JPH0791059B2 - ガリウムの回収方法 - Google Patents
ガリウムの回収方法Info
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- JPH0791059B2 JPH0791059B2 JP12721787A JP12721787A JPH0791059B2 JP H0791059 B2 JPH0791059 B2 JP H0791059B2 JP 12721787 A JP12721787 A JP 12721787A JP 12721787 A JP12721787 A JP 12721787A JP H0791059 B2 JPH0791059 B2 JP H0791059B2
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- gacl
- chloride
- scrap
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-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C01—INORGANIC CHEMISTRY
- C01G—COMPOUNDS CONTAINING METALS NOT COVERED BY SUBCLASSES C01D OR C01F
- C01G15/00—Compounds of gallium, indium or thallium
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- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Inorganic Chemistry (AREA)
- Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
- Vaporization, Distillation, Condensation, Sublimation, And Cold Traps (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は化合物半導体として電子産業に広く用いられる
ガリウム・ヒ素(以下Ga・Asと略記)、ガリウム・リン
(以下Ga・Pと略記)等の化合物を製造時およびその他
の場合に生ずるGaを含むスクラップからGaを分離回収す
る方法に関する。
ガリウム・ヒ素(以下Ga・Asと略記)、ガリウム・リン
(以下Ga・Pと略記)等の化合物を製造時およびその他
の場合に生ずるGaを含むスクラップからGaを分離回収す
る方法に関する。
Ga・AsおよびGa・P等の製造は、一般にはそれら化合物
の溶体より引上げ法により単結晶を製造し、該単結晶を
切断してウエハとし、該ウエハを数mm角のチップに切断
する。このように上記製造工程においては数段階の切断
工程を経る際に多量の切断屑が生じ、また単結晶精製の
際に該結晶上端の不定形部分がカットされたり、ルツボ
に多結晶ガリウム・ヒ素、ガリウム・リン等の化合物が
残る等の理由からかなりのスクラップが生じる。
の溶体より引上げ法により単結晶を製造し、該単結晶を
切断してウエハとし、該ウエハを数mm角のチップに切断
する。このように上記製造工程においては数段階の切断
工程を経る際に多量の切断屑が生じ、また単結晶精製の
際に該結晶上端の不定形部分がカットされたり、ルツボ
に多結晶ガリウム・ヒ素、ガリウム・リン等の化合物が
残る等の理由からかなりのスクラップが生じる。
他方、ガリウムはその存在量が少ない稀元素であり、特
定の鉱石も存在しない。このため上記スクラップからガ
リウムを回収して再利用することが求められ、その回収
方法として従来種々の方法が知られている。
定の鉱石も存在しない。このため上記スクラップからガ
リウムを回収して再利用することが求められ、その回収
方法として従来種々の方法が知られている。
[従来技術] 従来の回収方法は概ね湿式法と乾式法とに区別しうる。
湿式法の一例は、ガリウム・ヒ素含有スクラップを酸化
剤の存在下で酸またはアルカリで溶解し、該溶解液のpH
を2〜8に調整してガリウムの水酸化物を沈澱させ、こ
れを別回収してアルカリ溶解して電解し、金属ガリウ
ムとして回収する方法である。(特公昭56−3866号)。
また他の一例はガリウムと元素周期率表Vb族元素から成
る金属間化合物をアルカリ水溶液中で過酸化水素によっ
て酸化分解し、次いで得られたガリウム酸およびVb族元
素酸素酸のアルカリ塩を含むアルカリ水溶液を電気分解
することにより金属ガリウムを回収する方法である(特
開昭50−84410号)。
湿式法の一例は、ガリウム・ヒ素含有スクラップを酸化
剤の存在下で酸またはアルカリで溶解し、該溶解液のpH
を2〜8に調整してガリウムの水酸化物を沈澱させ、こ
れを別回収してアルカリ溶解して電解し、金属ガリウ
ムとして回収する方法である。(特公昭56−3866号)。
また他の一例はガリウムと元素周期率表Vb族元素から成
る金属間化合物をアルカリ水溶液中で過酸化水素によっ
て酸化分解し、次いで得られたガリウム酸およびVb族元
素酸素酸のアルカリ塩を含むアルカリ水溶液を電気分解
することにより金属ガリウムを回収する方法である(特
開昭50−84410号)。
以上の様な湿式法は、何れもガリウム含有スクラップを
酸ないしアルカリで溶解し、不純物を沈澱等により除去
した後に電解採取することを基本としている。
酸ないしアルカリで溶解し、不純物を沈澱等により除去
した後に電解採取することを基本としている。
次に乾式法としては、Ga・Pの場合はスクラップを500
〜1000℃、Ga・Asの場合は1100〜1150℃の高温で真空蒸
留し、P、Asを昇華させてこれを凝縮回収する一方、精
製した溶融Gaを冷却後酸で洗浄して回収する方法が公開
されている(東独特許第159421号)および(特開昭57−
101625号)。しかし、これら公開された方法は何れも問
題点なしとしない。即ち湿式法においては溶解するとき
にホスフィン(PH3)や水素(H2)などのガスが発生し
特にホスフィンは毒性が強い上に、自然発火するため危
険である。また乾式法の場合は、蒸留温度が極めて高く
エネルギーコストが嵩む問題があり、さらに析出したリ
ンが発火するため危険である。
〜1000℃、Ga・Asの場合は1100〜1150℃の高温で真空蒸
留し、P、Asを昇華させてこれを凝縮回収する一方、精
製した溶融Gaを冷却後酸で洗浄して回収する方法が公開
されている(東独特許第159421号)および(特開昭57−
101625号)。しかし、これら公開された方法は何れも問
題点なしとしない。即ち湿式法においては溶解するとき
にホスフィン(PH3)や水素(H2)などのガスが発生し
特にホスフィンは毒性が強い上に、自然発火するため危
険である。また乾式法の場合は、蒸留温度が極めて高く
エネルギーコストが嵩む問題があり、さらに析出したリ
ンが発火するため危険である。
[問題解決に係る知見] 本発明者は、ガリウム・ヒ素及びリンの塩化物は融点が
低く、比較的低温で溶融することができ、しかもこれら
塩化物の沸点はGaCl3 201℃、AsCl3 130℃、PCl3 75
℃、PCl5 166℃であり、比較的低く、かつ充分な温度差
を有していることに注目し、上記ガリウムを含有してい
るスクラップを塩素ガスにより塩化物とし、蒸留分離す
ることを試み、この方法により高純度のガリウムを回収
できることを見出して本発明をなすに至った。
低く、比較的低温で溶融することができ、しかもこれら
塩化物の沸点はGaCl3 201℃、AsCl3 130℃、PCl3 75
℃、PCl5 166℃であり、比較的低く、かつ充分な温度差
を有していることに注目し、上記ガリウムを含有してい
るスクラップを塩素ガスにより塩化物とし、蒸留分離す
ることを試み、この方法により高純度のガリウムを回収
できることを見出して本発明をなすに至った。
[発明の構成] 本発明はGaを含有するスクラップを塩素と反応させ、Ga
および他の元素の一部または全部を塩化物とし、塩素化
後又は塩素化と同時に蒸溜分離した粗塩化ガリウムを精
製することを特徴とするGaの回収方法を提供するもので
ある。
および他の元素の一部または全部を塩化物とし、塩素化
後又は塩素化と同時に蒸溜分離した粗塩化ガリウムを精
製することを特徴とするGaの回収方法を提供するもので
ある。
本発明は、従来の方法とは全く異った塩素化蒸留法とも
言うべき独自のGaの分離回収方法である。
言うべき独自のGaの分離回収方法である。
図面に本発明に係る分離回収方法のフローシートを示
す。本発明においては、ガリウムを含有するスクラップ
を溶解する手段として、溶解容器中にガリウムを含有す
るスクラップを装入し、塩素ガスによる塩素化を行な
う。
す。本発明においては、ガリウムを含有するスクラップ
を溶解する手段として、溶解容器中にガリウムを含有す
るスクラップを装入し、塩素ガスによる塩素化を行な
う。
該ガリウム含有スクラップは塩素ガスとの接触を高める
ため粉砕して用いるのが好ましい。原料となるガリウム
含有スクラップは、前述したように、ガリウム・ヒ素、
ガリウム・リン等の化合物半導体の製造工程から生じる
各種の切断屑や切断片及び金属ガリウムを含む各種スク
ラップを用いることができる。
ため粉砕して用いるのが好ましい。原料となるガリウム
含有スクラップは、前述したように、ガリウム・ヒ素、
ガリウム・リン等の化合物半導体の製造工程から生じる
各種の切断屑や切断片及び金属ガリウムを含む各種スク
ラップを用いることができる。
本発明方法によれば、不純物を多量に含む粗金属ガリウ
ムも同様に処理することが可能である。塩素化工程の反
応は一般に次式で表わされる。
ムも同様に処理することが可能である。塩素化工程の反
応は一般に次式で表わされる。
Ga+Cl2→GaCl2 GaCl2+1/2 Cl2→GaCl3 As+3/2 Cl2→AsCl3 P+3/2 Cl2→PCl3 PCl3+ Cl2→PCl5 M+x/2 Cl2→MClx ここにMは上記以外のメタルを表わす。この様にガリウ
ムはGaCl2とGaCl3の二種類の塩化物を生成するが、後の
分離精製工程の必要に応じて、塩素ガスを過剰に供給す
れば、GaCl2はGaCl3に転換される。
ムはGaCl2とGaCl3の二種類の塩化物を生成するが、後の
分離精製工程の必要に応じて、塩素ガスを過剰に供給す
れば、GaCl2はGaCl3に転換される。
塩素ガスの吹込み速度には、特に制約はなく、塩素ガス
の反応効率や反応時間等の経済的要因から適宜選択す
る。
の反応効率や反応時間等の経済的要因から適宜選択す
る。
塩素化終了後の生成物中には塩化ガリウムの他に処理原
料中に含まれていた不純物金属の塩化物を含んでいるの
で、次にこれら不純物の塩化物と塩化ガリウムを蒸留分
離する。媒体の塩化物や、スクラップ中の不純物から生
成するAsCl3、PCl3等の塩化物は、GaCl3の沸点201℃よ
りかなり低い沸点を有するのでこれらの大部分を蒸留分
離する。尚、上記塩素化反応をここに示す様な蒸留工程
の温度に保持することにより、塩素化と低沸点塩化物の
蒸留を同時に行なうことも可能である。
料中に含まれていた不純物金属の塩化物を含んでいるの
で、次にこれら不純物の塩化物と塩化ガリウムを蒸留分
離する。媒体の塩化物や、スクラップ中の不純物から生
成するAsCl3、PCl3等の塩化物は、GaCl3の沸点201℃よ
りかなり低い沸点を有するのでこれらの大部分を蒸留分
離する。尚、上記塩素化反応をここに示す様な蒸留工程
の温度に保持することにより、塩素化と低沸点塩化物の
蒸留を同時に行なうことも可能である。
Ga含有スクラップがリンを含む場合は、リンの一部がPC
l5となり、このPCl5は融点が160℃と高く160℃以下では
スクラップの表面をPCl5が覆い、反応が進まなくなるの
で、160℃以上で塩素化を行うのが良い。より好ましく
はPCl3、PCl5を揮発させながら塩素化を行うのが良い。
またPCl5は沸点も166℃と高く、GaCl3の沸点201℃と近
く分離が難しいのでPCl5の生成を少なくすることが好ま
しい。PCl5の生成を少なくする為には塩素化温度を300
℃以上にするのが好ましい。
l5となり、このPCl5は融点が160℃と高く160℃以下では
スクラップの表面をPCl5が覆い、反応が進まなくなるの
で、160℃以上で塩素化を行うのが良い。より好ましく
はPCl3、PCl5を揮発させながら塩素化を行うのが良い。
またPCl5は沸点も166℃と高く、GaCl3の沸点201℃と近
く分離が難しいのでPCl5の生成を少なくすることが好ま
しい。PCl5の生成を少なくする為には塩素化温度を300
℃以上にするのが好ましい。
AsCl3、PCl3等の低沸点塩化物を蒸留した後の蒸留残分
は、GaCl2、GaCl3を主成分とし、スクラップ中の不純物
から生成する他の高沸点塩化物、例えばAlCl3やCrCl3等
を含む粗塩化ガリウムである。さらに精製してから又は
直ちに還元して金属ガリウムを回収する。
は、GaCl2、GaCl3を主成分とし、スクラップ中の不純物
から生成する他の高沸点塩化物、例えばAlCl3やCrCl3等
を含む粗塩化ガリウムである。さらに精製してから又は
直ちに還元して金属ガリウムを回収する。
精製法の一つとして蒸留及び精留による方法がある。こ
の方法による場合には、まず粗塩化ガリウムに更に塩素
ガスを吹込みGaCl2をより沸点の低いGaCl3に転換する
(再塩素化)、ついで常法に従いGaCl3を蒸留、更に精
留して、他の不純物から分離精製して精製塩化ガリウム
(GaCl3)を得ることができる。
の方法による場合には、まず粗塩化ガリウムに更に塩素
ガスを吹込みGaCl2をより沸点の低いGaCl3に転換する
(再塩素化)、ついで常法に従いGaCl3を蒸留、更に精
留して、他の不純物から分離精製して精製塩化ガリウム
(GaCl3)を得ることができる。
上記工程により得られた粗塩化ガリウム又は精製塩化ガ
リウムは必要に応じ還元し、金属ガリウムとする。粗塩
化ガリウム又は精製塩化ガリウムを還元して金属ガリウ
ムを回収する還元方法としては(a)アルミ粉末、亜鉛
末による還元、(b)水素還元、(c)電解採取の各方
法を実施することができる。
リウムは必要に応じ還元し、金属ガリウムとする。粗塩
化ガリウム又は精製塩化ガリウムを還元して金属ガリウ
ムを回収する還元方法としては(a)アルミ粉末、亜鉛
末による還元、(b)水素還元、(c)電解採取の各方
法を実施することができる。
これらの方法の反応は次式により表わされる。
(a)アルミ粉末、亜鉛末による還元 GaCl3+Al→Ga+AlCl3 2GaCl3+3Zn→2Ga+3ZnCl3 (b)水素還元 2GaCl3+3H2→2Ga+6HCl GaCl2+H2→Ga+2HCl (c)電解採取 Ga3++3e-→Ga Ga2++2e-→Ga アルミ粉末、亜鉛末による還元は水素還元法による場合
と異なり還元方法そのものには不純物を効率よく分離す
る機能が含まれていないので、上記方法により予め塩化
ガリウムを精製して用いなければならない。
と異なり還元方法そのものには不純物を効率よく分離す
る機能が含まれていないので、上記方法により予め塩化
ガリウムを精製して用いなければならない。
次に電解採取であるが、これには酸性溶液を用いる場合
とアルカリ溶液を用いる場合がある。酸性溶液を用いる
場合、不純物の同時析出やAsH3の発生を防止するため、
予め塩化ガリウムを精製する必要がある。アルカリ溶液
を用いるばあいには塩化ガリウムを中和し、生成した水
酸化ガリウム[Ga(OH)3]の沈澱を別し、NaOH等の
アルカリを加えて溶解して、電解採取する。この場合、
鉄等の金属不純物はアルカリ浴に不溶なので、容易に分
離される。ヒ素、クロム等はアルカリ浴での不溶性化合
物を生成させ過分離する。また、ガリウムがGaCl2で
あってもGaCl3であっても同様の方法で処理できる。従
って、この方法による場合は粗塩化ガリウムを直接処理
することができる。ガリウムと分離される他の低沸点塩
化物も精製工程を経て高純度塩化物として、更に還元工
程を経ることにより高純度メタルとして回収し、半導体
原料として使用することができる。
とアルカリ溶液を用いる場合がある。酸性溶液を用いる
場合、不純物の同時析出やAsH3の発生を防止するため、
予め塩化ガリウムを精製する必要がある。アルカリ溶液
を用いるばあいには塩化ガリウムを中和し、生成した水
酸化ガリウム[Ga(OH)3]の沈澱を別し、NaOH等の
アルカリを加えて溶解して、電解採取する。この場合、
鉄等の金属不純物はアルカリ浴に不溶なので、容易に分
離される。ヒ素、クロム等はアルカリ浴での不溶性化合
物を生成させ過分離する。また、ガリウムがGaCl2で
あってもGaCl3であっても同様の方法で処理できる。従
って、この方法による場合は粗塩化ガリウムを直接処理
することができる。ガリウムと分離される他の低沸点塩
化物も精製工程を経て高純度塩化物として、更に還元工
程を経ることにより高純度メタルとして回収し、半導体
原料として使用することができる。
[本発明の効果] 本発明の方法によれば、例えばガリウム・ヒ素スクラッ
プから高純度のガリウムのみならずヒ素を低コストで同
時に分離回収出来る。
プから高純度のガリウムのみならずヒ素を低コストで同
時に分離回収出来る。
本発明の方法はガリウム含有スクラップと塩素ガスを直
接反応させるので、湿式法での溶解に比べて反応時間が
短い。
接反応させるので、湿式法での溶解に比べて反応時間が
短い。
又ガリウム含有スクラップにリンを含有する場合には、
湿式法では毒性が強く、自然発火性のあるホスフィンの
発生があり、乾式法では自然発火性のあるリンの生成が
あるが、本発明の方法ではそれら危険性のある物質の生
成が無く、作業が安全に行える。
湿式法では毒性が強く、自然発火性のあるホスフィンの
発生があり、乾式法では自然発火性のあるリンの生成が
あるが、本発明の方法ではそれら危険性のある物質の生
成が無く、作業が安全に行える。
本発明の方法は蒸留温度が200℃ないし500℃程度であ
り、従来の乾式法で行なわれる1150℃の高温蒸留に比べ
て蒸留温度が格段に低く、従ってエネルギーコストがは
るかに少なく、かつ実施も容易である。また本発明の方
法によれば、粗塩化ガリウム低沸点塩化物より、GaC
l3、AsCl3、PCl3の精製を得ることにより、半導体原料
として好適な高純度の塩化ガリウム、塩化ヒ素、塩化リ
ンを直接塩化物の形で得ることができる。また得られる
粗塩化ガリウム、精製塩化ガリウム、精製塩化ヒ素、精
製塩化リンを更に還元することにより6N純度の金属ガリ
ウム、金属ヒ素、金属リンとして回収することができ
る。
り、従来の乾式法で行なわれる1150℃の高温蒸留に比べ
て蒸留温度が格段に低く、従ってエネルギーコストがは
るかに少なく、かつ実施も容易である。また本発明の方
法によれば、粗塩化ガリウム低沸点塩化物より、GaC
l3、AsCl3、PCl3の精製を得ることにより、半導体原料
として好適な高純度の塩化ガリウム、塩化ヒ素、塩化リ
ンを直接塩化物の形で得ることができる。また得られる
粗塩化ガリウム、精製塩化ガリウム、精製塩化ヒ素、精
製塩化リンを更に還元することにより6N純度の金属ガリ
ウム、金属ヒ素、金属リンとして回収することができ
る。
[発明の具体的開示] 実施例1 2の4口フラスコにガリウム・ヒ素スクラップを500g
入れた。これを60℃に加熱した。次いで400ml/minの割
合でCl2ガスを浴中に吹込んだ。ガリウムとヒ素の塩素
化反応は発熱反応のため、フラスコ内の温度は70〜90℃
となる。一部揮発したAsCl3はフラスコのCl2ガス出口に
取付けた冷却管により冷却され液体状となり、フラスコ
に戻された。フラスコに348のCl2ガスをさらに吹込ん
だ後、生成したGaCl3とAsCl3の混合液を取出した。生成
量は1242g(GaCl3 607g、AsCl3 605g)であった。
入れた。これを60℃に加熱した。次いで400ml/minの割
合でCl2ガスを浴中に吹込んだ。ガリウムとヒ素の塩素
化反応は発熱反応のため、フラスコ内の温度は70〜90℃
となる。一部揮発したAsCl3はフラスコのCl2ガス出口に
取付けた冷却管により冷却され液体状となり、フラスコ
に戻された。フラスコに348のCl2ガスをさらに吹込ん
だ後、生成したGaCl3とAsCl3の混合液を取出した。生成
量は1242g(GaCl3 607g、AsCl3 605g)であった。
次にこの混合液から500gを抜出して500mlの4口フラス
コに入れ、マントルヒーターで加熱して蒸留精製を行っ
た。蒸溜管は長さ500mm、内径20mmでガラスビーズを充
填した。
コに入れ、マントルヒーターで加熱して蒸留精製を行っ
た。蒸溜管は長さ500mm、内径20mmでガラスビーズを充
填した。
まず蒸留管上部の温度を130℃としてAsCl3を留出させ
た。留出物は冷却管により冷却蒸縮し、液体として取出
した後、秤量し成分を分析した。AsCl3を留出させた後
に蒸留管上部の温度を200℃にしてGaCl3を留出させた。
回収されたAsCl3は222で純度は99.9%であった。又回収
されたGaCl3は239gでその純度は99.8%であった。
た。留出物は冷却管により冷却蒸縮し、液体として取出
した後、秤量し成分を分析した。AsCl3を留出させた後
に蒸留管上部の温度を200℃にしてGaCl3を留出させた。
回収されたAsCl3は222で純度は99.9%であった。又回収
されたGaCl3は239gでその純度は99.8%であった。
実施例2 実施例1で得られたGaCl3(純度99.8%)を精留した。
蒸留管は長さ1000mm、内径50mmのガラス管にガラスビー
ズを充填して使用した。初留としてAsCl3に富んだもの
が得られた。その後GaCl3に富んだものが得られた。得
られたGaCl3は191g、純度99.9999%であった。
蒸留管は長さ1000mm、内径50mmのガラス管にガラスビー
ズを充填して使用した。初留としてAsCl3に富んだもの
が得られた。その後GaCl3に富んだものが得られた。得
られたGaCl3は191g、純度99.9999%であった。
実施例3 2の4口フラスコにガリウム・リンスクラップ500gを
装入し、これを約300℃にマントルヒーターで加熱し
た。
装入し、これを約300℃にマントルヒーターで加熱し
た。
次いでCl2を500ml/minでフラスコ中に吹込んだ。ガリウ
ムは大部分GaCl3となり揮発、リンも大部分がPCl3とな
り、一部PCl5となったものも揮発するので、常にスクラ
ップの新しい表面がCl2と反応する。反応は発熱反応な
のでほとんど加熱の必要なく温度が維持できる。揮発し
てきた塩化物は120〜160℃に冷却され、GaCl3を凝縮回
収する。PCl3は沸点が75℃なので凝縮せず、GaCl3の精
製が行える。PCl3を主とするガスは更に冷却され、PCl3
その他の低沸点塩化物が凝縮する。
ムは大部分GaCl3となり揮発、リンも大部分がPCl3とな
り、一部PCl5となったものも揮発するので、常にスクラ
ップの新しい表面がCl2と反応する。反応は発熱反応な
のでほとんど加熱の必要なく温度が維持できる。揮発し
てきた塩化物は120〜160℃に冷却され、GaCl3を凝縮回
収する。PCl3は沸点が75℃なので凝縮せず、GaCl3の精
製が行える。PCl3を主とするガスは更に冷却され、PCl3
その他の低沸点塩化物が凝縮する。
Cl2ガス120を吹込んだ後、ガリウムに富んだ塩化物
(Ga含有量149gP含有量14g)とガリウムの少ない塩化物
(Ga含有量3g、P含有量56g)を得た。
(Ga含有量149gP含有量14g)とガリウムの少ない塩化物
(Ga含有量3g、P含有量56g)を得た。
ガリウムに富んだ塩化物を1.5の水に溶解した後、NaO
HにてPH6に調整し、ガリウムを水酸化ガリウムGa(OH)
3として沈澱回収した。リンの大部分は液に入り除去
される。水酸化ガリウムGa(OH)3に更にNaOHを加えて
ガリウムを溶解した後、各種試薬により液中の不純物を
除き、電解採取を行ないガリウムメタル146gを回収し
た。純度は99.996%であった。
HにてPH6に調整し、ガリウムを水酸化ガリウムGa(OH)
3として沈澱回収した。リンの大部分は液に入り除去
される。水酸化ガリウムGa(OH)3に更にNaOHを加えて
ガリウムを溶解した後、各種試薬により液中の不純物を
除き、電解採取を行ないガリウムメタル146gを回収し
た。純度は99.996%であった。
実施例4 1の4口フラスコにガリウム含有スクラップ(Ga 78
%、Bi 5%、SiO2 15%)を500g入れた。マントルヒー
ターでフラスコを240℃に加熱した後、400ml/minの割合
でCl2ガスをフラスコ中に吹込んだ。ガリウムとビズマ
スの塩素化反応は発熱反応の為、フラスコ内は約250℃
に維持される。該温度では、BiCl3の沸点は441℃なので
フラスコ中に留まるが、GaCl3の沸点は201℃なので揮発
し、冷却により凝縮し回収される。
%、Bi 5%、SiO2 15%)を500g入れた。マントルヒー
ターでフラスコを240℃に加熱した後、400ml/minの割合
でCl2ガスをフラスコ中に吹込んだ。ガリウムとビズマ
スの塩素化反応は発熱反応の為、フラスコ内は約250℃
に維持される。該温度では、BiCl3の沸点は441℃なので
フラスコ中に留まるが、GaCl3の沸点は201℃なので揮発
し、冷却により凝縮し回収される。
Cl2ガスを250吹込んだ後、冷却部にて純度99.99%のG
aCl3956gを得た。
aCl3956gを得た。
図は本発明の方法を示すフローシートである。
Claims (1)
- 【請求項1】ガリウムを含有するスクラップを塩素と反
応させガリウムおよび他の元素の一部又は全部を塩化物
とし、塩素化後又は塩素化と同時に蒸留分離した粗塩化
ガリウムを精製することからなるガリウムの回収方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12721787A JPH0791059B2 (ja) | 1987-05-26 | 1987-05-26 | ガリウムの回収方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12721787A JPH0791059B2 (ja) | 1987-05-26 | 1987-05-26 | ガリウムの回収方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPS63291819A JPS63291819A (ja) | 1988-11-29 |
JPH0791059B2 true JPH0791059B2 (ja) | 1995-10-04 |
Family
ID=14954628
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP12721787A Expired - Lifetime JPH0791059B2 (ja) | 1987-05-26 | 1987-05-26 | ガリウムの回収方法 |
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JP (1) | JPH0791059B2 (ja) |
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CN110898455A (zh) * | 2019-11-29 | 2020-03-24 | 富彤化学有限公司 | 一种三氯化磷的精制设备及其工艺 |
-
1987
- 1987-05-26 JP JP12721787A patent/JPH0791059B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPS63291819A (ja) | 1988-11-29 |
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