JP4003592B2 - 液晶配向剤および液晶表示素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶配向剤に関する。さらに詳しくは、表示品位が高く、面内のコントラストが均一な素子が得られる液晶配向剤およびそれを用いた液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、液晶表示素子としては、透明導電膜が設けられている基板表面にポリアミック酸、ポリイミドなどからなる液晶配向膜を形成して液晶表示素子用基板とし、その2枚を対向配置してその間隙内に正の誘電異方性を有するネマチック型液晶の層を形成してサンドイッチ構造のセルとし、液晶分子の長軸が一方の基板から他方の基板に向かって連続的に90度捻れるようにした、いわゆるTN(Twisted Nematic)型液晶セルを有するTN型液晶表示素子が知られている。また、TN型液晶表示素子に比してコントラストが高くて、その視角依存性の少ないSTN(Super Twisted Nematic)型液晶表示素子や、垂直配向型液晶表示素子が開発されている。このSTN型液晶表示素子は、ネマチック型液晶に光学活性物質であるカイラル剤をブレンドしたものを液晶として用い、液晶分子の長軸が基板間で180度以上にわたって連続的に捻れる状態となることにより生じる複屈折効果を利用するものである。これに対し、横電界方式液晶表示素子は、液晶を駆動するための2つの電極を片側の基板に櫛歯状に配置し、基板面に平行な電界を発生させ、液晶分子をコントロールする。この素子は、光学補償フィルムを使わず、階調反転や色調変化のないブラウン管にも匹敵する高い視野角を得られることが大きな特徴となっている。これらの液晶表示素子における液晶の配向は、通常ラビング処理が施された液晶配向膜により発現される。近年ではTN型液晶表示素子、垂直型液晶表示素子、横電界方式液晶表示素子にて液晶テレビの開発、生産が行われており、表示品位の改良が益々必要となってきていた。
しかしながら、液晶配向剤に含有されるポリアミック酸やポリイミドを製造する際に着色が起こり、結果として液晶配向膜の着色が起こるために、得られる液晶表示素子の表示品位が低下するという問題がある。また、従来の液晶配向剤を用いた場合では、ラビング処理後の基板洗浄条件によりプレチルト角の変動が起こり、液晶表示素子のコントラストが不均一になる問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、表示品位が高く、面内のコントラストが均一な素子が得られる液晶配向剤を得ることである。
本発明のさらに他の目的および利点は、以下の説明から明らかになろう。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、下記式(I−1)で表される繰り返し単位および下記式(I−2)で表される繰り返し単位
【0005】
【化2】
【0006】
(式中、Y1およびY2は、相互に独立にそれぞれ4価の有機基を示し、X1、X2、X3およびX4は、相互に独立にそれぞれ炭素数1〜30の直鎖状、分岐状、環状のアルキル基を示す。)
から選ばれる少なくとも一種を有する重合体を含有し、かつ、ガードナー色数が5以下である液晶配向剤であって、上記重合体は下記式(i)
【化11】
(式中、各Rは相互に独立に、水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基または炭素数1〜6のハロゲン化炭化水素基を示す。)
で表されるテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物および1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオンから選ばれるテトラカルボン酸二無水物と、下記式
【化12】
(式中、X 1 、X 2 、X 3 およびX 4 は、相互に独立にそれぞれ炭素数1〜30の直鎖状、分岐状、環状のアルキル基を示す。)
で表されるビフェニル構造を有するジアミンとを反応させて得られるポリアミック酸またはこれをイミド化して得られる重合体(以下、「特定重合体」ともいう)であることを特徴とする液晶配向剤により得られる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の液晶配向剤は、特定重合体が、通常、有機溶媒に溶解されて構成される。特定重合体は、イミド単位である上記式(I−1)で表される繰り返し単位と、アミック酸単位である上記式(I−2)で表される繰り返し単位とから選ばれる少なくとも一種を有するポリアミック酸またはイミド化重合体であり、上記式(i)で表されるテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物および1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオンから選ばれるテトラカルボン酸二無水物と上記のビフェニル構造を有するジアミンとを反応させて得られるポリアミック酸を、必要に応じてイミド化(脱水閉環)することにより得られる。
【0008】
<テトラカルボン酸二無水物>
特定重合体の合成に用いられるテトラカルボン酸二無水物の構造は、下記式で表される。
【0009】
【化3】
【0010】
(式中、Y1およびY2は4価の有機基である。)
【0011】
当該テトラカルボン酸二無水物としては、下記式(i)で表される化合物が好ましい。特に、上記式(I−2)で表される繰り返し単位を構成する成分として下記式で表される化合物を用いると、液晶表示素子の残像低減に顕著な効果が得られる。下記式で表される化合物の使用割合は、特定重合体の合成に用いられる全テトラカルボン酸二無水物中、好ましくは10モル%以上、さらに好ましくは20モル%以上、特に好ましくは50%以上である。特定酸無水物を10モル%以上の割合で用いることにより、液晶表示素子の残像低減に顕著な効果が得られる。
【0012】
【化4】
【0013】
(式中、各Rは相互に独立に、水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基または炭素数1〜6のハロゲン化炭化水素基を示す。)
【0014】
これらは1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
上記式(i)で表される化合物の具体例としては、例えば、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらのうち、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物が特に好ましい。
【0015】
その他のテトラカルボン酸二無水物は、ピロメリット酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオンである。
【0019】
これらのうち、上記式(I−1)で表される繰り返し単位を構成するテトラカルボン酸二無水物としては、液晶表示素子の残像低減の点から、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物および1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオンから選ばれる少なくとも一種が特に好ましい。また、上記式(I−2)で表される繰り返し単位を構成するテトラカルボン酸二無水物としては、上記式(i)で表される化合物およびピロメリット酸二無水物から選ばれる少なくとも一種を用いることが好ましく、中でも上記式(i)で表される化合物単独か、上記式(i)で表される化合物とピロメリット酸二無水物を併用して用いることが液晶表示素子の残像低減の点から特に好ましい。
【0020】
<ジアミン>
特定重合体の合成に用いられるジアミンは、下記式で表されるビフェニル構造を有するジアミンである。2,2’−置換されたビフェニルジアミンを用いることにより、重合体製造時の着色が起こりにくくなり、またラビング処理後の基板洗浄条件によるプレチルト角の変動が少なくなるため、得られる液晶表示素子の表示品位およびコントラストが優れたものとなる。
【0021】
【化6】
【0022】
(式中、X1、X2、X3およびX4は、相互に独立にそれぞれ炭素数1〜30の直鎖状、分岐状、環状のアルキル基を示す。)
【0023】
X1、X2、X3およびX4で表される炭素数1〜30の直鎖状、分岐状、環状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、n−へキシル基、シクロへキシル基、2−エチル−へキシル基n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニルアミン基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−エイコシル基等の炭素数1〜30の直鎖状、分岐状、環状のアルキル基が挙げられる。X1、X2、X3およびX4のうち、好ましいものとしては、メチル基が挙げられる。
【0024】
当該ジアミンの具体例としては、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニルを挙げることが出来る。
【0026】
上記ビフェニル構造を有するジアミンの使用割合は、特定重合体の合成に用いられる全ジアミン中、好ましくは10モル%以上であり、さらに好ましくは20モル%以上である。ビフェニル構造を有するジアミンの使用割合が10モル%以上の場合は、特定重合体の製造時の着色を少なくすることができる。
【0027】
ビフェニル構造を有するジアミンと併用できるその他のジアミンとしては、ドデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、ペンタデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、ヘキサデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、オクタデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、下記式(9)〜(14)で表される化合物、
【0028】
【化7】
【0029】
p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンズアニリド、1,5−ジアミノナフタレン、3,3−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、5−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、6−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)−10−ヒドロアントラセン、2,7−ジアミノフルオレン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、2,2’,5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノ−5,5’−ジメトキシビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、1,4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、2,2’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ビス[(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフルオロビフェニルなどの芳香族ジアミン;
【0030】
1,1−メタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレンジアミン、トリシクロ[6.2.1.02,7]−ウンデシレンジメチルジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)などの脂肪族および脂環式ジアミン;
【0031】
2,3−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、5,6−ジアミノ−2,3−ジシアノピラジン、5,6−ジアミノ−2,4−ジヒドロキシピリミジン、2,4−ジアミノ−6−ジメチルアミノ−1,3,5−トリアジン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、2,4−ジアミノ−6−イソプロポキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−1,3,5−トリアジン、4,6−ジアミノ−2−ビニル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−5−フェニルチアゾール、2,6−ジアミノプリン、5,6−ジアミノ−1,3−ジメチルウラシル、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾール、6,9−ジアミノ−2−エトキシアクリジンラクテート、3,8−ジアミノ−6−フェニルフェナントリジン、1,4−ジアミノピペラジン、3,6−ジアミノアクリジン、ビス(4−アミノフェニル)フェニルアミンなどの分子内に2つの1級アミノ基および該1級アミノ基以外の窒素原子を有するジアミン;
下記式(III)で表されるジアミノオルガノシロキサンを好ましいものとして挙げることができる。
これらのジアミンは、単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0032】
【化8】
【0033】
(式中、R5は炭素数1〜12の炭化水素基を示し、複数存在するR5は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、pは1〜3の整数であり、qは1〜20の整数である。)
【0034】
これらのうちp−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、1,5−ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノフルオレン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、1,4−シクロヘキサンジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、3,6−ジアミノアクリジン、上記式(III)で表されるジアミノオルガノシロキサンなどが好ましい。これらは1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
【0035】
【0036】
<ポリアミック酸の合成>
合成反応に供されるテトラカルボン酸二無水物とジアミンの使用割合は、ジアミンのアミノ基1当量に対して、テトラカルボン酸二無水物の酸無水物基が0.2〜2当量となる割合が好ましく、さらに好ましくは0.3〜1.2当量となる割合である。
ポリアミック酸の合成反応は、有機溶媒中において、通常−20℃〜150℃、好ましくは0〜100℃の温度条件下で行われる。
【0037】
ここで、有機溶媒としては、合成される重合体を溶解できるものであれば特に制限はなく、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミドなどの非プロトン系極性溶媒;m−クレゾール、キシレノール、フェノール、ハロゲン化フェノールなどのフェノール系溶媒を例示することができる。また、有機溶媒の使用量(α)は、通常、テトラカルボン酸二無水物およびジアミン化合物の総量(β)が、反応溶液の全量(α+β)に対して0.1〜30重量%になるような量であることが好ましい。
【0038】
なお、上記有機溶媒には、ポリアミック酸の貧溶媒であるアルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類などを、生成するポリアミック酸が析出しない範囲で併用することができる。斯かる貧溶媒の具体例としては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン(ジアセトンアルコール)、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、乳酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルメトキシプロピオネ−ト、エチルエトキシプロピオネ−ト、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル、ジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコール−i−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、トリクロロエタン、クロルベンゼン、o−ジクロルベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどを挙げることができる。
【0039】
以上のようにして、ポリアミック酸を溶解してなる反応溶液が得られる。そして、この反応溶液を大量の貧溶媒中に注いで析出物を得、この析出物を減圧下乾燥することによりポリアミック酸を得ることができる。また、得られた重合体を再び有機溶媒に溶解させ、次いで貧溶媒で析出させる工程を1回または数回行うことにより、ポリアミック酸を精製することができる。
【0040】
<イミド化重合体の合成>
本発明に用いられるイミド化重合体は、上記ポリアミック酸を脱水閉環することにより合成することが出来る。イミド化重合体は、イミド化率100%未満の、部分的に脱水閉環されたものであってもよい。ここでいう「イミド化率」とは、ポリマーの全繰り返し単位中、イミド環またはイソイミド環を有する繰り返し単位の割合を、百分率で表した値である。ポリアミック酸の脱水閉環は、(i)ポリアミック酸を加熱する方法により、または(ii)ポリアミック酸を有機溶媒に溶解し、この溶液中に脱水剤および脱水閉環触媒を添加し必要に応じて加熱する方法により行われる。
上記(i)のポリアミック酸を加熱する方法における反応温度は好ましくは50〜200℃であり、より好ましくは60〜170℃である。反応温度が50℃未満では脱水閉環反応が十分に進行せず、反応温度が200℃を超えると得られるポリイミドの分子量が低下することがある。
一方、上記(ii)のポリアミック酸の溶液中に脱水剤および脱水閉環触媒を添加する方法において、脱水剤としては、例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸などの酸無水物を用いることが出来る。脱水剤の使用量は、所望するイミド化率によるが、ポリアミック酸の繰り返し単位1モルに対して0.01〜20モルとするのが好ましい。また、脱水閉環触媒としては、例えばピリジン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミンなどの3級アミンを用いることが出来るが、これらに限定されるものではない。脱水閉環触媒の使用量は、使用する脱水剤1モルにたいして0.01〜10モルとするのが好ましい。なお、脱水閉環反応に用いられる有機溶媒としては、上記ポリアミック酸の合成に用いられるものとして例示した有機溶媒を挙げることが出来る。そして、脱水閉環反応の反応温度は、このましくは0〜180℃であり、より好ましくは10〜150℃である。また、このようにして得られる反応溶液に対し、ポリアミック酸の精製方法におけると同様の操作を行うことにより、ポリイミドを精製することができる。
【0041】
<末端修飾型の重合体>
本発明で用いられる特定重合体は、分子量が調節された末端修飾型のものであってもよい。この末端修飾型の重合体を用いることにより、本発明の効果が損われることなく液晶配向剤の塗布特性などを改善することができる。このような末端修飾型の重合体は、ポリアミック酸を合成する際に、酸一無水物、モノアミン化合物、モノイソシアネート化合物などを反応系に添加することにより合成することができる。ここで、酸一無水物としては、例えば無水マレイン酸、無水フタル酸、無水イタコン酸、n−デシルサクシニック酸無水物、n−ドデシルサクシニック酸無水物、n−テトラデシルサクシニック酸無水物、n−ヘキサデシルサクシニック酸無水物などを挙げることができる。また、モノアミン化合物としては、例えばアニリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミン、n−トリデシルアミン、n−テトラデシルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−ヘプタデシルアミン、n−オクタデシルアミン、n−エイコシルアミンなどを挙げることができる。また、モノイソシアネート化合物としては、例えばフェニルイソシアネート、ナフチルイソシアネートなどを挙げることができる。
【0042】
<液晶配向剤>
本発明の液晶配向剤は、特定重合体が、通常、有機溶媒中に溶解含有されて構成される。本発明の液晶配向剤を調製する際の温度は、好ましくは0℃〜200℃であり、より好ましくは20℃〜60℃である。
【0043】
本発明の液晶配向剤を構成する有機溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクタム、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、エチレングリコールモノメチルエーテル、乳酸ブチル、酢酸ブチル、メチルメトキシプロピオネ−ト、エチルエトキシプロピオネ−ト、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコール−i−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどを挙げることができる。
【0044】
本発明の液晶配向剤における固形分濃度は、粘性、揮発性などを考慮して選択されるが、好ましくは1〜10重量%の範囲にある。すなわち、本発明の液晶配向剤は、基板表面に塗布され、液晶配向膜となる塗膜が形成されるが、固形分濃度が1重量%未満である場合には、この塗膜の膜厚が過小となって良好な液晶配向膜を得ることができず、固形分濃度が10重量%を超える場合には、塗膜の膜厚が過大となって良好な液晶配向膜を得ることができず、また、液晶配向剤の粘性が増大して塗布特性が劣るものとなる。
【0045】
本発明の液晶配向剤には、目的の物性を損なわない範囲内で、基板表面に対する接着性を向上させる観点から、官能性シラン含有化合物、エポキシ化合物が含有されていてもよい。かかる官能性シラン含有化合物としては、例えば3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリメトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシランなどを挙げることができる。
【0046】
また、かかるエポキシ化合物としては、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,3,5,6−テトラグリシジル−2,4−ヘキサンジオール、N,N,N’,N’,−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’,−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3−(N−アリルーNーグリシジル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(N,N−ジグリシジル)アミノプロピルトリメトキシシランなどを挙げることができる。
これら官能性シラン含有化合物やエポキシ化合物の配合割合は、全重合体100重量部に対して、通常、40重量部以下、好ましくは0.1〜30重量部である。特に、エポキシ化合物を添加することにより、得られる液晶配向膜の耐擦傷性をより向上させることができる。特に好ましいエポキシ化合物は、 N,N,N’,N’,−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’,−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3−(N−アリル−N−グリシジル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(N,N−ジグリシジル)アミノプロピルトリメトキシシランなどの窒素含有エポキシ化合物である。
【0047】
本発明の液晶配向剤におけるガードナー色数は5以下、好ましくは4以下である。ガードナー色数は、JIS K5600−2−1に準じて測定される。
【0048】
<液晶表示素子>
本発明の液晶表示素子は、例えば次の方法によって製造することができる。
(1)パターニングされた透明導電膜が設けられている基板の一面に、本発明の液晶配向剤を例えばロールコーター法、スピンナー法、印刷法などの方法によって塗布し、次いで、塗布面を加熱することにより塗膜を形成する。ここに、基板としては、例えばフロートガラス、ソーダガラスなどのガラス;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネートなどのプラスチックからなる透明基板を用いることができる。基板の一面に設けられる透明導電膜としては、酸化スズ(SnO2 )からなるNESA膜(米国PPG社登録商標)、酸化インジウム−酸化スズ(In2O3−SnO2)からなるITO膜などを用いることができ、これらの透明導電膜のパターニングには、フォト・エッチング法や予めマスクを用いる方法が用いられる。液晶配向剤の塗布に際しては、基板表面および透明導電膜と塗膜との接着性をさらに良好にするために、基板の該表面に、官能性シラン含有化合物、官能性チタン含有化合物などを予め塗布することもできる。液晶配向剤塗布後の加熱温度は80〜300℃とされ、好ましくは120〜250℃とされる。なお、ポリアミック酸を含有する本発明の液晶配向剤は、塗布後に有機溶媒を除去することによって配向膜となる塗膜を形成するが、さらに加熱することによって脱水閉環を進行させ、よりイミド化された塗膜とすることもできる。形成される塗膜の膜厚は、通常0.001〜1μmであり、好ましくは0.005〜0.5μmである。
(2)形成された塗膜面を、例えばナイロン、レーヨン、コットンなどの繊維からなる布を巻き付けたロールで一定方向に擦るラビング処理を行う。これにより、液晶分子の配向能が塗膜に付与されて液晶配向膜となる。
また、本発明の液晶配向剤により形成された液晶配向膜に、例えば特開平6−222366号公報や特開平6−281937号公報に示されているような、紫外線を部分的に照射することによってプレチルト角を変化させるような処理、あるいは特開平5−107544号公報に示されているような、ラビング処理を施した液晶配向膜表面にレジスト膜を部分的に形成し、先のラビング処理と異なる方向にラビング処理を行った後にレジスト膜を除去して、液晶配向膜の液晶配向能を変化させるような処理を行うことによって、液晶表示素子の視界特性を改善することが可能である。
(3)上記のようにして液晶配向膜が形成された基板を2枚作製し、それぞれの液晶配向膜におけるラビング方向が直交または逆平行となるように、2枚の基板を、間隙(セルギャップ)を介して対向配置し、2枚の基板の周辺部をシール剤を用いて貼り合わせ、基板表面およびシール剤により区画されたセルギャップ内に液晶を注入充填し、注入孔を封止して液晶セルを構成する。そして、液晶セルの外表面、すなわち、液晶セルを構成するそれぞれの基板の他面側に、偏光板を、その偏光方向が当該基板の一面に形成された液晶配向膜のラビング方向と一致または直交するように貼り合わせることにより、液晶表示素子が得られる。
【0049】
ここに、シール剤としては、例えば硬化剤およびスペーサーとしての酸化アルミニウム球を含有するエポキシ樹脂などを用いることができる。
液晶としては、ネマティック型液晶およびスメクティック型液晶を挙げることができ、その中でもネマティック型液晶が好ましく、例えばシッフベース系液晶、アゾキシ系液晶、ビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶、エステル系液晶、ターフェニル系液晶、ビフェニルシクロヘキサン系液晶、ピリミジン系液晶、ジオキサン系液晶、ビシクロオクタン系液晶、キュバン系液晶などを用いることができる。また、これらの液晶に、例えばコレスチルクロライド、コレステリルノナエート、コレステリルカーボネートなどのコレステリック型液晶や商品名「C−15」「CB−15」(メルク社製)として販売されているようなカイラル剤などを添加して使用することもできる。さらに、p−デシロキシベンジリデン−p−アミノ−2−メチルブチルシンナメートなどの強誘電性液晶も使用することができる。
また、液晶セルの外表面に貼り合わされる偏光板としては、ポリビニルアルコールを延伸配向させながら、ヨウ素を吸収させたH膜と称される偏光膜を酢酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板またはH膜そのものからなる偏光板を挙げることができる。
【0050】
【実施例】
以下、本発明を実施例により、さらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
【0051】
[液晶表示素子の作製方法]
厚さ1mmのガラス基板の一面に設けられたITO膜からなる透明導電膜上に、液晶配向剤をスピンナーを用いて塗布し、80℃で1分間、その後180℃で1時間乾燥することにより乾燥膜厚600オングストロームの塗膜を形成した。形成された樹脂膜面をナイロン製の布を巻きつけたロールを有するラビングマシーンを用いてラビング処理を行い、液晶配向膜とした。ここにラビング処理条件は、ロールの回転数400rpm、ステージの移動速度3cm/秒、毛足押し込み長さ0.4mmとした。ラビング処理の後、洗浄する場合は水に浸し、超音波にて1分間洗浄した。上記のようにして液晶配向膜が形成された基板を2枚作製し、それぞれの基板の外縁部に、酸化アルミニウム球を含有するエポキシ樹脂系接着剤をスクリーン印刷法により塗布した後、2枚の基板を間隙を介してラビング方向が逆になるように対向配置し、外縁部同士を当接させて圧着して接着剤を硬化させた。基板の表面および外縁部の接着剤により区画されたセルギャップ内に、ネマチック型液晶(メルク社製、MLC−6221)を注入充填し、次いで、注入孔をエポキシ系接着剤で封止して液晶表示素子を作製した。
【0052】
[プレチルト角]
上記で作製した液晶表示素子でラビング後、洗浄をしたものと、ラビング後洗浄しなかったもののプレチルト角をクリスタルローテーション法にて測定し、洗浄しなかったもののプレチルト角と洗浄をしたもののプレチルト角の差を確認した。
[ガードナー色数]
JIS K5600−2−1に準じて、重合体溶液および液晶配向剤の色相評価を行った。重合体溶液のガードナー色数は、固形分濃度10%のN−メチル−2−ピロリドン溶液について行った。
[粘度]
EH型粘度計(東機産業株式会社製RE100LR型)を用いて、25℃での粘度を測定した。重合体溶液の粘度は、固形分濃度10%のN−メチル−2−ピロリドン溶液について行った。
【0053】
<重合体の合成>
(合成例1〜3、6〜8)
N−メチル−2−ピロリドン300gに、表1に示す組成で、ジアミン、テトラカルボン酸二無水物の順で加え、固形分濃度10%、60℃で6時間反応させ、重合体I〜V、VIII〜Xの溶液を得た。得られた重合体溶液の粘度およびガードナー色数を評価した。
(合成例4)
合成例1で得られた重合体溶液I100gにピリジン7.51gおよび無水酢酸7.75gを添加し60℃で3時間脱水閉環させ、重合体溶液VIを得た。この重合体溶液をジエチルエーテルで再沈殿させることで、白色粉末状の重合体VI8.9gを得た。固形分濃度が10%になるよう、N−メチルピロリドンに溶解させ、ガードナー色数を測定した。
【0054】
【表1】
【0055】
()内数字はモル%
CB:1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸無水物
PMDA:ピロメリット酸二無水物
MTB:2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル
PDA:p−フェニレンジアミン
【0056】
実施例1〜6、比較例1、2
合成例1〜7で得られた重合体および必要に応じて添加剤としてN,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(エポキシ化合物)を、表2のような組成で混合し、固形分濃度6.0%に調製して、本発明の液晶配向剤を得た。この液晶配向剤を用いて液晶表示素子を作製し、ガードナー色数、ラビング後洗浄したものと未洗浄のものとのプレチルト角の差を測定した。結果を表3に示す。
【0057】
【表2】
【0058】
*()内数字は溶剤全体に対する各溶剤種の重量%
*添加剤量は、重合体100重量部に対する添加剤の重量部である。
*溶剤種の略号は次のとおり。
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
BC:ブチルセロソルブ
BL:γ−ブチロラクトン
【0059】
【表3】
【0060】
【発明の効果】
本発明の液晶配向剤によれば、液晶配向剤に含有されるポリイミド、ポリアミック酸の製造時の着色が少なく、ラビング処理後の洗浄条件によるプレチルト角の変動が少ないため、表示品位に優れ、面内のコントラストが均一な液晶表示素子が得られる。
Claims (4)
- 下記式(I−1)で表される繰り返し単位および下記式(I−2)で表される繰り返し単位
から選ばれる少なくとも一種を有する重合体を含有し、かつ、ガードナー色数が5以下である液晶配向剤であって、上記重合体は下記式(i)
で表されるテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物および1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオンから選ばれるテトラカルボン酸二無水物と、下記式
で表されるビフェニル構造を有するジアミンとを反応させて得られるポリアミック酸またはこれをイミド化して得られる重合体であることを特徴とする、液晶配向剤。 - テトラカルボン酸二無水物が2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物である、請求項1に記載の液晶配向剤。
- 重合体が、X1およびX2が共にメチル基である上記式(I−1)で表される繰り返し単位、並びに、X3およびX4が共にメチル基である上記式(I−2)で表される繰り返し単位から選ばれる少なくとも一種を有する、請求項1または2に記載の液晶配向剤。
- 請求項1乃至3記載の液晶配向剤から得られる液晶配向膜を具備してなる、液晶表示素子。
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