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JPH08242138A - 圧電共振部品 - Google Patents

圧電共振部品

Info

Publication number
JPH08242138A
JPH08242138A JP4421795A JP4421795A JPH08242138A JP H08242138 A JPH08242138 A JP H08242138A JP 4421795 A JP4421795 A JP 4421795A JP 4421795 A JP4421795 A JP 4421795A JP H08242138 A JPH08242138 A JP H08242138A
Authority
JP
Japan
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piezoelectric
resonance
substrate
piezoelectric resonator
resonator
Prior art date
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Application number
JP4421795A
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English (en)
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JP3077551B2 (ja
Inventor
Hiroaki Kaida
弘明 開田
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Priority to JP07044217A priority Critical patent/JP3077551B2/ja
Publication of JPH08242138A publication Critical patent/JPH08242138A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3077551B2 publication Critical patent/JP3077551B2/ja
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Expired - Lifetime legal-status Critical Current

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  • Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 1MHz以上の周波数領域において好適に用
いることができ、エネルギー閉じ込め効率を効果的に高
め得る構造を備えた新規な振動モードを利用した圧電共
振子部品を得る。 【構成】 基板42上に振動する部分の振動を妨げない
ための空間Sを介して圧電共振子43を固定し、金属キ
ャップ44を基板42に固定してなるチップ型圧電共振
部品であって、溝47a,47bで含まれている圧電振
動部が、矩形板状の形状を有し、該矩形面の短辺の長さ
をa、長辺の長さをb、圧電振動部を構成している材料
のポアソン比をσとしたときに、比b/aが特定の範囲
内とされており、それによって圧電横効果を利用した2
n次(ただし、nは整数)の屈曲モードの振動を励振さ
せう得るように構成されている、チップ型圧電共振部
品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な振動モードを利
用したエネルギー閉じ込め型の圧電共振部品に関する。
【0002】
【従来の技術】図1は、従来のすべりモードを利用した
エネルギー閉じ込め型の圧電共振子を示す斜視図であ
る。圧電共振子1は、矩形板状の圧電セラミック板2を
有する。圧電セラミック板2は、一方端面2aから他方
端面2b側に向かって分極処理されている(分極方向を
矢印Pで示す。)。圧電セラミック板2の上面2c上に
は共振電極3が、下面2d上には共振電極4が形成され
ている。
【0003】共振電極3は、端面2b側から中央に向か
って延ばされている。共振電極4は、端面2aから中央
に向かって延ばされている。共振電極3,4は、圧電セ
ラミック板2の中央領域において、圧電セラミック板2
を介して表裏対向するように重なり合わされている。
【0004】圧電共振子1では、共振電極3,4から交
流電圧を印加することにより、共振電極3,4が重なり
合っている領域、すなわち共振部がすべりモードで励振
される。この場合、振動のエネルギーは、共振電極3,
4が重なり合っている共振部に閉じ込められ、端面2
a,2b側にはあまり漏洩しない。
【0005】すなわち、圧電共振子1は、すべりモード
を利用したエネルギー閉じ込め型の圧電共振子である。
従って、端面2a,2b近傍において機械的に保持する
ことにより、ケース材や回路基板等に固定することがで
きる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】エネルギー閉じ込め型
の圧電共振子1では、振動のエネルギーは共振部に良好
に閉じ込められることが必要である。さもないと、端面
2a,2b側の部分において機械的に保持した場合に振
動が阻害され、所望の共振特性を得ることができない。
【0007】圧電共振子1において、振動エネルギーを
良好に閉じ込めるには、素子の長さLを長くする必要が
ある。また、圧電共振子1の共振周波数は、共振部の厚
み、すなわち素子の厚みtに依存する。例えば、共振周
波数が4MHzの圧電共振子1を得ようとした場合、厚
みtは0.3mm程度となり、2MHzの圧電共振子1
を得ようとした場合には厚みtは0.6mmとなる。
【0008】ところが、振動エネルギーを共振部に確実
に閉じ込めるには、厚みtが大きくなるにつれ、素子の
長さLを長くしなければならない。例えば、4MHzの
ときには、厚みtは0.3mmであるが、この場合共振
エネルギーを共振部に確実に閉じ込めるには、長さLを
5mm程度としなければならず、また2MHzの場合に
は厚みtは0.6mmとなるが、この場合には長さLを
10mm程度まで長くしなければならなかった。
【0009】その結果、すべりモードを利用したエネル
ギー閉じ込め型の圧電共振子1では、素子の長さ寸法L
が大きくならざるを得なかった。本発明の目的は、1M
Hz以上の周波数領域において好適に用いることがで
き、エネルギー閉じ込め効率を効果的に高め得る構造を
備えた新規な振動モードを利用した圧電共振部品を提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、上記
課題を達成するためになされたものであり、対向する一
対の矩形の面と、一対の矩形の面を結ぶ4つの側面とを
有する圧電振動部と、前記圧電振動部の前記一対の矩形
面上に形成された第1,第2の共振電極とを備え、前記
矩形面の短辺の長さをa、長辺の長さをb、圧電振動部
を構成する材料のポアソン比をσとしたときに、比b/
aが、
【0011】
【数2】
【0012】を満たす値を中心として±10%の範囲内
とされており、圧電横効果を利用して2n次(但し、n
は整数)の屈曲モードの振動を励振させるように構成さ
れている、圧電共振子と;前記圧電共振子が実装されて
おり、かつ前記圧電共振子の第1,第2の共振電極に電
気的に接続される第1,第2の引出し電極を有する基板
と;前記基板に実装された前記圧電共振子を囲撓するよ
うに、前記基板に取り付けられたキャップとを備えるこ
とを特徴とする、圧電共振部品である。
【0013】本発明で用いられる上記圧電共振子は、一
対の矩形面を有する圧電振動部の形状を上記特定の範囲
とし、圧電横効果を利用して2n次の屈曲振動モードを
励振させる圧電共振子であり、このような圧電共振子
は、本願発明者により初めて見いだされたものである。
【0014】上記圧電共振子は上記特定の形状を有する
ので、第1,第2の共振電極に交流電圧を印加すること
により、後述の実施例から明らかなように、2n次の屈
曲振動モードが励振される。この場合、振動のノード部
は、圧電振動部の側面のうち、上記矩形面の短辺に沿う
側面の一端と、矩形面の中心とに表れる。また、後述の
実施例から明らかなように、上記短辺に沿う側面の一端
側部分に連結部を連結して機械的に保持しても、振動が
連結部にほとんど漏洩してこない。従って、上記側面の
一方端部分を保持することにより、圧電共振子内に振動
エネルギーを効果的に閉じ込めることができる。
【0015】なお、上記比b/aを、式(1)を満たす
値を中心として±10%の範囲内とする必要があるの
は、後述の実施例から明らかなように、上記範囲外では
圧電横効果を利用した2n次の屈曲振動モードを効果的
に励振することができず、従って圧電共振子を側面を利
用して保持した場合振動エネルギーを効果的に閉じ込め
得ないからである。なお、上記比b/aの範囲は、本願
発明者により実験的に確かめられたものである。
【0016】上記圧電共振子では、好ましくは、上記圧
電振動部の側面のうち、矩形面の短辺に沿う側面の一端
側に連結された連結部がさらに備えられる。この場合、
上記圧電横効果を利用した2n次の屈曲振動が、圧電振
動部に効果的に閉じ込められるため、連結部を利用して
圧電共振子を保持することができる。
【0017】また、本発明のより限定的な局面では、上
記圧電振動部の矩形面の短辺に沿う第1の側面と、上記
第1の側面と対向する第2の側面とに、それぞれ、第
1,第2の連結部が連結される。第1の連結部は、第1
の側面の一端側部分に連結され、第2の連結部は、第1
の連結部分が連結されている部分と対角線方向において
反対側となるように、第2の側面の一端側の部分に連結
される。このように、第1,第2の連結部を用いて圧電
振動部を保持した場合には、圧電振動部がその両側で保
持されるため、より安定な特性の圧電共振子を得ること
ができる。
【0018】さらに、上記連結部が備えられた圧電共振
子では、好ましくは、連結部の外側に保持部が連結され
る。この保持部は、好ましくは、連結部より大きな面積
を有するように構成され、それによって保持部を利用す
ることにより圧電共振子を外部に対してより安定に固定
することができる。
【0019】また、より好ましくは、上記保持部には、
引出し電極が形成され、該引出し電極は共振電極と電気
的に接続される。すなわち、保持部に設けられた引出し
電極を利用して、外部との電気的接続を容易とすること
ができる。より好ましくは、上記引出し電極は、保持部
の外周縁に至るように構成され、それによって圧電共振
子の外周縁において外部との電気的接続を果たすことが
できる。
【0020】また、上記第1,第2の連結部が連結され
ている構造においては、上記第1,第2の共振電極は、
第1,第2の連結部が連結されていない側の一対のコー
ナー部を結ぶ対角線に沿うように圧電振動部の矩形面上
に形成され、それによって圧電横効果を利用した2n次
の屈曲振動が効果的に励振される。
【0021】また、上記振動を効果的に励振するために
は、第1,第2の共振電極は、第1,第2の連結部が連
結されている部分近傍において、それぞれ、上記矩形面
上に形成されていてもよい。
【0022】本発明の圧電共振部品の構造 本発明は、上記特定の圧電共振子を用いた圧電共振部品
であり、該圧電共振子は第1,第2の引出し電極を有す
る基板上に実装されている。第1,第2の引出し電極
は、圧電共振子の第1,第2の共振電極に電気的に接続
されている。この圧電共振子を基板に実装するに際し、
基板上に圧電共振子を固定する方法としては、種々の固
定方法を用いることができる。例えば、接着剤や半田な
どの接合剤を用いてもよく、あるいは金属端子などを利
用して圧電共振子と基板とを電気的に接続するととも
に、該圧電共振子を基板に固定してもよい。
【0023】好ましくは、圧電共振子の圧電振動部の振
動を妨げないための空間を、圧電共振子と基板との間に
形成するための空間形成手段がさらに備えられる。この
空間形成手段は基板と、圧電共振子とを接合している接
合剤により構成してもよい。すなわち、接合剤の厚みを
上記空間を形成するのに充分な厚みとすることにより、
空間形成手段を形成してもよい。より好ましくは、上記
接合剤として、導電性接着剤や半田などの導電性接合剤
が用いられる。導電性接合剤を用いた場合には、圧電共
振子の第1,第2の共振電極と、第1,第2の引出し電
極とを電気的に接続するととにも、上記接合剤により圧
電共振子と基板への固定を果たすことができる。
【0024】また、本発明のより特定的な局面では、第
1,第2の共振電極と、基板上に形成された第1,第2
の引出し電極とが第1,第2の金属端子により電気的に
接続される。この場合、第1,第2の金属端子の一端を
基板に、他端側を圧電共振子に接合することにより、圧
電共振子の基板への固定を果たすことも可能となる。
【0025】さらに、第1,第2の金属端子が、上記空
間形成手段をも構成するように、基板側に接合された部
分から圧電共振子側にある程度の長さを有するように延
ばされていてもよい。
【0026】本発明においては、上記圧電共振子が基板
上に実装された状態で、該圧電共振子を囲撓するよう
に、基板にキャップが取り付けられている。このキャッ
プとしては、外部からの物理的ショックに対して圧電共
振子を保護するための適宜の剛性を有する材料により構
成することができる。例えば、金属や合成樹脂などによ
り上記キャップを構成することができる。好ましくは、
金属によりキャップを構成することにより、圧電共振子
を外部のノイズからシールドすることができる。
【0027】また、キャップの基板への取り付けは、半
田や接着剤などの適宜の接合剤を用いて行うことができ
る。なお、上記基板としては、圧電共振子を支持し得る
限り適宜の材料から基板を用いることができ、特に限定
されるものではない。このような基板材料としては、例
えばアルミナなどの絶縁性セラミックスもしくは合成樹
脂等を例示することができる。
【0028】また、上記圧電共振子の圧電振動部を構成
する材料としては、従来より周知の適宜の圧電材料、例
えば圧電セラミックスや圧電多結晶を用いることができ
る。上記圧電セラミックスとしては、例えば、チタン酸
ジルコン酸鉛系圧電セラミックスのような圧電効果を発
揮し得る材料を例示することができ、また、上記圧電多
結晶としては、LiTaO3 、LiNbO3 または水晶
などを例示することができる。いずれにしても、上記式
(1)を満たす値を中心として比b/aが±10%の範
囲内となるように構成し得る、適宜の圧電材料を用いて
上記特定の圧電共振子を構成することができる。
【0029】
【発明の効果】本発明の圧電共振部品では、圧電共振子
の圧電振動部が、上記比b/aが、式(1)を満たす値
を中心として±10%の範囲内とされている形状を有す
る。従って、一対の矩形面上に形成された第1,第2の
共振電極から交流電圧を印加することにより、圧電横効
果を利用した2n次の屈曲振動モードが強く励振され
る。この2n次の屈曲振動モードの振動のノード点は、
圧電振動部の側面のうち、上記矩形面の短辺に沿う側面
の一端と、上記矩形面の中心とに存在する。従って、例
えば圧電振動部の矩形面の短辺に沿う側面の一方端近傍
を基板に固定することにより、圧電共振子を基板上に実
装することができ、その場合、基板側に振動エネルギー
がほとんど漏洩しない。また、圧電振動部の矩形面の短
辺に沿う側面の一方端に連結部を連結した構造とした場
合には、該連結部に振動エネルギーがほとんど漏洩しな
い。従って、連結部のまでの部分に、振動エネルギーを
効果的に閉じ込めるため、連結部より外側の部分におい
て基板上に固定し、所望通りの共振特性を得ることがで
きる。
【0030】上記2n次の屈曲振動モードは、1MHz
以上周波数領域で用いるのに適した振動モードであり、
従って、本発明によれば、エネルギー閉じ込め効率に優
れた、1MHz以上の周波数体で用い得る新規な圧電共
振部品を提供し得る。
【0031】しかも、本発明の圧電共振部品では、基板
上に圧電共振子を上記接合剤などを用いて実装し、キャ
ップを基板に取り付けるだけで構成される。従って、ば
ね端子などの複雑な支持構造を必要としない。さらに、
従来のすべりモードを利用したエネルギー閉じ込め型圧
電共振子のように、振動部分と支持部分との間の距離を
大きくする必要がないため、圧電共振部品の小型化を促
進することが可能となる。
【0032】また、基板と圧電共振子との間に空間形成
手段により圧電振動部の振動を妨げないための空間を形
成した構造では、圧電振動部の振動が基板に圧電共振子
を実装したことにより妨げられないため、所望通りの共
振特性を確実に得ることができる。
【0033】
【実施例の説明】以下、図面を参照しつつ実施例を説明
することにより、本発明を明らかにする。
【0034】本発明で用いられる圧電共振子の振動モー
ドの説明 本発明は、上述したように、本発明者により見い出され
た新しい振動モードを利用した圧電共振子を有する圧電
共振部品である。この新たに見い出された振動モード
を、図2〜図6を参照して説明する。
【0035】今、図2に示すように、矩形の圧電板11
の両主面の全面に電極12,13を形成したモデルを考
える。圧電板11は、矩形の平面形状を有する。すなわ
ち、上面及び下面が矩形の平面形状を有する。また、圧
電板11は、厚み方向に、すなわち矢印P方向に一様に
分極処理されている。
【0036】上記圧電板11を、電極12,13から交
流電圧を印加することにより振動させた場合の屈曲振動
の2次高調波を有限要素法により解析すると、圧電板1
1の平面形状がある範囲において、図3に示す振動モー
ドが励振されることがわかった。なお、図3は、有限要
素法により解析された振動モードを示し、元の形状が線
Aで示されており、ここでは、Bで示す変位状態と、B
で示す変位状態とは逆の変位状態との間で振動が繰り返
される。
【0037】上記屈曲モードの2次高調波の振動が励振
される圧電板11を、一対の短辺に沿う一対の側面の各
一端側において保持した場合、図4に示すように、振動
エネルギーが閉じ込められることが確かめられた。すな
わち、図4に有限要素法により解析した変位分布を示す
ように、圧電板11の短辺側の側面11aの一端側に連
結部12を連結する。また、他方の短辺側に沿う側面1
1bの一端に連結部13を連結する。この場合、連結部
12と連結部13とは、圧電板11の上面の1つの対角
線の両端に連結されている。
【0038】図4から明らかなように、上記連結部1
2,13を連結し、該連結部12,13により圧電板1
1を保持した場合、変位状態Cでは、連結部12,13
よりも外側の部分に変位が伝搬しないことがわかる。言
い換えれば、連結部12,13を、上記位置に連結する
ことにより、圧電板11の屈曲モードの2次高調波の振
動を連結部12,13までの部分に閉じ込め得ることが
わかる。
【0039】図4に示した変位状態Cにおける電荷分布
を調べたところ、図5に示す結果が得られた。すなわ
ち、圧電板11の上面において、+極性の領域が、図示
の仮想線Dに沿う方向に延び、この仮想線Dは、1つの
対角線に略沿うように延びている。また、他方の対角線
側のコーナー部分近傍に、−極性の電位の強い部分が表
れる。
【0040】従って、上記連結部12,13を連結し
て、図4に示した変位Cと、その逆の変位状態との間で
振動する振動を強く励振させるには、図5に示した電荷
分布に応じて共振電極を形成すればよいと考えられる。
このような知見のもとに、後述の第1及び第2の圧電共
振子が考えられた。
【0041】上記のように、矩形の圧電板11に連結部
12,13を連結し、両面の電極から電圧を印加して励
振させた場合に、屈曲モードの2次高調波が強く励振さ
れ、該振動のエネルギーが連結図12,13までに閉じ
込められ得る。このような効果は、圧電板11の寸法が
特定の範囲にある場合にのみ得られれることがわかっ
た。
【0042】すなわち、本願発明者は、種々の寸法の圧
電板11を用いて、図4に示した変位状態Cと、逆の変
位状態との間で繰り返す振動を励振させたところ、圧電
板11の矩形面の長辺の長さをb、短辺の長さをaと
し、圧電板11を構成する材料のポアソン比をσとする
と、上述した式(1)を満たす値のときに上記振動が強
く励振され、かつ第1,第2の連結部12,13までの
部分に振動エネルギーが効果的に閉じ込められ得ること
がわかった。すなわち、比b/aを種々変更し、かつ種
々の圧電材料を用いて、図4に示したように有限要素法
により変位状態を解析した。その結果、上記屈曲モード
の2次高調波を効果的に連結部12,13までに閉じ込
めるには、比b/aと、圧電板11を構成する材料のポ
アソン比σとが、図6(a)に示す関係を満たせばよい
ことが確かめられた。この図6(a)の結果から、比b
/aが、
【0043】
【数3】
【0044】となるように、上記短辺の長さa及び長辺
の長さbを選択すればよいことがわかる。さらに、上記
比b/aが(0.3σ+1.48)の整数倍の場合に
も、上記と同様に、振動エネルギーが閉じ込められるこ
とを見い出した。
【0045】また、本願発明者は、あるポアソン比σの
圧電材料として、ポアソン比σ=0.3のチタン酸ジル
コン酸鉛からなる圧電板を用いて、式(1)のnを、
0.85〜1.1まで変化させ、図4に示す変位量の最
も小さな点Pの変位量に対する変位量の最も大きな点Q
における変位量の比、すなわち相対変位(%)を測定し
た。結果を図6(b)に示す。
【0046】図6(b)から明らかなように、nの値が
0.9〜1.1の範囲であれば、上記相対変位は10%
以下であることがわかる。他方、相対変位が10%以下
の場合には、共振子を構成する場合に実質的に問題のな
いことがわかっている。従って、式(1)を満たす値か
ら±10%の範囲内であれば、圧電振動部に振動エネル
ギーを効果的に閉じ込めることができる。
【0047】上記のように、短辺の長さがa、長辺の長
さb、圧電板を構成する材料のポアソン比がσの圧電振
動部において、上記比b/aを式(1)を満たす値から
±10%の範囲内とすることにより、エネルギー閉じ込
め効率に優れた圧電共振子を提供し得ることがわかっ
た。なお、上記屈曲モードの2次高調波の振動は、圧電
板11に連結部12,13を連結しない場合には、振動
のノードは、矩形面の中央と両短辺に沿う側面の中央に
存在することが確かめられた。
【0048】本発明で用いられる圧電共振子の一例 図7は、上記圧電共振子の一例を示す平面図であり、図
8は、圧電板を透かして下面側の電極形状を示した模式
的平面図である。
【0049】圧電共振子21は、矩形の圧電板22と連
結部23,24と、保持部25,26とを有する。圧電
板22は、例えばチタン酸ジルコン酸鉛系圧電セラミッ
クスのような圧電材料により構成されており、圧電セラ
ミックスの場合には、厚み方向に一様に分極処理されて
いる。圧電板22は、矩形の平面形状を有し、短辺に沿
う第1の側面22aの一端側に第1の連結部23が連結
されており、短辺に沿う第2の側面22bの一端に第2
の連結部24が連結されている。また、連結部23,2
4の外側には、連結部23,24よりも面積の大きな保
持部25,26が連結されている。
【0050】圧電共振子21では、上記圧電板22、第
1,第2の連結部23,24及び第1,第2の保持部2
5,26は、一枚の圧電板を用意し、該圧電板に溝2
7,28を形成することにより構成されている。すなわ
ち、圧電板22、第1,第2の連結部23,24及び保
持部25,26は、同一材料により一体的に構成されて
いる。もっとも、圧電板22、第1,第2の連結部2
3,24及び第1,第2の保持部25,26はそれぞれ
別の部材で構成されていてもよく、接着剤等により接合
されて一体化されてもよい。
【0051】圧電板22は、矩形の平面形状を有し、そ
の矩形面の長辺の長さをb、短辺の長さをaとしたとき
に、比b/aは、上述した式(1)を満たす値を中心と
して±10%の範囲内とされている。
【0052】圧電板22の上面には、第1の共振電極2
8が形成されており、下面には、第1の共振電極28と
圧電板22を介して対向するように第2の共振電極29
が形成されている。第1,第2の共振電極28,29
は、図5に示した+の極性の領域にほぼ合致するように
形成されている。すなわち、第1,第2の共振電極2
8,29は、図5に示した仮想線Dに沿う方向に、すな
わち一方の対角線に略沿う方向に延ばされている。
【0053】第2の保持部26上には引出し電極30
が、第1の保持部25の下面には引出し電極31が形成
されている。第1の共振電極28は、接続導電部32を
介して引出し電極30に電気的に接続されており、他
方、第2の共振電極29は、接続導電部33を介して引
出し電極31に電気的に接続されている。
【0054】圧電共振子21では、引出し電極30,3
1から交流電圧を印加することにより、第1,第2の共
振電極28,29間に交流電圧が印加され、それによっ
て上述した屈曲モードの2次高調波の振動が強く励振さ
れる。
【0055】この場合、圧電板22の長辺と短辺の長さ
の比b/aが、上述した式(1)を満たす値を中心とし
て±10%の範囲内とされているため、連結部23,2
4までの部分に振動が効果的に閉じ込められる。従っ
て、保持部25,26を利用して機械的に保持したとし
ても、共振特性の劣化が生じ難い。言い換えれば、連結
部23,24までの部分に振動エネルギーが効果的に閉
じ込められたエネルギー閉じ込め型の圧電共振子21が
提供される。
【0056】第1の実施例 図9及び図10は、本発明の第1の実施例に係る圧電共
振部品を説明するための分解斜視図及び外観を示す斜視
図である。
【0057】本実施例のチップ型圧電共振部品41は、
アルミナ等の絶縁性セラミックスよりなる基板42上に
上述した圧電共振子21と同様の構造を有する圧電共振
子43を実装し、金属キャップ44を基板42に固定し
た構造を有する。
【0058】基板42は、平面形状が略矩形の形状を有
し、長辺側の両側縁に、切欠42a〜42dを有する。
切欠42aと切欠42cとが向かい合うように、切欠4
2bに切欠dとが向かい合うように形成されている。ま
た、切欠42a,42cを結ぶように、第1の引出し電
極45が形成されている。同様に、切欠42bと、切欠
42dとを結ぶように第2の引出し電極46が基板42
の上面に形成されている。第1,第2の引出し電極4
5,46は、それぞれ、上述した切欠42a,42c及
び42b,42d内に至るように形成されている。
【0059】切欠42a〜42dは、本実施例のチップ
型圧電共振部品41をプリント回路基板等に実装する際
に、引出し電極45,46とプリント回路基板上の配線
電極との電気的接続を容易にかつ確実に行うために設け
られている。
【0060】圧電共振子43は、図7及び図8に示した
圧電共振子21と同様に構成されている。すなわち、図
11(a)及び(b)に示すように、圧電共振子43
は、例えばチタン酸ジルコン酸鉛系圧電セラミックスの
ような圧電材料よりなり、厚み方向に一様に分極処理さ
れた矩形の圧電板47を用いて構成されている。圧電板
47には、一方の長辺側の側面から短辺側の側面と平行
に延びる溝47aが、他方の長辺側の側面から短辺側の
側面と平行に延びる溝47bが形成されている。溝47
a,487bで挟まれた圧電板部分が圧電振動部を構成
している。
【0061】また、溝47a,47bの側方に位置する
圧電板部分がそれぞれ、第1,第2の連結部48,49
を構成しており、該連結部48,49の外側に第1,第
2の保持部50,51が構成されている。圧電板47の
上面には、圧電振動部の向かい合う対角を結ぶように、
第1の共振電極52が形成されており、下面には第1の
共振電極52と圧電板47を介して容易に対向するよう
に第2の共振電極53が形成されている。第1の共振電
極52は、接続導電部54を介して端子電極55に電気
的に接続されている。同様に、第2の共振電極53は、
接続導電部56を介して保持部51の下面に形成された
端子電極57に電気的に接続されている。
【0062】圧電共振子43は、接続導電部の位置及び
第1,第2の共振電極の方向において、圧電共振子21
(図7参照)と異なるが、その他の点については同様で
ある。従って、端子電極55,57から交流電圧を印加
することにより、圧電共振子21と同様に屈曲モードの
2次高調波の振動が強く励振される。
【0063】しかも、上記振動のノード点は、圧電振動
部の短辺側の側面の一端側に存在する。すなわち、第
1,第2の連結部48,49には、上記屈曲モードの振
動エネルギーはほとんど漏洩してこない。
【0064】他方、圧電共振子43は、第1,第2の保
持部50,51において、導電線接着剤58,59によ
り基板42に固定されている。すなわち、導電性接着剤
58,59により端子電極55の第1の保持部50の下
面に至る部分及び第2の端子電極57と、第1,第2の
引出し電極45,46とが電気的に接続されるととも
に、圧電共振子43が基板42に物理的に固定されてい
る。
【0065】なお、導電性接着剤58,59は、図9に
示されているように、ある程度の厚みを有するように付
与されている。従って、圧電共振子43の振動部分と、
基板42の上面との間に矢印Sで示す空間が確保されて
いる。よって、圧電振動部の振動が、基板42の上面に
よって妨げられることがない。
【0066】なお、本実施例では、導電性接着剤58,
59を用いたが、代わりに半田や銀ろう等の接合剤を用
いてもよい。キャップ44は、ステンレスもしくはアル
ミニムなどの金属材料からなり、上記圧電共振子を囲撓
するように基板42に固定される。このキャップ44の
基板42への固定は、接着剤や半田等を用いて行うこと
ができる。図10から明らかなように、本実施例のチッ
プ型圧電共振部品41では、上述したエネルギー閉じ込
め型の圧電共振子43が基板42とキャップ44とから
なるケース内に収納されており、従って圧電共振子43
に異物が接触したりするおそれがない。よって、プリン
ト回路基板等に実装された後に、所望通りの共振特性を
確実に得ることができる。
【0067】しかも、キャップ44が金属よりなるた
め、圧電共振子43は、外部の電磁ノイズから確実にシ
ールドされ、よって共振特性の劣化も生じ難い。さら
に、基板42に、上述した切欠42a〜42dが形成さ
れており、該切欠42a〜42d内に至るように第1,
第2の引出し電極45,46が形成されているため、プ
リント回路基板上の配線パターンに容易に面実装するこ
とができる。従って、本実施例によれば、1MHz体以
上の周波数体で用いるのに適したエネルギー閉じ込め型
の圧電共振部品を提供することが可能となる。
【0068】第2の実施例 図12及び図13は、本発明の第2の実施例のチップ型
圧電共振部品を説明するための分解斜視図及び外観を示
す斜視図である。
【0069】第2の実施例のチップ型圧電共振子部品6
1は、基板62上に圧電共振子63を実装し、第1の実
施例で用いたのと同様のキャップ44を基板62に固定
した構造を有する。
【0070】基板62は、第1の実施例の基板42と同
様の材料で構成されるが、基板62では、短辺側の一方
の側面に切欠62a,62bが、他方の短辺側の側面に
切欠62c,62dが形成されている。また、基板62
の上面には、第1の引出し電極64が形成されており、
該引出し電極64は切欠62a内に延びるように形成さ
れている。また、切欠62b内に延びるように基板62
の上面にアース電極65が形成されている。
【0071】同様に、他方側の短辺側の側面近傍におい
て、基板62の上面に第2の引出し電極66とアース電
極67とが形成されている。第2の引出し電極66は切
欠62d内に延びるように形成されており、アース電極
67は切欠62c内に延びるように形成されている。
【0072】圧電共振子63は、単一モード圧電フィル
タを構成する共振子であり、圧電板68を用いて構成さ
れている。この圧電板68は、図7に示した圧電板22
と同様に構成されている。従って、同一部分について
は、同一の参照番号を付することにより、その説明を省
略する。本実施例では、圧電振動部を構成している中央
の矩形の圧電板部分の上面に、第1の共振電極として、
入力電極69と出力電極70とが形成されている。ま
た、下面には、第2の共振電極として、共通共振電極7
1が形成されている。入力電極69及び出力電極70
は、図5に示した電荷分布において+の極性を有する領
域を中心として形成されている。また、共通共振電極7
1は、入力電極69及び出力電極70に対して、圧電板
68を介して表裏対向するように形成されている。
【0073】入力電極69は、接続導電部72を介して
端子電極73に電気的に接続されている。端子電極73
は、支持部26の下面に至るように形成されている。同
様に出力電極70は接続導電部74を介して端子電極7
5に接続されている。端子電極75は、支持部25の下
面に至るように形成されている。
【0074】上記圧電共振子63は、導電性接着剤7
7,78,79を用いて基板62上に固定されている。
導電性接着剤77は、端子電極73と第1の引出し電極
64とを電気的に接続している。また、端子電極75
は、図示されていない導電性接着剤により第2の引出し
電極66に電気的に接続されている。さらに、導電性接
着剤78,79により、共通共振電極71に接続された
接続導電部(図示されず)が、アース電極65,67に
電気的に接続されている。
【0075】本実施例においても、圧電板68に設けら
れた圧電振動部が上述した式(1)を満たす値を中心と
して±10%の範囲内となるように、圧電振動部の平面
形状が定められている。従って、入力電極69から入力
を印加した場合、屈曲モードの2次高調波で入力電極6
9と共通共振電極71とが対向している部分が励振さ
れ、出力が共通共振電極71と出力電極70との間で取
り出される。従って、3端子型の単一モード圧電フィル
タとして動作し得る。
【0076】本実施例においても、第1の実施例と同様
に、上述した導電性接着剤77〜79がある程度の厚み
を有し、従って圧電板68の圧電振動部の圧電基板62
との間に矢印Sで示す空間が形成されている。よって、
圧電板62により圧電振動部の振動が妨げられないた
め、所望通りのフィルタ特性を実現することができる。
【0077】また、本実施例においても、切欠62a〜
62dが形成されており、該切欠62a〜62d内に第
1,第2の引出し電極及び圧電電極が至るように形成さ
れているため、チップ型圧電共振部品として、プリント
回路基板上の配線パターンに容易に接合することができ
る。
【0078】第3の実施例 図14及び図15は、本発明の第3の実施例にかかるチ
ップ型圧電共振部品を説明するための分解斜視図及び斜
視図であり、図16(a)及び(b)は、本実施例で用
いられる圧電共振子の平面図及び下面の電極形状を示す
模式的平面図である。
【0079】本実施例のチップ型圧電共振部品91は、
基板92上に、連結部及び保持部を有しない圧電振動部
のみからなる圧電共振子93を実装し、金属キャップ4
4により圧電共振子93を囲撓した構造を有する。
【0080】金属キャップ44は、第1の実施例で用い
た金属キャップ44と同様に構成されており、かつ第1
の実施例の場合と同様にして基板に取り付けられてい
る。基板92は、平面形状が矩形の絶縁性セラミック
ス、例えばアルミナなどにより構成されており、一方長
辺側の側面に切欠92a,92bが形成されており、他
方長辺側の側面に92c,92dが形成されている。
【0081】また、基板92の上面には、第1,第2の
引出し電極94,95が形成されている。第1の引出し
電極94は、切欠92b,92d内に至るように形成さ
れており、第2の引出し電極95は、切欠92a,92
c内に至るように形成されている。
【0082】圧電共振子93は、平面形状が矩形の圧電
板96を用いて構成されている。圧電板96は、例えば
チタン酸ジルコン酸鉛系圧電セラミックスよりなり、厚
み方向に分極されており、前述した比b/aが、式
(1)を満たす値を中心として±10%の範囲となるよ
うに、比b/aが定められている。
【0083】圧電セラミック板96の上面には、一対の
コーナー部分を結ぶように第1の共振電極97が形成さ
れている。第1の共振電極97は接続導電部98を介し
て端子電極99に電気的に接続されている。端子電極9
9は、圧電板96の下面にも至るように形成されてい
る。
【0084】他方、図16(b)から明らかなように、
圧電板96の下面には、第2の共振電極100が形成さ
れている。第2の共振電極100は、接続導電部101
を介してコーナー部分に形成された端子電極102に電
気的に接続されている。
【0085】上記第1,第2の端子電極99,102
は、それぞれ、導電性接着剤もしくは半田等からなる導
電性接合剤103,104により第1,第2の引出し電
極94,95に電気的に接続されている。導電性接合剤
103,104は、上記電気的接続を果たすだけでな
く、圧電共振子96を圧電基板92に対して固定する機
能をも果たしている。
【0086】また、導電性接合剤103,104は、あ
る程度の厚みを有するように付与されており、従って、
圧電基板96の下面と基板92の上面との間に所定の厚
みの空間Sが確保されている。
【0087】圧電共振子93では、上記第1,第2の共
振電極97,100間に交流電圧を印加することによ
り、第1の実施例の圧電共振子の圧電振動部と同様に屈
曲モードの2次高調波で共振が生じる。この振動のノー
ド点は、圧電板96の上面及び下面の中央だけでなく、
短辺側の側面の一端、すなわち共振電極97,100が
延ばされているコーナー部分とが異なるコーナー部分近
傍の短辺側側面に存在する。従って、導電性接合剤10
3,104が振動のノード点近傍に位置しているため、
導電性接合剤103,104により圧電共振子93を固
定したとしても、上記振動エネルギーが基板92側にほ
とんど漏洩しない。言い換えれば、導電性接合剤10
3,104により固定したとしても、圧電共振子96の
共振特性がほとんど阻害されない。
【0088】よって、本実施例では、第1の実施例で設
けられていた連結部や支持部を設けずとも、エネルギー
閉じ込め型の1MHz体で使用し得る小型のチップ型圧
電共振部品を提供することができる。
【0089】第4の実施例 図17及び図18は、本発明の第4の実施例にかかるチ
ップ型圧電共振部品う説明するための分解斜視図及び斜
視図である。本実施例は、圧電共振子93を、基板92
上に実装し、金属キャップ44により囲撓した構造を有
する点において、第3の実施例と同様である。従って、
同一部分については、同一の参照番号を付することによ
り、その説明を省略する。
【0090】第3の実施例と異なる点は、圧電共振子9
3を基板92に固定する構造にある。すなわち、本実施
例では、第1,第2の引出し電極94,95に、例えば
半田などにより、金属端子112,113が固定されて
いる。金属端子112,113は、略P字状の形状を有
し、先端が上方に延ばされている。
【0091】他方、圧電共振子93の端子電極99に、
上記金属端子112の先端側が半田等により接合され
て、端子電極99と第1の引出し電極94とが電気的に
接続されている。同様に、金属端子113により、第2
の端子電極(図示されず)が、第2の引出し電極95と
電気的に接続されている。上記金属端子112,113
は、圧電共振子93の第1,第2の端子電極、引いては
第1,第2の共振電極と、基板92上の第1,第2の共
振電極97,100とを電気的に接続する機能を果たし
ている。のみならず、金属端子112,113は、圧電
共振子93を基板92に固定するための固定部材として
も機能している。
【0092】また、金属端子12,113の先端は、基
板12の上面よりもかなり上方に位置しており、従っ
て、圧電共振子93の下面と、基板92の上面との間に
は、前述した各実施例と同様に所定の厚みの空間Sが確
保されている。
【0093】よって、第4の実施例においても、第3の
実施例と同様に、所望通りの共振特性を発揮し得るチッ
プ型圧電共振部品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のすべりモードを利用した圧電共振子を示
す斜視図。
【図2】厚み方向に分極処理された圧電板の両面に電極
を形成したモデルを示す斜視図。
【図3】図2に示した圧電板の変位状態を有限要素法に
より解析した状態を示す図。
【図4】図3に示した圧電板に連結部を連結した場合の
変位分布を示す図。
【図5】図4の変位分布に応じた電荷分布状態を示す平
面図。
【図6】(a)は、比b/aとポアソン比との関係を示
す図、(b)は、相対変位とnとの関係を示す図。
【図7】本発明で用いられる圧電共振子の一例を示す平
面図。
【図8】図7に示した圧電共振子において、圧電板を透
かして下方の電極形状を示す模式的平面図。
【図9】本発明の第1の実施例のチップ型圧電共振部品
を説明するための分解斜視図。
【図10】第1の実施例のチップ型圧電共振部品の外観
を示す斜視図。
【図11】(a)及び(b)は、第1の実施例で用いら
れる圧電共振子の平面図及び圧電板を透かして下方の電
極形状を示す模式的平面図。
【図12】第2の実施例のチップ型圧電共振部品を説明
するための分解斜視図。
【図13】第2の実施例のチップ型圧電共振部品の外観
を示す斜視図。
【図14】第3の実施例のチップ型圧電共振部品を説明
するための分解斜視図。
【図15】第3の実施例のチップ型圧電共振部品の外観
を示す斜視図。
【図16】(a)及び(b)は、それぞれ、第3の実施
例で用いられる圧電共振子の平面図及び圧電板を透かし
て下方の電極形状を示す模式的平面図。
【図17】第4の実施例のチップ型圧電共振部品を示す
斜視図。
【図18】第4の実施例のチップ型圧電共振部品の外観
を示す斜視図。
【符号の説明】
21…圧電共振子 22…圧電板 23,24…連結部 25,26…支持部 28,29…第1,第2の共振電極 41…チップ型圧電共振部品 42…圧電板 43…圧電共振子 44…キャップ 45,46…第1,第2の引出し電極 48,49…連結部 50,51…保持部 52,53…第1,第2の共振電極 55,57…端子電極 58,59…導電性接着剤 61…チップ圧電共振部品 62…基板 63…圧電共振子 64,66…第1,第2の引出し電極 65,67…圧電電極 69…第1の共振電極としての入力電極 70…第1の共振電極としての出力電極 71…共通共振電極(第2の共振電極) 77〜79…導電性接合剤 91…チップ型圧電共振部品 92…基板 93…圧電共振子 94,95…第1,第2の引出し電極 96…圧電板 97,100…第1,第2の共振電極 103,104…導電性接合剤 111…チップ型圧電共振部品 112,113…金属端子

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向する一対の矩形の面と、一対の矩形
    の面を結ぶ4つの側面とを有する圧電振動部と、 前記圧電振動部の前記一対の矩形面上に形成された第
    1,第2の共振電極とを備え、 前記矩形面の短辺の長さをa、長辺の長さをb、圧電振
    動部を構成する材料のポアソン比をσとしたときに、比
    b/aが、 【数1】 を満たす値を中心として±10%の範囲内とされてお
    り、圧電横効果を利用して2n次(但し、nは整数)の
    屈曲モードの振動を励振させるように構成されている、
    圧電共振子と、 前記圧電共振子が実装されており、かつ前記圧電共振子
    の第1,第2の共振電極に電気的に接続される第1,第
    2の引出し電極を有する基板と、 前記基板に実装された前記圧電共振子を囲撓するよう
    に、前記基板に取り付けられたキャップとを備えること
    を特徴とする、圧電共振部品。
  2. 【請求項2】 前記圧電振動部の側面のうち、前記矩形
    面の短辺に沿う側面の一端側に連結された連結部をさら
    に備え、該連結部により保持されるように構成されてい
    る、請求項1に記載の圧電共振部品。
  3. 【請求項3】 前記圧電振動部の矩形面の第1の短辺に
    沿う第1の側面の一端側部分に第1の連結部が連結され
    ており、第1の連結部が連結されている部分に対して対
    角線方向において反対側の位置となるように、第2の短
    辺に沿う第2の側面の一端側部分に第2の連結部が連結
    されている、請求項2に記載の圧電共振部品。
  4. 【請求項4】 前記連結部に、圧電共振子を機械的に保
    持するための保持部が連結されている、請求項2または
    3に記載の圧電共振部品。
  5. 【請求項5】 前記保持部に引出し電極が形成されてお
    り、該引出し電極が前記第1または第2の共振電極に電
    気的に接続されている、請求項4に記載の圧電共振部
    品。
  6. 【請求項6】 前記第1,第2の共振電極が、前記第
    1,第2の連結部が連結されている側のコーナー部を結
    ぶ対角線に略沿うように延びるように、前記圧電振動部
    の矩形面上に形成されている、請求項3に記載の圧電共
    振部品。
  7. 【請求項7】 前記第1,第2の共振電極が、前記第
    1,第2の連結部が連結されている部分近傍において、
    それぞれ、前記矩形面上に形成されている、請求項3に
    記載の圧電共振部品。
  8. 【請求項8】 前記圧電共振子の振動を妨げないための
    空間を、前記圧電共振子と基板との間に形成するための
    空間形成手段をさらに備える、請求項1〜7のいずれか
    に記載の圧電共振部品。
  9. 【請求項9】 前記空間形成手段が、前記基板と、前記
    圧電共振子とを接合している接合剤により構成されてい
    る、請求項8に記載の圧電共振部品。
  10. 【請求項10】 前記接合剤が、導電性接合剤であり、
    該導電性接合剤が前記第1,第2の引出し電極上に付与
    されている、請求項9に記載の圧電共振部品。
  11. 【請求項11】 前記圧電共振子の第1,第2の共振電
    極と、前記基板上に形成された第1,第2の引出し電極
    とを電気的に接続し、かつ圧電共振子を基板に接合する
    ための第1,第2の金属端子をさらに備え、前記第1,
    第2の金属端子が前記空間形成手段を構成するように、
    基板側に接合された部分から圧電共振子側に延ばされて
    いる、請求項8に記載の圧電共振部品。
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