JPH0726026A - 表面架橋された吸水性ポリマーの製造方法 - Google Patents
表面架橋された吸水性ポリマーの製造方法Info
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- JPH0726026A JPH0726026A JP19267493A JP19267493A JPH0726026A JP H0726026 A JPH0726026 A JP H0726026A JP 19267493 A JP19267493 A JP 19267493A JP 19267493 A JP19267493 A JP 19267493A JP H0726026 A JPH0726026 A JP H0726026A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 ポリマー中の含水率が40重量%以上の吸水
性ポリマーを、水溶率が20〜85重量%の架橋剤で表
面架橋することを特徴とする表面架橋された吸水性ポリ
マーの製造方法。 【効果】 本発明の方法によれば、含水率が40重量%
以上という高い含水率を有する吸水性ポリマーを用い、
これを特定の水溶率を有する架橋剤で表面架橋している
ため、脱水操作を必要としないか、或いは少量の脱水を
実施するだけでよい。しかも本発明の方法によれば、特
定の水溶率を有する架橋剤で表面架橋しているため、ポ
リマーの表面近傍のみが効果的に架橋され、飽和吸水量
とゲル強度が共に優れ、かつ、吸水速度が高い吸水性ポ
リマーを製造することができる。従って、本発明は、衛
生材料,農業・園芸材料等の分野で極めて有効に利用す
ることができる。
性ポリマーを、水溶率が20〜85重量%の架橋剤で表
面架橋することを特徴とする表面架橋された吸水性ポリ
マーの製造方法。 【効果】 本発明の方法によれば、含水率が40重量%
以上という高い含水率を有する吸水性ポリマーを用い、
これを特定の水溶率を有する架橋剤で表面架橋している
ため、脱水操作を必要としないか、或いは少量の脱水を
実施するだけでよい。しかも本発明の方法によれば、特
定の水溶率を有する架橋剤で表面架橋しているため、ポ
リマーの表面近傍のみが効果的に架橋され、飽和吸水量
とゲル強度が共に優れ、かつ、吸水速度が高い吸水性ポ
リマーを製造することができる。従って、本発明は、衛
生材料,農業・園芸材料等の分野で極めて有効に利用す
ることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、衛生材料や農業・園芸
材料等として好適な吸水性ポリマーの製造方法に関し、
詳しくは含水率が40重量%以上という高い含水率を有
する吸水性ポリマーを用い、これを特定の水溶率を有す
る架橋剤で表面架橋することにより、脱水操作を必要と
することなく、或いは少量の脱水を実施するだけで、表
面近傍のみを効果的に架橋し、飽和吸水量とゲル強度が
共に優れ、かつ、吸水速度が高い吸水性ポリマーを製造
する方法に関する。
材料等として好適な吸水性ポリマーの製造方法に関し、
詳しくは含水率が40重量%以上という高い含水率を有
する吸水性ポリマーを用い、これを特定の水溶率を有す
る架橋剤で表面架橋することにより、脱水操作を必要と
することなく、或いは少量の脱水を実施するだけで、表
面近傍のみを効果的に架橋し、飽和吸水量とゲル強度が
共に優れ、かつ、吸水速度が高い吸水性ポリマーを製造
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】吸水性
ポリマーは、従来の紙,パルプ,海綿などに代わり、生
理用品,おむつ,使い捨て雑巾などの衛生材料や、農業
・園芸材料等として利用されており、近年、さらに新し
い用途が開けつつある樹脂である。このため、吸水性ポ
リマーに関して種々の技術が開発されている。
ポリマーは、従来の紙,パルプ,海綿などに代わり、生
理用品,おむつ,使い捨て雑巾などの衛生材料や、農業
・園芸材料等として利用されており、近年、さらに新し
い用途が開けつつある樹脂である。このため、吸水性ポ
リマーに関して種々の技術が開発されている。
【0003】吸水性ポリマーの性質として、飽和吸水量
と吸水ゲルの強度とは、一般に負の相関があることが知
られている。すなわち、吸水ゲルの強度を上げるために
ポリマー全体の架橋度を高めると、飽和吸水量が低下す
る。逆に飽和吸水量を上げるために架橋度を下げると、
ゲルの強度が低下するだけでなく、表面の濡れ性が悪く
なり、吸水速度も低下する。
と吸水ゲルの強度とは、一般に負の相関があることが知
られている。すなわち、吸水ゲルの強度を上げるために
ポリマー全体の架橋度を高めると、飽和吸水量が低下す
る。逆に飽和吸水量を上げるために架橋度を下げると、
ゲルの強度が低下するだけでなく、表面の濡れ性が悪く
なり、吸水速度も低下する。
【0004】この問題点を改良するため、これまでに重
合後のポリマーの含水率を特定範囲に調節した後、架橋
剤を添加し、ポリマーの表面近傍のみの架橋度を上げる
方法が提案されている。例えば特公昭60−18690
号公報には、2個以上の官能基を有する架橋剤を用いて
水の存在下、不活性溶媒中で架橋せしめることが記載さ
れており、具体的には含水率が、およそ1〜56.5重
量%(ポリマー1重量部に対し、水分0.01〜1.3
重量部)の範囲で表面架橋する技術が記載されている。
また、特開昭60−186506号公報には、保護コロ
イドとしてセルロースエステルなどを用い、水分含量が
10〜40重量%となるように調整した後、2個以上の
官能基を有する架橋剤を用いて架橋せしめることが記載
されている。さらに、特開昭63−61005号公報に
は、含水量が40重量%以下の親水性多孔性ポリマーを
架橋剤で表面架橋することが記載されている。
合後のポリマーの含水率を特定範囲に調節した後、架橋
剤を添加し、ポリマーの表面近傍のみの架橋度を上げる
方法が提案されている。例えば特公昭60−18690
号公報には、2個以上の官能基を有する架橋剤を用いて
水の存在下、不活性溶媒中で架橋せしめることが記載さ
れており、具体的には含水率が、およそ1〜56.5重
量%(ポリマー1重量部に対し、水分0.01〜1.3
重量部)の範囲で表面架橋する技術が記載されている。
また、特開昭60−186506号公報には、保護コロ
イドとしてセルロースエステルなどを用い、水分含量が
10〜40重量%となるように調整した後、2個以上の
官能基を有する架橋剤を用いて架橋せしめることが記載
されている。さらに、特開昭63−61005号公報に
は、含水量が40重量%以下の親水性多孔性ポリマーを
架橋剤で表面架橋することが記載されている。
【0005】そして、これらの方法により表面架橋を効
果的に行なうためには、実際上、ポリマーの含水率を1
0〜30重量%程度にする必要がある。すなわち、ポリ
マーの含水率が高いと(例えば40重量%以上、特に4
5重量%以上であると)、通常の架橋剤を用いた場合に
は、架橋反応がポリマー粒子の内部にまで進み(内部架
橋となり)、ポリマー粒子表面の架橋密度を上げること
ができない。従って、表面架橋を効果的に行なうために
は、ポリマーの含水率をできるだけ下げておく必要があ
る。
果的に行なうためには、実際上、ポリマーの含水率を1
0〜30重量%程度にする必要がある。すなわち、ポリ
マーの含水率が高いと(例えば40重量%以上、特に4
5重量%以上であると)、通常の架橋剤を用いた場合に
は、架橋反応がポリマー粒子の内部にまで進み(内部架
橋となり)、ポリマー粒子表面の架橋密度を上げること
ができない。従って、表面架橋を効果的に行なうために
は、ポリマーの含水率をできるだけ下げておく必要があ
る。
【0006】しかしながら、吸水性ポリマーの重合は、
通常、モノマー濃度が45重量%以下、すなわち、重合
終了時のポリマーの含水率が、55重量%以上となる範
囲で実施される。従って、上記のようにして表面架橋を
行なう際には、重合終了後、共沸脱水等の何らかの方法
により特定量の水分を除去するか、或いは一旦乾燥させ
たポリマーに再び水を添加して水分量を調節するなどの
工程が必要であり、これに多大な時間と労力を要すると
いう問題があった。
通常、モノマー濃度が45重量%以下、すなわち、重合
終了時のポリマーの含水率が、55重量%以上となる範
囲で実施される。従って、上記のようにして表面架橋を
行なう際には、重合終了後、共沸脱水等の何らかの方法
により特定量の水分を除去するか、或いは一旦乾燥させ
たポリマーに再び水を添加して水分量を調節するなどの
工程が必要であり、これに多大な時間と労力を要すると
いう問題があった。
【0007】本発明者らは、このような従来の問題を解
決すべく鋭意研究を進めた結果、40重量%以上という
高い含水率を有する吸水性ポリマーを用い、これを特定
の水溶率を有する架橋剤で表面架橋することにより、脱
水操作を必要とすることなく、或いは少量の脱水を実施
するだけで、表面近傍のみを効果的に架橋し、飽和吸水
量とゲル強度が共に優れ、かつ吸水速度が高い吸水性ポ
リマーを製造することができることを見出し、この知見
に基づいて本発明を完成するに到った。
決すべく鋭意研究を進めた結果、40重量%以上という
高い含水率を有する吸水性ポリマーを用い、これを特定
の水溶率を有する架橋剤で表面架橋することにより、脱
水操作を必要とすることなく、或いは少量の脱水を実施
するだけで、表面近傍のみを効果的に架橋し、飽和吸水
量とゲル強度が共に優れ、かつ吸水速度が高い吸水性ポ
リマーを製造することができることを見出し、この知見
に基づいて本発明を完成するに到った。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、ポリ
マー中の含水率が40重量%以上の吸水性ポリマーを、
水溶率が20〜85重量%の架橋剤で表面架橋すること
を特徴とする表面架橋された吸水性ポリマーの製造方法
を提供するものである。
マー中の含水率が40重量%以上の吸水性ポリマーを、
水溶率が20〜85重量%の架橋剤で表面架橋すること
を特徴とする表面架橋された吸水性ポリマーの製造方法
を提供するものである。
【0009】本発明で用いる吸水性ポリマーとしては、
その構成成分中に、カルボキシレートを含有するもので
あり、かつポリマー中の含水率が40重量%以上のもの
であれば、重合体或いは共重合体のいずれでもよい。本
発明の方法は、水媒法,逆相懸濁重合法など、如何なる
方法で重合された吸水性ポリマーに対しても適用するこ
とができるが、特に逆相懸濁重合法で重合された吸水性
ポリマー、とりわけ多孔質の吸水性ポリマーについてそ
の効果、有用性が大きい。
その構成成分中に、カルボキシレートを含有するもので
あり、かつポリマー中の含水率が40重量%以上のもの
であれば、重合体或いは共重合体のいずれでもよい。本
発明の方法は、水媒法,逆相懸濁重合法など、如何なる
方法で重合された吸水性ポリマーに対しても適用するこ
とができるが、特に逆相懸濁重合法で重合された吸水性
ポリマー、とりわけ多孔質の吸水性ポリマーについてそ
の効果、有用性が大きい。
【0010】ここで油中水滴型の逆相懸濁重合法につい
て説明すると、逆相懸濁重合法は出発原料であるモノマ
ー水溶液を、分散剤或いは界面活性剤を加えた重合分散
媒中に懸濁し、重合開始剤を添加し、必要に応じて均一
(内部)架橋剤を添加して、逆相懸濁状態で重合を行な
うものである。より詳しく説明すると、逆相懸濁重合法
では、まず重合槽に予め重合分散媒と重合分散剤を入
れ、重合温度にまで加熱し、攪拌しておく。一方、こ
れとは別にモノマー水溶液(モノマー濃度20〜50重
量%程度に調製したもの)を調製し、これに重合開始剤
を加えたものを用意しておく。前記モノマー水溶液に
重合開始剤を加えたものを、前記重合槽に滴下し、重合
を行なう。この場合に、均一架橋剤として水溶性架橋剤
(水溶率=100%)を予めモノマー水溶液に溶解させ
ておき、ポリマー全体をある程度架橋してもよい。ま
た、この代わりに、重合終了後に前記水溶性架橋剤を添
加し、ポリマー全体を架橋してもよい。
て説明すると、逆相懸濁重合法は出発原料であるモノマ
ー水溶液を、分散剤或いは界面活性剤を加えた重合分散
媒中に懸濁し、重合開始剤を添加し、必要に応じて均一
(内部)架橋剤を添加して、逆相懸濁状態で重合を行な
うものである。より詳しく説明すると、逆相懸濁重合法
では、まず重合槽に予め重合分散媒と重合分散剤を入
れ、重合温度にまで加熱し、攪拌しておく。一方、こ
れとは別にモノマー水溶液(モノマー濃度20〜50重
量%程度に調製したもの)を調製し、これに重合開始剤
を加えたものを用意しておく。前記モノマー水溶液に
重合開始剤を加えたものを、前記重合槽に滴下し、重合
を行なう。この場合に、均一架橋剤として水溶性架橋剤
(水溶率=100%)を予めモノマー水溶液に溶解させ
ておき、ポリマー全体をある程度架橋してもよい。ま
た、この代わりに、重合終了後に前記水溶性架橋剤を添
加し、ポリマー全体を架橋してもよい。
【0011】このような逆相懸濁重合法においては、上
記の重合工程に引続き、本発明の特徴とする表面架橋
工程を実施するのが普通である。すなわち、この場合に
ついて簡単に説明すると、前記に続いて、次いで、
脱水することなく、或いは含水率が40重量%以上まで
の範囲で脱水した後、水溶率の低い(20〜85重量
%)架橋剤を加え、10分間〜1時間攪拌する。ポリ
マーを取り出して、乾燥させる。必要に応じて、得ら
れたポリマーを親水性微粒子状無機粉末と混合し、表面
処理を行なってもよい。
記の重合工程に引続き、本発明の特徴とする表面架橋
工程を実施するのが普通である。すなわち、この場合に
ついて簡単に説明すると、前記に続いて、次いで、
脱水することなく、或いは含水率が40重量%以上まで
の範囲で脱水した後、水溶率の低い(20〜85重量
%)架橋剤を加え、10分間〜1時間攪拌する。ポリ
マーを取り出して、乾燥させる。必要に応じて、得ら
れたポリマーを親水性微粒子状無機粉末と混合し、表面
処理を行なってもよい。
【0012】また、上記と同じ逆相懸濁重合法ではある
が、上記重合で用いるモノマー水溶液中に疎水性相を分
散させておき、特開昭62−106902号公報に記載
されている方法と同様にして、逆相懸濁状態で重合を行
なってもよい。この方法によれば、多孔質の吸水性ポリ
マーを製造することができ、その後、上記〜の工程
を実施してもよい。すなわち、上記重合の際、モノマー
水溶液中に水溶性界面活性剤及び/又は水溶性高分子分
散剤を加え、これに疎水性有機化合物相を分散させて、
いわゆるO/Wエマルジョンを形成し、これを重合槽に
滴下して多孔質の吸水性ポリマーを製造し、以後、上記
〜の工程を実施してもよい。この多孔質の吸水性ポ
リマーは、吸水性,通気性,弾力性に富むため、本発明
の対象とする吸水性ポリマーとしては好ましいものであ
る。
が、上記重合で用いるモノマー水溶液中に疎水性相を分
散させておき、特開昭62−106902号公報に記載
されている方法と同様にして、逆相懸濁状態で重合を行
なってもよい。この方法によれば、多孔質の吸水性ポリ
マーを製造することができ、その後、上記〜の工程
を実施してもよい。すなわち、上記重合の際、モノマー
水溶液中に水溶性界面活性剤及び/又は水溶性高分子分
散剤を加え、これに疎水性有機化合物相を分散させて、
いわゆるO/Wエマルジョンを形成し、これを重合槽に
滴下して多孔質の吸水性ポリマーを製造し、以後、上記
〜の工程を実施してもよい。この多孔質の吸水性ポ
リマーは、吸水性,通気性,弾力性に富むため、本発明
の対象とする吸水性ポリマーとしては好ましいものであ
る。
【0013】このような逆相懸濁重合法における原料モ
ノマーとしては、α,β−不飽和カルボン酸、その誘導
体又はそれらの塩であり、これらは単独で用いてもよい
し、或いは2種以上を併用してもよい。また、必要に応
じて他の水溶性を有するオレフィン性モノマーを50重
量%以下の割合で用いて共重合を行なうことも可能であ
る。また、デンプン,セルロースなどの成分を用いて、
これらの原料モノマーを、この成分にグラフト重合する
こともできる。具体的には例えば、アクリル酸、アクリ
ル酸塩(通常、ナトリウム塩,カリウム塩,アンモニウ
ム塩)、メタクリル酸、メタクリル酸塩(通常、ナトリ
ウム塩,カリウム塩,アンモニウム塩)、マレイン酸、
アクリルアミド、2−アクリル−2−メチルプロパンス
ルホン酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、アクリロニトリル等が挙げられる。通常、アクリル
酸或いはメタクリル酸1〜90モル%と、アクリル酸塩
或いはメタクリル酸塩99〜10モル%との混合物が好
適に用いられる。重合の際には、通常、これらのモノマ
ーの20〜75重量%、好ましくは25〜50重量%の
水溶液を、原料として用いる。
ノマーとしては、α,β−不飽和カルボン酸、その誘導
体又はそれらの塩であり、これらは単独で用いてもよい
し、或いは2種以上を併用してもよい。また、必要に応
じて他の水溶性を有するオレフィン性モノマーを50重
量%以下の割合で用いて共重合を行なうことも可能であ
る。また、デンプン,セルロースなどの成分を用いて、
これらの原料モノマーを、この成分にグラフト重合する
こともできる。具体的には例えば、アクリル酸、アクリ
ル酸塩(通常、ナトリウム塩,カリウム塩,アンモニウ
ム塩)、メタクリル酸、メタクリル酸塩(通常、ナトリ
ウム塩,カリウム塩,アンモニウム塩)、マレイン酸、
アクリルアミド、2−アクリル−2−メチルプロパンス
ルホン酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、アクリロニトリル等が挙げられる。通常、アクリル
酸或いはメタクリル酸1〜90モル%と、アクリル酸塩
或いはメタクリル酸塩99〜10モル%との混合物が好
適に用いられる。重合の際には、通常、これらのモノマ
ーの20〜75重量%、好ましくは25〜50重量%の
水溶液を、原料として用いる。
【0014】次に、重合分散媒としては、重合不活性
で、水を溶解しない性質を有するものが用いられ、具体
的にはn−ペンタン,n−ヘキサン,n−ペンタン等の
脂肪族飽和炭化水素、シクロヘキサン,シクロオクタ
ン,メチルシクロヘキサン,デカリン等の脂環式飽和炭
化水素、ベンゼン,トルエン,キシレン,エチルベンゼ
ン等の芳香族炭化水素、クロルベンゼン,ブロムベンゼ
ン等のハロゲン化芳香族炭化水素等が挙げられる。これ
ら重合分散媒の使用量は、特に限定はないが、モノマー
水溶液(多孔性ポリマー重合時はO/Wエマルジョン)
100重量部に対して、10〜500重量部、好ましく
は30〜400重量部とするのが好ましい。これらの分
散媒は、モノマー滴下前に50℃以上に加熱、攪拌して
用いられる。
で、水を溶解しない性質を有するものが用いられ、具体
的にはn−ペンタン,n−ヘキサン,n−ペンタン等の
脂肪族飽和炭化水素、シクロヘキサン,シクロオクタ
ン,メチルシクロヘキサン,デカリン等の脂環式飽和炭
化水素、ベンゼン,トルエン,キシレン,エチルベンゼ
ン等の芳香族炭化水素、クロルベンゼン,ブロムベンゼ
ン等のハロゲン化芳香族炭化水素等が挙げられる。これ
ら重合分散媒の使用量は、特に限定はないが、モノマー
水溶液(多孔性ポリマー重合時はO/Wエマルジョン)
100重量部に対して、10〜500重量部、好ましく
は30〜400重量部とするのが好ましい。これらの分
散媒は、モノマー滴下前に50℃以上に加熱、攪拌して
用いられる。
【0015】また、重合分散剤としては、ソルビタン脂
肪酸エステル,ソルビタン脂肪酸エーテル,ソルビトー
ル脂肪酸エステル,ショ糖脂肪酸エステル等の非イオン
性界面活性剤、油溶性セルロースエステル、エチルセル
ロース等のセルロースエーテル、マレイン化ポリエチレ
ン,マレイン化α−オレフィン,ポリエチレングリコー
ル鎖を有するアクリル系共重合体等の高分子分散剤、シ
リカ,酸化アルミニウム,酸化チタン等に表面処理を施
して親油性を付与した無機微粉末等が挙げられる。これ
ら重合分散剤の使用量は、分散剤の種類により異なる
が、安定に重合が進行する範囲であれば特に制限はな
い。通常、重合分散媒の 0.01 〜25重量%の範囲、好
ましくは 0.1〜10重量%の範囲である。
肪酸エステル,ソルビタン脂肪酸エーテル,ソルビトー
ル脂肪酸エステル,ショ糖脂肪酸エステル等の非イオン
性界面活性剤、油溶性セルロースエステル、エチルセル
ロース等のセルロースエーテル、マレイン化ポリエチレ
ン,マレイン化α−オレフィン,ポリエチレングリコー
ル鎖を有するアクリル系共重合体等の高分子分散剤、シ
リカ,酸化アルミニウム,酸化チタン等に表面処理を施
して親油性を付与した無機微粉末等が挙げられる。これ
ら重合分散剤の使用量は、分散剤の種類により異なる
が、安定に重合が進行する範囲であれば特に制限はな
い。通常、重合分散媒の 0.01 〜25重量%の範囲、好
ましくは 0.1〜10重量%の範囲である。
【0016】さらに、重合開始剤としては、特に制限は
なく、各種アルキルパーエステル、過酸化水素、過硫酸
塩、過塩素酸塩、アゾ化合物等が挙げられ、これらの1
種又は2種以上を用いることができるが、とりわけ過酸
化水素、過硫酸アンモニウム,過硫酸カリウムなどの過
硫酸塩、2−2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)
ジヒドロクロリド等の水溶性重合開始剤が好ましい。重
合開始剤の使用量は、通常、原料モノマーに対して、
0.001〜10重量%、好ましくは、0.01〜5重量%であ
る。
なく、各種アルキルパーエステル、過酸化水素、過硫酸
塩、過塩素酸塩、アゾ化合物等が挙げられ、これらの1
種又は2種以上を用いることができるが、とりわけ過酸
化水素、過硫酸アンモニウム,過硫酸カリウムなどの過
硫酸塩、2−2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)
ジヒドロクロリド等の水溶性重合開始剤が好ましい。重
合開始剤の使用量は、通常、原料モノマーに対して、
0.001〜10重量%、好ましくは、0.01〜5重量%であ
る。
【0017】なお、ポリマーの全体(内部)を架橋する
ための均一架橋剤として、重合前、重合時、或いは重合
後の任意のときに、公知の任意の水溶性架橋剤(水溶率
=100%)を使用することができる。具体的には例え
ば、ポリグリシジル化合物〔(ポリ)エチレングリコー
ルジグリシジルエーテル,(ポリ)プロピレングリコー
ルジグリシジルエーテル,(ポリ)グリセリンジグリシ
ジルエーテルなど〕、ポリアリル化合物(ジアリルフタ
レートなど)、ポリビニル化合物(ジビニルベンゼンな
ど)、ハロエポキシ化合物(エピクロルヒドリンな
ど)、ポリアルデヒド(グルタルアルデヒドなど)、ポ
リアミン、ポリオール、多価金属塩等が挙げられる。こ
のような均一架橋剤の使用量は、原料モノマーに対し
て、通常、0.001 〜10重量%、好ましくは 0.01 〜5
重量%である。
ための均一架橋剤として、重合前、重合時、或いは重合
後の任意のときに、公知の任意の水溶性架橋剤(水溶率
=100%)を使用することができる。具体的には例え
ば、ポリグリシジル化合物〔(ポリ)エチレングリコー
ルジグリシジルエーテル,(ポリ)プロピレングリコー
ルジグリシジルエーテル,(ポリ)グリセリンジグリシ
ジルエーテルなど〕、ポリアリル化合物(ジアリルフタ
レートなど)、ポリビニル化合物(ジビニルベンゼンな
ど)、ハロエポキシ化合物(エピクロルヒドリンな
ど)、ポリアルデヒド(グルタルアルデヒドなど)、ポ
リアミン、ポリオール、多価金属塩等が挙げられる。こ
のような均一架橋剤の使用量は、原料モノマーに対し
て、通常、0.001 〜10重量%、好ましくは 0.01 〜5
重量%である。
【0018】これらの成分を添加して、上記した如き逆
相懸濁重合法により重合を行なって、本発明の対象とす
る吸水性ポリマーを製造することができる。なお、多孔
質の吸水性ポリマーを製造する場合には、多孔質のもの
とするために、上記の如く、さらに水溶性界面活性剤及
び/又は水溶性高分子分散剤と、疎水性有機化合物とを
用いる。すなわち、上記重合の際、モノマー水溶液中に
水溶性界面活性剤及び/又は水溶性高分子分散剤を加
え、これに疎水性有機化合物相を分散させて、いわゆる
O/Wエマルジョンを形成し、これを重合槽に滴下して
多孔質の吸水性ポリマーを製造することができる。
相懸濁重合法により重合を行なって、本発明の対象とす
る吸水性ポリマーを製造することができる。なお、多孔
質の吸水性ポリマーを製造する場合には、多孔質のもの
とするために、上記の如く、さらに水溶性界面活性剤及
び/又は水溶性高分子分散剤と、疎水性有機化合物とを
用いる。すなわち、上記重合の際、モノマー水溶液中に
水溶性界面活性剤及び/又は水溶性高分子分散剤を加
え、これに疎水性有機化合物相を分散させて、いわゆる
O/Wエマルジョンを形成し、これを重合槽に滴下して
多孔質の吸水性ポリマーを製造することができる。
【0019】ここで水溶性界面活性剤としては、水溶性
であれば特に限定はなく、任意の界面活性剤が用いられ
る。それらの中でも特に、ラウリル硫酸ナトリウム,ポ
リオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウムなどの長鎖ア
ルキル硫酸塩類や、モノステアリン酸ポリオキシエチレ
ングリセリンエステルなどの脂肪酸エステル類が好まし
い。また、水溶性高分子分散剤としては例えば、部分け
ん化ポリビニルアルコールや変性ポリビニルアルコール
等が挙げられる。なお、けん化度は60〜95モル%程
度のものが用いられ、重合度は100〜3000程度で
ある。これらの添加量は、通常、それぞれモノマー水溶
液に対して、 0.001〜20重量%、好ましくは 0.01 〜
10重量%である。
であれば特に限定はなく、任意の界面活性剤が用いられ
る。それらの中でも特に、ラウリル硫酸ナトリウム,ポ
リオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウムなどの長鎖ア
ルキル硫酸塩類や、モノステアリン酸ポリオキシエチレ
ングリセリンエステルなどの脂肪酸エステル類が好まし
い。また、水溶性高分子分散剤としては例えば、部分け
ん化ポリビニルアルコールや変性ポリビニルアルコール
等が挙げられる。なお、けん化度は60〜95モル%程
度のものが用いられ、重合度は100〜3000程度で
ある。これらの添加量は、通常、それぞれモノマー水溶
液に対して、 0.001〜20重量%、好ましくは 0.01 〜
10重量%である。
【0020】また、疎水性有機化合物としては、前記し
た重合分散媒と同じものを用いるのが普通である。例え
ば、n−ペンタン,n−ヘキサン,n−ペンタン等の脂
肪族飽和炭化水素、シクロヘキサン,シクロオクタン,
メチルシクロヘキサン,デカリン等の脂環式飽和炭化水
素、ベンゼン,トルエン,キシレン,エチルベンゼン等
の芳香族炭化水素、クロルベンゼン,ブロムベンゼン等
のハロゲン化芳香族炭化水素、脂肪族アルコール、脂肪
族ケトン類、脂肪族エステル類等が挙げられる。これら
疎水性有機化合物の添加量は、モノマー水溶液100重
量部に対して、1〜500重量部、好ましくは20〜3
00重量部の範囲である。
た重合分散媒と同じものを用いるのが普通である。例え
ば、n−ペンタン,n−ヘキサン,n−ペンタン等の脂
肪族飽和炭化水素、シクロヘキサン,シクロオクタン,
メチルシクロヘキサン,デカリン等の脂環式飽和炭化水
素、ベンゼン,トルエン,キシレン,エチルベンゼン等
の芳香族炭化水素、クロルベンゼン,ブロムベンゼン等
のハロゲン化芳香族炭化水素、脂肪族アルコール、脂肪
族ケトン類、脂肪族エステル類等が挙げられる。これら
疎水性有機化合物の添加量は、モノマー水溶液100重
量部に対して、1〜500重量部、好ましくは20〜3
00重量部の範囲である。
【0021】以上の如くして、逆相懸濁重合法により重
合を行なって、吸水性ポリマー、好ましくは多孔質の吸
水性ポリマーを製造することができる。なお、重合条件
は特に制限はなく、常法により行なえばよい。通常、重
合温度は50℃以上、好ましくは60〜90℃である。
また、重合時間は通常、30分以上が好ましい。
合を行なって、吸水性ポリマー、好ましくは多孔質の吸
水性ポリマーを製造することができる。なお、重合条件
は特に制限はなく、常法により行なえばよい。通常、重
合温度は50℃以上、好ましくは60〜90℃である。
また、重合時間は通常、30分以上が好ましい。
【0022】このようにして本発明の対象とする吸水性
ポリマーが得られる。これら吸水性ポリマーとして具体
的には例えば、アクリル酸重合体,アクリル酸塩重合
体,メタクリル酸重合体,メタクリル酸塩重合体,イソ
ブチレン−マレイン酸共重合体,酢酸ビニル−アクリル
酸エステル共重合体けん化物,アクリル酸−アクリルア
ミド共重合体,デンプン−アクリル酸グラフト共重合体
中和物,デンプン−アクリロニトリルグラフト共重合体
加水分解物等が挙げられる。
ポリマーが得られる。これら吸水性ポリマーとして具体
的には例えば、アクリル酸重合体,アクリル酸塩重合
体,メタクリル酸重合体,メタクリル酸塩重合体,イソ
ブチレン−マレイン酸共重合体,酢酸ビニル−アクリル
酸エステル共重合体けん化物,アクリル酸−アクリルア
ミド共重合体,デンプン−アクリル酸グラフト共重合体
中和物,デンプン−アクリロニトリルグラフト共重合体
加水分解物等が挙げられる。
【0023】これらの吸水性ポリマーは、前記したよう
に、吸水ゲルの強度を上げるためにポリマー全体の架橋
度を高めたものであると、飽和吸水量が低下したものと
なっている。逆に飽和吸水量を上げるために架橋度を下
げたものであると、ゲルの強度が低下するだけでなく、
表面の濡れ性が悪くなり、吸収速度も低下したものとな
っている。そこで、飽和吸水量を低下させることなく、
吸水ゲルの強度を向上させ、かつ吸水速度も向上させる
ために、通常、吸水性ポリマーの表面近傍のみを架橋し
ているが、吸水性ポリマーの表面近傍のみを、従来法に
より効果的に架橋するためには、実際上ポリマー中の含
水率が10〜30重量%程度である必要がある。ところ
が、重合終了時の吸水性ポリマーの含水率は、通常、5
5重量%以上と高い水準にある。従って、従来の方法で
は、吸水性ポリマーの表面近傍のみを効果的に架橋する
ために、実際上、ポリマー中の含水率が10〜30重量
%程度となるように脱水する必要があり、このような範
囲に脱水した後、表面架橋を行なっているが、この脱水
操作に多大な時間と労力を必要としていた。そこで本発
明では、水溶率が20〜80重量%の架橋剤を用いて表
面架橋を行なうことにより、含水率が40重量%以上と
高いポリマーについても、脱水操作を必要とすることな
く、或いは少量の脱水を実施するだけで、飽和吸水量を
低下させることなく、吸水ゲルの強度を向上させ、かつ
吸水速度も向上させることができたものである。
に、吸水ゲルの強度を上げるためにポリマー全体の架橋
度を高めたものであると、飽和吸水量が低下したものと
なっている。逆に飽和吸水量を上げるために架橋度を下
げたものであると、ゲルの強度が低下するだけでなく、
表面の濡れ性が悪くなり、吸収速度も低下したものとな
っている。そこで、飽和吸水量を低下させることなく、
吸水ゲルの強度を向上させ、かつ吸水速度も向上させる
ために、通常、吸水性ポリマーの表面近傍のみを架橋し
ているが、吸水性ポリマーの表面近傍のみを、従来法に
より効果的に架橋するためには、実際上ポリマー中の含
水率が10〜30重量%程度である必要がある。ところ
が、重合終了時の吸水性ポリマーの含水率は、通常、5
5重量%以上と高い水準にある。従って、従来の方法で
は、吸水性ポリマーの表面近傍のみを効果的に架橋する
ために、実際上、ポリマー中の含水率が10〜30重量
%程度となるように脱水する必要があり、このような範
囲に脱水した後、表面架橋を行なっているが、この脱水
操作に多大な時間と労力を必要としていた。そこで本発
明では、水溶率が20〜80重量%の架橋剤を用いて表
面架橋を行なうことにより、含水率が40重量%以上と
高いポリマーについても、脱水操作を必要とすることな
く、或いは少量の脱水を実施するだけで、飽和吸水量を
低下させることなく、吸水ゲルの強度を向上させ、かつ
吸水速度も向上させることができたものである。
【0024】すなわち本発明は、表面架橋された吸水性
ポリマーを製造するにあたり、ポリマー中の含水率が4
0重量%以上の吸水性ポリマーを、水溶率が20〜85
重量%の架橋剤で表面架橋することを特徴とするもので
ある。
ポリマーを製造するにあたり、ポリマー中の含水率が4
0重量%以上の吸水性ポリマーを、水溶率が20〜85
重量%の架橋剤で表面架橋することを特徴とするもので
ある。
【0025】ここで「ポリマー中の含水率が40重量%
以上の吸水性ポリマー」とは、前記の如き方法により製
造された吸水性ポリマーについて、ポリマー中の含水率
がそれほど高くないものについては脱水することなくそ
のまま、或いはポリマー中の含水率がある程度高いもの
については含水率が40重量%以上までの範囲となるよ
うに少量の脱水を実施したものを意味する。なお、含水
率(重量%)とは、吸水ゲル(含水ゲル)中の水分重量
を吸水ゲル(含水ゲル)重量で除した値を百分率で表し
たものである。通常、40〜75重量%、好ましくは4
5〜60重量%の含水率を有する吸水性ポリマーについ
て、本発明が適用される。脱水する場合の脱水操作は、
常法により行なえばよい。
以上の吸水性ポリマー」とは、前記の如き方法により製
造された吸水性ポリマーについて、ポリマー中の含水率
がそれほど高くないものについては脱水することなくそ
のまま、或いはポリマー中の含水率がある程度高いもの
については含水率が40重量%以上までの範囲となるよ
うに少量の脱水を実施したものを意味する。なお、含水
率(重量%)とは、吸水ゲル(含水ゲル)中の水分重量
を吸水ゲル(含水ゲル)重量で除した値を百分率で表し
たものである。通常、40〜75重量%、好ましくは4
5〜60重量%の含水率を有する吸水性ポリマーについ
て、本発明が適用される。脱水する場合の脱水操作は、
常法により行なえばよい。
【0026】本発明において、表面架橋に用いる架橋剤
(表面架橋剤)としては、カルボキシル基などポリマー
中に存在する官能基と反応する官能基を少なくとも2以
上保有し、かつ、水溶率が20〜85重量%、好ましく
は25〜80重量%のものである。ここで水溶率(重量
%)とは、室温(25℃)において、水90重量部に対
して架橋剤10重量部を溶かした場合の溶解率をいう。
(表面架橋剤)としては、カルボキシル基などポリマー
中に存在する官能基と反応する官能基を少なくとも2以
上保有し、かつ、水溶率が20〜85重量%、好ましく
は25〜80重量%のものである。ここで水溶率(重量
%)とは、室温(25℃)において、水90重量部に対
して架橋剤10重量部を溶かした場合の溶解率をいう。
【0027】このような表面架橋剤としては、前記した
均一架橋剤(水溶率が100%のもの)と同様の化合
物、例えばポリグリシジル化合物,ハロエポキシ化合
物,アルデヒド化合物,イソシアネート化合物等であっ
て、水溶率が20〜85重量%のものが用いられる。特
に水溶率が20〜85重量%のポリグリシジル化合物が
好ましい。このような表面架橋剤として具体的には例え
ば、ナガセ化成社製のプロピレングリコールジグリシジ
ルエーテル(商品名:デナコールEX−911,水溶率
=75重量%)、同じくナガセ化成社製のネオペンチル
グリコールジグリシジルエーテル(商品名:デナコール
EX−211,水溶率=26重量%)等が挙げられる。
表面架橋剤の添加量は、生成ポリマーに対して、通常、
0.001 〜10重量%である。ここで表面架橋剤の添加量
が0.001 重量%未満であると添加効果が発現せず、一
方、表面架橋剤の添加量が10重量%を超えると全体に
架橋度が高くなり、飽和吸水量が低下してしまうため、
いずれも好ましくない。なお、この表面架橋は、常法と
同様の条件により行なえばよいが、通常、架橋時間は、
10分間〜1時間である。
均一架橋剤(水溶率が100%のもの)と同様の化合
物、例えばポリグリシジル化合物,ハロエポキシ化合
物,アルデヒド化合物,イソシアネート化合物等であっ
て、水溶率が20〜85重量%のものが用いられる。特
に水溶率が20〜85重量%のポリグリシジル化合物が
好ましい。このような表面架橋剤として具体的には例え
ば、ナガセ化成社製のプロピレングリコールジグリシジ
ルエーテル(商品名:デナコールEX−911,水溶率
=75重量%)、同じくナガセ化成社製のネオペンチル
グリコールジグリシジルエーテル(商品名:デナコール
EX−211,水溶率=26重量%)等が挙げられる。
表面架橋剤の添加量は、生成ポリマーに対して、通常、
0.001 〜10重量%である。ここで表面架橋剤の添加量
が0.001 重量%未満であると添加効果が発現せず、一
方、表面架橋剤の添加量が10重量%を超えると全体に
架橋度が高くなり、飽和吸水量が低下してしまうため、
いずれも好ましくない。なお、この表面架橋は、常法と
同様の条件により行なえばよいが、通常、架橋時間は、
10分間〜1時間である。
【0028】このようにして、目的とする、表面近傍の
みが架橋された吸水性ポリマー(表面架橋された吸水性
ポリマー)を製造することができる。得られた、表面架
橋された吸水性ポリマーは、前記したように、乾燥した
後、そのまま用いてもよいし、必要に応じて親水性微粒
子状無機粉末と混合して、より親水性を改良するための
表面処理を行なってもよい。ここで親水性微粒子状無機
粉末としては特に制限はないが、なかでも親水性微粒子
状シリカが最も好ましい。親水性微粒子状無機粉末の添
加量は、処理するポリマーに対して、通常 0.01 〜10
重量%である。なお、その一次粒子径は通常、5nm〜
10μm程度である。
みが架橋された吸水性ポリマー(表面架橋された吸水性
ポリマー)を製造することができる。得られた、表面架
橋された吸水性ポリマーは、前記したように、乾燥した
後、そのまま用いてもよいし、必要に応じて親水性微粒
子状無機粉末と混合して、より親水性を改良するための
表面処理を行なってもよい。ここで親水性微粒子状無機
粉末としては特に制限はないが、なかでも親水性微粒子
状シリカが最も好ましい。親水性微粒子状無機粉末の添
加量は、処理するポリマーに対して、通常 0.01 〜10
重量%である。なお、その一次粒子径は通常、5nm〜
10μm程度である。
【0029】
【実施例】次に本発明を実施例により詳しく説明する。 実施例1 攪拌機,還流冷却管,モノマー滴下口及び窒素ガス導入
管を備えた2リットル容の4つ口フラスコに、シクロヘ
キサン720gとエチルセルロース3.2g(ハーキュ
レス社製,商品名:N−50)を加えて攪拌し、窒素ガ
スを吹き込んで溶存酸素を追い出し、70℃まで昇温し
た。
管を備えた2リットル容の4つ口フラスコに、シクロヘ
キサン720gとエチルセルロース3.2g(ハーキュ
レス社製,商品名:N−50)を加えて攪拌し、窒素ガ
スを吹き込んで溶存酸素を追い出し、70℃まで昇温し
た。
【0030】一方、別のフラスコ中で、水酸化ナトリウ
ム86gを水300gに溶解し、これにアクリル酸20
0gを加えて中和し、調製した水溶液に、過硫酸アンモ
ニウム 0.79 g、部分ケン化ポリビニルアルコール(日
本合成化学社製、商品名:GH−17)1.0g及びシク
ロヘキサン300gを加えて攪拌し、窒素ガスを吹き込
んで溶存酸素を追い出し、O/Wエマルジョンを調製し
た。次に、前記4つ口フラスコを500rpmの速度で
攪拌しながら、前記O/Wエマルジョンを3時間かけて
滴下した。次いで、均一架橋剤(内部架橋剤)として、
エチレングリコールジグリシジルエーテル(ナガセ化成
社製、商品名:デナコールEX−810、水溶率=10
0%)200mgを加え、さらに1時間攪拌した。
ム86gを水300gに溶解し、これにアクリル酸20
0gを加えて中和し、調製した水溶液に、過硫酸アンモ
ニウム 0.79 g、部分ケン化ポリビニルアルコール(日
本合成化学社製、商品名:GH−17)1.0g及びシク
ロヘキサン300gを加えて攪拌し、窒素ガスを吹き込
んで溶存酸素を追い出し、O/Wエマルジョンを調製し
た。次に、前記4つ口フラスコを500rpmの速度で
攪拌しながら、前記O/Wエマルジョンを3時間かけて
滴下した。次いで、均一架橋剤(内部架橋剤)として、
エチレングリコールジグリシジルエーテル(ナガセ化成
社製、商品名:デナコールEX−810、水溶率=10
0%)200mgを加え、さらに1時間攪拌した。
【0031】次に、共沸脱水によって165gの水を抜
き出した後(生成ポリマーの含水率=45重量%)、表
面架橋剤としてプロピレングリコールジグリシジルエー
テル(ナガセ化成社製、商品名:デナコールEX−91
1、水溶率=75%)200mgを添加し、30分間攪
拌した。70℃から室温まで冷却後、減圧下にて130
℃で乾燥させ、球状の吸水性樹脂を得た。得られた樹脂
に対して、1.5重量%の親水性微粒子状シリカ(徳山
ソーダ社製、商品名:トクシールN)を混合して表面処
理した後、以下の方法により吸水性能(ゲル強度,飽和
吸水量及び初期吸水速度)を測定した。結果を第1表に
示す。
き出した後(生成ポリマーの含水率=45重量%)、表
面架橋剤としてプロピレングリコールジグリシジルエー
テル(ナガセ化成社製、商品名:デナコールEX−91
1、水溶率=75%)200mgを添加し、30分間攪
拌した。70℃から室温まで冷却後、減圧下にて130
℃で乾燥させ、球状の吸水性樹脂を得た。得られた樹脂
に対して、1.5重量%の親水性微粒子状シリカ(徳山
ソーダ社製、商品名:トクシールN)を混合して表面処
理した後、以下の方法により吸水性能(ゲル強度,飽和
吸水量及び初期吸水速度)を測定した。結果を第1表に
示す。
【0032】なお、上記の吸水性能は、次のようにして
測定した。 〔ゲル強度〕50ミリリットル容のビーカーに、前記樹
脂(2g)を入れ、これに純水(40g)を一気に加
え、20倍ゲルを作成する。これを1時間静置後、2つ
に分割し、それぞれを内径62mmの円筒容器に入れ、
上から直径60mmの円板でゆっくり圧縮する。ゲルが
荷重に耐えきれず、円板と円筒容器内壁の隙間からはみ
出てくるまで圧縮し、そのまま10分間静置した後、ゲ
ルの応力を測定する。2回の測定結果の平均値をゲル強
度とした。
測定した。 〔ゲル強度〕50ミリリットル容のビーカーに、前記樹
脂(2g)を入れ、これに純水(40g)を一気に加
え、20倍ゲルを作成する。これを1時間静置後、2つ
に分割し、それぞれを内径62mmの円筒容器に入れ、
上から直径60mmの円板でゆっくり圧縮する。ゲルが
荷重に耐えきれず、円板と円筒容器内壁の隙間からはみ
出てくるまで圧縮し、そのまま10分間静置した後、ゲ
ルの応力を測定する。2回の測定結果の平均値をゲル強
度とした。
【0033】〔飽和吸水量〕60mm×80mmの不織
布製の袋に前記樹脂( 0.3g)を入れ、これを 0.9%の
生理食塩水中に30分間浸漬する。その後、水中から取
り出したサンプルを、30度に傾けた金網状で1分間水
切りした後、その重量を測定する。ブランクの重量を差
し引き、樹脂1g当りに換算したものを飽和吸水量とし
た。
布製の袋に前記樹脂( 0.3g)を入れ、これを 0.9%の
生理食塩水中に30分間浸漬する。その後、水中から取
り出したサンプルを、30度に傾けた金網状で1分間水
切りした後、その重量を測定する。ブランクの重量を差
し引き、樹脂1g当りに換算したものを飽和吸水量とし
た。
【0034】〔初期吸水速度〕直径20mmの円筒容器
(底部は不織布と金網で作製されている)に前記樹脂0.
1gを均等に入れ、吸水測定機(協和精工社製)を用い
て、前記樹脂が人工尿を吸収し始めてから1分間の吸収
量(ml)を測定し、樹脂1g当りに換算した値(ml
/g)を初期吸収速度とした。なお、人工尿の組成を以
下に示す。
(底部は不織布と金網で作製されている)に前記樹脂0.
1gを均等に入れ、吸水測定機(協和精工社製)を用い
て、前記樹脂が人工尿を吸収し始めてから1分間の吸収
量(ml)を測定し、樹脂1g当りに換算した値(ml
/g)を初期吸収速度とした。なお、人工尿の組成を以
下に示す。
【0035】・人工尿の組成 H2O 97.09 wt% H2NCONH2 1.94 wt% NaCl 0.80 wt% MgSO4 ・H2O 0.11 wt% CaCl2 0.06 wt%
【0036】実施例2 表面架橋剤として、プロピレングリコールジグリシジル
エーテルの代わりに、ジプロピレングリコールジグリシ
ジルエーテル(ナガセ化成社製、商品名:デナコールE
X−941、水溶率=80%)200mgを加えたこと
以外は、実施例1と同様の方法で重合を行ない、球状の
吸水性樹脂を得、親水性微粒子状シリカを混合して表面
処理した。吸水性能の測定結果を第1表に示す。
エーテルの代わりに、ジプロピレングリコールジグリシ
ジルエーテル(ナガセ化成社製、商品名:デナコールE
X−941、水溶率=80%)200mgを加えたこと
以外は、実施例1と同様の方法で重合を行ない、球状の
吸水性樹脂を得、親水性微粒子状シリカを混合して表面
処理した。吸水性能の測定結果を第1表に示す。
【0037】実施例3 共沸脱水を実施せず(生成ポリマーの含水率=60重量
%)、かつ表面架橋剤として、プロピレングリコールジ
グリシジルエーテルの代わりに、ネオペンチルグリコー
ルジグリシジルエーテル(ナガセ化成社製、商品名:デ
ナコールEX−211、水溶率=26%)200mgを
加えたこと以外は、実施例1と同様にして重合を行な
い、球状の吸水性樹脂を得、親水性微粒子状シリカを混
合して表面処理した。吸水性能の測定結果を第1表に示
す。
%)、かつ表面架橋剤として、プロピレングリコールジ
グリシジルエーテルの代わりに、ネオペンチルグリコー
ルジグリシジルエーテル(ナガセ化成社製、商品名:デ
ナコールEX−211、水溶率=26%)200mgを
加えたこと以外は、実施例1と同様にして重合を行な
い、球状の吸水性樹脂を得、親水性微粒子状シリカを混
合して表面処理した。吸水性能の測定結果を第1表に示
す。
【0038】比較例1 共沸脱水により165gの水を抜き出して、生成ポリマ
ーの含水率を45重量%とし、かつ表面架橋剤を添加せ
ずにそのまま乾燥させたこと以外は、実施例1と同様の
方法で重合を行ない、球状の吸水性樹脂を得、親水性微
粒子状シリカを混合して表面処理した。吸水性能の測定
結果を第1表に示す。
ーの含水率を45重量%とし、かつ表面架橋剤を添加せ
ずにそのまま乾燥させたこと以外は、実施例1と同様の
方法で重合を行ない、球状の吸水性樹脂を得、親水性微
粒子状シリカを混合して表面処理した。吸水性能の測定
結果を第1表に示す。
【0039】比較例2 共沸脱水により、165gの水を抜き出して生成ポリマ
ーの含水率を45重量%とし、かつ表面架橋剤としての
プロピレングリコールジグリシジルエーテルの代わり
に、エチレングリコールジグリシジルエーテル(ナガセ
化成社製、商品名:デナコールEX−811、水溶率=
95%)200mgを加えたこと以外は、実施例1と同
様の方法で重合を行ない、球状の吸水性樹脂を得、親水
性微粒子状シリカを混合して表面処理した。吸水性能の
測定結果を第1表に示す。
ーの含水率を45重量%とし、かつ表面架橋剤としての
プロピレングリコールジグリシジルエーテルの代わり
に、エチレングリコールジグリシジルエーテル(ナガセ
化成社製、商品名:デナコールEX−811、水溶率=
95%)200mgを加えたこと以外は、実施例1と同
様の方法で重合を行ない、球状の吸水性樹脂を得、親水
性微粒子状シリカを混合して表面処理した。吸水性能の
測定結果を第1表に示す。
【0040】
【表1】
【0041】第1表の結果から、比較例1のように均一
架橋剤(内部架橋剤)のみを用いた場合にはゲル強度が
不充分となることが分かる。また、比較例2のように、
水溶率の高い(95重量%)表面架橋剤を用いた場合に
は、比較例1に比し、ゲル強度の高い樹脂が得られるも
のの、飽和吸水量が非常に低くなることが分かる。
架橋剤(内部架橋剤)のみを用いた場合にはゲル強度が
不充分となることが分かる。また、比較例2のように、
水溶率の高い(95重量%)表面架橋剤を用いた場合に
は、比較例1に比し、ゲル強度の高い樹脂が得られるも
のの、飽和吸水量が非常に低くなることが分かる。
【0042】
【発明の効果】本発明の方法によれば、含水率が40重
量%以上という高い含水率を有する吸水性ポリマーを用
い、これを特定の水溶率を有する架橋剤で表面架橋して
いるため、脱水操作を必要としないか、或いは少量の脱
水を実施するだけでよい。しかも本発明の方法によれ
ば、特定の水溶率を有する架橋剤で表面架橋しているた
め、ポリマーの表面近傍のみが効果的に架橋され、飽和
吸水量とゲル強度が共に優れ、かつ、吸水速度が高い吸
水性ポリマーを製造することができる。従って、本発明
は、衛生材料,農業・園芸材料等の分野で極めて有効に
利用することができる。
量%以上という高い含水率を有する吸水性ポリマーを用
い、これを特定の水溶率を有する架橋剤で表面架橋して
いるため、脱水操作を必要としないか、或いは少量の脱
水を実施するだけでよい。しかも本発明の方法によれ
ば、特定の水溶率を有する架橋剤で表面架橋しているた
め、ポリマーの表面近傍のみが効果的に架橋され、飽和
吸水量とゲル強度が共に優れ、かつ、吸水速度が高い吸
水性ポリマーを製造することができる。従って、本発明
は、衛生材料,農業・園芸材料等の分野で極めて有効に
利用することができる。
フロントページの続き (72)発明者 福本 祐二 山口県徳山市新宮町1番1号 出光石油化 学株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】 ポリマー中の含水率が40重量%以上の
吸水性ポリマーを、水溶率が20〜85重量%の架橋剤
で表面架橋することを特徴とする表面架橋された吸水性
ポリマーの製造方法。 - 【請求項2】 ポリマー中の含水率が45〜75重量%
である請求項1記載の製造方法。 - 【請求項3】 架橋剤がポリグリシジル化合物である請
求項1記載の製造方法。 - 【請求項4】 吸水性ポリマーが多孔性ポリマーである
請求項1記載の製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP19267493A JPH0726026A (ja) | 1993-07-08 | 1993-07-08 | 表面架橋された吸水性ポリマーの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP19267493A JPH0726026A (ja) | 1993-07-08 | 1993-07-08 | 表面架橋された吸水性ポリマーの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0726026A true JPH0726026A (ja) | 1995-01-27 |
Family
ID=16295162
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP19267493A Withdrawn JPH0726026A (ja) | 1993-07-08 | 1993-07-08 | 表面架橋された吸水性ポリマーの製造方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JPH0726026A (ja) |
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