[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JPH08113553A - 反強誘電性液晶化合物およびそれを含む液晶組成物 - Google Patents

反強誘電性液晶化合物およびそれを含む液晶組成物

Info

Publication number
JPH08113553A
JPH08113553A JP6277109A JP27710994A JPH08113553A JP H08113553 A JPH08113553 A JP H08113553A JP 6277109 A JP6277109 A JP 6277109A JP 27710994 A JP27710994 A JP 27710994A JP H08113553 A JPH08113553 A JP H08113553A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
compound
trifluoro
fluoro
antiferroelectric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6277109A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuhiro Okabe
伸宏 岡部
Hiroyuki Mogamiya
浩之 最上谷
Osamu Nonaka
修 野中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Shell Sekiyu KK
Original Assignee
Showa Shell Sekiyu KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Shell Sekiyu KK filed Critical Showa Shell Sekiyu KK
Priority to JP6277109A priority Critical patent/JPH08113553A/ja
Publication of JPH08113553A publication Critical patent/JPH08113553A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Liquid Crystal Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 骨格構造を構成するベンゼン核の特定位置に
フッ素置換基を有する新規反強誘電性液晶化合物および
それを含む液晶組成物の提供。 【構成】 一般式〔I〕 【化1】 (式中、m=4〜14、n=4〜12、Cf=CH3
はCF3であり、*は光学活性中心を示す。)で表され
る化合物よりなることを特徴とする光学的三安定状態を
示す反強誘電性液晶化合物およびそれを含む液晶組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な反強誘電性液晶
化合物に関する。
【0002】
【従来技術】液晶表示素子は、1)低電圧作動性、2)
低消費電力性、3)薄形表示、4)受光型などの優れた
特徴を有するため、現在まで、TN方式、STN方式、
ゲスト−ホスト(Gest−Host)方式などが開発
され実用化されている。しかし、現在広く利用されてい
るネマチック液晶を用いたものは、応答速度が数mse
c〜数十msecと遅い欠点があり、応用上種々の制約
を受けている。これらの問題を解決するため、STN方
式や薄層トランジスタ方式などを用いたアクティブマト
リックス方式などが開発されたが、STN型表示素子
は、表示コントラストや視野角などの表示品位は優れた
ものとなったが、セルギャップやチルト角の制御に高い
精度を必要とすることや応答がやや遅いことなどが問題
となっている。薄膜トランジスタ方式は構造が複雑で製
造時の歩留りが低く、結果的に高価につく。このため、
応答性のすぐれた新しい液晶表示方式の開発が要望され
ており、光学応答時間がμsecオーダーと極めて短か
い超高速デバイスが可能になる強誘電性液晶の開発が試
みられていた。強誘電性液晶は、1975年、Meyo
r等によりDOBAMBC(p−デシルオキシベンジリ
デン−p−アミノ−2−メチルブチルシンナメート)が
初めて合成された(Le Journal de Ph
ysique,36巻1975,L−69)。さらに、
1980年、ClarkとLagawallによりDO
BAMBCのサブマイクロ秒の高速応答、メモリー特性
など表示デバイス上の特性が報告されて以来、強誘電性
液晶が大きな注目を集めるようになった〔N.A.Cl
ark,etal.,Appl.Phys.Lett.
36.899(1980)〕。しかし、彼らの方式に
は、実用化に向けて多くの技術的課題があり、特に室温
でディスプレーに要求される実用特性を満足する強誘電
性液晶はほとんど無く、表示ディスプレーに不可欠な液
晶分子の配列制御に有効かつ実用的な方法も確立されて
いなかった。この報告以来、液晶材料/デバイス両面か
らの様々な試みがなされ、ツイスト二状態間のスイッチ
ングを利用した表示デバイスが試作され、それを用いた
高速電気光学装置も例えば特開昭56−107216号
などで提案されているが、高いコントラストや適正なし
きい値特性は得られていない。このような視点から他の
スイッチング方式についても探索され、過渡的な散乱方
式が提案された。その後、1988年に本発明者らによ
る三安定状態を有する液晶の三状態スイッチング方式が
報告された〔A.D.L.Chandani,T.Ha
giwara,Y.Suzuki etal.,Jap
an.J.ofAppl.Phys.,27,(5),
L729−L732(1988)〕。前記「三安定状態
を有する」とは、第一の電極基板と所定の間隙を隔てて
配置されている第二の電極基板との間に反強誘電性液晶
が挟まれてなる液晶電気光学装置において、前記第一及
び第二の電極基板に電界形成用の電圧が印加されるよう
構成されており、図1Aで示される三角波として電圧を
印加したとき、前記反強誘電性液晶が、無電界時に分子
配向が第一の安定状態〔図3(a)〕になり、液晶電気
光学装置の透過率が第一の安定状態(図1Dの)を示
し、かつ、電界印加時に一方の電界方向に対し分子配向
が前記第一の安定状態とは異なる第二の安定状態〔図3
(b)〕になり液晶電気光学装置の透過率が第2の安定
状態(図1Dの)を示し、さらに他方の電界方向に対
し前記第一及び第二の安定状態とは異なる第三の分子配
向安定状態〔図3(c)〕になり液晶電気光学装置の透
過率が第三の安定状態(図1Dの)を示すことを意味
する。なお、この三安定状態を利用する液晶電気光学装
置については、本出願人は特願昭63−70212号と
して出願し、特開平2−153322号として公開され
ている。三安定状態を示す反強誘電性液晶の特徴をさら
に詳しく説明する。クラーク/ラガウェル(Clark
−Lagawall)により提案された表面安定化強誘
電性液晶素子では、S*C相において強誘電性液晶分子
が図2(a)および(b)のように一方向に均一配向し
た2つの安定状態を持ち、印加電界の方向により、どち
らか一方の状態に安定化され、電界を切ってもその状態
が保持される。しかしながら実際には、強誘電性液晶分
子の配向状態は、液晶分子のダイレクターが捩れたツイ
スト二状態を示したり、層がくの字に折れ曲ったシエブ
ロン構造を示す。シエブロン層構造では、スイッチング
角が小さくなり低コントラストの原因になるなど、実用
化へ向けて大きな障害になっている。一方、“反”強誘
電性液晶は三安定状態を示すSmC*A相では、上記液
晶電気光学装置において、無電界時には、図3(a)に
示すごとく隣り合う層毎に分子は逆方向に傾き反平行に
配列し、液晶分子の双極子はお互に打ち消し合ってい
る。したがって、液晶層全体として自発分極は打ち消さ
れている。この分子配列を示す液晶相は、図1Dのに
対応している。さらに、(+)又は(−)のしきい値よ
り充分大きい電圧を印加すると、図3(b)および
(c)に示すごとく液晶分子が同一方向に傾き、平行に
配列する。この状態では、分子の双極子も同一方向に揃
うため自発分極が発生し、強誘電相となる。“反”強誘
電性液晶のSmC*A相においては、無電界時の“反”
強誘電相と印加電界の極性による2つの強誘電相が安定
になり、“反”強誘電相と2つの強誘電相間を直流的し
きい値をもって三安定状態間をマイクロセカンドオーダ
ーの高速スイッチングを行うものである。すなわち、印
加電界の極性と大きさにより液晶の分子配列が変化し
て、液晶の光学軸を三状態に変化させることができ、こ
のような液晶の三状態を一対の偏光板にはさみ込むこと
により電気光学的表示装置として用いることができる。
交流三角波の印加電圧に対して光透過率をプロットする
と図4のようなダブル・ヒステリシスを示す。このダブ
ル・ヒステリシスに、図4の(A)に示すようにバイア
ス電圧を印加して、さらにパルス電圧を重畳することに
よりメモリー効果を実現できる特徴を有する。そして、
“反”強誘電性液晶では、プラス側とマイナス側の両方
のヒステリシスを交互に使い画像表示を行なうことがで
きるため、自発分極に基づく内部電界の蓄積による画像
の残像現象を防止することができる。さらに、電界印加
により強誘電相は層がストレッチされ、ブックシエルフ
構造となる。一方、第一安定状態の“反”強誘電相では
類似ブックシエルフ構造となる。この電界印加による層
構造スイッチングが液晶層に動的シエアーを与えるため
駆動中に配向欠陥が改善され、良好な分子配向が実現で
きる。以上のように、“反”強誘電性液晶は、1)高速
応答が可能で、2)高いコントラストと広い視野角およ
び3)良好な配向特性とメモリー効果が実現できる、非
常に有用な液晶化合物と言える。“反”強誘電性液晶の
三安定状態を示す液晶相については、1)A.D.L.
Chandani etal.,Japan J.Ap
pl.Phys.,28,L−1265(1989)お
よび2)H.Orihara etal.,Japan
J.Appl.Phys.,29,L−333(19
90)に報告されており、“反”強誘電的性質にちなみ
S*C A相(Antiferroelectric S
mectic C*相)と命名しているが本発明者ら
は、この液晶相が三安定状態間のスイッチングを行なう
ためS*(3)相(本明細書ではSmC*A相と表示)と定
義した。三安定状態を示す“反”強誘電相SmC*Aを
相系列に有する液晶化合物は、本発明者の出願した特開
平1−316367号、特開平1−316372号、特
開平1−316339号、特開平2−28128号及び
市橋等の特開平1−213390号公報があり、また三
安定状態を利用した液晶電気光学装置としては本出願人
は特開平2−40625号、特開平2−153322
号、特開平2−173724号において新しい提案を行
っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、骨格構造を
構成するベンゼン核の特定位置にフッ素置換基を有する
新規反強誘電性液晶化合物およびそれを含む液晶組成物
を提供する点にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式〔I〕
【化4】 (式中、m=4〜14、n=4〜12、Cf=CH3
はCF3であり、*は光学活性中心を示す。)で表され
る化合物よりなることを特徴とする光学的三安定状態を
示す反強誘電性液晶化合物に関する。下記の構造を有す
る化合物の骨格部において、フッ素の有無、置換位置の
違いにより反強誘電相〔S*(3)〕の出現の有無があ
る。光学活性部がCF3の場合、フッ素が無い場合、
およびの位置にフッ素置換された化合物のみ反強誘電
相〔S*(3)〕が出現する。光学活性部がCH3の場合、
の位置にフッ素置換された化合物のみ反強誘電相〔S
*(3)〕が出現する。以上のことから、の位置にフッ
素置換された化合物は、すなわち、本発明の化合物は反
強誘電相〔S*(3)〕を出現することができる。
【0005】
【化5】
【0006】本発明の化合物の合成例としては次のよう
なものがある。2−フルオロ−4−ベンジルオキシ安息
香酸クロライドと光学活性な1,1,1−トリフルオロ
−2−アルカノールとを反応させて、2−フルオロ−4
−ベンジルオキシ安息香酸 1,1,1−トリフルオロ
−2−アルキルエステルを得、これを水素化分解して、
2−フルオロ−4−ヒドロキシ安息香酸 1,1,1−
トリフルオロ−2−アルキルエステルを得た。得られた
アルキルエステルと4−n−アルキルカルボニルオキシ
安息香酸とをジシクロヘキシルカルボジイミドの存在下
に反応させて目的化合物である光学活性な3−フルオロ
−4−(1,1,1−トリフルオロ−2−アルキルオキ
シカルボニル)フェニル 4−n−アルキルカルボニル
オキシベンゾエートを得る。
【0007】
【実施例】以下に実施例により本発明の化合物につき説
明するが、これに限定されるものではない。
【0008】実施例1 1) 1,1,1−トリフルオロ−2−デシル 2′−
フルオロ−4′−ベンジルオキシベンゾエートの合成
【化6】 2−フルオロ−4−ベンジルオキシ安息香酸クロリド
1.30gを塩化メチレン10mlに溶解させ、次いで
光学活性な1,1,1−トリフルオロ−2−デカノール
0.96gとジメチルアミノピリジン0.55gとトリ
エチルアミン0.48gとを塩化メチレン20mlに溶
解した溶液を氷冷下にて少量づつ加えた。反応混合物を
室温に戻し、一昼夜反応させ、反応液を氷水に投入し、
塩化メチレンにて抽出し塩化メチレン相を希塩酸、水、
1N炭酸ナトリウム水溶液、水にて順次洗浄し、無水硫
酸マグネシウムにて乾燥して溶媒を留去し、粗生成物を
得た。これをトルエン−シリカゲルカラムクロマトグラ
フで処理し、さらにエタノールにて再結晶して目的物
1.80gを得た。 2) 1,1,1−トリフルオロ−2−デシル 2′−
フルオロ−4′−ヒドロキシベンゾエートの合成
【化7】 1)で得られた化合物をエタノール15mlに溶解し、
10%担持Pd−カーボン0.36gを加え、水素雰囲
気下水添反応を行ない、目的化合物1.40gを得た。 3) 4−n−デカノイルオキシ安息香酸の合成
【化8】 4−ヒドロキシ安息香酸1.9gとトリエチルアミン
1.4gとをジクロロメタン40mlに溶解する。デカ
ノイルクロライド2.7gとジメチルアミノピリジン
0.2gとを加え、室温にて約20時間かきまぜる。希
塩酸を加え、分液ロートにて有機層を分離する。溶媒を
留去し、残査物をn−ヘキサンにて洗浄した後、乾燥さ
せ、目的化合物約2.7gを得る。 4) 3−フルオロ−4−(1,1,1−トリフルオロ
−2−デシルオキシカルボニル)フェニル 4−n−デ
カノイルオキシベンゾエートの合成
【化9】 3)で得た4−n−デカノイルオキシ安息香酸0.28
gと、2)で得た1,1,1−トリフルオロ−2−デシ
ル 2′−フルオロ−4′−ヒドロキシベンゾエート
0.32gとを約30mlのテトラヒドロフラン中に溶
解する。ジシクロヘキシルカルボジイミド0.25gと
ジメチルアミノピリジン0.02gとを加え、室温にて
約20時間かきまぜる。溶媒を留去後、残査物をジクロ
ロメタンに溶解し、水洗する。有機層を無水硫酸マグネ
シウムにて乾燥後、溶媒を留去する。残査物をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフ(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エ
チル=20/1)にて精製し、目的化合物0.20gを
得る。ホットステージの偏光顕微鏡観察により次の相転
移温度(℃)を得た。
【表1】 ここで、S*(3)は三安定状態を示す相である。
【0009】実施例2 1) 1,1,1−トリフルオロ−2−オクチル 2′
−フルオロ−4′−ヒドロキシベンゾエートの合成
【化10】 実施例1の1)において用いた光学活性な1,1,1−
トリフルオロ−2−デカノール0.96gの代わりに、
1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルアルコール
0.95gを用いて同様に反応させる。得られた1,
1,1−トリフルオロ−2−オクチル 2′−フルオロ
−4′−ベンジルオキシベンゾエートを実施例1の2)
と同様の手法で、水素化分解し、目的物1.38gを得
た。 2) 3−フルオロ−4−(1,1,1−トリフルオロ
−2−オクチルオキシカルボニル)フェニル 4−n−
デカノイルオキシベンゾエートの合成
【化11】 実施例1の4)で用いた1,1,1−トリフルオロ−2
−デシル 2′−フルオロ−4′−ヒドロキシベンゾエ
ート0.32gの代わりに実施例2の1)で得た1,
1,1−トリフルオロ−2−オクチル 2′−フルオロ
−4′−ヒドロキシベンゾエート0.35gを用いて、
同様の反応をさせ、処理を施して、目的化合物0.18
gを得る。ホットステージ付偏光顕微鏡観察により、次
の相転移温度(℃)を得た。
【表2】
【0010】実施例3 1) 1,1,1−トリフルオロ−2−ヘキシル 2′
−フルオロ−4′−ヒドロキシベンゾエートの合成
【化12】 実施例1の1)において用いた光学活性な1,1,1−
トリフルオロ−2−デカノール0.96gの代わりに、
1,1,1−トリフルオロ−2−ヘキサノール0.97
gを用いて同様に反応させる。得られた1,1,1−ト
リフルオロ−2−ヘキシル 2′−フルオロ−4′−ベ
ンジルオキシベンゾエートを実施例1の2)と同様の手
法で、水素化分解し、目的物1.40gを得た。 2) 3−フルオロ−4−(1,1,1−トリフルオロ
−2−ヘキシルオキシカルボニル)フェニル 4−n−
デカノイルオキシベンゾエートの合成
【化13】 実施例1の4)で用いた1,1,1−トリフルオロ−2
−デシル 2′−フルオロ−4′−ヒドロキシベンゾエ
ート0.32gの代わりに実施例3の1)で得た1,
1,1−トリフルオロ−2−ヘキシル 2′−フルオロ
−4′−ヒドロキシベンゾエート0.30gを用いて、
同様の反応をさせ、処理を施して、目的化合物0.16
gを得る。ホットステージ付偏光顕微鏡観察により、次
の相転移温度(℃)を得た。
【表3】
【0011】実施例4 1) 2−オクチル 2′−フルオロ−4′−ヒドロキ
シベンゾエートの合成
【化14】 実施例1の1)において用いた光学活性な1,1,1−
トリフルオロ−2−デカノール0.96gの代わりに、
光学活性な2−オクチルアルコール0.65gを用いて
同様に反応させる。得られた2−オクチル 2′−フル
オロ−4′−ベンジルオキシベンゾエートを実施例1の
2)と同様の手法で、水素化分解し、目的物0.82g
を得た。 2) 3−フルオロ−4−(2−オクチルオキシカルボ
ニル)フェニル 4−n−デカノイルオキシベンゾエー
トの合成
【化15】 実施例1の4)で用いた1,1,1−トリフルオロ−2
−デシル 2′−フルオロ−4′−ヒドロキシベンゾエ
ート0.32gの代わりに実施例4の1)で得た2−オ
クチル 2′−フルオロ−4′−ヒドロキシベンゾエー
ト0.22gを用いて、同様の反応をさせ、処理を施し
て、目的化合物0.11gを得る。ホットステージ付偏
光顕微鏡観察により、次の相転移温度(℃)を得た。
【表4】
【0012】実施例5 1) 2−ヘキシル 2′−フルオロ−4′−ヒドロキ
シベンゾエートの合成
【化16】 実施例1の1)において用いた光学活性な1,1,1−
トリフルオロ−2−デカノール0.96gの代わりに、
光学活性な2−ヘキサノール0.55gを用いて同様に
反応させる。得られた2−ヘキシル 2′−フルオロ−
4′−ベンジルオキシベンゾエートを実施例1の2)と
同様の手法で、水素化分解し、目的物0.71gを得
た。 2) 3−フルオロ−4−(2−ヘキシルオキシカルボ
ニル)フェニル 4−n−デカノイルオキシベンゾエー
トの合成
【化17】 実施例1の4)で用いた1,1,1−トリフルオロ−2
−デシル 2′−フルオロ−4′−ヒドロキシベンゾエ
ート0.32gの代わりに実施例5の1)で得た2−ヘ
キシル 2′−フルオロ−4′−ヒドロキシベンゾエー
ト0.22gを用いて、同様の反応をさせ、処理を施し
て、目的化合物0.10gを得る。ホットステージ付偏
光顕微鏡観察により、次の相転移温度(℃)を得た。
【表5】
【0013】実施例6 1) 4−n−ウンデカノイルオキシ安息香酸の合成
【化18】実施例1の3)において用いたデカノイルク
ロライド2.7gの代わりに、ウンデカノイルクロライ
ド2.9gを用いて、同様の手法により目的化合物約
2.7gを得る。 2) 3−フルオロ−4−(1,1,1−トリフルオロ
−2−デシルオキシカルボニル)フェニル 4−ウンデ
カノイルオキシベンゾエートの合成
【化19】実施例1の4)において用いた4−n−デカ
ノイルオキシ安息香酸0.28gの代わりに実施例6の
1)で得た4−n−ウンデカノイルオキシ安息香酸0.
3gを用いて、同様の手法により、目的化合物0.21
gを得る。ホットステージを用いた偏光顕微鏡観察によ
り、次の相転移温度(℃)を得た。
【表6】
【0014】実施例7 1) 3−フルオロ−4−(1,1,1−トリフルオロ
−2−オクチルオキシカルボニル)フェニル 4−ウン
デカノイルオキシベンゾエートの合成
【化20】 実施例1の4)において用いた1,1,1−トリフルオ
ロ−2−デシル 2′−フルオロ−4′−ヒドロキシベ
ンゾエート0.32gの代わりに実施例2の1)で得た
1,1,1−トリフルオロ−2−オクチル 2′−フル
オロ−4′−ヒドロキシベンゾエート0.30gを用
い、また、実施例1の4)において用いた4−n−デカ
ノイルオキシ安息香酸0.28gの代わりに実施例6の
1)で得た4−n−ウンデカノイルオキシ安息香酸0.
30gを用いて、同様の手法により、目的化合物0.2
0gを得る。ホットステージを用いた偏光顕微鏡観察に
より、次の相転移温度(℃)を得た。
【表7】
【0015】実施例8 1) 3−フルオロ−4−(1,1,1−トリフルオロ
−2−ヘキシルオキシカルボニル)フェニル 4−ウン
デカノイルオキシベンゾエートの合成
【化21】 実施例1の4)において用いた1,1,1−トリフルオ
ロ−2−デシル 2′−フルオロ−4′−ヒドロキシベ
ンゾエート0.32gの代わりに実施例3の1)で得た
1,1,1−トリフルオロ−2−ヘキシル 2′−フル
オロ−4′−ヒドロキシベンゾエート0.29gを用
い、また、実施例1の4)において用いた4−n−デカ
ノイルオキシ安息香酸0.28gの代わりに実施例6の
1)で得た4−n−ウンデカノイルオキシ安息香酸0.
30gを用いて、同様の手法により、目的化合物0.1
8gを得る。ホットステージを用いた偏光顕微鏡観察に
より、次の相転移温度(℃)を得た。
【表8】
【0016】実施例9 1) 3−フルオロ−4−(2−オクチルオキシカルボ
ニル)フェニル 4−ウンデカノイルオキシベンゾエー
トの合成
【化22】 実施例1の4)において用いた1,1,1−トリフルオ
ロ−2−デシル 2′−フルオロ−4′−ヒドロキシベ
ンゾエート0.32gの代わりに実施例4の1)で得た
2−オクチル 2′−フルオロ−4′−ヒドロキシベン
ゾエート0.22gを用い、また、実施例1の4)にお
いて用いた4−n−デカノイルオキシ安息香酸0.28
gの代わりに実施例6の1)で得た4−n−ウンデカノ
イルオキシ安息香酸0.30gを用いて、同様の手法に
より、目的化合物0.11gを得る。ホットステージを
用いた偏光顕微鏡観察により、次の相転移温度(℃)を
得た。
【表9】
【0017】実施例10 下記に示す化合物を各々下記に示す割合にて配合して反
強誘電性液晶組成物1を作成した。
【化23】 この反強誘電性液晶組成物1に実施例2、3、5の化合
物を各々下記に示す割合にて配合して反強誘電性液晶組
成物2、3、4を作成した。
【化24】 前記各組成物の応答速度を図7に示す。なお、応答速度
の測定方法は以下に説明する。
【0018】応答速度の測定方法 ラビング処理したポリイミド配向膜を透明電極基板上に
有するセル厚2.0μmの液晶セルに、実施例で得られ
た液晶化合物または液晶組成物を等方相において充填
し、液晶薄膜セルを作製した。作製した液晶セルを0.
1〜1.0℃/min.の温度勾配で徐冷して析出させ
た。この液晶セルを2枚の偏光板を直交させた、光電子
増倍管付き偏光顕微鏡に電圧0Vの状態で暗視野となる
ように配置した。液晶が反強誘電相であるときに、セル
に±40V、1Hzの三角波電圧を印加したときの光の
相対透過率を、印加した電圧に対してグラフ化すると図
5のようになる。図に示すようにプラス電圧を印加した
ときと、マイナス電圧を印加したときとでほぼ左右対称
な二つのヒステリシスを有することが特徴である。セル
に図6に示すような±50Vの矩形波を印加したときの
光の相対透過率の変化から応答時間τ、τr、τdを求
めることができる。τは強誘電相状態(具体的にはマイ
ナス側の矩形波電圧終了時)から反強誘電相の状態を経
由して次の強誘電相状態(具体的にはプラス側の矩形波
電圧印加により相対透過率が90%に達したとき)にな
るまでの時間である。τrは反強誘電相の状態(具体的
には矩形波電圧をかけた時)から強誘電相の状態(具体
的には相対透過率が90%に達した時)に転移するまで
の時間であり、τdは強誘電相の状態(具体的には矩形
波電圧終了時)から反強誘電相の状態(具体的には相対
透過率が10%になった時)になるまでの時間である。
いずれも単位はμsec.である。応答時間τ、τr、
τdが短いということは液晶の応答速度が速いことを意
味する。
【0019】本発明の実施態様を以下に列挙する。 1.一般式〔I〕
【化25】 (式中、m=4〜14、n=4〜12、Cf=CH3
はCF3であり、*は光学活性中心を示す。)で表され
る化合物よりなることを特徴とする光学的三安定状態を
示す反強誘電性液晶化合物。 2.一般式〔II〕
【化26】 (式中、m=4〜14、n=4〜12であり、*は光学
活性中心を示す。)で表される化合物よりなることを特
徴とする光学的三安定状態を示す反強誘電性液晶化合
物。 3.一般式〔III〕
【化27】 (式中、m=4〜14、n=4〜12であり、*は光学
活性中心を示す。)で表される化合物よりなることを特
徴とする光学的三安定状態を示す反強誘電性液晶化合
物。 4.一般式〔IV〕
【化28】 〔式中、m=(8、9、10、11、12)、n=
(4、6、8)であり、*は光学活性中心を示す。〕で
表される化合物よりなることを特徴とする光学的三安定
状態を示す反強誘電性液晶化合物。 5.一般式〔V〕
【化29】 〔式中、m=(8、9、10、11、12)、n=
(4、6、8)であり、*は光学活性中心を示す。〕で
表される化合物よりなることを特徴とする光学的三安定
状態を示す反強誘電性液晶化合物。 6.
【化30】 (式中、*は光学活性中心を示す。)で表される化合物
よりなることを特徴とする光学的三安定状態を示す反強
誘電性液晶化合物。 7.
【化31】 (式中、*は光学活性中心を示す。)で表される化合物
よりなることを特徴とする光学的三安定状態を示す反強
誘電性液晶化合物。 8.
【化32】 (式中、*は光学活性中心を示す。)で表される化合物
よりなることを特徴とする光学的三安定状態を示す反強
誘電性液晶化合物。 9.
【化33】 (式中、*は光学活性中心を示す。)で表される化合物
よりなることを特徴とする光学的三安定状態を示す反強
誘電性液晶化合物。 10.
【化34】 (式中、*は光学活性中心を示す。)で表される化合物
よりなることを特徴とする光学的三安定状態を示す反強
誘電性液晶化合物。 11.前記1、2、3、4、5、6、7、8、9または
10項記載の反強誘電性液晶化合物を1種以上含有する
ことを特徴とする液晶組成物。
【0020】
【効果】本発明により、室温付近またはそれより低温で
反強誘電相を示す新規な反強誘電性液晶化合物を提供で
きた。本発明の液晶化合物を液晶組成物の1成分として
添加することにより、液晶組成物の応答速度を向上する
ことができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】Aは印加される三角波を、Bは市販のネマチッ
ク液晶の、Cは二状態液晶の、Dは三安定状態液晶の、
それぞれの光学応答特性を示す。
【図2】クラーク/ラガウェルにより提案された強誘電
性液晶分子の二つの安定した配向状態を示す。
【図3】Aは、本発明の“反”強誘電性液晶分子の三つ
の安定した配向状態を示す。Bは、Aの各(a)、
(b)、(c)に対応した三状態スイッチングと液晶分
子配列の変化を示す。
【図4】“反”強誘電性液晶分子が印加電圧に対してダ
ブルヒステリシスを描いて光透過率が変化することを示
す印加電圧−光透過率特性図である。
【図5】三角波印加電圧に対する相対透過率のヒステリ
シス曲線のモデルを示す。
【図6】(A)は印加電圧と時間の関係を示し、(B)
はその印加電圧がかかったときの液晶分子の応答状態を
示すグラフである。
【図7】実施例10の組成物1、2、3および4の温度
と応答速度との関係を示すグラフである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式〔I〕 【化1】 (式中、m=4〜14、n=4〜12、Cf=CH3
    はCF3であり、*は光学活性中心を示す。)で表され
    る化合物よりなることを特徴とする光学的三安定状態を
    示す反強誘電性液晶化合物。
  2. 【請求項2】 一般式〔II〕 【化2】 (式中、m=4〜14、n=4〜12であり、*は光学
    活性中心を示す。)で表される化合物よりなることを特
    徴とする光学的三安定状態を示す反強誘電性液晶化合
    物。
  3. 【請求項3】 一般式〔III〕 【化3】 (式中、m=4〜14、n=4〜12であり、*は光学
    活性中心を示す。)で表される化合物よりなることを特
    徴とする光学的三安定状態を示す反強誘電性液晶化合
    物。
  4. 【請求項4】 前記請求項1、2または3記載の反強誘
    電性液晶化合物を1種以上含有することを特徴とする液
    晶組成物。
JP6277109A 1994-10-17 1994-10-17 反強誘電性液晶化合物およびそれを含む液晶組成物 Pending JPH08113553A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6277109A JPH08113553A (ja) 1994-10-17 1994-10-17 反強誘電性液晶化合物およびそれを含む液晶組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6277109A JPH08113553A (ja) 1994-10-17 1994-10-17 反強誘電性液晶化合物およびそれを含む液晶組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08113553A true JPH08113553A (ja) 1996-05-07

Family

ID=17578915

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6277109A Pending JPH08113553A (ja) 1994-10-17 1994-10-17 反強誘電性液晶化合物およびそれを含む液晶組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08113553A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5951914A (en) * 1996-09-12 1999-09-14 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. Racemic compound and anti-ferroelectric liquid crystal composition

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5951914A (en) * 1996-09-12 1999-09-14 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. Racemic compound and anti-ferroelectric liquid crystal composition

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3210730B2 (ja) 反強誘電性液晶セル
JPH08113553A (ja) 反強誘電性液晶化合物およびそれを含む液晶組成物
JPH0665154A (ja) 液晶化合物
JPH08268970A (ja) 反強誘電性液晶化合物およびそれを含む液晶組成物
JP2858427B2 (ja) 液晶化合物
JP3333078B2 (ja) 応答速度の温度依存性に優れた反強誘電性液晶化合物
JP3105553B2 (ja) 液晶化合物
JP2880524B2 (ja) 液晶化合物
JPH08253441A (ja) 五員環中に不斉炭素をもつ液晶化合物およびそれを含む液晶組成物
JP3176546B2 (ja) 新規液晶化合物、それを用いた反強誘電性液晶組成物および反強誘電性液晶表示素子
JP2933688B2 (ja) 液晶素子
JPH0912510A (ja) 反強誘電性液晶化合物及びその組成物
JP2902398B2 (ja) 液晶化合物およびそれを用いた三安定状態間の光学応答を示す光学素子用液晶
JPH0912509A (ja) 反強誘電性液晶化合物及びその組成物
JPH06128236A (ja) 反強誘電性液晶化合物
JPH0632770A (ja) 反強誘電性液晶化合物
JPH09301929A (ja) 応答速度の速い反強誘電性液晶化合物およびそれを含む反強誘電性液晶組成物
JPH0525134A (ja) ピリジン誘導体とそれを含む強誘電性液晶組成物
JPH05230032A (ja) 液晶化合物
JPH0725829A (ja) 反強誘電性液晶化合物
JPH054945A (ja) 液晶化合物
JPH09157264A (ja) ピペラジン骨格を有する反強誘電性液晶化合物及び組成物
JPH09216852A (ja) 応答速度の温度依存性に優れた反強誘電性液晶化合物
JPH09216851A (ja) 応答速度の速い液晶化合物およびそれを含む液晶組成物
JPH08291138A (ja) 反強誘電性液晶化合物およびそれを含む液晶組成物