JPH07233846A - 油圧緩衝器 - Google Patents
油圧緩衝器Info
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- JPH07233846A JPH07233846A JP2263694A JP2263694A JPH07233846A JP H07233846 A JPH07233846 A JP H07233846A JP 2263694 A JP2263694 A JP 2263694A JP 2263694 A JP2263694 A JP 2263694A JP H07233846 A JPH07233846 A JP H07233846A
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- cylinder
- piston rod
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 油圧緩衝器において、温度変化によるばね定
数の変動を抑制し、乗り心地の低下を防止する。 【構成】 油圧緩衝器10のシリンダ14内には上室1
6と下室18とを区画するピストン20が摺動可能に嵌
装されており、下室18とリザーバ室22とがベースバ
ルブ機構24を介して連通されている。ピストン20の
上下両端部には、減衰力発生機構としてのディスクバル
ブ40、44が設けられている。上室16の上端部には
樹脂製のスプリング部材48で構成されたリバウンドス
プリング機構46が設けられている。第2ピストンロッ
ド52には温度センサー54が取付けられており、第2
ピストンロッド50内のカラー58には発熱線60が巻
付けられている。
数の変動を抑制し、乗り心地の低下を防止する。 【構成】 油圧緩衝器10のシリンダ14内には上室1
6と下室18とを区画するピストン20が摺動可能に嵌
装されており、下室18とリザーバ室22とがベースバ
ルブ機構24を介して連通されている。ピストン20の
上下両端部には、減衰力発生機構としてのディスクバル
ブ40、44が設けられている。上室16の上端部には
樹脂製のスプリング部材48で構成されたリバウンドス
プリング機構46が設けられている。第2ピストンロッ
ド52には温度センサー54が取付けられており、第2
ピストンロッド50内のカラー58には発熱線60が巻
付けられている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等の車両の懸架
装置に用いられる油圧緩衝器に関する。
装置に用いられる油圧緩衝器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車等の車両の懸架装置に用い
られる油圧緩衝器は、油液を封入したシリンダと、シリ
ンダに摺動可能に嵌装されるピストンと、ピストンに連
結され一端がシリンダの外部に延出するピストンロッド
と、シリンダ内のピストンの摺動による油液の流動を制
御して減衰力を発生する減衰力発生機構を有している。
そして、ピストンロッドの伸縮にともないシリンダ内を
ピストンが摺動することによって生じる油液の流動を制
御して減衰力を発生させるようになっている。
られる油圧緩衝器は、油液を封入したシリンダと、シリ
ンダに摺動可能に嵌装されるピストンと、ピストンに連
結され一端がシリンダの外部に延出するピストンロッド
と、シリンダ内のピストンの摺動による油液の流動を制
御して減衰力を発生する減衰力発生機構を有している。
そして、ピストンロッドの伸縮にともないシリンダ内を
ピストンが摺動することによって生じる油液の流動を制
御して減衰力を発生させるようになっている。
【0003】また、この種の油圧緩衝器は、ピストンロ
ッドの最大伸長時にピストンがシリンダ内の端部に衝突
して衝撃を発生して乗り心地を悪化させることがある。
そこで、例えば、特開平3−43140号公報に示され
る油圧緩衝器がある。
ッドの最大伸長時にピストンがシリンダ内の端部に衝突
して衝撃を発生して乗り心地を悪化させることがある。
そこで、例えば、特開平3−43140号公報に示され
る油圧緩衝器がある。
【0004】図5に示される如く、この油圧緩衝器70
では、ピストンロッド72のシリンダ74内に位置する
部位に、リバウンドスプリング76が巻装しており、ピ
ストンロッド72が所定ストローク伸長すると、リバウ
ンドスプリング76が縮んでピストンロッド72の伸長
に反発力を作用させるようになっている。
では、ピストンロッド72のシリンダ74内に位置する
部位に、リバウンドスプリング76が巻装しており、ピ
ストンロッド72が所定ストローク伸長すると、リバウ
ンドスプリング76が縮んでピストンロッド72の伸長
に反発力を作用させるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この油
圧緩衝器70では、リバウンドスプリング76が金属製
であるため、シリンダ74の内周部等の他部品との干渉
によって異音が発生する恐れがある。これを改善する構
成として、リバウンドスプリング76を樹脂製とするこ
とが考えられるが、この場合には、樹脂製スプリングの
温度依存性が高いため、低温時にばね定数が高くなって
しまい、乗り心地が低下するという不具合がある。
圧緩衝器70では、リバウンドスプリング76が金属製
であるため、シリンダ74の内周部等の他部品との干渉
によって異音が発生する恐れがある。これを改善する構
成として、リバウンドスプリング76を樹脂製とするこ
とが考えられるが、この場合には、樹脂製スプリングの
温度依存性が高いため、低温時にばね定数が高くなって
しまい、乗り心地が低下するという不具合がある。
【0006】本発明は上記事実を考慮し、温度変化によ
るばね定数の変動を抑制し、乗り心地の低下を防止でき
る油圧緩衝器を得ることが目的である。
るばね定数の変動を抑制し、乗り心地の低下を防止でき
る油圧緩衝器を得ることが目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、流体を充填し
たシリンダと、該シリンダ内に摺動可能に配置されると
ともに前記シリンダ内の室を区画するピストンと、一端
が前記ピストンに連結し他端が前記シリンダの外部へ延
出したピストンロッドと、前記ピストンの摺動に伴い減
衰力を発生する減衰力発生機構と、樹脂製のスプリング
部材を用い前記ピストンの過度の移動を規制するスプリ
ング機構と、を有する油圧緩衝器において、前記スプリ
ング部材の温度により、前記スプリング部材を加熱する
加熱手段を設けたことを特徴としている。
たシリンダと、該シリンダ内に摺動可能に配置されると
ともに前記シリンダ内の室を区画するピストンと、一端
が前記ピストンに連結し他端が前記シリンダの外部へ延
出したピストンロッドと、前記ピストンの摺動に伴い減
衰力を発生する減衰力発生機構と、樹脂製のスプリング
部材を用い前記ピストンの過度の移動を規制するスプリ
ング機構と、を有する油圧緩衝器において、前記スプリ
ング部材の温度により、前記スプリング部材を加熱する
加熱手段を設けたことを特徴としている。
【0008】尚、スプリング部材の温度は、直接的な測
定方法、間接的な測定方法の両方が考えられ、そのどち
らを採用したものでも良い。
定方法、間接的な測定方法の両方が考えられ、そのどち
らを採用したものでも良い。
【0009】
【作用】本発明の油圧緩衝器では、ピストンロッドが所
定ストローク伸長すると、樹脂製のスプリング部材が、
縮んでピストンロッドの伸長に反発力を作用させる。こ
のとき、スプリング部材はシリンダ等の他部材と干渉す
ることが考えられるが、樹脂製であるため、金属製のも
のに比べて異音が発生し難い。さらに、本発明の油圧緩
衝器では、スプリング部材の温度により、加熱手段によ
ってスプリング部材を加熱するため、樹脂製のスプリン
グ部材のばね定数が、温度低下によって高くなるのを抑
制でき、乗り心地の低下を防止できる。
定ストローク伸長すると、樹脂製のスプリング部材が、
縮んでピストンロッドの伸長に反発力を作用させる。こ
のとき、スプリング部材はシリンダ等の他部材と干渉す
ることが考えられるが、樹脂製であるため、金属製のも
のに比べて異音が発生し難い。さらに、本発明の油圧緩
衝器では、スプリング部材の温度により、加熱手段によ
ってスプリング部材を加熱するため、樹脂製のスプリン
グ部材のばね定数が、温度低下によって高くなるのを抑
制でき、乗り心地の低下を防止できる。
【0010】
【実施例】本発明の油圧緩衝器の一実施例を図1〜図4
に従って説明する。
に従って説明する。
【0011】図1に示される如く、本実施例の油圧緩衝
器10は、外筒(アウタシェルとも言う)12と、この
外筒12内に配置されたシリンダ14を備えた複筒式と
なっている。シリンダ14内には、シリンダ14内を上
室16と下室18とに区画するピストン20が摺動可能
に嵌装されている。また、外筒12とシリンダ14との
間には、リザーバ室22が形成されており、下室18と
リザーバ室22とがシリンダ14の下室18側の端部に
設けられたベースバルブ機構24を介して連通されてい
る。
器10は、外筒(アウタシェルとも言う)12と、この
外筒12内に配置されたシリンダ14を備えた複筒式と
なっている。シリンダ14内には、シリンダ14内を上
室16と下室18とに区画するピストン20が摺動可能
に嵌装されている。また、外筒12とシリンダ14との
間には、リザーバ室22が形成されており、下室18と
リザーバ室22とがシリンダ14の下室18側の端部に
設けられたベースバルブ機構24を介して連通されてい
る。
【0012】ピストン20には、一端がシリンダ14の
外部に延出するピストンロッド26が貫通され、ナット
28によって連結されており、シリンダ14の上室16
側の端部には、ピストンロッド26が摺動可能に挿通さ
れるロッドガイド30及びリングナット31が設けられ
ている。このリングナット31内にはオイルシール32
が圧入されている。リングナット31の外周面には雄ね
じが切ってあり、外筒12の上端内面に形成された雌ね
じに螺合している。また、シリンダ14の上室16及び
下室18には、流体としての油液が充填されており、リ
ザーバ室22には、油液及びガスが封入されている。
外部に延出するピストンロッド26が貫通され、ナット
28によって連結されており、シリンダ14の上室16
側の端部には、ピストンロッド26が摺動可能に挿通さ
れるロッドガイド30及びリングナット31が設けられ
ている。このリングナット31内にはオイルシール32
が圧入されている。リングナット31の外周面には雄ね
じが切ってあり、外筒12の上端内面に形成された雌ね
じに螺合している。また、シリンダ14の上室16及び
下室18には、流体としての油液が充填されており、リ
ザーバ室22には、油液及びガスが封入されている。
【0013】ピストン20には、上室16と下室18と
を連通する伸び側油液通路及び縮み側油液通路が設けら
れている。ピストン20の上室16側の端部には、縮み
行程時に縮み側油液通路内の油液の流動を制御して減衰
力を発生させる減衰力発生機構としてのオリフィスを有
するディスクバルブ40が設けられており、ピストン2
0の下室18側の端部には、伸び行程時に伸び側油液通
路内の油液の流動を制御して減衰力を発生させる減衰力
発生機構としてのディスクバルブ44が設けられてい
る。
を連通する伸び側油液通路及び縮み側油液通路が設けら
れている。ピストン20の上室16側の端部には、縮み
行程時に縮み側油液通路内の油液の流動を制御して減衰
力を発生させる減衰力発生機構としてのオリフィスを有
するディスクバルブ40が設けられており、ピストン2
0の下室18側の端部には、伸び行程時に伸び側油液通
路内の油液の流動を制御して減衰力を発生させる減衰力
発生機構としてのディスクバルブ44が設けられてい
る。
【0014】ピストンロッド26には、リング状のスト
ッパプレート45が溶着されており、このストッパプレ
ート45のロッドガイド30側には、ピストン20の過
度の上室16側、即ち伸び側の移動を規制するリバウン
ドスプリング機構46が設けられている。
ッパプレート45が溶着されており、このストッパプレ
ート45のロッドガイド30側には、ピストン20の過
度の上室16側、即ち伸び側の移動を規制するリバウン
ドスプリング機構46が設けられている。
【0015】図2に示される如く、リバウンドスプリン
グ機構46は、ピストンロッド26の外周部に、摺動可
能に設けられた樹脂製のスプリング部材48を有してお
り、このスプリング部材48は蛇腹状とされストッパプ
レート45に当接している。
グ機構46は、ピストンロッド26の外周部に、摺動可
能に設けられた樹脂製のスプリング部材48を有してお
り、このスプリング部材48は蛇腹状とされストッパプ
レート45に当接している。
【0016】ピストンロッド26は、円筒状の第1ピス
トンロッド50と、第2ピストンロッド52とで構成さ
れており、第2ピストンロッド52の上端部に形成され
た雌螺子部に、第1ピストンロッド50の下端部に形成
された雄螺子部が液密状態に螺合している。
トンロッド50と、第2ピストンロッド52とで構成さ
れており、第2ピストンロッド52の上端部に形成され
た雌螺子部に、第1ピストンロッド50の下端部に形成
された雄螺子部が液密状態に螺合している。
【0017】第2ピストンロッド52の外周部には、半
径方向に沿って孔53が穿設されており、この孔53に
は、加熱手段の一部を構成する温度センサー54が液密
状態に螺合されている。温度センサー54は、スプリン
グ部材48の温度が測定できる位置に設けられている。
本実施例ではスプリング部材48が配置された上室16
の油液の温度を測定できる位置に配置されている。即
ち、温度センサー54は間接的にスプリング部材48の
温度を測定している。これに限らず、直接的にスプリン
グ部材48の温度を測定できるようにしても良い。
径方向に沿って孔53が穿設されており、この孔53に
は、加熱手段の一部を構成する温度センサー54が液密
状態に螺合されている。温度センサー54は、スプリン
グ部材48の温度が測定できる位置に設けられている。
本実施例ではスプリング部材48が配置された上室16
の油液の温度を測定できる位置に配置されている。即
ち、温度センサー54は間接的にスプリング部材48の
温度を測定している。これに限らず、直接的にスプリン
グ部材48の温度を測定できるようにしても良い。
【0018】また、孔53は、第2ピストンロッド52
の軸線に沿って延設され、第1ピストンロッド50の内
部に連通しており、温度センサー54のコード54A
は、孔53を通って第1ピストンロッド50の内部に達
している。
の軸線に沿って延設され、第1ピストンロッド50の内
部に連通しており、温度センサー54のコード54A
は、孔53を通って第1ピストンロッド50の内部に達
している。
【0019】また、第2ピストンロッド52の上端面に
は、円周溝56が形成されており、この円周溝56に
は、第1ピストンロッド50内に挿入されたカラー58
の下端部が嵌合されている。カラー58の外周部には、
加熱手段の一部を構成する発熱線60が巻付けられてい
る。また、カラー58の上下両端部近傍には、貫通孔6
2、64が穿設されており、これらの貫通孔62、64
に発熱線60を通すことによる、部分摩擦抵抗でカラー
58に発熱線60を固定している。
は、円周溝56が形成されており、この円周溝56に
は、第1ピストンロッド50内に挿入されたカラー58
の下端部が嵌合されている。カラー58の外周部には、
加熱手段の一部を構成する発熱線60が巻付けられてい
る。また、カラー58の上下両端部近傍には、貫通孔6
2、64が穿設されており、これらの貫通孔62、64
に発熱線60を通すことによる、部分摩擦抵抗でカラー
58に発熱線60を固定している。
【0020】図1に示される如く、温度センサー54の
コード54Aと、発熱線60のコード60A、60B
は、それぞれ、カラー58内から、第1ピストンロッド
50内を通り、第1ピストンロッド50の上端部から取
り出され、加熱手段の一部を構成する制御装置66に接
続されている。また、発熱線60のコード60Bの途中
には電源68が接続されている。
コード54Aと、発熱線60のコード60A、60B
は、それぞれ、カラー58内から、第1ピストンロッド
50内を通り、第1ピストンロッド50の上端部から取
り出され、加熱手段の一部を構成する制御装置66に接
続されている。また、発熱線60のコード60Bの途中
には電源68が接続されている。
【0021】制御装置66はコンピュータを主体に構成
されており、コンピュータのROMには、図4にフロー
チャートで表される温度制御ルーチンが記憶されてい
る。
されており、コンピュータのROMには、図4にフロー
チャートで表される温度制御ルーチンが記憶されてい
る。
【0022】次に、本実施例の作用を説明する。本実施
例の油圧緩衝器10の伸び行程時には、ピストン20の
移動に伴って、上室16の油液が、伸び側油液通路を通
って下室18へ流れ、ディスクバルブ44によって減衰
力が発生する。この時、ピストンロッド26が上室16
内から退室した分の油液がリザーバ室22からベースバ
ルブ機構24の逆止弁を通って下室18へ流れる。
例の油圧緩衝器10の伸び行程時には、ピストン20の
移動に伴って、上室16の油液が、伸び側油液通路を通
って下室18へ流れ、ディスクバルブ44によって減衰
力が発生する。この時、ピストンロッド26が上室16
内から退室した分の油液がリザーバ室22からベースバ
ルブ機構24の逆止弁を通って下室18へ流れる。
【0023】一方、油圧緩衝器10の縮み行程時には、
ピストン20の移動に伴って、下室18の油液が、縮み
側油液通路を通って上室16へ流れ、ディスクバルブ4
0によって減衰力が発生する。この時、ピストンロッド
26が上室16内に侵入した分の油液が下室18からベ
ースバルブ機構24の減衰力発生機構を通ってリザーバ
室22へ流れ、減衰力が発生する。
ピストン20の移動に伴って、下室18の油液が、縮み
側油液通路を通って上室16へ流れ、ディスクバルブ4
0によって減衰力が発生する。この時、ピストンロッド
26が上室16内に侵入した分の油液が下室18からベ
ースバルブ機構24の減衰力発生機構を通ってリザーバ
室22へ流れ、減衰力が発生する。
【0024】また、本実施例の油圧緩衝器10の伸び行
程時には、ピストンロッド26が伸び側方向(図1の矢
印A方向)へ移動し、スプリング部材48が、ストッパ
プレート45とロッドガイド30とに挟まれ縮むため、
ピストンロッド26のストロークに応じて図3に示され
るような反発力が作用する。
程時には、ピストンロッド26が伸び側方向(図1の矢
印A方向)へ移動し、スプリング部材48が、ストッパ
プレート45とロッドガイド30とに挟まれ縮むため、
ピストンロッド26のストロークに応じて図3に示され
るような反発力が作用する。
【0025】図3に示される如く、このストロークと反
発力との関係は、スプリング部材48の温度によって変
化し、温度が低いほど同一ストロークにおける反発力が
大きくなる。このため、安定したリバウンド特性を得る
ためには、スプリング部材48の温度を下げないように
する必要がある。
発力との関係は、スプリング部材48の温度によって変
化し、温度が低いほど同一ストロークにおける反発力が
大きくなる。このため、安定したリバウンド特性を得る
ためには、スプリング部材48の温度を下げないように
する必要がある。
【0026】次に、本実施例の油圧緩衝器10の温度制
御ルーチンを図4のフローチャートに従って説明する。
御ルーチンを図4のフローチャートに従って説明する。
【0027】なお、この温度制御ルーチンは一定時間ご
とに繰返し実行される。本ルーチンの各回の実行時に
は、まず、ステップS1(以下、単にS1という。他の
ステップについても同じとする)において、温度センサ
ー54で検出された上室16内の油液の測定温度T0 を
読み込む。次いで、S2において、測定温度T0 が所定
の温度T以下か否かが判定される。即ち、上室16内の
油液の温度が、スプリング部材48のばね定数が大きく
変化する温度に近い温度T以下か否かが判定される。
とに繰返し実行される。本ルーチンの各回の実行時に
は、まず、ステップS1(以下、単にS1という。他の
ステップについても同じとする)において、温度センサ
ー54で検出された上室16内の油液の測定温度T0 を
読み込む。次いで、S2において、測定温度T0 が所定
の温度T以下か否かが判定される。即ち、上室16内の
油液の温度が、スプリング部材48のばね定数が大きく
変化する温度に近い温度T以下か否かが判定される。
【0028】測定温度T0 が所定の温度T以下だと、S
2においてYESと判定され、S3において、電源68
から発熱線60に通電が開始される。
2においてYESと判定され、S3において、電源68
から発熱線60に通電が開始される。
【0029】これによって、発熱線60から熱が発生
し、この熱が第1ピストンロッド50を介してスプリン
グ部材48に伝わり、スプリング部材48の温度が上昇
して、ばね定数の変化を防止する。
し、この熱が第1ピストンロッド50を介してスプリン
グ部材48に伝わり、スプリング部材48の温度が上昇
して、ばね定数の変化を防止する。
【0030】また、測定温度T0 が上昇し、所定の温度
Tより高くなると、S2においてNOと判定され、S4
において発熱線60への通電が停止される。
Tより高くなると、S2においてNOと判定され、S4
において発熱線60への通電が停止される。
【0031】このように、本実施例の油圧緩衝器10で
は、リバウンドスプリング機構46付近の温度が所定値
以下の時には、発熱線60によって、樹脂製のスプリン
グ部材48を加熱するため、樹脂製のスプリング部材4
8が低温になって、ばね定数が高くなるのを抑制でき、
乗り心地の低下を防止できる。
は、リバウンドスプリング機構46付近の温度が所定値
以下の時には、発熱線60によって、樹脂製のスプリン
グ部材48を加熱するため、樹脂製のスプリング部材4
8が低温になって、ばね定数が高くなるのを抑制でき、
乗り心地の低下を防止できる。
【0032】また、本実施例の油圧緩衝器10では、ス
プリング部材48の温度を上昇させると同時に、シリン
ダ14内の油液の温度も上昇させることになるので、温
度低下による油液の粘度増加にともなう減衰力の増加を
抑制することができ、安定した減衰力が得られる。さら
に、オイルシール32の温度も上昇するため、オイルシ
ール32の低温時の材料硬化を防ぎ油液漏れを防止でき
る。
プリング部材48の温度を上昇させると同時に、シリン
ダ14内の油液の温度も上昇させることになるので、温
度低下による油液の粘度増加にともなう減衰力の増加を
抑制することができ、安定した減衰力が得られる。さら
に、オイルシール32の温度も上昇するため、オイルシ
ール32の低温時の材料硬化を防ぎ油液漏れを防止でき
る。
【0033】以上に於いては、本発明を特定の実施例に
ついて詳細に説明したが、本発明はかかる実施例に限定
されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実
施例が可能であることは当業者にとって明らかであり、
例えば、温度センサー54、発熱線60の各取付け位置
は本実施例の位置に限定されず他の位置でも良い。
ついて詳細に説明したが、本発明はかかる実施例に限定
されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実
施例が可能であることは当業者にとって明らかであり、
例えば、温度センサー54、発熱線60の各取付け位置
は本実施例の位置に限定されず他の位置でも良い。
【0034】また、本実施例においては本発明をリバウ
ンドスプリング機構に適用したものを示したが、ピスト
ンの縮み側への移動を規制するバウンドスプリング機構
に適用することもできる。例えば、リングナット31の
上部のピストンロドッド50の周囲にスプリング部材が
設けられるようなタイプであれば、本実施例と同様にピ
ストンロドッド50内に加熱手段を設けることができ
る。
ンドスプリング機構に適用したものを示したが、ピスト
ンの縮み側への移動を規制するバウンドスプリング機構
に適用することもできる。例えば、リングナット31の
上部のピストンロドッド50の周囲にスプリング部材が
設けられるようなタイプであれば、本実施例と同様にピ
ストンロドッド50内に加熱手段を設けることができ
る。
【0035】また、スプリング部材48の加熱方法も本
実施例に限定されることはなく、例えばスプリング部材
の温度を所定値に保つように制御装置66により発熱線
60への通電を制御することも可能である。
実施例に限定されることはなく、例えばスプリング部材
の温度を所定値に保つように制御装置66により発熱線
60への通電を制御することも可能である。
【0036】
【発明の効果】本発明は、流体を充填したシリンダと、
該シリンダ内に摺動可能に配置されるとともにシリンダ
内の室を区画するピストンと、一端がピストンに連結し
他端がシリンダの外部へ延出したピストンロッドと、ピ
ストンの摺動に伴い減衰力を発生する減衰力発生機構
と、樹脂製のスプリング部材を用いピストンの過度の移
動を規制するスプリング機構と、を有する油圧緩衝器に
おいて、スプリング部材の温度により、スプリング部材
を加熱する加熱手段を設けた構成としたので、温度変化
によるばね定数の変動を抑制し、乗り心地の低下を防止
できるいう優れた効果を有する。
該シリンダ内に摺動可能に配置されるとともにシリンダ
内の室を区画するピストンと、一端がピストンに連結し
他端がシリンダの外部へ延出したピストンロッドと、ピ
ストンの摺動に伴い減衰力を発生する減衰力発生機構
と、樹脂製のスプリング部材を用いピストンの過度の移
動を規制するスプリング機構と、を有する油圧緩衝器に
おいて、スプリング部材の温度により、スプリング部材
を加熱する加熱手段を設けた構成としたので、温度変化
によるばね定数の変動を抑制し、乗り心地の低下を防止
できるいう優れた効果を有する。
【図1】本発明の一実施例の油圧緩衝器を示す側断面図
である。
である。
【図2】本発明の一実施例の油圧緩衝器の一部を示す拡
大側断面図である。
大側断面図である。
【図3】本発明の一実施例の油圧緩衝器のストロークと
反発力との関係を示すグラフである。
反発力との関係を示すグラフである。
【図4】本発明の一実施例の油圧緩衝器の温度制御を示
すフローチャートである。
すフローチャートである。
【図5】従来例の油圧緩衝器を示す側断面図である。
10 油圧緩衝器 14 シリンダ 16 上室 18 下室 20 ピストン 24 ベースバルブ機構 26 ピストンロッド 40 ディスクバルブ(減衰力発生機構) 44 ディスクバルブ(減衰力発生機構) 46 リバウンドスプリング機構 48 スプリング部材 50 第1ピストンロッド 52 第2ピストンロッド 54 温度センサー(加熱手段) 60 発熱線(加熱手段) 66 制御装置(加熱手段)
Claims (1)
- 【請求項1】 流体を充填したシリンダと、該シリンダ
内に摺動可能に配置されるとともに前記シリンダ内の室
を区画するピストンと、一端が前記ピストンに連結し他
端が前記シリンダの外部へ延出したピストンロッドと、
前記ピストンの摺動に伴い減衰力を発生する減衰力発生
機構と、樹脂製のスプリング部材を用い前記ピストンの
過度の移動を規制するスプリング機構と、を有する油圧
緩衝器において、前記スプリング部材の温度により、前
記スプリング部材を加熱する加熱手段を設けたことを特
徴とする油圧緩衝器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2263694A JPH07233846A (ja) | 1994-02-21 | 1994-02-21 | 油圧緩衝器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2263694A JPH07233846A (ja) | 1994-02-21 | 1994-02-21 | 油圧緩衝器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07233846A true JPH07233846A (ja) | 1995-09-05 |
Family
ID=12088328
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2263694A Pending JPH07233846A (ja) | 1994-02-21 | 1994-02-21 | 油圧緩衝器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07233846A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009268517A (ja) * | 2008-04-30 | 2009-11-19 | Oiles Ind Co Ltd | ダンパ及びこのダンパを具備した車両用シート |
CN113309808A (zh) * | 2021-05-21 | 2021-08-27 | 西格迈股份有限公司 | 温度自适应汽车减震器 |
-
1994
- 1994-02-21 JP JP2263694A patent/JPH07233846A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009268517A (ja) * | 2008-04-30 | 2009-11-19 | Oiles Ind Co Ltd | ダンパ及びこのダンパを具備した車両用シート |
CN113309808A (zh) * | 2021-05-21 | 2021-08-27 | 西格迈股份有限公司 | 温度自适应汽车减震器 |
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