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JPH08245362A - 紫外線損傷防御用外用剤 - Google Patents

紫外線損傷防御用外用剤

Info

Publication number
JPH08245362A
JPH08245362A JP7077181A JP7718195A JPH08245362A JP H08245362 A JPH08245362 A JP H08245362A JP 7077181 A JP7077181 A JP 7077181A JP 7718195 A JP7718195 A JP 7718195A JP H08245362 A JPH08245362 A JP H08245362A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vitamin
skin
damage
ultraviolet
external preparation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7077181A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Murayama
昭 村山
Shigenori Tanaka
重則 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seikagaku Corp
Original Assignee
Seikagaku Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seikagaku Corp filed Critical Seikagaku Corp
Priority to JP7077181A priority Critical patent/JPH08245362A/ja
Publication of JPH08245362A publication Critical patent/JPH08245362A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】紫外線の皮膚到達量を減少させる効果によるの
みならず、紫外線による皮膚損傷予防活性及び損傷皮膚
回復活性に基づき、皮膚障害の防御効果が飛躍的に向上
した紫外線損傷防御用外用剤の提供。 【構成】紫外線防御剤並びに正常皮膚機能維持活性成分
及び損傷皮膚回復活性成分としてビタミンA、ビタミン
Aエステル及びビタミンA酸エステルからなる群より選
ばれる1種又は2種以上のビタミンA類を含んでなるこ
とを特徴とする紫外線損傷防御用外用剤。特に、上記ビ
タミンA類の配合比が、外用剤全体に対して、0.05
重量%以上、2.0重量%以下である上記の紫外線損傷
防御用外用剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紫外線損傷防御用外用
剤に関する。より詳細には、正常皮膚機能維持活性及び
損傷皮膚回復活性を併せ持つビタミンA及び/又はビタ
ミンAエステル及び/又はビタミンA酸エステルを紫外
線防御剤と共に含ませて使用することにより、過度の太
陽光による皮膚障害から有効に皮膚を防御する紫外線損
傷防御用外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】周知の通り、過度の紫外線被爆から地球
上の生物を保護しているオゾン層の破壊が進行しつつあ
る現在においては、太陽光の紫外線による障害、特に皮
膚に対する悪影響、例えば皮膚の損傷、皮膚の老化促
進、さらに皮膚癌発生の増加等から人間を保護する必要
性は大きくなる一方である。現に、オーストラリアや米
国における扁平上皮癌の発生率は、既に直腸癌、肺癌及
び乳癌よりも高く、日光と皮膚癌との関連性を否定でき
なくなっている(Nature,372;773-776(1994)) 。
【0003】そこで、これまで紫外線を吸収又は遮断す
ることにより、皮膚に到達する紫外線量を減少させるこ
とを目的として、様々な紫外線防御剤が開発され、それ
を元に防御レベルの異なる多様なサンスクリーン製品が
市販されている。この異なる防御レベルはサンプロテク
ションファクター(SPF)と呼ばれる数値として表示
されている。
【0004】しかしながら、これらのサンスクリーン製
品には改良すべき問題点が存在する。すなわち、従来の
サンスクリーン製品はその紫外線防御効果により、紫外
線被爆により惹起される皮膚の障害をある程度防御し得
るが、その防止効果については、未だ満足のいく水準に
は至っていない。
【0005】特に、一旦紫外線被爆により皮膚の損傷が
起こると、その損傷部位は正常部位に比べ極端に紫外線
に対する抵抗性が減少するため、損傷の悪化が加速され
てしまうことになる。そのため、しばしば高頻度に大量
のサンスクリーン剤を使用する例も見られ、これが海水
やプール等の汚染の原因ともなり、環境汚染をも引き起
こしている。
【0006】また、紫外線防御剤を大量に使用すること
は、使用者の健康にとって必ずしも好ましいことではな
い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】太陽光における過度の
紫外線の悪影響から皮膚を有効に保護することへの社会
的関心は高まりつつあり、これまで以上に有効で安全性
の高い紫外線損傷防御用外用剤の開発が望まれている。
そのためには、下記〔A〕、〔B〕の機能を同時に併せ
持つ外用剤の創製が必要である。
【0008】〔A〕紫外線の皮膚への到達量を減少させ
る。 〔B〕正常皮膚機能を高め、紫外線への抵抗性を高める
と同時に損傷皮膚を迅速に修復させ、紫外線に弱くなっ
た損傷部位のさらなる悪化を可能な限り抑える。
【0009】前述のごとく、従来のサンスクリーン剤に
おいては、ある程度課題〔A〕の解決はなされてきた
が、課題Bの重要性が全く見落とされてきたがために、
有効で安全性の高い紫外線防御用外用剤の開発には至っ
ていない。
【0010】課題〔A〕のみならず、課題〔B〕をも同
時に満足させることにより、太陽光における過度の紫外
線からの皮膚の保護効果はさらに格段に向上する。
【0011】課題〔B〕を解決するために、考慮するべ
き事項を以下に掲げる。 正常皮膚機能維持活性及び損傷皮膚回復活性を併せ持
つことが必要である。 正常皮膚機能維持活性及び損傷皮膚回復活性成分は、
当該正常皮膚機能維持効果及び当該損傷回復効果が強
く、かつ安全性に優れた成分であることが必要である。
【0012】すなわち、上記損傷回復効果等は強いが副
作用の強いステロイド剤等は、本発明に用いる損傷皮膚
回復活性成分等としては好ましくない。逆に、副作用は
少ないが、上記損傷回復効果等が相対的に弱い、胎盤抽
出物やエラスチン等も、本発明に用いる損傷皮膚回復活
性成分等としては妥当ではない。
【0013】正常皮膚損傷機能維持活性成分及び損傷
皮膚回復活性成分は、比較的安価な成分であることが必
要である。 すなわち、上記及びの条件を満たす成分であって
も、余りに高価な成分であっては、最終的に提供される
外用剤の汎用性を減ずることになり好ましくない。
【0014】すなわち、本発明が解決すべき課題は、紫
外線の皮膚到達量を減少させると同時に紫外線による皮
膚損傷予防効果及び同損傷皮膚回復効果を併せ持たせる
ために、前記課題〔A〕を満足させる紫外線防御剤に、
課題〔B〕〜を満たす正常皮膚機能維持活性及び損
傷皮膚回復活性を有する成分を配合した高い有効性を有
する紫外線損傷防御用外用剤を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題の
解決に向けて鋭意検討を行った。その結果、上記課題
〔A〕を満たす成分に加えて、上記課題〔B〕〜を
満たす成分として、ビタミンA及び/又はビタミンAエ
ステル及び/又はビタミンA酸エステルを使用すること
により、本発明を完成するに至った。
【0016】すなわち、本発明は、紫外線防御剤並びに
正常皮膚機能維持活性成分及び損傷皮膚回復活性成分と
して、ビタミンA、ビタミンAエステル及びビタミンA
酸エステルからなる群より選ばれる1種又は2種以上の
ビタミンA類を含んでなることを特徴とする紫外線損傷
防御用外用剤を提供する。
【0017】以下、本発明について詳細に説明する。ま
ず、本発明における正常皮膚機能維持活性及び損傷皮膚
回復活性成分としてのビタミンA類、すなわち、ビタミ
ンA、ビタミンAエステル及びビタミンA酸エステルに
ついて説明する。本発明において、ビタミンAとは、全
トランス−レチノールを意味し、ビタミンAエステルと
は前記ビタミンAとカルボン酸とのエステルを意味し、
ビタミンA酸とは、全トランス−レチノイン酸を意味
し、ビタミンA酸エステルとは、前記ビタミンA酸とヒ
ドロキシ化合物とのエステルを意味する。代表的なビタ
ミンAエステルとしては、例えばレチニルアセテート、
レチニルパルミテート等を、代表的なビタミンA酸エス
テルとしては、例えばエチルレチノエート、ブチルレチ
ノエート等を挙げることができるが、これらのビタミン
Aエステル及びビタミンA酸エステルに本発明に適用可
能な当該エステルが限定されるものではない。一般的
に、前記ビタミンAエステル及びビタミンA酸エステル
は、ビタミンAに比べてその安定性において優れてお
り、本発明の適用に好ましい。さらに、ビタミンAエス
テルの中でも、レチニルアセテートが安価に入手可能で
あり、好ましい。
【0018】ビタミンA及びビタミンAエステル(以
下、ビタミンA等と記載する。)は、優れた正常皮膚機
能維持機能及び損傷皮膚回復機能を有する成分として知
られており(日本ビタミン学会編、ビタミンハンドブッ
ク、脂溶性ビタミン、p.11(1989 年) 、株式会社化学
同人;Blomhoff,R.ed.,Vitamin A in health and disea
se,p.365(1994))、脂溶性であるため、皮膚細胞への浸
透性も良好である。すなわち、ビタミンA等は、所望の
効能を有する外用剤を提供する上で、その有効性におい
て優れた成分である。
【0019】また、ビタミンA等は、経口剤や筋注剤と
しても認可されており、かかる投与形態において、極端
な大量長期投与を行った場合のみ、食欲不振や頭痛等の
過剰症が起こる場合があることが報告されている(清水
喜八郎,福室憲治編、疾病と治療薬、p.370 (1992年)
、株式会社南江堂)。そして、本発明のように、外用
剤として用いる場合においては、ビタミンA等の副作用
は全く問題にならないものであり、ビタミンA等はその
安全性においても優れた成分である。さらに、ビタミン
A等は、安価かつ容易に入手することが可能であるとい
う点においても優れている。
【0020】このように、本発明において用いるビタミ
ンA等は、前記「発明が解決すべき課題」で述べた、課
題〔B〕〜の条件を満たし得る優れた成分である。
【0021】なお、ビタミンA等は皮膚細胞においてレ
チノールを経てレチノイン酸に変換され、上記ビタミン
A等の生理作用はレチノイン酸に基づくものとされてい
る。しかしながら、レチノイン酸は副作用が強く、課題
〔B〕の条件を満たさないため本発明紫外線損傷防御
用外用剤における配合成分とするには不適切である。ま
た、レチノイン酸様活性を有する種々の合成レチノイド
が知られているが、これらも副作用が強く、安全性の観
点から好ましくない(薬理と治療,10:5033-5044(198
2)) 。これに対して、レチノイン酸エステルは、副作用
が弱く、課題〔B〕〜の条件を満たす成分として、
上記ビタミンA等と同様に使用することができる。
【0022】また、レチノールが皮膚細胞内でレチノイ
ン酸に変換される際の中間体として位置付けられるレチ
ナールは、不安定な物質であるばかりでなく、製造コス
トも高く、本発明紫外線損傷防御用外用剤における配合
成分とするには好ましくない。
【0023】ビタミンA等及び/又はビタミンA酸エス
テルの本発明紫外線損傷防御用外用剤における配合比
は、少なくともこの外用剤全体の0.05重量%以上で
あることが好ましく、その上限は特に制限されるもので
はないが、本発明紫外線損傷防御用外用剤の有効性と経
済性とを勘案すると、最大2.0重量%程度の割合で配
合することが好ましい。
【0024】次に、本発明紫外線損傷防御用外用剤にお
ける紫外線防御剤について説明する。本発明において使
用する「紫外線防御剤」とは、物理的作用によって紫外
線を散乱及び反射させる物質である「紫外線遮断剤」並
びに物理化学的に紫外線を吸収する物質である「紫外線
吸収剤」の両者を意味するものである。
【0025】本発明紫外線損傷防御用外用剤において適
用可能な紫外線遮断剤としては、酸化チタン、酸化亜
鉛、酸化鉄、酸化スズ等の金属酸化物の微粒子粉体をあ
げることができるが、これらに限定されるものではな
い。
【0026】また、本発明紫外線損傷防御用外用剤にお
いて適用可能な紫外線吸収剤としては、パラアミノ安息
香酸(PABA),パラアミノ安息香酸グリセリル,4
−ビス(ヒドロキシプロピル)アミノ安息香酸エチル,
パラジメチルアミノ安息香酸オクチル等のPABAとそ
の誘導体;サリチル酸ベンジル,サリチル酸オクチル,
サリチル酸ホモメンチル,サリチル酸トリエタノールア
ミン,サリチル酸カリウム,サリチル酸アミル,サリチ
ル酸パライソプロピルフェニル,サリチル酸イソプロピ
ルベンジル等のサリチル酸誘導体;ケイ皮酸ベンジル,
パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル,ケイ皮酸カ
リウム,ケイ皮酸オクチル,4−イソプロピルケイ皮酸
エチル,2,4−イソプロピルケイ皮酸エチル,2,4
−イソプロピルケイ皮酸メチル,パラメトキシケイ皮酸
カリウム,パラメトキシケイ皮酸ナトリウム,パラメト
キシケイ皮酸ジエタノールアミン,パラメトキシケイ皮
酸プロピル,パラメトキシケイ皮酸イソプロピル,パラ
メトキシケイ皮酸イソアミル,パラメトキシケイ皮酸オ
クチル,パラメトキシケイ皮酸2−エトキシエチル,パ
ラメトキシケイ皮酸シクロヘキシル,α−シアノ−β−
フェニルケイ皮酸エチル,α−シアノ−β−フェニルケ
イ皮酸エチルヘキシル,α−シアノパラメトキシケイ皮
酸ヘキシル等のケイ皮酸誘導体;オキシベンゾン,ジオ
キシベンゾン,スリソベンゾン,メキセノン,4−フェ
ニルベンゾフェノン−2−カルボン酸−2−エチルヘキ
シル等のベンゾフェノン誘導体;2−アセチルアントラ
ニル酸ホモメンチル,アントラニル酸メンチル等のアン
トラニル酸誘導体;1- (tert- ブチルフェニル−3
(4−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオン,
1−p−クメニル−3−フェニルプロパン−1,3−ジ
オン,1,3−ビス(4−メトキシフェニル)プロパン
−1,3−ジオン等のジベンゾイルメタン誘導体;α−
(2−オキソボーン−3−イリデン)パラキシレン−2
−スルホン酸,α−(2−オキソボーン−3−イリデ
ン)トルエン−2−スルホン酸,3−(4−メチルベン
ジリデン)ボルナン−2−オン,3−ベンジリデンボル
ナン−2−オン,N,N,N−トリメチル−4−(2−
オキソボーン−3−イリデンメチル)アニリウムメチル
硫酸,5−(3,3−ジメチル−2−ノルボリニデン)
3−ペンテン−2−オン等のカンファー誘導体;その
他、トリオレイン酸ジガロイル,ローソンとジヒドロキ
シアセトン,2−フェニルベンゾイミダゾール−5−ス
ルホン酸,ウロカニン酸,5−メチル−2−メチルベン
ゾオキサゾール,3,4−ジメトキシフェニルグリオキ
シル酸ナトリウム,2−(2ヒドロキシ−5−メチルフ
ェニル)ベンゾトリアゾール,ジベンザルアジン等を挙
げることができるが、これらに限定されるものではな
い。
【0027】なお、これらの紫外線吸収剤のうち、PA
BA及びその誘導体、サリチル酸誘導体、パラメトキシ
ケイ皮酸誘導体、4−メトキシベンゾフェノン誘導体等
が、安全性、経済性等の観点より、本発明への適用が好
ましい。
【0028】また、上記の紫外線防御剤は単独で本発明
紫外線損傷防御用外用剤に配合することも可能である
が、適宜組み合わせて用いることも可能である。さら
に、本発明紫外線損傷防御用外用剤の調製について説明
する。
【0029】本発明は、紫外線損傷防御能を付与するに
有効と思われる全ての剤型、例えば、クリーム剤,ロー
ション剤,オイル剤,ゲル剤,スティック,ムース剤等
の剤型に適用可能である。これらの剤型の本発明紫外線
損傷防御用外用剤は、ビタミンA等及び/又はビタミン
A酸エステル並びに紫外線防御剤を製剤上許容し得る化
粧品基剤との混合物として使用に供される。後述する試
験例及び製剤例において本発明紫外線損傷防御用外用剤
の具体的な態様を例示する。
【0030】ビタミンA等は、優れた正常皮膚機能維持
活性及び損傷皮膚回復活性を有するビタミンであること
は広く知られている。しかしながら、ビタミンA等のこ
の有効な活性が人の健康の維持と増進のために十分活用
されているとはいいがたい。確かに、ビタミンA等を配
合した外用剤は提案されている(特開平1−93516
号公報、特開平3−118312号公報、特開昭61−
40210号公報)が、これらは美容に役立つことに主
眼を置いたものである。
【0031】また、ビタミンA酸エステルを配合した外
用剤は、皮膚潰瘍治療剤、消化管潰瘍治療剤及び抗腫瘍
剤として提案されている(特開平4−244058号公
報、特開平4−244076号公報)。
【0032】さらに、紫外線吸収剤を利用して、ビタミ
ンAの安定化を目的とした例も提案されている(国際公
開WO94/01074号公報)。
【0033】しかしながら、これらはいずれも、近年社
会的にますます大きな問題となってきている太陽光によ
る過剰の紫外線による障害からヒトの皮膚を安全かつ効
果的に防御する方法を確立するために、ビタミンA等及
び/又はビタミンA酸エステルと紫外線防御剤との併用
による相乗的な予防及び保護効果を積極的に考慮したも
のではない。
【0034】本発明は、太陽光による紫外線照射の悪影
響からの皮膚の予防及び保護効果に関し、従来技術に比
べ格段に優れた独創的技術を提供するものである。
【0035】
【実施例】以下に実施例として、試験例及び製剤例を記
載するが、この実施例により本発明の技術的範囲が限定
されて解釈されるべきものではない。
【0036】〔試験例〕下記の第1表に示す処方におい
て、紫外線防御剤にレチニルアセテートを配合した外用
剤(実施例1及び比較例1)とレチニルアセテートを配
合しない比較例2に示す処方の外用剤を製造した。
【0037】
【表1】第1表
【0038】<太陽光紫外線被爆により誘起される皮膚
障害の防御効果検定試験> (試験方法)海辺での実使用テストを行った。上記第1
表に示す3種類のサンプルを、20人に対し、各人のそ
れぞれ3等分した背中部に毎日塗布後、夏の海辺で4時
間ずつ皮膚を露出させる処置を1週間継続して行った
後、皮膚障害の防御効果の検定試験を行った。その結果
を、第2表に示す。
【0039】第2表 皮膚障害の評価基準: 水疱が認められた(■), 水疱は認められなかった(□) ひりつきが認められた(▲),ひりつきは認められなかった(△) 紅斑が認められた(●), 紅斑は認められなかった(○)
【0040】紫外線防御剤(2,2’−ジヒドロキシ−
4−メトキシベンゾフェノン)にレチニルアセテート
を、外用剤全体に対して0.5重量%を配合した本発明
外用剤(実施例1)を塗布した被験者は、20名中3名
にわずかな紅斑が認められたに過ぎなかった。一方、レ
チニルアセテートを全く配合しない比較例2の外用剤で
は、20名中18名に紅斑が認められ、そのうち14名
においては、さらにひりつきも認められ、水疱も4名に
おいて認められた。また、レチニルアセテートを、外用
剤全体に対して0.01重量%配合した比較例1の外用
剤では、紅斑が18名、ひりつきが11名、水疱が3名
において認められた。
【0041】これらの結果より、紫外線防御剤にレチニ
ルアセテートを、外用剤全体に対して0.5重量%配合
した本発明外用剤は、紫外線防御剤のみを配合した外用
剤に比べ、皮膚障害の防御効果が著しく高いことが明ら
かとなった。また、レチニルアセテートの配合比が、外
用剤全体に対して0.01重量%の場合は、皮膚障害防
御効果は不十分であった。
【0042】以下に、本発明外用剤の配合例を製剤例と
して説明する。なお、各外用剤とも太陽光紫外線被爆に
より誘起される皮膚障害の優れた防御効果を示した。
【0043】 〔製剤例1〕 クリーム 重量% 油相 パラジメチルアミノ安息香酸オクチル 8.0 オキシベンゾン 5.0 メトキシケイ皮酸オクチル 6.0 レチニルパルミテート 1.0 環状シリコン 10.0 自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 5.0 モノステアリン酸ポリエチレングリコール(40E. O) 2.0 セチルアルコール 1.0 パルミチン酸オクチル 10.0 香 料 0.1 水相 グリセリン 5.0 パラメトキシケイ皮酸ジエタノールアミン 8.0 酸化チタン 3.0 キサンタンガム 0.2 ヒドロキシエチルセルロース 0.1 防腐剤 適 量 精製水 残 量 (製法)油相部と水相部とをそれぞれ70℃に加熱し、
完全に溶解した後、油相を水相に加えて、乳化機で乳化
した。乳化物を熱交換機を用いて冷却してクリームを得
た。
【0044】 〔製剤例2〕 ローション 重量% 油相 パラジメチルアミノ安息香酸オクチル 7.0 オキシベンゾン 3.0 レチニルアセテート 0.5 ステアリン酸トリエタノールアミン 4.0 流動パラフィン 10.0 ミリスチン酸ポリオキシエチレンミリスチルエーテル 4.0 (3E. O. ) 水相 カルボキシビニルポリマー(カーボポール1342) 0.2 プロピレングリコール 5.0 トリエタノールアミン 0.7 防腐剤 適 量 精製水 残 量 (製法)油相部と水相部とをそれぞれ70℃に加熱し、
完全に溶解した後、油相を水相に加えて、乳化機で乳化
した。この乳化物を熱交換機を用いて冷却してローショ
ンを得た。
【0045】 〔製剤例3〕 オイル 重量% パラメトキシケイ皮酸オクチル 4.0 エチルレチノエート 0.1 乳酸ラウリル 15.0 流動パラフィン 35.0 イソセチルアルコール 10.0 香料 0.05 パルミチン酸オクチル 残 量 (製法)上記成分を混合して70℃に加熱して、完全溶
解した後、熱交換機を用いて冷却してオイルを得た。
【0046】 〔製剤例4〕 ゲル 重量%水相 カルボキシビニルポリマー(カーボポール940 ) 0.75 トリエタノールアミン 0.75 精製水 残 量アルコール相 レチニルアセテート 0.05 パラヒドロキシプロピルアミノ安息香酸エチル 4.0 エタノール 15.0 プロピレングリコール 22.0その他 モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン 0.5 (20E. O) 香料 適 量 防腐剤 適 量 (製法)水相成分及びアルコール相成分をそれぞれ混合
し、次いで、この混合物にモノラウリン酸ポリオキシエ
チレンソルビタン(乳化剤)及び適量の香料を添加して
乳化を行った。さらにこれに防腐剤を添加して、ゲルを
調製した。
【0047】 〔製剤例5〕 リップパームスティック 重量% パラジメチルアミノ安息香酸オクチル 7.0 オキシベンゾン 3.0 レチニルパルミテート 0.4 ヒマシ油 適 量 オクチルドデカノール 5.0 ミツロウ 15.0 オゾケライト 6.0 乳酸ミリスチル 4.0 キャンデリラワックス 6.0 ワセリン 5.0 香 料 適 量 (製法) 上記成分を70℃に加熱して完全に溶解した後、乳化機
で乳化し、熱交換機を用いて冷却して、リップパームス
ティックを調製した。
【0048】 〔製剤例6〕 ムース 重量% 油相 ステアリン酸トリエタノールアミン 5.0 ステアリルアルコール 1.5 サリチル酸オクチル 5.0 オキシベンゾン 3.0 パラメトキシケイ皮酸オクチル 3.0 レチニルアセテート 0.5 PVP/ヘキサデセン共重合体 3.0 水相 ヒドロキシエチルセルロース 0.3 トリエタノールアミン 0.75 エタノール 15.0 防腐剤 適 量 精製水 残 量 (製法)油相部と水相部とをそれぞれ70℃に加熱し、
完全に溶解した後、油相を水相に加えて、乳化機で乳化
した。この乳化物を熱交換機を用いて冷却してムース原
液を調製した。ムース噴出ボンベにおける噴射剤は、ム
ース原液95.0重量%に対して、5.0重量%の噴射
剤A−46(イソブタン及びプロパン)を用いた。
【0049】このように、紫外線防御剤に適切な量のビ
タミンA等及び/又はビタミンA酸エステルを混合する
ことにより、太陽光紫外線被爆による皮膚障害の防御に
おいて、飛躍的に向上した効果を有する外用剤の創製に
成功したことが本発明の大きな特徴である。
【0050】
【発明の効果】本発明により、紫外線の皮膚到達量を減
少させる効果によるのみならず、紫外線による皮膚損傷
予防活性及び損傷皮膚回復活性に基づき皮膚障害の防御
効果が飛躍的に向上した紫外線損傷防御用外用剤が提供
される。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紫外線防御剤並びに正常皮膚機能維持活性
    成分及び損傷皮膚回復活性成分として、ビタミンA、ビ
    タミンAエステル及びビタミンA酸エステルからなる群
    より選ばれる1種又は2種以上のビタミンA類を含んで
    なることを特徴とする紫外線損傷防御用外用剤。
  2. 【請求項2】ビタミンA、ビタミンAエステル及びビタ
    ミンA酸エステルからなる群より選ばれる1種又は2種
    以上のビタミンA類の配合比が、外用剤全体に対して、
    0.05重量%以上、2.0重量%以下であることを特
    徴とする請求項1記載の紫外線損傷防御用外用剤。
JP7077181A 1995-03-08 1995-03-08 紫外線損傷防御用外用剤 Pending JPH08245362A (ja)

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