JPH0728746B2 - 新規プラスミド、微生物細胞及びヒト免疫グロブリンG Fc領域蛋白質の製造法 - Google Patents
新規プラスミド、微生物細胞及びヒト免疫グロブリンG Fc領域蛋白質の製造法Info
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- JPH0728746B2 JPH0728746B2 JP61043531A JP4353186A JPH0728746B2 JP H0728746 B2 JPH0728746 B2 JP H0728746B2 JP 61043531 A JP61043531 A JP 61043531A JP 4353186 A JP4353186 A JP 4353186A JP H0728746 B2 JPH0728746 B2 JP H0728746B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (1)技術分野 本発明はヒト免疫グロブリンG(以下“Ig G"と略すこ
ともある)Fc領域蛋白質コードするDNA断片を有する新
規組換えプラスミド、該プラスミドにより形質転換され
た新規組換え微生物細胞、及び該微生物を用いたヒトIg
G Fc領域蛋白質の菌体外分泌による製造方法に関す
る。
ともある)Fc領域蛋白質コードするDNA断片を有する新
規組換えプラスミド、該プラスミドにより形質転換され
た新規組換え微生物細胞、及び該微生物を用いたヒトIg
G Fc領域蛋白質の菌体外分泌による製造方法に関す
る。
(2)発明の背景 すべての脊椎動物の体液中に存在し、抗原と特異的に結
合する能力を有する蛋白質が抗体であり、抗体蛋白質と
構造的、機能的関連をもつ蛋白質は総称して免疫グロブ
リンといわれている。免疫グロブリン(以下“Ig"と略
すことがある)は、物理化学的あるいは免疫学的な性状
から、IgG、IgA、IgM、IgE、IgDの5つのクラスに分類
される。
合する能力を有する蛋白質が抗体であり、抗体蛋白質と
構造的、機能的関連をもつ蛋白質は総称して免疫グロブ
リンといわれている。免疫グロブリン(以下“Ig"と略
すことがある)は、物理化学的あるいは免疫学的な性状
から、IgG、IgA、IgM、IgE、IgDの5つのクラスに分類
される。
なかでもIgGは細菌やウイルスに対する生体防御に重要
な役割を持っており、従来より、ヒトIgGを多量に含む
γ−グロブリン画分をヒトの血液より分離し、一部変性
することにより重症患者のための免疫製剤として用いら
れてきた。しかしながら、これは原料を人血に依存して
おり、その大量の安定した人手が困難であること、また
そのために均質で安全なものを常時得にくいという難点
があった。そこでヒト免疫グロブリンを遺伝子操作技術
によって産出することができれば、医薬品製造のために
極めて有利であることは論を待たない。
な役割を持っており、従来より、ヒトIgGを多量に含む
γ−グロブリン画分をヒトの血液より分離し、一部変性
することにより重症患者のための免疫製剤として用いら
れてきた。しかしながら、これは原料を人血に依存して
おり、その大量の安定した人手が困難であること、また
そのために均質で安全なものを常時得にくいという難点
があった。そこでヒト免疫グロブリンを遺伝子操作技術
によって産出することができれば、医薬品製造のために
極めて有利であることは論を待たない。
さて、ヒトIgGは2本のH鎖(heavy chain)と2本のL
鎖(light chain)がジスルフィド結合で結ばれた形を
とる。ヒトIgG分子にパパインなどの蛋白質分解酵素を
作用させると分子中央で切断され、抗原結合活性のある
断片(Fab領域蛋白質)と、抗原結合活性はなく条件に
より結晶化しやすい断片(Fc領域蛋白質)とに分かれ
る。Fab領域蛋白質はL鎖全体とH鎖のアミノ末端側の
半分を含み、1分子のIgGから2分子のFab領域蛋白質が
生じる。一方、H鎖のカルボキシル末端側の半分である
Fc領域蛋白質は、ヒンジ(h)、CH2、CH3の3つの部位
より成り、ヒンジ部位において2本の鎖がジスルフィド
結合によって結ばれた二量体構造をとっている。そし
て、Fc領域蛋白質はエフェクター(effector)機能を有
している。
鎖(light chain)がジスルフィド結合で結ばれた形を
とる。ヒトIgG分子にパパインなどの蛋白質分解酵素を
作用させると分子中央で切断され、抗原結合活性のある
断片(Fab領域蛋白質)と、抗原結合活性はなく条件に
より結晶化しやすい断片(Fc領域蛋白質)とに分かれ
る。Fab領域蛋白質はL鎖全体とH鎖のアミノ末端側の
半分を含み、1分子のIgGから2分子のFab領域蛋白質が
生じる。一方、H鎖のカルボキシル末端側の半分である
Fc領域蛋白質は、ヒンジ(h)、CH2、CH3の3つの部位
より成り、ヒンジ部位において2本の鎖がジスルフィド
結合によって結ばれた二量体構造をとっている。そし
て、Fc領域蛋白質はエフェクター(effector)機能を有
している。
従来、γ−グロブリン製剤は、無(低)γ−グロブリン
血症への補充、ウイルス感染症の予防と治療投与、等に
適用されてきた。近年、γ−グロブリン製剤が特発性血
小板減少性紫斑病(IT P)治療に有効であり〔P.Imba
chら,Lancet,1,1228(1981)〕、特にそのFc領域が重
要であることが示唆されている〔朴ら,臨床免疫、15
〔Supp1.7〕76(1983)〕。また、全身性エリテマトー
デス(SLE)等における腎糸球体沈着免疫複合体が、ヒ
トIgG Fc領域蛋白質の添加により融解したという報告
もある〔河往ら,臨床免疫,16,240(1984)〕。以上の
ように、Fc領域蛋白質は、ITPやSLEのような自己免疫疾
患の治療薬として用いることができる可能性があるが、
作用機序などを含めて不明な点が多い。十分な量のFc領
域蛋白質を供給できないことが、この理由の1つとなっ
ている。
血症への補充、ウイルス感染症の予防と治療投与、等に
適用されてきた。近年、γ−グロブリン製剤が特発性血
小板減少性紫斑病(IT P)治療に有効であり〔P.Imba
chら,Lancet,1,1228(1981)〕、特にそのFc領域が重
要であることが示唆されている〔朴ら,臨床免疫、15
〔Supp1.7〕76(1983)〕。また、全身性エリテマトー
デス(SLE)等における腎糸球体沈着免疫複合体が、ヒ
トIgG Fc領域蛋白質の添加により融解したという報告
もある〔河往ら,臨床免疫,16,240(1984)〕。以上の
ように、Fc領域蛋白質は、ITPやSLEのような自己免疫疾
患の治療薬として用いることができる可能性があるが、
作用機序などを含めて不明な点が多い。十分な量のFc領
域蛋白質を供給できないことが、この理由の1つとなっ
ている。
近年の遺伝子操作技術の発達により、種々の有用蛋白質
の微生物等を用いた生産が可能になった。しかしなが
ら、通常、有用蛋白質は主として菌体内に蓄積されるも
のであり、所望の有用蛋白質を菌体外に分泌する微生物
は限られたものしか知られていない。有用蛋白質を微生
物菌体内に産生させた場合には菌体体積を越える生産量
は期待できないが、菌体外に分泌させれば有用蛋白質
の、より多量の生産が可能になる。また、宿主微生物に
対してtoxicな有用蛋白質や、菌体内プロテアーゼに高
感受性な有用蛋白質の生産においても、菌体外分泌が有
利である。さらに、一般に分泌性蛋白質の種類はそれほ
ど多くないため、有用蛋白質を菌体外に分泌させればそ
の精製工程の簡略化が期待でき、工業的にみてコストダ
ウンがはかれる。以上の理由により、所望の有用蛋白質
を生産し、菌体外に分泌するような微生物を任意に創製
することができれば、その産業上の利用性は極めて大き
い。
の微生物等を用いた生産が可能になった。しかしなが
ら、通常、有用蛋白質は主として菌体内に蓄積されるも
のであり、所望の有用蛋白質を菌体外に分泌する微生物
は限られたものしか知られていない。有用蛋白質を微生
物菌体内に産生させた場合には菌体体積を越える生産量
は期待できないが、菌体外に分泌させれば有用蛋白質
の、より多量の生産が可能になる。また、宿主微生物に
対してtoxicな有用蛋白質や、菌体内プロテアーゼに高
感受性な有用蛋白質の生産においても、菌体外分泌が有
利である。さらに、一般に分泌性蛋白質の種類はそれほ
ど多くないため、有用蛋白質を菌体外に分泌させればそ
の精製工程の簡略化が期待でき、工業的にみてコストダ
ウンがはかれる。以上の理由により、所望の有用蛋白質
を生産し、菌体外に分泌するような微生物を任意に創製
することができれば、その産業上の利用性は極めて大き
い。
一般に菌体外に分泌される蛋白質は、アミノ末端に20〜
40残基程度のアミノ酸からなるシグナルペプチドといわ
れるものが結合した状態で産生され、細胞膜を透過し分
泌されるときにシグナルペプチダーゼという酵素によっ
てシグナル領域が切断されて、蛋白質が外に分泌され
る。この機構は基本的に高等生物でも微生物でも同様に
考えられ、本来分泌されない蛋白質にシグナルペプチド
をつけてやることによって、細胞膜を透過させることも
可能なわけである。
40残基程度のアミノ酸からなるシグナルペプチドといわ
れるものが結合した状態で産生され、細胞膜を透過し分
泌されるときにシグナルペプチダーゼという酵素によっ
てシグナル領域が切断されて、蛋白質が外に分泌され
る。この機構は基本的に高等生物でも微生物でも同様に
考えられ、本来分泌されない蛋白質にシグナルペプチド
をつけてやることによって、細胞膜を透過させることも
可能なわけである。
大腸菌〔エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)は、
その周囲を内膜・外膜という二つの膜で囲まれており、
内膜と外膜との間にはペルプラズムと呼ばれる空間が存
在する。従って、シグナルペプチドを用いることにより
内側を通過した蛋白質は、外膜を通過できないためペリ
プラズムに蓄積してしまうことになるため、大腸菌にお
ける本当の意味での菌体外分泌を考えた場合、シグナル
ペプチドのみでは不充分である。
その周囲を内膜・外膜という二つの膜で囲まれており、
内膜と外膜との間にはペルプラズムと呼ばれる空間が存
在する。従って、シグナルペプチドを用いることにより
内側を通過した蛋白質は、外膜を通過できないためペリ
プラズムに蓄積してしまうことになるため、大腸菌にお
ける本当の意味での菌体外分泌を考えた場合、シグナル
ペプチドのみでは不充分である。
近年、本発明者らの一部は、プラスミドベクターpMB9
〔R.L.Rodriguezら,Molecular Mechanisms in the Cont
rol of Gene Expression,ICN−UCLA,symp.Mol.Cell.Bio
l(ed.D.P.Nierlichら),V,471,Academic Press In
c.,New York(1976)〕を用い、好アルカリ性バチルス
(Bacillus)No.170株(SERM BP−467)由来の染色体D
NAより、ペニシリナーゼ遺伝子の大腸菌によるクローン
化に成功した〔T.Kudoら,J.Bacteriol.,156,949(198
3)〕。
〔R.L.Rodriguezら,Molecular Mechanisms in the Cont
rol of Gene Expression,ICN−UCLA,symp.Mol.Cell.Bio
l(ed.D.P.Nierlichら),V,471,Academic Press In
c.,New York(1976)〕を用い、好アルカリ性バチルス
(Bacillus)No.170株(SERM BP−467)由来の染色体D
NAより、ペニシリナーゼ遺伝子の大腸菌によるクローン
化に成功した〔T.Kudoら,J.Bacteriol.,156,949(198
3)〕。
この際に、ペニシリナーゼ蛋白質の大腸菌菌体外への分
泌が見られ、pMB9プラスミド上に存在するプロモーター
を持たないKil遺伝子を、好アルカリ性バチルスNo.170
株由来のDNA断片中のペニシリナーゼ遺伝子近傍に存在
するプロモーター活性を有する領域(Exプロモーター)
により活性化させることにより、大腸菌外膜の透過性が
増大していることが明らかとなった〔堀越,現代化学、
176,56(1985)〕。
泌が見られ、pMB9プラスミド上に存在するプロモーター
を持たないKil遺伝子を、好アルカリ性バチルスNo.170
株由来のDNA断片中のペニシリナーゼ遺伝子近傍に存在
するプロモーター活性を有する領域(Exプロモーター)
により活性化させることにより、大腸菌外膜の透過性が
増大していることが明らかとなった〔堀越,現代化学、
176,56(1985)〕。
そこで、本発明者らは、この菌体外分泌に関する研究を
更に進めた結果、ヒトIgG Fc領域蛋白質の菌体外分泌
発現に成功し、更にそのFc領域蛋白質の大部分はジスル
フィド結合を介した二量体構造を有していることを見出
し、本発明を完成するに至ったものである。
更に進めた結果、ヒトIgG Fc領域蛋白質の菌体外分泌
発現に成功し、更にそのFc領域蛋白質の大部分はジスル
フィド結合を介した二量体構造を有していることを見出
し、本発明を完成するに至ったものである。
(3)発明の目的 本発明の目的は、ヒトIgG Fc領域蛋白質をコードするD
NAを含むDNA断片及びその断片が組み込まれた新規組換
えプラスミドを提供することにある。
NAを含むDNA断片及びその断片が組み込まれた新規組換
えプラスミドを提供することにある。
本発明の他の目的は、上記新規組換えプラスミドによっ
て形質転換され、目的とするヒトIgG Fc領域蛋白質
を、菌体外に産生し得る新規組換え微生物細胞を提供す
ることにある。本発明の更に他の目的は、該微生物細胞
を用いてヒトIgG Fe領域蛋白質を菌体外分泌生産させ
る方法を提供することにある。
て形質転換され、目的とするヒトIgG Fc領域蛋白質
を、菌体外に産生し得る新規組換え微生物細胞を提供す
ることにある。本発明の更に他の目的は、該微生物細胞
を用いてヒトIgG Fe領域蛋白質を菌体外分泌生産させ
る方法を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、以下の説明により一層明らか
になるであろう。
になるであろう。
(4)発明の構成 本発明者の研究によれば、前記本発明の目的は、i)ヒ
ト免疫グロブリンG Fc領域蛋白質をコードするDNA領
域、該蛋白質の発現調節を行なうプロモーター機能を有
するDNA領域、及びシグナルペプチドをコードするDNA領
域を有するDNA断片、及び、 ii)実質的に菌体外分泌を促進する作用を宿主細胞に与
えるDNA領域、及び該DNA領域の発現調節を行なうプロモ
ーター機能を有するDNA領域、 を有するDNA断片を含むプラスミド、そのプラスミドに
よって形質転換された微生物細胞及びその微生物細胞を
用いてヒト免疫グロブリンG Fc領域蛋白質を菌体外分
泌生産させる方法を提供することによって達成されるこ
とがわかった。
ト免疫グロブリンG Fc領域蛋白質をコードするDNA領
域、該蛋白質の発現調節を行なうプロモーター機能を有
するDNA領域、及びシグナルペプチドをコードするDNA領
域を有するDNA断片、及び、 ii)実質的に菌体外分泌を促進する作用を宿主細胞に与
えるDNA領域、及び該DNA領域の発現調節を行なうプロモ
ーター機能を有するDNA領域、 を有するDNA断片を含むプラスミド、そのプラスミドに
よって形質転換された微生物細胞及びその微生物細胞を
用いてヒト免疫グロブリンG Fc領域蛋白質を菌体外分
泌生産させる方法を提供することによって達成されるこ
とがわかった。
以下、本発明について更に詳細に説明する。
《ヒト免疫グロブリンG Fc領域遺伝子のクローン化》 ヒトIgGを産生する細胞、たとえばヒト骨髄腫細胞ARH77
株〔K.H.Burkら,J.Cancer Res.,38,2508(1978)〕を、
適当な条件下、たとえば37℃、炭酸ガス濃度5%で培養
増殖させ、得られた細胞を遠心分離によって集める。こ
の細胞を、たとえばラウリル硫酸ナトリウム(SDS)の
ような界面活性剤存在下で、たとえばプロテアーゼKの
ような蛋白質分解酵素を用いて溶解させる。さらに、た
とえばフェノールによる抽出によって除蛋白質を行な
い、ヒト染色体DNAを得る。
株〔K.H.Burkら,J.Cancer Res.,38,2508(1978)〕を、
適当な条件下、たとえば37℃、炭酸ガス濃度5%で培養
増殖させ、得られた細胞を遠心分離によって集める。こ
の細胞を、たとえばラウリル硫酸ナトリウム(SDS)の
ような界面活性剤存在下で、たとえばプロテアーゼKの
ような蛋白質分解酵素を用いて溶解させる。さらに、た
とえばフェノールによる抽出によって除蛋白質を行な
い、ヒト染色体DNAを得る。
こうして得られたDNAを、例えばEcoRIのような制限酵素
で切断し、適当なファージ・ベクター、たとえばシャロ
ン4Aベクター〔F.R.Blattnerら,Science,196,161(197
7)〕と連結した後、イン・ビトロ・パッケージング
(A.Beckerら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,72,581(197
5)〕を行ない、ヒトの遺伝子ライブラリーを得る。Eco
RI以外の制限酵素を用いる場合や、クローニングサイト
としてEcoRIをもたないような他のファージ・ベクター
を使用する場合には、適当なリンカーDNAを用いれば遺
伝子ライブラリーの作成が可能になる。
で切断し、適当なファージ・ベクター、たとえばシャロ
ン4Aベクター〔F.R.Blattnerら,Science,196,161(197
7)〕と連結した後、イン・ビトロ・パッケージング
(A.Beckerら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,72,581(197
5)〕を行ない、ヒトの遺伝子ライブラリーを得る。Eco
RI以外の制限酵素を用いる場合や、クローニングサイト
としてEcoRIをもたないような他のファージ・ベクター
を使用する場合には、適当なリンカーDNAを用いれば遺
伝子ライブラリーの作成が可能になる。
この遺伝子ライブラリーのファージを、たとえばエシェ
リヒア・コリLE392株(ATCC33572)に感染、プラークを
形成させ、たとえばプラーク・ハイブリダイゼーション
法〔W.D.Bentonら,Science,196,180(1977)〕によって
目的クローンの選択を行なう。プローブとしては、たと
えばニックトランスレーション法〔P.W.J.Rigbyら,J.Mo
l.Biol.,113,237(1977)〕により32P標識を行なったヒ
ト免疫グロブリンH鎖J領域(Fab領域の中の一部であ
り、抗原結合活性を有する可変部とエフェクター機能を
有する定常部との境界に存在)遺伝子や、あるいはヒト
IgG Fc領域蛋白質のアミノ酸配列に対応すると考えら
れる塩基配列をもつオリゴヌクレオチドを化学合成した
後、これを32P標識したものを用いることができる。
リヒア・コリLE392株(ATCC33572)に感染、プラークを
形成させ、たとえばプラーク・ハイブリダイゼーション
法〔W.D.Bentonら,Science,196,180(1977)〕によって
目的クローンの選択を行なう。プローブとしては、たと
えばニックトランスレーション法〔P.W.J.Rigbyら,J.Mo
l.Biol.,113,237(1977)〕により32P標識を行なったヒ
ト免疫グロブリンH鎖J領域(Fab領域の中の一部であ
り、抗原結合活性を有する可変部とエフェクター機能を
有する定常部との境界に存在)遺伝子や、あるいはヒト
IgG Fc領域蛋白質のアミノ酸配列に対応すると考えら
れる塩基配列をもつオリゴヌクレオチドを化学合成した
後、これを32P標識したものを用いることができる。
このプラーク・ハイブリダイゼーションによって陽性を
示したクローンの制限酵素切断点地図を作成し、ヒト染
色体由来のDNA断片を、たとえばpBR322〔F.Bolivarら,G
ene,2,95(1977)〕のようなプラスミド・ベクターに
サブクローニングする。得られたサブクローンの挿入部
分のDNA塩基配列を、たとえばマキサム・ギルバート法
〔A.M.Maxamら,Methods Enzymol.,65,499(1980)〕あ
るいはM13ファージを用いたジデオキシ・チェーン・タ
ーミネーション法〔J.Messingら,Nucleic Acids Res.,
9,309(1981)〕の方法により決定し、ヒトIgG Fc領
域遺伝子の存在を確認する。第1図に、ヒトIgG Fc領
域蛋白質のアミノ酸配列及びそれをコードするDNA塩基
配列の一例を示す。
示したクローンの制限酵素切断点地図を作成し、ヒト染
色体由来のDNA断片を、たとえばpBR322〔F.Bolivarら,G
ene,2,95(1977)〕のようなプラスミド・ベクターに
サブクローニングする。得られたサブクローンの挿入部
分のDNA塩基配列を、たとえばマキサム・ギルバート法
〔A.M.Maxamら,Methods Enzymol.,65,499(1980)〕あ
るいはM13ファージを用いたジデオキシ・チェーン・タ
ーミネーション法〔J.Messingら,Nucleic Acids Res.,
9,309(1981)〕の方法により決定し、ヒトIgG Fc領
域遺伝子の存在を確認する。第1図に、ヒトIgG Fc領
域蛋白質のアミノ酸配列及びそれをコードするDNA塩基
配列の一例を示す。
こうして得られたヒトIgG Fc領域遺伝子は、ヒト染色
体のものであるから、実際にアミノ酸をコードしないイ
ントロン(intron)を含んでおり、このままでは微生物
中で発現させることはできない。そこでこのFc領域遺伝
子を適当な制限酵素で切断し、イントロンの部分を完全
に除去する。この制限酵素切断の際に、実際にアミノ酸
をコードするエクソン(exon)の部分も削られてしまう
ことがありうるが、その場合には化学合成したオリゴヌ
クレオチドのジョイントを用いて削られた部分を修復さ
せると共に、隣り合ったエクソン同志を連結させる。同
時に、合成オリゴヌクレオチドを用いた同様な手法によ
り、Fc領域遺伝子の3′末端に読みとりフレームを一致
させるように翻訳終止コドン(TGA,TAG,TAA)を2つ以
上タンデムに連結し、発現効率の向上をはかることもで
きる。ここで得られたイントロンのないFc領域遺伝子
は、やはり合成オリゴヌクレオチドを用いた手法を用
い、その上流に読みとりフレームを一致させるように翻
訳開始コドンを付与することができる。さらにこのFc領
域遺伝子は、適当なプロモーター、SD(シャイン・ダル
ガーノ)配列の下流につなぐことにより、菌体内発現型
遺伝子とすることができる。使用可能なプロモーターと
して、トリプトファン・オペロン・プロモーター(trp
プロモーター)、ラクトース・オペロン・プロモーター
(Iacプロモーター)、tacプロモーター、PLプロモータ
ー、IPPプロモーター等があげられるが、とりわけtrpプ
ロモーターやtacプロモーターが好適である。Fc領域遺
伝子を効率良く発現させるためには、プロモーター、SD
配列、翻訳開始コドン、翻訳終止コドンのすべてを連結
したものが好ましく、プロモーター、SD配列、翻訳開示
コドン、Fc領域遺伝子及び翻訳終止コドンが、この順序
で連結したものがとりわけ好ましい。
体のものであるから、実際にアミノ酸をコードしないイ
ントロン(intron)を含んでおり、このままでは微生物
中で発現させることはできない。そこでこのFc領域遺伝
子を適当な制限酵素で切断し、イントロンの部分を完全
に除去する。この制限酵素切断の際に、実際にアミノ酸
をコードするエクソン(exon)の部分も削られてしまう
ことがありうるが、その場合には化学合成したオリゴヌ
クレオチドのジョイントを用いて削られた部分を修復さ
せると共に、隣り合ったエクソン同志を連結させる。同
時に、合成オリゴヌクレオチドを用いた同様な手法によ
り、Fc領域遺伝子の3′末端に読みとりフレームを一致
させるように翻訳終止コドン(TGA,TAG,TAA)を2つ以
上タンデムに連結し、発現効率の向上をはかることもで
きる。ここで得られたイントロンのないFc領域遺伝子
は、やはり合成オリゴヌクレオチドを用いた手法を用
い、その上流に読みとりフレームを一致させるように翻
訳開始コドンを付与することができる。さらにこのFc領
域遺伝子は、適当なプロモーター、SD(シャイン・ダル
ガーノ)配列の下流につなぐことにより、菌体内発現型
遺伝子とすることができる。使用可能なプロモーターと
して、トリプトファン・オペロン・プロモーター(trp
プロモーター)、ラクトース・オペロン・プロモーター
(Iacプロモーター)、tacプロモーター、PLプロモータ
ー、IPPプロモーター等があげられるが、とりわけtrpプ
ロモーターやtacプロモーターが好適である。Fc領域遺
伝子を効率良く発現させるためには、プロモーター、SD
配列、翻訳開始コドン、翻訳終止コドンのすべてを連結
したものが好ましく、プロモーター、SD配列、翻訳開示
コドン、Fc領域遺伝子及び翻訳終止コドンが、この順序
で連結したものがとりわけ好ましい。
本発明の菌体内発現型ヒトIgG Fc領域遺伝子を、適当
なプラスミド・ベクター、たとえばpBR322に挿入するこ
とにより、発現型プラスミドが作成できる。菌体内発現
型プラスミドとして、好ましくは、pFC203、pFC211、pF
C361、pFC362が用いられる。
なプラスミド・ベクター、たとえばpBR322に挿入するこ
とにより、発現型プラスミドが作成できる。菌体内発現
型プラスミドとして、好ましくは、pFC203、pFC211、pF
C361、pFC362が用いられる。
《好アルカリ性バチルスNo.170株ペニシリナーゼ遺伝子
のクローン化》 ペニシリナーゼ生産能を有する好アルカリ性バチルスN
o.170株(FERM BP−467)を適当な条件下、たとえば30
℃で振とう培養し、得られた菌体を遠心分離によって集
める。この菌体から、公知の方法、たとえばフェノール
法によってDNAを抽出し、染色体DNAを得る。
のクローン化》 ペニシリナーゼ生産能を有する好アルカリ性バチルスN
o.170株(FERM BP−467)を適当な条件下、たとえば30
℃で振とう培養し、得られた菌体を遠心分離によって集
める。この菌体から、公知の方法、たとえばフェノール
法によってDNAを抽出し、染色体DNAを得る。
こうして得られたDNAを、たとえばEcoRIのような制限酵
素で部分的に切断し、適当なプラスミドベクター、たと
えばpMB9プラスミドのEcoRIサイトへの挿入を行ない、
好アルカリ性バチルスNo.170株染色体DNAを組み込んだ
組換えプラスミドを得る。この組換えプラスミドを、た
とえばエシェリヒア・コリHB101株(ATCC33694)に公知
の方法、たとえばCaClz法〔M.V.Norgardら,Gene、3、2
79(1978)〕を用いて導入、アンピシリン及びテトラサ
イクリンに耐性の形質転換株をスクリーニングすること
により、好アルカリ性バチルスNo.170株ペニシリナーゼ
遺伝子及びペニシリナーゼの菌体外分泌生産に関与する
情報を担うDNA領域を有する組換えプラスミド、たとえ
ばpEAP1を得る。
素で部分的に切断し、適当なプラスミドベクター、たと
えばpMB9プラスミドのEcoRIサイトへの挿入を行ない、
好アルカリ性バチルスNo.170株染色体DNAを組み込んだ
組換えプラスミドを得る。この組換えプラスミドを、た
とえばエシェリヒア・コリHB101株(ATCC33694)に公知
の方法、たとえばCaClz法〔M.V.Norgardら,Gene、3、2
79(1978)〕を用いて導入、アンピシリン及びテトラサ
イクリンに耐性の形質転換株をスクリーニングすること
により、好アルカリ性バチルスNo.170株ペニシリナーゼ
遺伝子及びペニシリナーゼの菌体外分泌生産に関与する
情報を担うDNA領域を有する組換えプラスミド、たとえ
ばpEAP1を得る。
得られた組換えプラスミドのDNA塩基配列を、たとえば
前記マキサム−ギルバード法あるいは前記M13ファージ
を用いたジデオキシ・チェーン・ターミネーション法に
より決定し、ペニシリナーゼ遺伝子プロモーター領域、
シグナルペプチド領域、成熟ペプチド領域の構造、さら
にペニシリナーゼの菌体外分泌に関与する好アルカリ性
バチルスNo.170株由来のExプロモーター領域及びpMB9プ
ラスミド由来のKil遺伝子の構造を明らかにする。第1
図に、好アルカリ性バチルスNo.170株ペニシリナーゼ遺
伝子プロモーター領域・シグナルペプチド領域のDNA塩
基配列を示す。また、第2図にプラスミドpMB9由来のKi
l遺伝子のDNA塩基配列を、第3図に好アルカリ性バチル
スNo.170株由来のExプロモーター領域のDNA塩基配列
を、それぞれ示す。さらに、シグナルペプチド領域及び
Kil遺伝子については、対応するアミノ酸配列も合わせ
て示す。
前記マキサム−ギルバード法あるいは前記M13ファージ
を用いたジデオキシ・チェーン・ターミネーション法に
より決定し、ペニシリナーゼ遺伝子プロモーター領域、
シグナルペプチド領域、成熟ペプチド領域の構造、さら
にペニシリナーゼの菌体外分泌に関与する好アルカリ性
バチルスNo.170株由来のExプロモーター領域及びpMB9プ
ラスミド由来のKil遺伝子の構造を明らかにする。第1
図に、好アルカリ性バチルスNo.170株ペニシリナーゼ遺
伝子プロモーター領域・シグナルペプチド領域のDNA塩
基配列を示す。また、第2図にプラスミドpMB9由来のKi
l遺伝子のDNA塩基配列を、第3図に好アルカリ性バチル
スNo.170株由来のExプロモーター領域のDNA塩基配列
を、それぞれ示す。さらに、シグナルペプチド領域及び
Kil遺伝子については、対応するアミノ酸配列も合わせ
て示す。
このペニシリナーゼ遺伝子及びペニシリナーゼの菌体外
分泌生産に関与する情報を担うDNA領域を有する組換え
プラスミドを出発材料として、自然欠失を利用した方
法、あるいはS1−ヌクレアーゼ、DNA−ポリメラーゼ等
の修飾酵素や合成オリゴヌクレオチドを用いる人為的方
法により、好アルカリ性バチルスNo.170株由来のExプロ
モーター領域とプラスミドpMB9由来のKil遺伝子から成
る菌体外分泌生産に関与する情報を担うDNA領域全域、
及びペニシリナーゼ遺伝子の全域あるいは一部を含む、
組換えプラスミドが得られる。このようなプラスミドと
して、好ましくはpEAP3、pEAP6、pEAP7、pEAP7ΔH、pE
AP7ΔCCH、pEAP7ΔCH、pHAP8、p329EXKが用いられる。
分泌生産に関与する情報を担うDNA領域を有する組換え
プラスミドを出発材料として、自然欠失を利用した方
法、あるいはS1−ヌクレアーゼ、DNA−ポリメラーゼ等
の修飾酵素や合成オリゴヌクレオチドを用いる人為的方
法により、好アルカリ性バチルスNo.170株由来のExプロ
モーター領域とプラスミドpMB9由来のKil遺伝子から成
る菌体外分泌生産に関与する情報を担うDNA領域全域、
及びペニシリナーゼ遺伝子の全域あるいは一部を含む、
組換えプラスミドが得られる。このようなプラスミドと
して、好ましくはpEAP3、pEAP6、pEAP7、pEAP7ΔH、pE
AP7ΔCCH、pEAP7ΔCH、pHAP8、p329EXKが用いられる。
また、上述のペニシリナーゼ遺伝子及びペニシリナーゼ
の菌体外分泌生産に関与する情報を担うDNA領域を有す
る組換えプラスミドを、適当な制限酵素で切断し、ペニ
シリナーゼ遺伝子プロモーター領域及びシグナルペプチ
ド領域を含むDNA断片を得る。このDNA断片を、必要なら
適当な合成オリゴヌクレオチド・リンカーを介して、適
当なプラスミドベクター、たとえばpCM1(T.J.Closeと
R.Rodriguez,Gene,20,305(1982)〕とpCM7(T.J.Close
とR.Rodriguez,Gene,20,305(1982)〕とのハイブリッ
ド・プラスミドpCM71にクローン化し、ペニシリナーゼ
遺伝子プロモーター領域及びシグナルペプチド領域を有
するプラスミドが得られる。ペニシリナーゼ遺伝子プロ
モーター領域及びシグナルペプチド領域を有するプラス
ミドとして、好ましくはpPS1、pPS1ΔH、p329PSが用い
られる。
の菌体外分泌生産に関与する情報を担うDNA領域を有す
る組換えプラスミドを、適当な制限酵素で切断し、ペニ
シリナーゼ遺伝子プロモーター領域及びシグナルペプチ
ド領域を含むDNA断片を得る。このDNA断片を、必要なら
適当な合成オリゴヌクレオチド・リンカーを介して、適
当なプラスミドベクター、たとえばpCM1(T.J.Closeと
R.Rodriguez,Gene,20,305(1982)〕とpCM7(T.J.Close
とR.Rodriguez,Gene,20,305(1982)〕とのハイブリッ
ド・プラスミドpCM71にクローン化し、ペニシリナーゼ
遺伝子プロモーター領域及びシグナルペプチド領域を有
するプラスミドが得られる。ペニシリナーゼ遺伝子プロ
モーター領域及びシグナルペプチド領域を有するプラス
ミドとして、好ましくはpPS1、pPS1ΔH、p329PSが用い
られる。
《分泌型プラスミドの作成》 前に得られたヒトIgG Fc領域菌体内発現型プラスミ
ド、たとえばpFC362を、適当な制限酵素で切断すること
により、菌体内発現のためのプロモーター領域を削除
し、その部分に適当なプロモーター領域及びシグナルペ
プチド領域、たとえば好アルカリ性バチルスNo.170株ペ
ニシリナーゼ遺伝子シグナルペプチド領域との連結用の
合成オリゴヌクレオチド・ジョイントを挿入した形のプ
ラスミドを得る。このようなプラスミドとして、好まし
くはpSEC−FC、pSEC−FCCが用いられる。
ド、たとえばpFC362を、適当な制限酵素で切断すること
により、菌体内発現のためのプロモーター領域を削除
し、その部分に適当なプロモーター領域及びシグナルペ
プチド領域、たとえば好アルカリ性バチルスNo.170株ペ
ニシリナーゼ遺伝子シグナルペプチド領域との連結用の
合成オリゴヌクレオチド・ジョイントを挿入した形のプ
ラスミドを得る。このようなプラスミドとして、好まし
くはpSEC−FC、pSEC−FCCが用いられる。
次にこのプラスミドに、適当なプロモーター領域及びシ
グナルペプチド領域を有するプラスミドを適当な制限酵
素で切断することにより得られる適当なプロモーター領
域を有するDNA断片及びシグナルペプチド領域を有するD
NA断片を挿入し、適当なプロモーター領域及びシグナル
ペプチド領域下流にヒトIgG Fc領域遺伝子が連結した
形のプラスミドが得られる。このようなプロモーター領
域・シグナルペプチド領域を有する遺伝子としては、大
腸菌β−ラクタマーゼ遺伝子、大腸菌アルカリ性ホスフ
ァターゼ遺伝子、大腸菌リポプロテイン遺伝子、枯草菌
ペニシリナーゼ遺伝子、枯草菌プロテアーゼ遺伝子、酵
母α因子遺伝子、好アルカリ性バチルスNo.170株ペニシ
リナーゼ遺伝子、好アルカリ性エアロモナス(Aeromona
s)No.212株キシラナーゼ遺伝子、好アルカリ性バチル
スNo.N−4株セルラーゼ遺伝子、好アルカリ性バチルス
No.1139株セルラーゼ遺伝子等があげられるが、好まし
くは好アルカリ性バチルスNo.170株ペニシリナーゼ遺伝
子が用いられる。適当なプロモーター領域、適当なシグ
ナルペプチド領域及びヒトIgG Fc領域遺伝子が、この
順序に連結された形のプラスミドが最も好ましく、この
プラスミドを用いることにより、ヒトIgG Fc領域蛋白
質のペリプラズムまでの分泌が可能になる。このような
ペリプラリズム分泌発現型プラスミドとして、好ましく
はpPS−FCが用いられる。
グナルペプチド領域を有するプラスミドを適当な制限酵
素で切断することにより得られる適当なプロモーター領
域を有するDNA断片及びシグナルペプチド領域を有するD
NA断片を挿入し、適当なプロモーター領域及びシグナル
ペプチド領域下流にヒトIgG Fc領域遺伝子が連結した
形のプラスミドが得られる。このようなプロモーター領
域・シグナルペプチド領域を有する遺伝子としては、大
腸菌β−ラクタマーゼ遺伝子、大腸菌アルカリ性ホスフ
ァターゼ遺伝子、大腸菌リポプロテイン遺伝子、枯草菌
ペニシリナーゼ遺伝子、枯草菌プロテアーゼ遺伝子、酵
母α因子遺伝子、好アルカリ性バチルスNo.170株ペニシ
リナーゼ遺伝子、好アルカリ性エアロモナス(Aeromona
s)No.212株キシラナーゼ遺伝子、好アルカリ性バチル
スNo.N−4株セルラーゼ遺伝子、好アルカリ性バチルス
No.1139株セルラーゼ遺伝子等があげられるが、好まし
くは好アルカリ性バチルスNo.170株ペニシリナーゼ遺伝
子が用いられる。適当なプロモーター領域、適当なシグ
ナルペプチド領域及びヒトIgG Fc領域遺伝子が、この
順序に連結された形のプラスミドが最も好ましく、この
プラスミドを用いることにより、ヒトIgG Fc領域蛋白
質のペリプラズムまでの分泌が可能になる。このような
ペリプラリズム分泌発現型プラスミドとして、好ましく
はpPS−FCが用いられる。
さらに前記の各種プラスミドを組み合わせることによ
り、適当なプロモーター領域・シグナルペプチド領域下
流にヒトIgG Fc領域遺伝子を連結したDNA領域、及び好
アルカリ性バチルスNo.170株由来のExプロモーター領域
とpMB9プラスミド由来のKil遺伝子から成る菌体外分泌
生産に関与する情報を担うDNA領域とを合わせ持つよう
なプラスミドが得られる。このプラスミドを用いること
により、ヒトIgG Fc領域蛋白質の菌体外分泌が可能に
なる。このような菌体外分泌発現型プラスミドとして、
好ましくはpEXFC10、pEXFC100が用いられる。
り、適当なプロモーター領域・シグナルペプチド領域下
流にヒトIgG Fc領域遺伝子を連結したDNA領域、及び好
アルカリ性バチルスNo.170株由来のExプロモーター領域
とpMB9プラスミド由来のKil遺伝子から成る菌体外分泌
生産に関与する情報を担うDNA領域とを合わせ持つよう
なプラスミドが得られる。このプラスミドを用いること
により、ヒトIgG Fc領域蛋白質の菌体外分泌が可能に
なる。このような菌体外分泌発現型プラスミドとして、
好ましくはpEXFC10、pEXFC100が用いられる。
なお、本発明において適当なプロモーター領域、シグナ
ルペプチド領域、ヒトIgG Fc領域遺伝子、Exプロモー
ター領域及びKil遺伝子は、これらと生物学的機能にお
いて同等なDNA領域、すなわち該DNA領域に対してヌクレ
オチドの置換、ヌクレオチドの欠失、ヌクレオチドの挿
入及びヌクレオチド配列の逆位その他の突然変異によっ
て関連づけられているDNA領域でもよいことはいうまで
もない。
ルペプチド領域、ヒトIgG Fc領域遺伝子、Exプロモー
ター領域及びKil遺伝子は、これらと生物学的機能にお
いて同等なDNA領域、すなわち該DNA領域に対してヌクレ
オチドの置換、ヌクレオチドの欠失、ヌクレオチドの挿
入及びヌクレオチド配列の逆位その他の突然変異によっ
て関連づけられているDNA領域でもよいことはいうまで
もない。
《ヒト免疫グロブリンG Fc領域蛋白質の生産》 かくして得られた、ヒトIgG Fc領域遺伝子菌体内発現
型プラスミド、ペリプラズム分泌発現型プラスミド及び
菌体外分泌型プラスミドを常法により適当な宿主に導入
して組換え微生物を得、これを培養することにより、ヒ
トIgG Fc領域蛋白質を生産させることができる。この
ような宿主としてはエシェリヒア(Escherichia)属に
属する微生物を有利に使用することができる。宿主とし
ては、前記のエシェリヒア・コリHB101株、同C600株、
同DP−supF株、同χ1776株、同LE392株等、通常のこの
種の技術分野で用いられる微生物が有利に用いられる。
なかでも、エシェリヒア・コリHB101株及び同C600株が
とりわけ好ましい。
型プラスミド、ペリプラズム分泌発現型プラスミド及び
菌体外分泌型プラスミドを常法により適当な宿主に導入
して組換え微生物を得、これを培養することにより、ヒ
トIgG Fc領域蛋白質を生産させることができる。この
ような宿主としてはエシェリヒア(Escherichia)属に
属する微生物を有利に使用することができる。宿主とし
ては、前記のエシェリヒア・コリHB101株、同C600株、
同DP−supF株、同χ1776株、同LE392株等、通常のこの
種の技術分野で用いられる微生物が有利に用いられる。
なかでも、エシェリヒア・コリHB101株及び同C600株が
とりわけ好ましい。
このようにして得られた組換え微生物を、それ自体は公
知の方法で培養する。培地としては、ヒトIgG Fc領域
蛋白質の生産に適した培地であって、かつ宿主微生物の
生育に適した培地を用い得るが、たとえばM9培地〔T.Ma
niatisら編、Molecular Cloning P440(Cold Spring Ha
rbor Laboratory,New York 1982)〕、LB培地(T.Mania
tisら編,Molecular Cloning,P440(Cold Spring Harbor
Laboratory,Hew York 1982)〕、BPB培地(Difco
製)、Nutrient寒天培地等を基本培地として調製したも
のを用いればよい。その他、必要に応じて、炭素源、窒
素源の他にアミノ酸、ビタミン等の栄養素を添加しても
よいし、発現型プラスミドの宿主内安定化のために適当
量の抗生物質等を添加してもよい。
知の方法で培養する。培地としては、ヒトIgG Fc領域
蛋白質の生産に適した培地であって、かつ宿主微生物の
生育に適した培地を用い得るが、たとえばM9培地〔T.Ma
niatisら編、Molecular Cloning P440(Cold Spring Ha
rbor Laboratory,New York 1982)〕、LB培地(T.Mania
tisら編,Molecular Cloning,P440(Cold Spring Harbor
Laboratory,Hew York 1982)〕、BPB培地(Difco
製)、Nutrient寒天培地等を基本培地として調製したも
のを用いればよい。その他、必要に応じて、炭素源、窒
素源の他にアミノ酸、ビタミン等の栄養素を添加しても
よいし、発現型プラスミドの宿主内安定化のために適当
量の抗生物質等を添加してもよい。
培養は、pH、温度、酸素供給量を目的の組換え微生物に
適した条件で行なう。菌体内発現型プラスミドを有する
組換え微生物の培養においては、プロモーターを効率良
く機能させる目的で、イソプロピル−β−D−チオガラ
クトシド等の薬剤を加えることもできる。菌体外分泌発
現型プラスミドを有する組換え微生物の培養において
は、該微生物が生育してその菌体量が最大に達したと
き、即ち対数増殖後期から培地中にFc領域蛋白質が生
成、蓄積するまでの時間中、同一培地で培養をそのまま
継続するのがよい。たとえばエシェリヒア属の微生物の
前記菌体量が最大に達したときから培地中にFc領域蛋白
質の生成、蓄積が停止すまでの時間は、ほぼ12〜48時間
の範囲である。なお、pH条件は特に影響されないが、pH
5〜8の範囲、特にpH7が適当である。また、ペリプラズ
ム分泌発現型プラスミドを有する組換え微生物の培養に
ついても、菌体外分泌型プラスミドを有する組換え微生
物と同様な方法で行なうことができる。
適した条件で行なう。菌体内発現型プラスミドを有する
組換え微生物の培養においては、プロモーターを効率良
く機能させる目的で、イソプロピル−β−D−チオガラ
クトシド等の薬剤を加えることもできる。菌体外分泌発
現型プラスミドを有する組換え微生物の培養において
は、該微生物が生育してその菌体量が最大に達したと
き、即ち対数増殖後期から培地中にFc領域蛋白質が生
成、蓄積するまでの時間中、同一培地で培養をそのまま
継続するのがよい。たとえばエシェリヒア属の微生物の
前記菌体量が最大に達したときから培地中にFc領域蛋白
質の生成、蓄積が停止すまでの時間は、ほぼ12〜48時間
の範囲である。なお、pH条件は特に影響されないが、pH
5〜8の範囲、特にpH7が適当である。また、ペリプラズ
ム分泌発現型プラスミドを有する組換え微生物の培養に
ついても、菌体外分泌型プラスミドを有する組換え微生
物と同様な方法で行なうことができる。
培養後、たとえばオスモティック・ショック法〔C.Kato
ら、E.J.Appl.Microbiol.Biotechnol.,18,339(198
3)〕を用いて、培養物を菌体内画分、ペリプラズム画
分及び菌体外画分に分画する。各画分におけるヒトIgC
Fc領域蛋白質の有無およびその会合の状態は、たとえ
ば市販のウサギ抗ヒトIgG−Fc成分抗血清及び酵素標識
抗ウサギIg抗体を用いたエンザイム・イムノアツセイ
(EIA)により確認できる。
ら、E.J.Appl.Microbiol.Biotechnol.,18,339(198
3)〕を用いて、培養物を菌体内画分、ペリプラズム画
分及び菌体外画分に分画する。各画分におけるヒトIgC
Fc領域蛋白質の有無およびその会合の状態は、たとえ
ば市販のウサギ抗ヒトIgG−Fc成分抗血清及び酵素標識
抗ウサギIg抗体を用いたエンザイム・イムノアツセイ
(EIA)により確認できる。
各画分からのヒトIgG Fc領域蛋白質の精製は公知の通
常知られている蛋白質の分離、精製法に従えばよいが、
抗ヒトIgG−Fc成分抗体を用いたアフィニティーカラ
ム、クロマトグラフィーがとりわけ有利である。こうし
て得られたFc領域蛋白質精製品について、SDS−ポリア
クリルアミドゲル電気泳動による分子量解析、アミノ酸
組成分析およびアミノ末端のアミノ酸配列解析を行なう
ことにより、シグナルペプチドが正しく切断されたFc領
域蛋白質の分泌が確認できる。
常知られている蛋白質の分離、精製法に従えばよいが、
抗ヒトIgG−Fc成分抗体を用いたアフィニティーカラ
ム、クロマトグラフィーがとりわけ有利である。こうし
て得られたFc領域蛋白質精製品について、SDS−ポリア
クリルアミドゲル電気泳動による分子量解析、アミノ酸
組成分析およびアミノ末端のアミノ酸配列解析を行なう
ことにより、シグナルペプチドが正しく切断されたFc領
域蛋白質の分泌が確認できる。
本発明において、アミノ酸、ペプチド、核酸、その他に
関し略号で表示する場合、それらはIUPAC−IUB生化学命
名委員会(CBN)により略号あるいは当該分野における
慣用略号に基づいて表示され、例えば下記の略号が使用
される。なお、アミノ酸などに関し光学異性体がある得
る場合は、特に明示しなければL体を示すものとする。
関し略号で表示する場合、それらはIUPAC−IUB生化学命
名委員会(CBN)により略号あるいは当該分野における
慣用略号に基づいて表示され、例えば下記の略号が使用
される。なお、アミノ酸などに関し光学異性体がある得
る場合は、特に明示しなければL体を示すものとする。
Cys:システイン Met:メチオニン Clu:グルタミン酸 Asp:アスパラギン酸 Lys:リジン Arg:アルギニン His:ヒスチジン Phe:フェニールアラニン Tyr:チロシン Trp:トリプトファン Pro:プロリン Asn:アスパラギン Gln:グルタミン Gly:グリシン Ala:アラニン Val:バリン Leu:ロイシン Ile:イソロイシン Ser:セリン Thr:スレオニン DNA:デオキシリボ核酸 A:アデニン T:チミン G:グアニン C:シトシン EDTA:エチレンジアミン四酢酸 SDS:ドデシル硫酸ナトリウム また、特に明示しなければ、微生物細胞が産生したヒト
免疫グロブリンG Fc領域蛋白質には、その単量体蛋白
質以外に、二量体等の多量体蛋白質も含まれるものとす
る。
免疫グロブリンG Fc領域蛋白質には、その単量体蛋白
質以外に、二量体等の多量体蛋白質も含まれるものとす
る。
以下実施例を掲げて本発明について詳細に説明するが、
本発明は何らこれにより限定されるものではない。
本発明は何らこれにより限定されるものではない。
実施例1(ヒト染色体DNAの単離) ヒト骨髄腫細胞ARH77株3×108個をガラス棒でつぶし、
2% SDS存在下、プロテアーゼK(シグマ)で処理し
た後、TEバッファー〔10mM Tris−HCl(pH8.0)、1mM
EDTA〕で飽和したフェノールを加えた。遠心分離によ
り水相とフェノール相を分離し(フェノール抽出)、水
相をTEバッファー〔20mM Tris−HCl(pH7.5)、100mM
NaCl、5mM EDTA〕に対して透析した。リボヌクレア
ーゼA(シグマ)処理をし、再度フェノール抽出を行な
った後、TEバッファーに対して透析し、ヒト染色体DNA
約1.2mgを取得した。〔N.Blinら,Nucleic Acids Res.,
3,2303(1976)参照〕。
2% SDS存在下、プロテアーゼK(シグマ)で処理し
た後、TEバッファー〔10mM Tris−HCl(pH8.0)、1mM
EDTA〕で飽和したフェノールを加えた。遠心分離によ
り水相とフェノール相を分離し(フェノール抽出)、水
相をTEバッファー〔20mM Tris−HCl(pH7.5)、100mM
NaCl、5mM EDTA〕に対して透析した。リボヌクレア
ーゼA(シグマ)処理をし、再度フェノール抽出を行な
った後、TEバッファーに対して透析し、ヒト染色体DNA
約1.2mgを取得した。〔N.Blinら,Nucleic Acids Res.,
3,2303(1976)参照〕。
実施例2(ヒト遺伝子ライブラリーの作成) 実施例1で得られたヒト染色体DNA150μgを後述する実
施例4に示した方法に準じて制限酵素EcoRI(宝酒造)
で部分分解した後、庶糖密度勾配遠心〔庶糖10〜40%
(wt/vol)、28000rpm×15時間、20℃〕を行ない、15Kb
p〜23Kbqに相当するDNA断片4.3μgを得た。次にこのDN
A断片0.8μgとシャロン4Aベクターとを連結を行ない、
シャロン4Aベクターの右のアームと左のアームの間にヒ
ト由来のDNAが挿入されたハイブリッドDNAを得た。連結
にはT4−DNAリガーゼ(ベセスダ・リサーチ・ラボラト
リーズ)を用い、連結反応は66mM Tris−HCl(pH7.6)
−6.6mM MgCl2−10mM ジチオスレイトール−1mM ATP
水溶液中で、11℃、12時間行なった。得られたハイブリ
ッドDNAについて、イン・ヒドロ・パッケージングを行
ない、ヒト遺伝子ライブラリー(1.8×106PFU/μg、ヒ
ト染色体DNAの99%以上を含む)とした。
施例4に示した方法に準じて制限酵素EcoRI(宝酒造)
で部分分解した後、庶糖密度勾配遠心〔庶糖10〜40%
(wt/vol)、28000rpm×15時間、20℃〕を行ない、15Kb
p〜23Kbqに相当するDNA断片4.3μgを得た。次にこのDN
A断片0.8μgとシャロン4Aベクターとを連結を行ない、
シャロン4Aベクターの右のアームと左のアームの間にヒ
ト由来のDNAが挿入されたハイブリッドDNAを得た。連結
にはT4−DNAリガーゼ(ベセスダ・リサーチ・ラボラト
リーズ)を用い、連結反応は66mM Tris−HCl(pH7.6)
−6.6mM MgCl2−10mM ジチオスレイトール−1mM ATP
水溶液中で、11℃、12時間行なった。得られたハイブリ
ッドDNAについて、イン・ヒドロ・パッケージングを行
ない、ヒト遺伝子ライブラリー(1.8×106PFU/μg、ヒ
ト染色体DNAの99%以上を含む)とした。
実施例3(ヒト免疫グロブリンG遺伝子のスクリーニン
グ) 前記実施例2で得られたヒト由来のDNAを含むシャロン4
Aファージの集合(遺伝子ライブラリー)をエシェリヒ
ア・コリLE392株に感染させ、プラークを形成させた。
ヒト抗体遺伝子を含むクローンは、プラーク・ハイブリ
ダイゼーション法により、〔32P〕−標識ヒト免疫グロ
ブリンG H鎖J遺伝子で選択した。ヒトIgG遺伝子を
含むシャロン4AファージからのDNAの調製は、Thomasら
の方法〔M.Thomasら,J.Mol.Biol.,91,315(1974)参
照〕により行なった。
グ) 前記実施例2で得られたヒト由来のDNAを含むシャロン4
Aファージの集合(遺伝子ライブラリー)をエシェリヒ
ア・コリLE392株に感染させ、プラークを形成させた。
ヒト抗体遺伝子を含むクローンは、プラーク・ハイブリ
ダイゼーション法により、〔32P〕−標識ヒト免疫グロ
ブリンG H鎖J遺伝子で選択した。ヒトIgG遺伝子を
含むシャロン4AファージからのDNAの調製は、Thomasら
の方法〔M.Thomasら,J.Mol.Biol.,91,315(1974)参
照〕により行なった。
実施例4(制限酵素切断地図の作成) 実施例3で得られたヒトIgG遺伝子を含むシャロン4A D
NA1μgを制限酵素切断用バッファー〔EcoRI、HpaI、Hi
nfI、TaqI、XbaI、XhoI切断では50mM Tris−HCl(pH7.
4)−100mM NaCl−10mM MgSO4水溶液を、Acc II、Bam
HI、ClaI、Hind III、PstI、RsaI、Sau3AI切断では10mM
Tris−HCl(pH7.5)−60mM NaCl−7mM MgCl2水溶液
を、BalI、BstNI、NaeI、Sst II切断では10mM、Tris−H
Cl(pH7.4)−10mM MgSO4−1mM ジチオスレイトール
水溶液を、そしてSmaI切断では10mM Tris−HCl(pH8.
0)−20mM KCl−7mM MgCl2−7mM 2−メルカプトエ
タノール水溶液を、それぞれ用いた。〕20μに溶解さ
せ、制限酵素(BstNI、ClaI、NaeIはニュー・イングラ
ンド・バイオラブズ製、Sst IIはペセスダ・リサーチ・
ラボラトリーズ製、RsaI、Sau3AI、TaqIはニッポン・ジ
ーン製、それ以外は宝酒造製を用いた。)2〜4ユニッ
トを添加して、37℃、1時間以上切断を行なった。制限
酵素BstNI及びTaqIによる切断は、60℃で1時間以上切
断を行なった。なお、二種類の制限酵素による切断を行
なう場合には、まず低塩濃度で作用する制限酵素で処理
し、次に所定濃度まで塩素度を上げてから、より高塩濃
度で作用する制限酵素で処理した。
NA1μgを制限酵素切断用バッファー〔EcoRI、HpaI、Hi
nfI、TaqI、XbaI、XhoI切断では50mM Tris−HCl(pH7.
4)−100mM NaCl−10mM MgSO4水溶液を、Acc II、Bam
HI、ClaI、Hind III、PstI、RsaI、Sau3AI切断では10mM
Tris−HCl(pH7.5)−60mM NaCl−7mM MgCl2水溶液
を、BalI、BstNI、NaeI、Sst II切断では10mM、Tris−H
Cl(pH7.4)−10mM MgSO4−1mM ジチオスレイトール
水溶液を、そしてSmaI切断では10mM Tris−HCl(pH8.
0)−20mM KCl−7mM MgCl2−7mM 2−メルカプトエ
タノール水溶液を、それぞれ用いた。〕20μに溶解さ
せ、制限酵素(BstNI、ClaI、NaeIはニュー・イングラ
ンド・バイオラブズ製、Sst IIはペセスダ・リサーチ・
ラボラトリーズ製、RsaI、Sau3AI、TaqIはニッポン・ジ
ーン製、それ以外は宝酒造製を用いた。)2〜4ユニッ
トを添加して、37℃、1時間以上切断を行なった。制限
酵素BstNI及びTaqIによる切断は、60℃で1時間以上切
断を行なった。なお、二種類の制限酵素による切断を行
なう場合には、まず低塩濃度で作用する制限酵素で処理
し、次に所定濃度まで塩素度を上げてから、より高塩濃
度で作用する制限酵素で処理した。
制限酵素による切断後、4μの0.25%のブロモフェノ
ールブルー5%グリセロール水溶液を加え、アガロース
ゲル電気泳動(ゲル濃度0.8%〜2.5%)を行なった。ア
ガロースはシグマ社のタイプII電気泳動用を使用した。
電気泳動バッファーとして、40mM Tris−CH3COOH(pH
8.0)−1mM EDTA水溶液を用いた。厚さ2mmの垂直ゲル
にて、6〜9V/cmの電圧で1.5〜3時間電気泳動を行なっ
た。この電気泳動の際、DNA断片の分子量マーカーとし
て、λファージのDNAを制限酵素Hind IIIで切断したも
の(ベーリンガー・マンハイム)を用いた。電気泳動終
了後、アガロースゲル中のDNAを2μg/mlエチジウムブ
ロマイド水溶液で染色し、このゲルに対して長波長紫外
線を照射して、切断パターンの観察を行なった。各種制
限酵素単独による切断、及び二種の制限酵素の組合せに
よる切断、これらの切断パターンを解析することによ
り、第4図(A)に示すような核制限酵素切断点の相対
位置関係を決定した。第4図(A)はIgG遺伝子を含む
ヒト染色体DNAの制限酵素切断点地図を示す。
ールブルー5%グリセロール水溶液を加え、アガロース
ゲル電気泳動(ゲル濃度0.8%〜2.5%)を行なった。ア
ガロースはシグマ社のタイプII電気泳動用を使用した。
電気泳動バッファーとして、40mM Tris−CH3COOH(pH
8.0)−1mM EDTA水溶液を用いた。厚さ2mmの垂直ゲル
にて、6〜9V/cmの電圧で1.5〜3時間電気泳動を行なっ
た。この電気泳動の際、DNA断片の分子量マーカーとし
て、λファージのDNAを制限酵素Hind IIIで切断したも
の(ベーリンガー・マンハイム)を用いた。電気泳動終
了後、アガロースゲル中のDNAを2μg/mlエチジウムブ
ロマイド水溶液で染色し、このゲルに対して長波長紫外
線を照射して、切断パターンの観察を行なった。各種制
限酵素単独による切断、及び二種の制限酵素の組合せに
よる切断、これらの切断パターンを解析することによ
り、第4図(A)に示すような核制限酵素切断点の相対
位置関係を決定した。第4図(A)はIgG遺伝子を含む
ヒト染色体DNAの制限酵素切断点地図を示す。
実施例5(ヒト免疫グロブリンG遺伝子断片のサブクロ
ーニング) ヒトIgG遺伝子を含むシャロン4A DNA3μgを実施例4
の方法に準じて制限酵素Hind IIIで切断し、アガロース
ゲル電気泳動(ゲル濃度0.8%)を行なった。ヒトIgG
Fc領域遺伝子を含む約8.2KbqのDNAの部分に相当するバ
ンドを切出し、そのアガロースゲル断片を3倍量(vol/
wt)の8M NaClO4水溶液に溶解させた。Chenらのグラス
フィルター法〔C.W.Chenら,Anal.Biochem.,101,339(19
80)〕により、約8.2KbqのDNA断片をアガロースゲルに
より回収した。一方、大腸菌用プラスミドpBR3221μg
を実施例4に準じて制限酵素Hind IIIで切断したものに
対して、アルカリ性ホスファターゼ(E.coliC75)(宝
酒造)を0.5ユニット加えて、37℃で1時間反応させ
た。反応終了後、反応液中のアルカル性ホスファターゼ
を失活・除去するために、フェノール抽出を3回繰返し
た。このようにして得られたbBR322のHind III−アルカ
リ性ホスファターゼ処理液を、ゲルより回収した約8.2K
bp Hind III断片水溶液と混ぜ、エタノール沈澱の後、
連結反応用バッファー(実施例2を参照)50μに溶解
させる。2ユニットのT4−DNAリガーゼを加え、11℃、1
2時間反応させて、連結反応を行なった。
ーニング) ヒトIgG遺伝子を含むシャロン4A DNA3μgを実施例4
の方法に準じて制限酵素Hind IIIで切断し、アガロース
ゲル電気泳動(ゲル濃度0.8%)を行なった。ヒトIgG
Fc領域遺伝子を含む約8.2KbqのDNAの部分に相当するバ
ンドを切出し、そのアガロースゲル断片を3倍量(vol/
wt)の8M NaClO4水溶液に溶解させた。Chenらのグラス
フィルター法〔C.W.Chenら,Anal.Biochem.,101,339(19
80)〕により、約8.2KbqのDNA断片をアガロースゲルに
より回収した。一方、大腸菌用プラスミドpBR3221μg
を実施例4に準じて制限酵素Hind IIIで切断したものに
対して、アルカリ性ホスファターゼ(E.coliC75)(宝
酒造)を0.5ユニット加えて、37℃で1時間反応させ
た。反応終了後、反応液中のアルカル性ホスファターゼ
を失活・除去するために、フェノール抽出を3回繰返し
た。このようにして得られたbBR322のHind III−アルカ
リ性ホスファターゼ処理液を、ゲルより回収した約8.2K
bp Hind III断片水溶液と混ぜ、エタノール沈澱の後、
連結反応用バッファー(実施例2を参照)50μに溶解
させる。2ユニットのT4−DNAリガーゼを加え、11℃、1
2時間反応させて、連結反応を行なった。
エシェリヒア・コリC600株(ATCC33525)の形質転換
は、通常のCaCl2法(M.V.Norgardらの方法,前記)の改
良法で行なった。すなわち、5mlのL培地(1% トリ
プトン、0.5% 酵母エキス,0.5% NaCl,pH7.2)に大
腸菌C600株の18時間培養基を接種し、菌体を含む培養液
の600nmにおける濁度(OD600)0.3まで生育させる。菌
体を冷たいマグネシウム・バッファー〔0.1M NaCl、5m
M MgCl2、5mM Tris−HCl(pH7.6、0℃)〕中で2回
洗い、2mlの冷やしたカルシウム・バッファー〔100mM
CaCl2、250mM KCl、5mM MgCl2、5mM Tris−HCl(pH
7.6、0℃)〕中に再懸濁させ、0℃で25分間放置す
る。次に菌体をこの容量の1/10にカルシウム・バッファ
ーの中で濃縮し、連結後のDNU水溶液と2:1(vol.:vo
l.)混合する。この混合物を60分間、0℃で保った後、
1mlのLBG培地(1% トリプトン、0.5% 酵母エキ
ス、1% NaCl、0.08% グルコース、pH7.2)を添加
し、37℃で1時間振とう培養する。培養液を、選択培地
(アンピシリン30μg/mlを含むL培地プレート)に100
μ/プレートの割合で接種する。プレートを37℃で1
晩培養して、形質転換株を生育させる。得られたアンピ
シリン耐性のコロニーより、公知の方法を用いてDNAを
調製し、アガロースゲル電気泳動により、目的のサブク
ローンpTJ1B(約12.6Kbq)を確認した。
は、通常のCaCl2法(M.V.Norgardらの方法,前記)の改
良法で行なった。すなわち、5mlのL培地(1% トリ
プトン、0.5% 酵母エキス,0.5% NaCl,pH7.2)に大
腸菌C600株の18時間培養基を接種し、菌体を含む培養液
の600nmにおける濁度(OD600)0.3まで生育させる。菌
体を冷たいマグネシウム・バッファー〔0.1M NaCl、5m
M MgCl2、5mM Tris−HCl(pH7.6、0℃)〕中で2回
洗い、2mlの冷やしたカルシウム・バッファー〔100mM
CaCl2、250mM KCl、5mM MgCl2、5mM Tris−HCl(pH
7.6、0℃)〕中に再懸濁させ、0℃で25分間放置す
る。次に菌体をこの容量の1/10にカルシウム・バッファ
ーの中で濃縮し、連結後のDNU水溶液と2:1(vol.:vo
l.)混合する。この混合物を60分間、0℃で保った後、
1mlのLBG培地(1% トリプトン、0.5% 酵母エキ
ス、1% NaCl、0.08% グルコース、pH7.2)を添加
し、37℃で1時間振とう培養する。培養液を、選択培地
(アンピシリン30μg/mlを含むL培地プレート)に100
μ/プレートの割合で接種する。プレートを37℃で1
晩培養して、形質転換株を生育させる。得られたアンピ
シリン耐性のコロニーより、公知の方法を用いてDNAを
調製し、アガロースゲル電気泳動により、目的のサブク
ローンpTJ1B(約12.6Kbq)を確認した。
前記実施例4の方法により作成した、このサブクローン
の制限酵素切断点地図を第4図(B)に示した。この第
4図(B)においてPstI−(3)からHind III−(3)
の間に、PstIサイトが3〜4個存在することは確認した
が、その位置についての確認は行なっていない。
の制限酵素切断点地図を第4図(B)に示した。この第
4図(B)においてPstI−(3)からHind III−(3)
の間に、PstIサイトが3〜4個存在することは確認した
が、その位置についての確認は行なっていない。
さらに、前記プラスミドpTJ1BのPstI−(2)PstI−
(3)のDNA断片(約1.7Kbp)を、pTJ1Bの場合とほぼ同
様の手法により、プラスミドpBR322のPstIサイトに挿入
し、プラスミドpTJ5(約6.1Kbq)を作成した。目的のク
ローンは、テトラサイクリン耐性の形質転換株の中から
選択した。得られたサブクローンの制限酵素切断点地図
を、第4図(C)に示した。
(3)のDNA断片(約1.7Kbp)を、pTJ1Bの場合とほぼ同
様の手法により、プラスミドpBR322のPstIサイトに挿入
し、プラスミドpTJ5(約6.1Kbq)を作成した。目的のク
ローンは、テトラサイクリン耐性の形質転換株の中から
選択した。得られたサブクローンの制限酵素切断点地図
を、第4図(C)に示した。
実施例6(ヒト免疫グロブリンG Fc領域遺伝子DNA塩
基配列の決定) ヒトIgG Fc領域遺伝子のDNA塩基配列は、マキサム・ギ
ルバート法により決定した。
基配列の決定) ヒトIgG Fc領域遺伝子のDNA塩基配列は、マキサム・ギ
ルバート法により決定した。
たとえば、前記実施例5において作成されたサブクロー
ンpTJ5 DNA約50μgを実施例4の方法に準じてSmaIで
切断する。得られたDNA断片をアルカリ性ホスファター
ゼで脱ホスホリル化し、ポリヌクレオチドキナーゼ(P
−Lバイオケミカルズ)5ユニットを用いて〔γ−
32P〕−ATPで標識した。ポリヌクレオチドキナーゼ反応
は50mM Tris−HCl(pH9.5)−10mM MgCl2−5mM ジチ
オスレイトール水溶液中で行ない〔γ−32P〕−ATPはア
マーシャム製を100μCi分用いた。32P標識DNA断片をPst
Iで切断した後、ポリアクリルアミドゲル電気泳動(ゲ
ル濃度5%)により目的のDNA断片を分離し、後述の実
施例7の方法に従ってゲルからの抽出を行なった。得ら
れた32P標識−SmaIPstI断片について、各塩基特異的
な部分分解反応を行ない、7M尿素を含むポリアクリルア
ミドゲル電気泳動(ゲル濃度8%〜23%)で分離した。
2〜7日間、−80℃でオートラジオグラフィーを行なっ
た後、分解パターンの解析を行ない、Fc領域遺伝子の塩
基配列決定のための資料とした。
ンpTJ5 DNA約50μgを実施例4の方法に準じてSmaIで
切断する。得られたDNA断片をアルカリ性ホスファター
ゼで脱ホスホリル化し、ポリヌクレオチドキナーゼ(P
−Lバイオケミカルズ)5ユニットを用いて〔γ−
32P〕−ATPで標識した。ポリヌクレオチドキナーゼ反応
は50mM Tris−HCl(pH9.5)−10mM MgCl2−5mM ジチ
オスレイトール水溶液中で行ない〔γ−32P〕−ATPはア
マーシャム製を100μCi分用いた。32P標識DNA断片をPst
Iで切断した後、ポリアクリルアミドゲル電気泳動(ゲ
ル濃度5%)により目的のDNA断片を分離し、後述の実
施例7の方法に従ってゲルからの抽出を行なった。得ら
れた32P標識−SmaIPstI断片について、各塩基特異的
な部分分解反応を行ない、7M尿素を含むポリアクリルア
ミドゲル電気泳動(ゲル濃度8%〜23%)で分離した。
2〜7日間、−80℃でオートラジオグラフィーを行なっ
た後、分解パターンの解析を行ない、Fc領域遺伝子の塩
基配列決定のための資料とした。
一方、pTJ5をPstIで切断した場合には、3′末端標識キ
ット(アマーシャム)を用いて、〔α−32P〕−ddATPに
よる標識を行なった。この32P標識DNA断片をSmaIで切断
した後、目的のDNA断片のポリアクリルアミドゲル電気
泳動(ゲル濃度5%)による分離・回収を行なった。得
られた32P標識−PstISmaI断片についても、上記手順
に従って解析を行ない、Fc領域遺伝子の塩基配列決定の
ための資料とした。
ット(アマーシャム)を用いて、〔α−32P〕−ddATPに
よる標識を行なった。この32P標識DNA断片をSmaIで切断
した後、目的のDNA断片のポリアクリルアミドゲル電気
泳動(ゲル濃度5%)による分離・回収を行なった。得
られた32P標識−PstISmaI断片についても、上記手順
に従って解析を行ない、Fc領域遺伝子の塩基配列決定の
ための資料とした。
実施例7(Fc領域CH3部位遺伝子のクローニング) 実施例5で得られたプラスミドpTJ5を、実施例4の方法
に準じて制限酵素PstIで切断した後、アガロースゲル電
気泳動(ゲル濃度0.8%)を行ない、Fc領域遺伝子を含
む約1.7KbpのDNA断片を実施例5の方法でゲルより回収
した。得られたDNA断片を、実施例4の方法で制限酵素N
aeIで切断し、ポリアクリルアミドゲル電気泳動(ゲル
濃度5%)を行なった。CH3部位遺伝子を含む約0.6Kbp
のDNAの部分に相当するバンドを切断し、そのポリアク
リルアミドゲル細片を細かく破砕した後、2〜5mlの溶
出用バッファー〔500mM NH4OAc,1mM EDTA,0.1% SDS
(pH7.5)〕を加え、37℃で一晩振とうした。遠心分離
により、目的のDNAを含む水相の回収を行なった。さら
に得られたDNA断片を、実施例4の方法で制限酵素RsaI
で切断し、ポリアクリルアミドゲル電気泳動(ゲル濃度
5%)の後、CH3部位を含む約310bpのDNA断片を、上記
と同様な方法により、ポリアクリルアミドゲルから回収
した。
に準じて制限酵素PstIで切断した後、アガロースゲル電
気泳動(ゲル濃度0.8%)を行ない、Fc領域遺伝子を含
む約1.7KbpのDNA断片を実施例5の方法でゲルより回収
した。得られたDNA断片を、実施例4の方法で制限酵素N
aeIで切断し、ポリアクリルアミドゲル電気泳動(ゲル
濃度5%)を行なった。CH3部位遺伝子を含む約0.6Kbp
のDNAの部分に相当するバンドを切断し、そのポリアク
リルアミドゲル細片を細かく破砕した後、2〜5mlの溶
出用バッファー〔500mM NH4OAc,1mM EDTA,0.1% SDS
(pH7.5)〕を加え、37℃で一晩振とうした。遠心分離
により、目的のDNAを含む水相の回収を行なった。さら
に得られたDNA断片を、実施例4の方法で制限酵素RsaI
で切断し、ポリアクリルアミドゲル電気泳動(ゲル濃度
5%)の後、CH3部位を含む約310bpのDNA断片を、上記
と同様な方法により、ポリアクリルアミドゲルから回収
した。
こうして得られたCH3部位遺伝子を含む約310bpのRsaI
NaeIのDNA断片を、実施例5の方法に準じてプラスミドp
BR322のBaIIサイトに挿入し、CH3部位遺伝子の読みとり
方向がプラスミドpBR322中のテトラサイクリン耐性遺伝
子の読みとり方向と一致する方向(第5図において時計
まわりの方向)に挿入されたプラスミドpFC70(約4.7Kb
p)を作成した。pFC70作成の方法を第5図に示した。
NaeIのDNA断片を、実施例5の方法に準じてプラスミドp
BR322のBaIIサイトに挿入し、CH3部位遺伝子の読みとり
方向がプラスミドpBR322中のテトラサイクリン耐性遺伝
子の読みとり方向と一致する方向(第5図において時計
まわりの方向)に挿入されたプラスミドpFC70(約4.7Kb
p)を作成した。pFC70作成の方法を第5図に示した。
実施例8(Fc領域CH2部位遺伝子とCH3部位遺伝子の連
結) 実施例7で得られた、Fc領域遺伝子を含む約1.7KbpのDN
A断片を、実施例4の方法に準じて制限酵素Sau3AI及びT
aqIで切断し、ポリアクリルアミドゲル電気泳動(ゲル
濃度5%)の後、CH2部位遺伝子を含む約240bpのDNA断
片約0.5μgを、実施例7の方法に準じて、ポリアクリ
ルアミドゲルから回収した。
結) 実施例7で得られた、Fc領域遺伝子を含む約1.7KbpのDN
A断片を、実施例4の方法に準じて制限酵素Sau3AI及びT
aqIで切断し、ポリアクリルアミドゲル電気泳動(ゲル
濃度5%)の後、CH2部位遺伝子を含む約240bpのDNA断
片約0.5μgを、実施例7の方法に準じて、ポリアクリ
ルアミドゲルから回収した。
CH2部位とCH3部位の連結部分に相当する、第6図記載の
塩基配列を有する2本鎖オリゴヌクレオチドを、上の鎖
と下の鎖とに分けて化学合成した。オリゴヌクレオチド
の合成は全自動DNA合成機(アプライド・バイオシステ
ムズ、モデル380A)を用いて、ホスフォアミダイト法に
より行なった。合成オリゴヌクレオチドの精製は、アプ
ライド・バイオシステムズ社のマニュアルに準じて行な
った。すなわち、合成オリゴヌクレオチドを含むアンモ
ニア水溶液を55℃で一晩保つことにより、DNA塩素の保
護基をはずし、セファデックスG−50ファイン・ゲル
(ファルマシア)を用いたゲル濾過によって、高分子量
の合成オリゴヌクレオチド画分の分取する。ついで、7M
尿素を含むポリアクリルアミドゲル電気泳動(ゲル濃度
20%)の後、紫外線シャドウイング法により泳動パター
ンの観察を行ない、目的とする大きさのバンド部分を切
出して、実施例7の方法に準じて合成オリゴヌクレオチ
ドをポリアクリルアミドゲルより回収した。最後に合成
オリゴヌクレオチドを含む溶液をゲル濾過カラム(セフ
ァデックスG−50)にかけることにより、合成オリゴヌ
クレオチドの精製品を得た。なお、必要に応じて、ポリ
アクリルアミドゲル電気泳動を繰り返し、合成オリゴヌ
クレオチドの純度の向上をはかった。このようにして得
られた合成オリゴヌクレオチド精製物0.1〜1.0μgの、
実施例6の方法に準じて、1mM ATP存在下でポリヌクレ
オチドキナーゼ反応を行ない、5′末端側をリン酸化す
る。5′末端をリン酸化した、上の鎖と下の鎖に相当す
る2本の合成オリゴヌクレオチドを混合し、その水溶液
温度を70℃から室温まで徐々に冷却することにより、ア
ニーリングを行なった。以上のようにして、CH2部位とC
H3部位との連結部分に相当するTaqISmaIのDNA断片
(約68bp)を取得した。
塩基配列を有する2本鎖オリゴヌクレオチドを、上の鎖
と下の鎖とに分けて化学合成した。オリゴヌクレオチド
の合成は全自動DNA合成機(アプライド・バイオシステ
ムズ、モデル380A)を用いて、ホスフォアミダイト法に
より行なった。合成オリゴヌクレオチドの精製は、アプ
ライド・バイオシステムズ社のマニュアルに準じて行な
った。すなわち、合成オリゴヌクレオチドを含むアンモ
ニア水溶液を55℃で一晩保つことにより、DNA塩素の保
護基をはずし、セファデックスG−50ファイン・ゲル
(ファルマシア)を用いたゲル濾過によって、高分子量
の合成オリゴヌクレオチド画分の分取する。ついで、7M
尿素を含むポリアクリルアミドゲル電気泳動(ゲル濃度
20%)の後、紫外線シャドウイング法により泳動パター
ンの観察を行ない、目的とする大きさのバンド部分を切
出して、実施例7の方法に準じて合成オリゴヌクレオチ
ドをポリアクリルアミドゲルより回収した。最後に合成
オリゴヌクレオチドを含む溶液をゲル濾過カラム(セフ
ァデックスG−50)にかけることにより、合成オリゴヌ
クレオチドの精製品を得た。なお、必要に応じて、ポリ
アクリルアミドゲル電気泳動を繰り返し、合成オリゴヌ
クレオチドの純度の向上をはかった。このようにして得
られた合成オリゴヌクレオチド精製物0.1〜1.0μgの、
実施例6の方法に準じて、1mM ATP存在下でポリヌクレ
オチドキナーゼ反応を行ない、5′末端側をリン酸化す
る。5′末端をリン酸化した、上の鎖と下の鎖に相当す
る2本の合成オリゴヌクレオチドを混合し、その水溶液
温度を70℃から室温まで徐々に冷却することにより、ア
ニーリングを行なった。以上のようにして、CH2部位とC
H3部位との連結部分に相当するTaqISmaIのDNA断片
(約68bp)を取得した。
一方、前記実施例7で作成したプラスミドpFC70 DNA約
5μgを、実施例4記載の制限酵素SmaI切断用バッファ
ーに溶解し、2〜5ユニットのSmaIを加えて20℃で15〜
45分反応させて部分分解を行なう。フェノール抽出によ
りSmaIを失活させた後、実施例4の方法に準じて、制限
酵素BamHIによる切断を行なう。アガロースゲル電気泳
動(ゲル濃度0.8%)の後、CH3部位遺伝子とベクターの
大部分を含む第6図記載のBamHISmaI−(1)のDNA断
片(約3.6Kbp)を、実施例5の方法に準じてアガロース
ゲルより回収した。
5μgを、実施例4記載の制限酵素SmaI切断用バッファ
ーに溶解し、2〜5ユニットのSmaIを加えて20℃で15〜
45分反応させて部分分解を行なう。フェノール抽出によ
りSmaIを失活させた後、実施例4の方法に準じて、制限
酵素BamHIによる切断を行なう。アガロースゲル電気泳
動(ゲル濃度0.8%)の後、CH3部位遺伝子とベクターの
大部分を含む第6図記載のBamHISmaI−(1)のDNA断
片(約3.6Kbp)を、実施例5の方法に準じてアガロース
ゲルより回収した。
以上のようにして得られた、CH2部位遺伝子を含むSau3A
ITaqIのDNA断片、CH2部位とCH3部位の連結部分に相当
するTaqISmaIのDNA断片、そしてCH3部位とベクター部
分を含むBamHI(Sau3AI)SmaI−(1)のDNA断片を混
合し、実施例5の方法に準じて、CH2部位遺伝子とCH3部
位遺伝子がイントロンを介さずに連結された遺伝子を含
むプラスミドpFC77(約3.9Kbp)を作成した。第6図にp
FC77の作成方法を示した。
ITaqIのDNA断片、CH2部位とCH3部位の連結部分に相当
するTaqISmaIのDNA断片、そしてCH3部位とベクター部
分を含むBamHI(Sau3AI)SmaI−(1)のDNA断片を混
合し、実施例5の方法に準じて、CH2部位遺伝子とCH3部
位遺伝子がイントロンを介さずに連結された遺伝子を含
むプラスミドpFC77(約3.9Kbp)を作成した。第6図にp
FC77の作成方法を示した。
実施例9(Fc領域遺伝子とtrpプロモーターとの連結) 実施例8で得られたプラスミドpFC77を、実施例4の方
法に準じて制限酵素Sst II及びPstIで切断し、アガロー
スゲル電気泳動(ゲル濃度0.8.%)の後、CH2部位遺伝
子の後半部分、CH3部位遺伝子全域及びベクターの一部
を含む、第7図記載のSst IIPstIのDNA断片(約2.7Kb
p)を、実施例5の方法に準じてアガロースゲルより回
収した。
法に準じて制限酵素Sst II及びPstIで切断し、アガロー
スゲル電気泳動(ゲル濃度0.8.%)の後、CH2部位遺伝
子の後半部分、CH3部位遺伝子全域及びベクターの一部
を含む、第7図記載のSst IIPstIのDNA断片(約2.7Kb
p)を、実施例5の方法に準じてアガロースゲルより回
収した。
次に、実施例7で得られたFc領域遺伝子を含む約1.7Kbp
のDNA断片を、実施例4の方法に準じて制限酵素BstNI及
びSst IIで切断し、ポリアクリルアミドゲル電気泳動
(ゲル濃度5%)の後、CH2部位遺伝子の前半部分を含
む約171bpのBstNI−(5)Sst IIIのDNA断片を、実施
例7の方法に準じて、ポリアクリルアミドゲルから回収
した。
のDNA断片を、実施例4の方法に準じて制限酵素BstNI及
びSst IIで切断し、ポリアクリルアミドゲル電気泳動
(ゲル濃度5%)の後、CH2部位遺伝子の前半部分を含
む約171bpのBstNI−(5)Sst IIIのDNA断片を、実施
例7の方法に準じて、ポリアクリルアミドゲルから回収
した。
さらに、プロモーターとFc領域遺伝子との連結部分に相
当する、第7図記載の塩基配列を有する2本鎖オリゴヌ
クレオチド(約39bp)を、実施例8の方法に準じて作成
した。このClaIBstNI−(5)のDNA断片中には、trp
プロモーターとの連結のための制限酵素ClaIサイト、AT
Gという塩基配列で表わされる翻訳開始コドン、h部位
遺伝子及びCH2部位遺伝子の一部が連続して含まれてお
り、このDNA断片を用いることにより、イントロンのな
いFc領域(h−CH2−CH3部位)遺伝子をトリプトファン
・オペロン・SD配列下流に適当な距離をへだてて連結す
ることが可能になった。
当する、第7図記載の塩基配列を有する2本鎖オリゴヌ
クレオチド(約39bp)を、実施例8の方法に準じて作成
した。このClaIBstNI−(5)のDNA断片中には、trp
プロモーターとの連結のための制限酵素ClaIサイト、AT
Gという塩基配列で表わされる翻訳開始コドン、h部位
遺伝子及びCH2部位遺伝子の一部が連続して含まれてお
り、このDNA断片を用いることにより、イントロンのな
いFc領域(h−CH2−CH3部位)遺伝子をトリプトファン
・オペロン・SD配列下流に適当な距離をへだてて連結す
ることが可能になった。
一方、trpプロモーターを含むプラスミドpYS31N(約4.7
Kbp)を、実施例4の方法に準じて制限酵素PstI及びCla
Iで切断し、アガロースゲル電気泳動(ゲル濃度0.8%)
の後、trpプロモーター及びベクターの一部を含む、第
7図記載のPstIClaIのDNA断片(約1.1Kbp)を、実施
例5の方法によりアガロースゲルより回収した。
Kbp)を、実施例4の方法に準じて制限酵素PstI及びCla
Iで切断し、アガロースゲル電気泳動(ゲル濃度0.8%)
の後、trpプロモーター及びベクターの一部を含む、第
7図記載のPstIClaIのDNA断片(約1.1Kbp)を、実施
例5の方法によりアガロースゲルより回収した。
以上のようにして得られた、CH2部位後半とCH3部位遺伝
子とベクターの一部を含むSst IIPstIのDNA断片、CH2
部位遺伝子前半部分を含むBstNI−(5)Sst IIのDNA
断片、プロモーターとFc領域遺伝子との連結部分に相当
するClaIBstNI−(5)のDNA断片、そしてtrpプロモ
ーターとベクターの一部を含むPstIClaIのDNA断片を
混合し、実施例5の方法に準じて、Fc領域(h−CH2−C
H3部位)遺伝子発現型プラスミドpFC203(約4.0Kbp)を
作成した。第7図にpFC203の作成方法を示した。
子とベクターの一部を含むSst IIPstIのDNA断片、CH2
部位遺伝子前半部分を含むBstNI−(5)Sst IIのDNA
断片、プロモーターとFc領域遺伝子との連結部分に相当
するClaIBstNI−(5)のDNA断片、そしてtrpプロモ
ーターとベクターの一部を含むPstIClaIのDNA断片を
混合し、実施例5の方法に準じて、Fc領域(h−CH2−C
H3部位)遺伝子発現型プラスミドpFC203(約4.0Kbp)を
作成した。第7図にpFC203の作成方法を示した。
実施例10(Fc領域遺伝子翻訳終止コドンのタンデム化) 実施例9で得られたFc領域遺伝子発現型プラスミドpFC2
03を、実施例8に記載の方法に準じて、制限酵素SmaIで
部分分解した後、制限酵素PstIによる完全分解を行な
う。アガロースゲル電気泳動(ゲル濃度0.8%)の後、F
c領域遺伝子の大部分とベクターの一部を含む第8図記
載のSmaI−(2)PstIのDNA断片(約1.8Kbp)を、実
施例5の方法に準じてアガロースゲルより回収した。
03を、実施例8に記載の方法に準じて、制限酵素SmaIで
部分分解した後、制限酵素PstIによる完全分解を行な
う。アガロースゲル電気泳動(ゲル濃度0.8%)の後、F
c領域遺伝子の大部分とベクターの一部を含む第8図記
載のSmaI−(2)PstIのDNA断片(約1.8Kbp)を、実
施例5の方法に準じてアガロースゲルより回収した。
また、CH3部位遺伝子後部と翻訳終止コドンに相当す
る、第8図記載の塩基配列を有する2本鎖オリゴヌクレ
オチド(約17bp)を、実施例8の方法に準じて作成し
た。このSmaI−(2)BamHIのDNA断片には、CH3部位
遺伝子の一部、TAATAGという塩基配列で表わされるタン
デム化翻訳終止コドン及びベクターとの連結のための制
限酵素BamHIサイトが含まれており、このDNA断片を用い
ることによりFc領域遺伝子の翻訳終止コドンのタンデム
化が可能になった。
る、第8図記載の塩基配列を有する2本鎖オリゴヌクレ
オチド(約17bp)を、実施例8の方法に準じて作成し
た。このSmaI−(2)BamHIのDNA断片には、CH3部位
遺伝子の一部、TAATAGという塩基配列で表わされるタン
デム化翻訳終止コドン及びベクターとの連結のための制
限酵素BamHIサイトが含まれており、このDNA断片を用い
ることによりFc領域遺伝子の翻訳終止コドンのタンデム
化が可能になった。
一方、プラスミドpBR322を、実施例4の方法に準じて制
限酵素PstI及びBamHIで切断、アガロースゲル電気泳動
(ゲル濃度0.8%)の後、ベクターの大部分を含む、第
8図記載のBamHIPstIのDNA断片(約3.2Kbp)を、実施
例5の方法に準じてアガロースゲルより回収した。
限酵素PstI及びBamHIで切断、アガロースゲル電気泳動
(ゲル濃度0.8%)の後、ベクターの大部分を含む、第
8図記載のBamHIPstIのDNA断片(約3.2Kbp)を、実施
例5の方法に準じてアガロースゲルより回収した。
以上のようにして得られた、Fc領域遺伝子の大部分とベ
クターの一部を含むSmaI−(2)PstIのDNA断片、CH3
部位遺伝子後部とタンデム化翻訳終止コドンを含むSmaI
−(2)BamHIのDNA断片、そしてベクターの大部分を
含むBamHIPstIのDNA断片を混合し、実施例5の方法に
準じて、タンデム化翻訳終止コドンを有するFc領域遺伝
子発現型プラスミドpFC211(約5.0Kbp)を作成した。第
8図にpFC211の作成方法を示した。
クターの一部を含むSmaI−(2)PstIのDNA断片、CH3
部位遺伝子後部とタンデム化翻訳終止コドンを含むSmaI
−(2)BamHIのDNA断片、そしてベクターの大部分を
含むBamHIPstIのDNA断片を混合し、実施例5の方法に
準じて、タンデム化翻訳終止コドンを有するFc領域遺伝
子発現型プラスミドpFC211(約5.0Kbp)を作成した。第
8図にpFC211の作成方法を示した。
実施例11(Fc領域遺伝子とtacプロモーターとの連結) 実施例9で得られたFc領域遺伝子発現型プラスミドpFC2
03を、実施例4の方法に準じて制限酵素ClaIで切断し、
ポリメラーゼ用バッファー〔50mM Tris−HCl(pH7.
2)、10mM MgSO4、0.1mM ジチオスレイトール,50μg/
ml ウシ血清アルブミン〕40μに溶解し、0.25mMのdG
TP及び0.25mMのdCTP存在下で、2ユニットのDNAポリメ
ラーゼI・ラージ・フラグメント(ベセスダ・リサーチ
・ラボラトリーズ)を加える。37℃で30分間反応させ
て、末端の平滑化をはかる。次にこのDNA断片を、実施
例4の方法に準じて制限酵素PstIで切断し、アガロース
ゲル電気泳動(ゲル濃度0.8%)の後、Fc領域遺伝子全
域とベクターの大部分を含む、第9図記載の約2.8Kbpの
DNA断片を、アガロースゲルより回収した。
03を、実施例4の方法に準じて制限酵素ClaIで切断し、
ポリメラーゼ用バッファー〔50mM Tris−HCl(pH7.
2)、10mM MgSO4、0.1mM ジチオスレイトール,50μg/
ml ウシ血清アルブミン〕40μに溶解し、0.25mMのdG
TP及び0.25mMのdCTP存在下で、2ユニットのDNAポリメ
ラーゼI・ラージ・フラグメント(ベセスダ・リサーチ
・ラボラトリーズ)を加える。37℃で30分間反応させ
て、末端の平滑化をはかる。次にこのDNA断片を、実施
例4の方法に準じて制限酵素PstIで切断し、アガロース
ゲル電気泳動(ゲル濃度0.8%)の後、Fc領域遺伝子全
域とベクターの大部分を含む、第9図記載の約2.8Kbpの
DNA断片を、アガロースゲルより回収した。
次に、tacプロモーターを含むプラスミドpDR540(約4.0
Kbp,ファルマシア)DNAを、実施例4の方法に準じて制
限酵素BamHIで切断し、ついで上記の方法に準じて、dGT
P、dATP、dTTP、dCTP存在下、DNAポリメラーゼI・ラー
ジ・フラグメント処理により、末端の平滑化を行なう。
次にこのDNA断片を、実施例4の方法に準いて制限酵素P
stIで切断し、アガロースゲル電気泳動(ゲル濃度0.8
%)の後、tacプロモーターとベクターの一部を含む、
第9図記載の約1.1KbpのDNA断片を、アガロースゲルよ
り回収した。
Kbp,ファルマシア)DNAを、実施例4の方法に準じて制
限酵素BamHIで切断し、ついで上記の方法に準じて、dGT
P、dATP、dTTP、dCTP存在下、DNAポリメラーゼI・ラー
ジ・フラグメント処理により、末端の平滑化を行なう。
次にこのDNA断片を、実施例4の方法に準いて制限酵素P
stIで切断し、アガロースゲル電気泳動(ゲル濃度0.8
%)の後、tacプロモーターとベクターの一部を含む、
第9図記載の約1.1KbpのDNA断片を、アガロースゲルよ
り回収した。
以上のようにして得られた、Fc領域遺伝子全域とベクタ
ーの大部分を含む約2.8KbpのDNA断片と、tacプロモータ
ーとベクターの一部を含む約1.1KbpのDNAとを混合し、
実施例5の方法に準じて、tacプロモーターの下流にFc
領域遺伝子が連結した形の発現型プラスミドpFC361(約
3.9Kbp)を作成した。第9図にpFC361の作成方法を示し
た。
ーの大部分を含む約2.8KbpのDNA断片と、tacプロモータ
ーとベクターの一部を含む約1.1KbpのDNAとを混合し、
実施例5の方法に準じて、tacプロモーターの下流にFc
領域遺伝子が連結した形の発現型プラスミドpFC361(約
3.9Kbp)を作成した。第9図にpFC361の作成方法を示し
た。
上記により得られたFc領域遺伝子発現型プラスミドpFC3
61DNAを、実施例4の方法に準じて制限酵素Sst II及びP
stIで切断し、アガロースゲル電気泳動(ゲル濃度0.8
%)の後、ベクターの一部、tacプロモーター及びFc領
域遺伝子前半部分を含む、第9図記載のSst IIPstIの
DNA断片(約1.3Kbp)を、実施例5の方法によりアガロ
ースゲルより回収した。
61DNAを、実施例4の方法に準じて制限酵素Sst II及びP
stIで切断し、アガロースゲル電気泳動(ゲル濃度0.8
%)の後、ベクターの一部、tacプロモーター及びFc領
域遺伝子前半部分を含む、第9図記載のSst IIPstIの
DNA断片(約1.3Kbp)を、実施例5の方法によりアガロ
ースゲルより回収した。
また、実施例10により得られたタンデム化翻訳終止コド
ンを有するFc領域遺伝子発現型プラスミドpFC211DNA
を、実施例4の方法に準じて制限酵素Sst II及びPstIで
切断した後、上記と同じ手法により、Fc領域遺伝子後半
部分、タンデム化翻訳終止コドン及びベクターの大部分
を含む、第9図記載のPstISst IIのDNA断片(約3.6Kb
p)を得た。
ンを有するFc領域遺伝子発現型プラスミドpFC211DNA
を、実施例4の方法に準じて制限酵素Sst II及びPstIで
切断した後、上記と同じ手法により、Fc領域遺伝子後半
部分、タンデム化翻訳終止コドン及びベクターの大部分
を含む、第9図記載のPstISst IIのDNA断片(約3.6Kb
p)を得た。
かくして得られた、ベクターの一部、tacプロモーター
及びFc領域遺伝子前半部分を含むSst IIPstIのDNA断
片と、Fc領域遺伝子後半部分、タンデム化翻訳終止コド
ン及びベクターの大部分を含むPstISst IIのDNA断片
とを混合し、実施例5の方法に準じて、tacプロモータ
ーの下流にFc領域遺伝子が連結され、なおかつタンデム
化翻訳終止コドンを有する形の発現型プラスミドpFC362
(約4.9Kbp)を作成した。第9図にpFC362の作成方法を
示した。
及びFc領域遺伝子前半部分を含むSst IIPstIのDNA断
片と、Fc領域遺伝子後半部分、タンデム化翻訳終止コド
ン及びベクターの大部分を含むPstISst IIのDNA断片
とを混合し、実施例5の方法に準じて、tacプロモータ
ーの下流にFc領域遺伝子が連結され、なおかつタンデム
化翻訳終止コドンを有する形の発現型プラスミドpFC362
(約4.9Kbp)を作成した。第9図にpFC362の作成方法を
示した。
実施例12(好アルカリ性バチルスNo.170株染色体DNAの
調製) ペニシリナーゼを菌体外に生成、蓄積する能力を有する
好アルカリ性のバチルスNo.170株(FERM BP−467)を
培地〔(g/):グリセロール2.0、酵母エキス5.0、ポ
リペプトン5.0、K2HPO4 1.0、MgSO4・7H2O 0.2をNaHC
O3 10でpH9.0に調整したもの〕中、30℃で15時間振盪
培養を行ない、対数増殖後期の菌体を集菌後、フェノー
ル法によるDNA抽出法によって染色体DNAを抽出、精製
し、染色体DNA5mgを得た。
調製) ペニシリナーゼを菌体外に生成、蓄積する能力を有する
好アルカリ性のバチルスNo.170株(FERM BP−467)を
培地〔(g/):グリセロール2.0、酵母エキス5.0、ポ
リペプトン5.0、K2HPO4 1.0、MgSO4・7H2O 0.2をNaHC
O3 10でpH9.0に調整したもの〕中、30℃で15時間振盪
培養を行ない、対数増殖後期の菌体を集菌後、フェノー
ル法によるDNA抽出法によって染色体DNAを抽出、精製
し、染色体DNA5mgを得た。
実施例13(好アルカリ性バチルスNo.170株染色体DNA断
片のベクターへの挿入) 実施例12で得られた染色体DNA10μgをとり、実施例4
の方法に準じて、制限酵素EcoRIを加え、37℃で反応さ
せて部分的に切断した。一方、ベクターとして用いるテ
トラサイクリン抵抗性(Tetr)のpMB9プラスミドDNA
(ベセスダ・リサーチ・ラボラトリーズ)を制限酵素Ec
oRIで完全に切断して65℃、5分の熱処理後、前者と混
合し、実施例2の方法に従ってT4−DNAリガーゼによっ
て10℃、24時間DNA鎖の連結反応を行ない、65℃、5分
の熱処理後、反応液に2倍容のエタノールを加えて染色
体DNAを組み込んだプラスミドDNAを沈澱、採取した。
片のベクターへの挿入) 実施例12で得られた染色体DNA10μgをとり、実施例4
の方法に準じて、制限酵素EcoRIを加え、37℃で反応さ
せて部分的に切断した。一方、ベクターとして用いるテ
トラサイクリン抵抗性(Tetr)のpMB9プラスミドDNA
(ベセスダ・リサーチ・ラボラトリーズ)を制限酵素Ec
oRIで完全に切断して65℃、5分の熱処理後、前者と混
合し、実施例2の方法に従ってT4−DNAリガーゼによっ
て10℃、24時間DNA鎖の連結反応を行ない、65℃、5分
の熱処理後、反応液に2倍容のエタノールを加えて染色
体DNAを組み込んだプラスミドDNAを沈澱、採取した。
実施例14(好アルカリ性バチルスNo.170株ペニシリナー
ゼ遺伝子のクローン化) 実施例13で得られた好アルカリ性バチルスNo.170株染色
体DNAを有するプラスミドを、通常のCaCl2法(M.V.Norg
ardらの方法、前記)により、エシェリヒア・コリHB101
株に導入した。これらの形質転換株の中からアンピシリ
ン及びテトラサイクリンに耐性の株をスクリーニング
し、好アルカリ性バチルスNo.170株ペニシリナーゼ遺伝
子を有するクローンを選択した。この菌体を培養した後
第10図のように処理することにより、ペニシリナーゼ遺
伝子を含む4.5Kbpの挿入を有する組換えプラスミドpEAP
1が得られた。さらに、実施例4の方法に準じて制限酵
素切断点地図を作成した。第11図にpEAP1の制限酵素切
断点地図を示す。
ゼ遺伝子のクローン化) 実施例13で得られた好アルカリ性バチルスNo.170株染色
体DNAを有するプラスミドを、通常のCaCl2法(M.V.Norg
ardらの方法、前記)により、エシェリヒア・コリHB101
株に導入した。これらの形質転換株の中からアンピシリ
ン及びテトラサイクリンに耐性の株をスクリーニング
し、好アルカリ性バチルスNo.170株ペニシリナーゼ遺伝
子を有するクローンを選択した。この菌体を培養した後
第10図のように処理することにより、ペニシリナーゼ遺
伝子を含む4.5Kbpの挿入を有する組換えプラスミドpEAP
1が得られた。さらに、実施例4の方法に準じて制限酵
素切断点地図を作成した。第11図にpEAP1の制限酵素切
断点地図を示す。
実施例15(好アルカリ性バチルスNo.170株染色体DNAを
有するプラスミドのDNA塩基配列の決定) 好アルカリ性バチルスNo.170株の染色体DNAを含むプラ
スミドのDNA塩基配列の決定は、M13シークエンシング・
キット(アマーシャム)を用い、M13ファージによるジ
デオキシ・チェーン・ターミネーション法により行なっ
た。第1図に好アルカリ性バチルスNo.170株ペニシリナ
ーゼ遺伝子プラスミド領域・シグナル領域のDNA塩基配
列を、第2図にプラスミドpMB9由来のKi1遺伝子のDNA塩
基配列を、そして第3図に好アルカリ性バチルスNo.170
株染色体DNA由来のExプロモーターのDNA塩基配列を、そ
れぞれ示した。
有するプラスミドのDNA塩基配列の決定) 好アルカリ性バチルスNo.170株の染色体DNAを含むプラ
スミドのDNA塩基配列の決定は、M13シークエンシング・
キット(アマーシャム)を用い、M13ファージによるジ
デオキシ・チェーン・ターミネーション法により行なっ
た。第1図に好アルカリ性バチルスNo.170株ペニシリナ
ーゼ遺伝子プラスミド領域・シグナル領域のDNA塩基配
列を、第2図にプラスミドpMB9由来のKi1遺伝子のDNA塩
基配列を、そして第3図に好アルカリ性バチルスNo.170
株染色体DNA由来のExプロモーターのDNA塩基配列を、そ
れぞれ示した。
実施例16(好アルカリ性バチルスNo.170株染色体DNAを
有する各種プラスミド誘導体の作成) 前記実施例14で得られたエシェリヒア・コリHB101(pEA
P1)株を継代していく中で、ペニシリナーゼ活性の増強
(pEAP1の約3倍)された変異体〔アンピシリン耐性(A
pr)、テトラサイクリン感受性(Tets)〕を得た。この
変異株から第10図の方法によりプラスミドを調製したと
ころ、ペニシリナーゼの構造遺伝子の上流約4Kbpが脱落
したプラスミドpEAP3(約5.8Kbp)が得られた。第12図
にpEAP3の制限酵素切断点地図を示す。
有する各種プラスミド誘導体の作成) 前記実施例14で得られたエシェリヒア・コリHB101(pEA
P1)株を継代していく中で、ペニシリナーゼ活性の増強
(pEAP1の約3倍)された変異体〔アンピシリン耐性(A
pr)、テトラサイクリン感受性(Tets)〕を得た。この
変異株から第10図の方法によりプラスミドを調製したと
ころ、ペニシリナーゼの構造遺伝子の上流約4Kbpが脱落
したプラスミドpEAP3(約5.8Kbp)が得られた。第12図
にpEAP3の制限酵素切断点地図を示す。
こうして得られたpEAP3プラスミド1μgを実施例4の
方法に準じて制限酵素EcoRIとHind IIIを加えて、37
℃、2時間反応させて切断した。次に実施例11の方法に
準じてDNAポリメラーゼIラージ・フラグメントを加え
て、室温で30分間反応させ、DNA切断面を平滑末端と
し、ついで、実施例2の方法に準じてT4−DNAリガーゼ
によって、室温、24時間DNA鎖の連結反応を行ない、65
℃、5分間の熱処理後、反応液に2倍容のエタノールを
加えてプラスミドDNAを沈澱、採取した。得られたプラ
スミドDNAを実施例14と同様にエシェリヒア・コリHB101
株に導入形質転換し、アンピシリン耐性形質転換株から
第10図の方法によりプラスミドを分離精製し、約1.0Kbp
のEcoRIHind IIIDNA断片の脱落したプラスミドpEAP6
(約4.8Kbp)を得た。第12図にpEAP6の作成方法を示し
た。
方法に準じて制限酵素EcoRIとHind IIIを加えて、37
℃、2時間反応させて切断した。次に実施例11の方法に
準じてDNAポリメラーゼIラージ・フラグメントを加え
て、室温で30分間反応させ、DNA切断面を平滑末端と
し、ついで、実施例2の方法に準じてT4−DNAリガーゼ
によって、室温、24時間DNA鎖の連結反応を行ない、65
℃、5分間の熱処理後、反応液に2倍容のエタノールを
加えてプラスミドDNAを沈澱、採取した。得られたプラ
スミドDNAを実施例14と同様にエシェリヒア・コリHB101
株に導入形質転換し、アンピシリン耐性形質転換株から
第10図の方法によりプラスミドを分離精製し、約1.0Kbp
のEcoRIHind IIIDNA断片の脱落したプラスミドpEAP6
(約4.8Kbp)を得た。第12図にpEAP6の作成方法を示し
た。
次に、プラスミドpBR329(約4.15Kbp)〔L.Covarrubias
ら,Gene,17,79(1982)〕DNA10μgを、実施例4の方法
に準じて制限酵素Acc IIで切断した後、アガロースゲル
電気泳動(ゲル濃度1.5%)を行ない、エレクトロエリ
ューション法〔P.J.Greeneら,“Methods in Molecular
Biology"vol.7,Marcell Dekker,1974,P.87〕を用い
て、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ
(CAT)遺伝子を含むAcc IIAcc IIのDNA断片(1.3Kb
p)を回収した。また、先に得られたプラスミドpEAP6を
実施例4の方法に準じて制限酵素SmaIで切断して後、上
記のAcc IIAcc IIのDNA断片と混合し、実施例2の方
法に準じてT4−DNAリガーゼを用いて連結した。上記と
同様にして、エシェリヒア・コリHB101株に導入形質転
換し、クロラムフェニコール及びアンピシリン耐性形質
転換株からプラスミドを分離精製し、プラスミドpEAP6
にCAT遺伝子が第12図において反時計まわりの向きに挿
入された形のプラスミドpEAP7(約6.1Kbp)を作成し
た。第12図にpEAP7の作成方法を示した。
ら,Gene,17,79(1982)〕DNA10μgを、実施例4の方法
に準じて制限酵素Acc IIで切断した後、アガロースゲル
電気泳動(ゲル濃度1.5%)を行ない、エレクトロエリ
ューション法〔P.J.Greeneら,“Methods in Molecular
Biology"vol.7,Marcell Dekker,1974,P.87〕を用い
て、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ
(CAT)遺伝子を含むAcc IIAcc IIのDNA断片(1.3Kb
p)を回収した。また、先に得られたプラスミドpEAP6を
実施例4の方法に準じて制限酵素SmaIで切断して後、上
記のAcc IIAcc IIのDNA断片と混合し、実施例2の方
法に準じてT4−DNAリガーゼを用いて連結した。上記と
同様にして、エシェリヒア・コリHB101株に導入形質転
換し、クロラムフェニコール及びアンピシリン耐性形質
転換株からプラスミドを分離精製し、プラスミドpEAP6
にCAT遺伝子が第12図において反時計まわりの向きに挿
入された形のプラスミドpEAP7(約6.1Kbp)を作成し
た。第12図にpEAP7の作成方法を示した。
こうして得られたプラスミドpEAP7を実施例4の方法に
準じて制限酵素Hind IIIで切断し、実施例11の方法に準
じてDNAポリメラーゼIラージ・フラグメントにより末
端を平滑化した。実施例2の方法に準じT4−DNAリガー
ゼを用いて自己連結反応を行ない、上記と同様にして、
プラスミドpEAP7のHind IIIサイトを欠失させた形のプ
ラスミドpEAP7ΔH(約6.1Kbp)を作成した。第13図にp
EAP7ΔHの作成方法を示す。
準じて制限酵素Hind IIIで切断し、実施例11の方法に準
じてDNAポリメラーゼIラージ・フラグメントにより末
端を平滑化した。実施例2の方法に準じT4−DNAリガー
ゼを用いて自己連結反応を行ない、上記と同様にして、
プラスミドpEAP7のHind IIIサイトを欠失させた形のプ
ラスミドpEAP7ΔH(約6.1Kbp)を作成した。第13図にp
EAP7ΔHの作成方法を示す。
さらにプラスミドpEAP7ΔHを、実施例4の方法に準じ
て制限酵素ClaIで切断し、実施例11の方法に準じてDNA
ポリメラーゼI・ラージ・フラグメントにより末端を平
滑化する。実施例2の方法に準じT4−DNAリガーゼを用
いて連結反応を行ない、上記と同様にしてエシェリヒア
・コリHB101株に導入形質転換し、クロラムフェニコー
ル耐性・アンピシリン感受性の形質転換株からプラスミ
ドを分離精製し、プラスミドpEAP7ΔH中に2ケ所存在
するClaIサイトを両方共欠失させた形のプラスミドpEAP
7ΔCCH(約6.1Kbp)を作成した。第13図にpEAP7ΔCCHの
作成方法を示す。
て制限酵素ClaIで切断し、実施例11の方法に準じてDNA
ポリメラーゼI・ラージ・フラグメントにより末端を平
滑化する。実施例2の方法に準じT4−DNAリガーゼを用
いて連結反応を行ない、上記と同様にしてエシェリヒア
・コリHB101株に導入形質転換し、クロラムフェニコー
ル耐性・アンピシリン感受性の形質転換株からプラスミ
ドを分離精製し、プラスミドpEAP7ΔH中に2ケ所存在
するClaIサイトを両方共欠失させた形のプラスミドpEAP
7ΔCCH(約6.1Kbp)を作成した。第13図にpEAP7ΔCCHの
作成方法を示す。
得られたプラスミドpEAP7ΔCCHを、実施例4の方法に準
じて制限酵素Hinc IIで切断し、アガロースゲル電気泳
動(ゲル濃度0.8%)の後、ペニシリナーゼ遺伝子(一
部欠失)を含まない約3.8KbpのHinc IIHinc IIのDNA
断片をエレクトロエリューション法より回収する。一
方、上述のプラスミドpEAP7も同様にして制限酵素Hinc
II切断、アガロースゲル電気泳動(ゲル濃度0.8%)を
行ない、ペニシリナーゼ遺伝子を含む約2.3KbpのHinc I
IHinc IIのDNA断片を回収する。これら2種のDNA断片
を、実施例2の方法に準じてT4−DNAリガーゼを用いて
連結し、上記と同様にしてエシェリヒア・コリHB101株
に導入形質転換し、クロラムフェニコール及びアンピシ
リンに耐性の形質転換株の中からプラスミドを分離精製
し、プラスミドpEAP7ΔCH(約6.1Kbp)を作成した。第1
3図にpEAP7ΔCHの作成方法を示す。
じて制限酵素Hinc IIで切断し、アガロースゲル電気泳
動(ゲル濃度0.8%)の後、ペニシリナーゼ遺伝子(一
部欠失)を含まない約3.8KbpのHinc IIHinc IIのDNA
断片をエレクトロエリューション法より回収する。一
方、上述のプラスミドpEAP7も同様にして制限酵素Hinc
II切断、アガロースゲル電気泳動(ゲル濃度0.8%)を
行ない、ペニシリナーゼ遺伝子を含む約2.3KbpのHinc I
IHinc IIのDNA断片を回収する。これら2種のDNA断片
を、実施例2の方法に準じてT4−DNAリガーゼを用いて
連結し、上記と同様にしてエシェリヒア・コリHB101株
に導入形質転換し、クロラムフェニコール及びアンピシ
リンに耐性の形質転換株の中からプラスミドを分離精製
し、プラスミドpEAP7ΔCH(約6.1Kbp)を作成した。第1
3図にpEAP7ΔCHの作成方法を示す。
こうして得られたプラスミドpEAP7ΔCHを、実施例4の
方法に準じて制限酵素HpaIで切断した後、末端をリン酸
化したSalIリンカー(宝酒造)の混合し、実施例2の方
法に準じてT4−DNAリガーゼを用いて連結反応を行な
う。エタノール沈澱の後、実施例4の方法に準じて制限
酵素ClaI及びSalIで切断、アガロースゲル電気泳動(ゲ
ル濃度0.8%)を行ない、ペニシリナーゼ遺伝子後半
部、Exプロモーター領域及びベクターの大部分を含む4.
5KbpのClaISalIのDNA断片をエレクトロエリューショ
ン法により回収する。一方、後述の実施例16で得られた
プラスミドp329PSを同様にして制限酵素ClaI及びSalIで
切断、ポリアクリルアミドゲル電気泳動(ゲル濃度5
%)を行ない、ペニシリナーゼ遺伝子プロモーター領域
及びシグナルペプチド領域を含む約200bpのSalIClaI
のDNA断片をエレクトロエリューション法により回収す
る。こうして得られた2種のDNA断片を結合し、実施例
2の方法に準じてT4−DNAリガーゼで連結後、上記と同
様にしてエシェリヒア・コリHB101株に導入形質転換
し、クロラムフェニコール耐性の形質転換株の中からプ
ラスミドを分離精製し、分泌プラスミドベクターpEAP8
(4.7Kbp)を作成した。第14図にpEAP8の作成方法を示
す。
方法に準じて制限酵素HpaIで切断した後、末端をリン酸
化したSalIリンカー(宝酒造)の混合し、実施例2の方
法に準じてT4−DNAリガーゼを用いて連結反応を行な
う。エタノール沈澱の後、実施例4の方法に準じて制限
酵素ClaI及びSalIで切断、アガロースゲル電気泳動(ゲ
ル濃度0.8%)を行ない、ペニシリナーゼ遺伝子後半
部、Exプロモーター領域及びベクターの大部分を含む4.
5KbpのClaISalIのDNA断片をエレクトロエリューショ
ン法により回収する。一方、後述の実施例16で得られた
プラスミドp329PSを同様にして制限酵素ClaI及びSalIで
切断、ポリアクリルアミドゲル電気泳動(ゲル濃度5
%)を行ない、ペニシリナーゼ遺伝子プロモーター領域
及びシグナルペプチド領域を含む約200bpのSalIClaI
のDNA断片をエレクトロエリューション法により回収す
る。こうして得られた2種のDNA断片を結合し、実施例
2の方法に準じてT4−DNAリガーゼで連結後、上記と同
様にしてエシェリヒア・コリHB101株に導入形質転換
し、クロラムフェニコール耐性の形質転換株の中からプ
ラスミドを分離精製し、分泌プラスミドベクターpEAP8
(4.7Kbp)を作成した。第14図にpEAP8の作成方法を示
す。
先に作成したプラスミドpEAP6を実施例4の方法に準じ
て制限酵素HinfIで切断し、アガロースゲル電気泳動
(ゲル濃度0.8%)の後、好アルカリ性バチルスNo.17株
染色体DNA由来Exプロモーター領域とプラスミドpMB9由
来Ki1遺伝子から成る菌体外分泌生産に関与する領域を
含む約0.95KbpのHinfIHinfIのDNA断片を、エレクトロ
エリューション法により回収する。このDNA断片につい
て、実施例11の方法に準じてDNAポリメラーゼI・ラー
ジ・フラグメントを用いた末端の平滑化を行ない、実施
例2の方法に準じて末端をリン酸化したEcoRIリンカー
(宝酒造)とT4−DNAリガーゼによって連結する。エタ
ノール沈澱の後、実施例4の方法に準じて制限酵素EcoR
Iで切断、アガロースゲル電気泳動(ゲル濃度0.8%)・
エレクトロエリューション法によって末端にEcoRIサイ
トを有するEcoRIEcoRIのDNA断片(約0.95Kbp)を回収
する。次に、プラスミドpBR329を、実施例4の方法に準
じて制限酵素EcoRIで切断し、上記約0.95KbpのEcoRIE
coRIのDNA断片と混合、実施例2の方法に準じてT4−DNA
リガーゼによる連結反応を行なった。上記と同様にエシ
ェリヒア・コリHB101株に導入形質転換し、アンピシリ
ン及びテトラサイクリン耐性の形質転換株よりプラスミ
ドを分離精製し、多コピー型分泌プラスミドベクターp3
29EXK(約5.1Kbp)を作成した。第15図にp329EXKの作成
方法を示す。
て制限酵素HinfIで切断し、アガロースゲル電気泳動
(ゲル濃度0.8%)の後、好アルカリ性バチルスNo.17株
染色体DNA由来Exプロモーター領域とプラスミドpMB9由
来Ki1遺伝子から成る菌体外分泌生産に関与する領域を
含む約0.95KbpのHinfIHinfIのDNA断片を、エレクトロ
エリューション法により回収する。このDNA断片につい
て、実施例11の方法に準じてDNAポリメラーゼI・ラー
ジ・フラグメントを用いた末端の平滑化を行ない、実施
例2の方法に準じて末端をリン酸化したEcoRIリンカー
(宝酒造)とT4−DNAリガーゼによって連結する。エタ
ノール沈澱の後、実施例4の方法に準じて制限酵素EcoR
Iで切断、アガロースゲル電気泳動(ゲル濃度0.8%)・
エレクトロエリューション法によって末端にEcoRIサイ
トを有するEcoRIEcoRIのDNA断片(約0.95Kbp)を回収
する。次に、プラスミドpBR329を、実施例4の方法に準
じて制限酵素EcoRIで切断し、上記約0.95KbpのEcoRIE
coRIのDNA断片と混合、実施例2の方法に準じてT4−DNA
リガーゼによる連結反応を行なった。上記と同様にエシ
ェリヒア・コリHB101株に導入形質転換し、アンピシリ
ン及びテトラサイクリン耐性の形質転換株よりプラスミ
ドを分離精製し、多コピー型分泌プラスミドベクターp3
29EXK(約5.1Kbp)を作成した。第15図にp329EXKの作成
方法を示す。
実施例17(好アルカリ性菌ペニシリナーゼ遺伝子プロモ
ーター領域・シグナル領域を有するプラスミドの作成) CAT遺伝子誘導体を含むプラスミドpCM1(約4.1Kbpファ
ルマシア)を実施例4の方法に準じて制限酵素EcoRI及
びSalIで切断し、アガロースゲル電気泳動(ゲル濃度0.
8%)の後、実施例15の方法に準じて約0.5bpのCAT遺伝
子の後半部分を含むEcoRISalIのDNA断片を回収する。
さらに、CAT遺伝子誘導体を含むプラスミドpCM7(約4.1
Kbp,ファルマシア)を上記と同様にして、制限酵素EcoR
I及びSalIで切断し、アガロースゲル電気泳動(ゲル濃
度0.8%)の後、CAT遺伝子前半部分とベクターの大部分
から成る約3.1KbpのEcoRISalIのDNA断片を回収する。
これらのDNA断片を混合し、実施例2の方法に準じてT4
−DNAリガーゼで連結し、実施例16の方法に準じてCAT遺
伝子誘導体を含む新規プラスミドpCM71(約3.6Kbp)を
作成した。第16図にpCM71の作成方法を示す。
ーター領域・シグナル領域を有するプラスミドの作成) CAT遺伝子誘導体を含むプラスミドpCM1(約4.1Kbpファ
ルマシア)を実施例4の方法に準じて制限酵素EcoRI及
びSalIで切断し、アガロースゲル電気泳動(ゲル濃度0.
8%)の後、実施例15の方法に準じて約0.5bpのCAT遺伝
子の後半部分を含むEcoRISalIのDNA断片を回収する。
さらに、CAT遺伝子誘導体を含むプラスミドpCM7(約4.1
Kbp,ファルマシア)を上記と同様にして、制限酵素EcoR
I及びSalIで切断し、アガロースゲル電気泳動(ゲル濃
度0.8%)の後、CAT遺伝子前半部分とベクターの大部分
から成る約3.1KbpのEcoRISalIのDNA断片を回収する。
これらのDNA断片を混合し、実施例2の方法に準じてT4
−DNAリガーゼで連結し、実施例16の方法に準じてCAT遺
伝子誘導体を含む新規プラスミドpCM71(約3.6Kbp)を
作成した。第16図にpCM71の作成方法を示す。
前記実施例16で得られたプラスミドpEAP3を実施例4の
方法に準じて制限酵素RsaIで切断し、ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動(ゲル濃度5%)後、実施例16の方法に
準じてペニシリナーゼ遺伝子プロモーター領域及びシグ
ナル領域を含むRsaIRsaIのDNA断片(約200bp)を回収
する。このRsaIRsaIのDNA断片を、末端をリン酸化し
たHind IIIリンカー(宝酒造)と混合、実施例2の方法
に準じてT4−DNAリガーゼを用いて連結した後、実施例
4の方法に準じて制限酵素Hind IIIで切断する。ポリア
クリルアミドゲル電気泳動(ゲル濃度5%)の後、実施
例15の方法に準じて末端がHind IIIサイトに変換された
ペニシリナーゼ遺伝子プロモーター領域及びシグナルペ
プチド領域を含むDNA断片(約210bp)を回収する。一
方、プラスミドpCM71を実施例4の方法に準じて制限酵
素Hind IIIで切断し、上記のペニシリナーゼ遺伝子プロ
モーター領域及びシグナルペプチド領域を含むHind III
Hind IIIのDNA断片と混合し、実施例2の方法に準じ
てT4−DNAリガーゼを用いて連結させ、実施例16の方法
に準じてアンピシリン耐性、クロラムフェニコール耐性
の形質転換株よりプラスミドpPS1(約3.7Kbp)を分離・
精製した。このプラスミドpPS1においては、ペニシリナ
ーゼ遺伝子プロモーター領域及びシグナルペプチド領域
が、CAT遺伝子の上流に同じ読み取り方向で挿入された
構造を有している。第17図にpPS1の作成方法を示した。
方法に準じて制限酵素RsaIで切断し、ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動(ゲル濃度5%)後、実施例16の方法に
準じてペニシリナーゼ遺伝子プロモーター領域及びシグ
ナル領域を含むRsaIRsaIのDNA断片(約200bp)を回収
する。このRsaIRsaIのDNA断片を、末端をリン酸化し
たHind IIIリンカー(宝酒造)と混合、実施例2の方法
に準じてT4−DNAリガーゼを用いて連結した後、実施例
4の方法に準じて制限酵素Hind IIIで切断する。ポリア
クリルアミドゲル電気泳動(ゲル濃度5%)の後、実施
例15の方法に準じて末端がHind IIIサイトに変換された
ペニシリナーゼ遺伝子プロモーター領域及びシグナルペ
プチド領域を含むDNA断片(約210bp)を回収する。一
方、プラスミドpCM71を実施例4の方法に準じて制限酵
素Hind IIIで切断し、上記のペニシリナーゼ遺伝子プロ
モーター領域及びシグナルペプチド領域を含むHind III
Hind IIIのDNA断片と混合し、実施例2の方法に準じ
てT4−DNAリガーゼを用いて連結させ、実施例16の方法
に準じてアンピシリン耐性、クロラムフェニコール耐性
の形質転換株よりプラスミドpPS1(約3.7Kbp)を分離・
精製した。このプラスミドpPS1においては、ペニシリナ
ーゼ遺伝子プロモーター領域及びシグナルペプチド領域
が、CAT遺伝子の上流に同じ読み取り方向で挿入された
構造を有している。第17図にpPS1の作成方法を示した。
こうして得られたプラスミドpPS1を実施例4の方法に準
じて制限酵素Hind IIIで部分分解し、アガロースゲル電
気泳動(ゲル濃度0.8%)の後、上記と同様にして2ケ
所存在するHind IIIサイトのうち1ケ所のみが切断され
たHind IIIHind IIIのDNA断片(約3.7Kbp)を回収す
る。このHind IIIHind IIIのDNA断片を実施例11の方
法に準じてDNAポリメラーゼI・ラージ・フラグメント
を用いて末端を平滑化した後、実施例2の方法に準じて
T4−DNAリガーゼによって自己閉環させる。このように
して上記方法に準じて、プラスミドpPS1中のペニシリナ
ーゼ遺伝子プロモーター領域上流に存在するHind IIIサ
イトを欠失させた形のプラスミドpPS1ΔH(約3.7Kbp)
を作成した。第18図にpPS1ΔHの作成方法を示す。
じて制限酵素Hind IIIで部分分解し、アガロースゲル電
気泳動(ゲル濃度0.8%)の後、上記と同様にして2ケ
所存在するHind IIIサイトのうち1ケ所のみが切断され
たHind IIIHind IIIのDNA断片(約3.7Kbp)を回収す
る。このHind IIIHind IIIのDNA断片を実施例11の方
法に準じてDNAポリメラーゼI・ラージ・フラグメント
を用いて末端を平滑化した後、実施例2の方法に準じて
T4−DNAリガーゼによって自己閉環させる。このように
して上記方法に準じて、プラスミドpPS1中のペニシリナ
ーゼ遺伝子プロモーター領域上流に存在するHind IIIサ
イトを欠失させた形のプラスミドpPS1ΔH(約3.7Kbp)
を作成した。第18図にpPS1ΔHの作成方法を示す。
さらにプラスミドpPS1ΔHを実施例4の方法に準じて制
限酵素ClaIで切断した後、末端をリン酸化したSalIリン
カー(宝酒造)と混合し、実施例2の方法に準じてT4−
DNAリガーゼを用いて連結反応を行なう。エタノール沈
澱の後、実施例4の方法に準じて制限酵素Hind III及び
SalIで切断し、ポリアクリルアミドゲル電気泳動(ゲル
濃度5%)を行ない、ペニシリナーゼ遺伝子プロモータ
ー領域及びシグナルペプチド領域を含む約210bpのSalI
Hind IIIのDNA断片をエレクトロエリューション法に
より回収する。一方、プラスミドpBR329も同様にして制
限酵素Hind III及びSalIで切断し、アガロースゲル電気
泳動(ゲル濃度0.8%)を行ない、ベクターの大部分を
含む約3.6KbpのHind IIISalIのDNA断片を回収する。
こうして得られた2種類のDNA断片を混合し、実施例2
の方法に準じてT4−DNAリガーゼで連結した後、上記方
法に準じて、プラスミドp329PSを作成した。第18図にp3
29PSの作成方法を示す。
限酵素ClaIで切断した後、末端をリン酸化したSalIリン
カー(宝酒造)と混合し、実施例2の方法に準じてT4−
DNAリガーゼを用いて連結反応を行なう。エタノール沈
澱の後、実施例4の方法に準じて制限酵素Hind III及び
SalIで切断し、ポリアクリルアミドゲル電気泳動(ゲル
濃度5%)を行ない、ペニシリナーゼ遺伝子プロモータ
ー領域及びシグナルペプチド領域を含む約210bpのSalI
Hind IIIのDNA断片をエレクトロエリューション法に
より回収する。一方、プラスミドpBR329も同様にして制
限酵素Hind III及びSalIで切断し、アガロースゲル電気
泳動(ゲル濃度0.8%)を行ない、ベクターの大部分を
含む約3.6KbpのHind IIISalIのDNA断片を回収する。
こうして得られた2種類のDNA断片を混合し、実施例2
の方法に準じてT4−DNAリガーゼで連結した後、上記方
法に準じて、プラスミドp329PSを作成した。第18図にp3
29PSの作成方法を示す。
実施例18(Fc領域遺伝子ペリプラズム分泌発現型プラス
ミドの作成) 実施例11で作成したFc領域遺伝子菌体内発現型プラスミ
ドpFC362を、実施例4の方法に準じて制限酵素Sst II及
びEcoRIで切断し、アガロースゲル電気泳動(ゲル濃度
0.8%)の後、tacプロモーター領域・h部位遺伝子・CH
2部位遺伝子の前半部分を含む約0.4KbpのEcoRISst II
のDNA断片と、ベクターの大部分・CH2部位遺伝子後半部
分・CH3部位遺伝子を含む約4.5KbpのEcoRISst IIのDN
A断片とを、実施例5の方法に準じてゲルより回収す
る。このうちのtacプロモーター領域・h部位遺伝子・C
H2部位遺伝子前半部位を有するEcoRISst IIのDNA断片
を、実施例4の方法により制限酵素BstNIで切断し、ポ
リアクリルアミドゲル電気泳動(ゲル濃度5%)の後、
CH2部位遺伝子の一部を含む約171bpのBstNISst IIのD
NA断片を、実施例7の方法に準じてゲルより回収する。
さらに、ペニシリナーゼ遺伝子プロモーター領域・シグ
ナルペプチド領域とFc領域遺伝子との連結部分に相当す
る第19図記載の塩基配列を有する2本鎖オリゴヌクレオ
チド(約51bp)を、実施例8の方法に準じて作成した。
このEcoRIBstNIのDNA断片中には、後のサブクローニ
ングに必要な制限酵素SalIサイト、ペニシリナーゼ遺伝
子シグナルペプチド領域遺伝子との連結のための制限酵
素Hind IIIサイト、アミノ酸セリンをコードするTCAの
コドン、h部位遺伝子及びCH2部位遺伝子の一部が含ま
れている。このDNA断片を用いることにより、大腸菌内
で正しくシグナルペプチドが切断され、Fc領域蛋白質の
アミノ末端にアミノ酸セリンが1個余分についた形の蛋
白質の産生が期待できる。以上のようにして得られた、
ベクターの大部分・CH2部位遺伝子後半部分・CH3部位遺
伝子を含むEcoRISst IIのDNA断片、CH2部位の遺伝子
の一部を含むBstNISst IIのDNA断片、及びペニシリナ
ーゼ遺伝子シグナルペプチド領域とFc領域遺伝子との連
結部分に相当するEcoRIBstNIのDNA断片とを混合し、
実施例5の方法に準じて、プラスミドpSEC−FC(約4.7K
bp)を作成した。第19図にpSEC−FCを示す。
ミドの作成) 実施例11で作成したFc領域遺伝子菌体内発現型プラスミ
ドpFC362を、実施例4の方法に準じて制限酵素Sst II及
びEcoRIで切断し、アガロースゲル電気泳動(ゲル濃度
0.8%)の後、tacプロモーター領域・h部位遺伝子・CH
2部位遺伝子の前半部分を含む約0.4KbpのEcoRISst II
のDNA断片と、ベクターの大部分・CH2部位遺伝子後半部
分・CH3部位遺伝子を含む約4.5KbpのEcoRISst IIのDN
A断片とを、実施例5の方法に準じてゲルより回収す
る。このうちのtacプロモーター領域・h部位遺伝子・C
H2部位遺伝子前半部位を有するEcoRISst IIのDNA断片
を、実施例4の方法により制限酵素BstNIで切断し、ポ
リアクリルアミドゲル電気泳動(ゲル濃度5%)の後、
CH2部位遺伝子の一部を含む約171bpのBstNISst IIのD
NA断片を、実施例7の方法に準じてゲルより回収する。
さらに、ペニシリナーゼ遺伝子プロモーター領域・シグ
ナルペプチド領域とFc領域遺伝子との連結部分に相当す
る第19図記載の塩基配列を有する2本鎖オリゴヌクレオ
チド(約51bp)を、実施例8の方法に準じて作成した。
このEcoRIBstNIのDNA断片中には、後のサブクローニ
ングに必要な制限酵素SalIサイト、ペニシリナーゼ遺伝
子シグナルペプチド領域遺伝子との連結のための制限酵
素Hind IIIサイト、アミノ酸セリンをコードするTCAの
コドン、h部位遺伝子及びCH2部位遺伝子の一部が含ま
れている。このDNA断片を用いることにより、大腸菌内
で正しくシグナルペプチドが切断され、Fc領域蛋白質の
アミノ末端にアミノ酸セリンが1個余分についた形の蛋
白質の産生が期待できる。以上のようにして得られた、
ベクターの大部分・CH2部位遺伝子後半部分・CH3部位遺
伝子を含むEcoRISst IIのDNA断片、CH2部位の遺伝子
の一部を含むBstNISst IIのDNA断片、及びペニシリナ
ーゼ遺伝子シグナルペプチド領域とFc領域遺伝子との連
結部分に相当するEcoRIBstNIのDNA断片とを混合し、
実施例5の方法に準じて、プラスミドpSEC−FC(約4.7K
bp)を作成した。第19図にpSEC−FCを示す。
こうして得られたプラスミドpSEC−FCを、実施例4の方
法に準じて制限酵素Hind IIIで切断する。一方、実施例
17で得られたペニシリナーゼ遺伝子プロモーター領域・
シグナルペプチド領域を含むプラスミドpPS1を、実施例
4の方法に準じて制限酵素Hind IIIで切断し、ポリアク
リルアミドゲル電気泳動(ゲル濃度5%)の後、ペニシ
リナーゼ遺伝子プロモーター領域・シグナル領域を含む
Hind IIIHind IIIのDNA断片(約210bp)をエレクトロ
エリューション法により回収する。このDNA断片を先に
調製したプラスミドpSEC−FCの制限酵素Hind III切断物
と混合し、実施例17の方法に準じて、Fc領域遺伝子ペリ
プラズム分泌発現型プラスミドpPS−FCを作成した。第2
0図にpPS−FCの作成方法を示した。
法に準じて制限酵素Hind IIIで切断する。一方、実施例
17で得られたペニシリナーゼ遺伝子プロモーター領域・
シグナルペプチド領域を含むプラスミドpPS1を、実施例
4の方法に準じて制限酵素Hind IIIで切断し、ポリアク
リルアミドゲル電気泳動(ゲル濃度5%)の後、ペニシ
リナーゼ遺伝子プロモーター領域・シグナル領域を含む
Hind IIIHind IIIのDNA断片(約210bp)をエレクトロ
エリューション法により回収する。このDNA断片を先に
調製したプラスミドpSEC−FCの制限酵素Hind III切断物
と混合し、実施例17の方法に準じて、Fc領域遺伝子ペリ
プラズム分泌発現型プラスミドpPS−FCを作成した。第2
0図にpPS−FCの作成方法を示した。
実施例19(Fc領域遺伝子菌体外分泌発現型プラスミドの
作成) 実施例18で作成したプラスミドpSEC−FCを、実施例4の
方法に準じて制限酵素BamHIで切断し、実施例8の方法
に準じて作成した制限酵素ClaIサイトを含む第19図記載
の塩基配列を有する2本鎖オリゴヌクレオチド(約14b
p)と混合し、実施例2の方法に準じてT4−DNAリガーゼ
を用いて連結反応を行なう。実施例16の方法に準じて、
プラスミドpSEC−FC中に存在する制限酵素BamHIサイト
を制限酵素ClaIサイトに変換した形のプラスミドpSEC−
FCC(約4.7Kbp)を作成した。第19図にプラスミドpSEC
−FCCの作成方法を示す。このようにして得られたプラ
スミドpSEC−FCCを実施例4の方法に準じて制限酵素Hin
d III及びClaIで切断、アガロースゲル電気泳動(ゲル
濃度0.8%)の後、Fc領域遺伝子を含む約0.7KbpのHind
IIIClaIのDNA断片を上記と同様に回収する。一方、実
施例16で作成した分泌プラスミドベクターpEAP8を実施
例4の方法に準じて制限酵素Hind III及びClaIで切断、
アガロースゲル電気泳動(ゲル濃度0.8%)の後、プラ
スミドpEAP8の大部分を有するClaIHind IIIのDNA断片
(約4.7Kbp)を上記と同様に回収する。これら2種のDN
A断片を混合、実施例2の方法に準じてT4−DNAリガーゼ
で連結させ、実施例16の方法に準じてFc領域遺伝子菌体
外分泌発現型プラスミドpEXFC10(約5.6Kbp)を作成し
た。第21図にpEXFC10の作成方法を示す。
作成) 実施例18で作成したプラスミドpSEC−FCを、実施例4の
方法に準じて制限酵素BamHIで切断し、実施例8の方法
に準じて作成した制限酵素ClaIサイトを含む第19図記載
の塩基配列を有する2本鎖オリゴヌクレオチド(約14b
p)と混合し、実施例2の方法に準じてT4−DNAリガーゼ
を用いて連結反応を行なう。実施例16の方法に準じて、
プラスミドpSEC−FC中に存在する制限酵素BamHIサイト
を制限酵素ClaIサイトに変換した形のプラスミドpSEC−
FCC(約4.7Kbp)を作成した。第19図にプラスミドpSEC
−FCCの作成方法を示す。このようにして得られたプラ
スミドpSEC−FCCを実施例4の方法に準じて制限酵素Hin
d III及びClaIで切断、アガロースゲル電気泳動(ゲル
濃度0.8%)の後、Fc領域遺伝子を含む約0.7KbpのHind
IIIClaIのDNA断片を上記と同様に回収する。一方、実
施例16で作成した分泌プラスミドベクターpEAP8を実施
例4の方法に準じて制限酵素Hind III及びClaIで切断、
アガロースゲル電気泳動(ゲル濃度0.8%)の後、プラ
スミドpEAP8の大部分を有するClaIHind IIIのDNA断片
(約4.7Kbp)を上記と同様に回収する。これら2種のDN
A断片を混合、実施例2の方法に準じてT4−DNAリガーゼ
で連結させ、実施例16の方法に準じてFc領域遺伝子菌体
外分泌発現型プラスミドpEXFC10(約5.6Kbp)を作成し
た。第21図にpEXFC10の作成方法を示す。
一方、実施例18で得られたFc領域遺伝子ペリプラズム分
泌発現型プラスミドpPS−FCを実施例4の方法に準じて
制限酵素BamHI及びSalIで切断、アガロースゲル電気泳
動(ゲル濃度0.8%)の後、ペニシリナーゼ遺伝子プロ
モーター領域・シグナルペプチド領域及びFc領域遺伝子
を含む約0.9KbpのSalIBamHIのDNA断片をエレクトロエ
リューション法により回収する。また、実施例16で得ら
れた多コピー型分泌プラスミドベクターp329EXKを実施
例4の方法に準じて制限酵素BamHI及びSalIで切断し、
アガロースゲル電気泳動(ゲル濃度0.8%)の後、上記
と同様にしてプラスミドp329EXKの大部分を含む約4.8Kb
pのBamHISalIのDNA断片を回収する。これら2種のDNA
断片を実施例2の方法に準じてT4−DNAリガーゼで連結
し、実施例16の方法に準じてFc領域遺伝子菌体外分泌発
現型プラスミドpEXFC100(約5.7Kbp)を作成した。第22
図にpEXFC100の作成方法を示す。
泌発現型プラスミドpPS−FCを実施例4の方法に準じて
制限酵素BamHI及びSalIで切断、アガロースゲル電気泳
動(ゲル濃度0.8%)の後、ペニシリナーゼ遺伝子プロ
モーター領域・シグナルペプチド領域及びFc領域遺伝子
を含む約0.9KbpのSalIBamHIのDNA断片をエレクトロエ
リューション法により回収する。また、実施例16で得ら
れた多コピー型分泌プラスミドベクターp329EXKを実施
例4の方法に準じて制限酵素BamHI及びSalIで切断し、
アガロースゲル電気泳動(ゲル濃度0.8%)の後、上記
と同様にしてプラスミドp329EXKの大部分を含む約4.8Kb
pのBamHISalIのDNA断片を回収する。これら2種のDNA
断片を実施例2の方法に準じてT4−DNAリガーゼで連結
し、実施例16の方法に準じてFc領域遺伝子菌体外分泌発
現型プラスミドpEXFC100(約5.7Kbp)を作成した。第22
図にpEXFC100の作成方法を示す。
実施例20(Fc領域蛋白質の分泌発現確認) 前記実施例11で得られたFc領域遺伝子菌体内発現型プラ
スミドpFC362を有するエシェリヒア・コリC600株、実施
例18で得られたFc領域遺伝子ペリプラズム分泌発現型プ
ラスミドpPS−FCを有するエシェリヒア・コリHB101株、
及び実施例19で得られたFc領域遺伝子菌体外分泌発現型
プラスミドpEXFC10又はpEXFC100を有するエシェリヒア
・コリHB101株を、最終濃度30μ/mlのアンピシリンを含
むLBGG培地〔1% トリプン、0.5% 酵母エキス、1
% NaCl,0.1% グルコース、0.2% グリセロール(p
H7.2)〕に接種し、37℃で24時間振とう培養を行なう。
ただし、プラスミドpEXFC10を有するエシェリヒア・コ
リHB101株の場合には、アンピシリンのかわりに最終濃
度20μg/mlのクロラムフェニコールを用いた。培養終了
後、オスモティック・ショック法(C.Katoら、前出)に
より、培養物を、菌体外画分、ペリプラズム画分、菌体
内画分に分画する。すなわち、遠心分離によって菌体を
分離した培養上清を菌体外画分とする。次に菌体を生理
食塩水で洗浄した後、1mM EDTAを含む25%ショ糖水溶
液に懸濁させて、37℃で10分間振とうする。遠心分離に
よって菌体を集めた後、菌体を氷冷した水に懸濁させ、
4℃で10分間振とうする。この懸濁液に等量の0.1Mリン
酸バッファー(pH7.0)を加えた後、遠心分離を行な
い、菌体と分離した上清部分をペリプラズム画分とす
る。さらに、この菌体を0.05Mリン酸バッファー(pH7.
0)に懸濁させ、超音波により菌体を破壊する。遠心分
離によって菌体残渣を除去した上清部分を菌体内画分と
した。
スミドpFC362を有するエシェリヒア・コリC600株、実施
例18で得られたFc領域遺伝子ペリプラズム分泌発現型プ
ラスミドpPS−FCを有するエシェリヒア・コリHB101株、
及び実施例19で得られたFc領域遺伝子菌体外分泌発現型
プラスミドpEXFC10又はpEXFC100を有するエシェリヒア
・コリHB101株を、最終濃度30μ/mlのアンピシリンを含
むLBGG培地〔1% トリプン、0.5% 酵母エキス、1
% NaCl,0.1% グルコース、0.2% グリセロール(p
H7.2)〕に接種し、37℃で24時間振とう培養を行なう。
ただし、プラスミドpEXFC10を有するエシェリヒア・コ
リHB101株の場合には、アンピシリンのかわりに最終濃
度20μg/mlのクロラムフェニコールを用いた。培養終了
後、オスモティック・ショック法(C.Katoら、前出)に
より、培養物を、菌体外画分、ペリプラズム画分、菌体
内画分に分画する。すなわち、遠心分離によって菌体を
分離した培養上清を菌体外画分とする。次に菌体を生理
食塩水で洗浄した後、1mM EDTAを含む25%ショ糖水溶
液に懸濁させて、37℃で10分間振とうする。遠心分離に
よって菌体を集めた後、菌体を氷冷した水に懸濁させ、
4℃で10分間振とうする。この懸濁液に等量の0.1Mリン
酸バッファー(pH7.0)を加えた後、遠心分離を行な
い、菌体と分離した上清部分をペリプラズム画分とす
る。さらに、この菌体を0.05Mリン酸バッファー(pH7.
0)に懸濁させ、超音波により菌体を破壊する。遠心分
離によって菌体残渣を除去した上清部分を菌体内画分と
した。
得られた各画分のサンプルは、アセトン乾燥を行なった
後、Tris−HClバッファー(pH6.8)、SDS、2−メルカ
プトエタノール、グリセロールを、それぞれ最終濃度60
mM、2%、4%、10%になるように加えて、SDS−ポリ
アクリルアミドゲル電気泳動〔鈴木、遺伝、31、43(19
77)〕を行なった。分離用ゲルは12.5%とし、泳動バッ
ファーはSDS・Tris−グリシン系〔U.K.Laemmli,Natur
e、227、680(1970)〕を用いた。電気泳動終了後、ゲ
ル中の蛋白質を、25mM Tris−192mM グリシン(pH8.
3)−20% メタノールのバッファー中で、電気泳動的
にニトロセルロース・フィルターに吸着させ、ウエスタ
ン・ブロッティングを行なった。蛋白質を吸着させたニ
トロセルロース・フィルターを3% ゼラチンを含むTB
Sバッファー〔20mM Tris−HCl(pH7.5)、500mM NaC
l〕中に60分間浸した後、一次抗体としてウサギ抗ヒトI
gG−Fc成分抗血清(カツペル)を用いた間接法で、ペル
オキシターゼ標識抗体を用いたイミュン・ブロット・ア
ッセイ・キット(バイオ・ラッド)により、ヒトIgG F
c領域蛋白質を特異的に染色した。結果の一部を複写し
て第23図に示した。この際に、後記参考例記載の方法に
より調製した既知量の天然型ヒトIgG Fc領域蛋白質も
同一のSDS−ポリアクリルアミドゲルで電気泳動等を行
なった。
後、Tris−HClバッファー(pH6.8)、SDS、2−メルカ
プトエタノール、グリセロールを、それぞれ最終濃度60
mM、2%、4%、10%になるように加えて、SDS−ポリ
アクリルアミドゲル電気泳動〔鈴木、遺伝、31、43(19
77)〕を行なった。分離用ゲルは12.5%とし、泳動バッ
ファーはSDS・Tris−グリシン系〔U.K.Laemmli,Natur
e、227、680(1970)〕を用いた。電気泳動終了後、ゲ
ル中の蛋白質を、25mM Tris−192mM グリシン(pH8.
3)−20% メタノールのバッファー中で、電気泳動的
にニトロセルロース・フィルターに吸着させ、ウエスタ
ン・ブロッティングを行なった。蛋白質を吸着させたニ
トロセルロース・フィルターを3% ゼラチンを含むTB
Sバッファー〔20mM Tris−HCl(pH7.5)、500mM NaC
l〕中に60分間浸した後、一次抗体としてウサギ抗ヒトI
gG−Fc成分抗血清(カツペル)を用いた間接法で、ペル
オキシターゼ標識抗体を用いたイミュン・ブロット・ア
ッセイ・キット(バイオ・ラッド)により、ヒトIgG F
c領域蛋白質を特異的に染色した。結果の一部を複写し
て第23図に示した。この際に、後記参考例記載の方法に
より調製した既知量の天然型ヒトIgG Fc領域蛋白質も
同一のSDS−ポリアクリルアミドゲルで電気泳動等を行
なった。
第23図より、Fc領域遺伝子菌体内発現型プラスミドpFC3
62を有するエシェリヒア・コリC600株の場合には、Fc領
域蛋白質は菌体内画分にのみ局在しているのに対して、
ペリプラズム分泌発現型プラスミドpPS−FCを有するエ
シェリヒア・コリHB101株の場合にはペリプラズムま
で、菌体外分泌発現型プラスミドpEXFC10またはpEXFC10
0を有するエシェリヒア・コリHB101株の場合には菌体外
画分にまで、それぞれFc領域蛋白質が分泌されているこ
とがわかる。また、菌体外画分をアセトン乾燥した後、
Tris−HClバッファー(pH6.8)、SDSグリセロールをそ
れぞれ最終濃度60mM、2%、10%になるように加えて、
SDS−ポリアルリルアミドゲル電気泳動(分離用ゲル濃
度12.5%)を行った。上記と同様な手法により、ヒトIg
G Fc領域蛋白質を特異的に染色した結果の一部を複写
して、第24図に示した。この際に、後期参考例記載の方
法により調製した。天然型ヒトIgG Fc領域蛋白質も同
一のSDS−ポリアルリルアミドゲルで電気泳動等を行っ
た。
62を有するエシェリヒア・コリC600株の場合には、Fc領
域蛋白質は菌体内画分にのみ局在しているのに対して、
ペリプラズム分泌発現型プラスミドpPS−FCを有するエ
シェリヒア・コリHB101株の場合にはペリプラズムま
で、菌体外分泌発現型プラスミドpEXFC10またはpEXFC10
0を有するエシェリヒア・コリHB101株の場合には菌体外
画分にまで、それぞれFc領域蛋白質が分泌されているこ
とがわかる。また、菌体外画分をアセトン乾燥した後、
Tris−HClバッファー(pH6.8)、SDSグリセロールをそ
れぞれ最終濃度60mM、2%、10%になるように加えて、
SDS−ポリアルリルアミドゲル電気泳動(分離用ゲル濃
度12.5%)を行った。上記と同様な手法により、ヒトIg
G Fc領域蛋白質を特異的に染色した結果の一部を複写
して、第24図に示した。この際に、後期参考例記載の方
法により調製した。天然型ヒトIgG Fc領域蛋白質も同
一のSDS−ポリアルリルアミドゲルで電気泳動等を行っ
た。
第24図より、Fc領域遺伝子菌体外分泌発現型プラスミド
pEXFC10を有するエシェリヒアコリHB101株が菌体外に分
泌したFc領域蛋白質は、その大部分が天然型Fc領域蛋白
質と同様のジスルフィド結合を介した二量体構造をとっ
ていることがわかる。
pEXFC10を有するエシェリヒアコリHB101株が菌体外に分
泌したFc領域蛋白質は、その大部分が天然型Fc領域蛋白
質と同様のジスルフィド結合を介した二量体構造をとっ
ていることがわかる。
実施例21(分泌Fc領域蛋白質の精製) 3mlの活性型アフィニティー支持体アフィーゲル10(バ
イオ・ラッド)と6.2mgのアフィニティー精製ヒツジ抗
ヒトIgG−Fc成分抗体(カッペル)とを、0.1M MOPSバ
ッファー(pH7.5、半井化学薬品)中でカップリングさ
せて、ヒトIgG Fc領域蛋白質精製用アフィニティー・
カラムを作成した。4℃で2時間カップリングを行った
ところ、用いたヒツジ抗ヒトIgG−Fc成分抗体の約40%
が支持体上に固定化された。
イオ・ラッド)と6.2mgのアフィニティー精製ヒツジ抗
ヒトIgG−Fc成分抗体(カッペル)とを、0.1M MOPSバ
ッファー(pH7.5、半井化学薬品)中でカップリングさ
せて、ヒトIgG Fc領域蛋白質精製用アフィニティー・
カラムを作成した。4℃で2時間カップリングを行った
ところ、用いたヒツジ抗ヒトIgG−Fc成分抗体の約40%
が支持体上に固定化された。
前記実施例20で調製したFc領域遺伝子菌体外分泌発現型
プラスミドpEXFC10を有するエシェリヒアコリHB101株培
養物の菌体外画分の蛋白質を上記アフィニティー・カラ
ムに通し、Fc領域蛋白質のみを特異的にカラムに吸着さ
せた。カラムをPBSバッファー[100mMリン酸バッファー
(pH7.4)、140mM NaCl]及び500mM NaClを含む20mM
リン酸バッファー(pH7.4)で充分洗浄した後、0.1Mグ
リシン−HClバッファー(pH2.3)を用いて、Fc領域蛋白
質を溶出させた。溶出したFc領域蛋白質を水に対して透
析し、凍結乾燥した後に、実施例20の方法に準じてSDS
−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(分離用ゲル濃度1
2.5%)を行なった。電気泳動終了後、ゲル中の蛋白質
のバンドを銀染色試薬(第一化学薬品)を用いて染色し
たところ、98%以上の純度の大腸菌菌体外分泌Fc領域蛋
白質が得られたことが確認できた。
プラスミドpEXFC10を有するエシェリヒアコリHB101株培
養物の菌体外画分の蛋白質を上記アフィニティー・カラ
ムに通し、Fc領域蛋白質のみを特異的にカラムに吸着さ
せた。カラムをPBSバッファー[100mMリン酸バッファー
(pH7.4)、140mM NaCl]及び500mM NaClを含む20mM
リン酸バッファー(pH7.4)で充分洗浄した後、0.1Mグ
リシン−HClバッファー(pH2.3)を用いて、Fc領域蛋白
質を溶出させた。溶出したFc領域蛋白質を水に対して透
析し、凍結乾燥した後に、実施例20の方法に準じてSDS
−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(分離用ゲル濃度1
2.5%)を行なった。電気泳動終了後、ゲル中の蛋白質
のバンドを銀染色試薬(第一化学薬品)を用いて染色し
たところ、98%以上の純度の大腸菌菌体外分泌Fc領域蛋
白質が得られたことが確認できた。
実施例22(分泌Fc領域蛋白質の解析) 前記実施例21で得られた大腸菌菌体外分泌Fc領域蛋白質
精製品を、気相プロテインシークエンサー(アプライ
ド、バイオシステムズ、モデル470A)にかけ、アミノ酸
末端のアミノ酸配列解析を行ったところ、 H2N−Ser−Thr−( )−Pro−Pro−( )−Pro−
… という結果が得られた。この結果はペニシリナーゼのシ
グナルペプチドが分泌の際に正しく切断されたことを示
すものである。また、分泌Fc領域蛋白質精製品を2%チ
オグリコール酸を含む6N HCl中に110℃で22時間保つこ
とによって加水分解した後、アミノ酸分析計(日立835
型)を用いたアミノ酸組成分析を行ない下記の結果が得
られた。
精製品を、気相プロテインシークエンサー(アプライ
ド、バイオシステムズ、モデル470A)にかけ、アミノ酸
末端のアミノ酸配列解析を行ったところ、 H2N−Ser−Thr−( )−Pro−Pro−( )−Pro−
… という結果が得られた。この結果はペニシリナーゼのシ
グナルペプチドが分泌の際に正しく切断されたことを示
すものである。また、分泌Fc領域蛋白質精製品を2%チ
オグリコール酸を含む6N HCl中に110℃で22時間保つこ
とによって加水分解した後、アミノ酸分析計(日立835
型)を用いたアミノ酸組成分析を行ない下記の結果が得
られた。
遺伝子の塩基配列より類推した計算値が実験値とよく一
致していることから、大腸菌が菌体外に分泌したFc領域
蛋白質は計画通りのものであることがわかる。更に、天
然型Fc領域蛋白質の分子量が約5000ダルトン程度小さい
という第23図の結果から考えて、大腸菌が菌体外に分泌
したFc領域蛋白質には糖鎖の付加はおこっていないもの
と思われる。
致していることから、大腸菌が菌体外に分泌したFc領域
蛋白質は計画通りのものであることがわかる。更に、天
然型Fc領域蛋白質の分子量が約5000ダルトン程度小さい
という第23図の結果から考えて、大腸菌が菌体外に分泌
したFc領域蛋白質には糖鎖の付加はおこっていないもの
と思われる。
参考例(天然型ヒト免疫グロブリンG Fc領域蛋白質の
調製) 0.3gのヒトIgG(シグマ)、17.5mgのシステイン、7.5mg
のEDTA・2NaをPBSバッファーに溶解し、150μgのパパ
イン(シグマ,タイプIV)を添加して、37℃で7時間放
置する。パパイン処理後のIgGを、PBSバッファーで平衡
化したセファデックスG−200スーパー・ファイン・ゲ
ル(ファルマシア)を用いたゲル濾過カラムにかけ、パ
パイン処理によって生成したFc領域蛋白質及びFad領域
蛋白質を、未反応のIgGと分離した。得られたFc領域蛋
白質とFab領域蛋白質とを含む溶液を水に対して透析
し、凍結乾燥によって濃縮した後、DE52・DEAEセルロー
ス(ワットマン)を用いたイオン交換カラムにかけた。
カラムを10mMリン酸バッファー(pH7.4)で洗浄し、Fab
領域蛋白質を完全に溶出させた後、NaCl濃度を0mMから3
50mMまで直線的に変化させた10mM リン酸バッファー
(pH7.4)用いて、Fc領域蛋白質を溶出させた。上記と
同様にして透析、凍結乾燥を行ない、天然型ヒトIgG F
c領域蛋白質を取得した。
調製) 0.3gのヒトIgG(シグマ)、17.5mgのシステイン、7.5mg
のEDTA・2NaをPBSバッファーに溶解し、150μgのパパ
イン(シグマ,タイプIV)を添加して、37℃で7時間放
置する。パパイン処理後のIgGを、PBSバッファーで平衡
化したセファデックスG−200スーパー・ファイン・ゲ
ル(ファルマシア)を用いたゲル濾過カラムにかけ、パ
パイン処理によって生成したFc領域蛋白質及びFad領域
蛋白質を、未反応のIgGと分離した。得られたFc領域蛋
白質とFab領域蛋白質とを含む溶液を水に対して透析
し、凍結乾燥によって濃縮した後、DE52・DEAEセルロー
ス(ワットマン)を用いたイオン交換カラムにかけた。
カラムを10mMリン酸バッファー(pH7.4)で洗浄し、Fab
領域蛋白質を完全に溶出させた後、NaCl濃度を0mMから3
50mMまで直線的に変化させた10mM リン酸バッファー
(pH7.4)用いて、Fc領域蛋白質を溶出させた。上記と
同様にして透析、凍結乾燥を行ない、天然型ヒトIgG F
c領域蛋白質を取得した。
第1図は、ヒトIgG Fc領域遺伝子ペリプラズム分泌発
現型プラスミドpPS−FCのDNA塩基配列の一部と、それに
対応する好アルカリ性バチルスNo.170株ペニシリナーゼ
・シグナルペプチドとFc領域蛋白質のアミノ酸配列を示
したものである。 第2図は、プラスミドpMB9中に存在するKil遺伝子のDNA
塩基配列を示したものでる。 第3図は、好アルカリ性バチルスNo.170株染色体DNA中
に存在するExプロモーター領域のDNA塩基配列を示した
ものである。 第4図は、ヒトIgG遺伝子を含むファージ・クローンの
制限酵素切断点地図とFc領域遺伝子を含むサブクローン
の制限酵素切断点地図とを示したものである。 第5図は、CH3部位遺伝子を含むプラスミドpFC70の作成
方法を示したものであり、第6図はCH2−CH3部位遺伝子
を含むプラスミドpFC77の作成方法を示したものであ
る。 第7図、第8図、第9図はそれぞれFc領域遺伝子菌体内
発現型プラスミドpFC203、pFC211、pFC362の作成方法を
示したものである。 第10図は、プラスミドDNAの大腸菌からの分離・精製方
法を示したものである。 第11図は、好アルカリ性バチルスNo.170ペニシリナーゼ
遺伝子のクローン化の方法を示したものである。 第12図、第13図、第14図、第15図は、菌体外分泌生産に
関与する情報を担うDNA領域を含むプラスミドpEAP3、pE
AP6、pEAP7、pEAP7ΔH、pEAP7ΔCCH、pEAP7ΔCH、pEAP
8、p329EXKの作成方法を示したものである。 第16図は、クロラムフェニコールアセチルトランスフェ
ラーゼ構造遺伝子を含むプラスミドpCM71の作成方法を
示したものである。 第17図、第18図は、ペニシリナーゼ遺伝子プロモーター
領域・シグナルペプチド領域を含むプラスミドpPSI1、p
PS1ΔH、p329PSの作成方法を示したものである。 第19図は、シグナルペプチド領域遺伝子との連結用ジョ
イントを有するFc領域遺伝子を含むプラスミドpSEC−F
C、pSEC−FCCの作成方法を示したものである。 第20図は、Fc領域遺伝子ペリプラズム分泌発現型プラス
ミドpPS−FCの作成方法を示したものである。 第21図、第22図は、Fc領域遺伝子菌外分泌発現型プラス
ミドpEXFC10、pEXFC100の作成方法を示したものであ
る。 第23図は、Fc領域蛋白質の分泌確認結果を示したもので
ある。 第24図は、Fc領域蛋白質の構造確認結果を示したもので
ある。
現型プラスミドpPS−FCのDNA塩基配列の一部と、それに
対応する好アルカリ性バチルスNo.170株ペニシリナーゼ
・シグナルペプチドとFc領域蛋白質のアミノ酸配列を示
したものである。 第2図は、プラスミドpMB9中に存在するKil遺伝子のDNA
塩基配列を示したものでる。 第3図は、好アルカリ性バチルスNo.170株染色体DNA中
に存在するExプロモーター領域のDNA塩基配列を示した
ものである。 第4図は、ヒトIgG遺伝子を含むファージ・クローンの
制限酵素切断点地図とFc領域遺伝子を含むサブクローン
の制限酵素切断点地図とを示したものである。 第5図は、CH3部位遺伝子を含むプラスミドpFC70の作成
方法を示したものであり、第6図はCH2−CH3部位遺伝子
を含むプラスミドpFC77の作成方法を示したものであ
る。 第7図、第8図、第9図はそれぞれFc領域遺伝子菌体内
発現型プラスミドpFC203、pFC211、pFC362の作成方法を
示したものである。 第10図は、プラスミドDNAの大腸菌からの分離・精製方
法を示したものである。 第11図は、好アルカリ性バチルスNo.170ペニシリナーゼ
遺伝子のクローン化の方法を示したものである。 第12図、第13図、第14図、第15図は、菌体外分泌生産に
関与する情報を担うDNA領域を含むプラスミドpEAP3、pE
AP6、pEAP7、pEAP7ΔH、pEAP7ΔCCH、pEAP7ΔCH、pEAP
8、p329EXKの作成方法を示したものである。 第16図は、クロラムフェニコールアセチルトランスフェ
ラーゼ構造遺伝子を含むプラスミドpCM71の作成方法を
示したものである。 第17図、第18図は、ペニシリナーゼ遺伝子プロモーター
領域・シグナルペプチド領域を含むプラスミドpPSI1、p
PS1ΔH、p329PSの作成方法を示したものである。 第19図は、シグナルペプチド領域遺伝子との連結用ジョ
イントを有するFc領域遺伝子を含むプラスミドpSEC−F
C、pSEC−FCCの作成方法を示したものである。 第20図は、Fc領域遺伝子ペリプラズム分泌発現型プラス
ミドpPS−FCの作成方法を示したものである。 第21図、第22図は、Fc領域遺伝子菌外分泌発現型プラス
ミドpEXFC10、pEXFC100の作成方法を示したものであ
る。 第23図は、Fc領域蛋白質の分泌確認結果を示したもので
ある。 第24図は、Fc領域蛋白質の構造確認結果を示したもので
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:19) (72)発明者 中村 聡 東京都日野市旭が丘4丁目3番2号 帝人 株式会社中央研究所内
Claims (11)
- 【請求項1】i)ヒト免疫グロブリンG Fc領域蛋白質
をコードするDNA領域、該蛋白質の発現調節を行なうプ
ロモーター機能を有するDNA領域及びシグナルペプチド
をコードするDNA領域を有するDNA断片、及び ii)プラスミドpMB9から得ることができるKil遺伝子及
び好アルカリ性バチルスから得ることができるExプロモ
ーターを有するDNA断片、 を有するプラスミド。 - 【請求項2】ヒト免疫グロブリンG Fc領域蛋白質をコ
ードするDNA領域が、第1図に示されたアミノ酸配列の3
2番目(Thr)から254番目(Lys)までによって示された
ポリペプチドをコードするDNA領域を少なくとも含むこ
とを特徴とする第1項記載のプラスミド。 - 【請求項3】第1項i)におけるプロモーター機能を有
するDNA領域が、好アルカリ性バチルス(Bacillus)No.
170株の染色体DNA由来であることを特徴とする第1項記
載のプラスミド。 - 【請求項4】シグナルペプチドをコードするDNA領域
が、好アルカリ性バチルス(Bacillus)No.170株の染色
体DNA由来であることを特徴とする第1項記載のプラス
ミド。 - 【請求項5】該Kil遺伝子がプラスミドpMB9由来である
ことを特徴とする第1項記載のプラスミド。 - 【請求項6】第1項ii)における該Exプロモーターが、
好アルカリ性バチルス(Bacillus)No.170株の染色体DN
A由来であることを特徴とする第1項記載のプラスミ
ド。 - 【請求項7】プラスミドpEXFC10である第1項記載のプ
ラスミド。 - 【請求項8】プラスミドpEXFC100である第1項記載のプ
ラスミド。 - 【請求項9】i)ヒト免疫グロブリンG Fc領域蛋白質
をコードするDNA領域、該蛋白質の発現調節を行なうプ
ロモーター機能を有するDNA領域及びシグナルペプチド
をコードするDNA領域を有するDNA断片、及び ii)プラスミドpMB9から得ることができるKil遺伝子及
び好アルカリ性バチルスから得ることができるExプロモ
ーターを有するDNA断片、 を含むプラスミドによって形質転換された組換え大腸
菌。 - 【請求項10】該大腸菌がエシェリヒア(Escherichi
a)属に属することを特徴とする第9項記載の大腸菌。 - 【請求項11】該大腸菌がエシェリヒア・コリ(Escher
ichia coli)HB101株であることを特徴とする第9項記
載の大腸菌。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61043531A JPH0728746B2 (ja) | 1986-02-28 | 1986-02-28 | 新規プラスミド、微生物細胞及びヒト免疫グロブリンG Fc領域蛋白質の製造法 |
EP87102830A EP0234592A1 (en) | 1986-02-28 | 1987-02-27 | Plasmid containing DNA fragment coding for human immunoglobulin G Fc region protein and use thereof for production of said protein |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61043531A JPH0728746B2 (ja) | 1986-02-28 | 1986-02-28 | 新規プラスミド、微生物細胞及びヒト免疫グロブリンG Fc領域蛋白質の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62201582A JPS62201582A (ja) | 1987-09-05 |
JPH0728746B2 true JPH0728746B2 (ja) | 1995-04-05 |
Family
ID=12666324
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61043531A Expired - Lifetime JPH0728746B2 (ja) | 1986-02-28 | 1986-02-28 | 新規プラスミド、微生物細胞及びヒト免疫グロブリンG Fc領域蛋白質の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0728746B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1682583B1 (en) | 2003-11-13 | 2012-01-11 | Hanmi Holdings Co., Ltd | Protein complex using immunoglobulin fragment and method for the preparation thereof |
US8110665B2 (en) | 2003-11-13 | 2012-02-07 | Hanmi Holdings Co., Ltd. | Pharmaceutical composition comprising an immunoglobulin FC region as a carrier |
-
1986
- 1986-02-28 JP JP61043531A patent/JPH0728746B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62201582A (ja) | 1987-09-05 |
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