JPH0727402Y2 - 内燃機関用吸気ダクトの遮音装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、内燃機関の吸気系に介装される吸気ダクトか
ら発生する騒音を遮音する遮音装置に関する。

〈従来の技術〉 従来、ターボチャージャ搭載内燃機関等において、車体
側に固定されるエアクリーナの出口側に装着されたエア
フローメータの出口と、機関本体側に搭載されるターボ
チャージャのコンプレッサー入口との間等を、一定管径
部と蛇腹部とからなる吸気ダクトによって接続するよう
にしている（実開昭61−17471号公報等参照）。

かかる吸気ダクトから発生する騒音を遮音する目的で、
一定管径部の外周を吸音材で覆い、更にその外周を弾性
体で覆う構造としたものがある。

〈考案が解決しようとする課題〉 しかしながら、かかる従来この遮音装置においては、伸
縮する蛇腹部の外周は何にも覆われていないため、この
部分から放射する騒音防止することができず、遮音装置
としての機能を十分に発揮していなかった。

但し、一定管径部を覆う構造をそのまま延長して蛇腹部
を覆うことは、蛇腹部の伸縮性を許容させ、且つ蛇腹部
と共に伸縮することによる耐久性及び遮音機能の低下の
問題があって好ましくない。

本考案は、このような従来の問題に鑑みなされたもの
で、蛇腹部の外周を一定管径部とは独立した遮音構造で
覆うことにより、上記問題点を解決した内燃機関用吸気
ダクトの遮音装置を提供することを目的とする。

〈課題を解決するための手段〉 このため本考案は、一定管径部と蛇腹部とからなる内燃
機関用吸気ダクトの遮音装置において、前記一定管径部
の外周を覆う第１吸音材と、該第１吸音材の外側を覆う
第１弾性体と、前記蛇腹部の外周を間隙を有して覆い、
且つ一端部が前記第１弾性体と摺動自由に嵌合する第２
吸音材と、該第２吸音材の外側を覆うと共に一端部に吸
気ダクト端部と摺動自由に嵌合するフランジ部、他端部
に前記第１弾性体と摺動自由に嵌合するフランジ部を備
える第２弾性体とを設けて構成した。

〈作用〉 一定管径部から発生する放射音は、第１吸音材と第１弾
性体とによって吸音減衰されることにより、放射騒音レ
ベルは効果的に低減される。また、第１弾性体により、
第１吸音材への水、泥等の付着を防止でき耐久性を確保
できる。

一方、蛇腹部からの放射騒音も、同様にして第２吸音
剤、第２弾性体の吸音減衰機能によって効果的に低減さ
れ、第２弾性体が第２吸音材を保護して耐久性が確保さ
れる。

また、第２吸音材の一端部と第２弾性体の両端のフラン
ジ部は、夫々の嵌合する部材と摺動自由に嵌合されるた
め、吸気ダクトの曲げ変形によって摺動して、第２吸音
材、第２弾性体の応力の発生を抑制でき、耐久性及び遮
音性能を確保できる。

更に、第２吸音材は蛇腹部と間隙を有しているため、伸
縮する蛇腹部表面は第２吸音材に接触することがなく、
摩耗劣化も防止できる。

〈実施例〉 以下に、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

一実施例に係る遮音装置が設けられる機関吸気系の構成
を示す第２図において、外気導入ダクト１の出口にレゾ
ネータ２を介してエアクリーナ３が接続され、該エアク
リーテ３の出口側にはエアフローメータ４が接続され
る。また、ターボチャージャのコンプレッサー５入口に
はインレットチューブ６が接続され、前記エアフローメ
ータ４の出口とインレットチューブ６の入口とが、一定
管径部7Aと蛇腹部7Bとからなる吸気ダクト７を介して接
続される。

コンプレッサー５の出口側は、図示しない吸気マニホー
ルドを介して機関本体の吸気ポートに接続される。

ここで、前記吸気ダクト７の外周側に第１図に示す遮音
装置が設けられる。

即ち、一定管径部7Aの外周を密着して覆うレジンフェル
ト等からなる第１吸音剤11と、該第１吸音材11の外側を
覆うゴム材等からなる第１弾性体12が従来同様に設けら
れる。

一方、蛇腹部7Bには、その外周を間隙を有して覆い、且
つ一端部が前記第１弾性体と摺動自由に嵌合する第２吸
音材13と、該第２吸音材13の外側を覆い、且つ、一端部
が吸気ダクト端部と摺動自由に嵌合するフランジ部14
a、他端部に前記第１弾性体12と摺動自由に嵌合する前
記第１弾性体と摺動自由に嵌合するフランジ部14bを備
える第２弾性体が設けられる。尚、第２吸音材13は、第
２弾性体14との接触面を接着して固定すればよい。ま
た、第２吸音材13がレジンフェルト等からなり、第２弾
性体14がゴム材等からなることは同様である。

かかる構造の遮音装置においては、一定管径部7Aの外表
面から発生する放射音は、第１吸音材11によって一次的
に吸音減衰されると共に、第１弾性体によって二次的に
吸音減衰されるため、放射騒音レベルは効果的に低減さ
れる。

また、第１吸音材11は第１弾性体12により外側を覆われ
ることにより、水，泥等の付着を防止でき耐久性を確保
できる。

一方、蛇腹部7Bからの放射騒音も、同様にして第２吸音
材13、第２弾性体14の吸音減衰機能によって効果的に低
減されると共に、第２吸音材13は第２弾性体14により保
護されて耐久性が確保される。

また、第２吸音材13の一端部と第１弾性体12とが摺動自
由に嵌合し、第２弾性体14の両端のフランジ部14a,14b
は、夫々吸気ダクト５と第１弾性体12とに摺動自由に嵌
合されるため、吸気ダクト５の曲げ変形によって容易に
摺動して、第２吸音材13,第２弾性体14の応力の発生を
抑制でき、耐久性及び遮音性能を確保できる。

更に、第２吸音剤13は蛇腹部7Bと間隙を有して装着され
ているため、伸縮する蛇腹部7A表面は第２吸音材13に接
触することがなく、摩耗劣化も防止できる。

〈考案の効果〉 以上説明したように本考案によれば、吸気ダクトの蛇腹
部を覆って装着した遮音構造により、耐久性を確保しつ
つ、高い遮音性能を維持できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例の構成を示す縦断面図、第
２図は、同上実施例装置が適用される機関吸気系の構成
を示す斜視図である。 7A……一定管径部、7B……蛇腹部、11……第１吸音材、
12……第１弾性体、13……第２吸音材、14……第２弾性
体、14a,14b……フランジ部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】一定管径部と蛇腹部とからなる内燃機関用
   吸気ダクトの遮音装置において、前記一定管径部の外周
   を覆う第１吸音材と、該第１吸音材の外側を覆う第１弾
   性体と、前記蛇腹部の外周を間隙を有して覆い、且つ一
   端部が前記第１弾性体と摺動自由に嵌合する第２吸音材
   と、該第２吸音材の外側を覆うと共に一端部に吸気ダク
   ト端部と摺動自由に嵌合するフランジ部、他端部に前記
   第１弾性体と摺動自由に嵌合するフランジ部を備える第
   ２弾性体とを設けて構成したことを特徴とする内燃機関
   用吸気ダクトの遮音装置。