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JPH073318Y2 - 光励起表面プラズマ振動共鳴を利用したセンサヘッド - Google Patents

光励起表面プラズマ振動共鳴を利用したセンサヘッド

Info

Publication number
JPH073318Y2
JPH073318Y2 JP2634789U JP2634789U JPH073318Y2 JP H073318 Y2 JPH073318 Y2 JP H073318Y2 JP 2634789 U JP2634789 U JP 2634789U JP 2634789 U JP2634789 U JP 2634789U JP H073318 Y2 JPH073318 Y2 JP H073318Y2
Authority
JP
Japan
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lens
prism
sensor head
vibration resonance
surface plasma
Prior art date
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Expired - Lifetime
Application number
JP2634789U
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English (en)
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JPH02118247U (ja
Inventor
聡 河田
茂夫 南
浩司 松原
Original Assignee
聡 河田
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=31247887&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JPH073318(Y2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by 聡 河田 filed Critical 聡 河田
Priority to JP2634789U priority Critical patent/JPH073318Y2/ja
Publication of JPH02118247U publication Critical patent/JPH02118247U/ja
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Publication of JPH073318Y2 publication Critical patent/JPH073318Y2/ja
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  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この考案は、気体または液体の被検物の屈折率を測定す
る屈折計に係り、特に、検知すべき被検物に接触させる
屈折計のセンサヘッドに関し、より詳しくは、表面プラ
ズマ振動を利用したセンサヘッドの構造に関する。
(従来の技術) 全反射を利用した屈折計と対照させる。全反射の利用、
すなわち臨界角測定に基づく屈折計としては、従来よ
り、コールラウシュ法を使ったものやプュルフリッヒの
屈折計,アッベの屈折計などが知られている。
反射型のアッベの屈折計は、反射率の入射角依存を測定
て被検物の屈折率を求めるものである。第1図に、この
反射型のアッベの屈折計の原理図を示す。この方法で
は、屈折率既知のプリズム(1)と試料(2)を接触さ
せ、この境界面(3)での臨界角を測定する。入射光
(4)の入射角(5)をθ,反射率をRとして、第2図
に計算機シュミレーションで得られたアッベの屈折率に
よるR−θ曲線を示す。入射光(4)の波長を632.8n
m、プリズム(1)の屈折率を1.805とし、吸収の異なる
3種類の試料A,B,C(屈折率は、A:1.362,B:1.362+i0.0
01,C:1.362+i0.003)を設定して計算を行った結果であ
る。
吸収が全くない試料Aの場合(曲線a)は、反射率は臨
界角付近で急激に増加し、臨界角θcで1に達する。し
たがって、反射率が1になる角度より厳密に臨界角を求
めることができる。しかし、吸収がある試料B,Cの場合
(曲線b,曲線c)、反射率は臨界角付近でなだらかな変
化を示す。このため、吸収がある場合に、反射率が1と
なる角度をもって臨界角を測定することは不可能であ
る。そこで、別の指標が必要となるが、この指標とし
て、例えば、反射率が0.9となる角度をもって臨界角と
すると、曲線bの場合曲線aに比べて0.10°のずれが生
じる。これは、測定される試料の屈折率に換算すると0.
002の誤差になる。同様に曲線cの場合、臨界角は0.87
°のずれを生じ、屈折率換算では0.0018の誤差となる。
(考案が解決しようとする課題) 上記のように、試料に吸収があると、求めた屈折率には
真値との間に誤差を生じる。吸収が全くない理想的な物
質というものは無く、どんなに透明な物質でも僅かの吸
収を持つため(屈折率の虚部に必ず値をもつため)、従
来の屈折計では、測定精度の点で問題がある。
加えて、従来の屈折計などでは、据置き型のラボラトリ
ー用が一般的であり、高価であるうえ、試料抽出を必要
とするなどの煩雑さを伴っている。
これに対し、化学プロセス,環境調査,医療計測などの
分野においては、近年、インプロセスでの計測が望ま
れ、試料抽出を必要としないそのままの状態(in sit
u)での測定、生体試料の場合には生きたままの状態
(in vivo)での測定、持ち運びに便利な小型,軽量
な機器、安価な機器を求めるといった要望がある。
この考案は、屈折率を高い精度で測定でき、かつ上記の
要望を充足しうるセンサヘッドを提供することを課題と
する。
(課題を達成するための手段) この考案に係るセンサヘッドは、気体または液体の被検
物を接触させる、光により表面プラズマ振動共鳴を励起
できる金属薄膜を被着した面を有する高屈折率のプリズ
ムと、点光源と、この点光源からの光束を前記プリズム
の前記金属薄膜被着面に臨界角以上の入射角で収束させ
る光束収束手段と、前記プリズムの金属薄膜被着面で全
反射した光束を受けこれの強度をフーリエ変換するレン
ズと、1次元光電素子アレイと、少なくとも前記のプリ
ズムと光束収束手段とレンズとを支持するとともに、内
部を暗黒に保持できる暗箱体とからなる光励起表面プラ
ズマ振動共鳴を利用したセンサヘッドであることを基本
的な特徴としている。
(作用) 上記点光源からの発散光束は、上記光束収束手段により
収束されて上記プリズムの金属薄膜被着面に入射する。
被検物と接触している金属薄膜(固体プラズマ)におい
て、この連続の入射角をもつ入射光は、そのうち特定の
入射角をもつ光のみが、被検物の屈折率と相関して前記
金属薄膜に表面プラズマ振動を励起する。他の入射角を
もつ光は全反射され、前記特定の入射角をもつ光の反射
光とともに上記フーリエ変換用のレンズに入射する。こ
のレンズは、この入射光束をフーリエ変換して、上記1
次元光電素子アレイに光強度の分布情報を与える。1次
元光電素子アレイは、電子的に走査されて角度スペクト
ルを与える。
被検物の屈折率は、第3図に例示されるように、この角
度スペクトルの吸収ピークの位置に基づいて検出され
る。
被検物に吸収があってもこの角度スペクトルの吸収ピー
ク位置は不変であるので、屈折率を極めて高い精度で求
めることができる。
また、入射角を可変するための機構部や検出のための機
械的な走査部をもつことなく、構成要素の総てが微小な
光学素子ないし光電素子とできるため、小型・軽量化が
可能である。
(実施例) 第4図はこの考案の一実施例の縦断面図である。
第4図において、(11)は高屈折率の光学ガラスでなる
45度の直角プリズムである。直角プリズム(11)の直角
を挾む一方の面(11-1)(第1面という)には、銀の薄
膜(12)が被着され、もう一方の面(11-2)(第2面と
いう)には、比較的厚いアルミニウムの薄膜(13)が被
着されている。
(14)は点光源としての発光ダイオードである。発光ダ
イオード(14)の前面には、P偏光を与える偏光子(1
5)が設けられている。
(16)は、偏光子(15)を透過してきた発光ダイオード
(14)からの発散光束を収束する半円柱状のシリンドリ
カルレンズである。偏光子(15)の透過光束はこのシリ
ンドリカルレンズ(16)で屈折され、直角プリズム(1
1)の第2面(11-2)に形成されたアルミ鏡面で反射さ
れ、直角プリズム(11)の第1面(11-1)と銀薄膜(1
2)との界面に収束する。直角プリズム(11)の銀薄膜
(12)を被着した第1面(11-1)は、気体または液体の
被検物を接触させるセンシング面を形成する。
(17)は直角プリズム(11)の第1面(11-1)で全反射
された光束を受け、これの強度をフーリエ変換する半円
柱状のシリンドリカルレンズである。なお、上記発光ダ
イオード(14)の取付位置は、その収束光束の総てが直
角プリズム(11)の第1面(11-1)で全反射する関係に
選ばれている。
シリンドリカルレンズ(17)からの射出光束は、P偏光
のみを取り出す検光子(18)を透過し、シリンドリカル
レンズ(17)の後側焦平面にその受光面を一致させた1
次元イメージセンサ(19)により受光される。
上記の直角プリズム(11)、発光ダイオード、偏光子
(15)、シリンドリカルレンズ(16),(17)、検光子
(18)、1次元イメージセンサ(19)は筒型の暗箱体
(20)に支持され、それぞれ所定位置に固定されてい
る。暗箱体(20)は外光を遮断し内部を暗黒に保持す
る。なお、アルミ鏡面をなす直角プリズムの第2面(11
-2)から外光が入ることはないが、半透明の銀薄膜(1
2)でなるセンシング面である第1面(11-1)からは外
光の侵入が考えられるが、1次元イメージセンサ(19)
ではこの面での全反射光のみを受光し、センシング面か
ら入る光は1次元イメージセンサ(19)では検知され
ず、出力に誤差を生じることはない。
第4図の実施例において、シリンドリカルレンズ(16)
及びシリンドリカルレンズ(17)のいずれもが、直角プ
リズム(11)の第3面(11-3)に貼り付けられている。
例えば、マッチングオイルを用いて貼り付けられてい
る。また、偏光子(15)もシート状のものが発光ダイオ
ードの前面に貼り付けられている。さらに、検光子(1
8)も同じくシート状のものが1次元イメージセンサ(1
9)の受光面前部に貼り付けられている。このようにす
れば、このセンサヘッドの基本的な構成素は4つ、すな
わち暗箱体、発光部、受光部それに直角プリズム部の4
つだけとなる。組付精度をもたせるように暗箱体を加工
しておきさえすれば、残りの3つの光学部材を単に暗箱
体に組み付けるだけで済む。作成が極めて容易になると
ともに、煩わしい光学系の調整等が一切不要になる。も
っとも、関連の素子を一体化することなく、それぞれ個
別に暗箱体に支持させる構成とすることも勿論可能であ
る。
第4図の実施例においては、センシング面に光束を収束
させる手段の一部として、直角プリズムの第2面(11-
2)に形成した鏡面を利用している。このようにするこ
とにより、発光ダイオード(14)から延びる光軸とフー
リエ変換用のシリンドリカルレンズ(17)の光軸とを平
行にすることができる。これにより、暗箱体(20)すな
わちセンサヘッド全体を細長い筒型にすることが可能で
ある。しかも、シリンドリカルレンズ(17)からの射出
光束は、1次元イメージセンサ(19)の受光面で直接受
光する構成であるから、このセンサヘッドの高さは、概
ね1次元イメージセンサ(19)の幅長だけで決まる。従
って、この高さは、高々20〜30mmとすることができる。
また、センサヘッドの奥行きも概ね1次元イメージセン
サ(19)の長さで与えられるが、これも高々30〜40mmに
しかすぎないので、センサヘッドの奥行きを40〜50mmと
することが可能である。したがって、このセンサヘッド
は、筒型で、しかも筒型の断面が高々30×50mmとでき、
手持ちサイズ(片手で持つことももちろん可能)かつ軽
量、そしてフイールドユース,フィールドプロセス例え
ばプラントに検出窓をあけるなどして任意の対象に対し
簡易に適用可能である。
実際、第4図に示した構成のセンサヘッドは、幅・高さ
・長さが50mm×30mm×150mmである。直角プリズム(1
1)は、一辺が15mmでLaSF08光学ガラス製(n=1.878
5)である。シリンドリカルレンズ(16)は、曲率半径
が5mmでBK7製(n=1.515)である。シリンドリカルレ
ンズ(17)は、曲率半径が58mmでBK7製(n=1.515)で
あり、焦点距離は113mmである。
1次元イメージセンサ(19)は、2048素子のCCDイメー
ジセンサ(TCD102D;(株)東芝製)で、1素子の大きさ
は14μm×14μm、ピッチは14μm、受光部分全体の幅
は28.7mmである。この実施例のセンサヘッドで測定可能
な入射角度範囲は40°〜52°である。またピーク角度測
定の分解能は1次元イメージセンサの素子間のピッチと
レンズ(17)の焦点距離で決まり、このセンサヘッドで
は約0.007°である。これらを屈折率に換算すると測定
可能な範囲は、1.16から1.39、分解能は0.0001である。
点光源としての発光ダイオー(14)は、ピーク波長が66
0nmの発光ダイオード、TLRA150・(株)東芝製である。
なお、発光ダイオードに替えて、半導体レーザ(レーザ
ダイオード)を用いてもよい。この場合、レーザ光は、
もともと偏光しているので、基本的には、偏光子(1
5),(18)を不要とできる。しかし、散乱光等の悪影
響を排除するために、光路中に少なくとも1つのP偏光
を与える偏光子を設けるのが好ましい。設ける位置とし
ては、半導体レーザとこのレーザ光束を収束するコリメ
ートレンズとの中間がよい。半導体レーザは、発光スペ
クトル幅が狭いので鋭い吸収ピークを与えることから、
この意味では発光ダイオードよりも適した光源である。
しかしながら、高いコーヒレンスのため、スペックルノ
イズ等の光学的雑音を生じるので、高い検出精度を得る
にはこれを軽減する工夫が求められる。
直角プリズム(11)の第1面(11-1)に被着された銀の
薄膜(12)は真空蒸着により作成されている。膜厚は約
60nmである。この膜厚は、これより薄いと吸収ピークが
ブロードになり、他方、厚すぎるとピークの落ち込みが
浅くなる。被検物へのエバネッセント波の成分が減衰し
てしまうためである。従って、膜厚には設計する系によ
り最適な値がある。この表面プラズマ振動共鳴を励起す
るのに用いる金属薄膜の金属種には、実施例のような銀
以外に、金、白金、アルミニウムなども含まれる。ただ
し、アルミニウムは、シャープな吸収ピークが得られな
いことが確認されている。これは、複素誘電率の実部と
虚部の比の大きさに原因するもので、銀は虚部が小さ
い。
センシング面をなすプリズム第1面(11-1)の銀薄膜
(12)は、外気や被検物にさらされる。特に、銀は硫化
されやすいので、センサヘッドの耐久性の点で問題を生
じる。そこで、実施例では、銀薄膜(12)の上に保護膜
を設けている。膜厚10nm程度の誘電体(MgF2など)をコ
ーティングしている。これで、プロセスへの適用上、耐
久性の問題は解消される。
プリズム第2面(11-2)のアルミ膜(13)は、真空蒸着
により十分厚く形成されている。
次に他の実施例を説明する。特に、光学素子の配置,配
列,形状を第4図の実施例とは異ならせたものである。
第5図において、45度の直角プリズム(21)には、その
斜辺である第1面(21-1)に、表面プラズマ振動共鳴を
励起しうる金属薄膜(22)が被着されている。収束レン
ズ(26)及びフーリエ変換用のレンズ(27)はそれぞれ
プリズム(21)の第2面(21-2),第3面(21-3)に貼
り付けられている。点光源(24)、P偏光を与える偏光
子(25)、直角プリズム(21)、P偏光を取り出す偏光
子(28)、1次元イメージセンサ(29)は、暗箱体(3
0)に支持されている。
第5図の実施例では、入出射の光束の光軸が直交する構
成である。この構成によって、第4図のものと比べて、
センサヘッドの高さは多少とも高くなるが、その分長さ
を短くすることができる。また、センシング面のみを外
部に露呈する構成であるので、第4図の実施例に比べる
と、液シールドの点や保守の面でこの実施例は有利であ
る。
第6図は、また別の実施例を示している。特徴は、湾曲
面(31-2)をもつ三角状プリズム(31)を用いたところ
にある。プリズム(31)の第1面(31-1)に、表面プラ
ズマ振動共鳴を励起しうる金属薄膜(32)が被着されて
いる。第2面の湾曲面(32-2)には、例えばアルミの真
空蒸着により、鏡面(33)が形成されている。すなわ
ち、この湾曲面の鏡面(33)により凹面鏡を形成し、点
光源(34)からの発散光束をこの凹面鏡で第1面(31-
1)と金属薄膜(32)との界面に収束させている。点光
源(34)、偏光子(35)、三角状プリズム(31)、フー
リエ変換用のレンズ(37)、偏光子(38)、1次元イメ
ージセンサ(39)は、暗箱体(40)に支持されている。
第6図の実施例では、点光源(34)からの発散光束を収
束するために、第4図及び第5図の実施例では必須であ
った収束用のレンズを用いていない。三角状プリズムの
湾曲鏡面(33)で収束させている。これによって、先の
実施例に比べよりコンパクト化された構造を実現し、ま
た、価格的な有利性も合わせ持つ。
第7図,第8図,第9図に示す実施例は、それぞれ第4
図,第5図,第6図に示した実施例を変形したものであ
る。いずれも、点光源と、1次元光電素子アレイを暗箱
体の外に設ける構成である。このため、点光源からの発
散光束を導光する光ファイバと、フーリエ変換用のレン
ズからの光束を受けるとともにこの受光光束を1次元光
電素子アレイに導く光ファイバとを暗箱体に結合してい
る。
第7図の実施例では、点光源(14)の発散光束は、シン
グルモード光ファイバ(14l)で導光され、暗箱体(2
0)の所定位置で支持された射出端面(14le)から発散
光束として射出される。フーリエ変換用レンズ(17)か
らの光束は、暗箱体(20)にその整一な端面部を支持さ
せたファイババンドル(あるいはテイパー)(19l)の
整一端面で受光され、1次元イメージセンサ(19)へ導
光される構成である。第8図,第9図の実施例も第7図
の実施例とほぼ同様の構成としている。
上記のように、点光源(14),(24),(34)及び1次
元光電素子アレイ(19),(29),(39)を暗箱体(2
0),(30),(40)の外部に設ける構成とすると、セ
ンサヘッドを非電気化でき、電気火花が飛ぶ環境や電磁
誘導の多い環境もしくは爆発性の雰囲気をもつ環境等に
於いて、直接的にこれらの影響を受けずまた影響を与え
ず、しかもセンシングを安定的に行えるといった有利性
がある。
尚、第4図ないし第9図の実施例では、基本的に、使用
するレンズをシリンドリカルレンズとしているが、シリ
ンドリカルレンズを用いて集光ないしフーリエ変換する
と、鉛直方向(断面図の上下方向)には光は発散したま
まであり、必ずしも光を有効に利用しているとはいえな
い。そこで、改善策として、シリンドリカルレンズに替
えて非球面レンズを用い、鉛直方向には点光源とイメー
ジセンサとを結像関係にする手法を採用する。これによ
り光の利用効率が大幅に上る。特に、第7,8,9図示の実
施例では、光ファイバを使用しているので、非球面レン
ズを使うこの手法は極めて有効である。
最後に、測定例を示す。第4図に示した構成のセンサヘ
ッドを使用した例である。センシング面(12)を液体に
接触させる。1次元イメージセンサ(19)に角度スペク
トルの信号が生じる。この信号は、所定のスタート指令
に基づいて自己走査により、インターフェース(50)を
介してコンピュータ(60)に取り込まれる。コンピュー
タ(60)は、取り込んだ信号をデータ処理し、ディスプ
レイ・モニタ(70)に表示し、又、プロッタ(80)に描
画させる。
第1の測定例は、被検物を純水とした場合である。この
測定された反射スペクトルを第10図に示す。縦軸は反射
率を横軸は平面波入射時の入射角である。表面プラズマ
振動共鳴の励起による吸収ピークが48.72°に見られ
る。同じ純水に対し9回の繰り返し測定を行った結果、
ピーク位置測定の標準偏差は0.011°であった。この結
果を屈折率測定の精度に換算すると約0.0002である。
次に、純水に微量のエタノールを混ぜた被検物を作り、
アルコール濃度0.1%〜10%の被検物についてR−θ曲
線を測定した。得られたR−θ曲線のピーク位置と被検
物濃度の関係を第11図に示す。横軸はアルコール濃度、
縦軸は0.1%の被検物に対するピークの角度からの相対
値を示している。第11図のカーブを検量線としてR−θ
曲線のピーク位置から濃度の測定が行える。
第3は、散乱体を含む被検物の測定である。第12図は得
られたトマトジュースのR−θ曲線である。純水を試料
とした場合と同程度の鋭い吸収ピークが見られる。同一
試料に対し3回測定を行った結果、測定されたピーク位
置は3回とも同じであった。この結果より、本センサヘ
ッドは、散乱体を含む被検物に対しても十分高い測定精
度を持つといえる。
最後に本センサヘッドを用いて強い吸収をもつ試料の測
定を行った。試料として青インクを用いた。得られたR
−θ曲線を第13図に示す。純水を試料としたものに比べ
約2倍の幅の吸収ピークが観測されている。これは試料
の吸収により表面プラズモンの減衰が大きくなったこと
による。吸収ピークが鈍ったため、吸収ピーク位置測定
の精度が、純水などの吸収の極めて小さい試料の測定に
比べて1/2程度低下するが、本センサが青インクのよう
に強い吸収を持つ被検物の測定にも極めて有用であるこ
とが示されている。
尚、上記の各実施例は、液体の被検物を対象としてお
り、プリズムにLaSF08を用いているが、プリズムの材質
を適当に選べば気体の被検物や屈折率の大きな被検物の
測定も同様に可能である。例えば、気体を被検物とした
場合、BK7製のプリズムを用いると、吸収ピークは43°
付近にあらわれる。
(効果) 以上のように、本考案に係るセンサヘッドによれば、被
検物の屈折率を高い精度で計測できるとともに、小型か
つ軽量であるので、従来のような試料抽出を必要とせ
ず、直接フィールドユースやインプロセスでの計測に適
用できる実用的な効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図はアッベの屈折計の原理図、 第2図はアッベの屈折計によるR−θ曲線を示すグラ
フ、 第3図は第2図のグラフと対象を同じくした本考案に係
る原理によるR−θ曲線を示すグラフ、 第4図は本考案の実施例の縦断面図、 第5図は本考案の他の実施例の縦断面図、 第6図は本考案のまた別の実施例の縦断面図、 第7図、第8図、第9図は、それぞれ第4図,第5図,
第6図に示した実施例に対応するさらに別の実施例を示
す縦断面図、 第10図は第4図に示した実施例を用いて行った純水の計
測結果を示すグラフ、 第11図はエタノール混合水のエタノール濃度を計測した
結果を示すグラフ、 第12図はトマトジュースの計測の結果を示すグラフ、 第13図は青インクの計測の結果を示すグラフである。 11,21,31……プリズム、14,24,34……点光源としての発
光ダイオード、16,26……レンズ、17,27,37……フーリ
エ変換用のレンズ、19,29,39……1次元イメージセン
サ。

Claims (11)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】気体または液体の被検物を接触させる、光
    により表面プラズマ振動共鳴を励起できる金属薄膜を被
    着した面を有する高屈折率のプリズムと、 点光源と、 この点光源からの光束を前記プリズムの前記金属薄膜被
    着面に臨界角以上の入射角で収束させる光束収束手段
    と、 前記プリズムの金属薄膜被着面で全反射した光束を受け
    これの強度をフーリエ変換するレンズと、 このレンズからの光束の分布を検出する1次元光電素子
    アレイと、 少なくとも前記のプリズムと光束収束手段とレンズとを
    支持するとともに、内部を暗黒に保持できる暗箱体とか
    らなる光励起表面プラズマ振動共鳴を利用したセンサヘ
    ッド。
  2. 【請求項2】前記点光源は発光ダイオードであって、こ
    の発光ダイオードからの光束をP偏光に変える偏光子と
    前記1次元光電素子アレイに向かう光束の偏光を検出す
    る検光子とをさらに備えた請求項1記載の光励起表面プ
    ラズマ振動共鳴を利用したセンサヘッド。
  3. 【請求項3】前記点光源は半導体レーザである請求項1
    記載の光励起表面プラズマ振動共鳴を利用したセンサヘ
    ッド。
  4. 【請求項4】前記金属薄膜は、その上に外気もしくは被
    検物からの悪影響を排除するための保護膜を設けたもの
    である請求項1ないし3のいずれかに記載の光励起表面
    プラズマ振動共鳴を利用したセンサヘッド。
  5. 【請求項5】前記光源から延びる光軸と前記レンズの光
    軸とが平行である請求項1ないし4のいずれかに記載の
    光励起表面プラズマ振動共鳴を利用したセンサヘッド。
  6. 【請求項6】前記プリズムは三角状プリズムで、前記光
    束収束手段はこの三角状プリズムの第2面に形成された
    鏡面を含み、前記フーリエ変換用のレンズはシリンドリ
    カルレンズからなり、このシリンドリカルレンズは前記
    三角状プリズムの第3面に張り付けられてなる、請求項
    1ないし5のいずれかに記載の光励起表面プラズマ振動
    共鳴を利用したセンサヘッド。
  7. 【請求項7】前記プリズムは三角状プリズムで、前記光
    束収束手段はこの三角状プリズムの第2面に形成された
    鏡面を含み、前記フーリエ変換用のレンズは非球面レン
    ズからなり、この非球面レンズは前記三角状プリズムの
    第3面に張り付けられてなる、請求項1ないし5のいず
    れかに記載の光励起表面プラズマ振動共鳴を利用したセ
    ンサヘッド。
  8. 【請求項8】前記光束収束手段に前記三角状プリズムの
    第3面に張り付けられた、シリンドリカルレンズまたは
    非球面レンズのいずれかを含む請求項6または7記載の
    光励起表面プラズマ振動共鳴を利用したセンサヘッド。
  9. 【請求項9】前記三角状プリズムは直角プリズムである
    請求項6ないし8のいずれかに記載の光励起表面プラズ
    マ振動共鳴を利用したセンサヘッド。
  10. 【請求項10】前記点光源と1次元光電素子アレイとの
    少なくともいずれか一方は、前記暗箱体の外部に設けら
    れる請求項1ないし9のいずれかに記載の光励起表面プ
    ラズマ振動共鳴を利用したセンサヘッド。
  11. 【請求項11】前記暗箱体は筒型で長さは200mm以下の
    ものである請求項1ないし11のいずれかに記載の光励起
    表面プラズマ振動共鳴を利用したセンサヘッド。
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