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JPH08122790A - 液晶配向剤 - Google Patents

液晶配向剤

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Publication number
JPH08122790A
JPH08122790A JP25581294A JP25581294A JPH08122790A JP H08122790 A JPH08122790 A JP H08122790A JP 25581294 A JP25581294 A JP 25581294A JP 25581294 A JP25581294 A JP 25581294A JP H08122790 A JPH08122790 A JP H08122790A
Authority
JP
Japan
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liquid crystal
formula
mol
diamine
polymer
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Granted
Application number
JP25581294A
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English (en)
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JP3593684B2 (ja
Inventor
Shigeo Kawamura
繁生 河村
Tadahiko Udagawa
忠彦 宇田川
Takeshi Miyamoto
宮本  剛
Michinori Nishikawa
通則 西川
Yasuo Matsuki
安生 松木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
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Publication date
Application filed by Japan Synthetic Rubber Co Ltd filed Critical Japan Synthetic Rubber Co Ltd
Priority to JP25581294A priority Critical patent/JP3593684B2/ja
Publication of JPH08122790A publication Critical patent/JPH08122790A/ja
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 テトラカルボン酸二無水物とモノ置換フェニ
レンジアミン並びにベンゼン環を3個以上および/また
はアントラセン環を含むジアミンとを反応させて得られ
るポリアミック酸および/またはそのポリアミック酸を
脱水閉環した重合体からなる液晶配向剤。 【効果】 液晶の配向性が良好で、3度以上の高いプレ
チルト角を発現し、且つプレチルト角のラビング後の洗
浄工程による依存性が少ない、種々の液晶表示素子用と
して好適な液晶配向膜が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶配向剤に関する。
さらに詳しくは、液晶配向膜としたとき、液晶の配向性
が良好で、液晶の発現するプレチルト角が大きく、且つ
その、ラビング後の洗浄工程による依存性が少ない液晶
配向剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、正の誘電異方性を有するネマチッ
ク型液晶を、ポリイミドなどの有機ポリマーからなる液
晶配向膜を有する透明電極付き基板でサンドイッチ構造
にし、液晶分子の長軸が基板間で90度連続的に捻れる
ようにしてなるTN型液晶表示素子が知られている。こ
のTN型液晶表示素子における液晶の配向は、ラビング
処理が施された液晶配向膜により形成されている。
【0003】また、コントラストおよび視角依存性に優
れた液晶表示素子であるSTN(Super twisted nemati
c)型液晶表示素子は、液晶としてネマチック型液晶に
光学活性物質であるカイラル剤をブレンドしたものを用
い、液晶分子の長軸を基板間で180度以上連続的に捻
ることにより生じる複屈折効果を利用するものである。
この場合、液晶を基板間で180度以上捻るために、高
いプレチルト角を有する配向膜が必要となる。さらに、
前出のTN型液晶表示素子においても、液晶セル駆動時
のリバースチルト現象による表示不良を抑制するため
に、高いプレチルト角を有する液晶配向膜が望まれるよ
うになってきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】有機ポリマーの液晶配
向膜において、大きい、例えば3度以上のプレチルト角
は、ポリマー中へ長鎖アルキル基を導入することなどで
達成されるが、得られるプレチルト角は、プロセスによ
る依存性が大きく、特に、ラビング後の液晶配向膜の洗
浄工程により、大きく変化してしまうという問題点があ
った。本発明の目的は、液晶配向膜としたとき、液晶の
配向性が良好で、液晶の発現するプレチルト角が3度以
上であり、且つプレチルト角のラビング後の洗浄工程に
よる依存性が少ない液晶配向剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、(A)
下記式(1)
【0006】
【化4】
【0007】(式(1)中、R1は4価の有機基を示
す)で示されるテトラカルボン酸二無水物(以下「化合
物I」という)と (B)(i)下記式(2)
【0008】
【化5】
【0009】(式(2)中、R2は−O−、−COO
−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−および−
CO−から選ばれるいずれかの2価の有機基を示し、R
3は1価の有機基を示す、但し、R3はアントラセン環お
よび2個以上のベンゼン環を含まない)で示されるジア
ミン化合物(以下「化合物II」という)および(ii)下
記式(3)
【0010】
【化6】
【0011】(式(3)中、R4はベンゼン環を3個以
上および/またはアントラセン環を少なくとも1個含む
2価の有機基を示す)で示されるジアミン化合物(以下
「化合物III」という)とを反応させて得られるポリ
アミック酸(以下「重合体(A)」という)、但し、式
(2)で示されるジアミンの割合は全ジアミンの3〜6
0モル%であり、且つ式(3)で示されるジアミンの割
合は全ジアミンの10〜97モル%である、および/ま
たは重合体(A)を脱水閉環した重合体(以下「重合体
(B)」という)を含むことを特徴とする液晶配向剤が
提供されて、本発明の上記目的が達成される。
【0012】以下、本発明を詳述するが、それにより本
発明の目的、構成、効果および利点が明らかとなろう。
【0013】本発明に用いられるテトラカルボン酸二無
水物である化合物Iは、上記式(1)で表わされる。上
記式(1)中、4価の有機基であるR1はテトラカルボ
ン酸二無水物から無水物基を除去した残基に相当する。
上記式(1)における4価の有機基R1として、脂肪族
基、芳香族基、脂環族基などを例示することができ、脂
肪族基または脂環族基であることが好ましい。また、R
1の炭素数は4〜14であることが好ましい。具体的に
は、下記式(1−1)〜(1−6)
【0014】
【化7】
【0015】[式(1−1)中、R5〜R8は、互いに独
立に、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示
し、a、bおよびcは、互いに独立に、0または1の整
数を示す。式(1−3)中、R9は炭素数1〜3のアル
キル基、炭素数1〜3のアルコキシ基またはハロゲン原
子を示し、dは0〜4の整数を示す。式(1−4)中、
10は炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアル
コキシ基またはハロゲン原子を示し、eは0〜20の整
数を示す。式(1−5)中、R11は酸素原子、炭素数1
〜14のアルキル基、メチレン、炭素数2〜14のアル
キレン基、炭素数2〜14のアルキリデン基、炭素数1
〜5のハロゲン化アルキル基、スルフィド基、スルホン
基またはケトン基を示し、fは0または1の整数を示
す。]
【0016】で示される基を挙げることができる。中で
も式(1−1)、(1−3)または(1−6)で示され
る4価の基が好ましい。
【0017】かかる化合物Iとしては、ブタンテトラカ
ルボン酸二無水物などの脂肪族テトラカルボン酸二無水
物;1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無
水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸
二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢
酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−
2−酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフラン
テトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−
ヘキサヒドロ−5−テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−
3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3
−ジオン、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラ
ル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカ
ルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7
−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物など
の脂環族テトラカルボン酸二無水物;ピロメリット酸二
無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホ
ンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレ
ンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレ
ンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフ
ェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,
4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸
二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテ
トラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラ
カルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボ
キシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,
4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェ
ニルスルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカル
ボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,
3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル
酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィン
オキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェ
ニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリ
フェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタ
ル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水物、ビス
(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタ
ン二無水物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物を挙
げることができる。
【0018】これらのうちでは1,2,3,4−シクロブ
タンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロ
ペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカ
ルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、1,3,3a,4,
5,9b−ヘキサヒドロ−5−テトラヒドロ−2,5−ジ
オキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラ
ン−1,3−ジオン、5−(2,5−ジオキソテトラヒド
ロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2
−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]−オク
ト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水
物などが好ましく、1,2,3,4−シクロブタンテトラ
カルボン酸二無水物および2,3,5−トリカルボキシシ
クロペンチル酢酸二無水物が特に好ましい。これらは1
種単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができ
る。
【0019】化合物IIは式(2)で示されるモノ置換
フェニレンジアミンである。式(2)において、R3
アントラセン環および2個以上のベンゼン環を含むこと
のない1価の有機基である。化合物IIの好ましい例と
して、R3にステロイド骨格を有する下記式(4)〜
(7)
【0020】
【化8】
【0021】
【化9】
【0022】で示されるジアミン;
【0023】R3にトリフルオロメチルフェニル基を有
する3,5−ジアミノ−4’−トリフルオロメチルベン
ズアニリド、3,5−ジアミノ−3’−トリフルオロメ
チルベンズアニリドなどを挙げることができる。
【0024】化合物IIIは式(3)で示され、式
(3)のR4はベンゼン環を3個以上および/またはア
ントラセン環を少なくとも1個含む2価の有機基を示
す。化合物IIIの好ましい例としては、2,2−ビス
[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、
2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、1,4−ビ
ス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス
(4−アミノフェノキシ)−ビフェニル、1,3−ビス
(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4
−アミノフェニル)フルオレン、4.4’−(p−フェ
ニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−
(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、
2,2’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロ
メチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパ
ン、4,4’−ビス[(4−アミノ−2−トリフルオロ
メチル)フェノキシ]−オクタフルオロビフェニル、下
記式(8)〜(14)
【0025】
【化10】
【0026】
【化11】
【0027】で表わされるジアミンなどを挙げることが
できる。さらに好ましい例としては、9,9−ビス(4
−アミノフェニル)フルオレン、4.4’−(p−フェ
ニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−
(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、
4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)−ビフェニ
ル、上記式(8)〜(14)で表わされるジアミンなど
を挙げることができる。
【0028】本発明に用いられるポリアミック酸は、化
合物Iと化合物IIおよび化合物IIIとを反応させて
得られる。かかる反応は有機溶媒中で、通常0〜150
℃、好ましくは0〜100℃の反応温度で行われる。
【0029】上記化合物IIおよび化合物IIIの使用
割合は、使用する全ジアミン化合物の総量に対して化合
物IIは3〜60モル%、好ましくは5〜50モル%、
より好ましくは10〜30モル%であり、化合物III
は10〜97モル%、好ましくは20〜90モル%であ
る。これらの使用割合が上記範囲を満たすことによりプ
レチルト角を大きくすることができ、ラビング後のIP
A洗浄によるプレチルト角の変動を小さくすることが可
能となる。
【0030】また、化合物IIおよび化合物IIIの他
に、本発明の効果を失わない程度で、他のジアミンを併
用することができる。この他のジアミン化合物として
は、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミ
ン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,5−ジア
ミノ安息香酸、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、
4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジア
ミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニ
ルスルフィド、1,5−ジアミノナフタレン、3,3'−
ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、5−アミノ
−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチ
ルインダン、6−アミノ−1−(4’−アミノフェニ
ル)−1,3,3−トリメチルインダン、4,4’−ジア
ミノベンズアニリド、3,4’−ジアミノジフェニルエ
ーテル、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−
ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフ
ェノン、2,7−ジアミノフルオレン、2,2−ビス(4
−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’
−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、2,2’,
5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノビフェニ
ル、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノ−5,5’
−ジメトキシビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,
4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,
2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニルなどの芳
香族ジアミン;
【0031】ジアミノテトラフェニルチオフェンなどの
ヘテロ原子を有する芳香族ジアミン;1,1−メタキシ
リレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメ
チレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチ
レンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレ
ンジアミン、ノナメチレンジアミン、4,4−ジアミノ
ヘプタメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキ
サン、イソホロンジアミン、テトラヒドロジシクロペン
タジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノ
インダニレンジメチレンジアミン、トリシクロ[6,2,
1,02.7]−ウンデシレンジメチルジアミン、4,4’
−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)などの脂肪族
あるいは脂環族ジアミン;
【0032】下記式(15)
【0033】
【化12】
【0034】(式(15)中、複数のR5は、各々独立
して、メチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル
基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基またはフ
ェニル基などのアリール基で例示される炭素数1〜12
の炭化水素基を示し、lは1〜3の整数、mは1〜20
の整数である)で示されるジアミノオルガノシロキサン
が挙げられる。
【0035】これらの中でp−フェニレンジアミン、
4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジエチ
ル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,5−ジア
ミノナフタレン、2,7−ジアミノフルオレン、4,4’
−ジアミノジフェニルエーテル、5ーアミノー1ー
(4’ーアミノフェニル)ー1,3,3ートリメチルイン
ダン、6ーアミノー1ー(4’ーアミノフェニル)ー
1,3,3ートリメチルインダン、4,4’−ジアミノ−
2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニルなど
の芳香族ジアミンが好ましい。特にp−フェニレンジア
ミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンがとりわけ
好ましい。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせ
て使用できる。
【0036】かかる他のジアミンの使用割合は、使用す
る全ジアミン化合物中、通常0〜80モル%、好ましく
は0〜60モル%である。
【0037】化合物Iと全ジアミン化合物の使用割合
は、全ジアミン化合物中のアミノ基1当量に対してテト
ラカルボン酸二無水物の酸無水物基を0.2〜2当量と
するのが好ましく、より好ましくは0.3〜1.2当量で
ある。
【0038】上記有機溶媒としては、反応で生成する重
合体(A)を溶解しうるものであれば特に制限はない。
例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチル
アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿
素、ヘキサメチルホスホルトリアミドなどの非プロトン
系極性溶媒;m−クレゾール、キシレノール、フェノー
ル、ハロゲン化フェノールなどのフェノール系溶媒を挙
げることができる。
【0039】なお、前記有機溶媒には、重合体(A)の
貧溶媒であるアルコール類、ケトン類、エステル類、エ
ーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類を生成す
る重合体が析出しない程度に併用することができる。か
かる貧溶媒としては、例えばメチルアルコール、エチル
アルコール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノ
ール、エチレングリコール、プロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、エ
チレングリコールモノメチルエーテル、アセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキ
サノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、シュウ
酸ジエチル、マロン酸ジエチル、ジエチルエーテル、エ
チレングリコールメチルエーテル、エチレングリコール
エチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエ
ーテル、エチレングリコール−i−プロピルエーテル、
エチレングリコール−n−ブチルエーテル、エチレング
リコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチル
エーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエ
ーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
メチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノ
エチルエーテルアセテート、テトラヒドロフラン、ジク
ロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロ
ブタン、トリクロロエタン、クロルベンゼン、o−ジク
ロルベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどを挙げることができる。
【0040】有機溶媒の使用量は、通常テトラカルボン
酸二無水物およびジアミン化合物の総量が、反応溶液の
全量に対して0.1〜30重量%になるように用いるの
が好ましい。
【0041】本発明の液晶配向剤に用いられる重合体
(B)は、通常ポリイミドまたはポリイソイミドであ
り、上記した重合体(A)を、加熱して、または脱水剤
および脱水閉環触媒の存在下で脱水閉環することにより
得られる。加熱により脱水閉環する場合の反応温度は、
通常60〜250℃、好ましくは100〜170℃であ
る。また、脱水剤および脱水閉環触媒の存在下で脱水閉
環化する場合の反応は、前記有機溶媒中で行うことがで
き、反応温度は、通常0〜180℃、好ましくは60〜
150℃である。脱水剤としては、無水酢酸、無水プロ
ピオン酸、無水トリフルオロ酢酸などの酸無水物を用い
ることができる。また、脱水閉環触媒としては、例えば
ピリジン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミンなど
の3級アミンを用いることができるが、これらに限定さ
れるものではない。脱水剤の使用量は、重合体(A)の
繰り返し単位1モルに対して1.6〜20モルとするの
が好ましい。また、脱水閉環触媒の使用量は使用する脱
水剤1モルに対して0.5〜10モルとするのが好まし
い。
【0042】このようにして得られる重合体(A)およ
び重合体(B)の固有粘度(ηinh=ln(t/to)/
c、但し、c=0.5g/dl、30℃、N−メチル−
2−ピロリドン溶媒中で測定、ここで、tはポリマー溶
液の流下速度、toはN−メチル−2−ピロリドンの流
下速度である。以下同条件で測定したηinhを「固有粘
度」という。)は、好ましくは0.05〜10dl/
g、より好ましくは0.05〜5dl/gである。
【0043】また、重合体(A)合成時に、重合体の分
子量調節、基板への塗布性改善などの目的で、酸無水
物、モノアミン化合物などを添加することも可能であ
り、こうして調整された末端修飾型の重合体(A)およ
び重合体(B)もなんら問題なく本発明の液晶配向剤と
して使用できる。
【0044】ここで、末端修飾用の酸無水物としては、
無水マレイン酸、無水フタル酸などが挙げられる。
【0045】また、末端修飾用のモノアミンとしては、
例えばアニリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルア
ミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−
ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミ
ン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ド
デシルアミン、n−トリデシルアミン、n−テトラデシ
ルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−ヘキサデシル
アミン、n−ヘプタデシルアミン、n−オクタデシルア
ミン、n−エイコシルアミンなどを挙げることができ
る。
【0046】本発明の液晶配向剤は、重合体(A)およ
び/または重合体(B)と基板との接着性のさらなる改
善を目的として、以下に示す官能性シラン含有化合物を
含有することもできる。
【0047】官能性シラン含有化合物としては、例えば
3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメ
トキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルト
リメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−ア
ミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプ
ロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリ
エトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル
−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエ
トキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−ト
リメトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、1
0−トリメトキシイシリル−1,4,7−トリアザデカ
ン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデ
カン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニル
アセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザ
ノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピル
トリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレ
ン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビ
ス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキ
シシランなどを挙げることができ、さらに特開昭63ー
291922号公報記載のテトラカルボン酸二無水物と
アミノ基含有シラン化合物との反応物などを使用するこ
とができる。
【0048】また、本発明の液晶配向剤は、プレチルト
角の更なる安定化および膜強度向上のために、種々の熱
硬化性架橋剤を含有することもできる。この熱硬化架橋
剤としては、多官能エポキシ基含有化合物が有効であ
り、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボ
ラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキ
シ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルエステル
系エポキシ樹脂、グリシジルジアミン系エポキシ樹脂、
複素環式エポキシ樹脂、エポキシ基含有アクリル樹脂な
どが使用できる。
【0049】かかる多官能エポキシ基含有化合物の市販
品としては、例えばエポライト400E、同3002
(共栄社油脂化学工業(株)製)、エピコート828、
同152、エポキシノボラック180S(油化シェルエ
ポキシ(株)製)などを挙げることができる。
【0050】さらに、前記多官能エポキシ基含有化合物
使用時に、架橋反応を効率良く起こす目的で1−ベンジ
ル−2−メチルイミダゾールなどの塩基触媒を添加する
ことができる。
【0051】本発明の液晶配向剤は、溶媒に溶解して均
一な溶液状とすることができる。上記溶媒としては、重
合体(A)および/または重合体(B)ならびに各種添
加剤を溶解しうるものであれば特に制限はなく、通常重
合体(A)重合時に用いた前記有機溶剤が使用される。
また、この際の溶液濃度は、通常固形分濃度で0.1〜
20重量%である。
【0052】本発明の液晶配向剤を用いて得られる液晶
表示素子は、例えば次の方法によって製造することがで
きる。
【0053】まず、透明導電膜が設けられた基板の透明
導電膜側に、本発明の液晶配向剤をロールコーター法、
スピンナー法、印刷法などで塗布し、80〜250℃、
好ましくは120〜200℃の温度で加熱して塗膜を形
成させる。この塗膜は、通常0.001〜1μm、好ま
しくは0.005〜0.5μmである。形成された塗膜
は、ナイロンなどの合成繊維からなる布を巻き付けたロ
ールでラビング処理を行うことにより、液晶配向膜とさ
れる。この後、ラビング時に発生するゴミを除去するな
どの目的で、イソプロピルアルコールを使用して配向膜
は洗浄される。
【0054】上記基板としては、例えばフロートガラ
ス、ソーダガラスなどのガラス、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルス
ルホン、ポリカーボネートなどのプラスチックフィルム
などからなる透明基板を用いることができる。上記透明
導電膜としては、SnO2からなるNESA膜、In2
3−SnO2からなるITO膜などを用いることができ、
これらの透明導電膜のパターニングには、フォト・エッ
チング法、予めマスクを用いる方法などが用いられる。
液晶配向剤の塗布に際しては、基板および透明導電膜と
塗膜との接着性をさらに良好にするために、基板および
透明導電膜上に、予め官能性シラン含有化合物、官能性
チタン化合物などを塗布することもできる。
【0055】液晶配向膜が形成された基板は、その2枚
を液晶配向膜をラビング方向が直交または逆平行となる
よう対向させ、基板の間の周辺部をシール剤でシール
し、液晶を充填し、充填孔を封止して液晶セルとし、そ
の両面に偏光方向がそれぞれ基板の液晶配向膜のラビン
グ方向と一致または直交するように張り合わせることに
より液晶表示素子とされる。
【0056】上記シール剤としては、例えば硬化剤およ
びスペーサーとしての酸化アルミニウム球を含有したエ
ポキシ樹脂などを用いることができる。上記液晶として
は、ネマティック型液晶、スメクティック型液晶、その
中でもネマティック型液晶を形成させるものが好まし
く、例えばシッフベース系液晶、アゾキシ系液晶、ビフ
ェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶、エステ
ル系液晶、ターフェニル系液晶、ビフェニルシクロヘキ
サン系液晶、ピリミジン系液晶、ジオキサン系液晶、ビ
シクロオクタン系液晶、キュバン系液晶などが用いられ
る。また、これらの液晶に、例えばコレスチルクロライ
ド、コレステリルノナエート、コレステリルカーボネー
トなどのコレステリック液晶や商品名C−15、CB−
15(Merck Ltd.)として販売されているよ
うなカイラル剤などを添加して使用することもできる。
さらに、p−デシロキシベンジリデン−p−アミノ−2
−メチルブチルシンナメートなどの強誘電性液晶も使用
することができる。液晶セルの外側に使用される偏光板
としては、ポリビニルアルコールを延伸配向させなが
ら、ヨウ素を吸収させたH膜と呼ばれる偏光膜を酢酸セ
ルロース保護膜で挟んだ偏光板、またはH膜そのものか
らなる偏光板などを挙げることができる。
【0057】
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるも
のではない。以下の記載において、特定重合体Iはポリ
アミック酸を意味し、特定重合体IIはその脱水閉環重
合体を意味する。
【0058】実施例中におけるプレチルト角の測定は、
[T.J. Schffer, et al., J. Appl.Phys., 19, 2013 (1
980)]に記載の方法に準拠し、He−Neレーザー光を
用いる結晶回転法により行った。また、液晶セルの配向
性評価は、電圧をオン・オフさせた時の液晶セル中の配
向不良の有無を偏光顕微鏡で観察し、配向不良のない場
合良好と判断した。
【0059】合成例1 2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物
16.23g(0.0724モル)とジアミンとして式
(4)で示されるジアミン11.31g(0.0217モ
ル)および4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデ
ン)ビスアニリン17.46g(0.0507モル)をN
−メチル−2−ピロリドン405gに溶解させ、60℃
で6時間反応させた。次いで、反応混合物を大過剰のメ
タノールに注ぎ、反応生成物を沈澱させた。その後、メ
タノールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させ
て、固有粘度0.87dl/gの特定重合体I(Ia)
40.25gを得た。
【0060】合成例2 合成例1で得られた特定重合体I(Ia)40.00g
に、N−メチル−2−ピロリドン 800g、ピリジン
28.63gと無水酢酸 22.17gを添加し、110
℃で4時間脱水閉環させた。次いで、反応生成液を合成
例1と同様に沈澱させ、洗浄し、乾燥させ、固有粘度
0.85dl/gの特定重合体II(IIa)35.75
gを得た。
【0061】合成例3 合成例1において、テトラカルボン酸二無水物を22.
70g(0.1013モル)、ジアミンとして式(4)
で示されるジアミンを5.27g(0.0101モル)、
4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスア
ニリンを10.46g(0.0304モル)、およびp−
フェニレンジアミンを6.57g(0.0608モル)と
した以外は合成例1と同様にして特定重合体I(Ib)
を得、さらにこの特定重合体I(Ib)を用いて合成例
2と同様にして脱水閉環させ、固有粘度0.98dl/
gの特定重合体II(IIb)36.00gを得た。
【0062】合成例4 合成例1において、テトラカルボン酸二無水物を19.
80g(0.0883モル)、ジアミンとして式(4)
で示されるジアミンを9.20g(0.0177モル)、
4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスア
ニリンを12.17g(0.0353モル)、およびp−
フェニレンジアミンを3.82g(0.0353モル)、
とした以外は合成例1と同様にして特定重合体I(I
c)を得、さらにこの特定重合体I(Ic)を用いて合
成例2と同様にして脱水閉環させ、固有粘度0.91d
l/gの特定重合体II(IIc)36.23gを得
た。
【0063】合成例5 合成例1において、テトラカルボン酸二無水物を15.
80g(0.0705モル)、ジアミンとして式(4)
で示されるジアミンを11.01g(0.0212モ
ル)、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)−ビフ
ェニルを18.18g(0.0493モル)とした以外は
合成例1と同様にして特定重合体I(Id)を得、さら
にこの特定重合体II(Id)を用いて合成例2と同様
にして脱水閉環させ、固有粘度0.88dl/gの特定
重合体II(IId)35.66gを得た。
【0064】合成例6 合成例1において、テトラカルボン酸二無水物を22.
33g(0.0996モル)、ジアミンとして式(4)
で示されるジアミンを5.19g(0.0100モル)、
4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)−ビフェニル
を11.01g(0.0299モル)、およびp−フェニ
レンジアミンを6.46g(0.0567モル)とした以
外は合成例1と同様にして特定重合体I(Ie)を得、
さらにこの特定重合体I(Ie)を用いて合成例2と同
様にして脱水閉環させ、固有粘度0.92dl/gの特
定重合体II(IIe)35.12gを得た。
【0065】合成例7 合成例1において、テトラカルボン酸二無水物を19.
78g(0.0882モル)、ジアミンとして式(1
4)で示されるジアミンを4.60g(0.0088モ
ル)、式(4)で示される化合物を14.90g(0.0
265モル)、およびp−フェニレンジアミンを5.7
3g(0.0529モル)とした以外は合成例1と同様
にして特定重合体I(If)を得、さらにこの特定重合
体I(If)を用いて合成例2と同様にして脱水閉環さ
せ、固有粘度0.99dl/gの特定重合体II(II
f)35.60gを得た。
【0066】合成例8 合成例1において、テトラカルボン酸二無水物を22.
63g(0.1010モル)、ジアミンとして式(4)
で示されるジアミンを5.26g(0.0101モル)、
9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレンを10.
56g(0.0303モル)、およびp−フェニレンジ
アミンを6.55g(0.0606モル)とした以外は合
成例1と同様にして特定重合体I(Ig)を得、さらに
この特定重合体I(Ig)を用いて合成例2と同様にし
て脱水閉環させ、固有粘度0.91dl/gの特定重合
体II(IIg)35.90gを得た。
【0067】合成例9 合成例1において、テトラカルボン酸二無水物を16.
36g(0.0730モル)、ジアミンとして式(4)
で示されるジアミンを7.60g(0.0146モル)、
式(12)で示されるジアミンを21.04g(0.05
84モル)とした以外は合成例1と同様にして特定重合
体I(Ih)を得、さらにこの特定重合体I(Ih)を
用いて合成例2と同様にして脱水閉環させ、固有粘度
0.85dl/gの特定重合体II(IIh)34.55
gを得た。
【0068】合成例10 合成例1において、テトラカルボン酸二無水物を22.
45g(0.1001モル)、ジアミンとして式(4)
で示されるジアミンを5.22g(0.0100モル)、
式(12)で示されるジアミンを10.83g(0.03
00モル)、およびp−フェニレンジアミンを5.22
g(0.0601モル)とした以外は合成例1と同様に
して特定重合体I(Ii)を得、さらにこの特定重合体
I(Ii)を用いて合成例2と同様にして脱水閉環さ
せ、固有粘度0.89dl/gの特定重合体II(II
i)33.60gを得た。
【0069】合成例11 合成例1において、テトラカルボン酸二無水物を22.
73g(0.1014モル)、ジアミンとして式(4)
で示されるジアミンを5.28g(0.0101モル)、
式(13)で示されるジアミンを10.41g(0.03
03モル)、およびp−フェニレンジアミンを6.58
g(0.0610モル)とした以外は合成例1と同様に
して特定重合体I(Ij)を得、さらにこの特定重合体
I(Ij)を用いて合成例2と同様にして脱水閉環さ
せ、固有粘度0.82dl/gの特定重合体II(II
j)36.00gを得た。
【0070】合成例12(比較) 合成例1において、テトラカルボン酸二無水物を28.
58g(0.1275モル)、ジアミンとして式(4)
で示されるジアミンを3.32g(0.0064モル)、
およびp−フェニレンジアミンを13.10g(0.12
11モル)とした以外は合成例1と同様にして特定重合
体I(Ik)を得、さらにこの特定重合体I(Ik)を
用いて合成例2と同様にして脱水閉環させ、固有粘度
0.98dl/gの特定重合体II(IIk)36.11
gを得た。
【0071】合成例13(比較) 合成例1において、テトラカルボン酸二無水物を27.
66g(0.1234モル)、ジアミンとして式(4)
で示されるジアミンを3.21g(0.0123モル)、
4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスア
ニリンを2.13g(0.0062モル)、およびp−フ
ェニレンジアミンを12.01g(0.1049モル)と
した以外は合成例1と同様にして特定重合体I(Il)
を得、さらにこの特定重合体I(Il)を用いて合成例
2と同様にして脱水閉環させ、固有粘度0.95dl/
gの特定重合体II(IIl)33.43gを得た。
【0072】合成例14(比較) 合成例1において、テトラカルボン酸二無水物を25.
02g(0.1116モル)、ジアミンとして4,4’−
(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリンを1
1.53g(0.0355モル)、およびp−フェニレン
ジアミンを8.45g(0.0781モル)とした以外は
合成例1と同様にして特定重合体I(Im)を得、さら
にこの特定重合体I(Im)を用いて合成例2と同様に
して脱水閉環させ、固有粘度0.91dl/gの特定重
合体II(IIm)36.76gを得た。
【0073】実施例1 合成例1で得られた重合体II(IIa)6gをγ−ブ
チロラクトン120gに溶解させて、固形分濃度約5重
量%の溶液とし、この溶液を孔径1μmのフィルターで
濾過し、液晶配向剤溶液を調製した。この溶液を、IT
O膜からなる透明電極付きガラス基板の上に透明電極面
に、回転数3000rpmで3分間スピンナーを用いて
塗布し、180℃で1時間乾燥し、乾燥膜厚0.05μ
mの塗膜を形成した。この塗膜にナイロン製の布を巻き
付けたロールを有するラビングマシーンにより、ロール
毛足押し込み長0.6mm、ロールの回転数500rp
m、ステージの移動速度1cm/秒でラビング処理を行
った。この後、以下に示すそれぞれの方法で洗浄を行っ
た。 (a)IPA中に侵積し、超音波で5分間洗浄する (b)IPA蒸気中に20分間曝して洗浄する
【0074】次に、一対のラビング処理された基板の液
晶配向膜を有するそれぞれの外縁に、直径17μmの酸
化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤をスクリーン
印刷塗布した後、一対の基板を液晶配向膜面が相対する
ように、しかもラビング方向が逆平行になるように重ね
合わせて圧着し、接着剤を硬化させた。次いで、液晶注
入口より一対の基板間に、ネマティック型液晶(メルク
社製、MLC−2001)を充填した後、エポキシ系接
着剤で液晶注入口を封止し、基板の外側の両面に偏光板
を、偏光板の偏光方向がそれぞれの基板の液晶配向膜の
ラビング方向と一致するように張り合わせ、液晶表示素
子を作製した。得られた液晶表示素子の配向性は良好で
あり、プレチルト角を測定したところ、未洗浄の場合は
5.2度であり、洗浄方法(a)のとき5.1度、(b)
のとき5.1度となり、洗浄によるプレチルト角依存性
は小さいものであった。
【0075】実施例2〜13および比較例1〜3 実施例1において、特定重合体II(IIa)に代えて
表1および表2に記載される特定重合体を用いた以外
は、実施例1と同様にして液晶表示素子を作製した。液
晶表示素子の配向性の良否およびプレチルト角の洗浄方
法依存性の測定結果を実施例1を含めて表1および表2
に示した。
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】
【発明の効果】本発明の液晶配向剤によれば、液晶配向
膜としたとき、液晶の配向性が良好で、液晶の発現する
プレチルト角が3度以上であり、且つプレチルト角のラ
ビング後の洗浄工程による依存性が少ないので、STN
またはTN型表示用として好適な液晶配向膜が得られ
る。また、本発明の液晶配向剤を用いて形成した液晶配
向膜を有する液晶表示素子は、使用する液晶を選択する
ことにより、SH(Super Homeotropic)表示素子、強
誘電表示素子にも好適に使用することができる。さら
に、本発明の液晶配向剤を用いて形成した配向膜を有す
る液晶表示素子は、液晶の配向性および信頼性に優れ、
種々の装置に有効に使用でき、例えば卓上計算機、腕時
計、置時計、係数表示板、ワードプロセッサ、パーソナ
ルコンピューター、液晶テレビなどの表示装置に用いら
れる。
【0079】以上、詳述した本発明の液晶配向剤に関す
る好ましい態様につき以下に付記する。 1. 化合物II(一般式(2)で示されるジアミン化合
物)が式(4)、(5)、(6)および(7)で示され
るジアミンから選ばれる少なくとも1種である液晶配向
剤。 2. 化合物IIの割合が全ジアミンの5〜50モル%で
ある液晶配向剤。 3. 化合物IIの割合が全ジアミンの10〜30モル%
である液晶配向剤。 4. 化合物III(一般式(3)で示されるジアミン化
合物)が式(8)、(9)、(10)、(11)、(1
2)、(13)および(14)で示されるジアミンから
選ばれる少なくとも1種である液晶配向剤。 5. 化合物IIIの割合が全ジアミンの20〜90モル
%である液晶配向剤。
フロントページの続き (72)発明者 西川 通則 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内 (72)発明者 松木 安生 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)下記式(1) 【化1】 (式(1)中、R1は4価の有機基を示す)で示される
    テトラカルボン酸二無水物と (B)(i)下記式(2) 【化2】 (式(2)中、R2は−O−、−COO−、−OCO
    −、−NHCO−、−CONH−および−CO−から選
    ばれるいずれかの2価の有機基を示し、R3は1価の有
    機基を示す、但し、R3はアントラセン環および2個以
    上のベンゼン環を含まない)で示されるジアミン化合物
    および(ii)下記式(3) 【化3】 (式(3)中、R4はベンゼン環を3個以上および/ま
    たはアントラセン環を少なくとも1個含む2価の有機基
    を示す)で示されるジアミン化合物とを反応させて得ら
    れるポリアミック酸、但し、式(2)で示されるジアミ
    ンの割合は全ジアミンの3〜60モル%であり、且つ式
    (3)で示されるジアミンの割合は全ジアミンの10〜
    97モル%である、および/またはそのポリアミック酸
    を脱水閉環した重合体を含むことを特徴とする液晶配向
    剤。
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