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JPH0723306B2 - 新規貼付製剤 - Google Patents

新規貼付製剤

Info

Publication number
JPH0723306B2
JPH0723306B2 JP61074947A JP7494786A JPH0723306B2 JP H0723306 B2 JPH0723306 B2 JP H0723306B2 JP 61074947 A JP61074947 A JP 61074947A JP 7494786 A JP7494786 A JP 7494786A JP H0723306 B2 JPH0723306 B2 JP H0723306B2
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JP
Japan
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weight
parts
patch
thermoplastic
skin
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Expired - Lifetime
Application number
JP61074947A
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English (en)
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JPS62230715A (ja
Inventor
正尚 江上
浩昭 笠井
晃 中川
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Hisamitsu Pharmaceutical Co Inc
Original Assignee
Hisamitsu Pharmaceutical Co Inc
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Filing date
Publication date
Application filed by Hisamitsu Pharmaceutical Co Inc filed Critical Hisamitsu Pharmaceutical Co Inc
Priority to JP61074947A priority Critical patent/JPH0723306B2/ja
Publication of JPS62230715A publication Critical patent/JPS62230715A/ja
Publication of JPH0723306B2 publication Critical patent/JPH0723306B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は皮膚刺激(かぶれ、発赤、浮腫)及び皮膚障害
(接触皮膚炎)の緩和並びに粘着性及び接着性の優れた
外皮適用を目的とする新規貼付製剤に関するものであ
る。
従来の技術 従来公知の貼付剤(硬軟剤)は、高分子化合物(例え
ば、天然ゴム又はスチレン−ブタジエンゴム、ポリブタ
ジエンゴム、ポリイソブチレンゴム、ポリイソプレンゴ
ム、ブチルゴム、シリコーンゴム、スチレン−イソプレ
ン−スチレンゴム等の合成ゴム等)、粘着付与剤(例え
ば、ロジン、脱水素ロジン又はエステル体、水添ロジン
又はエステル体、テンペン系樹脂、石油系樹脂等)、軟
化剤(例えば、ポリブテン、流動パラフィン、プロセス
オイル、ヒマシ油、綿実油、パーム油、ヤシ油、蜜ロ
ウ、カルナバロウ、ラノリン等)、充填剤(例えば、亜
鉛華、炭酸カルシウム、二酸化チタン、シリカ類、白色
顔料等)の基剤成分及び薬効成分より構成されているも
のである。尚、これらの基剤成分の中で粘着付与剤及び
軟化剤として使用される基剤は一般に皮膚に対する刺激
(かぶれ、発赤、浮腫等)及び皮膚障害(接触皮膚炎
等)の副作用発現の起因物質として示唆されている。
又、これらの基剤成分を配合した貼付剤は、気温の変化
に伴い粘着性の低下、べたつき、あるいはダレ現象が生
じ易く、製品の品質を一定に保持しにくいこと、更には
粘着付与剤を用いるため皮膚に対する接着性が強く、剥
離時の痛みを伴い、それが皮膚に対する刺激の原因とな
ること等の欠点を有するものである。
発明が解決しようとする問題点 本発明者らは前記技術状況に鑑み、これらの欠点を解消
することを目的とするものである。
つまり、 1)皮膚に対する皮膚刺激又は皮膚障害等の副作用を緩
和する基剤成分からなる貼付剤。
2)従来の公知技術で使用されている貼付付与剤及び軟
化剤を配合しない貼付剤。
3)粘着性に優れ、且つ、べたつき、ダレ現象を生じな
い貼付剤。
4)剥離時の痛みが少ない貼付剤。
5)基剤中における薬効成分の安定性が優れた貼付剤。
6)基剤中よりの薬効成分の放出が優れた貼付剤。
7)粘着特性(粘着力、接着力、凝集力)においてバラ
ンスの取れた貼付剤。
以上の如く1)〜7)の貼付剤としての要件を満足する
貼付剤を開発することが本発明の目的とするものであ
る。
問題を解決するための手段 本発明者らは上記1)〜7)の要件を満足しうる貼付剤
を開発すべく鋭意研究を積み重ねた結果、下記の処方よ
りなる貼付剤を見出したものである。
本願の1つの発明は、熱可塑性アクリル系重合体及び熱
可塑性ウレタン系重合体よりなる基剤成分に薬効成分を
配合したことを特徴とする貼付剤に関するものである。
本願における次の1つの発明は前記本発明の貼付剤に架
橋剤である金属酸化物又は有機金属塩を更に添加するこ
とによりなる貼付剤に関するものである。
本発明が完成された経緯について、以下説明する。
本発明者らはまず最初に熱可塑性アクリル系重合体単独
処方について種々検討したが、これらはいずれも凝集力
が低すぎて、貼付剤を皮膚より剥がす時に組成物の一部
が凝集破壊を起こし皮膚に残る等の欠点が見られた。
又、熱可塑性ウレタン系重合体単独処方も試みたが、そ
れ自身全く粘着力及び接着力がないため、粘着付与剤や
軟化剤を配合する必要があり、この検討は断念した。
そこで、次に本発明者らは熱可塑性アルリル系重合体と
熱可塑性ウレタン系重合体との配合処方について検討し
たところ貼付剤の基剤成分として好ましいことが明らか
となり、本発明の1つを完成したのである。
又、更に前記発明においてこれの粘着性を長期間保持す
る方法を検討したところ、意外にも金属酸化物又は有機
金属塩からなる架橋剤を添加することによりこれが解決
されることを見出し、本願発明の次の1つを完成したの
である。
尚、本発明の貼付剤は本発明者らの鋭意研究の末、最初
に見出された文献未載の新規処方又は配合組成からなる
貼付剤である。
次に本発明の貼付剤につき詳述する。
まず熱可塑性アクリル系重合体及び熱可塑性ウレタン系
重合体は、双方で100重量部配合される。熱可塑性アク
リル系重合体が100重量部に占める割合は40〜95重量
部、又、熱可塑性ウレタン系重合体が100重量部に占め
る割合は5〜60重量部である。
熱可塑性アクリル系重合体としては、分子量10000以上
で200℃以下の温度で十分塗工可能な粘度を保持してい
るものが好ましい。又、アイオノマー型(イオン橋かけ
結合をもった重合体の総称で、金属イオンはZn2+、F
e2+、Cu2+、Ba2+等が用いられ、三次元的なイオン結合
が高温で動き易い性質を有しているため、軟化物の強度
が優れ、流動の活性化エネルギーが大きい)のアクリル
酸系重合体であり、O−メトキシアリール酸の添加によ
り高温と低温の間で可逆的なイオン形成を有するもので
ある。例えば、商品名「QR−969」(ロームアンドハー
ス社製)又は特公昭60−47301号公報、又は特開昭58−1
25774号公報記載の化合物が挙げられる。
尚、熱可塑性アクリル系重合体は40〜95重量部、好まし
くは60〜90重量部配合されるが、95重量部以上配合され
ると接着力が著しく増強され、剥離時の痛みを伴い、又
皮膚刺激及び皮膚障害等の原因となるので好ましくな
い。又40重量部以下になると粘着力が弱く貼付剤として
の機能を発揮しない。
又、熱可塑性ウレタン系重合体は大別すると、完全熱可
塑性型と不完全熱可塑性型の二つに分類されるが、本発
明では前者の完全熱可塑性型のウレタン系重合体が使用
される。これは分子の末端基に水酸基を有し線状構造を
有するウレタン重合体であり、ポリエステルとイソシア
ナートとの反応により生成した主鎖をもつ重合体であ
る。例えば、商品名「エスモコール−110(Desmocoll−
110)」(住友バイエルウレタン(株)社製)が挙げら
れる。
尚、熱可塑性ウレタン系重合体の配合量は5〜60重量
部、好ましくは10〜40重量部である。
以上が第1の発明に関する配合組成についての説明であ
る。次に第2の発明について説明する。第2の発明は前
述した如く第1の発明の配合に加えて、更に架橋剤を配
合するものであり、その架橋剤としての金属酸化物又は
有機金属塩は、酸化亜鉛、酸化銅、酸化アルミニウム、
酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化マンガ
ンなどの2価あるいは3価の金属酸化物、又はサリチル
酸亜鉛、サリチル酸銅、サリチル酸マンガン、サリチル
酸ニッケル、酢酸亜鉛、炭酸亜鉛、安息香酸マンガン、
クエン酸マグネシウム、酢酸第一鉄、ステアリン酸亜
鉛、乳酸鉄、アンモニウムサリチル酸亜鉛、アンモニウ
ム炭酸亜鉛、アンモニウム安息香酸亜鉛等の有機金属塩
等が挙げられる。
尚、これらの架橋剤の配合量は0.05〜5重量部、好まし
くは0.2〜3重量部である。これらの架橋剤の添加は、
本願発明の貼付剤の粘着性の長期間保持並びに基剤の安
定性、薬効成分の安定性、あるいは薬効成分の基剤中よ
りの放出等において好影響を及ぼすものである。
次に薬効成分としては、該貼付剤を皮膚に適用した際に
経皮吸収され、薬理作用を有する可能性のものであれ
ば、局所性又は全身性の薬効のいずれでもよく、特に限
定されるものではない。尚、配合量としては0.01〜30重
量部、好ましくは0.01〜20重量部である。
以下に薬効成分についてその一例を説明する。
薬効成分としては、例えば、サリチル酸、サリチル酸メ
チル、サルチル酸グリコール、オキシフェンブタゾン、
ペンタゾシン、エプタゾシンフェナゾール、メピリゾー
ル、ピロキシカム、イソキシカム、ベンジダミン、チア
ラミド、ブフェキサマック、アセトアミノフェノン、イ
ブプロフェン、アルクロフェナック、アセメタシン、ケ
トプロフェン、フルルビプロフェン、ジクロフェナッ
ク、フエノプロフェン、ピルプロフェン、ナプロキセ
ン、スリンダック、ブノキサプロフェン、メフェナム
酸、トルメチン、メチアジン酸、プロチジン酸、プラノ
プロフェン、ゾンタール、フェンブフェン、フェンチア
ザック、ジフルニザール、ゾメピラック、ピメプロフェ
ン、ベンダザック、ミロプロフェン、アンフェナク、ス
プロフェン、フルフェナム酸ブチル、ロキソプロフェ
ン、トリフェナル酸、チアプロフェン酸、4−ビフェニ
ル酢酸、ブトルファノール、オキサプロジン、並びにこ
れらのエステル誘導体である鎮痛消炎剤及びl−メント
ール、カンフル、ハッカ油、チモール、ニコチン酸ベン
ジルエステル、トウガラシエキス、カプサイシン等の皮
膚刺激剤、コディン、エスタゾラム、フルラゼパム、ト
リアゾラム、ニトラゼパム、ニメタゼパム、ハロキサゾ
ラム、フルニトラゼパム、フルラゼパム等の睡眠鎮静
剤、スコポラミン、臭化水素酸スコポラミン等の鎮痙
剤、酢酸ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレド
ニゾロン、トリアムシノロンアセトニド、デキサメタゾ
ンリン酸エステル、メチルプレドニゾロン、酢酸ダイク
ロリゾン、酢酸メチルプレドニゾロン、フルオシノロン
アセトニド、酢酸デキサメタゾン、デキサメタゾン、フ
ルオロメソロン、ベタメタゾンリン酸ナトリウム、ベタ
メタゾン、吉草酸ベタメタゾン、ピバル酸フルメタゾ
ン、プロピオン酸ベクロメタゾン、フルドロキシコルチ
ド、酪酸ヒドロコルチゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾ
ン、フルオシノニド、プロピオン酸クロベタゾール、吉
草酸ジフルコルトロン、ハルシノニド、アムシノニド、
吉草酸酢酸プレドニゾロン等の副腎皮質ホルモン剤、リ
ドカイン、ベンゾカイン、アミノ安息香酸エチル、塩酸
プロカイン、ジブカイン、プロカイン等の局所麻酔剤、
塩酸ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、マレイ
ン酸クロルフェニラミン、フマル酸クレマスチン、グリ
チルレチン酸、等の抗ヒスタミン剤、ペニシリン、テト
ラサイクリン、オキシテトラサイクリン、クロルテトラ
サイクリン、クロラムフェニコール、スルホンアマイ
ド、オキシテトラサイクリン、硫酸フラジオマイシン、
エリスロマイシン、塩酸テトラサイクリン、フラジオマ
イシン、ロイコマイシン、セファロスポリン、セファレ
キシン、ネオマイシン硫酸塩、バシトラシン、カナマイ
シン、ストレプトマイシン、ゲンタマイシン、グラミジ
ンS、ミカマイシン、コリスチン等の抗生物質、塩化ベ
ンザルコニウム、ニトロフラゾン、ナイスタチン、アセ
トフルファミン、クロトリマゾール、ナリジクス、スル
ファメチゾール、トルナフテート、ペンタマイシン、ア
ムホテリシンB、ピロールニトリン、ウンデシレン酸、
ミコナゾール、トリコマイシン、バリオチン、ハロプロ
ミジン、塩酸ジマゾール、チオコナゾール、トルシクラ
ート、スルコナゾール、オキシコナゾール、クロコナゾ
ール、イソコナゾール等の抗菌・抗真菌剤、サリチル
酸、モクタール、クリサロビン等の角質軟化剤、ニトロ
グリセリン、イソシトールヘキサニコチネート、硝酸イ
ソソルビド、ニコランジル、シンナリジン、ジピリダモ
ール、ニフェジピン、フェルナリジン、血管拡張剤、ア
ルプレノール、インデノロール、オクスプレノロール、
カルテオロール、ブクモール、ブフェトロール、ブプラ
ノロール、プロプラノール、ピンドロール等の不整脈用
剤、カルバマゼピン、クロナゼパム、テオリダジン、ジ
アゼパム、フルニトラゼパム、クロルプロマジン等の精
神安定剤、ブレオマイシン、アクラシノマイシン、アド
リアマイシン、ペプレオマイシン、5−フルオロウラシ
ル及びその誘導体、マイトマイシン等の抗悪性腫瘍剤、
ジギタリス、ジゴキシン、ジギトキシン、ユビデカレノ
ン等の強心剤、テトステロン、エナント酸テトステロ
ン、トリエチステロン、メチルエストレノロン、メスト
ラノール、吉草酸エストラジオール、エチニルエストラ
ジオール等の性ホルモン剤、エチアジド、シクロペンチ
アジド、ヒドロクロロチアジド、ベンジルヒドロクロロ
チアジド、ベンドロフルメチアジド、ペンフルチジド、
ポリチアジド、メチクロチアジド、フロセミド、ブメタ
ニド、メトラゾン、メフルシド等の利尿剤、レセルピ
ン、クロニジン、プラゾシン、酢酸グアナベンズ、アロ
チノロール、ナドロール、ブナゾシン、ペンブトロール
等の血圧降下剤、ビタミンA、ビタミンD、ビタミン
E、又はその他のビタミン類及びエルゴカルシフェロー
ル、コレカルシフェロール、オタトチミン、リボフラビ
ン酪酸エステル等のビタミン剤、リン酸コディン、サル
ブタモノール、ツロブテロール、トリメトキシノール、
プロカテロール、トラニラスト、ケトチフェン、フマル
酸フオルモテロール等の鎮咳去たん剤、リゾチーム及び
その他の消炎酵素剤、インシュリン及びその他の糖尿病
治療剤、D−ペニシラミン、ベスタチン、レバミゾー
ル、ロベンザリットジナトリウム、プラトニン等の免疫
に関与する薬剤、その他コルヒチン、又は抗けいれん
剤、抗マラリア剤、プロスタグランディン類、すい臓ホ
ルモン、生薬エキス、抗腫瘍剤(H2レセプター拮抗剤又
はM1レセプター拮抗剤等)等が挙げられる。これら薬効
成分は一種又は二種以上が適宜配合されて用いられるも
のである。
更に本発明の貼付剤中には必要に応じ、ジエチレングリ
コール、プロピレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール等のグリコール類、ジエチ
レンセバケート、N−メチル−2−ピロリドン、N−メ
チルピロリジン−N−オキシド、尿素、クロタミトン、
エイゾン 等の溶解補助剤又は吸収促進剤を一種以上配
合することもできる。又、従来公知の香料、補強用充填
剤、安定剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等
の添加剤を必要に応じ配合することもできる。
次に本発明の製造法について説明する。
まず熱可塑性アクリル系重合体(40〜95重量部)及び熱
可塑性ウレタン系重合体(5〜60重量部)の100重量部
からなる熱可塑性ポリマーを150〜170℃の温度で加熱溶
融させ、均一にするため充分撹拌する。尚、第2の発明
において架橋剤(0.05〜5重量部)を添加する場合は、
温度を130〜140にまで下げて添加する。次に温度を100
〜120℃まで下げた後、薬効成分(0.01〜30重量部)又
はその他の添加剤を加え、均一に混練されるよう充分撹
拌すると膏体を得る。更にこの膏体が固化しない熱い状
態でフイルム上に一定の厚みになるよう展延塗布する。
次に伸縮性又は非伸縮性の支持体(例えば、布地、不織
布、合成フイルム等)に転写し、更に膏体面を離型紙で
覆うことにより本発明の目的とする貼付剤となすことが
できる。
実施例 以下に本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1 熱可塑性アクリル系重合体〔商品名「QR−969」(ロー
ムアンドハース社製)〕70重量部に、熱可塑性ウレタン
系重合体〔商品名「デスモコール−110(Desmocool−11
0)」(住友バイエルウレタン社製)〕30重量部を添加
し、セパラブルフラスコ中で150〜170℃の温度範囲内で
加熱溶融させ、約10分間撹拌し均一になるよう混合す
る。次に温度を100〜120℃まで下げ、サリチル酸グリコ
ール6重量部、l−メントール8重量部を添加し、約10
分間撹拌し膏体を得た。この膏体が固化しない熱いうち
にポリエチレンテレフタレートフィルム上に厚みが約90
μになるようアプリケーターにて展延した。室温で約15
分間静置した後、支持体(不織布)に転写し、更に膏体
面を離型紙で覆って貼付剤とした。
*熱可塑性ウレタン系重合体〔商品名「デスモコール−
110(Desmocoll−110)」(住友バイエルウレタン社
製)〕 組成;主として綿状ウレタン 物性;比重(20℃)約1.2g/cm3 溶液粘度:約2.5ポイズ 実施例2 熱可塑性アクリル系重合体(実施例1と同一試料)80重
量部に、熱可塑性ウレタン系重合体(実施例1と同一試
料)20重量部を添加し、セパラブルフラスコ中で150〜1
70℃の温度範囲内で加熱溶融させ、約10分間撹拌し、均
一になるよう混合する。次に温度を130〜140℃まで下
げ、架橋剤のサリチル酸亜鉛を1.5重量部添加し、更に
約10分間撹拌し均一に分散させた後100〜120℃まで下
げ、サリチル酸グリコール5重量部、l−メントール7
重量部を添加し、約10分間撹拌し膏体を得た。以下、実
施例1と同様の方法で貼付剤を得た。
実施例3 実施例2の方法に準じて下記の配合処方よりなる貼付剤
を得た。
熱可塑性アクリル系重合体(実施例1と同一試料)90重
量部 熱可塑性ウレタン系重合体(実施例1と同一試料)10重
量部 サリチル酸亜鉛 3重量部 サリチル酸グリコール 4重量部 l−メントール 5重量部 実施例4 実施例1の方法に準じて下記の配合処方よりなる貼付剤
を得た。
熱可塑性アクリル系重合体(実施例1と同一試料)60重
量部 熱可塑性ウレタン系重合体(実施例1と同一試料)40重
量部 サリチル酸グリコール 7重量部 l−メントール 8重量部 実施例5 実施例2の方法に準じて下記の配合処方よりなる貼付剤
を得た。
熱可塑性アクリル系重合体(実施例1と同一試料)60重
量部 熱可塑性ウレタン系重合体(実施例1と同一試料)40重
量部 酸化亜鉛 0.3重量部 サリチル酸メチル 4.5重量部 l−メントール 8重量部 実施例6 実施例2の方法に準じて下記の配合処方よりなる貼付剤
を得た。
熱可塑性アクリル系重合体(実施例1と同一試料)85重
量部 熱可塑性ウレタン系重合体(実施例1と同一試料)15重
量部 サリチル酸亜鉛 3重量部 インドメタシン 3重量部 l−メントール 6重量部 実施例7 実施例2の方法に準じて下記の配合処方よりなる貼付剤
を得た。
熱可塑性アクリル系重合体(実施例1と同一試料)80重
量部 熱可塑性ウレタン系重合体(実施例1と同一試料)20重
量部 サリチル酸亜鉛 1.5重量部 ケトプロフェン 1重量部 実施例8 実施例2の方法に準じて下記の配合処方よりなる貼付剤
を得た。
熱可塑性アクリル系重合体(実施例1と同一試料)75重
量部 熱可塑性ウレタン系重合体(実施例1と同一試料)25重
量部 酸化亜鉛 1重量部 フルルビプロフェン 3重量部 比較例1 熱可塑性アクリル系重合体(実施例1と同一試料)98重
量部に熱可塑性ウレタン系重合体(実施例1と同一試
料)2重量部を添加し、セパラブルフラスコ中で150〜1
70℃の温度範囲内で加熱溶融させ、約10分間撹拌し均一
になるよう混合する。次に温度を130〜140℃まで下げ、
サリチル酸亜鉛を3重量部添加し、更に10分間撹拌し均
一に分散させた後、100〜120℃まで下げ、サリチル酸グ
ルコール5重量部、l−メントール7重量部を添加し、
約10分間撹拌し膏体を得た。以下実施例1と同様の方法
で貼付剤を得た。
比較例2 熱可塑性アクリル系重合体(実施例1と同一試料)30重
量部に、熱可塑性ウレタン系重合体(実施例1と同一試
料)70重量部を添加し、セパラブルフラスコ中で150〜1
70℃の温度範囲内で加熱溶融させ、約10分間撹拌し均一
になるよう混合する。次に温度を100〜120℃まで下げ
て、サリチル酸グリコール3重量部、l−メントール5
重量部を添加し、約10分間撹拌し膏体を得た。以下実施
例1と同様の方法で貼付剤を得た。
比較例3 天然ゴム100重量部、粘着付与剤(ロジン系樹脂)50重
量部、可塑剤(流動パラフィン)20重量部、充填剤(水
和シリカ)10重量部、老化防止剤(フェノール系酸化防
止剤)2重量部をトルエン500重量部中に添加し、室温
で約3時間撹拌し組成物を得た。これにサリチル酸メチ
ル5重量部、サリチル酸グリコール2重量部、l−メン
トール8重量部を添加し、更に30分間撹拌して膏体を得
た。以下実施例1と同様の方法で貼付剤を得た。
試験例1 皮膚刺激試験 実施例1,2、比較例3、市販消炎鎮痛貼付剤(天然ゴム
系,サリチル酸メチル含有)の4種を用い、健康人男子
30名の上背部に48時間貼付した。剥離後30分及び24時間
後に各人の皮膚かぶれの程度を判定した。(尚、判定基
準とした皮膚かぶれ具合は下記の通りである。) 結果を表1に示す。
以上の試験結果より、本発明の貼付剤は皮膚刺激(かぶ
れ)が著しく減少することが判明した。
試験例2 皮膚に対する接着性試験及び粘着性試験 実施例1〜5の貼付剤、比較例1及び2の貼付剤を試験
片として用い、皮膚に対する接着性試験(標準状態及び
60℃まで3週間静置後の貼付剤)及び粘着力、接着力、
凝集力の粘着特性試験を行った。
以下、試験方法並びに試験結果について説明する。
1〕皮膚に対する接着性試験 30名の被験者に本発明の実施例1〜5の貼付剤、比較例
1及び2の貼付剤の合計7種類の試験品(標準状態及び
試験片を密封した袋に入れ、恒温槽中60℃で3週間静置
後の貼付剤)14枚を用いて、前腕表部側に4×4cmの表
面で貼付した。皮膚に対する付着性と、皮膚から剥がす
ときの容易さ等を総合的に判定した。
尚、判定基準とした皮膚に対する接着性は下記の通りで
ある。
◎……付着性及び剥離性ともに極めて優れる。
○……付着性及び剥離性ともに特に問題なく、実用上差
し支えない。
△……付着性、剥離性の何れかに若干問題点がある。
×……付着性及び剥離性ともに劣る。
2〕粘着特性試験 1)粘着力試験(プローブタック法) 膏体の表面に、一定断面積を有するプローブを接触させ
垂直方向に引き離す時の力を測定するもので、接触時
間、接触圧、引離し速度等の条件を変更することができ
る。本試験の結果、接触時間1.0秒、接触圧100g/cm2
引離速度1.0cm/秒の条件下で測定した。
2)接着力試験(180度剥離強度法) 試験片を被着体(ベークライト板)に、所定面積貼付
し、オートグラフを使用して引張速度30cm/分で、180度
方向に試験片を剥がす時の力を測定した。
3)凝集力試験(剪断凝集力) 試験片の膏体面同志を所定面積貼り合わせオートグラフ
を使用して、引張速度2cm/分で試験片を互いに反対方向
にずらして、剥がれる時の力を測定した。
以上の試験結果を下記の表2に示す。
以上の表2の試験結果より明らかな如く、本発明の実施
例1〜5の貼付剤は皮膚に対する接着性が大変優れ、又
粘着特性に対して大変バランスが保たれ、貼付剤として
の有用性を示唆するものである。
作用・効果 前述した如く、本発明の貼付剤は皮膚刺激試験におい
て、皮膚刺激及び皮膚障害等の副作用発現を著しく抑制
する効果を有する。これは貼付剤処方における基剤の選
択がいかに重要な要因であるかを如実に示すものであ
り、これは本発明の貼付剤処方が従来の貼付剤処方と比
較しいかに優れているかを充分裏付けるものである。
又、粘着特性(粘着力、接着力、凝集力)のバランスが
くずれた場合、 (1)粘着力が不足すると皮膚に付着しにくい、 (2)接着力が強すぎると、容易に剥がれず剥離時の痛
みを伴い、皮膚刺激及び皮膚障害の原因となる、 (3)接着力が弱いと容易に剥がれる、 (4)凝集力が低いと、貼着後に「ズレ」を生じ、貼着
個所の周囲に膏対のはみ出しが見られたり、また剥離時
において膏体の残留が生じたりする、 等の欠陥を生じるものであるが、本発明の貼付剤は粘着
特性における物理的性質がバランスよく保たれ、貼付剤
としての要件を充分に具備した貼付剤である。又このよ
うに粘着特性に優れているため、実際に皮膚に対する接
着性試験においても大変優れたバランスのよい接着効果
を有するものである。
以上の如く、本発明の貼付剤は優れた作用及び効果を充
分に有し、医薬用貼付剤として産業上有用なものであ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性アクリル系共重合体及び熱可塑性
    ウレタン系共重合体の基剤成分100重量部において、熱
    可塑性アクリル系共重合体95〜40重量部及び熱可塑性ウ
    レタン系共重合体5〜60重量部の配合割合からなる基剤
    成分であり、この基剤成分に薬効成分を配合してなる貼
    付製剤。
  2. 【請求項2】金属酸化物又は有機金属塩からなる架橋剤
    0.05〜5重量部を配合してなる特許請求の範囲第1項記
    載の貼付製剤。
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