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JPH0728104A - 光変調素子 - Google Patents

光変調素子

Info

Publication number
JPH0728104A
JPH0728104A JP17278293A JP17278293A JPH0728104A JP H0728104 A JPH0728104 A JP H0728104A JP 17278293 A JP17278293 A JP 17278293A JP 17278293 A JP17278293 A JP 17278293A JP H0728104 A JPH0728104 A JP H0728104A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
light
electric field
substrate
mqw structure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP17278293A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Kamijo
健 上條
Hiroshi Wada
浩 和田
Kenji Watanabe
賢司 渡邊
Takeshi Takamori
毅 高森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oki Electric Industry Co Ltd filed Critical Oki Electric Industry Co Ltd
Priority to JP17278293A priority Critical patent/JPH0728104A/ja
Publication of JPH0728104A publication Critical patent/JPH0728104A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 信号光の強度変調を励起光のオン−オフによ
り行える新規な光変調素子を提供すること。 【構成】 n型InP 基板41のミラー指数表示(111)
面上に、n型AlInAs層43を具え、このn型AlInAs層43上
にAlInAs障壁層/InGaAs井戸層で構成した歪みMQW 構造
45を具え、この歪みMQW 構造45上にp型AlInAs層47を具
える。InGaAs井戸層は基板41に格子整合しない格子不整
合井戸層とする。p及びn型のAlInAs層43,47 とAlInAs
障壁層とは基板41に格子整合するよう形成する。 【効果】 結晶構造に起因するピエゾ効果で歪みMQW 構
造内に生じている内部電界と光励起により歪みMQW 構造
内に生じる電界とを利用してこの歪みMQW 構造のバンド
ギャップ波長を変化させることで信号光の吸収、透過を
生じさせることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、信号光の強度を制御
光のオン・オフによって変調することができる光変調素
子に関するものであり、例えば光交換、光信号処理、光
情報処理装置の光信号ゲート素子として利用できる光変
調素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】伝播する信号光を空間的に強度変調する
光変調素子は、光交換、光情報処理などに用いられる。
このような素子のうちの、特に、上記変調を光により制
御できる素子は、全光学的な光信号処理が可能なため、
光の持つ特性を生かすことができるという長所を有す
る。ところで、光学的な励起により光の透過−吸収の具
合が変化する素子あるいはそのような材料を一般に「可
飽和吸収体」と呼ぶ。この可飽和吸収体では、これを光
学励起した際の励起強度があるしきい値を超えると、そ
れまで光を吸収していたところが、光を透過するように
なる。この性質は、信号光の強度変調を光で制御すると
いう上記目的達成の一手段とできる。その具体例とし
て、例えば文献I(Photonic Switching(フォトニック
スイッチング) vol.3,pp.15-21(1989))に開示の非
線形エタロンが知られている。図3はこの文献Iに開示
の非線形エタロン素子の構成を概略的に示した断面図
(文献IのFIG.5より引用した図)である。この素
子は、n−GaAs基板11上に、AlGaAs多層ミ
ラー13を具え、この多層ミラー13上に非線形媒質と
してi−GaAs層及びAlGaAs層で構成される多
重量子井戸(MQW)層15を具え、このこのMQW層
15上にp−AlGaAs17を具えた構成とされてい
た。この素子は、外部から信号光及び必要時に励起光を
入れて使用される。励起光(制御光)を入れることで生
じるGaAsMQW非線形媒質での非線形屈折率変化に
より、この素子は、非線形ファブリペロー共振器として
作用する。そして、GaAsMQW非線形媒質での非線
形屈折率変化がAlGaAs多層ミラー13の与える共
振条件を満たすか否かで信号光はオン−オフされる。具
体的には、上記共振条件を満たしたとき信号光はこの素
子を透過する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
光変調素子では、:素子特性がAlGaAs多層ミラ
ーの各層の膜厚均一性に敏感であること、:温度によ
りファブリペロー条件がゆらぎ易いこと、:強度変調
の様子のモニタが不可能なこと、:信号光の強度変調
を電気的にも行おうとした場合それが不可能なことなど
の問題点があった。
【0004】また、この種の素子はそれを多数並列的に
並べ駆動されることが多い。例えばシステムアーキテク
チャ上の要請から、素子を1次元アレイや2次元アレイ
状にして使用することが多い。ところが、上記の特に
〜のような問題点を有していることから、アレイ中の
各素子間での光学的、熱的な干渉が生じ易くなり応用上
の問題点となっていた。
【0005】この出願はこのような点に鑑みなされたも
のであり、従ってこの発明の第一の目的は、上述の〜
の問題点を解決できる新規な光変調素子を提供するこ
とにある。また、この発明の第二の目的は、上述の〜
の問題点を解決できる新規な光変調素子を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この第一の目的の達成を
図るため、この発明の光変調素子によれば、閃亜鉛鉱
(Zincblende:ZB )構造の単結晶基板と、該基板のミラ
ー指数表示(111)面の上側に設けられ、歪み量子井
戸構造を光吸収層として含む光導波路部とを具えたこと
を特徴とする。ここで、光導波路部が歪み量子井戸構造
を光吸収層として含むの含むとは、光導波路部を歪み量
子井戸構造のみで構成すること、光導波路部を上記歪み
量子井戸構造とさらにそれ以外の他のもの(例えば光ガ
イド層など)とで構成することのいずの場合もあり得る
意味である。
【0007】この発明において、歪み量子井戸構造は例
えば以下のように作製することができる。井戸層に圧縮
あるいは引っ張り歪みを生じさせて単結晶基板に格子整
合しない格子不整合井戸層を形成する。障壁層は単結晶
基板に格子整合するように形成する。これら格子不整合
井戸層と格子整合障壁層との格子不整合を利用しかつこ
れら層を臨界膜厚以内に成長させる。これにより歪みを
内在する量子井戸構造即ち歪み量子井戸構造を得る。な
お、歪み量子井戸構造の作製に当たり、上記例とは逆に
障壁層に圧縮あるいは引っ張り歪みを与えるようにして
も良い。
【0008】また、第二の目的の達成を図るため、この
発明の光変調素子は、上述の所定の基板と所定の光導波
路部との他にさらに、前記光導波路部に対し閃亜鉛鉱構
造の<111>方向に平行な電界を印加するための層を
具えたことを特徴とする。なおこの発明の実施に当た
り、電界を印加するための層を、前記光導波路を挟むp
型半導体層及びn型半導体層とするのが好適である。も
ちろん、この場合、典型的には、別途に設けた電極に電
圧を印加することによりこれらp型、n型の各半導体層
に電圧を印加し、これにより光導波路部に電界を印加す
ることになる。なお、前記閃亜鉛鉱構造の単結晶基板は
閃亜鉛鉱構造の半導体単結晶基板とできる。この場合上
述の電界を印加するための層としてのp型半導体層及び
n型半導体層のうちの一方を前記閃亜鉛鉱構造の半導体
単結晶基板で代替することもできる。また、ここでいう
電界を印加するための層とは、光導波路部に接して設け
た電圧印加用の電極(例えばショットキー電極)の場合
であっても良い。また、この発明でいう単結晶基板とは
基板そのもの場合はもちろん基板上にエピタキシャル成
長層を有したもの等も含む。
【0009】
【作用】この発明の光変調素子は、閃亜鉛鉱構造の単結
晶基板と、この基板のミラー指数表示(111)面の上
側に設けられ、歪み量子井戸構造を光吸収層として含む
光導波路部とを具える。この構成では、閃亜鉛構造の<
111>方向の結晶構造の非対称性に起因するピエゾ効
果が起される。ここで、歪み量子井戸構造が井戸層に歪
みを生じさせたものであるとすると、上記誘起されたピ
エゾ効果により歪み量子井戸構造における井戸層内の<
111>方向の歪みは電界(以下、「内部電界」若しく
は「ピエゾ電界」。)を発生させる。この状態における
量子井戸構造でのバンドギャップ波長を以下λA と称す
る。ここで、信号光としてλA >λB の波長の光でかつ
充分に弱励起の光(それ自体でピエゾ電界に影響を与え
る空間電荷電界を形成しない光という意味。)を用いる
とこの信号光は歪み量子井戸構造で吸収される。一方、
この光変調素子に励起光(制御光)を入力すると、この
光学励起により井戸層内に光キャリアが生じこれは内部
電界により空間電荷分布を形成する。また、この空間電
荷分布は電界を形成し、そしてこの電界は上記内部電界
に対するスクリーニング電界として作用するので内部電
界を減少させる。内部電界が減少するのでこのときの量
子井戸構造におけるバンドギャップ波長はλA より短い
λC となる。このバンドギャップ波長λC と信号光の波
長λB とが、λB >λC となっていれば(こういう関係
となるよう設計しておけば)、この発明の素子は励起光
によ励起された状態において信号光を透過する。したが
って、上記光励起がないときの信号光の吸収及び光励起
したときの信号光の透過によって、信号光の強度変調が
実現される。この発明の構成では、多層ミラー層を用い
たり非線形ファブリペロー共振器を用いないので、従来
の、の問題を回避できる。また、素子内部あるいは
素子外部にインダクタンスを付加し励起光により生じた
キャリアの減衰を測定することで強度変調の様子のモニ
タができる。
【0010】また、所定の電界を印加する所定の層を具
えた構成の場合ではこの層に電圧を印加することで、光
励起によってスクリーニング電界を作る代わりに当該ス
クリーニング電界を形成できる。したがって、電気的に
信号光の変調をすることも可能になる。またこの層を介
して電界強度をモニタすることにより強度変調の様子を
モニタできる。
【0011】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明の光変調素子
の実施例について説明する。しかしながら、説明に用い
る各図はこの発明を理解出来る程度に各構成成分の寸
法、形状及び配置関係を概略的に示してあるにすぎな
い。また、各図において同様な構成成分については同一
の番号を付して示し、それらの重複説明は場合により省
略する。
【0012】1.基本的な原理の説明 閃亜鉛鉱構造の単結晶基板としてInP基板を用いた場
合の例によりこの発明の光変調素子の動作原理を説明す
る。
【0013】この発明の光変調素子の基本例として、I
nP基板のミラー指数表示(111)面上に、AlIn
As障壁層/InGaAs井戸層から成る多重量子井戸
構造であって歪みを内在している多重量子井戸構造(以
下、歪みMQW構造)を具えた素子を考える。ただし、
歪みMQW構造は井戸層に圧縮あるいは引っ張り歪みを
生じさせることで構成してあるとする。この素子では、
閃亜鉛鉱構造の<111>方向の結晶構造の非対称性
(歪み)から、井戸層内に閃亜鉛鉱構造の<111>軸
方向のピエゾ電界が誘起される。この素子に励起光を入
れた場合と入れない場合の歪みMQW構造のバンド構造
は、以下に図1(A)〜(C)を参照して説明するよう
に変わる。なお、図1(A)〜(C)において、21は
井戸層、23は障壁層である。
【0014】先ず、図1(A)は、素子を光励起してい
ない場合の歪みMQW構造のバンド構造である。所定基
板面上に歪みMQW構造を設けたことで井戸層内に生じ
たピエゾ電界25が原因で、バンド構造は、フラットバ
ンド状態ではなく、ポテンシャル傾斜が生じたものとな
る。具体例でいえば、井戸層21及び障壁層23間の格
子不整合が例えば0.8%の場合を考えたとき、井戸層
内部では<111>方向に、大きさが84KV/cmの
ピエゾ電界が誘起される。そして、ここでは光励起がま
だされていない場合であるから、このピエゾ電界は量子
井戸に印加されるので、結局量子井戸に垂直に電界が印
加された状態になる、このため、構造はフラットバンド
状態ではなく、ポテンシャル傾斜が生じたものとなるの
である。このようにポテンシャル傾斜が生じたバンド構
造となっている素子に、それがフラットバンド状態であ
る場合の吸収端より低エネルギーで、かつ、図1(A)
のバンド状態である場合の吸収端より高エネルギーで然
も充分に弱励起の信号光27を入力すると、この信号光
27は素子内で吸収される(信号光の変調の一方の態様
が起こる)。
【0015】また、図1(A)のような状態のバンド構
造となっている素子を、この素子のフラットバンド状態
の吸収端より高エネルギーの光(励起光)29により励
起すると、歪みMQW構造では、図1(B)に示したよ
うに、光キャリアである電子(e)と正孔(h)とが、
電子にあっては伝導帯に正孔にあっては価電子帯にそれ
ぞれ誘起される。これら電子及び正孔は、内部電界(ピ
エゾ電界)25により互いに逆方向に移動する。そし
て、図1(C)に示したように、これら電子及び正孔は
空間電荷分布を形成する。この空間電荷分布は電界31
を形成する。この電界31はピエゾ電界スクリーニング
する電界(以下、「スクリーニング電界」。)として作
用する。ピエゾ電界25が上記スクリーニング電界31
によって減じられる(零の場合があっても良い。)分、
歪みMQW構造の量子井戸に印加される電界が低下する
ので、歪みMQW構造のバンド構造は、図1(C)に示
すように、フラットバンドのときの状態に近づく方向で
変化する。このため、歪みMQW構造での実効的な吸収
端のエネルギーが増加する(バンドギャップ波長が短く
なる)ので、光励起前のときより波長が短い光でもこの
MQW構造を透過できるようになる(信号光の変調の他
方の態様が起こる。)。また、励起光を遮断すると、励
起されていた電子及び正孔の緩和を経てスクリーニング
電界が解消されるので再びピエゾ電界のみが量子井戸に
印加されるため、歪みMQW構造では図1(A)を用い
て説明したように信号光の吸収が起こる。このようなこ
とで、信号光の強度を励起光のオン−オフにより変調で
きる。
【0016】2.より実際的な素子例の説明 次に、この発明の実施に当たっての実際的な素子例を説
明する。図2はその光変調素子を示した斜視図である。
【0017】この例の素子は、閃亜鉛鉱構造の単結晶基
板としてn型InP基板41を具える。そして、このI
nP基板41のミラー指数表示(111)面上に、n型
AlInAs層43を具え、このn型AlInAs層4
3上にAlInAs障壁層/InGaAs井戸層で構成
した歪みMQW構造45を具え、この歪みMQW構造4
5上にp型AlInAs層47を具える。InGaAs
井戸層は基板41に格子整合しない格子不整合井戸層と
する。p及びn型のAlInAs層43、47とAlI
nAs障壁層とは基板41に格子整合するよう形成す
る。さらにこの例の素子では、n型AlInAs層4
3、歪みMQW構造45及びp型AlInAs層47で
構成されるpin構造49をリッジ状としてある。さら
に、このリッジ状のpin構造49の両側を埋め込み層
例えば半絶縁性InP埋め込み層51により埋め込んで
ある。さらに、基板41の裏面に第一電極53を具え、
p型AlInAs層47上及び埋め込み層51上にこれ
らを渡って第二電極55を具えている。
【0018】この図2に示した素子では、光導波路部は
歪みMQW構造45で実質的に構成される。光導波路部
に電界を印加する層はp及びn型のAlInAs層4
3、47で構成される。ただし、p及びn型のAlIn
As層43、47には、基板41、第一電極53及び第
二電極55によって電圧が印加される。この素子では、
信号光及び励起光を、リッジ状のpin構造49にそれ
ぞれ入れる。これら光はリッジ状のpin構造49の長
手方向の一端から入れても良いし、又は、pin構造4
9のp側の層47側若しくはn側の層43(基板41)
側から入れても良い。ただし、リッジ状のpin構造4
9にその長手方向の一端から入れる方が信号光を吸収す
る点で実効が図れると考える。また、励起光と信号光と
を別の経路から入れる場合があっても良いと考える。実
用的には、信号光と励起光とを例えばこれらを合波した
状態で例えばファイバ光学系あるいは各種導波路を介し
て素子に導入できる。
【0019】この図2の素子では、図1(A)〜(C)
を用いて説明した原理により、信号光の強度を励起光の
オン−オフにより制御できる。ただし、この図2の素子
では信号光の強度を電気信号によって変調することもで
きる。すなわち図2の素子構造において、第一及び第二
電極53、55間に逆バイアスの電圧を印加したときと
これら電極53、55間に電気信号を印加しないときと
の2つの状態を利用することにより光信号の強度変調が
できる。ただし、第一及び第二電極53,55間に逆バ
イアス電圧を印加するとは、MQW構造45の内部電界
(ピエゾ電界)が減じられる(零にされる場合も含む)
方向の電界が発生されるように電圧を印加することであ
る。このように第一及び第二電極53,55間に逆バイ
アス電圧を印加すると、内部電界(ピエゾ電界)が減じ
られるので、歪みMQW構造45の実効的なバンドギャ
ップが光励起の場合同様広がるから、信号光を透過させ
ることができる。したがってこの図2に示した素子は、
信号光の強度を励起光で変調できるのみならず電気信号
によっても変調できる素子(電界吸収形光変調素子)に
なる。この場合はノーマリーオフ型の素子となる。
【0020】上述においてはこの発明の光変調素子の実
施例について説明したがこの発明は上述の実施例に限ら
れない。
【0021】例えば、上述においては、より実際的な素
子例として埋め込み構造を採用した素子例を示した。そ
れはこうすることにより光の横方向の閉じ込めが図れる
ことから光信号の損失低減に有効だからである。しか
し、この発明は原理的には埋め込み型に限られない。例
えば半導体レーザの分野において知られている構造のい
くつかを適用できる。
【0022】また、上述の実施例では基板としてInP
基板を用い、QW構造をAlInAs/InGaAsで
構成していた。しかし、基板は閃亜鉛鉱構造の単結晶基
板であれば広く利用できる。ただし、製造の便宜、例え
ば歪みMQW構造を作製することや電界印加層として半
導体層を用いる場合などを考慮すると、閃亜鉛鉱構造の
半導体単結晶基板が好ましい。QW構造も基板に応じた
適正な材料で構成できる。基板及びQW構造の他の例と
して、例えば、(a).基板としてGaAsを用いQW構造
をInGaAs/GaAsで構成した場合、(b).基板と
してGaAsを用いQW構造をZnSSe/ZnSで構
成した場合、(c).基板としてInP基板を用いQW構造
をAlInGaAs/InGaAsで構成した場合など
を挙げることができ、このような場合も実施例と同様な
効果が得られる。また、上記(a).〜(c).の構成を採用し
かつ図2に示した埋め込み構造の素子を構成する場合の
埋め込み層は、例えば、(a) にあってはAlGaAsあ
るいはInGaP、(b) にあってはZnS、(c) にあっ
てはInPあるいはAlIn(Ga)Asで構成でき
る。また、基板としてII−VI族の化合物半導体基板を用
いることもできる。
【0023】
【発明の効果】上述した説明から明らかなように、この
発明の光変調素子によれば、歪みMQW構造内に結晶構
造に起因するピエゾ効果で生じている内部電界と光励起
により歪みMQW構造内に生じる電界とを利用してこの
歪みMQW構造のバンドギャップ波長を変化させること
で信号光の吸収、透過を生じさせることができる。した
がって、多層ミラー層を用いた非線形ファブリペロー共
振器を用いることなく全光的な光変調素子が得られる。
このため、多層ミラー層を用いた非線形ファブリペロー
共振器を用いていたときの問題を回避できる。また、素
子内部あるいは素子外部にインダクタンスを付加し励起
光により生じたキャリアの減衰を測定することで変調強
度のモニタができる。また、電界を印加するための層を
さらに設けた構成では信号光の強度の変調を電気的に制
御できる。
【0024】この発明の光変調素子は、例えば光クロッ
クによる光信号の強度変調を伴うような光情報処理シス
テムの光信号スイッチとして活用できる。たとえば、光
学的にパーフェクトシャフルを実現するときにそれの各
ノードのExchange-Boxとしてこの発明の光変調素子を用
いることで、光クロックである励起光でマルチステージ
の構成を再構成することができる並列処理システムが得
られる。このようにこの発明の素子は、光交換、光情報
処理における光ゲート素子として利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(C)は、この発明の光変調素子の基
本的な原理の説明図であり、この素子に励起光を入れた
場合と入れない場合の歪みMQW構造のバンド構造の変
化を示した図である。
【図2】この発明を実施する際の実際的な素子構造の一
例を示した図である。
【図3】従来の光変調素子の説明に供する図である。
【符号の説明】
21:井戸層 23:障壁層 25:内部電界(ピエゾ電界) 27:信号光 29:励起光 31:スクリーニング電界 41:n−InP基板 43:n−AlInAs層 45:歪みMQW構造 47:p−AlInAs層 49:リッジ状のpin構造 51:埋め込み層 53:第一電極 55:第二電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高森 毅 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電気 工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 閃亜鉛鉱構造の単結晶基板と、 該基板のミラー指数表示(111)面の上側に設けら
    れ、歪み量子井戸構造を光吸収層として含む光導波路部
    とを具えたことを特徴とする光変調素子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光変調素子において、 前記光導波路部に対し閃亜鉛鉱構造の<111>方向に
    平行な電界を印加するための層をさらに具えたことを特
    徴とする光変調素子。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の光変調素子において、 前記閃亜鉛鉱構造の単結晶基板を閃亜鉛鉱構造の半導体
    単結晶基板としたことを特徴とする光変調素子。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の光変調素子において、 前記電界を印加するための前記層を、前記光導波路部を
    挟むp型半導体層及びn型半導体層(ただし、これら層
    の一方が前記単結晶基板の場合であっても良い。)とし
    たことを特徴とする光変調素子。
JP17278293A 1993-07-13 1993-07-13 光変調素子 Withdrawn JPH0728104A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7743588B2 (en) 2003-10-23 2010-06-29 Sangenic International Limited Waste storage device
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