着側辺部の上端側に切り口を設けておき、
切り欠き部をその下方に設けると、内容物を容器に詰め
替える場合、上記切り口の部分を引っ張ることによりハ
サミ等を使用しないで詰め替え用プラスチックパックを
開封することができ、開封後は、切り欠き部を容器の開
口縁部に係止、当接させて内容物を容器内に注ぎ込むこ
とができる。

【００１１】本発明の詰め替え用プラスチックパック
は、塩やコーヒー用粉ミルク等の粒状物、液体洗剤，液
体漂白剤，醤油，めん類のつゆ等の液状物、ソース等の
半液状物等、種々の状態の物をその内容物とすることが
できるが、内容物が上述したように、その粘性の故に詰
め替え作業に時間を要する衣料用・食器用液体洗剤、シ
ャンプー、リンス等の粘性液状物である場合、これらの
粘性液状物を専用容器内に注ぎ込む間にプラスチックパ
ックが滑ったり、挫屈することがないので、特に内容物
の容器内への詰め替え作業が容易となり、また内容物が
その注入時にこぼれるという事態を防止することができ
る。

【００１２】本発明の詰め替え用プラスチックパック
は、購入後にその内容物を所定のガラスビンやプラスチ
ックボトルや卓上容器等に詰め替えて使用することによ
り、販売時の容器の軽量化、コストダウン、易廃棄性、
環境保護が図られる。

【００１３】

【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて
説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるもので
はない。

【００１４】図１は、本発明の実施例に係る詰め替え用
プラスチックパックＡの構成及び使用方法を説明するも
のである。この詰め替え用プラスチックパックＡは、溶
融接着によりガスカート状の底部１と、接着側辺部２，
２が形成されたスタンディングパウチ形状のものであ
り、内容物Ｂとして詰め替え用の食器用液体洗剤が充填
されている。そして、その周囲は溶融接着により完全に
密閉されており、接着側辺部２，２の上部側は下側に比
べて２〜６倍、より好ましくは３〜４倍広幅に接着され
ており、一方の接着側辺部２の上端側には、接着側辺部
２の外端から幅方向（内方向）に向けて切り込みが形成
されることにより切り口３が設けられている。この切り
口３の下方には、凹状の切り欠き部４が形成されてい
る。この切り欠き部４は、深さが５〜２０ｍｍで、その
底部両隅部４ａ，４ｂがそれぞれ丸味を帯びて形成され
ている。なお、図中の網目の部分は溶融接着された部分
を示している。

【００１５】上記構成の詰め替え用プラスチックパック
Ａの製袋方法を以下に説明する。

【００１６】本実施例の詰め替え用プラスチックパック
Ａを構成するプラスチックフィルムは、溶融接着が可能
な公知のものを使用することができ、例えばポリプロピ
レン（ＰＰ），ポリエチレンテレフタレート（ＰＥ
Ｔ），ポリエチレン（ＰＥ），ナイロン，ポリ塩化ビニ
ル（ＰＶＣ），エチレン−酢酸ビニル共重合体（ＥＶ
Ａ），ポリ塩化ビニリデン（ＰＶＤＣ）等の単体フィル
ム、例えばＰＥＴ，ＰＥ，ナイロン等を基材としてアル
ミを真空蒸着した蒸着フィルム、例えばＰＥＴ／無延伸
ＰＰ，ナイロン／無延伸ＰＰ，２軸延伸ＰＥＴ／アルミ
箔／ＰＰ，２軸延伸ナイロン／アルミ箔／ＰＰ，２軸延
伸ＰＥＴ／アルミ箔／２軸延伸ナイロン／ＰＥ，２軸延
伸ＰＥＴ／１軸延伸ＰＥ／アルミ箔／ＰＰ等の多層フィ
ルムなどが好適に用いられるが、詰め替え用プラスチッ
クパックＡの保形性や破損強度を考慮すれば、これらの
中でも特に、２軸延伸ナイロン／アルミ箔／ＰＰ，２軸
延伸ＰＥＴ／アルミ箔／２軸延伸ナイロン／ＰＥが好ま
しい。

【００１７】そして、上記プラスチックフィルムをイン
パルスシール、溶断シール又は熱板シール等の溶融接着
手段により、図１の例においては上辺のみが開口したス
タンディングパウチ形状に製袋する。なお、詰め替え用
プラスチックパックＡは、スタンディングパウチ形状に
限られることなく、必要に応じて偏平長方形等の種々の
形状に製袋することができる。

【００１８】次に、一方の接着側辺部２の上端側に切り
口３を切り込み、更に切り口３の下方に切り欠き部４を
形成する。又は、予め上記プラスチックフィルムを切り
欠き部の形状に切り欠いておき、溶融接着して接着側辺
部２を形成すると同時に、切り欠き部４を開設しても良
い。なお、切り口３と切り欠き部４との距離は、内容物
Ｂを移し替える容器Ｃの開口部の口径に合わせて適宜選
択することができる。

【００１９】なお、本発明の場合は接着側辺部２の上部
側が下側に比べて広幅に形成されているので、上記のよ
うに簡単に切り欠き部４を開設することができるが、接
着側辺部２を上から下まで通常の幅で一直線に溶融接着
して形成し、切り欠き部４の深さを接着側辺部２の幅よ
り大きくしてしまうと、切り欠き部４の形状に合わせて
その周囲を別個に溶融接着する必要が生じ、製袋工程が
煩雑になる。また、切り欠き部の両隅部が鋭角を有する
形状とすると、詰め替え用プラスチックパックＡがその
部分から裂けて破損し易くなる。

【００２０】上記のように切り口３と切り欠き部４を形
成したプラスチックパックＡ内に内容物Ｂを注入した後
に、プラスチックパックＡの上辺開口部を上記溶融接着
手段により接着し、詰め替え用食器用液体洗剤を充填し
た詰め替え用プラスチックパックＡを得る。

【００２１】そして、詰め替え用プラスチックパックＡ
に充填された内容物Ｂを専用の容器Ｃに移し替える場合
は、図１（２）に示すように上記切り口３の部分を横方
向に引っ張ることにより詰め替え用プラスチックパック
Ａの上部に開口部５を形成し、その後、図１（３）に示
すように上記切り欠き部４の湾曲した上隅部４ａを容器
Ｃの開口縁部６に係止させ、容器Ｃ内への内容物Ｂの注
入を開始する。ここで、注入開始時には内容液Ｂが詰め
替え用プラスチックパックＡ内の上部まで満ちているの
で、詰め替え用プラスチックパックＡの傾きは小さくな
り、切り欠き部４の上隅部４ａが容器Ｃの開口縁部６に
係止されているが、注入作業が進むつれて詰め替え用プ
ラスチックパックＡの傾きは大きくなっていき、それに
つれて切り欠き部４の係止位置は上隅部４ａの湾曲に従
って下方に移動して下隅部４ｂへとスライドしていき、
注入最終時には下隅部４ｂが容器Ｃの開口縁部６に係止
される。従って、内容物Ｂを容器Ｃ内に注ぎ込む間中、
詰め替え用プラスチックパックＡはその切り欠き部４の
上隅部４ａと下隅部４ｂとの間で容器Ｃの開口縁部６に
係止されているので、内容物Ｂの注入中に詰め替え用プ
ラスチックパックＡが容器Ｃの開口縁部６から滑った
り、挫屈して内容物Ｂが外にこぼれることがなくなる。

【００２２】

【発明の効果】本発明の詰め替え用プラスチックパック
によれば、プラスチックパック内に充填された液体洗剤
等の内容物を所定の容器に詰め替える際に、その詰め替
え作業が容易となり、特に粘性液状物の場合に有用であ
る。

【００２３】本発明の詰め替え用プラスチックパック
に、例えば食器用・衣料用液体洗剤，シャンプー，リン
ス，塩，醤油等を充填し、これらの内容物の保存、運搬
に利用すれば、販売時の容器の軽量化、コストダウン、
易廃棄性、環境保護を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係る詰め替え用プラスチック
パックの説明図で、（１）は内容物保存時の状態、
（２）はパック開封状態、（３）は内容物の詰め替え作
業状態を示す。

【図２】従来の詰め替え用プラスチックパックの説明図
で、（１）は内容物保存時の状態、（２）はパック開封
状態、（３）は内容物の詰め替え作業状態を示す。

【符号の説明】

Ａ 詰め替え用プラスチックパック Ｂ 内容物 Ｃ 容器 ２ 接着側辺部 ３ 切り口 ４ 切り欠き部 ４ａ 上隅部 ４ｂ 下隅部 ６ 開口縁部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 少なくとも一辺の溶融接着された接着側
   辺部を有し、所定の容器に詰め替えて使用される内容物
   の詰め替え用プラスチックパックであって、上記接着側
   辺部は、その上部側が広幅に形成されており、該広幅の
   部分に上記容器の開口縁部に係止される凹状切り欠き部
   が形成されたことを特徴とする詰め替え用プラスチック
   パック。
2. 【請求項２】 上記切り欠き部の底部両隅部を丸味を帯
   びて形成した請求項１記載の詰め替え用プラスチックパ
   ック。
3. 【請求項３】 上記詰め替え用プラスチックパックは上
   記接着側辺部の上端側に切り口を有し、上記切り欠き部
   は上記切り口の下方に形成されている請求項１又は２記
   載の詰め替え用プラスチックパック。