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JPH08215686A - 泥水の凝集処理方法 - Google Patents

泥水の凝集処理方法

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Publication number
JPH08215686A
JPH08215686A JP4900295A JP4900295A JPH08215686A JP H08215686 A JPH08215686 A JP H08215686A JP 4900295 A JP4900295 A JP 4900295A JP 4900295 A JP4900295 A JP 4900295A JP H08215686 A JPH08215686 A JP H08215686A
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JP
Japan
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muddy water
starch
mud
cationic polysaccharides
water
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JP4900295A
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Inventor
Katsumi Matsumoto
克美 松本
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Kurita Water Industries Ltd
Original Assignee
Kurita Water Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】泥水に、カチオン性多糖類及びアニオン性高分
子化合物を添加することを特徴とする泥水の凝集処理方
法。 【効果】泥水の凝集処理において、カチオン性多糖類及
びアニオン性高分子化合物を用いることにより、凝集処
理後の泥土の圧密性を改善することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、泥水の凝集処理方法に
関する。さらに詳しくは、本発明は、処理後の泥土の凝
集圧密性が良好で固液分離性にすぐれ、河川、湖沼など
での浚渫埋め立て現場や建設現場などで排出される泥水
の処理に好適に使用することができる泥水の凝集処理方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、河川、湖沼などにおける浚渫埋め
立てや、建設現場などで排出される泥水の凝集処理方法
として、無機凝集剤とアニオン性有機合成高分子凝集剤
の併用法が用いられている。この方法は、スラリー状の
泥水に、無機凝集剤とアニオン性有機合成高分子凝集剤
を添加して、固形分を凝集沈降させ、上澄水と分離する
方法である。通常、無機凝集剤としては、ポリ塩化アル
ミニウム、硫酸アルミニウム、塩化第二鉄などが使用さ
れており、アニオン性有機合成高分子凝集剤としては、
アクリルアミドとアクリル酸の共重合物、ポリアクリル
アミドの加水分解物などが用いられている。無機凝集剤
とアニオン性有機合成高分子凝集剤の併用法は、泥水の
固液分離を効率よく行うための必要不可欠な方法とされ
ているが、次のような問題点があった。すなわち、無機
凝集剤とアニオン性有機合成高分子凝集剤を用いた場
合、大きな凝集フロックを形成するものの、凝集フロッ
クの密度が低いために沈降した泥土の圧密性が悪く、ス
ラッジボリュームが容易に減少しないという好ましくな
い事態を招来する。その結果、凝集スラッジから上澄液
を分離して固形分を処分する場合、水分含有量が高いた
めに、その運搬作業に手間がかかり、処理コストがかさ
み、さらに脱水処理において脱水効果が大幅に低下する
ことなどが問題になっている。また、浚渫埋め立て現場
においては、海底や湖、池などの底から土砂をくみ上
げ、海岸、湖岸などの埋め立てを行っている。この場
合、くみ上げたスラリー状の土砂に凝集剤を添加してフ
ロック化し、土砂を沈降させたのち上澄液を除去し、埋
め立てを行っているが、圧密性が悪いために堆積した土
砂からなかなか水が抜けず、埋め立てた土地を利用し得
るまでに長期間を要し、改善が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来法の有する問題点を改善し、泥土の圧密性が良く、
固液分離が良好で、浚渫埋め立てや建設などの土木分野
において好適に用いることができる泥水の凝集処理方法
を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、従来アニオン性高
分子凝集剤と併用されている無機凝集剤の代わりにカチ
オン性多糖類を使用することにより、沈降した泥土の圧
密性が著しく改善されることを見いだし、この知見に基
づいて本発明を完成するに至った。すなわち、本発明
は、(1)泥水に、カチオン性多糖類及びアニオン性高
分子化合物を添加することを特徴とする泥水の凝集処理
方法、を提供するものである。さらに、本発明の好まし
い態様として、(2)カチオン性多糖類の置換度が0.
01以上である第(1)項記載の泥水の凝集処理方法、
(3)カチオン性多糖類が、カチオン化デンプン又はカ
チオン化グアーガムである第(1)〜(2)項記載の泥水の
凝集処理方法、(4)1N塩化ナトリウム水溶液を溶媒
として30℃で測定したアニオン性高分子化合物の固有
粘度が2.0dl/g以上である第(1)〜(3)項記載の泥
水の凝集処理方法、(5)pH=10において測定したア
ニオン性高分子化合物のコロイド当量が−0.20meq/
g以下である第(1)〜(4)項記載の泥水の凝集処理方
法、(6)アニオン性高分子化合物が、アニオン性合成
高分子化合物である第(1)〜(5)項記載の泥水の凝集処
理方法、及び、(7)アニオン性合成高分子化合物が、
アクリルアミドとアクリル酸の共重合物又はポリアクリ
ルアミドの部分加水分解物である第(6)項記載の泥水の
凝集処理方法、を挙げることができる。
【0005】本発明方法においては、泥水にカチオン性
多糖類及びアニオン性高分子化合物を添加し、混合撹拌
する。対象となる泥水としては、河川、湖沼、海、池な
どで浚渫される泥水、建設現場や土木工事現場などで排
出される泥水などを挙げることができる。カチオン性多
糖類及びアニオン性高分子化合物の添加順序には特に制
限はないが、通常はカチオン性多糖類を先に添加し撹拌
したのち、アニオン性高分子化合物を添加して混合す
る。カチオン性多糖類及びアニオン性高分子化合物は、
取り扱いを容易にするために通常は水溶液として添加す
るが、粉末の形態で添加しても同様に性能を発揮するこ
とができる。本発明方法において使用するカチオン性多
糖類は、多糖類のカチオン化により得られる化合物であ
る。多糖類としては、例えば、澱粉、セルロース、グリ
コーゲンなどのほか、マンナンなどの根茎多糖類、アラ
ビアガム、トラガントガム、カラヤガムなどの樹液多糖
類、ローカストビーンガム、グアーガム、タラガムなど
の種子多糖類、寒天、カラギーナン、アルギンなどの海
藻多糖類、キチン、キトサンなどの動物性多糖類、デキ
ストラン、シクロデキストリン、キサンタンガムなどの
微生物多糖類などを使用することができる。これらの多
糖類をカチオン化する方法には特に制限はなく、例え
ば、エピハロヒドリンと三級アミンを反応させる方法、
アルカリ触媒存在下でハロゲン化アルキルアミン塩を反
応させる方法、グリシジル基あるいはハロヒドリン基を
有する第四級アンモニウム塩を反応させる方法などを挙
げることができる。本発明方法において使用するカチオ
ン性多糖類は、置換度0.01以上であることが好まし
い。置換度とは、多糖類を構成する単糖1個当たりの置
換された水酸基の平均値である。例えば、置換度0.0
1とは単糖100個に1個の置換を表す。
【0006】本発明方法において使用するカチオン性多
糖類としては、カチオン化デンプン、カチオン化グアー
ガム、カチオン化セルロース、キトサンが好ましく、こ
れらの中でカチオン化デンプンを特に好適に使用するこ
とができる。カチオン化デンプンは、デンプンにカチオ
ン化剤を反応させて得られる化合物であり、通常その窒
素含量は0.1〜3重量%程度である。原料物質として
用いるデンプンとしては、例えば、バレイショデンプ
ン、カンショデンプン、トウモロコシデンプン、モチト
ウモロコシデンプン、高アミローストウモロコシデンプ
ン、コムギデンプン、コメデンプン、タピオカデンプ
ン、サゴデンプンなどの天然デンプンやこれらの分解
物、アミロースやアミロペクチン分画物、架橋デンプ
ン、エーテル化デンプン、酸化デンプン、エステル化デ
ンプン、酸処理デンプン、グラフト変性デンプン、酵素
処理デンプン、デキストリンなどの化工デンプン、小麦
粉、トウモロコシ粉、切干甘藷、切干タピオカなどのデ
ンプン含有物などを挙げることができる。また、カチオ
ン化剤としては、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル
トリメチルアンモニウムクロライド、3−クロロ−2−
ヒドロキシプロピルトリエチルアンモニウムクロライ
ド、2−クロロエチルトリメチルアンモニウムクロライ
ドなどのハロゲン化アルキル四級アンモニウム塩や、グ
リシジルトリメチルアンモニウムクロライド、グリシジ
ルトリエチルアンモニウムクロライドなどのグリシジル
四級アンモニウム塩などを挙げることができる。
【0007】本発明方法において使用するアニオン性高
分子化合物には特に制限はなく、例えば、ポリアクリル
酸ナトリウム、アクリルアミドとアクリル酸の共重合
物、ポリアクリルアミド部分加水分解物、部分スルホメ
チル化ポリアクリルアミド、ポリ(2−アクリルアミ
ド)−2−メチルプロパン硫酸塩などのアニオン性合成
高分子化合物、カルボキシメチルセルロースなどのアニ
オン性半合成高分子化合物、アルギン酸ナトリウムなど
のアニオン性天然高分子化合物などを挙げることができ
る。本発明方法において使用するアニオン性高分子化合
物は、分子量の指標である固有粘度(1N塩化ナトリウ
ム水溶液を溶媒として30℃において測定)が2.0dl
/g以上であることが好ましく、5.0dl/g以上であ
ることがさらに好ましい。本発明方法において使用する
アニオン性高分子化合物は、アニオン量の指標として用
いられるコロイド当量(pH=10において測定)が−
0.20meq/g以下であることが好ましく、−0.50m
eq/g以下であることがさらに好ましい。本発明方法に
おいて使用するカチオン性多糖類の凝集性は無機凝集剤
の凝集性よりもすぐれ、無機凝集剤を用いた場合と比較
してアニオン性高分子化合物の添加量を低減することが
でき、あるいは、より分子量の低いアニオン性高分子化
合物を用いることができる。したがって、従来の無機凝
集剤を用いる方法と比較して、凝集処理後の泥土中に残
存する凝集薬剤の量を減少するか、あるいは凝集薬剤の
分子量を小さくすることができるため、泥土の圧密性を
改善することができると考えられる。また、カチオン性
多糖類は生分解性を有し、処理後の泥土中に長期間残存
することがないので、泥土の圧密性に悪影響を与えな
い。
【0008】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。実施例及び比較例に用いた凝集
薬剤を第1表に示す。
【0009】
【表1】
【0010】また、試験泥水として浚渫泥水を用いた。
用いた泥水の性状を第2表に示す。
【0011】
【表2】
【0012】実施例1 1000mlビーカに試験泥水1を1000mlとり、ジャ
ーテスターにて150rpmで撹拌しながら、第1表に
示すカチオン化多糖類(A、カチオン化デンプン)を濃
度150mg/リットルになるよう添加し、1分間撹拌し
た。次いで、第1表に示すアニオン性高分子化合物
(C、アクリルアミドとアクリル酸の共重合物)を濃度
3mg/リットルになるよう添加して、1分間撹拌した。
撹拌停止後、直ちに凝集させた泥水を容積1000ml、
内径60mmのメスシリンダーに移した。フロックは界面
をつくって沈降した。沈降界面が水面から2、5、1
0、15、20cmの深さに達するまでの時間を測定し、
経過時間及び沈降距離の関係を図に表したところ、等速
沈降域におけるフロック沈降速度は7.6m/hrであっ
た。10分後の上澄水濁度は4.3度であった。また、
スラッジボリュームの経時変化を測定し、第4表及び図
1に示した。 実施例2 実施例1の第1表に示すカチオン化多糖類(A、カチオ
ン化デンプン)を濃度150mg/リットルになるよう添
加する代わりに、第1表に示すカチオン化多糖類(B、
カチオン化グアーガム)を濃度70mg/リットルになる
よう添加した以外は、実施例1と全く同じ操作を繰り返
した。フロック沈降速度は7.9m/hrであり、10分
後の上澄水濁度は4.5度であった。また、スラッジボ
リュームの経時変化は、第4表及び図1に示すごとくで
あった。 比較例1 実施例1の第1表に示すカチオン化多糖類(A、カチオ
ン化デンプン)を濃度150mg/リットルになるよう添
加する代わりに、ポリ塩化アルミニウムを濃度600mg
/リットルになるよう添加し、第1表に示すアニオン性
高分子化合物(C、アクリルアミドとアクリル酸の共重
合物)を濃度3mg/リットルになるよう添加する代わり
に、濃度8mg/リットルになるよう添加した以外は、実
施例1と全く同じ操作を繰り返した。フロック沈降速度
は7.2m/hrであり、10分後の上澄水濁度は4.5度
であった。また、スラッジボリュームの経時変化は、第
4表及び図1に示すごとくであった。フロック沈降速度
と上澄水濁度は凝集性を示す指標であり、スラッジボリ
ュームの経時変化は圧密性を示す指標である。実施例
1、2及び比較例1の薬剤添加量、フロック沈降速度及
び上澄液濁度を第3表に、スラッジボリュームの経時変
化を第4表及び図1に示す。
【0013】
【表3】
【0014】
【表4】
【0015】実施例1及び実施例2の処理泥水は、いず
れもフロック沈降速度が大きく、10分後の上澄水濁度
も低い。比較例1の処理泥水は、薬剤添加濃度を実施例
1、2より高くすることにより、実施例1、2とほぼ同
程度のフロック沈降速度及び上澄水濁度が得られてい
る。しかし、実施例1及び実施例2の処理泥水は、時間
の経過とともにスラッジボリュームが速やかに減少する
のに対して、比較例1の処理泥水は、時間が経過しても
スラッジボリュームは約30容量%にとどまっている。 実施例3 1000mlビーカに試験泥水2を1000mlとり、ジャ
ーテスターにて150rpmで撹拌しながら、第1表に
示すカチオン化多糖類(A、カチオン化デンプン)を濃
度600mg/リットルになるよう添加し、1分間撹拌し
た。次いで、第1表に示すアニオン性高分子化合物
(D、アクリルアミドとアクリル酸の共重合物)を濃度
20mg/リットルになるよう添加して、1分間撹拌し
た。撹拌停止後、直ちに凝集させた泥水を容積1000
ml、内径60mmのメスシリンダーに移した。フロックは
界面をつくって沈降した。沈降界面が水面から2、5、
10、15、20cmの深さに達するまでの時間を測定
し、経過時間及び沈降距離の関係を図に表したところ、
等速沈降域におけるフロック沈降速度は6.4m/hrで
あった。10分後の上澄水濁度は2.1度であった。ま
た、スラッジボリュームの経時変化を測定し、第6表及
び図2に示した。 比較例2 実施例3の第1表に示すカチオン化多糖類(A、カチオ
ン化デンプン)を濃度600mg/リットルになるように
添加する代わりに、ポリ塩化アルミニウムを濃度800
mg/リットルになるように添加し、第1表に示すアニオ
ン性高分子化合物(D、アクリルアミドとアクリル酸の
共重合物)を濃度20mg/リットルになるように添加す
る代わりに、アニオン性高分子化合物(C、アクリルア
ミドとアクリル酸の共重合物)を濃度20mg/リットル
になるように添加した以外は、実施例3と全く同じ操作
を繰り返した。フロック沈降速度は6.2m/hrであ
り、10分後の上澄水濁度は2.3度であった。また、
スラッジボリュームの経時変化は、第6表及び図2に示
すごとくであった。実施例3及び比較例2の薬剤添加
量、フロック沈降速度及び上澄液濁度を第5表に、スラ
ッジボリュームの経時変化を第6表及び図2に示す。
【0016】
【表5】
【0017】
【表6】
【0018】実施例3の処理泥水は、フロック沈降速度
が大きく、10分後の上澄水濁度も低い。比較例2の処
理泥水は、固有粘度の大きいアニオン性高分子化合物を
使用することにより、実施例3とほぼ同程度のフロック
沈降速度及び上澄水濁度が得られている。しかし、スラ
ッジボリュームの経時変化に見られるように、圧密性で
は実施例3の処理泥水の方が比較例2の処理泥水よりす
ぐれている。
【0019】
【発明の効果】泥水の凝集処理において、カチオン性多
糖類及びアニオン性高分子化合物を用いることにより、
凝集処理後の泥土の圧密性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、スラッジボリュームの経時変化を示す
グラフである。
【図2】図2は、スラッジボリュームの経時変化を示す
グラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】泥水に、カチオン性多糖類及びアニオン性
    高分子化合物を添加することを特徴とする泥水の凝集処
    理方法。
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