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JPH08192283A - レーザ加工装置 - Google Patents

レーザ加工装置

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Publication number
JPH08192283A
JPH08192283A JP7004964A JP496495A JPH08192283A JP H08192283 A JPH08192283 A JP H08192283A JP 7004964 A JP7004964 A JP 7004964A JP 496495 A JP496495 A JP 496495A JP H08192283 A JPH08192283 A JP H08192283A
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JP
Japan
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laser
light
processing
laser processing
workpiece
Prior art date
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Application number
JP7004964A
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English (en)
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Inventor
Mitsuki Kurosawa
満樹 黒澤
Yutaka Motoki
裕 本木
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP00496495A priority Critical patent/JP3162254B2/ja
Priority to TW084101760A priority patent/TW262419B/zh
Priority to US08/587,507 priority patent/US5698120A/en
Priority to CN96101812A priority patent/CN1094408C/zh
Priority to KR1019960000872A priority patent/KR100197050B1/ko
Publication of JPH08192283A publication Critical patent/JPH08192283A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 レーザ光の品質を劣化させること無く、十分
な光量が得られるレーザ光及びレーザ照射点に生じる光
を透過あるいは反射させるミラーを持つレーザ加工装置
を提供する。 【構成】 光伝送路10に設けられた光路ミラー6aの
代わりに、レーザ光2a以外の波長の光は透過し、かつ
レーザ光2aはほぼ100%反射し、しかも前記反射さ
れたレーザ光2aは反射される前のレーザ光のP偏光、
S偏光の両成分間の位相差をほぼ保持したまま反射でき
るように光学膜設計された誘電体多層膜を備えた位相差
制御ミラー14を設けることにより、レーザ加工中に被
加工物Wのレーザ照射点に発生した光5の中からレーザ
光2a以外の波長の光を光伝送路10の外に取り出し、
上記取り出された光を光センサ7で検出できるように構
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被加工物のレーザ加工
にともなう加工点に発生する光、または被加工物を照射
した際の反射光を光学的に検出する光検出手段を備え、
その検出結果によりレーザ加工の制御を行うレーザ加工
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、レーザ加工中の被加工物のレーザ
照射点に生じる溶融物が発するレーザ光以外の波長の光
を検出する光検出手段を備えることで、切断開始点で行
う穴開け加工(ピアス加工)の完了を認識したり、切断
中に生じるバーニングの発生を検知するなどの加工状態
の監視を行うレーザ加工装置が知られている。
【0003】図24は、例えば、特開平1−17059
1号公報に示された従来の光検出手段をレーザ加工装置
に備えたレーザ加工装置の構成を示す構成図である。図
において、1はほぼ単一の波長を有するレーザ光2を出
力するレーザ発振器、3はレーザ光2を集光し、被加工
物Wの加工点(レーザ照射点)に照射させる加工レン
ズ、4はピアス加工において被加工物Wのレーザ照射点
に生じるレーザ光2以外の波長の光5(例えば、波長7
80nm〜5μmの赤外線)は透過させるが、レーザ光
2は被加工物W方向へ反射させる反射層4aがコーティ
ングされているミラー、6はミラー4を透過した光5を
反射する反射ミラー、7は反射ミラー6により反射され
た光5の強さに比例する電気的な出力信号を出力する光
検出器、8は光検出器からの出力信号を増幅する増幅
器、9はレーザ発振器1の出力を制御する制御する制御
回路である。
【0004】次に動作について説明する。レーザ発振器
1から水平にパルス発振されたレーザ光2は、ミラー4
の反射層4aのレーザ光2を反射させる作用により垂直
に出力方向を変えられ、被加工物W方向に方向を変えら
れる。反射されたレーザ光2は、ミラー4と被加工物W
の間のレーザ光2の光路内に設けられた焦点調節機構で
ある加工レンズ3により被加工物Wの所望の箇所(レー
ザ照射点)に結像され、照射される。レーザ光2の照射
により、被加工物Wのレーザ照射点に生じる溶融物が発
するレーザ光2の波長とは明らかに異なる波長を有し、
ミラー4に反射されたレーザ光2に対して同軸ないし平
行に延びるレーザ光以外の光5が発生する。この光5は
ミラー4を透過して、反射ミラー6を介して光検出器7
へ反射される。
【0005】ここで、ミラー4において、光5とレーザ
光2の波長は明確に異なっているので、ミラー4の反射
層4aを形成する反射フィルタによって完全に分離する
ことができる。この反射フィルタは到着するレーザ光2
は被加工物Wの方向へ反射させるが、被加工物Wから放
射される光5はほぼ透過させる、例えば、ガラス板など
光5を透過する支持体上に蒸着層として塗布されてい
る。また、反射フィルタとして、レーザ光2を遮断する
遮断領域と光5を透過する透過領域とを有する多層干渉
フィルタにより構成することもできる。
【0006】光検出器7からは光5の強さに比例する電
気的な出力信号が出力され、この出力信号は増幅器8で
増幅された後に実際値として制御回路9に印加され、こ
の制御回路9によりレーザ出力、すなわちレーザ光2の
エネルギーは予め制御回路に入力されている目標値とな
るように制御される。
【0007】また、一般的に、レーザ発振器から出力さ
れるレーザ光は直線偏光成分が含まれており、このレー
ザ光の直線偏光成分により被加工物Wに対するレーザ光
の吸収率が加工方向によって異なり、加工品質に異方性
が生じてしまう。そこで、通常は加工品質に異方性が生
じないようにレーザ発振器から出力されたレーザ光を円
偏光にする必要がある。図25は、例えばレーザ発振器
から出力された直線偏光のレーザ光を、円偏光に変換す
る方法を示した方法図である。入射角45゜で使用する
ミラーの反射面に対し、直線偏光のレーザ光の偏光面が
S偏光軸(またはP偏光軸)と45゜をなす入射配置
(方位角45゜)にて、反射するレーザ光のS偏光とP
偏光の両成分間に90゜(λ/4)の位相差が生じるよ
うに光学膜設計された誘電体多層膜を形成することによ
り直線偏光を円偏光に変換することができ、このような
ミラーを円偏光ミラーと呼ぶ。ここでS偏光とは入射面
に垂直な偏光面を持つ成分であり、P偏光とはそれに垂
直、即ち入射面に平行な偏光面を持つ成分である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来のレ
ーザ加工中に被加工物Wのレーザ照射点に生じる溶融物
が発するレーザ光以外の波長の光を検出する従来の光検
出手段を備えたレーザ加工装置では、反射層を持つミラ
ーに対して、偏光に対する考慮がされておらず、円偏光
は多少位相差変化が生じ楕円偏光となってしまい、加工
点におけるレーザ光の直線偏光成分を抑えることができ
ず、加工品質の異方性を生じてしまうという問題点があ
った。すなわち、従来の反射層を持つミラーは、レーザ
加工にもちいるレーザ光に悪影響を及ぼすことなくレー
ザ照射点に生じる光を検出することは不可能であった。
【0009】この本発明は、上述のような課題を解決す
るためになされたもので、第1の目的は、レーザ光及び
レーザ照射点に生じる光を透過あるいは反射させる反射
層を有したミラーを持つレーザ加工装置において、レー
ザ光の品質の劣化を招くことなくレーザ加工を行うこと
のできるレーザ加工装置を得るものである。また、第2
の目的は、上述した第1の目的に加え、常に最適な光検
出が行えるレーザ加工装置を得るものである。さらに、
第3の目的は、上述した第2の目的に加え、検出の際に
誤った検出を防止するレーザ加工装置を得るものであ
る。さらにまた、第4の目的は、上述した第3の目的に
加え、検出の結果を素早くレーザ発振にフィードバック
できるレーザ加工装置を得るものである。また、第5の
目的は、上述した第2の目的に加え、被加工物の位置を
確実に検出することができるレーザ加工装置を得るもの
である。さらに、第6の目的は、上述した第2の目的に
加え、加工経路が施されたレーザ加工においては、自動
的に加工経路を検出することで、高速なレーザ加工が可
能となるレーザ加工装置を得るものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明に係るレーザ加
工装置においては、被加工物を加工するためのレーザ光
を発振するレーザ発振手段と、このレーザ発振器から出
力されたレーザ光を円偏光レーザ光に変換する円偏光ミ
ラーと、この円偏光ミラーにより円偏光された円偏光レ
ーザ光を集光し、被加工物に対して照射する光学手段
と、この光学手段と上記円偏光ミラーとの間に位置し、
円偏光レーザ光を、S偏光成分及びP偏光成分の両成分
間の位相差を保持したまま光学手段へ反射すると共に、
円偏光レーザ光の被加工物への照射により被加工物の加
工点に発生する光を透過する位相差制御ミラーと、この
位相差制御ミラーにより透過された上記光を検出し、光
検出信号を発生する光検出手段と、この光検出手段から
の光検出信号に基づきレーザ加工状態を認識し、レーザ
加工状態認識信号を出力するレーザ加工認識手段と、こ
のレーザ加工認識手段により出力されたレーザ加工状態
認識信号に基づき上記被加工物に対する加工を制御する
制御手段と、を備えたものである。
【0011】また、光検出手段により出力された光検出
信号の増幅率を被加工物と光検出手段との光路長に応じ
て変化させ、光検出信号の出力レベルをレーザ加工認識
手段に出力する際に一定とする増幅手段を設けたもので
ある。
【0012】さらに、位相差制御ミラーは、光検出手段
と被加工物との光路長の距離を一定にすべく、加工点に
最も近い位置に設けたものである。
【0013】また、他の発明に係るレーザ加工装置は、
被加工物を加工するためのレーザ光を発振するレーザ発
振手段と、このレーザ発振手段から発振されたレーザ光
を集光し、被加工物に照射する光学手段と、レーザ光の
被加工物への照射により被加工物の加工点に発生する光
を検出し、光検出信号を出力する光検出手段と、この光
検出手段から出力される光検出信号中のサンプリング期
間内における振動振幅電圧を増幅する増幅部を備え、増
幅されたサンプリング期間内における振動振幅電圧を予
め定められた基準電圧と比較することにより、レーザ加
工状態を認識し、レーザ加工状態認識信号を出力するレ
ーザ加工認識手段と、このレーザ加工状態認識信号に基
づき被加工物に対するレーザ加工を制御する制御手段と
を備えたものである。
【0014】また、他の発明に係るレーザ加工装置は、
被加工物を加工するためのレーザ光を発振するレーザ発
振手段と、このレーザ発振手段から発振されたレーザ光
を集光し、被加工物に照射する光学手段と、レーザ光の
被加工物への照射により被加工物の加工点に発生する光
を検出し、光検出信号を出力する光検出手段と、この光
検出手段から出力される光検出信号からレーザ加工状態
の認識に必要とする周波数成分のみを抽出するフィルタ
部を備え、フィルタ部により得られた上記周波数成分の
電圧と、予め定められた基準電圧とを比較することによ
り、レーザ加工状態を認識し、レーザ加工状態認識信号
を出力するレーザ加工認識手段と、このレーザ加工状態
認識信号に基づき被加工物に対するレーザ加工を制御す
る制御手段とを備えたものである。
【0015】また、フィルタ部でレーザ加工状態の認識
に必要とする周波数成分のみを抽出するための、数十H
zから数百ヘルツの周波数成分をもつカットオフ周波数
をもちいて低周波数成分を抽出し、予め定められた基準
電圧とを比較することにより、ブローアップ現象を検知
するようにしたものである。
【0016】さらに、フィルタ部でレーザ加工状態の認
識に必要とする周波数成分のみを抽出するための、数十
Hz以下の周波数成分をもつカットオフ周波数をもちい
て低周波数成分を抽出し、予め定められた基準電圧とを
比較することにより、バーニング現象を検知するように
したものである。
【0017】また、比較にもちいる基準電圧を被加工物
の材質あるいはレーザ発振器の出力に応じて変化させる
ようにしたものである。
【0018】また、他の発明に係るレーザ加工装置は、
被加工物を加工するためのレーザ光を発振するレーザ発
振手段と、このレーザ発振手段から発振されたレーザ光
を集光し、被加工物に照射する光学手段と、レーザ光の
被加工物への照射により被加工物の加工点に発生する光
の発光分布を検出し、光検出信号を出力する光検出手段
と、この光検出信号の被加工物の加工点に発生する光の
発光分布の形態に基づき、レーザ加工状態を認識し、レ
ーザ加工状態認識信号を出力するレーザ加工認識手段
と、このレーザ加工状態認識信号に基づき被加工物に対
するレーザ加工を制御する制御手段と、を備えたもので
ある。
【0019】また、レーザ加工認識手段からのレーザ加
工状態認識信号に基づきレーザ発振手段出力のピーク
値、周波数、デューティ等のレーザ発振条件を制御する
レーザ発振指令手段を設け、上記制御をレーザ発振指令
手段のみによって行うようにしたものである。
【0020】また、被加工物を加工するためのレーザ発
振手段とは別個に被加工物を照射する照射手段を備え、
照射手段の照射光を反射する光強度から、レーザ加工認
識手段が被加工物の端部位置検出を行うようにしたもの
である。
【0021】さらに、レーザ加工認識手段は、反射光の
強度が変化する少なくとも3箇所の光をもとに、被加工
物の位置検出を行うようにしたものである。
【0022】また、レーザ加工認識手段は、被加工物か
ら反射する光をもとに被加工物上に施された被加工物と
反射率が異なる加工経路線を検出し、制御手段が、その
レーザ加工認識手段からの加工経路情報に基づきレーザ
加工を行うようにしたものである。
【0023】
【作用】上記のように構成されたレーザ加工装置におい
ては、円偏光レーザ光が位相差制御ミラーにより、S偏
光成分、P偏光成分の両成分間の位相差を保持した円偏
光レーザ光として反射されると共に、被加工物の加工点
に発生する光はそのまま透過して光検出手段により検出
される。
【0024】また、光路長に応じて光検出信号の出力レ
ベルを一定とする増幅率を変化させる増幅手段を設けた
ので、光路長が変化することにより光検出信号の出力レ
ベルが変化しても、光路長に左右されない同一レベルの
光検出信号が出力される。
【0025】さらに、位相差制御ミラーを加工点に最も
近い値に設け、光検出手段と被加工物の光路長の距離を
一定にしたので、光検出手段からは常に加工点の加工状
態にのみ左右される同一レベルの光検出信号が出力され
る。
【0026】また、レーザ加工認識手段に増幅部を設
け、光検出信号中のサンプリング期間内における振動振
幅電圧を増幅し、基準電圧と比較する際に、振動振幅の
変化により明確な違いが出るようにする。
【0027】また、光検出信号からレーザ加工状態の認
識に必要とする周波数成分のみを抽出するフィルタ部
が、基準電圧と誤認識することなく比較するのに必要な
周波数成分のみ抽出する。
【0028】さらに、フィルタ部で数十Hzから数百ヘ
ルツの周波数成分を持つカットオフ周波数をもちいて、
応答性が良い状態、すなわち所定の周波数成分の電圧の
立ち上がりを早く認識する状態でブローアップの検出を
行う。
【0029】さらにまた、フィルタ部で数十Hz以下の
周波数成分を持つカットオフ周波数をもちいて、確実に
所定の周波数成分の電圧の立ち上がりを検出し、その検
出結果に基づきバーニングの検出を行う。
【0030】また、比較にもちいる基準電圧を、被加工
物の材料あるいはレーザ発振器の出力に応じて変化さ
せ、基準電圧との比較により常にレーザ加工状態を検出
可能とする。
【0031】また、光検出手段を被加工物の加工点に発
生する光の発光分布を検出し、検出された発光分布の形
態に基づいて、加工点におけるレーザ加工状態を検出す
る。
【0032】さらに、レーザ発振指令手段が、レーザ加
工確認手段からのレーザ加工状態確認信号に基づき、制
御回路を介すことなくダイレクトにレーザ発振手段出力
のピーク値、周波数、デューティ等のレーザ発振条件を
制御する。
【0033】また、被加工物を加工するためのレーザ加
工発振手段とは別個に被加工物を照射する照射手段を備
え、その照射手段により被加工物が発光する発光強度の
強弱により、加工テーブル上の被加工物の端部位置を検
出する。
【0034】また、反射光の強度が変化する少なくとも
3箇所の位置検出し、この少なくとも3箇所の端部の位
置関係により被加工物の加工テーブル上の位置を検出す
る。
【0035】さらに、被加工物表面及び被加工物表面上
に施された加工経路線の、反射または発光にともなう発
光強度の違いをもとに、被加工物の表面上に施された被
加工物と反射率が異なる加工経路線を検出し、その検出
結果に基づいてレーザ加工を行う。
【0036】
【実施例】
実施例1.図1は、この発明の一実施例であるレーザ加
工装置の構成を示す構成図である。図において、1はほ
ぼ単一の波長を有する直線偏光のレーザ光を出力するレ
ーザ発振器、2aは直線偏光のレーザ光を円偏光に変換
する円偏光ミラー11により円偏光に変換された円偏光
レーザ光、3は円偏光レーザ光2aを集光し、被加工物
Wの加工点(レーザ照射点)に照射させる光学手段とし
ての加工レンズ、5は被加工物Wの加工において被加工
物Wのレーザ照射点に生じる、例えば溶融金属が発する
円偏光レーザ光2a以外の波長の光、6aは光伝送路1
0に一つないし複数個設けられた光路ミラーであり、円
偏光レーザ光2の反射による位相差変化が約1. 1°と
小さい、例えば金蒸着膜を反射面に有している。
【0037】7は光5の強さに比例する電気的な出力信
号(光検出信号)を出力する光検出手段である光セン
サ、12は加工レンズ3及びノズル13を含む加工ヘッ
ド、14は被加工物Wの加工においてレーザ照射点に生
じる光5は透過させるが、円偏光レーザ光2はS偏光、
P偏光の両成分間の位相差をほぼ保持したまま反射でき
るように光学膜設計された誘電体多層膜を備えた位相差
制御ミラーであり、レーザ照射点に生じる光5を透過で
きるZnSe基板上に屈折率の異なる2種類の誘電体、
例えばThF4 膜とZnSe膜を複数回交互にコーティ
ングした反射層14aを有している。15はX軸駆動モ
ータ16及びY軸駆動モータ17を備えた加工テーブ
ル、18は光センサ7からの出力信号(光センサ出力
X)をに基づきレーザ加工状態を認識し、レーザ加工状
態認識信号を出力するレーザ加工認識手段としての光セ
ンサ検出信号処理回路、19はレーザ発振器1、X軸駆
動モータ16及びY軸駆動モータ17を制御するための
NC制御装置である。
【0038】図2は、光センサ検出信号処理回路18の
構成を示したブロック図であり、図において、21は光
センサ7からの光センサ出力X(図3(a)参照)のサ
ンプル期間内における振動振幅を保持することにより振
動振幅電圧Xa(図3(b)参照)を抽出する振動振幅
電圧抽出回路、22は振動振幅電圧Xaを二乗演算し、
二乗振動振幅電圧(Xa)2 (図3(c)参照)を求め
る二乗回路、23は予め定められた基準電圧A(図3
(d)参照)を発生する基準電圧発生回路、24は二乗
回路22から出力される二乗振動振幅電圧(Xa)2
基準電圧発生回路13から発生される基準電圧Aとを比
較する比較回路である。比較回路24による比較結果
は、レーザ加工状態認識信号としての貫通検知信号Yと
してNC制御装置19に出力されている。
【0039】次に本実施例の動作について、例えば、レ
ーザ加工におけるピアス加工において説明する。レーザ
発振器1から出力された直進偏光のレーザ光は、例えば
従来技術の説明の図25で示した円偏光ミラー11によ
り円偏光度がほぼ100%の円偏光レーザ光2に変換さ
れる。円偏光ミラー11から出力された円偏光レーザ光
2aは光路ミラー6aにより反射による位相差変化を約
1.1°以下とし、ほぼ100%の円偏光レーザ光2a
を反射し、円偏光レーザ光2aの伝搬方向を変化させ
る。そして、円偏光レーザ光2aは位相差制御ミラー1
4によりS偏光、P偏光の両成分間の位相差をほぼ保持
したまま、円偏光を損なうことなく被加工物Wの方向へ
反射される。
【0040】位相差制御ミラー14で反射された円偏光
レーザ光2aは、加工ヘッド12内の加工レンズ3によ
り集光され、被加工物Wの所望の箇所(レーザ照射点)
に集光、照射される。円偏光レーザ光2aの照射によ
り、被加工物Wのレーザ照射点に生じる溶融物からは円
偏光レーザ光2aの波長とは明らかに異なる波長を有
し、位相差制御ミラー14に反射された円偏光レーザ光
2aに対して同軸ないし拡散しながら延びる光5が発生
する。この光5は位相差制御ミラー14を透過して、光
センサ7に入力される。レーザ加工装置におけるピアス
加工において、ピアス穴が貫通する前はピアス穴から溶
融金属が激しく排出されるため、光センサ出力Xの波形
(図3(a))は大きく振動するが、ピアス穴が貫通す
ると、溶融金属の排出がなくなるため光センサ出力Xの
波形の振幅は減少する傾向がある。そこで、この傾向に
着目し、レーザ加工状態の検知であるピアス穴の貫通検
知を次のように行う。
【0041】光センサ7から、溶融金属の排出に対応し
た光5の強さに比例する電気的な光センサ出力Xが出力
され、光センサ検出信号処理回路18内部の振動振幅電
圧抽出回路21に入力される。振動振幅電圧抽出回路2
1では、予め定められた一定のサンプル期間内における
光センサ出力Xの波形の振動振幅を保持することにより
振動振幅電圧Xaを抽出する。そして、この振動振幅電
圧Xaを二乗回路22に入力し、二乗演算することによ
り、ピアス穴の貫通前後の電圧レベルの差が拡大された
二乗振動振幅電圧(Xa)2 を得る。次に、二乗振動振
幅電圧(Xa)2 を比較回路24により、基準電圧発生
回路23が発生する予め定められた基準電圧Aと比較判
定することにより、ピアス穴の貫通か否かを検出する。
二乗振動振幅電圧(Xa)2 が基準電圧Aより大きい時
には、光センサ出力Xの振動振幅が大きいので、ピアス
加工は終了していないと判断し、二乗振動振幅電圧(X
a)2 が基準電圧Aより小さくなって始めてピアス加工
は終了したと判断し、ピアス穴の貫通検知信号YをNC
制御装置19に出力する。NC制御装置19では、ピア
ス穴の貫通検知信号Yに基づき、例えばレーザ出力を制
御(ピアス加工を行うためのレーザ発振器1からのレー
ザ発振を終了)する。
【0042】また、上述した実施例1では、光センサ7
を光5の強さに比例して電気的な出力信号を出力する光
検出手段であると説明したが、溶融金属の熱輻射で生じ
る可視から近赤外の光に感度をもつ、例えばSiフォト
ダイオードのような単一受光素子のもの、あるいは受光
素子をアレイ状に集積したCCDのような撮像素子とし
て、レーザ照射点に発生する光5を検出し、電気的な出
力信号を出力する検出手段としても良い。ここで、検出
手段として、Siフォトダイオードのような単一受光素
子の場合は加工点の光の強度変化を、受光素子をアレイ
状に集積したCCDのような撮像素子の場合は加工点の
実体像を検出することができる。
【0043】上述したように構成したので、位相差制御
ミラー14を光路ミラー6aの代わりに光伝送路中に配
置することにより、円偏光ミラー11で円偏光度ほぼ1
00%に変換されたレーザ加工に用いる円偏光レーザ光
2aを、熱誘起光学的歪によるレーザ光のモード、位相
分布などのビーム品質の劣化や位相差変化による円偏光
率の低下を起こすことなく被加工物Wに照射することが
でき、被加工物Wの加工精度を維持することができる。
また、ピアス穴の貫通検知信号YをNC制御装置19に
出力することにより、従来、確実にピアス穴を貫通させ
るために予め余分に設定する必要があったピアス加工時
間を設定する必要がなくなり、ピアス穴貫通検知後直ち
に被加工物Wの切断加工に移行することも可能となるの
で、加工時間を短縮することができる。さらに、検出手
段として、受光素子をアレイ状に集積したCCDのよう
な撮像素子を用いれば、レーザ照射点の実体像を光学的
に検出することができ、画像情報からレーザ加工状態を
直接詳細に観察、確認しながらレーザ加工を行うことも
可能である。さらにまた、光センサ7は被加工物Wの近
傍に置く必要がないため、レーザ加工時に発生するヒュ
ームやスパッタにより汚れたり、被加工物Wから反射す
るレーザ光により焼損するなどの問題はなく長期間安定
した光検出が可能となる。
【0044】実施例2.なお、上述した実施例1では、
位相差制御ミラー14により透過されたレーザ照射点に
生じる円偏光レーザ光2a以外の光5を透過させ、直接
光センサ7に出力する構成としたが、本実施例2では、
図4に示すようにレーザ照射点に生じる光5を光センサ
7の受光面に集めるためのレンズ31を設けたものであ
る。このレンズ31の焦点距離は、加工レンズ3のレン
ズ作用と組み合わせることで光センサ7の受光面上に結
像できるように設計されている。このように構成するこ
とにより、レーザ照射点に発生し、光伝送路10内に戻
ってきた光5の大半を受光することができるので、検出
感度の改善が図ることができる。また、光センサ7を撮
像素子とした場合には、レーザ照射点の実体像を撮像素
子の受光面に結像することが可能となるので、画像によ
り被加工物Wの加工状態(例えば、ピアス加工の進行状
態等)を検出することができる。なお、このレンズ31
は、焦点距離の調整ができる複数枚からなる組み合わせ
レンズでも良く、そのようなレンズを使用しることによ
り加工に応じて加工レンズ3の焦点距離を変更しても、
光センサ7の受光面上に結像することができ、ボケのな
い画像を得ることが可能となる。
【0045】実施例3.また、本実施例3では、図5に
示す構成のように、レンズ31と位相差制御ミラー14
との間に特定波長域の光を透過あるいは減衰できるよう
な、例えば色付きガラスなどからなる光学フィルタ32
を設けたものである。このような光学フィルタ32を光
センサ7の前に置くことにより、円偏光レーザ光2a成
分を完全に遮断し、かつ、光センサ7の受光量が調節可
能となり、飽和することなく光検出が可能となる。その
ため、レーザ照射部の実体像を画像情報から検出するこ
とによる詳細な加工状態の監視が可能になる。
【0046】実施例4.図6はこの発明の他の実施例で
あるレーザ加工装置の構成を示す構成図であり、図7は
光センサから加工点(レーザ照射点)までの光路長セン
サの受光量の状態を示した図である。図において、8
a、16a以外は上述した実施例と同様であるので説明
は省略する。8aは加工ヘッド12の移動量に応じNC
制御装置19から伝送される指令により、光センサ7の
受光量の変化を相殺(光センサからの光検出信号の出力
レベルを常に一定とする)するように、増幅率が変化す
る機能を備えた増幅回路、16aは加工ヘッド12をX
軸方向に移動させるX軸駆動モータである。
【0047】図6に示されるように、例えば、X軸駆動
モータ16aにより駆動される加工ヘッド12を移動さ
せレーザ加工を行う場合、位相差制御ミラー14と光セ
ンサ7のほかレンズ31や光学フィルタ32からなる光
検出手段はレーザ照射点までの光路長が変化する位置に
配置されている。この場合、光センサ1の受光量は、図
7のように変化し、光センサ7からの出力も同様に変化
する。本実施例におけるNC制御装置19は、NC制御
装置19からのX軸駆動モータ16aへの制御と同期し
て、X軸駆動モータ16aによる加工ヘッド12の移動
量に応じた、光センサ7の受光量を示す出力信号(光セ
ンサ出力X)の変化を相殺するように増幅回路8aに対
して出力信号の増幅率を変化させる。
【0048】このように増幅回路8aを設け、NC制御
装置19からの加工ヘッド12の移動変化にともなう光
センサ7からの出力信号に対する増幅率を変化させるの
で、光センサ7から光センサ検出信号処理回路18への
出力を常に一定にすることができ、実施例1と同様に、
より高い精度の光検出が可能となる。
【0049】実施例5.また、図8に示す本実施例のよ
うに、位相差制御ミラー14をレーザ照射点に最も近い
位置に設けることで、光センサ7のほかレンズ31や光
学フィルタ32からなる光検出手段を、例えば、加工レ
ンズ5の真上のようなX軸駆動モータ16aによる加工
ヘッド12の移動に左右されることがなく、被加工物W
までの光路長の距離が常に一定で、かつ、被加工物Wの
レーザ照射点に最も近接した位置に配置することができ
る。このように構成することにより、実施例1と同様の
効果を得ることができ、さらに、光センサ7から観察さ
れるレーザ照射点までの距離(光路長)が一定となるの
で、加工位置による光センサ7の受光量がレーザ加工装
置の動作に依存せず常に一定(受光量の変化が無い)
で、さらにレーザ照射点に近いため高い像分解能を得る
ことができる。
【0050】実施例6.図9は、この発明の他の実施例
であるレーザ加工装置の構成を示す構成図であり、図に
おいて、13a、18a、33、34、35以外は上述
した実施例と同一であるので説明は省略する。13aは
被加工物Wとノズルとの間の距離及びノズル形状を変え
ることができる駆動式ノズル、18aは基準電圧発生回
路23、比較回路24及びフィルタ回路25のほか画像
処理回路などを含み、光センサ7の出力信号を入力とし
て各種処理を行い、NC制御装置19やレーザ発振指令
回路35へ情報を送るための光センサ検出信号処理回
路、33は例えば加工レンズ3のような集光光学系を上
下方向に動かすための位置エンコーダを内蔵した集光系
駆動装置、34は加工ガスの圧力、流量、種類などの加
工ガスの状態を調整する加工ガス調整装置、35はレー
ザ発振器1の出力、周波数、デューティなど発振条件を
レーザ発振器1に指令するためのレーザ発振指令回路で
ある。ここで、NC制御装置19は加工テーブル15の
ほか、集光系駆動装置33、駆動式ノズル13a、加工
ガス調整装置34を制御するとともにレーザ発振指令回
路35への発振条件データを送る。
【0051】実施例1においては、レーザ加工装置によ
るピアス加工において、レーザ加工状態の検出であるピ
アス加工完了の動作を説明したので、本実施例では、切
断開始点で行うピアス加工中に生じるレーザ加工状態の
加工不良現象であるブローアップの検知及び切断加工時
に生じる加工不良現象であるバーニングの検知を行うた
め、実験的に得られた第1または第2のカットオフ周波
数により低周波成分を得た後の信号処理を例にとり説明
する。図10は光センサ検出信号処理回路18aの構成
を示したブロック図であり、図において、25は光セン
サ7からの光センサ出力X(図11(a)または図12
(a)で示される波形)を周波数の高いピーク成分を第
1のカットオフ周波数によりカットして低周波成分であ
るフィルタ処理波形XH (図11(b)で示される波
形)及び第2のカットオフ周波数によりカットして低周
波成分であるフィルタ処理波形XL (図12(b)で示
される波形)を生成する、レーザ加工状態の認識に必要
とする周波数成分のみを抽出するフィルタ部であるフィ
ルタ回路、26はフィルタ処理波形XH 、XL と比較回
路27により比較する基準電圧B、Cを発生する基準電
圧発生回路である。
【0052】次に動作について説明する。レーザ発振器
1及び位相差制御ミラー14等の作用動作は上述した実
施例と同様であるので説明は省略し、ピアス加工中に生
じるブローアップの検知及び切断加工時に生じるバーニ
ングの検知を行う動作を説明する。まず、ピアス加工中
にブローアップが発生する時は、レーザ照射点周辺の温
度が上昇するため熱輻射による発光部が拡大し、光セン
サ7で検出されるレーザ照射点から発生する光5の強度
は増加し、光センサ出力Xは図11(a)の模式図に示
すように増加するので、この光センサ出力Xの増大を基
準電圧Bとの比較により認識することによりブローアッ
プの検知が可能となる。ブローアップは、ピアス加工等
のようにレーザ照射点が移動しない状態で発生するの
で、素早く検出しなければ被加工物Wの加工精度が大き
く落ち込んでしまう。そのため、ブローアップ検出の応
答性を考慮しなければならない。具体的には、図10に
示すフィルタ回路25で基準電圧との比較処理で誤認識
につながる可能性がある光センサ7に検出された周波数
成分を、周波数の比較的高い第1のカットオフ周波数
(例えば、第1のカットオフ周波数の範囲として数十H
z〜数百Hzの周波数)によりピーク成分をカットする
ことにより、ブローアップ発生への光センサ出力Xの立
ち上がり勾配を保持したまま、誤認識につながる可能性
のある一時的に高い部分の出力をカットし、図11
(b)の波形XH を得て、比較回路34で前記フィルタ
波形XH と基準電圧発生回路26が発生する基準電圧B
とを比較することで加工不良検知信号であるブローアッ
プの発生検知信号Z1 を得ることができる。さらに、ブ
ローアップ発生に至る以前の光センサ出力Xの上昇を基
準電圧Bよりもわずかに小さい基準電圧B1 で比較する
ことにより、ブローアップの前兆が検知でき、加工不良
検知信号であるブローアップの前兆検知信号Z2 を得る
ことができる。
【0053】なお、本願発明者らの実験によると、ピア
ス加工中の光センサ出力Xは図13(a)に示すように
軟鋼材を加工するときとステンレス材を加工するときで
は、光センサ7で検出される光センサ出力Xのレベルが
異なることが見いだされた。そこで、基準電圧発生回路
26で発生する基準電圧Bを被加工物の材質に応じて可
変とし、比較回路27で前記波形XH と比較すること
に、より感度の高いブローアップ検出が可能となる。
【0054】一方、切断加工中にバーニングが発生する
時は、過剰燃焼により切断溝幅が広がり発光部が拡大す
るため、光センサ出力Xは図12(a)の波形図に示す
ように変化する。そこで、この変化を基準電圧Cとの比
較することによりバーニングの検知が可能となる。ブロ
ーアップに対してバーニングは、レーザ照射点が被加工
物W上を移動中に発生するので、部分的に見れば、ブロ
ーアップが起こりながらレーザ加工を行っているといえ
るので、素早く検出するよりも確実にバーニングを検出
することが望まれる。具体的には、角部切断時や切断終
点部で生じるピーク成分をカットするため図10に示す
フィルタ回路25で光センサ出力Xをフィルタ処理する
が、上記ピーク成分をカットするための第2のカットオ
フ周波数(例えば、第2のカットオフ周波数の範囲とし
て数十Hz以下の周波数)を、先のブローアップ検知の
場合の第1のカットオフ周波数よりも低くする必要があ
る。そのため、フィルタ回路36の高低2種のカットオ
フ周波数のうち低い方の第2のカットオフ周波数で得ら
れた低周波成分をバーニングの検知に使用する。例え
ば、数Hzの第2のカットオフ周波数によりピーク成分
をカットすることにより、バーニング発生への光センサ
出力Xの誤認識につながる可能性のある一時的に高い部
分の出力をカットし、図12(b)で示される光センサ
出力Xの低周波成分である波形XL が得られる。そし
て、前記波形XL と比較回路27で基準電圧発生回路2
6が発生する基準電圧Cと比較することで加工不良検知
信号であるバーンングの発生検知信号Z3 を得ることが
できる。
【0055】なお、本願発明者らの実験によると切断中
の光センサ出力Xはレーザ出力に応じて図13(b)の
ように光センサ7で検出される光センサ出力Xのレベル
が変化することが見いだされた。そこで、基準電圧発生
回路26で発生する基準電圧Cをレーザ出力に応じて可
変し、比較回路27で前記波形XL と比較することによ
り感度の高いバーニング検出が可能となる。
【0056】上述のような光センサ出力Xの波形と基準
電圧B、B1 またはCとの比較で得られた各種加工不良
検出信号Z1 、Z2 ならびにZ3 をNC制御装置19に
送信し、NC制御装置19が入力された各種加工不良検
出信号Z1 、Z2 ならびにZ3 に基づいて、例えばレー
ザ加工装置を停止させることで加工不良の発生を最小限
にくい止めたり、集光系駆動装置33に対して円偏光レ
ーザ光2aの焦点位置を変更したり、加工ガス調節装置
34に対して加工ガスの圧力変更の支持等をすることに
より、常に最適な加工を維持するような適応制御加工が
可能となる。また、本実施例では、各種加工不良検出信
号Z1 、Z2 ならびにZ3 によりレーザ加工の停止、焦
点位置の変更、加工ガスの調節を行う事とするように説
明したが、本実施例はこれに限られるものではなく、例
えば、被加工物Wの送り速度の変更、レーザ発振指令回
路35によるレーザ出力及びレーザ発振波形の制御等を
することにより、レーザ加工が最適に維持されるものな
らば良い。
【0057】特に、図14を用いて、例えば各種加工不
良検出信号Z1 、Z2 ならびにZ3に基づきレーザ発振
指令回路35がレーザの出力、周波数、デューティ等の
発振状態を制御する場合を詳細に説明する。光センサ検
出信号処理回路18aで処理された加工不良検知信号
Z、すなわち各種不良検出信号Z1 、Z2 ならびにZ
3 は、レーザ発振指令回路35にNC制御装置19を経
由することなく入力される。加工不良検知信号Zの入力
により、レーザ発振指令回路35では、予めレーザ照射
前にNC制御装置19により設定されていたレーザの出
力、周波数、デューティ等からなる発振条件データを変
更させ、最適なレーザ加工を維持するように、レーザ出
力、周波数、デューティ等の変更を指令する発振条件変
更指令をレーザ発振器1に対して出力し、発振条件変更
指令に基づき、レーザ出力、周波数、デューティ等を変
更したレーザ光をレーザ発振器1により発振させる。N
C制御装置19を経由することなくレーザ発振指令回路
35に対して、加工不良検知信号Zを出力し、レーザ発
振器1の発振条件を変更することができるので、NC制
御装置19の処理速度に依存することない加工現象を帰
還情報とした高速応答のフィードッバック制御系を実現
することができ、例えばピアス加工において、ブローア
ップに至らせることなく常に最大のレーザパワーを照射
できるとともに高速穴開け加工を行うことが可能とな
る。
【0058】上述のように、本実施例では、レーザ照射
点に発生した光5を光センサ7で検出し、上記光センサ
出力Xを信号処理し、上記処理結果に応じてレーザ加工
装置を制御することにより、ピアス加工完了検出、ブロ
ーアップ検出および未然防止、切断加工不良検出及び切
断加工不良改善、レーザ焼入れ、レーザ肉盛りの施工管
理が可能となり、加工の自動化及び無人運転を行うこと
が可能となる。
【0059】実施例7.本実施例では、図15、図16
及び図17をもちいてレーザ照射点に発生する光5の発
光分布に基づきレーザ加工状態を認識する場合を説明す
る。図15は、ガウス分布状のエネルギ分布を持つ円偏
光レーザ光2aを、X方向に移動させる被加工物Wに照
射した際の被加工物Wのレーザ照射点から熱輻射の発光
強度(温度)分布を示した模式図であり、レーザ照射部
の温度変化を検出する赤外線に感度をもつ撮像素子とし
た光センサ7で被加工物W真上から検出し、光センサ検
出信号処理回路18aで画像処理することにより得られ
た発光強度分布を表す模式図をもちいて、レーザ照射点
に発生する光5の発光分布に基づきレーザ加工状態を認
識する場合を説明する。図16は、レーザ照射点の発光
強度を表す図であり、通常、静止した被加工物Wにレー
ザ光を照射すると、レーザ照射部分の一点の温度はレー
ザ照射時間の増加にともない変態点、溶融点、沸点と上
昇し、それと同時に発光強度も増加するので、光センサ
7により検出される光センサ出力Xのレベルも増加す
る。図17は、レーザ熱処理(レーザ焼入れ、レーザ肉
盛り)におけるレーザ加工装置の処理手順を示す図であ
る。
【0060】光センサ検出信号処理回路18aでの被加
工物Wのレーザ照射点に発生する光5の発光分布に基づ
くレーザ加工状態の認識を以下に詳述する。本実施例で
は、予め求めされる、変態点、融点及び沸点における光
センサ出力Xの基準レベルXt(変態点における基準レ
ベル(発光強度))、Xm(融点における基準レベル
(発光強度))及びXv(沸点における基準レベル(発
光強度))を把握しておき、レーザ加工中に検出される
光センサの出力Xに基づく所望の領域Yの出力及び所望
の領域Y内での最大値の出力Pが基準レベルXt、Xm
及びXvの所望の範囲内に存在するように制御を行う。
【0061】まず、図17をもちいてレーザ焼入れの際
の制御を説明する。ステップST1で光センサ7により
検出されたレーザ照射点の光を、ステップST2では光
センサ出力Xに基づき光センサ検出信号処理回路18a
が画像処理を行い、図15で示される所望の領域の出力
Y及び所望の領域の出力Yの最大値の出力Pを得る。そ
して、ステップST3では、光センサ検出信号処理回路
18a内で所望の領域の出力Yと変態点における予め定
められた基準レベルXtとの比較を行い、所望の領域の
出力Yのレベルが低ければ、加工点では変態点に達して
いないといえるので、ステップST4に移行して、例え
ばレーザ出力を増大、被加工物Wの送り速度を低下等の
制御を行う。これに対し、所望の領域の出力Yのレベル
が変態点における基準レベルXtより高ければステップ
ST5に移行する。ステップST5では、所望の領域の
出力Yの最大値の出力Pと融点における予め定められた
基準レベルXmとの比較を行い、所望の領域の出力Yの
最大値の出力Pのレベルが高ければ、加工点の一部では
融点に達してしまっているので、ステップST6に移行
して、例えばレーザ出力を低下、被加工物Wの送り速度
を増大等の制御を行う。これに対し、光センサ出力Xの
レベルが変態点における基準レベルXtより小さけれ
ば、現在の加工点の状態は最適な状態(加工すべき範囲
が変態点異常であり、かつ加工すべき範囲の最大出力が
融点を越えていない)であると判断し、必要に応じてレ
ーザ加工処理を継続する。このように、レーザ加工中に
検出される所望の領域の出力Yが所望の領域で変態点に
おける基準レベルXtを越え、かつ、所望の領域の出力
Yの最大値の出力Pが所望の領域で変融点における基準
レベルXmを越えないようにレーザ出力あるいは送り速
度を調整すれば、溶融層を生じさせること無く所望の範
囲にレーザ焼入れを行うことが可能となる。
【0062】次に、図17をもちいてレーザ肉盛りの際
の制御を説明する。ステップST1及びステップST2
の処理は同一であるので説明は省略し、ステップST7
以降の処理について説明する。ステップST7では、光
センサ検出信号処理回路18a内で所望の領域の出力Y
と融点における予め定められた基準レベルXmとの比較
を行い、光センサ出力Xのレベルが低ければ、加工点は
融点に達しておらずレーザ肉盛りが行えないのでステッ
プST8に移行して、例えばレーザ出力を増大、被加工
物Wの送り速度を低下等の制御を行う。これに対し、所
望の領域の出力Yのレベルが融点における基準レベルX
mより高ければステップST9に移行する。ステップS
T9では、所望の領域の出力Yの最大値の出力Pと沸点
における予め定められたレベルXvとの比較を行い、所
望の領域の出力Yの最大値の出力Pのレベルが高けれ
ば、加工点の一部が沸点に達してしまっているので、ス
テップST10に移行して、例えばレーザ出力を低下、
被加工物Wの送り速度を増大等の制御を行う。これに対
し、所望の領域の出力Yの最大値の出力Pのレベルが沸
点におけるレベルXvより小さければ必要に応じてレー
ザ加工処理を継続する。このように、レーザ加工中に検
出される所望の領域の出力Yが所望の領域で融点におけ
る基準レベルXmを越え、かつ、所望の領域の出力Yの
最大値の出力Pが沸点におけるレベルXvを越えないよ
うにレーザ出力あるいは送り速度を調整すれば、沸騰に
よる欠陥層を生じさせること無く所望の範囲にレーザ肉
盛りを行うことが可能となる。
【0063】なお、レーザ溶接においてもプラズマの発
光を除去する光学フィルターを通してレーザ照射点(加
工点)を観察することにより同様の加工ができる。以上
のように、レーザ照射点に発生した光5を光センサ7で
検出し、上記光センサ出力Xを信号処理し、上記処理結
果に応じてレーザ加工装置を制御することにより、レー
ザ焼入れ、レーザ肉盛りの施工管理が可能となり、加工
の自動化及び無人運転を行うことが可能となる。
【0064】実施例9.図18は、この発明の他の実施
例であるレーザ加工装置の構成を示す構成図であり、図
において、36、37、38、39以外は上述した実施
例と同一であるので説明は省略する。36は照明光37
を発生する照明手段である照明装置、38は照明装置3
6から発生した照明光37を集光する照明レンズ、39
は照明レンズ38により平行光にされた照明光37をレ
ーザ光と同軸の光伝送路に導入する例えば50%の透過
率を有する部分反射鏡であるビームスプリッタである。
【0065】次に本実施例の特徴的な動作である被加工
物Wの位置検出について説明する。照明装置36から発
光した照明光37は照明レンズ28により平行光にさ
れ、ビームスプリッタ39に照射される。ビームスプリ
ッタ39は、例えば、50%の透過率を持つ部分反射鏡
であるので、照明装置36から発光された照明光37の
50%の照明光37を透過すると共に、50%の照明光
37を光伝送路内に導入する。光伝送路内に導入された
照明光37は加工レンズ3により集光され、レーザ光と
同軸に被加工物Wの加工面を照らす。
【0066】被加工物Wの加工面を照らすことにより被
加工物Wの表面から反射される照明光37は、位相差制
御ミラー14はほぼ100%の透過率で透過し、50%
の透過率を持つビームスプリッタ39により、50%の
反射した照明光37が光センサ7に検出される。光セン
サ7では、上述した実施例と同様に照明光37の発光強
度をもとに、光センサ出力Xを光センサ検出信号処理回
路18に送信する。光センサ検出信号処理回路18で
は、例えば、反射した照明光37が一定のレベルに達し
ない時には、レーザ照射点と同一の位置に被加工物Wが
存在しないと判断する。そして、光センサで照明光37
を検出をしながら、被加工物Wあるいは加工ヘッド12
を移動させることにより、被加工物Wより上述したよう
に外側が照射された場合は、反射した照明光37の検出
レベルが一定のレベルに達しなくなることから被加工物
Wの端部を認識することができ、そのときのNC制御装
置19内の座標値から加工テーブル14上の絶対位置を
検出することができる。
【0067】そして、図19に示すように、例えば、被
加工物Wが矩形の定尺材料の場合、少なくともA、B、
Cの3点の座標値を上記方法により検出すると加工テー
ブル15上の被加工物Wの設置状態がわかり、NC制御
装置19内でNC加工プログラム中の座標値に対して設
置状態に応じた回転処理、オフセット処理を施すことに
より、被加工物Wが加工テーブル15上に適当に置かれ
ていても加工を行うことができる。なお、端部の検出の
代わりに被加工物上に特に設けられた例えば丸穴などの
ような目印部により上記検出を行っても良く、さらに、
上記のような照明手段による反射光検出以外にも、実際
に被加工物Wにレーザ光を照射した際に検出される光に
よっても上記位置検出が可能であることは言うまでもな
い。
【0068】実施例10.図20は、この発明の他の実
施例であるレーザ加工装置の構成を示す構成図であり、
図において、18b、36a、40以外は上述した実施
例と同一であるので説明は省略する。18bは撮像素子
をもちいた光センサ7からの光センサ出力Xを画像処理
し、モニター画面40に出力表示する光センサ検出信号
処理回路、36aは可視光である照明光37を発光する
加工ヘッド12近傍に設けられた照明装置である。図2
1は、モニター画面40の画面表示を示す模式図であ
り、レーザ照射位置と一致する箇所に目印をもうけてい
る。
【0069】可視光の照明光37により照射された被加
工物Wが撮像素子である光センサ7により撮像され、光
センサ検出信号処理回路18bで画像処理された後にモ
ニタ画面40に表示される。作業者はモニター画面を参
照して、モニター画面40の目印と被加工物Wのレーザ
を照射したい位置が一致するように加工テーブル15ま
たは加工ヘッド12を移動させ、レーザ照射位置の位置
決めを行う。また、実施例8で説明した動作と同様に、
被加工物W表面上のレーザ照射点に設けられた印(図示
せず)の位置を自動的に光センサ検出信号処理回路18
bが検出し、加工テーブル15または加工ヘッド12を
自動的に移動させ、レーザ照射点が被加工物W表面上の
印の位置に来るように位置決めを行う。
【0070】本実施例では、上述のように構成すること
により、被加工物Wに対するレーザ照射位置を正確に定
めることができ、レーザスポット溶接を行う場合などに
有効となる。なお、このときの照明手段は実施例8と同
様に光伝送路内に設けても良いのは言うまでもない。
【0071】実施例11.図22は、この発明の他の実
施例であるレーザ加工装置の構成を示す構成図であり、
図23は、例えば光センサ7により検出される被加工物
Wの加工表面の状態を示した概念図である。本実施例で
は、実施例8または実施例9と同様に、照明装置36の
照明光37により照らされた被加工物Wの加工表面は、
撮像素子をもちいた光センサ7で検出され、その光セン
サ出力Xを光センサ検出信号処理回路18で画像処理す
ることにより、被加工物Wの表面に予め記された加工経
路に相当する加工経路けがき線41を検知することがで
きる。
【0072】NC制御装置19では、加工経路けがき線
41上に加工ヘッド12のノズル13の中心が来るよう
に(図22参照)加工テーブル15に駆動指令を送信
し、加工経路けがき線41に沿った倣い動作を自動的に
行わせる。そのため、NC制御装置19に予め加工経路
が書き込まれた加工プログラムを入力するこなく、形状
加工を行うことが可能になる。なお、レーザ溶接の場合
は上記加工経路けがき線41は溶接線に相当し、溶接線
倣いが可能となる。
【0073】この被加工物Wの表面に記された加工経路
けがき線41の検出及び倣い動作は、実際にレーザ光を
被加工物Wに照射(レーザ加工)しながら行ってもよ
く、また、先に倣い動作だけによる加工経路学習(ティ
ーチング)を行ない、その後、上記ティーチングデータ
に基づいてレーザ加工を行ってもよい。さらに、加工テ
ーブル15を水平移動ほかに、加工ヘッド12に回転軸
を設けた3次元加工テーブルとした場合は、3次元立体
物に予め記された加工経路けがき線41の倣い動作が可
能となり、従来、手動により行っていたティーチング作
業が自動化され、大幅な作業時間の短縮が可能となる。
なお、このときの照明手段は実施例8と同様に光伝送路
内に設けても、また、実施例9と同様に加工ヘッド近傍
に設けても良い。
【0074】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように構成さ
れているので、以下に記載されるような効果を奏する。
被加工物を加工するためのレーザ光を発振するレーザ発
振手段と、このレーザ発振手段から出力されたレーザ光
を円偏光レーザ光に変換する円偏光ミラーと、この円偏
光ミラーにより円偏光された円偏光レーザ光を集光し、
被加工物に対して照射する光学手段と、この光学手段と
円偏光ミラーとの間に位置し、円偏光レーザ光をS偏光
成分及びP偏光成分の両成分間の位相差を保持したまま
光学手段へ反射すると共に、円偏光レーザ光の被加工物
への照射により被加工物の加工点に発生する光を透過す
る位相差制御ミラーと、この位相差制御ミラーにより透
過された光を検出し、光検出信号を発生する光検出手段
と、この光検出手段からの光検出信号に基づきレーザ加
工状態を認識し、レーザ加工状態認識信号を出力するレ
ーザ加工認識手段と、このレーザ加工認識手段により出
力されたレーザ加工状態認識信号に基づき被加工物に対
するレーザ加工を制御する制御手段とを備えたので、円
偏光レーザ光はS偏光成分及びP偏光成分の両成分間の
位相差を保持したまま円偏光レーザ光を反射させ、レー
ザ光の品質、偏光状態を劣化させることなく、かつ円偏
光レーザ光の加工性を損なわないレーザ加工装置が得ら
れる。
【0075】また、光検出手段により出力された光検出
信号の増幅率を、被加工物光検出手段との光路長に応じ
て変化させるので、常にレーザ加工認識手段に入力され
る光検出信号の出力レベルが一定となり、安定したレー
ザ加工状態の認識が行える。
【0076】さらに、位相差制御ミラーは、光検出手段
と被加工物との光路長を一定にすべく加工点に最も近い
位置に設けたので、光検出手段に入力される被加工物か
らの光の受光量が常に一定となり、安定したレーザ加工
状態の認識が行える。
【0077】また、被加工物を加工するためのレーザ光
を発振するレーザ発振手段と、このレーザ発振手段から
発振されたレーザ光を集光し、被加工物に照射する光学
手段と、レーザ光の被加工物への照射により被加工物の
加工点に発生する光を検出し、光検出信号を出力する光
検出手段と、この光検出手段から出力される光検出信号
中のサンプリング期間内における振動振幅電圧を増幅す
る増幅部を備え、増幅されたサンプリング期間内におけ
る振動振幅電圧を予め定められた基準電圧と比較するこ
とにより、レーザ加工状態を認識し、レーザ加工状態認
識信号を出力するレーザ加工認識手段と、このレーザ加
工状態認識信号に基づき被加工物に対するレーザ加工を
制御する制御手段とを備えたので、光検出手段からの光
検出信号中のサンプリング期間内における振動振幅電圧
の振動振幅が強調され、基準電圧との差異が明確にな
り、レーザ加工状態の検知が容易になるとともに、検出
精度が向上する。
【0078】また、被加工物を加工するためのレーザ光
を発振するレーザ発振手段と、このレーザ発振手段から
発振されたレーザ光を集光し、被加工物に照射する光学
手段と、レーザ光の被加工物への照射により被加工物の
加工点に発生する光を検出し、光検出信号を出力する光
検出手段と、この光検出手段から出力される光検出信号
からレーザ加工状態の認識に必要とする周波数成分のみ
を抽出するフィルタ部を備え、フィルタ部により得られ
た上記周波数成分の電圧と、予め定められた基準電圧と
を比較することにより、レーザ加工状態を認識し、レー
ザ加工状態認識信号を出力するレーザ加工認識手段と、
このレーザ加工状態認識信号に基づき被加工物に対する
レーザ加工を制御する制御手段とを備えたので、フィル
タ部により光検出信号レーザ加工状態の認識に必要とす
る周波数成分のみ抽出することができため、誤認識ある
いは基準電圧との認識にもちいない成分を持つ周波数は
カットすることができ、レーザ加工状態の認識精度が向
上する。
【0079】また、フィルタ部で所定の周波数成分のみ
を抽出するための数十Hz〜数百Hzの周波数成分を持
つカットオフ周波数をもちいて低周波数成分を抽出し、
基準電圧と比較することによりブローアップ現象を検知
するので、誤認識なくブローアップ現象を素早く検出す
ることができる。
【0080】さらに、フィルタ部で所定の周波数成分の
みを抽出するための数十Hz以下の周波数成分を持つカ
ットオフ周波数をもちいて低周波数成分を抽出し、基準
電圧と比較することによりバーニング現象を検知するの
で、誤認識なくバーニングを確実に検知することができ
る。
【0081】また、比較にもちいる基準電圧を被加工物
の材質あるいはレーザ発振器の出力に応じて変化させる
ので、被加工物の材質あるいはレーザ発振手段の出力に
応じたレーザ加工状態の認識を確実に行うことができ
る。
【0082】また、被加工物を加工するためのレーザ光
を発振するレーザ発振手段と、このレーザ発振手段から
発振されたレーザ光を集光し、被加工物に照射する光学
手段と、レーザ光の被加工物への照射により被加工物の
加工点に発生する光を検出し、光検出信号を出力する光
検出手段と、この光検出信号の被加工物の加工点に発生
する光の発光分布の形態に基づき、レーザ加工状態を認
識し、レーザ加工状態認識信号を出力するレーザ加工認
識手段と、このレーザ加工状態認識信号に基づき被加工
物に対するレーザ加工を制御する制御手段とを備えたの
で、被加工物上のレーザ光を照射する加工点の状態を発
光分布をもとに正確に認識することができ、きめ細かい
レーザ加工制御を行うことができる。
【0083】また、レーザ加工認識手段からのレーザ加
工状態認識信号に基づきレーザ発振手段出力のピーク
値、周波数、デューティ等のレーザ発振条件を制御する
レーザ発振指令手段を設け、上記制御をレーザ発振指令
手段のみによって行うようにしたので、ダイレクトにレ
ーザ発振器がレーザ加工状態認識信号に基づき制御する
ことができる。そのため、検出されたレーザ加工状態の
結果を素早くレーザ発振器にフィードバックすることが
できる高速応答なレーザ加工装置の制御を行うことがで
きる。
【0084】また、被加工物を加工するためのレーザ発
振手段とは別個に被加工物を照射する照射手段を備え、
照射手段の照射光を反射する光強度から被加工物の端部
位置検出を行うので、予め被加工物のレーザ加工に対す
る位置セッティングが不要となり、作業性が向上する。
【0085】さらに、レーザ加工認識手段は、反射光の
強度が変化する少なくとも3箇所の位置をもとに、被加
工物の位置検出行うので、より確実に被加工物の位置検
出を行うことができる。
【0086】また、レーザ加工認識手段は、被加工物か
ら反射する光をもとに、被加工物上に施された被加工物
と反射率が異なる加工経路線を検出し、制御手段が、そ
のレーザ加工認識手段からの加工経路情報に基づきレー
ザ加工を行うので、加工プログラムを予め入力してレー
ザ加工を行う必要がなく、検出した加工経路に沿った倣
い加工が自動的に行えるレーザ加工装置を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例であるレーザ加工装置の構
成を示す構成図である。
【図2】この発明の光センサ検出信号処理回路の構成を
示す構成図である。
【図3】この発明の光センサ検出信号処理回路の各部に
おける信号波形図である。
【図4】この発明の他の実施例を示すレーザ加工装置の
構成を示す構成図である。
【図5】この発明の実施例3を示すレーザ加工装置の構
成を示す構成図である。
【図6】この発明の実施例4を示すレーザ加工装置の構
成を示す構成図である。
【図7】実施例4における光センサの受光量の変化を示
した図である。
【図8】この発明の実施例5を示すレーザ加工装置の構
成を示す構成図である。
【図9】この発明の実施例6を示すレーザ加工装置の構
成を示す構成図である。
【図10】実施例6における光センサ検出信号処理回路
の構成を示す構成図である。
【図11】実施例6におけるブローアップ検知処理にお
ける光センサ検出信号処理回路図の各部の波形図であ
る。
【図12】実施例6におけるバーニング検知処理におけ
る光センサ検出信号処理回路図各部の波形図である。
【図13】実施例6における基準電圧の変化に関する説
明図である。
【図14】光センサ出力によりレーザ発振器を制御する
際のブロック図である。
【図15】この発明の実施例7におけるレーザ照射中の
被加工物の発光(温度)分布を表す模式図である。
【図16】図15におけるレーザ照射部の温度変化を表
す図である。
【図17】レーザ熱処理におけるレーザ加工装置の処理
手順を示す図である。
【図18】この発明の実施例8を示すレーザ加工装置の
構成を示す構成図である。
【図19】実施例8における被加工物の位置検出方法を
示す説明図である。
【図20】この発明の実施例9を示すレーザ加工装置の
構成を示す構成図である。
【図21】実施例9におけるモニター画面を示す模式図
である。
【図22】この発明の実施例10を示すレーザ加工装置
の構成を示す構成図である。
【図23】実施例10における加工経路けがき線検出動
作時の加工面の検出状況を示す模式図である。
【図24】従来のレーザ加工装置の構成を示す構成図で
ある。
【図25】直線偏光を円偏光に変換する方法を表す方法
図である。
【符号の説明】
1 レーザ発振器 2a 円偏光レ
ーザ光 3 加工レンズ 5 光 6a 光路ミラー 7 光セン
サ 8a 増幅回路 11 円偏光
ミラー 12 加工ヘッド 13 ノズル 14 位相制御ミラー 14a 反射層 15 加工テーブル 16、16a X軸駆
動モータ 17 Z軸駆動モータ 18、18a 光セン
サ出力信号処理回路 19 NC制御装置 21 振動振
幅電圧抽出回路 22 二乗回路 23、26 基準電
圧発生回路 24、27 比較回路 25 フィル
タ回路 31 レンズ 32 光学フ
ィルタ 33 集光系駆動装置 34 加工ガ
ス調節装置 35 レーザ発振指令回路 36、36a 照明装
置 37、37a 照明光 38 照明レ
ンズ 39 ビームスプリッタ 40 モニタ 41 加工経路けがき線

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加工物を加工するためのレーザ光を発
    振するレーザ発振手段と、 このレーザ発振手段から出力されたレーザ光を円偏光レ
    ーザ光に変換する円偏光ミラーと、 この円偏光ミラーにより円偏光された円偏光レーザ光を
    集光し、被加工物に対して照射する光学手段と、 この光学手段と上記円偏光ミラーとの間に位置し、円偏
    光レーザ光を、S偏光成分及びP偏光成分の両成分間の
    位相差を保持したまま上記光学手段へ反射すると共に、
    上記円偏光レーザ光の上記被加工物への照射により上記
    被加工物の加工点に発生する光を透過する位相差制御ミ
    ラーと、 この位相差制御ミラーにより透過された上記光を検出
    し、光検出信号を発生する光検出手段と、 この光検出手段からの光検出信号に基づきレーザ加工状
    態を認識し、レーザ加工状態認識信号を出力するレーザ
    加工認識手段と、 このレーザ加工認識手段により出力されたレーザ加工状
    態認識信号に基づき上記被加工物に対するレーザ加工を
    制御する制御手段と、を備えたことを特徴とするレーザ
    加工装置。
  2. 【請求項2】 光検出手段により出力された光検出信号
    の増幅率を、被加工物と上記光検出手段との光路長に応
    じて変化させ、上記光検出信号の出力レベルをレーザ加
    工認識手段に出力する際に一定とする増幅手段を設けた
    ことを特徴とする請求項第1項記載のレーザ加工装置。
  3. 【請求項3】 位相差制御ミラーは、光検出手段と被加
    工物との光路長の距離を一定にすべく、加工点に最も近
    い位置に設けられていることを特徴とする請求項第1項
    記載のレーザ加工装置。
  4. 【請求項4】 被加工物を加工するためのレーザ光を発
    振するレーザ発振手段と、 このレーザ発振手段から発振されたレーザ光を集光し、
    上記被加工物に照射する光学手段と、 上記レーザ光の上記被加工物への照射により上記被加工
    物の加工点に発生する光を検出し、光検出信号を出力す
    る光検出手段と、 この光検出手段から出力される上記光検出信号中のサン
    プリング期間内における振動振幅電圧を増幅する増幅部
    を備え、増幅されたサンプリング期間内における振動振
    幅電圧を予め定められた基準電圧と比較することによ
    り、レーザ加工状態を認識し、レーザ加工状態認識信号
    を出力するレーザ加工認識手段と、 このレーザ加工状態認識信号に基づき上記被加工物に対
    するレーザ加工を制御する制御手段と、を備えたことを
    特徴とするレーザ加工装置。
  5. 【請求項5】 被加工物を加工するためのレーザ光を発
    振するレーザ発振手段と、 このレーザ発振手段から発振されたレーザ光を集光し、
    上記被加工物に照射する光学手段と、 上記レーザ光の上記被加工物への照射により上記被加工
    物の加工点に発生する光を検出し、光検出信号を出力す
    る光検出手段と、 この光検出手段から出力される光検出信号からレーザ加
    工状態の認識に必要とする周波数成分のみを抽出するフ
    ィルタ部を備え、フィルタ部により得られた上記周波数
    成分の電圧と、予め定められた基準電圧とを比較するこ
    とにより、レーザ加工状態を認識し、レーザ加工状態認
    識信号を出力するレーザ加工認識手段と、 このレーザ加工状態認識信号に基づき上記被加工物に対
    するレーザ加工を制御する制御手段と、を備えたことを
    特徴するレーザ加工装置。
  6. 【請求項6】 フィルタ部でレーザ加工状態の認識に必
    要とする周波数成分のみを抽出するための、数十Hzか
    ら数百ヘルツの周波数成分をもつカットオフ周波数をも
    ちいて低周波数成分を抽出し、予め定められた基準電圧
    とを比較することにより、ブローアップ現象を検知する
    ことを特徴とする請求項第5項記載のレーザ加工装置。
  7. 【請求項7】 フィルタ部でレーザ加工状態の認識に必
    要とする周波数成分のみを抽出するための、数十Hz以
    下の周波数成分をもつカットオフ周波数をもちいて低周
    波数成分を抽出し、予め定められた基準電圧とを比較す
    ることにより、バーニング現象を検知することを特徴と
    する請求項第5項記載のレーザ加工装置。
  8. 【請求項8】 比較にもちいる基準電圧を被加工物の材
    質あるいはレーザ発振器の出力に応じて変化させること
    を特徴とする請求項第4項乃至第7項何れかに記載のレ
    ーザ加工装置。
  9. 【請求項9】 被加工物を加工するためのレーザ光を発
    振するレーザ発振手段と、 このレーザ発振手段から発振されたレーザ光を集光し、
    上記被加工物に照射する光学手段と、 上記レーザ光の上記被加工物への照射により上記被加工
    物の加工点に発生する光の発光分布を検出し、光検出信
    号を出力する光検出手段と、 この光検出信号の上記被加工物の加工点に発生する光の
    発光分布の形態に基づき、レーザ加工状態を認識し、レ
    ーザ加工状態認識信号を出力するレーザ加工認識手段
    と、 このレーザ加工状態認識信号に基づき上記被加工物に対
    するレーザ加工を制御する制御手段と、を備えたことを
    特徴するレーザ加工装置。
  10. 【請求項10】 レーザ加工認識手段からのレーザ加工
    状態認識信号に基づきレーザ発振手段出力のピーク値、
    周波数、デューティ等のレーザ発振条件を制御するレー
    ザ発振指令手段を設け、上記制御を上記レーザ発振指令
    手段のみによって行うようにしたことを特徴とする請求
    項第1項乃至第9項何れかに記載のレーザ加工装置。
  11. 【請求項11】 被加工物を加工するためのレーザ発振
    手段とは別個に上記被加工物を照射する照射手段を備
    え、上記照射手段の照射光を反射する光強度から、レー
    ザ加工認識手段が上記被加工物の端部位置検出を行うこ
    とを特徴とする請求項第1項乃至第3項何れかに記載の
    レーザ加工装置。
  12. 【請求項12】 レーザ加工認識手段は、反射光の強度
    が変化する少なくとも3箇所の位置をもとに、上記被加
    工物の位置検出を行うことを特徴とする請求項第1項ま
    たは第11項記載のレーザ加工装置。
  13. 【請求項13】 レーザ加工認識手段は、被加工物から
    反射する光をもとに上記被加工物上に施された上記被加
    工物と反射率が異なる加工経路線を検出し、制御手段
    が、そのレーザ加工認識手段からの加工経路情報に基づ
    きレーザ加工を行うことを特徴とする請求項第1項また
    は第11項記載のレーザ加工装置。
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