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JPH08318763A - クラッチの制御装置 - Google Patents

クラッチの制御装置

Info

Publication number
JPH08318763A
JPH08318763A JP7130274A JP13027495A JPH08318763A JP H08318763 A JPH08318763 A JP H08318763A JP 7130274 A JP7130274 A JP 7130274A JP 13027495 A JP13027495 A JP 13027495A JP H08318763 A JPH08318763 A JP H08318763A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
clutch
engine
exciting current
rotating body
type electromagnetic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7130274A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Norisada
浩之 則定
Hiroaki Yamamoto
博明 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP7130274A priority Critical patent/JPH08318763A/ja
Publication of JPH08318763A publication Critical patent/JPH08318763A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両の発進時のクラッチ制御において、発進
フィーリングを損なうエンジン回転速度のオーバーシュ
ートを防止するため、オーバーシュートを検出したらク
ラッチ制御パラメータを変更するとともに記憶してオー
バーシュートを抑制する。 【構成】 車両発進時においてエンジン10やクラッチ
の特性ばらつきまたは特性劣化に基づくエンジンの回転
速度のオーバーシュート量を検出し、このオーバーシュ
ート量が判定値を越えた場合に、予め定められた、エン
ジン回転速度変化量と励磁電流との関係、または、エン
ジン回転速度と励磁電流との関係により求まる励磁電流
より大きい励磁電流を磁粉式電磁クラッチ12に供給す
る制御手段1を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両用クラッチの制御装
置に関し、特に車両発進時におけるエンジンの回転速度
のオーバーシュートの抑制する技術に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図11は、ベルト式無段変速機を備えた
車両に適用された従来のクラッチの制御装置の一例を示
す構成図である。図11において、車両のエンジン10
の回転力は、磁粉式電磁クラッチ12,ベルト式無段変
速機14,および差動歯車装置16を介して車両の駆動
輪18,20に伝達されるようになっている。図14
は、磁粉式電磁クラッチ12の詳細図であり、図11,
14に示すように、磁粉式電磁クラッチ12は、エンジ
ン10に連結された駆動側回転体としてのヨーク22
と、ベルト式無段変速機14の入力側可変プーリ24に
連結された従動側回転体としてのロータ26と、ヨーク
22の内周面およびロータ26の外周面の間に形成され
る空隙W内に収容された磁粉Mと、磁粉Mを磁気力によ
り前記空隙W内にて結合させる励磁コイル28と、を備
えており、励磁コイル28に供給される励磁電流の大き
さに応じて駆動側回転体から従動側回転体に伝達される
伝達トルクが増大する特性を備えている。ベルト式無段
変速機14は、入力側回転軸30を介してロータ26に
連結された前記入力側可変プーリ24と、その入力側可
変プーリ24とともに対を成し、出力側回転軸32を介
して差動歯車装置16に連結された出力側可変プーリ3
4と、それ等入力側可変プーリ24および出力側可変プ
ーリ34の間に掛け渡された伝動ベルト36とを備えて
いる。入力側可変プーリ24および出力側可変プーリ3
4は、それぞれ入力側回転軸30および出力側回転軸3
2に固定の固定回転体38および40と、それ等固定回
転体38および40に対向して溝巾が可変のV溝を形成
し、入力側回転軸30および出力側回転軸32に軸方向
に移動可能な状態で入力側回転軸30および出力側回転
軸32とともに回転する可動回転体42および44とを
備えている。可動回転体42および44は図示しない液
圧アクチュエータによって駆動されることによって可変
プーリ24,34の有効径を連続的に変更するようにな
っており、ベルト式無段変速機14に備えられた図示し
ない油圧制御回路によって液圧アクチュエータが作動さ
せられるようになっている。その油圧制御回路には、エ
ンジン10の回転速度および後述のスロットル弁46の
開度に応じて高くなるライン油圧を発生する油圧発生装
置が設けられており、ベルト式無段変速機14の許容伝
達力以下の範囲の回転力を滑りなく伝達するためにエン
ジン10の回転速度スロットル弁46の開度に応じて必
要且つ十分なライン油圧が発生させられるようになって
いる。エンジン10の点火装置48,およびエンジン1
0の吸気配管に設けられたスロットル弁46には、エン
ジン10の回転速度およびエンジン10に要求される実
際の要求負荷量を検出するために、点火信号センサ50
およびスロットル位置センサ52が設けられており、点
火信号SIおよびスロットル開度信号STがI/F回路
54およびA/Dコンバータ56に供給されるようにな
っている。点火信号センサ50はたとえばエンジン10
が4気筒である場合には1回転につき2個のパルスを発
生するものであり、I/F回路54では点火信号SIの
周期teを表すコード信号に変換してI/Oポート58
に供給する。スロットル開度信号STは一般に電圧信号
であり、これがA/Dコンバータ56においてデジタル
値に変換され、I/Oポート58に供給される。すなわ
ち、スロットル弁46の開度を表す信号がI/Oポート
58に入力されるのである。一方、ベルト式無段変速機
14には出力側可変プーリ34の回転数を検出するため
の回転センサ60が設けられている。回転センサ60は
固定回転体44の外周にnケ所突設された図示しない突
起(歯)の通過を検出して入力側可変プーリ24の回転
に対応した周期パルス信号である信号SRをI/F回路
54に供給し、I/F回路54は信号SRの周期に対応
したコード信号をI/Oポート58に供給する。前記信
号SRは駆動輪18,20の回転速度、すなわち車輪速
信号である。I/Oポート58にはデバイスライン59
を介してCPU62,ROM64,RAM66が接続さ
れている。記憶手段としてのROM64には後述する図
12のフローチャートに示されるようなプログラムや、
そのプログラムの実行に必要なデータマップ(図17)
等が予め記憶されており、CPU62はROM64に記
憶されたプログラムに従ってRAM66の一時記憶機能
を利用しつつデータ処理を実行し、磁粉式電磁クラッチ
12に供給すべき励磁電流を決定するとともに、その励
磁電流を表す制御信号SCをI/Oポート58からD/
Aコンバータ68に供給する。D/Aコンバータ68は
制御信号SCをそれに対応した電圧信号SVに変換して
V/I(電圧/電流)コンバータ70に供給する。V/
Iコンバータ70はD/Aコンバータ68から供給され
た電圧信号SVに対応した励磁電流を励磁コイル28に
供給する。V/Iコンバータ70は電流フィードバック
を行うものであり、励磁コイル28の温度変化に起因す
る巻線抵抗の変化に拘わらず、電圧信号SVに正確に対
応した励磁電流が励磁コイル28に供給されるようにな
っている。
【0003】図12に、上述した従来のクラッチの制御
装置による制御フローチャートを示す。まず、ステップ
S1のイニシャライズルーチンが実行され、I/Oポー
ト58に供給されている点火信号SIの周期te、車輪
速信号SRの周期tw、スロットル開度信号STが表す
スロットル弁46の開度に対応した電圧信号VθがRA
M66に読み込まれる。そして、ステップS2が実行さ
れ、それら周期te、twおよび電圧Vθに基づいてエ
ンジン10の回転速度Ne、車輪の回転による車両の移
動速度Vw、およびスロットル弁46の開度θ(%)が
予め記憶された次式(1)、(2)、(3)に従って算
出される。すなわち、ステップS2では、エンジン10
の回転速度検出ルーチン,車輪18の回転による車両の
移動速度検出ルーチン,スロットル弁46の開度検出ル
ーチンを実行する。 Ne(R.P.M)=60/2/te…(1) Vw(m/s)=i×Lw/tw…(2) θ(%)=(Vθ−Vmin)/(Vmax−Vmin)×100…(3) (但し、Vminはスロットル弁46の全閉時(アイド
ル時)の信号STの電圧、Vmaxはスロットル弁46
の全開時(エンジン10の全負荷時)の信号STの電
圧、iは減速比、Lwは車輪の外周長である。)また現
在のNeと時間Δt前のNeから時間当たりのエンジン
10の回転速度の変化量ΔNe/Δtを求める。つぎに
ステップS3が実行され、車両の移動速度Vwを予め設
定された車両の移動速度V1と比較し、Vw<V1なら
ばクラッチの制御を係合時制御とし、Vw≧V1ならば
クラッチの制御を直結時制御とする。直結時制御につい
ては本発明の内容とは関係しないので説明は行わない。
クラッチの制御が係合時制御の場合、つぎにステップS
4が実行される。ここではエンジン10の回転速度の変
化量ΔNe/Δtに基づいて、係数knの増減量Δkn
があらかじめROM64に記憶されたデータマップから
算出される。すなわちROM64には図16に示される
エンジン10の回転速度の変化量ΔNe/Δtを変数と
する曲線faが記憶されている。ここで求められた値Δ
knはステップS5で時間Δt毎に積算され、その値を
エンジンの回転速度Neの補正係数knとする。ステッ
プS6では、エンジン10の回転速度NeをステップS
5で求めたknで補正し、これをNtとする。ステップ
S7では、エンジン10の回転速度NeをNeの変化量
によりもとめられる補正係数knで補正した値Ntに基
づいて、クラッチ電流IcがあらかじめROM64に記
憶されたデータマップから算出される。すなわちROM
64には図17に示される上記Ntを変数とする曲線f
bが記憶されている。kkは図9に示すようにクラッチ
係合制御が開始されてからの時間の関数で最終的には1
となる。kkの役割は、初期より高エンジン回転速度で
係合が始まる場合で滑らかに係合できるようにしたもの
である。以上の関係から、エンジン10の回転速度Ne
が増加すれば、Ntの値が増加し、クラッチ電流Icの
値も増加する。クラッチ電流IcとクラッチトルクTc
の関係は、図18に示すように単調増加の関係にあるた
め、クラッチトルクTcが増加してエンジン10の回転
速度Neを減少させるように働く。逆にエンジン10の
回転速度Neが減少すれば、クラッチトルクTcも減少
してエンジン10の回転速度Neを増加させる。このこ
とによってエンジン10の回転速度Neは一定値に保た
れることになる。すなわち、上述した制御装置は、図1
3に示すように、図12の制御フロー、すなわちI/O
ポート58からte,tw,Vθを読込んで最終的に励
磁電流Icを求めるプログラムを実行するCPU62お
よびROM64,RAM66から成る制御手段としての
マイクロコンピュータを備えている。要約すると、従来
のクラッチの制御装置では、電磁クラッチ12は駆動側
回転体の回転力をその励磁コイルに供給される励磁電流
の大きさに応じて従動側回転体に伝達する特性があるた
め、励磁電流によってエンジンの回転速度が制御され
る。そして、電磁クラッチを円滑に係合させるために、
まずエンジンの回転速度を必要な回転力が得られるまで
増加させ、次にそのエンジンの回転速度を電磁クラッチ
が接合するまで安定して維持させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のクラッ
チの制御装置によれば、発進時の乗り心地が好適に得ら
れるように定められた一定の関係に従って電磁クラッチ
を係合させられるが、その関係は電磁クラッチやエンジ
ンの特性が一定であるときのみ成立するものであって、
電磁クラッチの空隙の公差,温度の変化,経時変化など
によってそのトルク伝達特性が変化したりエンジンの特
性が変化したりする場合には車両毎に電磁クラッチの係
合特性がばらつく。このため、図15に破線で示すよう
に車両発進時のエンジン回転速度(Ne)立ち上がりに
おいて過渡的に、係合時のエンジン回転速度を越える場
合(以下、「オーバーシュート」と言う。)があり、こ
れが加速度の不連続感を生じる。この不連続感とは、例
えば、ドライバーが車を発進させようとしてアクセルを
踏み込んで、エンジン回転は高くなるが車が動き出すの
が遅れて、それから急にクラッチが強く係合されてショ
ックを伴って急発進するような現象であり、これを「オ
ーバーシュート時の不連続感」と呼んでいる。この現象
の原因はクラッチ係合初期のクラッチトルク不足であ
り、例えば、このトルク不足はクラッチの電流−トルク
特性のばらつきや劣化が原因である。
【0005】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、車両発進時にお
けるエンジン回転速度のオーバーシュートを抑制して、
車両発進時における車両の発進フィーリングを好適に改
善することができるクラッチの制御装置を提供すること
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1にかか
るクラッチの制御装置は、車両発進時においてエンジン
やクラッチの特性ばらつきまたは特性劣化に基づくエン
ジンの回転速度のオーバーシュート量を検出し、このオ
ーバーシュート量が判定値を越えている場合に、前記ク
ラッチの伝達トルクを増大させる制御手段1を備えてい
る。
【0007】請求項2の装置は、車両発進時において前
記オーバーシュート量を検出し、このオーバーシュート
量が判定値を越えている場合に、予め定められた、エン
ジン回転速度変化量と励磁電流との関係により求まる励
磁電流より大きい励磁電流を磁粉式電磁クラッチに供給
する制御手段1を備える。
【0008】請求項3では、車両発進時において前記オ
ーバーシュート量を検出し、このオーバーシュート量が
判定値を越えている場合に、予め定められた、エンジン
回転速度と励磁電流との関係により求まる励磁電流より
大きい励磁電流を磁粉式電磁クラッチに供給する制御手
段1を備える。
【0009】請求項4では、車両発進時において前記オ
ーバーシュート量を検出し、このオーバーシュート量が
判定値を越えている場合に、磁粉式電磁クラッチの係合
時の励磁電流を増加制御するに際して、磁粉式電磁クラ
ッチの係合初期時の励磁電流の増加割合を、予め定めら
れた増加割合よりも大きくなるように制御する制御手段
1を備える。
【0010】請求項5では、車両発進時において前記エ
ンジンの回転速度のオーバーシュートが検出されなかっ
た場合に、磁粉式電磁クラッチの励磁電流を減少する方
向に制御する制御手段1を備える。
【0011】
【作用】請求項1では、制御手段は、オーバーシュート
量が判定値を越えているか否かを判定し、越えている場
合に、クラッチの伝達トルクを増大するようにクラッチ
を制御する。
【0012】請求項2では、制御手段は、オーバーシュ
ート量が判定値を越えている場合に、エンジン回転速度
変化量と励磁電流との関係を修正する。これにより、車
両発進時におけるクラッチ係合の際に、磁粉式電磁クラ
ッチには、予め定められていた励磁電流より大きい電流
が供給され、クラッチの伝達トルクが増大して、オーバ
ーシュートが抑制される。
【0013】請求項3では、制御手段は、オーバーシュ
ート量が判定値を越えている場合に、予め定められてい
るエンジン回転速度と励磁電流との関係を修正する。こ
れにより、車両発進時におけるクラッチ係合の際に、磁
粉式電磁クラッチには、予め定められた励磁電流より大
きい電流が供給され、クラッチの伝達トルクが増大し
て、オーバーシュートが抑制される。
【0014】請求項4では、制御手段により、オーバー
シュートが検出された時のクラッチの係合初期における
エンジンのトルクの増加に対するクラッチの伝達トルク
の増加の遅れを補正する。
【0015】請求項5では、制御手段により、オーバー
シュートが検出されない場合、励磁電流を減少して、オ
ーバーシュートの過度な抑制を行なわないようにする。
【0016】
【実施例】
実施例1.以下、本発明の一実施例による車両用クラッ
チ制御装置を説明する。図1において、1は本発明によ
るクラッチの制御装置の制御手段であり、本実施例で
は、従来での回転速度検出ルーチン,スロットル開度検
出ルーチンを実行する手段、及び後述するオーバーシュ
ート検出ルーチン,修正ルーチン、励磁電流制御ルーチ
ンを実行する手段としてのCPU及びROM,RAMか
ら成るマイクロコンピュータにより構成される。すなわ
ち、本実施例では、上述した各ルーチン(プログラム)
やマップが格納されたROMと、各ルーチンに必要なデ
ータを格納する複数のRAMと、ROM及びRAMを使
用して各ルーチンを実行するCPUとから成るマイクロ
コンピュータにより制御手段を構成しており、図11の
CPU,ROM,RAMに代って磁粉式電磁クラッチ1
2を制御する。以下、作用を説明する。
【0017】まず、オーバーシュートの発生の検出ルー
チンを図2のフローチャートに示す。まずステップSK
1において、現在の車両の状態がオーバーシュートの検
出が可能な状態かどうかについて判定する。ここでいう
オーバーシュートの検出が可能な状態とは、本来図17
の実線のように制御されるべき状態、すなわち各入力値
の検出手段に異常がないこと、スロットル弁46の開度
が急変していないこと、クラッチが正常な温度範囲にあ
ること等の条件を満たしていることがあげられる。オー
バーシュートの検出が可能な状態であれば次にステップ
SK2を実行する。ここでは検出条件が成立している間
のスロットル弁の開度θの平均値θ’を計算する。ステ
ップSK3ではエンジン10の回転速度が増加中か減少
中かを判定する。減少中であればステップSK4でエン
ジン10の回転速度Neと比較し、Ne<Nminなら
ばステップSK5でNminをNeで更新する。増加中
であればステップSK6でエンジン10の回転速度Ne
と比較し、Ne>NmaxならばステップSK7でNm
axをNeで更新する(尚、オーバーシュートの検出が
可能となった最初のループで、初期値として、Nmax
には0,Nminには設定可能範囲の最大値がセットさ
れる)。次ステップSK8としてオーバーシュートの検
出が正常に終了したかどうかの判定を行う。正常に終了
していれば、ステップSK9でオーバーシュート量No
sをNmax−Nminとして求める。ステップSK1
0でオーバーシュート量Nosが判定値N1を越えてい
るかどうかを判定し、オーバーシュート量Nosが判定
値N1を越えていれば補正係数マップfcの値にオーバ
ーシュート量Nosに応じた値を加算する(ステップS
K11)。補正係数マップfcはスロットル弁の開度毎
に用意された複数のRAMであり、更新されるのはステ
ップSK2で求めた検出中のスロットル弁の開度θの平
均値θ’に対応するRAM(=fc(θ’))である。
また、オーバーシュート量Nosが判定値N1を越えて
いなければ、ステップSK12において検出中のθの平
均値θ’に対応するRAMの値から一定の値T1を減算
する。尚、このオーバーシュート検出ルーチンでは、オ
ーバーシュート検出中のスロットル開度θの平均値を
θ’としているので、この値をRAMに記憶する場合、
連続量でなく離散化(段階)のn+1コのスロットル開
度θj (j=0,1,2,・・・,n)に対応するfc
の値fc(θj )を格納するRAMが用意されている。
そして、ステップSK11やSK12では具体的には、 θj <θ’≦θj+1 なるjを決定し、 fc(θj )=fc(θj )+k0、fc(θj+1
)=fc(θj+1 )+k0又はfc(θj )=fc
(θj )−T1、fc(θj+1 )=fc(θj+1 )−T
1を行う。
【0018】次に修正ルーチンについて説明する。これ
は、係数knの増減量Δknを補正するルーチンであ
り、そのフローチャートを図3に示す。尚、ステップS
1〜S3までは従来の制御ルーチン(図12)と同じで
ある。ステップS1〜S3及び図2のオーバーシュート
検出ルーチンSKを経た後、ステップSA1において、
オーバーシュートの検出ルーチンによって設定された補
正係数マップfcの、現在のスロットル弁の開度に対応
するRAM(=fc(θ))を係数kaに読み込む。次
にステップSA2において、増減量Δknを係数kaで
補正する。これにより従来の制御で説明した図16が、
図4のように変更され、エンジンの回転速度の変化に対
しそれを抑える方向に働く力が増加されることになる。
図4で分かるように、Δknは、(スロットル開度踏み
込み直後のエンジン回転速度立ち上がり部でクラッチ係
合初期に起きる)同じエンジン回転速度の時間変化率な
ら、図12のステップS4より図3のステップSA2の
方が大きい。すなわち、制御出力たるクラッチ電流Ic
が大きい→クラッチ伝達トルクTcがより大きくなる→
エンジントルクTeの内エンジン回転速度上昇分にまわ
るトルク(Te−Tc)が減少する→エンジンの回転速
度変化dNe/dtが少なくなることで、図15の破線
のようなオーバーシュートがあったものも、修正された
後は、同図の実線のようにオーバーシュートがほとんど
なくなる。また係合初期より駆動輪へ伝達されるトルク
Tcが大きくなるので、発進時の車の出足が良くなる。
参考に運動方程式を示すと、 J1 dNe/dt=Te−Tc J2 dNc/dt=Tc−Tr ここで、J1 、J2 はクラッチの上流部(エンジン側)
と下流部(車体側)の等価慣性モーメント、Ncはクラ
ッチ出力側回転速度、Trは負荷トルクである。
【0019】実施例1によれば、オーバーシュート検出
ルーチンにより、オーバーシュートが検出されたとき
(ステップSK11)は、予めエンジン回転速度変化量
と励磁電流との関係より求められる励磁電流より大きい
励磁電流を修正ルーチンによって求め、これをクラッチ
に供給することでオーバーシュートが抑制され、好適な
発進フィーリングが得られる。また、オーバーシュート
が検出されなかったとき(ステップSK12)は、過度
にオーバーシュートが抑制されないように制御して、発
進時において好適なエンジン回転挙動を行なうようにし
ている。
【0020】実施例2.次に、Ntの補正による他の実
施例による修正ルーチンについて図5のフローチャート
に基づいて説明する。まずステップSB1において、オ
ーバーシュートの検出ルーチンSKによって設定された
補正係数マップfcの、現在のスロットル弁の開度に対
応するRAM(=fc(θ))を係数kaに読み込む。
ステップSB2において、スロットル弁の開度θに基づ
いて、基準値NsがあらかじめROM64に記憶された
データマップ(図6)から算出される。ステップSB3
では上記NsからNtを引いた値に係数kd(=(1+
ka))をかけ、Ntの補正値Naとする。ステップS
B4でマップデータfaの入力値をNt+Naとするこ
とで従来の制御に対しNa分だけクラッチ電流Icが大
きくなる(図7)。Ntが小さいほどNaは大きい値と
なるので低いエンジン回転速度ではエンジンの回転速度
の増加する速さが抑えられることになる。
【0021】実施例2では、予め定められたエンジン回
転速度と励磁電流との関係より求められる励磁電流より
大きい励磁電流を求めてクラッチに供給するので、オー
バーシュートが抑制される。
【0022】実施例3.次にkkの補正による修正ルー
チンについて図10のフローチャートに基づいて説明す
る。前記の各修正ルーチンで求めた励磁電流Icには、
最終的に図9に示す時間により変化する係数kkの値が
掛けられている。前記のルーチンと同様に、オーバーシ
ュートの検出ルーチンSKによって設定された補正係数
マップfcの、現在のスロットル弁の開度に対応するR
AM(=fc(θ))を係数kaに読み込む(ステップ
SC1)。次に、Δkkをkaにより補正する(ステッ
プSC2)と、図9は図10のように変更されることに
なり、係合時初期におけるクラッチ電流Icの値が増加
する。この制御により、係合時初期におけるクラッチト
ルクTcが増加し、オーバーシュートの発生原因の1つ
である、エンジン10のトルクの増加する速さに対する
クラッチのトルクの増加の遅れを補正することができ
る。図10で分かるように、kkは、オーバーシュート
が大きいと学習された後では、クラッチ係合初期の同じ
時刻ならより大きなkkとなる。すなわち、制御出力た
るクラッチ電流Icが大きくなってオーバーシュートが
解消され、スムースな発進特性が実現する。
【0023】以上のように、この発明による、各実施例
によれば、制御手段により車両の発進時にエンジン回転
速度のオーバーシュートを検出した場合、電磁クラッチ
の励磁電流を増大させることによりオーバーシュートを
なくすことができるので、好適な発進フィーリングが得
られる。また、制御手段をマイクロコンピュータで構成
しているので、従来使用しているハードウェアはそのま
まで、ソフトウェアの変更のみで実現できる。
【0024】尚、現在のスロットル開度θ(θj <θ≦
θj+1 )に対応するfc(θ)は、オーバーシュート検
出ルーチン(図2)で学習され記憶されたRAM:fc
(θj )とfc(θj+1 )から、補間演算で算出された
ものを使用している。
【0025】また、上記各実施例では、励磁電流で制御
される磁粉式電磁クラッチの制御について説明したが、
摩擦部材を使用した板クラッチであっても、本発明の制
御装置を適用することは可能である。この場合、制御量
として、励磁電流の代わりに、油圧式クラッチなら油圧
または油圧を制御する電流を、乾式クラッチならクラッ
チストロークを制御すればよい。
【0026】
【発明の効果】以上のように、この発明の請求項1によ
れば、車両の発進時のオーバーシュートを抑制すること
ができるので、好適な発進フィーリングが得られる。
【0027】また、請求項2によれば、予め定められた
エンジン回転速度変化量と磁粉式電磁クラッチの励磁電
流との関係により求まる励磁電流より大きい励磁電流を
電磁クラッチに供給することにより、オーバーシュート
を抑制できるので、好適な発進フィーリングが得られ
る。
【0028】請求項3によれば、予め定められたエンジ
ン回転速度と磁粉式電磁クラッチの励磁電流との関係に
より求まる励磁電流より大きい励磁電流を電磁クラッチ
に供給することにより、オーバーシュートを抑制できる
ので、好適な発進フィーリングが得られる。
【0029】請求項4によれば、オーバーシュートが検
出された場合、磁粉式電磁クラッチの係合初期における
エンジンのトルクの増加の速さに対するクラッチの伝達
トルクの増加の遅れを補正できるので、より好適な発進
フィーリングが得られる。
【0030】請求項5によれば、オーバーシュートが過
度に抑制されず、車両発進時において好適なエンジン回
転挙動が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例によるクラッチの制御装置
のブロック図である。
【図2】 本発明の一実施例によるオーバーシュート検
出ルーチンを示すフローチャート図である。
【図3】 本発明の実施例1による修正ルーチンを用い
た制御フローチャート図である。
【図4】 本発明の実施例1によるΔknのマップ例を
示す図である。
【図5】 本発明の実施例2による修正ルーチンを用い
た制御フローチャート図である。
【図6】 本発明の実施例2によるNs−θのマップ例
を示す図である。
【図7】 本発明の実施例2による発進時の励磁電流マ
ップ例を示す図である。
【図8】 本発明の実施例3による修正ルーチンを用い
た制御フローチャート図である。
【図9】 発進電流時間係数マップ例を示す図である。
【図10】 本発明の実施例3による発進電流時間係数
マップ例を示す図である。
【図11】 従来のクラッチの制御装置構成図である。
【図12】 従来のクラッチ制御のフローチャート図で
ある。
【図13】 従来のクラッチの制御装置のブロック図で
ある。
【図14】 磁粉式電磁クラッチの詳細図である。
【図15】 発進時のエンジン回転速度の挙動例を示す
図である。
【図16】 従来のΔknマップ例を示す図である。
【図17】 従来の発進時の励磁電流マップ例を示す図
である
【図18】 電磁クラッチの励磁電流−伝達トルク特性
の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 制御手段、10 エンジン、12 磁粉式電磁クラ
ッチ。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両のエンジンと車輪との間に介設され
    たクラッチの係合に際して該クラッチの伝達トルクを制
    御する制御手段を備えたクラッチの制御装置において、 前記制御手段は、車両発進時において前記エンジンやク
    ラッチの特性ばらつきまたは特性劣化に基づく前記エン
    ジンの回転速度のオーバーシュート量を検出し、このオ
    ーバーシュート量が判定値を越えている場合に、前記ク
    ラッチの伝達トルクを増大させることを特徴とするクラ
    ッチの制御装置。
  2. 【請求項2】 車両のエンジンに連結された駆動側回転
    体と車両の車輪に連結された従動側回転体との間に形成
    された空隙に収容された磁粉を励磁コイルに供給される
    励磁電流により前記空隙内で結合させて前記駆動側回転
    体の回転力を前記従動側回転体に伝達する磁粉式電磁ク
    ラッチの係合時に前記励磁電流を制御して該磁粉式電磁
    クラッチの伝達トルクを制御する制御手段を備えたクラ
    ッチの制御装置において、 前記制御手段は、車両発進時において前記エンジンや磁
    粉式電磁クラッチの特性ばらつきまたは特性劣化に基づ
    く前記エンジンの回転速度のオーバーシュート量を検出
    し、このオーバーシュート量が判定値を越えている場合
    に、予め定められた、エンジン回転速度変化量と励磁電
    流との関係により求まる励磁電流より大きい励磁電流を
    前記磁粉式電磁クラッチに供給することを特徴とするク
    ラッチの制御装置。
  3. 【請求項3】 車両のエンジンに連結された駆動側回転
    体と車両の車輪に連結された従動側回転体との間に形成
    された空隙に収容された磁粉を励磁コイルに供給される
    励磁電流により前記空隙内で結合させて前記駆動側回転
    体の回転力を前記従動側回転体に伝達する磁粉式電磁ク
    ラッチの係合時に前記励磁電流を制御して該磁粉式電磁
    クラッチの伝達トルクを制御する制御手段を備えたクラ
    ッチの制御装置において、 前記制御手段は、車両発進時において前記エンジンや磁
    粉式電磁クラッチの特性ばらつきまたは特性劣化に基づ
    く前記エンジンの回転速度のオーバーシュート量を検出
    し、このオーバーシュート量が判定値を越えている場合
    に、予め定められた、エンジン回転速度と励磁電流との
    関係により求まる励磁電流より大きい励磁電流を前記磁
    粉式電磁クラッチに供給することを特徴とするクラッチ
    の制御装置。
  4. 【請求項4】 車両のエンジンに連結された駆動側回転
    体と車両の車輪に連結された従動側回転体との間に形成
    された空隙に収容された磁粉を励磁コイルに供給される
    励磁電流により前記空隙内で結合させて前記駆動側回転
    体の回転力を前記従動側回転体に伝達する磁粉式電磁ク
    ラッチの係合時に前記励磁電流を制御して該磁粉式電磁
    クラッチの伝達トルクを制御する制御手段を備えたクラ
    ッチの制御装置において、 前記制御手段は、車両発進時において前記エンジンや磁
    粉式電磁クラッチの特性ばらつきまたは特性劣化に基づ
    く前記エンジンの回転速度のオーバーシュート量を検出
    し、このオーバーシュート量が判定値を越えている場合
    に、前記磁粉式電磁クラッチの係合時の励磁電流を増加
    制御するに際して、磁粉式電磁クラッチの係合初期時の
    励磁電流の増加割合を、予め定められた増加割合よりも
    大きくなるように制御することを特徴とするクラッチの
    制御装置。
  5. 【請求項5】 車両のエンジンに連結された駆動側回転
    体と車両の車輪に連結された従動側回転体との間に形成
    された空隙に収容された磁粉を励磁コイルに供給される
    励磁電流により前記空隙内で結合させて前記駆動側回転
    体の回転力を前記従動側回転体に伝達する磁粉式電磁ク
    ラッチの係合時に前記励磁電流を制御して該磁粉式電磁
    クラッチの伝達トルクを制御する制御手段を備えたクラ
    ッチの制御装置において、 前記制御手段は、車両発進時において前記エンジンの回
    転速度のオーバーシュートが検出されなかった場合に、
    前記励磁電流を減少する方向に制御することを特徴とす
    るクラッチの制御装置。
JP7130274A 1995-05-29 1995-05-29 クラッチの制御装置 Pending JPH08318763A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180114357A (ko) * 2017-04-10 2018-10-18 현대자동차주식회사 차량용 발진 제어방법

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