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JPH0725663B2 - 腸溶性軟カプセルの製造方法 - Google Patents

腸溶性軟カプセルの製造方法

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Publication number
JPH0725663B2
JPH0725663B2 JP60047965A JP4796585A JPH0725663B2 JP H0725663 B2 JPH0725663 B2 JP H0725663B2 JP 60047965 A JP60047965 A JP 60047965A JP 4796585 A JP4796585 A JP 4796585A JP H0725663 B2 JPH0725663 B2 JP H0725663B2
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JP
Japan
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soft capsule
gelatin
aqueous solution
enteric
enteric coated
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JP60047965A
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洋 山口
文男 漆崎
正人 奈良
智宏 大槻
律子 青木
一雄 林
富也 細井
普 村山
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Taisho Pharmaceutical Co Ltd
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Taisho Pharmaceutical Co Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、腸溶性軟カプセルの製造方法に関し、更に
詳しくは、安全性の大きな作業環境により、完全な腸溶
性にすることができ、実質的にゼラチンからなる軟カプ
セルを、容易に製造することのできる方法に関する。
[従来の技術] 従来、腸溶性軟カプセルには、腸溶性物質単独でカプセ
ル化したもの、腸溶性物質とゼラチンと混合してカプセ
ル化したもの、および実質的にゼラチンからなる軟カプ
セルに腸溶性物質をコーティングしたものがある。その
中でも、実質的にゼラチンからなる軟カプセルの表面に
腸溶性物質で皮膜を形成した腸溶性軟カプセルとして、
ハイドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、セ
ルロースアセテートフタレート等のようなカルボキシア
ルキルセルロース誘導体、あるいは(メタ)アクリル酸
と(メタ)アクリル酸エステルとからなる、遊離カルボ
キシル基を有する多塩基性ビニル重合体[たとえば商品
名オイドラギッド(ローム アンド ファーム社製)と
して商業的に入手可能]を実質的にゼラチンからなる軟
カプセルの表面にコーティングしたもの(特開昭59−88
420号公報参照、Pharmazie,Vol.39,No.4,p275〜276,198
4等参照)がある。
[発明が解決しようとする問題点] 実質的にゼラチンからなる軟カプセルの表面に腸溶性物
質の皮膜を形成する従来の方法には、次のような問題点
が有る。すなわち (1)腸溶性物質の皮膜をコーティングする際の溶媒と
して有機溶媒たとえばアルコール、アセトン、塩化メチ
レン等を使用するので、実質的にゼラチンからなる表面
と皮膜との界面で接着不良を生じ易い。
(2)腸溶性物質の皮膜をコーティングする際の溶媒と
してアルコール以外の有機溶媒を使用すると、皮膜中に
有機溶媒が残存することがあり、腸溶性軟カプセルの安
全性を確保することができない。
(3)腸溶性物質の皮膜をコーティングする際の溶媒と
して有機溶媒を使用すると、その有機溶媒の回収工程を
設けなければならないし、作業環境が汚染しないような
手段や、火災爆発の危険防止手段を設けたりしなければ
ならない。
(4)形成された腸溶性物質の皮膜が不均一であるの
で、この腸溶性物質の被膜を形成してなる軟カプセルを
服用した場合、胃で溶解してしまったり、腸における溶
解性にバラつきを生じたりして、バイオアベラビリティ
ーが低下する。
この発明は前記事情に基づいてなされたものである。
この発明の目的は、有機溶媒を使用することなく、ま
た、特別な手段を設けなくても安全な作業環境の下で、
優れた腸溶性機能を有する腸溶性軟カプセルを製造する
ことのできない製造方法を提供することを目的とするこ
とにある。
[前記問題点を解決するための手段] 前記問題点を解決するために、この発明者が鋭意研究し
た結果、特定の陽イオンで架橋する水溶性の架橋性多糖
類の皮膜を形成してなる軟カプセルを、2価以上の陽イ
オンを有する陽イオン水溶液に浸漬すると、軟カプセル
の表面に存在する水溶性の架橋多糖類と陽イオン水溶液
中の陽イオンとの反応が瞬時に進行し、その結果軟カプ
セルの表面に腸溶性性皮膜が均一に形成されることを見
出して、この発明に到達した。
すなわち、前記目的を達成するこの発明の概要は、架橋
性多糖類を溶解した架橋性多糖類水溶液に実質的にゼラ
チンからなる軟カプセルを浸漬し、次いで、前記架橋性
多糖類水溶液から取り出した実質的にゼラチンからなる
軟カプセルを、2価以上の陽イオンを有する陽イオン水
溶液に浸漬することを特徴とする腸溶性軟カプスルの製
造方法である。
以下において、この発明の方法を詳細に説明する。
前記実質的にゼラチンからなる軟カプセルは、ゼラチン
を主体としてこれにグリセリン、ソルビトール等の保水
剤を加えて所定の含水率のカプセルとなるように調製さ
れたものであればどのようであっても良く、その製造方
法には限定がなく、たとえば気中落下方式および液中落
下方式のいずれにより製造されたものであっても良い。
また、前記実質的にゼラチンからなる軟カプセルは、実
質的にゼラチンからなる乾燥状態の軟カプセルであって
も、実質的にゼラチンからなる未乾燥状態の軟カプセル
であっても良い。さらに、この実質的にゼラチンからな
る軟カプセルは、その内部に充填する内容物についても
限定が無く、医薬物質が配合されている油性液、顆粒
物、粉剤等いずれであっても良く、このようなものとし
て、たとえばビタミンE含有の油性液を充填したソフト
ゼラチンカプセルが挙げられる。もっとも、胃で副作用
を有する薬物を含有する製剤として、この実質的にゼラ
チンからなる軟カプセルを使用する場合、実質的にゼラ
チンからなる軟カプセルは、通常、市販されているもの
で十分であるが、コーティングの作業性を考慮すると、
壁膜の実質的にゼラチンからなる層の厚みがあまり薄く
ないカプセルが好ましい。
前記架橋性多糖類とは、後述する2価以上の陽イオンに
より架橋して硬化する水溶性の多糖類を言う。このよう
な多糖類として、たとえば、細胞間粘質多糖類、D−ガ
ラクツロン酸のα−1,4結合からなる酸性多糖類等が挙
げられ、さらに具体的には、たとえば、アルギン酸ナト
リウム、カルシウム含有アルギン酸ナトリウム、アルギ
ン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム、カラギーナン
ナトリウム、カラギーナンカリウム、低メトキシルペク
チン等が挙げられる。これらの中でも、アルギン酸ナト
リウム、低メトキシルペクチン等が好ましい。また低メ
トキシルペクチンは、その分子量が50,000〜150,000、
特に100,000〜150,000であるのが好ましく、またエステ
ル化度が20〜45%、特に25〜30%であるのが好ましい。
前記2価以上の陽イオンとは、生理学的に許容できる金
属イオンであって、たとえば、カルシウウムイオン、銅
イオン、第1鉄イオン、第2鉄イオン、亜鉛イオン、バ
リウムイオン、アルミニウムイオン等が挙げられ、特に
好ましいのは、カルシウムイオンである。
前記カルシウムを付与する化合物としては、塩化カルシ
ウム、酢酸カルシウム、水酸化カルシウム、第一リン酸
カルシウム、第二リン酸カルシウム、第三リン酸カルシ
ウム、乳酸カルシウム等の水溶性カルシウム塩等が挙げ
られ、これらの中でも好ましいのは塩化カルシウムであ
る。
加橋性多糖類を溶解した架橋性多糖類水溶液に実質的に
ゼラチンからなる軟カプセルを浸漬し、次いで、前記架
橋性多糖類水溶液から取り出した実質的にゼラチンから
なる軟カプセルを、2価以上の陽イオンを有する陽イオ
ン水溶液に浸漬することを特徴とするこの発明の方法を
実施するに当たっては、倒えば以下のような実施操作が
挙げられる。
すなわち、架橋性多糖類を溶解した架橋性多糖類水溶液
に前記実質的にゼラチンからなる軟カプセルを浸漬し、
次いで、前記架橋性多糖類水溶液から取り出した実質的
にゼラチンからなる軟カプセルを、前記2価以上の陽イ
オンを有する陽イオン水溶液に浸漬し、その後、実質的
にゼラチンからなる軟カプセルを取り出してこれを乾燥
する。
この架橋性多糖類水溶液における前記架橋性多糖類の濃
度は、架橋性多糖類の種類により相違し、また適宜に実
験的に決定することができるが、架橋性多糖類としてア
ルギン酸ナトリウムを使用する場合、その濃度は、通常
0.5〜10重量%であり、好ましくは1〜5重量%であ
り、架橋性多糖類として低メトキシルペクチンを使用す
る場合、その濃度は、通常1〜30重量%であり、好まし
くは5〜15重量%である。
この架橋性多糖類水溶液に実質的にゼラチンからなる軟
カプセルを浸漬する時間は、通常数秒〜5分であり、好
ましくは0.5〜3分である。
また、前記陽イオン水溶液の陽イオン濃度は、通常1〜
20%であり、好ましくは1〜5%である。
この陽イオン水溶液に実質的にゼラチンからなる軟カプ
セルを浸漬する時間は、通常数秒〜5分であり、好まし
くは1〜3分程度である。
前記架橋性多糖類水溶液に実質的にゼラチンからなる軟
カプセルを浸漬すると、実質的にゼラチンからなる軟カ
プセルの表面に、架橋性多糖類がゲル状となって付着す
る。次いでこの実質的にゼラチンからなる軟カプセルを
陽イオン水溶液に浸漬すると、ゲル状に付着していた架
橋性多糖類が陽イオンによって架橋して、腸溶性の皮膜
が実質的にゼラチンからなる軟カプセルの表面に形成さ
れることとなり、前記陽イオン水溶液から引き上げた実
質的にゼラチンからなる軟カプセルを乾燥すると、腸溶
性軟カプセルが得られる。
なお、腸溶性皮膜の厚さ、溶解時間を調節するために、
(1)実質的にゼラチンからなる軟カプセルを前記架橋
性多糖類水溶液へ浸漬する工程、(2)陽イオン水溶液
へ浸漬する工程(2)および(3)乾燥工程をこの順に
適宜の回数繰返しても良い。さらに、この腸溶性皮膜の
溶解時間の調節は、前記架橋性多糖類水溶液に後述の助
剤を配合し、この助剤の配合量を適宜に増減することに
より行なうこともできる。
前記助剤とは、実質的にゼラチンからなる軟カプセルの
外周に形成される皮膜の性状を改善するものであり、前
記皮膜に可塑性を付与し、腸溶速度のコントロールをす
るものである。このような助剤として、たとえば、水溶
性多価アルコール類、グリセロール脂肪酸エステル類、
アセチル化モノグリセリド類、フタル酸エステル類、ク
エン酸エステル類等が挙げられ、好ましいのは、グリセ
ロール、エリスリトール、アラビトール、ソルビトー
ル、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、エチレングリコール、およびポリエチレングリコー
ル等の2〜6価の多価アルコール、並びにアセチン、ジ
アセチン、トリアセチン等のグリセロール脂肪酸エステ
ル等である。
前記架橋性多糖類水溶液への前記助剤の配合量は、通常
1〜20重量%、好ましくは5〜10重量%である。
[作用] この発明に係る腸溶性軟カプセルは、水および局方第1
液には容易に溶解せず、局方第2液には容易に溶解する
性質を有する。
次に、試験例を挙げてこの発明の作用を具体的に説明す
る。
(試験例) 後述の実施例1〜6で得た腸溶性軟カプセルを試料1〜
6とし、これらにつき、第10改正日本薬局方の崩壊試験
をした。
その結果を第1表に示す。
[発明の効果] この発明によると、局方第1液にはたとえば2時間以内
には容易に溶解することがなく、局方第2液には短時間
で溶解する優れた腸溶性を有する腸溶性軟カプセルを提
供することができる。
また、この腸溶性軟カプセルは、有機溶媒を一切使用し
ないで製造されるので、従来のように有機溶媒の回収工
程を設けたり、作業環境の汚染防止、あるいは火災,爆
発の危険防止の手段等を設ける必要がなく、安全に製造
することができる。
さらに、この腸溶性軟カプセルは、実質的にゼラチンか
らなる軟カプセルを架橋性多糖類の水溶液に浸漬し、次
いで陽イオン含有の水溶液に浸漬することにより、架橋
性多糖類を架橋し、耐湿性の均一な皮膜を形成するの
で、実質的にゼラチンからなる軟カプセルの表面と前記
皮膜との界面での接着を良好にすることができる。
[実施例] 以下、実施例を示してこの発明を更に具体的に示す。な
お、この発明は、この実施例に限定されるものでないこ
とは言うまでも無い。
(実施例1) 実質的にゼラチンからなる未乾燥状態の軟カプセルを濃
度1%のアルギン酸ナトリウム水溶液に1分間浸漬して
から、これを取り出し、次いで、濃度5%の塩化カルシ
ウム水溶液に1分間浸漬して、実質的にゼラチンからな
る軟カプセルの表面に付着するアルギン酸ナトリウムを
ゲル化した。前記塩化カルシウム水溶液から取り出した
カプセルを室温で乾燥することにより、この発明に係る
腸溶性軟カプセルを得た。
この腸溶性軟カプセルの径は、4.0mmであった。
(実施例2) 実質的にゼラチンからなる未乾燥状態の軟カプセルを濃
度2%のアルギン酸ナトリウム水溶液に0.5分間浸漬し
てから、これを取り出し、次いで、濃度3%の塩化カル
シウム水溶液に0.5分間浸漬して、実質的にゼラチンか
らなる軟カプセルの表面に付着するアルギン酸ナトリウ
ムをゲル化した。前記塩化カルシウム水溶液から取り出
したカプセルを室温で乾燥することにより、この発明に
係る腸溶性軟カプセルを得た。
この腸溶性軟カプセルの径は、5.0mmであった。
(実施例3) 実質的にゼラチンからなる乾燥状態の軟カプセルを濃度
2.5%のアルギン酸ナトリウム水溶液に1分間浸漬して
から、これを取り出し、次いで、濃度4%の塩化カルシ
ウム水溶液に0.5分間浸漬して、実質的にゼラチンから
なる軟カプセルの表面に付着するアルギン酸ナトリウム
をゲル化した。前記塩化カルシウム水溶液から取り出し
たカプセルを室温で乾燥することにより、この発明に係
る腸溶性軟カプセルを得た。
この腸溶性軟カプセルの径は、3.0mmであった。
(実施例4) 実質的にゼラチンからなる未乾燥状態の軟カプセルを濃
度3%のアルギン酸ナトリウム水溶液に1分間浸漬して
から、これを取り出し、次いで、濃度5%の塩化カルシ
ウム水溶液に1分間浸漬して、実質的にゼラチンからな
る軟カプセルの表面に付着するアルギン酸ナトリウムを
ゲル化した。前記塩化カルシウム水溶液から取り出した
カプセルを室温で乾燥することにより、この発明に係る
腸溶性軟カプセルを得た。
この腸溶性軟カプセルの径は、1.0mmであった。
(実施例5) 実質的にゼラチンからなる乾燥状態の軟カプセルを濃度
4%のアルギン酸ナトリウム水溶液に2分間浸漬してか
ら、これを取り出し、次いで、濃度5%の塩化カルシウ
ム水溶液に2分間浸漬して、実質的にゼラチンからなる
軟カプセルの表面に付着するアルギン酸ナトリウムをゲ
ル化した。前記塩化カルシウム水溶液から取り出したカ
プセルを室温で乾燥することにより、この発明に係る腸
溶性軟カプセルを得た。
この腸溶性軟カプセルの径は、5.0mmであった。
(実施例6) 実質的にゼラチンからなる乾燥状態の軟カプセルを濃度
5%のアルギン酸ナトリウム水溶液に3分間浸漬してか
ら、これを取り出し、次いで、濃度5%の塩化カルシウ
ム水溶液に2分間浸漬して、実質的にゼラチンからなる
軟カプセルの表面に付着するアルギン酸ナトリウムをゲ
ル化した。前記塩化カルシウム水溶液から取り出したカ
プセルを室温で乾燥することにより、この発明に係る腸
溶性軟カプセルを得た。
この腸溶性軟カプセルの径は、3.0mmであった。
(実施例7) 実質的にゼラチンからなる未乾燥状態の軟カプセルを濃
度10%の低メトキシルペクチン(エステル化度;25%、
分子量;150,000)水溶液に1分間浸漬してから、これを
取り出し、次いで、濃度5%の塩化カルシウム水溶液に
1分間浸漬して、実質的にゼラチンからなる軟カプセル
の表面に付着する低メトキシルペクチンをゲル化した。
前記塩化カルシウム水溶液から取り出したカプセルを室
温で乾燥することにより、この発明に係る腸溶性軟カプ
セルを得た。
この腸溶性軟カプセルの径は、4mmであった。なお、こ
の腸要性軟カプセルは、第10改正日本薬局方の崩壊試験
によると、局方第2液での崩壊時間は、1.3分であっ
た。
(実施例8) この実施例8はアルギン酸ナトリウムからなる単独の被
膜を有する軟カプセルの製造に関する。
軟カプセル製造装置(大正製薬(株)製)における二重
円筒管ノズルの外管(8mm径)から2.5%アルギン酸ナト
リウム水溶液[NSPMグレード、(株)紀文フードケミフ
ァ製]が吐出されるように、また前記二重円筒管ノズル
の内管(2mm径)から核となる油[エリスロマイシンを
含有した大豆油(味の素(株)製)]が吐出されるよう
に、前記アルギン酸ナトリウム水溶液および前記油を前
記二重円筒管ノズルの外管および内管から、20〜25℃に
保温されたキャリヤー液[パナセート810、日本油脂
(株)製、脂肪酸グリセライド]中に同時に滴下した。
このキャリヤー液中に滴下された二重液滴を、20〜25℃
に保温された架橋液である5%塩化カルシウム水溶液中
に移行させ、この架橋液中で固化させることにより軟カ
プセルを形成した。
この軟カプセルを温度23℃相対湿度40%の室内に48時間
静置し、乾燥することにより、直径6mmの、アルギン酸
ナトリウム単独被膜の腸溶性軟カプセルを得た。
日本薬局方の崩壊試験器を使用し、日本薬局方の第1液
および第2液の入った試験槽に、この腸溶性軟カプセル
を1個づつ入れた。そして、試験槽を上下に浸透させ、
カプセルの被膜が溶解して内容液が出始めるまでの時間
を測定した。この試験をカプセル5個について行い、平
均値を求めた。
結果を第2表に示した。
(参考例1) この参考例2は、ゼラチンとアルギン酸ナトリウムとか
らなる混合被膜を有する軟カプセルの製造に関する。
シームレス軟カプセル製造装置[特開昭61−14915号公
報に記載されたのと同様の装置]における二重円筒管ノ
ズルの外管(8mm径)から、ゼラチン90%およびアルギ
ン酸ナトリウム10%を含有する水溶液(60℃に加温して
液状にした。)が叶出されるように、また前記二重円筒
管ノズルの内管(2mm径)から核となる油[エリスロマ
イシンを含有した大豆油(味の素(株)製)]が吐出さ
れるように、前記水溶液および前記油を前記二重円筒管
ノズルの外管および内管から、20〜25℃に保温されたキ
ャリヤー液[パナセート810、日本油脂(株)製、脂肪
酸グリセライド]中に同時に滴下した。このキャリヤー
液中に滴下された二重液滴を、20〜25℃に保温された架
橋液である5%塩化カルシウム水溶液中に移行させ、こ
の架橋液中で固化させることにより軟カプセルを形成し
た。
この軟カプセルを温度23℃相対湿度40%の室内にてコー
ティングパンを用いて8時間かけて予備乾燥した後にさ
らに48時間かけて静置し、乾燥することにより、直径6m
mの、ゼラチン−アルギン酸ナトリウム混合被膜の軟カ
プセルを得た。
また、二重円筒管ノズルの外管から吐出する水溶液とし
て、ゼラチン70%およびアルギン酸ナトリウム30%を含
有する水溶液、およびゼラチン50%およびアルギン酸ナ
トリウム50%を含有する水溶液をそれぞれ用いて、前述
した処方により、直径6mmの、ゼラチン−アルギン酸ナ
トリウム混合被膜の軟カプセルを得た。
これら三種の軟カプセルを、前記実施例8と同様にして
溶解度試験を行った。結果を第2表に示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奈良 正人 東京都豊島区高田3丁目24番1号 大正製 薬株式会社内 (72)発明者 大槻 智宏 東京都豊島区高田3丁目24番1号 大正製 薬株式会社内 (72)発明者 青木 律子 東京都豊島区高田3丁目24番1号 大正製 薬株式会社内 (72)発明者 林 一雄 東京都豊島区高田3丁目24番1号 大正製 薬株式会社内 (72)発明者 細井 富也 東京都豊島区高田3丁目24番1号 大正製 薬株式会社内 (72)発明者 村山 普 東京都豊島区高田3丁目24番1号 大正製 薬株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−88420(JP,A) 特開 昭58−172313(JP,A) 特開 昭56−49153(JP,A) 特開 昭59−88420(JP,A)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】架橋性多糖類を溶解した架橋性多糖類水溶
    液に実質的にゼラチンからなる軟カプセルを浸漬し、次
    いで、前記架橋性多糖類水溶液から取り出した実質的に
    ゼラチンからなる軟カプセルを、2価以上の陽イオンを
    有する陽イオン水溶液に浸漬することを特徴とする腸溶
    性軟カプセルの製造方法。
  2. 【請求項2】前記ゼラチン軟カプセルが未乾燥ゼラチン
    軟カプセルである前記特許請求の範囲第1項に記載の腸
    溶性軟カプセルの製造方法。
  3. 【請求項3】前記ゼラチン軟カプセルが乾燥ゼラチン軟
    カプセルである前記特許請求の範囲第1項に記載の腸溶
    性軟カプセルの製造方法。
  4. 【請求項4】前記架橋性多糖類が、アルギン酸ナトリウ
    ムである前記特許請求の範囲第1項乃至第3項のいずれ
    かに記載の腸溶性軟カプセルの製造方法。
  5. 【請求項5】前記架橋性多糖類が、低メトキシルペクチ
    ンである前記特許請求の範囲第1項乃至第4項のいずれ
    かに記載の腸溶性軟カプセル。
  6. 【請求項6】前記陽イオンが、カルシウムイオンである
    前記特許請求の範囲第1乃至第5項のいずれかに記載の
    腸溶性軟カプセルの製造方法。
JP60047965A 1985-03-11 1985-03-11 腸溶性軟カプセルの製造方法 Expired - Lifetime JPH0725663B2 (ja)

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