JPH08311373A - 抗菌性被膜用光硬化性組成物 - Google Patents
抗菌性被膜用光硬化性組成物Info
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- JPH08311373A JPH08311373A JP12208095A JP12208095A JPH08311373A JP H08311373 A JPH08311373 A JP H08311373A JP 12208095 A JP12208095 A JP 12208095A JP 12208095 A JP12208095 A JP 12208095A JP H08311373 A JPH08311373 A JP H08311373A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 (A)テトラエチレングリコールジアクリレ
ート等の多官能性アクリレート系重合性単量体を10重
量%以上含むアクリレート系重合性単量体100重量部
に対して、(B)硝酸銀等の銀塩0.001〜0.5重
量部(銀換算値として)、並びに(C)光重合開始剤
0.1〜5重量部を含有してなる抗菌性被膜用光硬化性
組成物。 【効果】 本発明の抗菌性被膜用光硬化性組成物は、基
材上にコーティングした後、光、特に紫外線を照射する
ことによって、簡便に抗菌性の被膜を形成することがで
きる。更に、そのようにして得られた被膜は、高い抗菌
性を示すだけでなく、膜強度、密着性、透明性、滑択性
等の性質も優れている。また、銀イオンは一般に光、水
分、酸、アルカリ等に対して不安定であるため、抗菌性
被膜用光硬化性組成物の保存安定性に問題があったが、
該組成物中の水の含有率を1000ppm以下とするこ
とによって、上記の保存安定性の問題点を改善できる。
ート等の多官能性アクリレート系重合性単量体を10重
量%以上含むアクリレート系重合性単量体100重量部
に対して、(B)硝酸銀等の銀塩0.001〜0.5重
量部(銀換算値として)、並びに(C)光重合開始剤
0.1〜5重量部を含有してなる抗菌性被膜用光硬化性
組成物。 【効果】 本発明の抗菌性被膜用光硬化性組成物は、基
材上にコーティングした後、光、特に紫外線を照射する
ことによって、簡便に抗菌性の被膜を形成することがで
きる。更に、そのようにして得られた被膜は、高い抗菌
性を示すだけでなく、膜強度、密着性、透明性、滑択性
等の性質も優れている。また、銀イオンは一般に光、水
分、酸、アルカリ等に対して不安定であるため、抗菌性
被膜用光硬化性組成物の保存安定性に問題があったが、
該組成物中の水の含有率を1000ppm以下とするこ
とによって、上記の保存安定性の問題点を改善できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、銀塩を抗菌剤として含
んだ光硬化性のアクリレート系重合性単量体よりなる抗
菌性被膜用光硬化性組成物に関するものである。
んだ光硬化性のアクリレート系重合性単量体よりなる抗
菌性被膜用光硬化性組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、抗菌性や防かび性を付与した製品
が注目されている。その中でも、銀イオンを有効成分と
した抗菌剤を添加した樹脂成型品やフィルムなどが抗菌
性能、安全性の面で優れており、既に実用化されてい
る。
が注目されている。その中でも、銀イオンを有効成分と
した抗菌剤を添加した樹脂成型品やフィルムなどが抗菌
性能、安全性の面で優れており、既に実用化されてい
る。
【0003】例えば、特開昭63−265958号に
は、銀、銅及び亜鉛イオンを含有した抗菌性ゼオライト
を練り込んだ抗菌性樹脂組成物が開示されている。この
ような抗菌性粉末を練り込んだ樹脂製品では、抗菌性粉
末が高価なため大型の成型品を作る場合にはコスト高に
なること、並びに樹脂が着色したり、抗菌性が不十分だ
ったりするという問題があった。
は、銀、銅及び亜鉛イオンを含有した抗菌性ゼオライト
を練り込んだ抗菌性樹脂組成物が開示されている。この
ような抗菌性粉末を練り込んだ樹脂製品では、抗菌性粉
末が高価なため大型の成型品を作る場合にはコスト高に
なること、並びに樹脂が着色したり、抗菌性が不十分だ
ったりするという問題があった。
【0004】これに対して、樹脂成型品などの表面に抗
菌性の被膜や塗膜を形成する方法も知られている。抗菌
性の被膜や塗膜を形成する方法は、前述の抗菌性粉末を
練り込んだ樹脂製品に比べて、コスト的に有利であり、
しかも一般に被膜や塗膜はその厚みが薄いため着色の問
題も少ないと予想される。例えば、特開昭60−202
162号には、銀、銅及び亜鉛イオンを含有した抗菌性
ゼオライト系固体粒子を含有してなる防腐、防かび性の
塗料組成物が開示されている。特開平5−117585
号には、有機酸銅、もしくは、有機酸銀を含有したポリ
ウレタン系の抗菌性樹脂塗料が開示されている。特開平
6−107972号には、紫外線硬化塗料の中に、抗
菌、抗かび性の無機質ゲルに銀イオンを含有した表面積
の大きい微粒子を混合した抗菌性塗料組成物が開示され
ている。特開平6−264008号には、アルコキシシ
ランの加水分解物と、抗菌性を有する銀の塩よりなる防
藻性透明塗膜形成用塗布液組成物が開示されている。ま
た、我々は、特定の銀錯体よりなる抗菌剤を用いた抗菌
性塗料組成物や抗菌性被膜用組成物を既に提案した。
菌性の被膜や塗膜を形成する方法も知られている。抗菌
性の被膜や塗膜を形成する方法は、前述の抗菌性粉末を
練り込んだ樹脂製品に比べて、コスト的に有利であり、
しかも一般に被膜や塗膜はその厚みが薄いため着色の問
題も少ないと予想される。例えば、特開昭60−202
162号には、銀、銅及び亜鉛イオンを含有した抗菌性
ゼオライト系固体粒子を含有してなる防腐、防かび性の
塗料組成物が開示されている。特開平5−117585
号には、有機酸銅、もしくは、有機酸銀を含有したポリ
ウレタン系の抗菌性樹脂塗料が開示されている。特開平
6−107972号には、紫外線硬化塗料の中に、抗
菌、抗かび性の無機質ゲルに銀イオンを含有した表面積
の大きい微粒子を混合した抗菌性塗料組成物が開示され
ている。特開平6−264008号には、アルコキシシ
ランの加水分解物と、抗菌性を有する銀の塩よりなる防
藻性透明塗膜形成用塗布液組成物が開示されている。ま
た、我々は、特定の銀錯体よりなる抗菌剤を用いた抗菌
性塗料組成物や抗菌性被膜用組成物を既に提案した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらの抗菌性の被膜
や塗膜を形成する方法では、樹脂成型品の内部にまで抗
菌剤を練り込まないので高価な抗菌剤の使用量が減らせ
るという利点があるが、以下に述べるような問題点が残
されている。
や塗膜を形成する方法では、樹脂成型品の内部にまで抗
菌剤を練り込まないので高価な抗菌剤の使用量が減らせ
るという利点があるが、以下に述べるような問題点が残
されている。
【0006】抗菌性ゼオライト系固体粒子や無機質ゲル
に銀イオンを含有した表面積の大きい微粒子といった無
機粉末よりなる抗菌剤を用いる抗菌性被膜や塗料組成物
では、無機粉末の凝集や作製した被膜や塗膜の滑択性や
透明性に問題がある。ポリウレタン系の抗菌性樹脂塗料
やアルコキシシラン系の防藻性透明塗膜形成用塗布液組
成物などでは、膜の硬化に加熱を必要とする点で、工業
的には生産性が悪いという問題が指摘される。
に銀イオンを含有した表面積の大きい微粒子といった無
機粉末よりなる抗菌剤を用いる抗菌性被膜や塗料組成物
では、無機粉末の凝集や作製した被膜や塗膜の滑択性や
透明性に問題がある。ポリウレタン系の抗菌性樹脂塗料
やアルコキシシラン系の防藻性透明塗膜形成用塗布液組
成物などでは、膜の硬化に加熱を必要とする点で、工業
的には生産性が悪いという問題が指摘される。
【0007】また、銀イオンは一般に光、特に紫外線や
水分、酸、アルカリ等に対して不安定であるため、抗菌
性被膜用光硬化性組成物の保存安定性にも問題があっ
た。抗菌剤を添加した被膜用組成物は、時間の経過と共
に銀イオンが酸化や還元を受けて、銀や酸化銀のコロイ
ドが生成し、該組成物が着色することが多い。このよう
な銀や酸化銀のコロイドが生成した抗菌性被膜用光硬化
性組成物は、均一な被膜を形成できたとしても抗菌性能
が低下したり、場合によっては、該組成物が相分離を起
こし、均一な被膜を形成できなくなったりする場合があ
った。
水分、酸、アルカリ等に対して不安定であるため、抗菌
性被膜用光硬化性組成物の保存安定性にも問題があっ
た。抗菌剤を添加した被膜用組成物は、時間の経過と共
に銀イオンが酸化や還元を受けて、銀や酸化銀のコロイ
ドが生成し、該組成物が着色することが多い。このよう
な銀や酸化銀のコロイドが生成した抗菌性被膜用光硬化
性組成物は、均一な被膜を形成できたとしても抗菌性能
が低下したり、場合によっては、該組成物が相分離を起
こし、均一な被膜を形成できなくなったりする場合があ
った。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決すべく鋭意検討した結果、アクリレート系重合
性単量体を主成分とし、抗菌剤として銀塩を用いること
によって、滑択性や透明性に優れ、且つ保存安定性にも
優れた抗菌性被膜用光硬化性組成物を見いだし、本発明
を完成するに至った。
点を解決すべく鋭意検討した結果、アクリレート系重合
性単量体を主成分とし、抗菌剤として銀塩を用いること
によって、滑択性や透明性に優れ、且つ保存安定性にも
優れた抗菌性被膜用光硬化性組成物を見いだし、本発明
を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明は、(A)多官能性アクリレ
ート系重合性単量体を10重量%以上含むアクリレート
系重合性単量体よりなる樹脂成分100重量部に対し
て、(B)銀塩0.001〜0.5重量部(銀換算値と
して)、並びに(C)光重合開始剤0.1〜5重量部を
含有してなる抗菌性被膜用光硬化性組成物である。
ート系重合性単量体を10重量%以上含むアクリレート
系重合性単量体よりなる樹脂成分100重量部に対し
て、(B)銀塩0.001〜0.5重量部(銀換算値と
して)、並びに(C)光重合開始剤0.1〜5重量部を
含有してなる抗菌性被膜用光硬化性組成物である。
【0010】本発明で用いられる銀塩は、銀イオンを放
出しうる銀塩であれば特に制限されない。具体的には、
硝酸銀、酢酸銀、過塩素酸銀等の銀塩が例示できる。こ
れらの銀塩はそれ自身は固体であるが、エタノールやイ
ソプロパノールなどのアルコール類、ジエチルエーテル
などのエーテル類、アセトンなどのケトン類等の溶媒に
溶解させることによって、液状物として用いることがで
きる。
出しうる銀塩であれば特に制限されない。具体的には、
硝酸銀、酢酸銀、過塩素酸銀等の銀塩が例示できる。こ
れらの銀塩はそれ自身は固体であるが、エタノールやイ
ソプロパノールなどのアルコール類、ジエチルエーテル
などのエーテル類、アセトンなどのケトン類等の溶媒に
溶解させることによって、液状物として用いることがで
きる。
【0011】さらに、銀塩として公知の銀錯体を用いる
ことができる。銀錯体はそれ自身が液体であるか、また
はアルコールなどの溶媒に溶解しやすいという特徴があ
る。該銀錯体は、一般に金属配位基を有する配位子が銀
に配位して塩の状態で存在する。
ことができる。銀錯体はそれ自身が液体であるか、また
はアルコールなどの溶媒に溶解しやすいという特徴があ
る。該銀錯体は、一般に金属配位基を有する配位子が銀
に配位して塩の状態で存在する。
【0012】配位子中の金属配位基の好適な代表例とし
て、H2N−、CH3N(H)−、2−ピリジル基、2−
ピロリル基、2−キノリル基、イミダゾイル基、HS
ー、CH3Sー、2ーチエニル基、HOOCー等の単座
配位子;H2N(CH2)2NH−、H2N(CH2)3NH
−、4−(2、2’−ビピリジル)基、5−(1、10
−フェナントロリル)基、HS(CH2)2Sー、5(8
ーヒドロキシキノリル)基等の二座配位可能なもの;H
2N(CH2)2NH(CH2)2NH−等の三座配位可能
なもの等を示すことができる。
て、H2N−、CH3N(H)−、2−ピリジル基、2−
ピロリル基、2−キノリル基、イミダゾイル基、HS
ー、CH3Sー、2ーチエニル基、HOOCー等の単座
配位子;H2N(CH2)2NH−、H2N(CH2)3NH
−、4−(2、2’−ビピリジル)基、5−(1、10
−フェナントロリル)基、HS(CH2)2Sー、5(8
ーヒドロキシキノリル)基等の二座配位可能なもの;H
2N(CH2)2NH(CH2)2NH−等の三座配位可能
なもの等を示すことができる。
【0013】このうち、取扱操作性などを考慮すると、
H2N−、H2N(CH2)NH−、H2N(CH2)2NH
(CH2)2NH−、ピリジル基、2−キノリル基、イミ
ダゾイル基等が特に好ましい。
H2N−、H2N(CH2)NH−、H2N(CH2)2NH
(CH2)2NH−、ピリジル基、2−キノリル基、イミ
ダゾイル基等が特に好ましい。
【0014】上記金属配位基を分子内に有した化合物
(配位子)を具体的に例示すると、ピリジン、2ービニ
ルピリジン、4ービニルピリジン、2ーピリジルメタノ
ール、2ーピリジンカルボン酸、イミダゾール、1ービ
ニルイミダゾール、4、5ーイミダゾールジカルボン
酸、キノリン、2ービニルキノリン、6ーキノリンカル
ボン酸、キノキサリン、アリルアミン、エチレンジアミ
ン、N、Nージエチルエチレンジアミン、パラーフェニ
レンジアミン、2、2’ービピリジン、ジエチレントリ
アミン、アリル尿素、アクリルアミド、ジメチルアミノ
エチルメタクリレート、メタクリル酸アミド等が挙げら
れる。
(配位子)を具体的に例示すると、ピリジン、2ービニ
ルピリジン、4ービニルピリジン、2ーピリジルメタノ
ール、2ーピリジンカルボン酸、イミダゾール、1ービ
ニルイミダゾール、4、5ーイミダゾールジカルボン
酸、キノリン、2ービニルキノリン、6ーキノリンカル
ボン酸、キノキサリン、アリルアミン、エチレンジアミ
ン、N、Nージエチルエチレンジアミン、パラーフェニ
レンジアミン、2、2’ービピリジン、ジエチレントリ
アミン、アリル尿素、アクリルアミド、ジメチルアミノ
エチルメタクリレート、メタクリル酸アミド等が挙げら
れる。
【0015】ところで、上記配位子には、前記の金属配
位基と共に分子内に重合性不飽基を有していても良い。
重合性不飽基を具体的に例示すると、ビニル基、アリル
基、アクリル基、メタクリル基等が挙げられる。
位基と共に分子内に重合性不飽基を有していても良い。
重合性不飽基を具体的に例示すると、ビニル基、アリル
基、アクリル基、メタクリル基等が挙げられる。
【0016】金属配位基と共に分子内に重合性不飽和基
を有する配位子の代表例を具体的に挙げれば、2−ビニ
ルピリジン(以下、2VPYという)、4−ビニルピリ
ジン(以下、4VPYという)、1−ビニルイミダゾー
ル(以下、1VIMDという)、2ービニルキノリン、
アリルアミン(以下、ALAという)、アリル尿素、ア
クリルアミド、ジメチルアミノエチルメタクリレート、
メタクリル酸アミド等がある。
を有する配位子の代表例を具体的に挙げれば、2−ビニ
ルピリジン(以下、2VPYという)、4−ビニルピリ
ジン(以下、4VPYという)、1−ビニルイミダゾー
ル(以下、1VIMDという)、2ービニルキノリン、
アリルアミン(以下、ALAという)、アリル尿素、ア
クリルアミド、ジメチルアミノエチルメタクリレート、
メタクリル酸アミド等がある。
【0017】当該配位子が配位する銀(塩)としては、
硝酸銀、酢酸銀、過塩素酸銀等の銀塩等が例示できる。
硝酸銀、酢酸銀、過塩素酸銀等の銀塩等が例示できる。
【0018】具体的に銀錯体を例示すると、[Ag(2
VPY)2]NO3、[Ag(4VPY)2]NO3、[A
g(1VIMD)2]NO3、[Ag(ALA)2]NO3
等の銀錯体が例示できる。
VPY)2]NO3、[Ag(4VPY)2]NO3、[A
g(1VIMD)2]NO3、[Ag(ALA)2]NO3
等の銀錯体が例示できる。
【0019】上述のように、銀錯体が重合性不飽和基を
有することによって、抗菌性被膜中の主成分であるアク
リレート系重合性単量体と共重合するため、該被膜中に
化学的に固定され、該被膜は持続性の高い抗菌性を示
す。また、アクリレート系重合性単量体を主成分とする
被膜成分と銀錯体の相溶性が高いため、該銀錯体は該抗
菌性被膜中に分子オーダーで均一に分散するので、銀錯
体の濃度が高い場合でも変色し難く、耐候性も優れると
いう特徴がある。
有することによって、抗菌性被膜中の主成分であるアク
リレート系重合性単量体と共重合するため、該被膜中に
化学的に固定され、該被膜は持続性の高い抗菌性を示
す。また、アクリレート系重合性単量体を主成分とする
被膜成分と銀錯体の相溶性が高いため、該銀錯体は該抗
菌性被膜中に分子オーダーで均一に分散するので、銀錯
体の濃度が高い場合でも変色し難く、耐候性も優れると
いう特徴がある。
【0020】本発明で用いられるアクリレート系重合性
単量体としては、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)
アクリレート、2ーヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、2ーヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエトキ
シエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレート、メチルトリグリコール(メ
タ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グ
リシジルメタクリレート、シアノエチルアクリレート、
ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノ
エチルメタクリレート、メタアクリロキシエチルホスフ
ェート等のアクリレート或はメタクリレート重合性単量
体が例示される。 本発明で用いられる多官能性アクリ
レート系重合性単量体とは、アクリル基、メタクリル基
等の重合性不飽和基を2個以上有する重合性単量体を云
い、具体的にはエチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、1、6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、2、ビス(4ーアクリロキシポリエトキシフェニ
ル)プロパン、ネオペンチルグリコールジアクリレー
ト、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレ
ングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコー
ルジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジ
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール#60
0ジ(メタ)アクリレート等の2官能性アクリレート系
重合性単量体、トリメチロールプロパントリ(メタ)ア
クリレート、グリセロールトリアクリレート、ペンタエ
リスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトール
テトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサア
クリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソ
シアヌレート等のジ(メタ)アクリレート、トリ(メ
タ)アクリレート、テトラ(メタ)アクリレート、ペン
タ(メタ)アクリレート、ヘキサ(メタ)アクリレート
等の3官能又はそれ以上のアクリレート或はメタクリレ
ート重合性単量体が挙げられる。
単量体としては、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)
アクリレート、2ーヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、2ーヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエトキ
シエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレート、メチルトリグリコール(メ
タ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グ
リシジルメタクリレート、シアノエチルアクリレート、
ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノ
エチルメタクリレート、メタアクリロキシエチルホスフ
ェート等のアクリレート或はメタクリレート重合性単量
体が例示される。 本発明で用いられる多官能性アクリ
レート系重合性単量体とは、アクリル基、メタクリル基
等の重合性不飽和基を2個以上有する重合性単量体を云
い、具体的にはエチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、1、6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、2、ビス(4ーアクリロキシポリエトキシフェニ
ル)プロパン、ネオペンチルグリコールジアクリレー
ト、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレ
ングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコー
ルジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジ
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール#60
0ジ(メタ)アクリレート等の2官能性アクリレート系
重合性単量体、トリメチロールプロパントリ(メタ)ア
クリレート、グリセロールトリアクリレート、ペンタエ
リスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトール
テトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサア
クリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソ
シアヌレート等のジ(メタ)アクリレート、トリ(メ
タ)アクリレート、テトラ(メタ)アクリレート、ペン
タ(メタ)アクリレート、ヘキサ(メタ)アクリレート
等の3官能又はそれ以上のアクリレート或はメタクリレ
ート重合性単量体が挙げられる。
【0021】本発明の抗菌性被膜用光硬化性組成物にお
いては、上記の多官能性アクリレート系重合性単量体を
10重量%以上含むアクリレート系重合性単量体を樹脂
成分とすることが必須である。さらに好ましくは、多官
能性アクリレート系重合性単量体を30重量%以上含む
ことが望ましい。多官能性アクリレート系重合性単量体
の含有率が10重量%よりも少ない場合には、被膜の架
橋密度が足りないため、重合不良や被膜の強度が不足す
る。
いては、上記の多官能性アクリレート系重合性単量体を
10重量%以上含むアクリレート系重合性単量体を樹脂
成分とすることが必須である。さらに好ましくは、多官
能性アクリレート系重合性単量体を30重量%以上含む
ことが望ましい。多官能性アクリレート系重合性単量体
の含有率が10重量%よりも少ない場合には、被膜の架
橋密度が足りないため、重合不良や被膜の強度が不足す
る。
【0022】上記単量体の他にも樹脂成分中には、ポリ
エステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタ
ンアクリレート、シリコンアクリレート等のアクリル系
のポリマ−やオリゴマーを含んでいても良い。これらの
ポリマーやオリゴマーは、該組成物の粘度を調節した
り、重合度を上げたり、または基材との密着性を上げる
などの目的で添加される場合がある。樹脂成分中におけ
る上記ポリマ−やオリゴマーの比率は0〜50重量%の
範囲である。
エステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタ
ンアクリレート、シリコンアクリレート等のアクリル系
のポリマ−やオリゴマーを含んでいても良い。これらの
ポリマーやオリゴマーは、該組成物の粘度を調節した
り、重合度を上げたり、または基材との密着性を上げる
などの目的で添加される場合がある。樹脂成分中におけ
る上記ポリマ−やオリゴマーの比率は0〜50重量%の
範囲である。
【0023】本発明で用いられる光重合開始剤として
は、2、2ージエトキシアセトフェノン、ベンジルジメ
チルケタール、ベンゾフェノン、oーベンゾイル安息香
酸メチル、ビス(4ージメチルアミノフェニル)ケト
ン、1、2ージフェニルエタンジオン、2ーフェニルー
2ーヒドロキシーアセトフェノン、ベンゾインメチルエ
ーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプ
ロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、4’
ーイソプロピルー2ーヒドロキシー2ーメチループロピ
オフェノン、2ーヒドロキシー2ーメチループロピオフ
ェノン、チオキサントン、2ーメチルチオキサントン、
1ーヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等の近紫
外域(300〜450nm)の光を照射することによっ
てラジカルを発生させるものが例示できる。この他に、
光増感助剤として、N,N−ジメチル−p−トルイジ
ン、トリブチルアミン、N−メチルジエタノールアミ
ン、p−ジメチルアミノベンゾイックアシッドエチルエ
ステル等の第3級アミン類やアントラキノン、5ーニト
ロフルオレン、5ーニトロアセナフテン等を併用するこ
ともできる。
は、2、2ージエトキシアセトフェノン、ベンジルジメ
チルケタール、ベンゾフェノン、oーベンゾイル安息香
酸メチル、ビス(4ージメチルアミノフェニル)ケト
ン、1、2ージフェニルエタンジオン、2ーフェニルー
2ーヒドロキシーアセトフェノン、ベンゾインメチルエ
ーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプ
ロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、4’
ーイソプロピルー2ーヒドロキシー2ーメチループロピ
オフェノン、2ーヒドロキシー2ーメチループロピオフ
ェノン、チオキサントン、2ーメチルチオキサントン、
1ーヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等の近紫
外域(300〜450nm)の光を照射することによっ
てラジカルを発生させるものが例示できる。この他に、
光増感助剤として、N,N−ジメチル−p−トルイジ
ン、トリブチルアミン、N−メチルジエタノールアミ
ン、p−ジメチルアミノベンゾイックアシッドエチルエ
ステル等の第3級アミン類やアントラキノン、5ーニト
ロフルオレン、5ーニトロアセナフテン等を併用するこ
ともできる。
【0024】本発明の各構成成分の配合比率は、(A)
の多官能性アクリレート系重合性単量体を10重量%以
上含むアクリレート系重合性単量体よりなる樹脂成分1
00重量部に対して、(B)の銀塩を0.001〜0.
5重量部(銀換算値として)、(C)の光重合開始剤を
0.1〜5重量部である。
の多官能性アクリレート系重合性単量体を10重量%以
上含むアクリレート系重合性単量体よりなる樹脂成分1
00重量部に対して、(B)の銀塩を0.001〜0.
5重量部(銀換算値として)、(C)の光重合開始剤を
0.1〜5重量部である。
【0025】(B)の銀塩の配合比率は、抗菌性を発揮
する範囲内であれば、特に限定されるものではなく、経
済性、環境への汚染などを勘案して適宜決定することが
できる。しかしながら、抗菌性被膜中の銀イオンの濃度
は、高ければ高いほど抗菌性能も高くなるが、抗菌性被
膜が着色し易くなる傾向も見られる。また、経済性、環
境への配慮等を勘案すると銀イオンの濃度はなるべく低
く抑えた方が良い。したがって、(B)の銀塩の配合比
率は、(A)100重量部に対して、銀換算した重量比
で0.001〜0.5重量部の範囲、好ましくは0.0
05〜0.1重量部、さらに好ましくは0.01〜0.
05重量部の範囲が特に好ましい。なお、抗菌性を示す
金属イオンとしては、銀イオンの他にも、銅イオンや亜
鉛イオンなどが知られている。このような銀イオン以外
の抗菌性金属イオンを放出する金属塩を併用することは
何ら差し支えがない。
する範囲内であれば、特に限定されるものではなく、経
済性、環境への汚染などを勘案して適宜決定することが
できる。しかしながら、抗菌性被膜中の銀イオンの濃度
は、高ければ高いほど抗菌性能も高くなるが、抗菌性被
膜が着色し易くなる傾向も見られる。また、経済性、環
境への配慮等を勘案すると銀イオンの濃度はなるべく低
く抑えた方が良い。したがって、(B)の銀塩の配合比
率は、(A)100重量部に対して、銀換算した重量比
で0.001〜0.5重量部の範囲、好ましくは0.0
05〜0.1重量部、さらに好ましくは0.01〜0.
05重量部の範囲が特に好ましい。なお、抗菌性を示す
金属イオンとしては、銀イオンの他にも、銅イオンや亜
鉛イオンなどが知られている。このような銀イオン以外
の抗菌性金属イオンを放出する金属塩を併用することは
何ら差し支えがない。
【0026】(C)の光重合開始剤の配合比率は、0.
1〜5重量部の範囲とするのが好ましい。5重量部を越
えると、被膜が黄変したりすることがある。0.1重量
部よりも少ないと、被膜の硬化が不十分な場合がある。
1〜5重量部の範囲とするのが好ましい。5重量部を越
えると、被膜が黄変したりすることがある。0.1重量
部よりも少ないと、被膜の硬化が不十分な場合がある。
【0027】さらに本発明の抗菌性被膜用光硬化性組成
物には、上述した必須成分の他にも、従来より被膜用光
硬化性組成物や塗料等に慣用的に添加されている各種の
塗料用添加剤を慣用量で配合でき、具体的には、着色顔
料、染料、レベリング剤、消泡剤、スリップ剤などを添
加することができる。
物には、上述した必須成分の他にも、従来より被膜用光
硬化性組成物や塗料等に慣用的に添加されている各種の
塗料用添加剤を慣用量で配合でき、具体的には、着色顔
料、染料、レベリング剤、消泡剤、スリップ剤などを添
加することができる。
【0028】また、本発明の抗菌性被膜用光硬化性組成
物は、そのまま用いても良いし、溶剤で希釈して用いて
も良い。一般に、被膜を形成させる場合には、溶剤で希
釈した方が粘度を下げられるため薄い均一な被膜を作製
しやすい。当該溶剤としては、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノールなどのアルコール類、ジエチルエ
ーテルなどのエーテル類、アセトンなどのケトン類、酢
酸エチルなどのエステル類などが用いられる。
物は、そのまま用いても良いし、溶剤で希釈して用いて
も良い。一般に、被膜を形成させる場合には、溶剤で希
釈した方が粘度を下げられるため薄い均一な被膜を作製
しやすい。当該溶剤としては、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノールなどのアルコール類、ジエチルエ
ーテルなどのエーテル類、アセトンなどのケトン類、酢
酸エチルなどのエステル類などが用いられる。
【0029】(A)の多官能性アクリレート系重合性単
量体及び(C)の光重合開始剤を基本成分とするアクリ
レート系の被膜用光硬化性組成物は、紫外線を照射する
ことによって硬化するハードーコート剤やインキ、塗料
等として一般に市販されている。具体的に商品名を例示
すれば、サナスコートUS−40H(サン・アロー化学
製)、フジハードHO9257U(藤倉化成製)、ユニ
ディック17−806(大日本インキ化学製)、セイカ
ビームPHC X−8(大日精化工業製)等を挙げるこ
とができる。
量体及び(C)の光重合開始剤を基本成分とするアクリ
レート系の被膜用光硬化性組成物は、紫外線を照射する
ことによって硬化するハードーコート剤やインキ、塗料
等として一般に市販されている。具体的に商品名を例示
すれば、サナスコートUS−40H(サン・アロー化学
製)、フジハードHO9257U(藤倉化成製)、ユニ
ディック17−806(大日本インキ化学製)、セイカ
ビームPHC X−8(大日精化工業製)等を挙げるこ
とができる。
【0030】ところで、銀イオンは、一般に、紫外線等
の光、水分、酸やアルカリ、酸化剤や還元剤及び温度履
歴等に対して必ずしも安定であるとは言えない。そのた
め、銀塩を添加した後の被膜用硬化性組成物の保存安定
性には問題があった。
の光、水分、酸やアルカリ、酸化剤や還元剤及び温度履
歴等に対して必ずしも安定であるとは言えない。そのた
め、銀塩を添加した後の被膜用硬化性組成物の保存安定
性には問題があった。
【0031】本発明の抗菌性被膜用光硬化性組成物にお
いては、水の含有率によって該組成物の保存安定性が大
きく左右されることを見いだした。即ち、本発明の抗菌
性被膜用光硬化性組成物においては、水の含有率が10
00ppm以下であることが望ましい。該組成物中の水
の含有率が1000ppmを越えると、時間の経過と共
に銀イオンが酸化や還元を受けて、銀や酸化銀のコロイ
ドが生成して該組成物が着色したり、均一な被膜を形成
できなくなったりする場合がある。また、このような組
成物を用いて作製した被膜は、抗菌性能が低下したり、
着色したりする場合がある。
いては、水の含有率によって該組成物の保存安定性が大
きく左右されることを見いだした。即ち、本発明の抗菌
性被膜用光硬化性組成物においては、水の含有率が10
00ppm以下であることが望ましい。該組成物中の水
の含有率が1000ppmを越えると、時間の経過と共
に銀イオンが酸化や還元を受けて、銀や酸化銀のコロイ
ドが生成して該組成物が着色したり、均一な被膜を形成
できなくなったりする場合がある。また、このような組
成物を用いて作製した被膜は、抗菌性能が低下したり、
着色したりする場合がある。
【0032】このような保存安定性は、抗菌性被膜用光
硬化性組成物中の水の含有率に比例するため、水の含有
率は低ければ低いほど良い。したがって、前記水の含有
率は、1000ppm以下、好ましくは500ppm以
下、さらに好ましくは300ppm以下であることが望
ましい。
硬化性組成物中の水の含有率に比例するため、水の含有
率は低ければ低いほど良い。したがって、前記水の含有
率は、1000ppm以下、好ましくは500ppm以
下、さらに好ましくは300ppm以下であることが望
ましい。
【0033】水の含有率を制御するためには、抗菌性被
膜用光硬化性組成物を構成する各構成成分を蒸留やカラ
ム等で精製するか、またはモレキュラーシーブス、無水
硫酸マグネシウム、無水硫酸ナトリウムなどの脱水処理
剤で処理する方法が挙げられる。また、該組成物中の水
の含有率を測定するには、カールフィッシャー水分計な
どを用いて測定することができる。
膜用光硬化性組成物を構成する各構成成分を蒸留やカラ
ム等で精製するか、またはモレキュラーシーブス、無水
硫酸マグネシウム、無水硫酸ナトリウムなどの脱水処理
剤で処理する方法が挙げられる。また、該組成物中の水
の含有率を測定するには、カールフィッシャー水分計な
どを用いて測定することができる。
【0034】上述したように、本発明の抗菌性被膜用光
硬化性組成物においては、組成物中の水の含有率によっ
て該組成物の保存安定性が大きく左右されるが、更に該
組成物のpHによっても保存安定性が影響される場合が
ある。銀イオンの安定性は強酸性及びアルカリ性におい
ては低いので、抗菌性被膜用光硬化性組成物のpHは4
〜7の範囲が望ましい。上記の範囲を外れると、銀塩の
酸化や還元が進みやすいためコロイド状の酸化銀や銀が
析出しやすく、そのために抗菌性被膜用光硬化性組成物
の均一性が失われたり、該組成物を用いた抗菌性被膜の
抗菌性が低下したりする場合がある。したがって、本発
明の抗菌性被膜用光硬化性組成物においては、該組成物
中の水の含有率が1000ppm以下で且つ該組成物の
pHを4〜7の範囲にすることによって更に保存安定性
を高めることが可能である。前記の範囲にpHを調節す
るためには、抗菌性被膜用光硬化性組成物を構成する各
構成成分にそれぞれ精製された原料を用いることやカル
ボン酸等の酸やアミン等のアルカリでpHを調節する方
法が挙げられる。該組成物のpHは、pHメータやpH
試験紙で測定することができる。
硬化性組成物においては、組成物中の水の含有率によっ
て該組成物の保存安定性が大きく左右されるが、更に該
組成物のpHによっても保存安定性が影響される場合が
ある。銀イオンの安定性は強酸性及びアルカリ性におい
ては低いので、抗菌性被膜用光硬化性組成物のpHは4
〜7の範囲が望ましい。上記の範囲を外れると、銀塩の
酸化や還元が進みやすいためコロイド状の酸化銀や銀が
析出しやすく、そのために抗菌性被膜用光硬化性組成物
の均一性が失われたり、該組成物を用いた抗菌性被膜の
抗菌性が低下したりする場合がある。したがって、本発
明の抗菌性被膜用光硬化性組成物においては、該組成物
中の水の含有率が1000ppm以下で且つ該組成物の
pHを4〜7の範囲にすることによって更に保存安定性
を高めることが可能である。前記の範囲にpHを調節す
るためには、抗菌性被膜用光硬化性組成物を構成する各
構成成分にそれぞれ精製された原料を用いることやカル
ボン酸等の酸やアミン等のアルカリでpHを調節する方
法が挙げられる。該組成物のpHは、pHメータやpH
試験紙で測定することができる。
【0035】以上のように、本発明の抗菌性被膜用光硬
化性組成物においては、水の含有率を制御することによ
って保存安定性を向上させることができるが、さらに、
抗菌剤となる銀塩と抗菌性被膜用光硬化性組成物の他の
成分とを別包装とし、使用直前に両者を混合することに
よって、抗菌性被膜の性能をさらに向上させることがで
きる。特に、スプレー塗装等においては、銀塩を含む溶
液と被膜用硬化性組成物を含む液体とを、それぞれ別々
にスプレーノズルの直前まで導き、それぞれが一定の比
率で混合されるように調節しながら、スプレーするとい
う方法も好適に採用される。
化性組成物においては、水の含有率を制御することによ
って保存安定性を向上させることができるが、さらに、
抗菌剤となる銀塩と抗菌性被膜用光硬化性組成物の他の
成分とを別包装とし、使用直前に両者を混合することに
よって、抗菌性被膜の性能をさらに向上させることがで
きる。特に、スプレー塗装等においては、銀塩を含む溶
液と被膜用硬化性組成物を含む液体とを、それぞれ別々
にスプレーノズルの直前まで導き、それぞれが一定の比
率で混合されるように調節しながら、スプレーするとい
う方法も好適に採用される。
【0036】本発明の抗菌性被膜用光硬化性組成物は、
そのまま、もしくは溶剤で粘度調整した後、スプレー塗
装、ディップコート、ローラー塗装、刷毛塗り、スピン
コート等により対象となる基材上にコーティングし、紫
外線等の光硬化によって抗菌性被膜が形成される。形成
される抗菌性被膜の厚みは、厚くても良いが、経済性等
を勘案すると0.1〜100μm、好ましくは0.5〜
50μm、さらに好ましくは1〜20μmの範囲が好適
である。
そのまま、もしくは溶剤で粘度調整した後、スプレー塗
装、ディップコート、ローラー塗装、刷毛塗り、スピン
コート等により対象となる基材上にコーティングし、紫
外線等の光硬化によって抗菌性被膜が形成される。形成
される抗菌性被膜の厚みは、厚くても良いが、経済性等
を勘案すると0.1〜100μm、好ましくは0.5〜
50μm、さらに好ましくは1〜20μmの範囲が好適
である。
【0037】本発明の抗菌性被膜用光硬化性組成物は、
抗菌性や防かび性を必要とする種々の分野で利用するこ
とができ、その被膜を形成する対象物及び用途は限定さ
れない。具体的な対象物としては、プラスチック、紙、
布、金属、木材、ガラス、セラミックス、セメント等が
挙げられる。用途の例としては、病院、学校、一般住
宅、食品工場、倉庫などの内外装用塗料、浴室、トイレ
または台所の壁、天井、床等の防かびを主な目的とする
塗装、抗菌防かび性を付与したプラスチック製品、家具
等の木製品、飲料缶、パイプ等の金属製品等の防菌防か
び用被膜等がある。
抗菌性や防かび性を必要とする種々の分野で利用するこ
とができ、その被膜を形成する対象物及び用途は限定さ
れない。具体的な対象物としては、プラスチック、紙、
布、金属、木材、ガラス、セラミックス、セメント等が
挙げられる。用途の例としては、病院、学校、一般住
宅、食品工場、倉庫などの内外装用塗料、浴室、トイレ
または台所の壁、天井、床等の防かびを主な目的とする
塗装、抗菌防かび性を付与したプラスチック製品、家具
等の木製品、飲料缶、パイプ等の金属製品等の防菌防か
び用被膜等がある。
【0038】プラスチック製品や木製品、金属製品等多
くのものは着色や保護コーティングの目的で塗装をする
場合があるが、本発明の抗菌性被膜は最終製品の最表面
に該被膜を形成することによって、抗菌性の効果を最も
発揮することができる。なお、従来よりプラスチックの
表面硬度の向上や木材の保護コーティング等の目的で、
製品の最表面に被膜を形成させる場合があるが、このよ
うな場合には、該被膜を本発明の抗菌性被膜用光硬化性
組成物を用いて行うことによって、抗菌性という新たな
機能を付加できる。つまり、本発明の抗菌性被膜は、従
来公知の被膜用硬化性組成物の本来の目的を損なうこと
なく、抗菌性という新たな機能を付加する技術であると
言える。
くのものは着色や保護コーティングの目的で塗装をする
場合があるが、本発明の抗菌性被膜は最終製品の最表面
に該被膜を形成することによって、抗菌性の効果を最も
発揮することができる。なお、従来よりプラスチックの
表面硬度の向上や木材の保護コーティング等の目的で、
製品の最表面に被膜を形成させる場合があるが、このよ
うな場合には、該被膜を本発明の抗菌性被膜用光硬化性
組成物を用いて行うことによって、抗菌性という新たな
機能を付加できる。つまり、本発明の抗菌性被膜は、従
来公知の被膜用硬化性組成物の本来の目的を損なうこと
なく、抗菌性という新たな機能を付加する技術であると
言える。
【0039】本発明の抗菌性被膜用光硬化性組成物の抗
菌性の評価は、公知の方法で行うことができる。例え
ば、繊維製品衛生加工協議会の抗菌防臭加工評価試験法
である菌数測定法やシェークフラスコ法、日本防菌防黴
学会の抗菌加工を施した繊維製品の細菌生育抑制試験
法、アメリカのAATCC Test Methodの
Agar Plate Method及び織物の抗菌加
工の評価方法、JISの黴抵抗性試験方法(JIS Z
2911)、防黴効力試験方法等がある。
菌性の評価は、公知の方法で行うことができる。例え
ば、繊維製品衛生加工協議会の抗菌防臭加工評価試験法
である菌数測定法やシェークフラスコ法、日本防菌防黴
学会の抗菌加工を施した繊維製品の細菌生育抑制試験
法、アメリカのAATCC Test Methodの
Agar Plate Method及び織物の抗菌加
工の評価方法、JISの黴抵抗性試験方法(JIS Z
2911)、防黴効力試験方法等がある。
【0040】
【発明の効果】本発明の抗菌性被膜用光硬化性組成物
は、基材上にコーティングした後、光、特に紫外線を照
射することによって、簡便に抗菌性の被膜を形成するこ
とができる。更に、そのようにして得られた被膜は、高
い抗菌性を示すだけでなく、膜強度、密着性、透明性、
滑沢性等の性質も優れている。
は、基材上にコーティングした後、光、特に紫外線を照
射することによって、簡便に抗菌性の被膜を形成するこ
とができる。更に、そのようにして得られた被膜は、高
い抗菌性を示すだけでなく、膜強度、密着性、透明性、
滑沢性等の性質も優れている。
【0041】また、銀イオンは一般に光、特に紫外線や
水分、酸、アルカリ等に対して不安定であるため、時間
の経過と共に抗菌性被膜用光硬化性組成物中の銀イオン
が酸化や還元を受けて、銀や酸化銀のコロイドが生成
し、該組成物が着色したり、抗菌性被膜の抗菌性能が低
下したりする場合があった。本発明の抗菌性被膜用光硬
化性組成物においては、更に該組成物中の水の含有率を
1000ppm以下とすることによって、上記の保存安
定性の問題を改善できる。
水分、酸、アルカリ等に対して不安定であるため、時間
の経過と共に抗菌性被膜用光硬化性組成物中の銀イオン
が酸化や還元を受けて、銀や酸化銀のコロイドが生成
し、該組成物が着色したり、抗菌性被膜の抗菌性能が低
下したりする場合があった。本発明の抗菌性被膜用光硬
化性組成物においては、更に該組成物中の水の含有率を
1000ppm以下とすることによって、上記の保存安
定性の問題を改善できる。
【0042】
【実施例】次に、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明は以下の実施例により制限されるもの
ではない。
明するが、本発明は以下の実施例により制限されるもの
ではない。
【0043】1.試料作製 本発明の抗菌性被膜用光硬化性組成物を約50×50m
mのアクリル板にバーコーターを用いて塗布した。キセ
ノンランプを光源とした紫外線照射装置を用いて2分間
紫外線を照射し、塗布膜を硬化させることにより抗菌性
被膜を形成した試料を作製した。また、同様にして抗菌
剤を添加しない被膜も作製し、比較用試料とした。被膜
の厚さは表面粗さ計を用いて測定した。
mのアクリル板にバーコーターを用いて塗布した。キセ
ノンランプを光源とした紫外線照射装置を用いて2分間
紫外線を照射し、塗布膜を硬化させることにより抗菌性
被膜を形成した試料を作製した。また、同様にして抗菌
剤を添加しない被膜も作製し、比較用試料とした。被膜
の厚さは表面粗さ計を用いて測定した。
【0044】2.抗菌性試験 普通ブイヨン培地で35℃で16時間振盪培養した試験
菌の培養液をリン酸緩衝液で20000倍に希釈し、試
験菌液とした。菌種は特に断わらない限りは大腸菌を用
いた。次に、シャーレの中に置いた試料の表面に、上記
の菌液1mlを約50個の液滴にして等間隔に滴下し
た。シャーレに蓋をして、25℃で24時間保存した。
保存後の試料を取りだし、9mlの液体培地で洗いだ
し、その洗いだし液中の生菌数を寒天培地を用いた混釈
平板培養法により測定した。生菌数は試料当りに換算し
た。
菌の培養液をリン酸緩衝液で20000倍に希釈し、試
験菌液とした。菌種は特に断わらない限りは大腸菌を用
いた。次に、シャーレの中に置いた試料の表面に、上記
の菌液1mlを約50個の液滴にして等間隔に滴下し
た。シャーレに蓋をして、25℃で24時間保存した。
保存後の試料を取りだし、9mlの液体培地で洗いだ
し、その洗いだし液中の生菌数を寒天培地を用いた混釈
平板培養法により測定した。生菌数は試料当りに換算し
た。
【0045】3.透明性の評価 本発明の被膜や塗膜の透過率(波長589nm)を分光
光度計を用いて測定し、透明性を評価した。
光度計を用いて測定し、透明性を評価した。
【0046】4.水分含有率の測定 抗菌性被膜用光硬化性組成物中の水分含有率は、ディジ
タル微量水分測定装置(三菱化成工業製、CAー02
型)を用いて測定した。ただし、上記装置では銀イオン
は測定の妨害となるので、銀塩を添加する前の被膜用光
硬化性組成物を用いて測定した。
タル微量水分測定装置(三菱化成工業製、CAー02
型)を用いて測定した。ただし、上記装置では銀イオン
は測定の妨害となるので、銀塩を添加する前の被膜用光
硬化性組成物を用いて測定した。
【0047】5.pHの測定 抗菌性被膜用光硬化性組成物のpHをpHメータ(堀場
製作所製、Mー12型)を用いて測定した。
製作所製、Mー12型)を用いて測定した。
【0048】実施例1〜4 先ず、銀錯体を次のようにして合成した。
【0049】ドライボックス中で、硝酸銀17gを2−
ビニルピリジン(以下、2VPYと略す)21gに加え
て、3時間攪拌したところ、粘性があり均一な淡黄色溶
液を得た。分析の結果、得られた化合物は、ピリジン環
中の窒素が銀イオンに配位し、[Ag(2VPY)2]
NO3の化学構造を有する銀錯体であることがわかっ
た。
ビニルピリジン(以下、2VPYと略す)21gに加え
て、3時間攪拌したところ、粘性があり均一な淡黄色溶
液を得た。分析の結果、得られた化合物は、ピリジン環
中の窒素が銀イオンに配位し、[Ag(2VPY)2]
NO3の化学構造を有する銀錯体であることがわかっ
た。
【0050】ついで、次のようにして抗菌性被膜用光硬
化性組成物を調製した。表1に示す組成からなる被膜用
光硬化性組成物を調製し、さらに光重合開始剤として、
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを3重量
%添加した。固形分濃度が40%になるように溶媒のイ
ソプロパノールで希釈した。次に、上記被膜用硬化性組
成物の全固形分に対して、銀の濃度が300ppmにな
るように[Ag(2VPY)2]NO3を加え、抗菌性被
膜用光硬化性組成物を調製した。なお、特に断らない限
り、以下の実施例においても同様に、抗菌性被膜用光硬
化性組成物を構成する各構成成分は予め脱水処理を行な
ったものを用いた。
化性組成物を調製した。表1に示す組成からなる被膜用
光硬化性組成物を調製し、さらに光重合開始剤として、
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを3重量
%添加した。固形分濃度が40%になるように溶媒のイ
ソプロパノールで希釈した。次に、上記被膜用硬化性組
成物の全固形分に対して、銀の濃度が300ppmにな
るように[Ag(2VPY)2]NO3を加え、抗菌性被
膜用光硬化性組成物を調製した。なお、特に断らない限
り、以下の実施例においても同様に、抗菌性被膜用光硬
化性組成物を構成する各構成成分は予め脱水処理を行な
ったものを用いた。
【0051】
【表1】
【0052】上記抗菌性被膜用光硬化性組成物の水分含
有率を測定したところ、80ppmであった。
有率を測定したところ、80ppmであった。
【0053】次に、上記の抗菌性被膜用光硬化性組成物
を用いて抗菌性被膜を形成した試料を作製した。この時
の膜厚は約4μmであった。上記抗菌性被膜の評価結果
を表2に示す。
を用いて抗菌性被膜を形成した試料を作製した。この時
の膜厚は約4μmであった。上記抗菌性被膜の評価結果
を表2に示す。
【0054】以上の結果より、いずれの被膜も高い透明
性と抗菌性を示した。また、いずれの被膜も滑らかな表
面状態を有し、且つ十分な膜強度が得られることがわか
った。
性と抗菌性を示した。また、いずれの被膜も滑らかな表
面状態を有し、且つ十分な膜強度が得られることがわか
った。
【0055】実施例5、6 抗菌性被膜用光硬化性組成物中の全固形分に対する銀の
濃度を50ppmおよび1000ppmとした以外は実
施例1と同様にして抗菌性被膜用光硬化性組成物を調製
した。次に、実施例1と同様に抗菌性被膜を作製し、該
被膜を評価した。結果を表2に示す。以上の結果より、
銀の濃度は50〜1000ppmの範囲で高い透明性と
抗菌性を示すことがわかった。
濃度を50ppmおよび1000ppmとした以外は実
施例1と同様にして抗菌性被膜用光硬化性組成物を調製
した。次に、実施例1と同様に抗菌性被膜を作製し、該
被膜を評価した。結果を表2に示す。以上の結果より、
銀の濃度は50〜1000ppmの範囲で高い透明性と
抗菌性を示すことがわかった。
【0056】実施例7 抗菌剤としてイソプロパノールに溶解させた硝酸銀を用
いた以外は実施例1と同様にして抗菌性被膜用光硬化性
組成物を調製した。次に、実施例1と同様に抗菌性被膜
を作製し、該被膜を評価した。結果を表2に示す。この
結果より、銀塩として硝酸銀を用いた場合にも高い透明
性と抗菌性を示す被膜が得られることがわかった。
いた以外は実施例1と同様にして抗菌性被膜用光硬化性
組成物を調製した。次に、実施例1と同様に抗菌性被膜
を作製し、該被膜を評価した。結果を表2に示す。この
結果より、銀塩として硝酸銀を用いた場合にも高い透明
性と抗菌性を示す被膜が得られることがわかった。
【0057】比較例1〜4 銀塩を全く添加しないで実施例1〜4と同様に被膜を作
製した。結果を表2に示す。このように、銀塩を含まな
ければ抗菌性は全く示さなかった。
製した。結果を表2に示す。このように、銀塩を含まな
ければ抗菌性は全く示さなかった。
【0058】比較例5 表1に示す被膜用光硬化性組成物を用いた以外は実施例
1と同様に抗菌性被膜用光硬化性組成物を調製し、該組
成物を用いて抗菌性被膜を作製した。その結果、上記被
膜は多官能性アクリレート系重合性単量体の含有率が5
重量%と少なかったため、十分な強度のある被膜が得ら
なかった。
1と同様に抗菌性被膜用光硬化性組成物を調製し、該組
成物を用いて抗菌性被膜を作製した。その結果、上記被
膜は多官能性アクリレート系重合性単量体の含有率が5
重量%と少なかったため、十分な強度のある被膜が得ら
なかった。
【0059】
【表2】
【0060】実施例8〜11 実施例1〜4と同様にして抗菌性被膜用光硬化性組成物
を調製した。それぞれ密栓して冷暗所に保存し、3ケ月
間観察した。また、実施例1と同様にして、3ケ月後の
それぞれの組成物を用いて抗菌性被膜を作製し、該被膜
を評価した。結果を表3に示す。このように水の含有率
が1000ppm以下の組成物においては、3ケ月間組
成物の変化は見られず、しかも3ケ月後に作製した被膜
においても高い抗菌性を維持した。
を調製した。それぞれ密栓して冷暗所に保存し、3ケ月
間観察した。また、実施例1と同様にして、3ケ月後の
それぞれの組成物を用いて抗菌性被膜を作製し、該被膜
を評価した。結果を表3に示す。このように水の含有率
が1000ppm以下の組成物においては、3ケ月間組
成物の変化は見られず、しかも3ケ月後に作製した被膜
においても高い抗菌性を維持した。
【0061】比較例6〜9 抗菌性被膜用光硬化性組成物を調製する際に予め脱水処
理等を行わずに、実施例1〜4と同様にして抗菌性被膜
用光硬化性組成物を調製した。それぞれ密栓して冷暗所
に保存し、3ケ月間観察した。また、実施例1と同様に
して、3ケ月後のそれぞれの組成物を用いて抗菌性被膜
を作製し、該被膜を評価した。結果を表3に示す。この
ように脱水処理を行わなかった場合には水分含有率が高
いため、保存安定性が悪かった。また、3ケ月後に作製
した被膜の抗菌性も低かった。
理等を行わずに、実施例1〜4と同様にして抗菌性被膜
用光硬化性組成物を調製した。それぞれ密栓して冷暗所
に保存し、3ケ月間観察した。また、実施例1と同様に
して、3ケ月後のそれぞれの組成物を用いて抗菌性被膜
を作製し、該被膜を評価した。結果を表3に示す。この
ように脱水処理を行わなかった場合には水分含有率が高
いため、保存安定性が悪かった。また、3ケ月後に作製
した被膜の抗菌性も低かった。
【0062】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 5/00 PNV C09D 5/00 PNV
Claims (2)
- 【請求項1】 (A)多官能性アクリレート系重合性単
量体を10重量%以上含むアクリレート系重合性単量体
よりなる樹脂成分100重量部に対して、(B)銀塩
0.001〜0.5重量部(銀換算値として)、並びに
(C)光重合開始剤0.1〜5重量部を含有してなる抗
菌性被膜用光硬化性組成物。 - 【請求項2】 水の含有率が1000ppm以下である
ことを特徴とする請求項1記載の抗菌性被膜用光硬化性
組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12208095A JPH08311373A (ja) | 1995-05-22 | 1995-05-22 | 抗菌性被膜用光硬化性組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12208095A JPH08311373A (ja) | 1995-05-22 | 1995-05-22 | 抗菌性被膜用光硬化性組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08311373A true JPH08311373A (ja) | 1996-11-26 |
Family
ID=14827168
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12208095A Pending JPH08311373A (ja) | 1995-05-22 | 1995-05-22 | 抗菌性被膜用光硬化性組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08311373A (ja) |
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- 1995-05-22 JP JP12208095A patent/JPH08311373A/ja active Pending
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