JPH08176720A - 窒素含有焼結硬質合金 - Google Patents
窒素含有焼結硬質合金Info
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- JPH08176720A JPH08176720A JP6324603A JP32460394A JPH08176720A JP H08176720 A JPH08176720 A JP H08176720A JP 6324603 A JP6324603 A JP 6324603A JP 32460394 A JP32460394 A JP 32460394A JP H08176720 A JPH08176720 A JP H08176720A
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Abstract
い熱衝撃性を受ける条件下での加工においても、表面被
覆を施すことなく高い信頼性を持って使用可能な切削工
具用窒素含有焼結硬質合金を提供する。 【構成】Tiと周期律表の4a、5a、6a族から選ば
れた遷移金属の炭化物、窒化物、炭窒化物あるいはこれ
らの複合炭窒化物からなる硬質相が75〜95Wt%
で、Ni及びCo等の結合相が5〜25Wt%であり、
X線回折測定でB1構造のピークが2種類検出される窒
素含有硬質合金で、X線回折測定における回折角の高角
側に検出される強度の小さいピークの強度をIS 、回折
角の低角側に検出される強度の大きいピークの強度をI
L とし、合金表面部でのIS /IL で表されるピーク強
度比をIH 、合金の1mm以上内部でのIS /IL のピ
ーク強度比をINとしたときのIH /IN が0.5以上
3.0以下である窒素含有焼結硬質合金。
Description
に関し、特に切削加工用工具の材質として極めて耐熱衝
撃性に優れ、かつ耐摩耗性及び強度に富み、湿式切削に
も使用可能な窒素含有焼結硬質合金に関するものであ
る。
相とし、これをNiとCoからなる金属で結合した窒素
を含有する焼結硬質合金が切削工具としてすでに実用化
されている。この窒素含有焼結硬質合金は、従来の窒素
を含有しない焼結硬質合金に比べ硬質相が著しく微粒に
なるため耐高温クリープ特性が大幅に改善されるためW
Cを主成分としたいわゆる超硬合金と並んで切削工具と
して広く使用されてきている。しかしながら、この窒素
含有焼結硬質合金は、 主成分であるTiの炭窒化物の熱伝導度が超硬合金の
主成分であるWCの熱伝導率に比べて著しく小さいた
め、この窒素含有焼結硬質合金の熱伝導度は超硬合金の
約1/2であること、 熱膨張係数も、同様に主成分の特性値に依存して窒素
含有焼結硬質合金のそれは超硬合金に比べ1.3倍にな
ること、 などの理由により熱衝撃に対する抵抗が低くなる。この
ため、特に熱衝撃の厳しくなる条件下での切削、例えば
フライス切削や角材の旋盤による切削加工、また、切込
みの大きく変動する湿式での倣い切削などには、被覆超
硬合金などに比べて信頼性が低いのが現状だった。この
ような問題に対して、例えば、特開平2−15139号
公報や、特開平5−9646号公報で、強靱なサーメッ
トが開示されている。
−51201号公報などに開示されているように、硬質
相粒子がいわゆる有芯二重構造を呈しTiとNが富化さ
れている芯部とW,Moが富化されNが貧化している周
辺部とで形成されている。このような二重構造の合金は
X線回折測定(Cu−Kα線)をすると、図3に示すよ
うに同じB1構造の同一回折面からのピークが2つに分
離されて検出される。ここで回折角の低角側の強度の強
いピークは周辺部のもので、高角側の強度の低いピーク
は芯部のものである。
ずれの公報に開示されたサーメットにおいても、耐摩耗
性及び靱性は向上しているが、被覆超硬合金に比べれば
耐欠損性は不十分であり、耐熱衝撃性、特に熱亀裂の発
生や、熱衝撃と機械的衝撃の両者に起因する亀裂の進展
による突発欠損が生じやすく、十分な信頼性が得られな
い。そこで本発明者らは、種々の切削における温度分布
などの切削現象の解析と、工具内の材料成分の配置との
詳細な研究をしてきた結果、本発明に達した。本発明
は、従来の高価な被覆超硬合金でしか使用できなかった
厳しい熱衝撃を受ける条件下での加工においても、表面
被覆を施すことなく高い信頼性を持って使用可能な切削
工具用窒素含有焼結硬質合金を提供することを目的とす
る。
芯部(黒芯)の割合を、合金内部に対し合金表面部の方
が同等もしくは大きいある範囲内にすることが工具性
能、特に耐摩耗性を著しく向上させられるという知見を
得、本発明に到達した。すなわち、本発明の窒素含有焼
結硬質合金は、Tiと、周期律表の4a、5a、6a族
から選ばれたTiを除く少なくとも1種の遷移金属の炭
化物、窒化物、炭窒化物あるいはこれらの複合炭窒化物
の少なくとも1種以上からなる硬質相が75〜95重量
%で、Ni及びCo並びに不可避不純物を含む結合相が
5〜25重量%であり、X線回折測定でB1構造のピー
クが2種類検出される窒素含有焼結硬質合金において、
X線回折における2つのB1構造の同一回折面からのピ
ークにおいて、回折角の高角側に検出される強度の小さ
いピークの強度をIS 、回折角の低角側に検出される強
度の大きいピークの強度をIL とし、合金表面部でのI
S /IL で表わされるピーク強度比をIH 、合金の1m
m以上内部でのIS /IL で表わされるピーク強度比を
IN としたときのIH /IN が、0.5以上3.0以下
である事を特徴とする窒素含有焼結硬質合金である。本
発明における硬質相は、75重量%未満では耐摩耗性、
耐塑性変形性の低下が著しく、95重量%を越えると強
度、靱性が不足し好ましくない。本発明のIH /I
N は、0.5未満は耐摩耗性が不足し、3.0を越える
と所望の耐熱衝撃性を得ることができない。本発明では
B1構造の硬質相だけでなく、内部にWC相を存在させ
ても良い。
るとこの部分が本質的に耐アブレッシブ磨耗性や耐熱
性、化学的安定性に優れるため耐磨耗性を高めることが
でき、内部を強度に富む有芯構造の周辺部分を増やすこ
とができ、工具強度を向上でき、全体として高性能な工
具となる。ただし、芯部を余り多くすると表面部の強度
が低下してしまう。
し、型押し成形し、真空から、窒素雰囲気中で1400
〜1700℃程度で焼結後、脱炭脱窒素雰囲気中で徐冷
することによって調製することができる。
明するが、本発明の限定を意図するものではない。
射電子顕微鏡像で真っ白に見え、芯部分が真っ黒に見え
る(Ti0.85Ta0.05Nb0.04W0.06)(C
0.55N0.45)粉末と、同0.7μmのWC粉末と、同
1.5μmのNi粉末とCo粉末をそれぞれ45重量
%、40重量%、7重量%、8重量%を湿式混合後、型
押し成形し、10-2Torrの真空中で1200℃で脱
ガス後、窒素ガス分圧20から50Torrで1490
℃にて1時間焼結後、真空中で2.5℃/分で冷却し、
試料1を調製した。この試料1の表面ラッピング面での
X線のCu−Kα線B1構造の(220)面からの回折
曲線から求めた強度比IH が0.1、表面から1mm内
部での強度比IN が0.18で、IH /IN =0.56
であった(図1参照)。試料1と同一合金組成となるよ
うにTiCN35重量%、TaC4重量%、NbC2重
量%、WC44重量%、Ni7重量%、Co8重量%配
合し試料1と同一条件で焼結し試料2を調製し、また、
TiCN46重量%、TaC8重量%、Mo2 C8重量
%、WC20重量%、Ni6重量%、Co12重量%配
合し試料1と同一条件で焼結し試料3を調製し、試料
1、試料2と同一の型押し成形体をそれぞれ窒素分圧5
Torrで1430℃で焼結し、CO分圧200Tor
rで冷却し、それぞれ試料4、試料5を調製した。
0.07W0.06)(C0.5 N0.5 )粉末と、同1.5μmの
Ni粉末とCo粉末をそれぞれ85重量%、7重量%、
8重量%を湿式混合後、型押し成形し、10-2Torr
の真空中で1200℃で脱ガス後、窒素ガス分圧15T
orrで1480℃にて1時間焼結後、真空(10-5T
orr)中で超徐冷(0.5〜5℃/分)して試料6を
調製し、同じくCO2 5Torr中で徐冷(5〜10℃
/分)して試料7を調製し、N2 中で急冷(100To
rr、10〜50℃/分)して試料8を調製した。Ti
CN35重量%、NbC6重量%、WC44重量%、N
i8重量%、Co7重量%配合したものを、試料6、
7、8と同一条件で焼結してそれぞれ試料9、10、1
1を調製した。また、TiCN56重量%、NbC8重
量%、Mo2C8重量%、WC10重量%、Ni10重
量%、Co8重量%配合したものを、試料1、4と同一
条件で焼結してそれぞれ試料12、13を調製し、それ
ぞれのIH /IN を求め、焼結肌で工具形状CNMG4
32を作成して下記耐摩耗性評価と耐熱衝撃性評価の切
削テストに付して、得られた結果を表1及び図2に示
す。試料2、9、10、11には合金組織の内部にWC
が析出していた。
として特に熱衝撃の厳しい条件での切削、例えばフライ
ス切削や角材の旋盤による切削加工、また、切込みの大
きく変動する湿式での倣い切削加工など、従来は高価な
被覆超硬合金工具でした使用じできなかった加工領域に
対し、コーティングなしで極めて信頼性が高い窒素含有
焼結硬質合金を提供できるという効果を奏する。
(b)内部のX線Cu−Kα線の回折曲線である。
(b)内部のX線Cu−Kα線の回折曲線である。
金のX線のCu−Kα線の典型的な従来サーメットであ
るB1構造(220)面からの回折曲線である。
Claims (1)
- 【請求項1】 Tiと、周期律表の4a、5a、6a族
から選ばれたTiを除く少なくとも1種の遷移金属の炭
化物、窒化物、炭窒化物あるいはこれらの複合炭窒化物
の少なくとも1種以上からなる硬質相が75〜95重量
%で、Ni及びCo並びに不可避不純物を含む結合相が
5〜25重量%であり、X線回折測定でB1構造のピー
クが2種類検出される窒素含有焼結硬質合金において、
X線回折測定における2つのB1構造の同一回折面から
のピークにおいて、 回折角の高角側に検出される強度の小さいピークの強度
をIS 、回折角の低角側に検出される強度の大きいピー
クの強度をIL とし、合金表面部でのIS /I L で表さ
れるピーク強度比をIH 、合金の1mm以上内部でのI
S /IL で表されるピーク強度比をIN としたときのI
H /IN が、0.5以上3.0以下である事を特徴とす
る窒素含有焼結硬質合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6324603A JP2737677B2 (ja) | 1994-12-27 | 1994-12-27 | 窒素含有焼結硬質合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6324603A JP2737677B2 (ja) | 1994-12-27 | 1994-12-27 | 窒素含有焼結硬質合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08176720A true JPH08176720A (ja) | 1996-07-09 |
JP2737677B2 JP2737677B2 (ja) | 1998-04-08 |
Family
ID=18167671
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6324603A Expired - Lifetime JP2737677B2 (ja) | 1994-12-27 | 1994-12-27 | 窒素含有焼結硬質合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2737677B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005213599A (ja) * | 2004-01-29 | 2005-08-11 | Kyocera Corp | TiCN基サーメットおよびその製造方法 |
JP2007231421A (ja) * | 2007-02-23 | 2007-09-13 | Kyocera Corp | TiCN基サーメット |
JP2009019276A (ja) * | 2008-08-25 | 2009-01-29 | Kyocera Corp | TiCN基サーメット |
JP2010528186A (ja) * | 2007-05-21 | 2010-08-19 | ケンナメタル インコーポレイテッド | 超低熱伝導性を備える超硬合金 |
-
1994
- 1994-12-27 JP JP6324603A patent/JP2737677B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005213599A (ja) * | 2004-01-29 | 2005-08-11 | Kyocera Corp | TiCN基サーメットおよびその製造方法 |
JP2007231421A (ja) * | 2007-02-23 | 2007-09-13 | Kyocera Corp | TiCN基サーメット |
JP2010528186A (ja) * | 2007-05-21 | 2010-08-19 | ケンナメタル インコーポレイテッド | 超低熱伝導性を備える超硬合金 |
JP2009019276A (ja) * | 2008-08-25 | 2009-01-29 | Kyocera Corp | TiCN基サーメット |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2737677B2 (ja) | 1998-04-08 |
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