JPH08142848A - アンチスキッド制御装置 - Google Patents
アンチスキッド制御装置Info
- Publication number
- JPH08142848A JPH08142848A JP29000394A JP29000394A JPH08142848A JP H08142848 A JPH08142848 A JP H08142848A JP 29000394 A JP29000394 A JP 29000394A JP 29000394 A JP29000394 A JP 29000394A JP H08142848 A JPH08142848 A JP H08142848A
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- wheel
- mode
- pressure
- wheel speed
- speed
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Abstract
キペダルの引っ掛かり感等の違和感を与えることないア
ンチスキッド制御装置を提供する。 【構成】車輪速度Vwi と目標車輪速度Vw* との偏差
及び車輪加減速度Vwi′と設定値α2 との偏差をもと
に目標増減圧量ΔPを算出し(ステップS5)、制動開
始時に目標増減圧量ΔPが設定値ΔP0 を越えていると
きには、ステップS18,S19からステップS10に
移行して急増圧モードを継続し、たとえ車輪減速度が従
来の高圧側の保持モードを設定する減速度閾値を越えて
も保持モードを設定することなく、ホイールシリンダ圧
をロック圧近傍まで短時間で昇圧する。その後、ΔP≦
ΔP0 で保持モードを設定し(ステップS16)、その
後にΔP0 <ΔP≦ΔP1 で緩増圧モードを設定し(ス
テップS20)、減圧モードが設定された後は急増圧モ
ードが禁止されて緩増圧モードのみが選択される。
Description
車輪ロックを防止するアンチスキッド制御装置に関す
る。
は、例えば、本出願人が先に提案した特開平1−275
251号公報に記載されているものが知られている。こ
の従来例は、各車輪に設けた車輪速検出手段の車輪速検
出値のうち最も高い車輪速度検出値が実際の車体速度に
最も近いことから、これをセレクトハイ車輪速として選
択すると共に、前後加速度センサで検出した車体前後加
速度に所定のオフセット値を加算した前後加速度補正値
を積分回路に供給して、セレクトハイ車輪速を初期値と
してこれから前後加速度補正値の積分値を減算すること
により、推定車体速度を算出し、且つ各車輪速度検出値
を微分して車輪加減速度を算出し、推定車体速度と目標
スリップ率とから目標車輪速度を算出し、これらに基づ
いて、制動状態となったときに、先ず急増圧モードを設
定し、これによって車輪速度が低下して、車輪加減速度
が予め設定した減速度閾値以下となったときに保持モー
ドとし、その後、車輪加減速度が減速度閾値を越えたと
きに、保持時間が短いときには急増圧モードを、長いと
きに緩増圧モードを夫々選択することにより、ホイール
シリンダ圧を制御して制動開始時の制動圧を制御するよ
うにしている。
来例のアンチスキッド制御装置にあっては、低圧側の保
持モードとするための条件として、車輪加減速度が予め
設定した減速度閾値以下となるなるか否かによって設定
するようにしているので、例えば乾燥した舗装路等の高
摩擦係数路を高速で走行している状態から制動状態に移
行したときに、制動開始時点t0 で急増圧モードが設定
されているため、車輪速度Vwが図9(a)に示すよう
に急激に低下し、車輪加減速度Vw′が早い時点t1 で
減速度閾値−α2 以下となることにより、図9(c)に
示すように、保持信号が出力されて保持モードとなりホ
イールシリンダ圧は図9(d)に示すように、ロック圧
力よりかなり下回ることになり、これによって車輪速度
Vwの低下が抑制されるため、車輪速度Vwが推定車体
速度VX の80%程度に設定される目標車輪速度Vw *
を下回ることがなく、したがって、車輪加減速度Vw′
が減速度閾値−α2 以上に回復した時点t2 まで保持モ
ードが継続され、この保持時間が長いことにより、時点
t2 で、図9(c)に示すように、保持信号と増圧信号
が繰り返されて緩増圧モードが設定され、これによって
ホイールシリンダ圧が図9(d)に示すように、ステッ
プ状に増加することになり、ホイールシリンダ圧が制動
開始時からロック圧力に達するまでの時間が長くなっ
て、運転者に制動初期の車両減速度不足やブレーキペダ
ルが引っ掛かっているような違和感を与えるという未解
決の課題がある。
課題に着目してなされたものであり、制動初期時に運転
者に車両減速度不足やブレーキペダルの引っ掛かりによ
る違和感を与えることなく良好な制動圧制御を行うこと
ができるアンチスキッド制御装置を提供することを目的
としている。
に、請求項1に係るアンチスキッド制御装置は、図1の
基本構成図に示すように、複数の車輪の速度を検出する
車輪速度検出手段と、該車輪速検出手段の車輪速検出値
から車輪加減速度を演算する車輪加減速度演算手段と、
少なくとも前記車輪速度検出手段の車輪速度に基づいて
推定車体速度を演算する推定車体速度演算手段と、前記
車輪速度検出手段の車輪速度、前記車輪加減速度演算手
段の車輪加減速度及び前記推定車体速度演算手段の推定
車体速度に基づいて各車輪に配設された制動用シリンダ
の流体圧を少なくとも減圧、保持及び増圧状態の何れか
に制御する制動圧制御手段とを備えたアンチスキッド制
御装置において、前記制動圧制御手段は、前記推定車体
速度演算手段の推定車体速度に基づいて目標車輪速度を
算出する目標車輪速度算出手段と、該目標車輪速度算出
手段の目標車輪速度と前記車輪速度検出手段の車輪速度
との偏差及び前記車輪加減速度演算手段の車輪加減速度
と予め設定された車輪減速度との偏差に基づいて目標増
減圧量を算出する目標増減圧量算出手段と、少なくとも
前記目標増減圧量算出手段の目標増減圧量が設定値以下
であるときには保持モードを選択し、設定値を越えてい
るときには最初の減圧モードの前であるときに急増圧モ
ードを、減圧モードの後であるときに緩増圧モードを選
択するモード選択手段とを備えていることを特徴として
いる。
装置は、請求項1の発明において、前記再増圧抑制手段
が、最初の減圧モードの前に一度保持モードを選択した
後に目標増減圧量が設定値を越えたときには再増圧モー
ドを選択するように構成されていることを特徴としてい
る。
ては、車輪速度と例えば推定車体速度と目標スリップ率
とを乗算して算出される目標車輪速度との偏差と、車輪
加減速度と設定値との偏差とに基づいて車輪スリップ率
に対応した目標増減圧量を算出し、この目標増減圧量に
基づいてモード選択手段で、目標増減圧量が設定値以下
であるときには、保持モードを選択し、設定値を越えて
いるときには、制動初期時の減圧モードの前では急増圧
モードを選択し、減圧モード後では緩増圧モードを選択
することにより、高摩擦係数路を高速走行中に制動状態
としたときに、制動初期時には目標増減圧量が設定値を
越えるまでは車輪加減速度が減速度閾値に達した場合で
も急増圧モードに維持して、ホイールシリンダ圧をロッ
ク圧力に近づけ、これによって車両減速度不足やブレー
キペダルの引っ掛かりによる違和感の発生を防止し、そ
の後の減圧モード後では目標増減圧量が設定値を越えた
ときに緩増圧モードとして通常のアンチスキッド制御を
実行する。
おいては、制動初期時の減圧モードの前に一旦保持モー
ドに設定された後は、目標増減圧量が設定値を越えた場
合でも緩増圧モードとして通常のアンチスキッド制御に
移行することにより、ロック圧力を大幅に越える過剰増
圧を抑制し、良好な制動圧制御を行う。
する。図2は本発明の一実施例を示すブロック図であ
る。図中、1FL,1FRは前輪、1RL,1RRは後
輪であって、後輪1RL,1RRにエンジンEGからの
回転駆動力が変速機T、プロペラシャフトPS及びディ
ファレンシャルギヤDGを介して伝達され、各車輪1F
L〜1RRには、それぞれ制動用シリンダとしてのホイ
ールシリンダ2FL〜2RRが取付けられ、さらに前輪
1FL,1FRにこれらの車輪回転数に応じたパルス信
号PFL,PFRを出力する車輪速度検出手段としての車輪
速センサ3FL,3FRが取付けられ、プロペラシャフ
トPSに後輪の平均回転数に応じたパルス信号PR を出
力する車輪速度検出手段としての車輪速センサ3Rが取
付けられている。
には、ブレーキペダル4の踏込みに応じて前輪側及び後
輪側の2系統のマスタシリンダ圧を発生するマスタシリ
ンダ5からのマスタシリンダ圧が前輪側アクチュエータ
6FL,6FRを介して個別に供給されると共に、後輪
側ホイールシリンダ2RL,2RRには、マスタシリン
ダ5からのマスタシリンダ圧が共通の後輪側アクチュエ
ータ6Rを介して供給され、全体として3センサ3チャ
ンネルシステムに構成されている。
は、図3に示すように、マスタシリンダ5に接続される
油圧配管7とホイールシリンダ2FL〜2RRとの間に
介装された電磁流入弁8と、この電磁流入弁8と並列に
接続された電磁流出弁9、油圧ポンプ10及び逆止弁1
1の直列回路と、流出弁9及び油圧ポンプ10間の油圧
配管に接続されたアキュムレータ12とを備えている。
電磁流入弁8、電磁流出弁9及び油圧ポンプ10は、車
輪速センサ3FL〜3Rからの車輪速パルス信号PFL〜
PRが入力されるコントローラCRからの液圧制御信号
EV、AV及びMRによって制御される。コントローラ
CRは、車輪速センサ3FL〜3Rからの車輪速パルス
信号PFL〜PR が入力され、これらと各車輪1FL〜1
RRの回転半径とから車輪の周速度でなる車輪速度Vw
FL〜VwR を演算する車輪速演算回路15FL〜15R
と、これら車輪速演算回路15FL〜15Rの車輪速度
VwFL〜VwR が入力され、これらに対して時間制限フ
ィルタ処理を行う車輪速フィルタ16FL〜16Rと、
これら車輪速フィルタ16FL〜16Rのフィルタ出力
がこれらの内最も高い車輪速度をセレクトハイ車輪速度
VwH として選択するセレクトハイスイッチ18を介し
て供給され、これに基づいて推定車体速度VX を演算す
る推定車体速度演算回路19と、車輪速演算回路15F
L〜15Rの車輪速度VwFL〜VwRと車体速度演算回
路19の推定車体速度VX とが入力されてこれらに基づ
いてアクチュエータ6FL〜6Rに対する制御信号E
V,AV,MRを出力する制動圧制御手段としてのマイ
クロコンピュータ20とを備えており、マイクロコンピ
ュータ20から出力される制御信号AVFL〜AVR 、E
VFL〜EVR 及びMRFL〜MRR が駆動回路22aFL〜
22aR 、22bFL〜22bR 及び22cFL〜22cR
を介してアクチュエータ6FL〜6Rに供給される。
の夫々は、図4に示すように、車輪速演算回路15i
(i=FL,FR,R)からの車輪速度Vwi を車輪速
サンプリング値VS として保持するサンプルホールド回
路161と、オペアンプで構成され入力電圧Eを積分す
る積分回路162と、この積分回路162の積分出力V
e とサンプルホールド回路161の車輪速サンプリング
値VS とを加算してフィルタ出力Vfi を算出する加算
回路163と、車輪速度Vwi がフィルタ出力Vfi に
対して予め設定した所定の不感帯幅内即ちVfi −1km
/h<Vwi <Vf i +1km/hであるか否かを検出し、V
fi −1km/h<Vwi <Vfi +1km/hであるときに出
力C1及びC2を共に低レベルとし、Vwi ≧Vfi +
1km/hであるときに、出力C1を高レベルとし、Vwi
≦Vfi −1km/hであるときに出力C2を高レベルとす
る不感帯検出回路164と、この不感帯検出回路164
で車輪速度Vwi が不感帯内となったとき及びイグニッ
ションスイッチのオン信号IGが入力されたときに、前
記サンプルホールド回路161で車輪速度Vwi を保持
させると共に、積分回路162をリセットするリセット
信号SRを出力するリセット回路165と、車体速度V
wi が不感帯幅内にあるとき及び不感帯幅外となってか
らオフディレータイマ166で設定された所定時間T3
の間積分入力電圧Eとして零電圧を積分回路162に供
給し、Vwi >Vfi +1km/hとなってから所定時間T
3 経過後に非アンチスキッド制御中は+0.4Gに対応
する負の電圧を、アンチスキッド制御中は+10Gに対
応する負の電圧をそれぞれ積分入力電圧Eとして積分回
路162に供給し、さらにVwi <Vfi −1km/hとな
ってから所定時間T3 経過後に−1.2Gに対応する正
の電圧を積分入力電圧Eとして積分回路162に供給す
る選択回路167とを備えている。
に示すように、時点t0 で定速走行しているものとする
と、この状態では、図6(a)に示すように、車輪速度
Vw i の変動が殆どないので、不感帯検出回路164で
加算回路163から出力されるフィルタ出力Vfi に対
して設けられた不感帯内に車輪速度Vwi が収まること
になり、この不感帯検出回路164からの出力C1及び
C2が共に低レベルとなり、これによってリセット回路
165のNORゲートO1 の出力S5が高レベルとなっ
ており、選択回路167で“0”の電圧が選択されてこ
れが積分回路162に供給されることにより、その積分
出力Veが“0”となって、加算回路163から前回の
サンプルホールド回路161で保持されたサンプル車輪
速度VSがフィルタ出力Vfi として出力されることに
なり、フィルタ出力Vfi も一定値となっている。
を踏込んで制動状態とし、これによってホイールシリン
ダ2iの圧力が高くなって車輪速度Vwi が減少して、
その直前のフィルタ出力Vfi に対して1km/h分低
下すると、不感帯検出回路164の出力C2が高レベル
となり、これによってリセット回路165のNORゲー
トの出力S5が低レベルとなるが、選択回路167のオ
フディレータイマ166が所定時間T3 分オン状態を継
続するので、この選択回路167の出力電圧Eは“0”
の状態を維持し、フィルタ出力Vfi も図6(a)で破
線図示のように前回値を維持する。
66の遅延時間T3 が経過することにより、オフディレ
ータイマ166の出力が低レベルに反転すると、選択回
路167でANDゲートA1 の出力S4が高レベルとな
って、減速度−1.2Gに相当する電圧Eが積分回路1
62に出力されることにより、負の積分出力Veが加算
回路163に出力され、これによってフィルタ出力Vf
i が図6(a)で示すように減速度−1.2Gに対応す
る勾配で減少する。
t3 で車輪速度Vwi がフィルタ出力Vfi の不感帯内
にとなると、不感帯検出回路164の出力C1及びC2
が共に“0”となり、これによって選択回路167で
“0”の出力電圧Eが選択されることにより保持状態と
なり、その直後に車輪速度Vwi がフィルタ出力Vfi
に対して1km/h以上増加すると不感帯保持回路16
4の出力C1が高レベルに反転し、これによってNOR
ゲートO1 の出力S5が低レベルとなるが、オフディレ
ータイマ166の出力が高レベルを継続するので、フィ
ルタ出力Vfi は保持状態を継続する。
166の遅延時間T3 が経過すると、ORゲートO2 の
出力S3が低レベルとなることにより、ANDゲートA
2 の出力が高レベルとなり、この状態では、後述するよ
うにアンチスキッド制御が開始されて、車輪速度Vwi
が目標車輪速度Vwi 以下となった時点t2 ′でモータ
制御信号MRがオン状態となるので、選択スイッチSW
で+10Gに対応する電圧が選択され、これが出力電圧
Eとして積分回路162に出力される。このため、フィ
ルタ出力Vfi が図6(a)に示すように急激に上昇
し、このフィルタ出力Vf1 の不感帯内に車輪速度Vw
i が入る時点t5 でフィルタ出力Vfi が保持状態とな
る。
輪速度Vfi が増加し、その後車輪速度Vwi が減少を
開始すると、フィルタ出力Vfi は時点t6 、t7 及び
t8で時点t2 と同様に所定勾配でフィルタ出力が減少
し、その後時点t9 で時点t 3 と同様に保持状態とな
り、時点t10で減少状態となる。また、推定車体速度演
算回路19は、図5に示すように、セレクトハイスイッ
チ18から出力されるセレクトハイ車輪速度VwH をサ
ンプルホールドするサンプルホールド回路191a,1
91bと、所定周期でインクリメントされるタイマカウ
ンタ192のカウント値をサンプルホールドするサンプ
ルホールド回路191c,191dとを有する。
91b及び191c,191dは、ホールド信号形成回
路193からのホールド信号H1 及びH2 がハイレベル
となったときにサンプル値をホールドする。ホールド信
号形成回路193は、セレクトハイ車輪速度VwH を微
分してセレクトハイ車輪加減速度VwH ′を算出する微
分回路193aと、この微分回路193aから出力され
るセレクトハイ車輪加減速度VwH ′と予め設定された
減速度閾値−b2 とを比較し、VwH ′<−b 2 である
ときにハイレベルの比較出力をホールド信号H2 として
出力する比較回路193bと、後述するマイクロコンピ
ュータ20から出力されるモータ駆動信号MRFL〜MR
R が入力されるリトリガブルタイマ193cと、比較回
路193bのホールド信号H2 とリトリガブルタイマ1
93cの出力がインバータ193dで反転された反転信
号とが入力され、これらの論理積でなるホールド信号H
1を出力するANDゲート193eとを備えている。
プルホール回路191aから出力されるサンプリング車
輪速度V0 からサンプルホールド回路191bから出力
されるサンプリング車輪速度Vb を減算する減算回路1
95と、サンプルホールド回路191cから出力される
サンプリング値T0 からサンプルホールド回路191d
から出力されるサンプリング値Tb を減算する減算回路
196と、減算回路195の減算出力(V0 −Vb )を
減算回路196の減算出力(T0 −Tb )で除算して車
体速度勾配VXK〔=(V0 −Vb )/(T0 −Tb )〕
を出力する除算回路197と、この除算回路197の車
体速度勾配と勾配発生回路198から出力される予め設
定された車体速度勾配VXK0 とを選択する選択回路19
9と、タイマカウンタ192のカウント値Tからサンプ
ルホールド回路191dのサンプリング値Tb を減算す
る減算回路200と、選択回路199から出力される選
択出力と減算回路200から出力される減算出力(T−
Tb )を乗算する乗算回路201と、前記サンプリング
ホールド回路191bのサンプリング車輪速度Vbから
乗算回路201の乗算出力を減算する減算回路202
と、この減算回路202の減算出力とセレクトハイ車輪
速度VwH との何れかを選択する選択回路205と、こ
の選択回路205の選択出力とセレクトハイ車輪速度V
wH との何れか大きい方を選択しこれを推定車体速度V
X としてマイクロコンピュータ20に出力するセレクト
ハイスイッチ206とを備えている。
形成回路193のホールド信号H2とリトリガブルマル
チバイブレータ193cの出力信号とが入力されるAN
Dゲート207の出力信号によってセットされ、リトリ
ガブルマルチバイブレータ193cの出力信号のハイレ
ベルの反転によってリセットされるRS型フリップフロ
ップ208の肯定出力がハイレベルであるときに除算回
路197の出力を選択し、ローレベルであるときに勾配
発生回路198の出力を選択するように構成されてい
る。
成回路193の比較回路193bから出力されるホール
ド信号H2 が入力されてその立ち上がりから所定時間Δ
T(例えば2秒程度)だけハイレベルを維持するリトリ
ガブルタイマ209の出力がハイレベルにあるときに減
算回路202の出力を選択し、ローレベルにあるときに
セレクトハイ車輪速度VwH を選択するように構成され
ている。
説明を簡単にするために、車輪速フィルタ15iのセレ
クトハイ車輪速度Vwi が図6(a)に示すものである
とすると、時点t2 でフィルタ出力Vfi の勾配が−
1.2Gに対応した値となることにより、比較回路19
3bのホールド信号H2 が高レベルに反転する。このと
き、マイクロコンピュータ20から出力されるモータ駆
動信号MRi が図6(c)に示すように、論理値“0”
を維持しているため、リトリガブルタイマ193cの出
力も低レベルを維持しており、これがインバータ193
dで反転されてアンドANDゲート193eに供給され
るので、このANDゲート193eから出力されるホー
ルド信号H1 も同時に高レベルに反転する。
及び191bでそのときのセレクトハイ車輪速度VwH
をサンプル値V0 及びVb として夫々保持すると共に、
サンプルホールド回路191c及び191dでそのとき
のタイマカウンタ192のカウント値Tをサンプル値T
0 及びTb として夫々保持する。一方、リトリガブルタ
イマ193cの出力が低レベルを維持しているので、A
NDゲート207の出力は低レベルを維持し、これによ
ってフリップフロップ208はリセット状態を維持して
その肯定出力は低レベルを維持するので、選択回路19
9では勾配発生回路198の出力VXK0 が車体速度勾配
VXKとして選択され、これが乗算回路201に出力され
る。
から所定値VXK0 の車体速度勾配V XKが出力され、一
方、減算回路200ではサンプルホールド回路191d
のサンプル値Tb とタイマカウンタ192のカウント値
Tとが一致しているのでホールド信号H2 によるサンプ
リング時点からの経過時間Tc (=T−Tb )は“0”
となっており、したがって、乗算回路201から出力さ
れるホールド信号H2 によるサンプリング時点からの車
体速度変化量ΔVXKを表す乗算出力も“0”となってお
り、これとサンプルホールド回路191bのホールド信
号H2 によるサンプリング車輪速度Vb とが減算回路2
02に供給されるので、この減算回路202から出力さ
れる車体速度推定値VX1(=Vb −ΔVXK)はサンプリ
ング車輪速度Vb となり、これが選択回路205を介し
てセレクトハイスイッチ206に供給され、このときセ
レクトハイ車輪速度VwH より車体速度推定値VX1の方
が大きいので、図6(b)に示すように、車体速度推定
値Vx1が推定車体速度VX としてマイクロコンピュータ
20に出力される。
0から出力される経過時間TC が増加することにより、
乗算回路201から出力される車体速度変化量ΔVXKが
増加、これによって減算回路202から出力される車体
速度推定値VX1が図6(a)で一点鎖線図示のように所
定値VXK0 の車体速度勾配で減少することになり、これ
に応じて推定車体速度VX も図6(b)に示すように減
少する。
車体速度推定値VX1よりセレクトハイ車輪速度VwH と
してのフィルタ車輪速度Vfi が大きな値となるので、
選択回路206で車体速度推定値VX1に代えてセレクト
ハイ車輪速度VwH が選択されので、推定車体速度VX
が図6(b)に示すように、セレクトハイ車輪速度Vw
H に応じて増加する。
209の設定時間ΔTがタイムアップすると、これに応
じて選択回路205が車体速度推定値VX1からセレクト
ハイ車輪速度VwH に切換えられるが、前述したよう
に、時点t4 後に既に推定車体速度VX としてセレクト
ハイ車輪速度VwH が選択されているので、継続してセ
レクトハイ車輪速度VwH が推定車体速度VX として選
択される。
減少し始めると、これに応じて比較回路191bから出
力されるホールド信号H2 が高レベルとなり、これによ
ってサンプルホールド回路191b及び191dでその
時点でのセレクトハイ車輪速度VwH のサンプリング値
Vb 及び経過時間Tのサンプリング値Tb が保持される
が、前述したように時点t2 ′でモータ駆動信号MRi
が高レベルとなっているので、ホールド信号H1 は低レ
ベルを維持しているので、サンプルホールド回路191
a及び191bでは制動開始時の初期サンプリング値V
0 及びT0 を維持する。
ールド信号H2 が高レベルに反転すると、モータ駆動信
号MRi が高レベルを維持しているので、ANDゲート
207から高レベルの出力が得られ、これによってフリ
ップフロップ208がセットされてその肯定出力が高レ
ベルとなるので、選択回路199が勾配発生回路198
側から除算回路197側に切換えられる。
ング値V0 から時点t6 でのサンプリング値Vb を減算
して初期サンプリング時点からのセレクトハイ車輪速度
Vw H の変化量を算出すると共に、減算回路196で初
期サンプリング値T0 から時点t6 でのサンプリング値
Tb を減算して初期サンプリング時点からの経過時間T
P を算出し、これらをを除算回路197に供給すること
により実際のセレクトハイ車輪速度変化に対応した車体
速度勾配VXKを算出し、これを除算回路201に供給す
ることにより車体速度変化量ΔVXKを算出するが、この
時点t6 では減算回路200での経過時間TC が“0”
であるので、サンプリング車輪速度Vbがそのまま車体
速度推定値VX1となり、これが推定車体速度VX として
出力される。
0のから出力される経過時間TC が増加することによ
り、乗算回路201から出力される車体速度変化量ΔV
XKが増加し、これによって減算回路202から出力され
る車体速度推定値VX1が減少する。その後、時点t7,t
8 で順次フィルタ出力Vfi が減少するので、これによ
って比較回路193bから出力されるホールド信号H2
が高レベルに反転し、これによってサンプルホールド回
路191b及び191dでセレクトハイ車輪速度VwH
のサンプリング値Vb 及び経過時間Tのサンプリング値
Tb を保持し、これに基づいて車体速度勾配VXKを算出
し、これに基づいて推定車体速度VX を算出する。
2に示すように、例えばA/D変換機能を有する入力イ
ンタフェース回路20a、出力インタフェース回路20
d、演算処理装置20b及び記憶装置20cを少なくと
も有し、演算処理装置20bで、車輪速度VwFL〜Vw
R を微分して車輪加速度VwFL′〜VwR ′を算出し、
推定車体速度演算回路19からの推定車体速度VX に基
づく目標車輪速度Vw * と車輪速度VwFL〜VwR との
偏差及び車輪加減速度VwFL′〜VwR ′と設定値例え
ば減速度閾値−α2 との偏差の和でなる目標増減圧量Δ
Pを算出すると共に、推定車体速度VX と車輪速度Vw
FL〜VwR とに基づいてスリップ率SFL〜SR を算出
し、車輪速度VwFL〜VwR 、車輪加速度VwFL′〜V
wR ′、スリップ率SFL〜SR 及び目標増減圧量ΔPに
基づいてアクチュエータ6FL〜6Rに対する制御信号
AVFL〜AVR ,EVFL〜EVR ,MRFL〜MRR を出
力する。
ュータ20の制動圧制御処理を示す図7を伴って説明す
る。この制動圧制御処理は、所定時間例えば10msec毎
のタイマ割込処理として実行され、この処理において、
ASはアンチスキッド制御フラグ、Lは減圧タイマ、C
Tは減圧開始時からの経過時間、CT0 は再増圧を許可
する閾値を示しこれらは前回のアンチスキッド制御の終
了時にステップS10からステップS11に移行して零
にクリアされている。
先ずステップS1で、各車輪速演算回路15i(i=F
L,FR,R)から出力される現在の車輪速検出値Vw
iNを読込み、次いでステップS2に移行して、前回の処
理時に読込んだ車輪速検出値VwiN-1からステップS1
で読込んだ車輪速検出値VwiNを減算して単位時間当た
りの車輪速変化量即ち車輪加減速度Vwi ′を算出して
これを記憶装置20cの所定記憶領域に記憶し、次いで
ステップS3に移行して、推定車体速度演算回路19か
らの推定車体速度VX を読込み、次いでステップS4に
移行して下記(1)式の演算を行って各輪毎のスリップ
率Si を算出すると共に、下記(2)式の演算を行って
目標車輪速度Vw* を算出する。
標車輪速度Vw* 、車輪加減速度Vwi ′にをもとに下
記(3)式の演算を行って目標増減圧量ΔPを算出す
る。
第2項が微分制御項であり、K1 は比例ゲイン、K2 は
微分ゲイン、−α2 は後述する車輪加減速度を判断する
ための減速度閾値である。次いで、ステップS6に移行
して、ステップS4で算出したスリップ率Si が予め設
定された所定値S0 (例えば20%)以上であるか否か
を判定し、Si <S0 であるときには、ステップS7に
移行する。このステップS7では、減圧タイマLが現在
のタイマ値Lから“1”だけデクリメントした値と
“0”とを比較し、何れか大きい値を減圧タイマLの値
として記憶装置20cに形成した減圧タイマカウント値
記憶領域に更新記憶してからステップS8に移行する。
速度となったとき、緩増圧モードの選択回数が所定値以
上となったとき等の制御終了条件を満足するか否かを判
定し、制御終了条件を満足する場合には、ステップS9
に移行して、減圧タイマLを“0”にクリアし、且つア
ンチスキッド制御フラグASを“0”にリセットし、さ
らに一旦保持モードとなったことを表す制御フラグFL
AGを“0”にリセットしてからステップS10に移行
して、アクチュエータ6iの圧力をマスタシリンダ5の
圧力に応じた圧力とする急増圧モードに設定してからタ
イマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰
する。この急増圧モードでは、アクチュエータ6iに対
する制御信号EV及びAVを共に論理値“0”として、
アクチュエータ6iの流入弁8を開状態に、流出弁9を
閉状態にそれぞれ制御する。
了条件を満足しないときには、ステップS141移行し
て、減圧タイマLが“0”より大きいか否かを判定し、
L>0であるときにはステップS12に移行して、アク
チュエータ6iで減圧する減圧モードに設定してからタ
イマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰
する。この減圧モードでは、アクチュエータ6iに対す
る制御信号EVi 、AVi 及びMRi を共に論理値
“1”として、アクチュエータ6iの流入弁8を閉状
態、流出弁9を開状態として、ホイールシリンダ2iに
保持されている圧力を流出弁9、油圧ポンプ10及び逆
止弁11を介してマスタシリンダ5側に戻し、ホイール
シリンダ2iの内圧を減少させる。
タイマLが“0”にクリアされているときには、ステッ
プS13に移行して、ステップS2で算出した車輪加減
速度Vwi ′が予め設定された加速度閾値+α1 以上で
あるか否かを判定し、Vwi′<+α1 であるときに
は、ステップS14に移行して、前記ステップS5で算
出した目標増減圧量ΔPが予め設定した設定値ΔP0 以
下であるか否かを判定し、ΔP≦ΔP0 であるときに
は、ステップS15に移行して、一旦低圧側の保持モー
ドとなったか否かを表す制御フラグFLAGを“1”に
セットしてからステップS16に移行する。
6iをホイールシリンダ2iの内圧を一定値に保持する
低圧側の保持モードに設定してからタイマ割込処理を終
了して所定のメインプログラムに復帰する。この低圧側
の保持モードでは、アクチュエータ6iに対する制御信
号EVi を論理値“1”とすると共に制御信号AViを
論理値“0”として、アクチュエータ6iの流入弁8を
閉状態に、流出弁9を閉状態にそれぞれ制御し、ホイー
ルシリンダ2iの内圧をその直前の圧力に保持する。
ΔP0 であるときにはステップS17に移行して、アン
チスキッド制御フラグASが“1”にセットされている
か否かを判定し、これが“1”にセットされているとき
にはそのままステップS20にジャンプし、“0”にリ
セットされているときには、ステップS18に移行し
て、前記ステップS5で算出した目標増減圧量ΔPが予
め設定された前記設定値ΔP0 より大きな値の設定値Δ
P1 より大きいか否かを判定し、ΔP>ΔP1 であると
きには、前記ステップS9に移行し、ΔP≦ΔP1 であ
るときにはステップS19に移行する。
となったか否かを表す制御フラグFLAGが“0”にリ
セットされているか否かを判定し、これが“0”にリセ
ットされているときには、前記ステップS9に移行し、
“1”にセットされているときにはステップS20に移
行する。ステップS20では、アクチュエータ6iをホ
イールシリンダ2iの圧力を緩増圧させる緩増圧モード
に設定してからタイマ割込処理を終了して所定のメイン
プログラムに復帰する。この緩増圧モードでは、アクチ
ュエータ6iに対する制御信号EVi を論理値“0”及
び論理値“1”に所定間隔で交互に繰り返すと共に、制
御信号AVi を論理値“0”として、アクチュエータ6
iの流入弁8を所定間隔で開閉し、流出弁9を閉状態と
することにより、ホイールシリンダ2iの内圧を徐々に
ステップ状に増圧する。一方、前記ステップS13の判
定結果が、Vwi ′≧+α1 であるときには、ステップ
S21に移行して、アンチスキッド制御フラグASが
“0”にリセットされているか否かを判定し、制御フラ
グASが“0”にリセットされているときには前記ステ
ップS9に移行し、制御フラグASが“1”にセットさ
れているときにはステップS22に移行してアクチュエ
ータ6iをホイールシリンダ2iの圧力を高圧側でその
直前の値に保持する高圧側の保持モードに設定してから
タイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復
帰する。この高圧側の保持モードでは、前述したステッ
プS16の低圧側の保持モードと同様に、アクチュエー
タ6iに対する制御信号EVi を論理値“1”とすると
共に制御信号AVi を論理値“0”として、アクチュエ
ータ6iの流入弁8を閉状態に、流出弁9を閉状態にそ
れぞれ制御し、ホイールシリンダ2iの内圧をその直前
の圧力に保持する。
i ≧S0 であるときにはステップS23に移行して、車
輪加減速度Vwi ′が予め設定された加速度閾値+α1
以上であるか否かを判定し、Vwi ′≧+α1 であると
きにはステップS24に移行して減圧タイマLを“0”
にクリアしてから前記ステップS8に移行し、Vwi<
+α1 であるときにはステップS25に移行して、アン
チスキッド制御フラグASを“1”にセットし、減圧タ
イマLを正の所定値L0にセットし、さらに制御フラグ
FLAGを“0”にリセットしてから前記ステップS8
に移行する。
し、この内ステップS4の処理が目標車輪速度算出手段
に対応し、ステップS5の処理が目標増減圧量算出手段
に対応し、ステップS14の処理がモード選択手段に対
応している。したがって、図8に示すように、時点t0
で車両が乾燥した舗装路等の高摩擦係数路を非制動状態
で高速且つ定速走行しているものとすると、この状態で
は、車両が定速走行しているので、ステップS2で算出
される車輪加減速度Vwi ′は図8(b)に示すように
“0”の状態を維持している。また、車両が定速走行状
態であるので、推定車体速度VX と車輪速度Vwi とが
一致しているので、ステップS3で算出されるスリップ
率Si が“0”となると共に、目標車輪速度Vw* は推
定車体速度VX に目標スリップ率S0 を乗算した値とな
るため、図8(a)で破線図示のように、推定車体速度
VX の80%となり、実際の車輪速度Vwi より下回る
ことになる。
標増減圧量ΔPは、前記(2)式における右辺第1項が
正、第2項が負となるが、第1項の方が大きい値となる
ので、図8(c)に示すように、正の設定値ΔP1 より
大きな値となっている。そして、スリップ率Si が
“0”であるので、ステップS6からステップS7を経
てステップS8に移行し、非制動状態であり制御終了条
件を満足するので、ステップS9に移行して、減圧タイ
マL、アンチスキッド制御フラグAS及び制御フラグF
LAGを共に“0”にクリアし、次いでステップS10
に移行して、アクチュエータ6iを急増圧モードに設定
する。この急増圧モードでは、アクチュエータ6iによ
ってマスターシリンダ5と各ホイールシリンダ2iとが
連通状態となっているが、ブレーキペダル4を踏込まな
い非制動状態であることにより、マスターシリンダ5の
圧力が略零であるので、ホイールシリンダ2jの圧力も
略零を維持し、非制動状態を維持する。
ダル4を踏込んで制動状態とすると、これによってマス
ターシリンダ5の圧力が急増することにより、ホイール
シリンダ2iのホイールシリンダ圧も図8(e)に示す
ように急増し、これに応じて車輪速度Vwi が図8
(a)で実線図示のように減少を開始し、これに応じて
ステップS2で算出される車輪加減速度Vwi ′が負方
向に増加し、ステップS4で算出されるスリップ率Si
は設定スリップ率S0 に達せず、しかもステップS5で
算出される目標増減圧量ΔPは車輪速度Vwi が推定車
体速度VX よりも減速度が大きいので、図8(c)に示
すように、車輪速度Vwi の低下に伴って徐々に減少す
る。
る状態での制動時には、車輪速度Vwi の減少が早く、
これに応じて車輪加減速度Vwi ′も負方向に急増する
ため、時点t2 で車輪加減速度Vwi ′が通常のアンチ
スキッド制御における高圧側の保持モードを設定する減
速度閾値−α2 以下となる。しかしながら、この状態で
は、ステップS5で算出される目標増減圧量ΔPが、図
8(c)に示すように、保持モードを設定するための設
定値ΔP0 よりも大きく、さらに緩増圧モードを設定す
るための設定値ΔP1 よりも大きいので、図7の処理が
実行されたときに、ステップS1〜S8,S11,S1
3,S14,S17,S18を経て前述したステップS
9に移行することにより、保持モードが設定されること
なく、急増圧モードが維持される。このため、ホイール
シリンダ2iのシリンダ圧は、図8(e)に示すよう
に、マスターシリンダ5の圧力増加に応じて増加状態を
継続する。
される目標増減圧量ΔPが設定値ΔP1 以下となり、ス
テップS18からステップS19に移行するが、制御フ
ラグFLAGが前回の処理時にステップS9で“0”に
クリアされているので、ステップS9を経てステップS
10に移行することにより、急増圧モードが維持され
る。
される目標増減圧量ΔPが設定値ΔP0 以下となると、
図7の処理が実行されたときに、ステップS1〜S8,
S11,S13を経てステップS14に移行してとき
に、ΔP≦ΔP0 であるので、ステップS15に移行し
て制御フラグFLAGを“1”にセットしてからステッ
プS16に移行し、高圧側の保持モードが設定され、こ
れによって、アクチュエータ6iの流入弁8及び流出弁
9が共に閉状態となって、ホイールシリンダ2iのホイ
ールシリンダ圧が図8(e)に示すように高圧側の保持
状態となり、この状態では、ホイールシリンダ圧がロッ
ク圧力に達しており、ホイールシリンダ2iで大きな制
動力を発生することができる。
きな制動力が作用しているが、車輪減速度Vwi ′は図
8(b)に示すように正方向に増加することになり、こ
れに応じてステップS5で算出される目標増減圧量ΔP
は図8(c)に示すように上昇し、時点t5 で設定値Δ
P0 を越える状態となると、図7の処理が実行されたと
きに、ステップS14からステップS17,S18を経
てステップS19に移行し、上述したように時点t4 以
降の保持モード設定時に制御フラグFLAGが“1”に
セットされていることにより、ステップS20に移行し
て、緩増圧モードとなる。このため、図8(d)に示す
ように、制御信号が保持状態と増圧状態とを繰り返す緩
増圧状態となり、これによってホイールシリンダ2iの
シリンダ圧が図8(e)に示すようにステップ状に増加
し、シリンダ圧の増加率が大きく低減される。
スリップ率S0 を越えて、車輪速度Vwi が図8(a)
に示すように設定スリップ率S0 に対応する目標車輪速
度Vw* 未満となると、ステップS6からステップS2
3に移行し、車輪加減速度Vwi ′が図8(b)に示す
ように加速度閾値+α1 未満であるので、ステップS2
5に移行し、アンチスキッド制御フラグASが“1”に
セットされると共に、減圧タイマLが正の所定値L0 に
設定され且つ制御フラグFLAGが“0”にリセットさ
れる。
11に移行したときに、減圧タイマLが正の所定値L0
であるため、ステップS12に移行して、減圧モードが
設定され、これによってアクチュエータ6iの流入弁8
を閉状態、流出弁9を開状態とし、且つモータを駆動し
て油圧ポンプ10を回転駆動することにより、ホイール
シリンダ2i内の作動油をマスターシリンダ5側に排出
することにより、ホイールシリンダ2iのホイールシリ
ンダ圧が図8(e)に示すように減少し始める。このホ
イールシリンダ圧の減少に応じて、車輪速度Vwi が減
少傾向から増加傾向に反転し、これに応じて車輪加減速
度Vwi ′も図8(b)に示すように正方向に増加する
ことになる。
車輪速度Vw* を越えて、スリップ率Si が設定スリッ
プ率S0 未満となると、図7の処理が実行されたとき
に、ステップS6からステップS7に移行して、減圧タ
イマLの現在値から“1”をデクリメントした値と
“0”とを比較し、何れか大きい方を選択するが、前回
の処理時に減圧タイマLがL0 に設定されているので、
L>0となって減圧モードを維持するが、ステップS7
における減圧タイマLのデクリメントによって、減圧タ
イマLの値が“0”以下となる時点t8 でステップS1
1からステップS13に移行し、この時点では車輪加減
速度Vwi ′が図8(b)に示すように加速度閾値+α
1 以上であるので、ステップS21に移行し、アンチス
キッド制御フラグASが“1”にセットされているの
で、ステップS22に移行して、低圧側の保持モードが
設定される。この低圧側の保持モードでは、ホイールシ
リンダ2iのホイールシリンダ圧が図8(e)に示すよ
うに低い状態を保持するので、これによって車輪速度V
wi が増加状態を継続する。
ることにより、車輪速度Vwi が回復して車体速度近傍
となって、時点t9 で車輪加減速度Vwi が加速度閾値
+α 1 未満となると、ステップS13からステップS1
4に移行し、目標増減圧量ΔPが図8(c)に示すよう
に、設定値ΔP0 より大きいので、ステップS17に移
行し、アンチスキッド制御フラグASが“1”にセット
されているので、ステップS18,S19に移行するこ
となく直接ステップS20に移行して前述した時点t5
と同様に緩増圧モードが設定され、これによってホイー
ルシリンダ2iのシリンダ圧が図8(e)に示すように
ステップ状に増加する。
定値ΔP0 以下となると、ステップS14からステップ
S15を経てステップS16に移行して、高圧側の保持
モードが設定され、これによってホイールシリンダ2i
のシリンダ圧の増加が停止され、次いで時点t11で車輪
速度Vwi が目標車輪速度Vw* 以下となって、スリッ
プ率Si が設定スリップ率S0 以上となると、前述した
時点t6 と同様にステップS6からステップS23を経
てステップS25に移行し、ステップS8,S11を経てス
テップS12に移行することにより、減圧モードが設定
され、その後時点t12で低圧側の保持モード、時点t13
で緩増圧モードが夫々設定されて、アンチスキッド制御
が継続される。
ダル4の踏込みが解除されて制御終了条件を満足すると
ステップS8からステップS9に移行して減圧タイマ
L、アンチスキッド制御フラグAS及び制御フラグFL
AGを共に“0”にクリアしてからステップS10に移
行して急増圧モードを設定して、非制動状態の制御状態
に復帰する。
始時には、車輪加減速度Vwi ′が通常のアンチスキッ
ド制御における高圧側の保持モードを設定する減速度閾
値−α2 以下となっても、保持モードを設定することな
く、急増圧モードを継続することにより、高摩擦係数路
を高速走行している状態で制動状態として、車輪加減速
度Vwi ′が負方向に急増する場合でも、ホイールシリ
ンダ2iのシリンダ圧をロック圧近傍まで昇圧すること
ができ、したがって従来例のように、車輪加減速度Vw
i ′が減速度閾値−α2 以下となって高圧側の保持状態
となり、続いて緩増圧状態となって、ホイールシリンダ
圧がロック圧に達するまでの時間が長くなることがな
く、減速度不足やブレーキペダルの引っ掛かり感等の違
和感を進展者に与えることを確実に防止して、良好な制
動力制御を行うことができる。
されると、その後に目標増減圧量ΔPが設定値ΔP0 を
越えた場合でも、設定値ΔP1 以下であるときには、急
増圧モードに代えて緩増圧モードが設定されることによ
り、ホイールシリンダ2iのシリンダ圧がロック圧を遙
に越えることを確実に阻止することができ、不用意に車
輪がロック状態となることを防止することができる。
スキッド制御フラグASが“1”にセットされるので、
図7の処理において、ステップS17からステップS1
8,S19に移行することが禁止されるので、急増圧モ
ードが設定されることはなく、通常のアンチスキッド制
御状態となる。なお、上記実施例においては、推定車体
速度演算回路19でセレクトハイスイッチ18によって
車輪速フィルタ16FL〜16Rのフィルタ出力VfFL
〜Vf R のうち最も大きい値を選択して車体速度勾配V
XK及び推定車体速度VX を算出する場合について説明し
たが、これに限定されるものではなく、車輪速フィルタ
16FL〜16Rを省略して、車輪速演算回路15FL
〜15Rの車輪速度Vw FL〜VwR を使用して車体速度
勾配VXK及び推定車体速度VX を演算するようにしても
よく、さらには、車両の前後方向の加速度を検出する前
後方向加速度センサを設けて、その前後方向加速度検出
値を積分した値と車輪速度サンプリング値とに基づいて
推定車体速度VX 及び車体速度勾配VXKを算出するよう
にしてもよい。
度演算回路19を電子回路で構成する場合について説明
したが、これに限定されるものではなく、マイクロコン
ピュータ20で演算処理するようにしてもよい。さら
に、上記実施例においては、3センサ3チャンネル方式
のアンチスキッド制御装置に本発明に適用した場合につ
いて説明したが、これに限定されるものてはなく、後輪
側の左右輪についても個別に車輪速センサを設けて4セ
ンサ4チャンネル方式のアンチスキッド制御装置やその
他の方式のアンチスキッド制御装置にも本発明を適用す
ることができる。
駆動車について説明したが、これに限らず前輪駆動車、
四輪駆動車にもこの発明を適用し得る。なおさらに、前
記実施例においては、制動圧制御手段としてマイクロコ
ンピュータ20を適用した場合について説明したが、こ
れに限定されるものではなく、比較回路、演算回路、論
理回路等の電子回路を組み合わせて制動圧制御手段を構
成することもできる。
明によれば、車輪速度と例えば推定車体速度と目標スリ
ップ率とを乗算して算出される目標車輪速度との偏差
と、車輪加減速度と設定値との偏差とに基づいて車輪ス
リップ率に対応した目標増減圧量を算出し、この目標増
減圧量に基づいてモード選択手段で、目標増減圧量が設
定値以下であるときには、保持モードを選択し、設定値
を越えているときには、制動初期時の減圧モードの前で
は急増圧モードを選択し、減圧モード後では緩増圧モー
ドを選択することにより、高摩擦係数路を高速走行中に
制動状態としたときに、制動初期時には目標増減圧量が
設定値を越えるまでは車輪加減速度が減速度閾値に達し
た場合でも急増圧モードに維持して、ホイールシリンダ
圧をロック圧力に近づけることができ、これによって車
両減速度不足やブレーキペダルの引っ掛かりによる違和
感の発生を防止し、その後の減圧モード後では目標増減
圧量が設定値を越えたときに緩増圧モードとして通常の
アンチスキッド制御を実行することができるという効果
が得られる。
初期時の減圧モードの前に一旦保持モードに設定された
後は、目標増減圧量が設定値を越えた場合でも緩増圧モ
ードとして通常のアンチスキッド制御に移行することに
より、ロック圧力を大幅に越える過剰増圧を抑制し、良
好な制動圧制御を行うことができるという効果が得られ
る。
示す基本構成図である。
示すブロック図である。
クチュエータの一例を示す構成図である。
輪速フィルタの一例を示すブロック図である。
定車体速度演算回路の一例を示すブロック図である。
度演算回路の動作の説明に供するタイムチャートであ
る。
る制動圧制御処理の一例を示すフローチャートである。
るタイムチャートである。
ある。
Claims (2)
- 【請求項1】 複数の車輪の速度を検出する車輪速度検
出手段と、該車輪速検出手段の車輪速検出値から車輪加
減速度を演算する車輪加減速度演算手段と、少なくとも
前記車輪速度検出手段の車輪速度に基づいて推定車体速
度を演算する推定車体速度演算手段と、前記車輪速度検
出手段の車輪速度、前記車輪加減速度演算手段の車輪加
減速度及び前記推定車体速度演算手段の推定車体速度に
基づいて各車輪に配設された制動用シリンダの流体圧を
少なくとも減圧、保持及び増圧状態の何れかに制御する
制動圧制御手段とを備えたアンチスキッド制御装置にお
いて、前記制動圧制御手段は、前記推定車体速度演算手
段の推定車体速度に基づいて目標車輪速度を算出する目
標車輪速度算出手段と、該目標車輪速度算出手段の目標
車輪速度と前記車輪速度検出手段の車輪速度との偏差及
び前記車輪加減速度演算手段の車輪加減速度と予め設定
された車輪減速度との偏差に基づいて目標増減圧量を算
出する目標増減圧量算出手段と、少なくとも前記目標増
減圧量算出手段の目標増減圧量が設定値以下であるとき
には保持モードを選択し、設定値を越えているときには
最初の減圧モードの前であるときに急増圧モードを、減
圧モードの後であるときに緩増圧モードを選択するモー
ド選択手段とを備えていることを特徴とするアンチスキ
ッド制御装置。 - 【請求項2】 前記モード選択手段は、最初の減圧モー
ドの前に一度保持モードを選択した後に目標増減圧量が
設定値を越えたときには再増圧モードを選択するように
構成されていることを特徴とする請求項1記載のアンチ
スキッド制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29000394A JP3833279B2 (ja) | 1994-11-24 | 1994-11-24 | アンチスキッド制御装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29000394A JP3833279B2 (ja) | 1994-11-24 | 1994-11-24 | アンチスキッド制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH08142848A true JPH08142848A (ja) | 1996-06-04 |
JP3833279B2 JP3833279B2 (ja) | 2006-10-11 |
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ID=17750526
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JP29000394A Expired - Fee Related JP3833279B2 (ja) | 1994-11-24 | 1994-11-24 | アンチスキッド制御装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP3833279B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008302717A (ja) * | 2007-06-05 | 2008-12-18 | Honda Motor Co Ltd | 車両のアンチロックブレーキ制御装置 |
-
1994
- 1994-11-24 JP JP29000394A patent/JP3833279B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008302717A (ja) * | 2007-06-05 | 2008-12-18 | Honda Motor Co Ltd | 車両のアンチロックブレーキ制御装置 |
Also Published As
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JP3833279B2 (ja) | 2006-10-11 |
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