JPH0761615B2 - 被覆高硬質粉末及びその製造方法 - Google Patents
被覆高硬質粉末及びその製造方法Info
- Publication number
- JPH0761615B2 JPH0761615B2 JP4257050A JP25705092A JPH0761615B2 JP H0761615 B2 JPH0761615 B2 JP H0761615B2 JP 4257050 A JP4257050 A JP 4257050A JP 25705092 A JP25705092 A JP 25705092A JP H0761615 B2 JPH0761615 B2 JP H0761615B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- powder
- coating
- grindstone
- coated
- diamond
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Polishing Bodies And Polishing Tools (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被覆高硬質粉末及びそ
の製造方法に関し、さらに詳しくは、とくに、セラミッ
クスなどの硬脆材料の研削加工に好適な超砥粒となりう
る被覆高硬質粉末及びその製造方法に関する。
の製造方法に関し、さらに詳しくは、とくに、セラミッ
クスなどの硬脆材料の研削加工に好適な超砥粒となりう
る被覆高硬質粉末及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、セラミックス材料は各種分野にお
ける新素材として注目を集めており、例えば、工具材
料、IC基板用絶縁材料、人工骨、人工歯根などの医用
材料、あるいは自動車のエンジン部品などの各種機械材
料として、その重要性が高まっている。
ける新素材として注目を集めており、例えば、工具材
料、IC基板用絶縁材料、人工骨、人工歯根などの医用
材料、あるいは自動車のエンジン部品などの各種機械材
料として、その重要性が高まっている。
【0003】ところで、これらのセラミックス材料は硬
脆材料であるため、例えば高精度の研削加工を行う場
合、従来の工具を使用することができない場合が多い。
脆材料であるため、例えば高精度の研削加工を行う場
合、従来の工具を使用することができない場合が多い。
【0004】そこで、セラミックス材料のような硬脆材
料の研削加工を行う場合は、ダイヤモンド粉末などの超
硬砥粒を含有する砥石を使用することが一般的である。
このような砥石は、該超硬砥粒をアルミナ(Al2 O3)
などの金属酸化物よりなる粒子とともに、樹脂またはガ
ラス質無機物などの結合剤と混合したものを成形、焼成
することにより製造される。このとき、結合剤として樹
脂を用いたものはレジノイドボンド砥石、また、ガラス
質無機物を用いたものはビトリファイドボンド砥石と称
される。
料の研削加工を行う場合は、ダイヤモンド粉末などの超
硬砥粒を含有する砥石を使用することが一般的である。
このような砥石は、該超硬砥粒をアルミナ(Al2 O3)
などの金属酸化物よりなる粒子とともに、樹脂またはガ
ラス質無機物などの結合剤と混合したものを成形、焼成
することにより製造される。このとき、結合剤として樹
脂を用いたものはレジノイドボンド砥石、また、ガラス
質無機物を用いたものはビトリファイドボンド砥石と称
される。
【0005】ダイヤモンド粉末を主成分とするレジノイ
ドボンド砥石の場合、該粉末と結合剤である樹脂との結
合力を高めるために、通常、粉末表面にニッケル(N
i)などの金属を被覆することが行われている。このよ
うにNi被覆を施すことにより、ダイヤモンド粉末表面
に凹凸が形成されるため、樹脂との機械的結合力が高ま
り、結果として樹脂の粉末保持力が向上する。また、N
iは熱伝導性が低いため、砥石使用中に砥粒先端で発生
した熱により樹脂が劣化するのを防止するという利点が
ある。しかしながら、その反面、Ni被膜が砥石の目詰
まりを引起こすという問題が生ずる。また、ダイヤモン
ド粉末表面をTi(C,N,O)で被覆してなる被覆ダ
イヤモンド粉末が特開昭55−162499号公報に、
またTiCで被覆してなる被覆ダイヤモンド粉末が特公
昭47−17964号公報に開示されている。しかし、
これら両公報に開示された被覆ダイヤモンド粉末も、被
膜の密着性という点においては未だ改良の余地を残すも
のであった。
ドボンド砥石の場合、該粉末と結合剤である樹脂との結
合力を高めるために、通常、粉末表面にニッケル(N
i)などの金属を被覆することが行われている。このよ
うにNi被覆を施すことにより、ダイヤモンド粉末表面
に凹凸が形成されるため、樹脂との機械的結合力が高ま
り、結果として樹脂の粉末保持力が向上する。また、N
iは熱伝導性が低いため、砥石使用中に砥粒先端で発生
した熱により樹脂が劣化するのを防止するという利点が
ある。しかしながら、その反面、Ni被膜が砥石の目詰
まりを引起こすという問題が生ずる。また、ダイヤモン
ド粉末表面をTi(C,N,O)で被覆してなる被覆ダ
イヤモンド粉末が特開昭55−162499号公報に、
またTiCで被覆してなる被覆ダイヤモンド粉末が特公
昭47−17964号公報に開示されている。しかし、
これら両公報に開示された被覆ダイヤモンド粉末も、被
膜の密着性という点においては未だ改良の余地を残すも
のであった。
【0006】一方、同じくダイヤモンド粉末を主成分と
するビトリファイドボンド砥石は、高温焼成により製造
されるため、固相反応による砥粒と結合剤との結合力は
強い。しかしながら、その高温焼成工程においてダイヤ
モンドの熱腐食が生じ、製造が困難であるという問題を
有する。
するビトリファイドボンド砥石は、高温焼成により製造
されるため、固相反応による砥粒と結合剤との結合力は
強い。しかしながら、その高温焼成工程においてダイヤ
モンドの熱腐食が生じ、製造が困難であるという問題を
有する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術のこ
のような問題を解消し、砥石の砥粒として使用する被覆
高硬質粉末であって、結合剤が樹脂である場合は、該樹
脂との結合力が強く、かつ、被膜による砥石の目詰まり
が発生することなく、一方、結合剤がガラス質無機物の
場合は、焼成時に粉末自体の熱腐食が発生することのな
い被覆高硬質粉末及びその製造方法を提供することを目
的とする。
のような問題を解消し、砥石の砥粒として使用する被覆
高硬質粉末であって、結合剤が樹脂である場合は、該樹
脂との結合力が強く、かつ、被膜による砥石の目詰まり
が発生することなく、一方、結合剤がガラス質無機物の
場合は、焼成時に粉末自体の熱腐食が発生することのな
い被覆高硬質粉末及びその製造方法を提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、ダイヤモンド
粉末及び/又は立方晶窒化ホウ素粉末表面に、従来のN
i又はTi(C,N,O)の被膜に代えて、炭化チタン
(TiC)と炭酸化チタン(Ti(C,O))の被膜、
又は炭酸化チタンの被膜を被覆してなる被覆高硬質粉末
が超硬砥粒としての優れた性質を具備しており、かつ、
該粉末を主成分としてなる砥石が優れた研削性能を有す
ることを確認して、本発明を完成するに至った。
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、ダイヤモンド
粉末及び/又は立方晶窒化ホウ素粉末表面に、従来のN
i又はTi(C,N,O)の被膜に代えて、炭化チタン
(TiC)と炭酸化チタン(Ti(C,O))の被膜、
又は炭酸化チタンの被膜を被覆してなる被覆高硬質粉末
が超硬砥粒としての優れた性質を具備しており、かつ、
該粉末を主成分としてなる砥石が優れた研削性能を有す
ることを確認して、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明の被覆高硬質粉末は、ダ
イヤモンド粉末及び/又は立方晶窒化ホウ素粉末の表面
に、炭化チタンと炭酸化チタンを被覆、又は炭酸化チタ
ンを被覆してなることを特徴とし、その製造方法は、ハ
ロゲン化チタンと炭化水素ガスを反応ガスとする気相化
学成長法を適用して、ダイヤモンド粉末及び/又は立方
晶窒化ホウ素粉末の表面に、炭化チタンと炭酸化チタン
を被覆、又は炭酸化チタンを被覆する被覆高硬質粉末の
製造方法であって、該ハロゲン化チタンと炭化水素ガス
のモル比が1:3〜1:9、反応温度が800〜1,1
00℃であることを特徴とする。
イヤモンド粉末及び/又は立方晶窒化ホウ素粉末の表面
に、炭化チタンと炭酸化チタンを被覆、又は炭酸化チタ
ンを被覆してなることを特徴とし、その製造方法は、ハ
ロゲン化チタンと炭化水素ガスを反応ガスとする気相化
学成長法を適用して、ダイヤモンド粉末及び/又は立方
晶窒化ホウ素粉末の表面に、炭化チタンと炭酸化チタン
を被覆、又は炭酸化チタンを被覆する被覆高硬質粉末の
製造方法であって、該ハロゲン化チタンと炭化水素ガス
のモル比が1:3〜1:9、反応温度が800〜1,1
00℃であることを特徴とする。
【0010】まず、本発明の被覆高硬質粉末において、
使用する粉末はダイヤモンド粉末または立方晶窒化ホウ
素(CBN)粉末あるいはこれらの混合物である。使用
するダイヤモンド粉末の種類はとくに制限されるもので
はなく、天然、人工いずれのものであってもよい。ま
た、その形状等もとくに限定されないが、結晶軸に異方
性のあるもの、例えば、EMBS(#30/40、ド・
ビアース社)あるいはCDA(#80/100、ド・ビ
アース社)などは、通常の立方八面体型のものに比べて
熱膨張係数が小さいため、後述する工程で炭化チタン
(TiC)と炭酸化チタン(Ti(C,O))の被覆、
又はTi(C,O)の被覆を形成すると、該膜にクラッ
クが発生しにくいという点で好ましい。さらに、Ni、
Fe、Coなどの金属不純物が多く含まれているダイヤ
モンドは、TiCとTi(C,O)の被膜、又はTi
(C,O)被膜が付着強度を高めるので好ましい。砥石
として使用するダイヤモンド粉末又はCBN粉末の粒径
は、10〜50μm 程度であることが好ましい。
使用する粉末はダイヤモンド粉末または立方晶窒化ホウ
素(CBN)粉末あるいはこれらの混合物である。使用
するダイヤモンド粉末の種類はとくに制限されるもので
はなく、天然、人工いずれのものであってもよい。ま
た、その形状等もとくに限定されないが、結晶軸に異方
性のあるもの、例えば、EMBS(#30/40、ド・
ビアース社)あるいはCDA(#80/100、ド・ビ
アース社)などは、通常の立方八面体型のものに比べて
熱膨張係数が小さいため、後述する工程で炭化チタン
(TiC)と炭酸化チタン(Ti(C,O))の被覆、
又はTi(C,O)の被覆を形成すると、該膜にクラッ
クが発生しにくいという点で好ましい。さらに、Ni、
Fe、Coなどの金属不純物が多く含まれているダイヤ
モンドは、TiCとTi(C,O)の被膜、又はTi
(C,O)被膜が付着強度を高めるので好ましい。砥石
として使用するダイヤモンド粉末又はCBN粉末の粒径
は、10〜50μm 程度であることが好ましい。
【0011】一方、該ダイヤモンド及び/又はCBN粉
末表面に形成される被膜はTiCとTi(C,O)、又
はTi(C,O)よりなるものである。Ti(C,O)
は後述するCVD法を適用したTiCコーティング工程
において、反応条件により酸素が混入して生成するもの
であるが、粉末表面への付着強度が高く、被膜として優
れた特性を有するものである。この場合、酸素の含有量
はできるだけ少ないことが望ましい。
末表面に形成される被膜はTiCとTi(C,O)、又
はTi(C,O)よりなるものである。Ti(C,O)
は後述するCVD法を適用したTiCコーティング工程
において、反応条件により酸素が混入して生成するもの
であるが、粉末表面への付着強度が高く、被膜として優
れた特性を有するものである。この場合、酸素の含有量
はできるだけ少ないことが望ましい。
【0012】これらTiCとTi(C,O)の被膜又は
Ti(C,O)被膜の層厚はとくに限定されるものでは
ないが、通常、0.1〜6μm 程度に設定することが好
ましい。
Ti(C,O)被膜の層厚はとくに限定されるものでは
ないが、通常、0.1〜6μm 程度に設定することが好
ましい。
【0013】ついで、本発明の被覆高硬質粉末の製造方
法について説明する。
法について説明する。
【0014】本発明の被覆高硬質粉末は、前述したよう
に化学気相成長法(CVD法)を適用してダイヤモンド
及び/又はCBN粉末表面をTiCとTi(C,O)の
被膜、又はTi(C,O)の被膜によって被覆される。
この被覆工程には上記CVD法の他にスパッタ法やイオ
ンプレーティング法などのPVD法による一般的な薄膜
形成法を適用することができるが、量産性および膜の付
着強度の2点を勘案すると、CVD法を適用することが
最も好ましい。
に化学気相成長法(CVD法)を適用してダイヤモンド
及び/又はCBN粉末表面をTiCとTi(C,O)の
被膜、又はTi(C,O)の被膜によって被覆される。
この被覆工程には上記CVD法の他にスパッタ法やイオ
ンプレーティング法などのPVD法による一般的な薄膜
形成法を適用することができるが、量産性および膜の付
着強度の2点を勘案すると、CVD法を適用することが
最も好ましい。
【0015】このCVD法を適用して行なわれる工程、
例えば、TiC被覆は、次式:
例えば、TiC被覆は、次式:
【化1】 で示される2つの反応により進められる。
【0016】このような被覆工程における反応条件は、
TiCとTi(C,O)の被膜又はTi(C,O)被膜
の層厚等により適宜設定することが好ましいが、膜層の
成長速度及び密着性を勘案して、ハロゲン化チタンと炭
化水素ガスのモル比を1:3〜1:9に、また反応温度
を800〜1,100℃に設定する。さらにCH4 など
の反応ガスの分圧を高めることが、付着強度の高い被膜
を得るうえで望ましい。このようにして得られた被膜は
微粒多結晶となり、極めて付着強度の高いものである。
TiCとTi(C,O)の被膜又はTi(C,O)被膜
の層厚等により適宜設定することが好ましいが、膜層の
成長速度及び密着性を勘案して、ハロゲン化チタンと炭
化水素ガスのモル比を1:3〜1:9に、また反応温度
を800〜1,100℃に設定する。さらにCH4 など
の反応ガスの分圧を高めることが、付着強度の高い被膜
を得るうえで望ましい。このようにして得られた被膜は
微粒多結晶となり、極めて付着強度の高いものである。
【0017】さらに、ダイヤモンド粉末を使用する場合
は、この被覆工程に先立って、ダイヤモンド粉末に真空
中、900〜1,300℃において熱処理を施すと、被
膜の付着強度がさらに向上するので、好ましい。これ
は、このような熱処理工程において、ダイヤモンド粉末
表面にNiなどの内部不純物が析出し、このようなダイ
ヤモンド粉末に被覆すると、被膜がウィスカー状とな
り、付着強度が向上するものと考えられる。なお、この
被覆工程において、諸条件を調節することにより、ダイ
ヤモンド粉末表面にまずTiCx(0<x<1)よりなる
層を形成し、そののちTi(C,O)で被覆することに
より、炭素の割合が連続的に変化する被膜を形成する
と、被膜の密着性を向上させるうえで、さらに有利であ
る。
は、この被覆工程に先立って、ダイヤモンド粉末に真空
中、900〜1,300℃において熱処理を施すと、被
膜の付着強度がさらに向上するので、好ましい。これ
は、このような熱処理工程において、ダイヤモンド粉末
表面にNiなどの内部不純物が析出し、このようなダイ
ヤモンド粉末に被覆すると、被膜がウィスカー状とな
り、付着強度が向上するものと考えられる。なお、この
被覆工程において、諸条件を調節することにより、ダイ
ヤモンド粉末表面にまずTiCx(0<x<1)よりなる
層を形成し、そののちTi(C,O)で被覆することに
より、炭素の割合が連続的に変化する被膜を形成する
と、被膜の密着性を向上させるうえで、さらに有利であ
る。
【0018】ついで、本発明の被覆高硬質粉末を砥石に
適用する場合について説明する。
適用する場合について説明する。
【0019】該砥石は、前述のように、砥粒主成分とし
て、被覆高硬質粉末(TiCとTi(C,O)の被膜又
はTi(C,O)の被膜で被覆したダイヤモンド及び/
又はCBN粉末)を使用し、これと、結合剤および添加
剤を含むものである。結合剤は、砥粒その他の成分を結
合せしめ、担持するための成分であり、特に制限される
ものではないが、主として、樹脂とガラス質無機物の2
種類に分けられる。結合剤として熱硬化性樹脂、例え
ば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂な
どを使用した砥石をレジノイドボンド砥石、結合剤とし
てホウケイ酸ガラス、鉛ガラス、ナトリウムガラスなど
のガラス質無機物を使用した砥石をビトリファイドボン
ド砥石と称する。
て、被覆高硬質粉末(TiCとTi(C,O)の被膜又
はTi(C,O)の被膜で被覆したダイヤモンド及び/
又はCBN粉末)を使用し、これと、結合剤および添加
剤を含むものである。結合剤は、砥粒その他の成分を結
合せしめ、担持するための成分であり、特に制限される
ものではないが、主として、樹脂とガラス質無機物の2
種類に分けられる。結合剤として熱硬化性樹脂、例え
ば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂な
どを使用した砥石をレジノイドボンド砥石、結合剤とし
てホウケイ酸ガラス、鉛ガラス、ナトリウムガラスなど
のガラス質無機物を使用した砥石をビトリファイドボン
ド砥石と称する。
【0020】本発明の被覆高硬質粉末を砥石に適用する
場合には、このほかに、添加剤として、中空カーボン、
カーボン、Al2 O3 、ZrO2 、SiC、BaC、ク
リオライト、FeSなどの充填剤(中でも、Al2 O
3 、ZrO2 、SiC、BaCを含有すると、ドレッシ
ングが容易になって目詰まりが起こりにくい点で好まし
い);フルフラール、水ガラスなどの湿潤剤;生石灰な
どの吸水剤の1種又は2種以上を含有する。
場合には、このほかに、添加剤として、中空カーボン、
カーボン、Al2 O3 、ZrO2 、SiC、BaC、ク
リオライト、FeSなどの充填剤(中でも、Al2 O
3 、ZrO2 、SiC、BaCを含有すると、ドレッシ
ングが容易になって目詰まりが起こりにくい点で好まし
い);フルフラール、水ガラスなどの湿潤剤;生石灰な
どの吸水剤の1種又は2種以上を含有する。
【0021】一方、本発明の被覆高硬質粉末を砥石に適
用する場合、砥石はある程度の気孔を含有していること
が好ましい。気孔は研削時に生ずる切屑を排出し、か
つ、研削時に発生する熱を放散させる機能を有するため
である。この気孔の含有量、すなわち、気孔率は20〜
35%程度であることが好ましい。
用する場合、砥石はある程度の気孔を含有していること
が好ましい。気孔は研削時に生ずる切屑を排出し、か
つ、研削時に発生する熱を放散させる機能を有するため
である。この気孔の含有量、すなわち、気孔率は20〜
35%程度であることが好ましい。
【0022】このような砥石は、次のようにして製造さ
れる。すなわち、まず、上述の各成分を所定の配合比で
混合する。そののち、ホットプレス法、真空焼成法、不
活性ガス雰囲気焼成法など、通常の方法を適用して、所
定の形状に成形する。ついで、この成形体を焼成して目
的とする砥石を得る。この場合の焼成温度は、レジノイ
ドボンド砥石の場合は160〜250℃が好ましく、ビ
トリファイドボンド砥石の場合は結合剤の軟化点に合せ
て決定することが必要であり、例えばホウケイ酸ガラス
では800℃程度、高鉛ガラスでは500℃程度に設定
することが好ましい。
れる。すなわち、まず、上述の各成分を所定の配合比で
混合する。そののち、ホットプレス法、真空焼成法、不
活性ガス雰囲気焼成法など、通常の方法を適用して、所
定の形状に成形する。ついで、この成形体を焼成して目
的とする砥石を得る。この場合の焼成温度は、レジノイ
ドボンド砥石の場合は160〜250℃が好ましく、ビ
トリファイドボンド砥石の場合は結合剤の軟化点に合せ
て決定することが必要であり、例えばホウケイ酸ガラス
では800℃程度、高鉛ガラスでは500℃程度に設定
することが好ましい。
【0023】
実施例1 ダイヤモンド粉末としてCDA#140/170(ド・
ビアース社)を使用し、この粉末にCVD法を適用して
被覆ダイヤモンド粉末を作製した。被覆方法は、大気圧
下の炉内でダイヤモンド粉末を揺動させ、95%のH2
と5%のCH4(99.9%純度)の組成を有するガスを
流入させながら、1,070℃まで昇温した後、ガスの
流入を停止し、真空ポンプを用いて炉内を減圧とした。
ついで、表1に示す炉内圧力、H2 、TiCl4 とCH
4 の炉内ガス組成及び保持時間により、ダイヤモンド粉
末の表面に被膜を形成した。
ビアース社)を使用し、この粉末にCVD法を適用して
被覆ダイヤモンド粉末を作製した。被覆方法は、大気圧
下の炉内でダイヤモンド粉末を揺動させ、95%のH2
と5%のCH4(99.9%純度)の組成を有するガスを
流入させながら、1,070℃まで昇温した後、ガスの
流入を停止し、真空ポンプを用いて炉内を減圧とした。
ついで、表1に示す炉内圧力、H2 、TiCl4 とCH
4 の炉内ガス組成及び保持時間により、ダイヤモンド粉
末の表面に被膜を形成した。
【0024】こうして得た被覆ダイヤモンド粉末の被膜
の組成及び厚さを測定した。その結果を表2に示す。
の組成及び厚さを測定した。その結果を表2に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】これらの被覆ダイヤモンド粉末を砥粒の主
成分とし、表3に示す組成を有するビトリファイドボン
ド砥石を作製した。
成分とし、表3に示す組成を有するビトリファイドボン
ド砥石を作製した。
【0028】
【表3】
【0029】まず、秤量した砥粒に水ガラスをスポイト
で少量加え、砥粒全体を湿潤させた後、結合剤を加えて
充分に混合した。ついで、所定形状の金型を使用し、適
度に湿潤した原料を入れ、加圧成形した。このとき、成
形圧力は2kgf/mm2 とし、保持時間は3分間とした。し
かるのち、水素雰囲気中で、得られた成形体を昇温速度
290℃/h 、800℃において約1時間焼成し、20
mm×50mm×5mmの砥石を得た。なお、通常のビトリフ
ァイドボンド砥石の焼成温度は1,200〜1,300
℃であるが、本実施例ではダイヤモンド粉末の熱腐食を
防ぐために、上記の800℃という低温で焼成を行っ
た。このようにして得られたビトリファイドボンド砥石
の気孔率は約30%、曲げ強度は1.7kgf/mm2 であっ
た。
で少量加え、砥粒全体を湿潤させた後、結合剤を加えて
充分に混合した。ついで、所定形状の金型を使用し、適
度に湿潤した原料を入れ、加圧成形した。このとき、成
形圧力は2kgf/mm2 とし、保持時間は3分間とした。し
かるのち、水素雰囲気中で、得られた成形体を昇温速度
290℃/h 、800℃において約1時間焼成し、20
mm×50mm×5mmの砥石を得た。なお、通常のビトリフ
ァイドボンド砥石の焼成温度は1,200〜1,300
℃であるが、本実施例ではダイヤモンド粉末の熱腐食を
防ぐために、上記の800℃という低温で焼成を行っ
た。このようにして得られたビトリファイドボンド砥石
の気孔率は約30%、曲げ強度は1.7kgf/mm2 であっ
た。
【0030】このようなビトリファイドボンド砥石を使
用して、以下に示す耐久性試験を行った。その結果を図
1に示す。
用して、以下に示す耐久性試験を行った。その結果を図
1に示す。
【0031】耐久性試験 被加工体に100mm×15mm×10mmのSi3 N4 基焼
結体を使用し、切込み量を20μm /回として、片道ご
とに切込みを入れ、5,000μm まで切込んだ。この
とき、切込み1,000μm ごとに、砥石外周部の摩耗
量を電気マイクロメーターで測定し、研削距離と砥石摩
耗量との関係を求めた。なお、被膜の被覆されていない
ダイヤモンド粉末を用いた砥石を作製し、比較品2とし
て耐久性試験を行った。その結果を併せて図1に示す。
結体を使用し、切込み量を20μm /回として、片道ご
とに切込みを入れ、5,000μm まで切込んだ。この
とき、切込み1,000μm ごとに、砥石外周部の摩耗
量を電気マイクロメーターで測定し、研削距離と砥石摩
耗量との関係を求めた。なお、被膜の被覆されていない
ダイヤモンド粉末を用いた砥石を作製し、比較品2とし
て耐久性試験を行った。その結果を併せて図1に示す。
【0032】実施例2 実施例1のダイヤモンド粉末に代えて、CBN粉末(昭
和電工社製SBN−T#140/170)を使用し、実
施例1の本発明品1及び4と同様にしてCBN粉末の表
面に被膜を被覆して、本発明品5及び6を作製した。ま
た、比較として実施例1の比較品1と同様にしてCBN
粉末の表面にTiC被膜を被覆し、比較品3を作製し
た。
和電工社製SBN−T#140/170)を使用し、実
施例1の本発明品1及び4と同様にしてCBN粉末の表
面に被膜を被覆して、本発明品5及び6を作製した。ま
た、比較として実施例1の比較品1と同様にしてCBN
粉末の表面にTiC被膜を被覆し、比較品3を作製し
た。
【0033】こうして得た本発明品5、6及び比較品3
を用いて、実施例1と同様にしてビトリファイドボンド
砥石を作製し、実施例1と同一の条件で耐久性試験を行
ったところ、本発明品5、6は、いずれも実施例1の本
発明品1、4とほとんど同様の傾向を示し、比較品3は
比較品1とほとんど同様の傾向を示した。
を用いて、実施例1と同様にしてビトリファイドボンド
砥石を作製し、実施例1と同一の条件で耐久性試験を行
ったところ、本発明品5、6は、いずれも実施例1の本
発明品1、4とほとんど同様の傾向を示し、比較品3は
比較品1とほとんど同様の傾向を示した。
【0034】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の被覆高硬質粉末は、レジノイドボンドおよびビトリフ
ァイドボンドのいずれのタイプの砥石の砥粒として用い
た場合も、優れた研削性能を有するとともに、耐久性に
も優れた砥石が得られることが確認された。これは本発
明のTiCとTi(C,O)の被膜又はTi(C,O)
被膜による被覆ダイヤモンド及び/又はCBN粉末と結
合剤との結合力が極めて高いことによるものである。ま
た、本発明の被覆高硬質粉末にあっては、TiCとTi
(C,O)の被膜又はTi(C,O)被膜の付着強度が
従来のNi、TiC又はTi(C,N,O)よりなる被
膜の付着強度に比べて高いため、被膜の剥離による砥石
の目詰まりなどの発生が全くない。
の被覆高硬質粉末は、レジノイドボンドおよびビトリフ
ァイドボンドのいずれのタイプの砥石の砥粒として用い
た場合も、優れた研削性能を有するとともに、耐久性に
も優れた砥石が得られることが確認された。これは本発
明のTiCとTi(C,O)の被膜又はTi(C,O)
被膜による被覆ダイヤモンド及び/又はCBN粉末と結
合剤との結合力が極めて高いことによるものである。ま
た、本発明の被覆高硬質粉末にあっては、TiCとTi
(C,O)の被膜又はTi(C,O)被膜の付着強度が
従来のNi、TiC又はTi(C,N,O)よりなる被
膜の付着強度に比べて高いため、被膜の剥離による砥石
の目詰まりなどの発生が全くない。
【0035】さらに、該被覆粉末を使用したビトリファ
イドボンド砥石の場合、800〜900℃の低温で焼成
できるため、ダイヤモンドの熱腐食の発生が防止され
る。したがって、その工業的価値は極めて大きい。
イドボンド砥石の場合、800〜900℃の低温で焼成
できるため、ダイヤモンドの熱腐食の発生が防止され
る。したがって、その工業的価値は極めて大きい。
【図1】実施例1の耐久性試験における研削距離と砥石
摩耗量との関係を示すグラフである。
摩耗量との関係を示すグラフである。
1 本発明品1 2 本発明品2 3 本発明品3 4 本発明品4 5 比較品1 6 比較品2
Claims (2)
- 【請求項1】 ダイヤモンド粉末及び/又は立方晶窒化
ホウ素粉末の表面に、炭化チタンと炭酸化チタンを被
覆、又は炭酸化チタンを被覆してなることを特徴とする
被覆高硬質粉末。 - 【請求項2】 ハロゲン化チタンと炭化水素ガスを反応
ガスとする気相化学成長法を適用して、ダイヤモンド粉
末及び/又は立方晶窒化ホウ素粉末の表面に、炭化チタ
ンと炭酸化チタンを被覆、又は炭酸化チタンを被覆する
被覆高硬質粉末の製造方法であって、 該ハロゲン化チタンと炭化水素ガスのモル比が1:3〜
1:9、反応温度が800〜1,100℃であることを
特徴とする被覆高硬質粉末の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4257050A JPH0761615B2 (ja) | 1992-09-28 | 1992-09-28 | 被覆高硬質粉末及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4257050A JPH0761615B2 (ja) | 1992-09-28 | 1992-09-28 | 被覆高硬質粉末及びその製造方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13914285A Division JPS61297079A (ja) | 1985-06-27 | 1985-06-27 | 被覆高硬質粉末を主成分とする砥石 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05220668A JPH05220668A (ja) | 1993-08-31 |
JPH0761615B2 true JPH0761615B2 (ja) | 1995-07-05 |
Family
ID=17301045
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4257050A Expired - Lifetime JPH0761615B2 (ja) | 1992-09-28 | 1992-09-28 | 被覆高硬質粉末及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0761615B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005078042A1 (en) * | 2004-01-15 | 2005-08-25 | Element Six Limited | Coated abrasives |
CN108447507B (zh) * | 2013-09-28 | 2020-07-28 | Hoya株式会社 | 磁盘用玻璃基板的制造方法和磁盘的制造方法、以及磨削工具 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5531563A (en) * | 1978-08-29 | 1980-03-05 | Tatsuro Kuratomi | Built-up diamond tool and its manufacturing method |
-
1992
- 1992-09-28 JP JP4257050A patent/JPH0761615B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05220668A (ja) | 1993-08-31 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0586683B1 (en) | Multi-layer metal coated diamond abrasives with an electrolessly deposited metal layer | |
JP2843111B2 (ja) | 耐火金属酸化物被覆研摩材、および該研摩材より製作した砥石車 | |
JP2005509724A (ja) | 研磨粒子用機能性グレード・コーティングおよびガラスマトリックス複合材料における前記コーティングの使用 | |
JPH0623394B2 (ja) | 被覆砥粒およびその製法 | |
JPS58211862A (ja) | コ−テイング付き複合窒化珪素切削工具 | |
JPH10182234A (ja) | 立方晶窒化硼素基焼結材及びその製造方法 | |
JP2829522B2 (ja) | 被覆ダイヤモンド砥粒およびその製法 | |
JPH0568548B2 (ja) | ||
JP3119098B2 (ja) | ダイヤモンド砥粒、砥石及びそれらの製造方法 | |
JPH0761615B2 (ja) | 被覆高硬質粉末及びその製造方法 | |
JP2794111B2 (ja) | ダイヤモンド被覆切削工具 | |
JP2002173774A (ja) | ダイヤモンドのcvdチタン−ホウ素及びクロム−ホウ素皮膜 | |
JPH02269790A (ja) | 被覆高硬質砥粒,その製造方法及びその砥粒を含有する砥石 | |
JPS61297079A (ja) | 被覆高硬質粉末を主成分とする砥石 | |
JPS61247673A (ja) | 硬質材に窒化チタンを被覆する方法 | |
JPS5815082A (ja) | 切削工具用窒化珪素チツプの製造法 | |
JP2001322884A (ja) | 被覆立方晶窒化ホウ素焼結体 | |
JP3605774B2 (ja) | ガラスプレス成形用型 | |
JP2803379B2 (ja) | 気相合成ダイヤモンド被覆切削工具の製造法 | |
JPS63236756A (ja) | 多結晶人造ルビ−及びその製造方法 | |
JPH01234168A (ja) | 被覆砥粒およびその製法 | |
JP2782524B2 (ja) | 高密度相窒化ホウ素基反応焼結体及びその製造方法 | |
JPH0197570A (ja) | メタルボンド砥石用ダイヤモンド砥材 | |
JPS6111724B2 (ja) | ||
JPS6050905A (ja) | 薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19960109 |