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JPH07232434A - 記録方法および記録装置 - Google Patents

記録方法および記録装置

Info

Publication number
JPH07232434A
JPH07232434A JP6310555A JP31055594A JPH07232434A JP H07232434 A JPH07232434 A JP H07232434A JP 6310555 A JP6310555 A JP 6310555A JP 31055594 A JP31055594 A JP 31055594A JP H07232434 A JPH07232434 A JP H07232434A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording
gradation
dots
pixel
gradation pattern
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6310555A
Other languages
English (en)
Inventor
Fumihiro Gotou
史博 後藤
Miyuki Fujita
美由紀 藤田
Toshiji Inui
利治 乾
Yuji Akiyama
勇治 秋山
Hiroshi Tajika
博司 田鹿
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP6310555A priority Critical patent/JPH07232434A/ja
Priority to US08/365,077 priority patent/US6655773B2/en
Publication of JPH07232434A publication Critical patent/JPH07232434A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N1/00Scanning, transmission or reproduction of documents or the like, e.g. facsimile transmission; Details thereof
    • H04N1/40Picture signal circuits
    • H04N1/405Halftoning, i.e. converting the picture signal of a continuous-tone original into a corresponding signal showing only two levels
    • H04N1/4055Halftoning, i.e. converting the picture signal of a continuous-tone original into a corresponding signal showing only two levels producing a clustered dots or a size modulated halftone pattern
    • H04N1/4058Halftoning, i.e. converting the picture signal of a continuous-tone original into a corresponding signal showing only two levels producing a clustered dots or a size modulated halftone pattern with details for producing a halftone screen at an oblique angle
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/205Ink jet for printing a discrete number of tones
    • B41J2/2054Ink jet for printing a discrete number of tones by the variation of dot disposition or characteristics, e.g. dot number density, dot shape
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06KGRAPHICAL DATA READING; PRESENTATION OF DATA; RECORD CARRIERS; HANDLING RECORD CARRIERS
    • G06K15/00Arrangements for producing a permanent visual presentation of the output data, e.g. computer output printers
    • G06K15/02Arrangements for producing a permanent visual presentation of the output data, e.g. computer output printers using printers
    • G06K15/10Arrangements for producing a permanent visual presentation of the output data, e.g. computer output printers using printers by matrix printers
    • G06K15/102Arrangements for producing a permanent visual presentation of the output data, e.g. computer output printers using printers by matrix printers using ink jet print heads
    • G06K15/105Multipass or interlaced printing
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  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 単位面積当りの記録ドット数を制御して階調
記録を行う記録装置において、マルチヘッドの各記録素
子の使用頻度を均一化する。 【構成】 階調を表現する階調パターンを、この階調パ
ターンよりも小さいサイズのドット集中型階調パターン
からなる複数のブロックを、階調パターン内に分散させ
て配置したパターンとする。階調パターンの範囲内での
記録素子の使用回数の最大差が2回以内に抑えられ、各
ノズルを平均的に使用でき、使用頻度の差による記録素
子の経時変化の片寄りを抑えて画像上のムラを減少する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェット記録装置
の階調パターン、及び階調記録制御に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】複写装置や、ワードプロセッサ、コンピ
ュータ等の情報処理機器、さらには通信機器の普及に伴
い、それらの機器の画像形成(記録)のための出力装置
の一つとして、インクジェット方式による記録ヘッドを
用いてデジタル画像記録を行うものが急速に普及してい
る。更に、前記情報機器、通信機器の高画質化・カラー
化にともない、記録装置においても高画質化・カラー化
の要望が増えてきている。
【0003】インクジェット記録装置においては、記録
速度の向上のため、複数の記録素子を集積配列してなる
記録ヘッド(以下マルチヘッドという)として、インク
吐出口および液路を高密度で複数集積したものを用い、
さらにカラー化のためシアン、マゼンタ、イエロー、ブ
ラックの複数個の上記マルチヘッドを備えたものが一般
的である。また、インクジェット記録装置に限らず、各
種記録方法を用いる記録装置、例えばインクリボンを用
いたサーマル記録装置・感熱紙を用いて記録を行う感熱
記録装置等においても、記録速度向上のため、複数の記
録素子を高密度に配列してなるマルチヘッドを構成する
ものが知られている。
【0004】インクジェット記録装置において、インク
を吐出させるため、吐出口近傍に発熱素子(電気・熱エ
ネルギー変換体)を設け、この発熱素子に電気信号を印
可することによりインクを局所的に加熱して圧力変化を
起こさせ、インクを吐出口から吐出させる電気・熱エネ
ルギー変換体を用いる方法や圧電素子などの電気・機械
変換体を用いる方法がある。また、インクを吐出する手
段として、ピエゾ素子等の電気圧力変換手段を用い、イ
ンクに機械的圧力を付与してインクを吐出する構成も従
来より知られている。
【0005】この種のインクジェット記録方式による中
間調の表現を行う記録制御を行う方式として、一定サイ
ズの記録ドットにより単位面積あたりの記録ドット数を
制御するドット密度制御法、記録ドットのサイズを制御
するドット径制御法がある。しかしながら、ドット径制
御法は記録ドットのサイズを微妙に変化させるための複
雑な制御が必要であり、また、記録ドット径の制御でき
る範囲が限られているため、一般的には単位面積当りの
記録ドット数を制御して中間調記録を行うドット密度制
御法が多く採用されている。
【0006】前述のドット密度制御法に用いられる中間
調表現の2値化手法の代表的なものとして組織的ディザ
法、条件付決定型ディザ法がある。
【0007】組織的ディザ法は入力画素に無関係なしき
い値を規則的に配分したマトリクスをディザマトリクス
とし、このディザマトリクスを縦方向と横方向に繰り返
すことにより入力画像を画素位置とディザマトリクス上
のしきい値とにより2値化するものである。したがって
この方法は階調数がマトリクスサイズで制限されるとい
う問題がある。すなわち階調数を多くするためにはマト
リクスサイズを大きくする必要があるが、マトリクスサ
イズを大きくすると一つのマトリクスで構成される記録
画像の1画素が大きくなって解像度を損なうなどの問題
があった。
【0008】また、誤差拡散法などに代表される条件付
決定型ディザ法は入力画素の周辺の画素を考慮して入力
画素の値もしくはしきい値を変化させる方法である。こ
の条件付決定型ディザ法は階調性と解像力の両立性が良
く、また原画像が印刷の画像の場合、記録画像にモアレ
パターンが発生することが極めて少ないなどの長所があ
る反面、画像明部で粒状性が目立ちやすく、画質の評価
が低くなるという問題があった。
【0009】また、上記2値化手法の各々で画質に差が
生ずるだけでなく、2値化手法の違いによりそれぞれの
処理スピードにも差が生じる。前述の組織的ディザ法は
入力画素の値としきい値の大小関係から各画素を独立に
処理していくのに対し、条件付決定型ディザ法は入力画
素もしくはしきい値が注目画素周辺の値によって決定さ
れるため入力画素としきい値の大小関係だけでなく注目
画素周辺の値も参照しなくてはならない。したがって、
前記2値化手法における処理スピードでは、組織的ディ
ザ法が条件付決定型ディザ法に勝っているといえる。
【0010】以上のような画質と処理スピードなどの観
点から、プリンタドライバでは出力される画像やその画
像の用途などによって2値化処理を選択的に変えること
ができるように構成されている場合もある。
【0011】
【発明が解決しようとしている課題】一般的に使用され
てきた組織的ディザ法の規則的なしきい値の配列(以下
階調パターンという)にはドット分散型とドット集中型
とがある。図2に64階調を表すそれぞれの代表的なパ
ターンを示す。このパターンでは、画像の示す階調の値
までの数値のドットに対して記録を行うことを意味して
いる。
【0012】図2(a)に示すパターンは、Bayer
型と呼ばれるドット分散型のパターンである。図2
(a)に示すドット分散型の階調パターンにおいては、
単位面積内の広い範囲にドットが記録される。インクジ
ェット記録装置においてはインクのにじみにより記録媒
体上でインクが拡がることから、所望の記録ドットより
も実際の記録ドットの方が大きくなることから図3
(a)に示す様な階調特性を示すため、ドットが多数記
録される高濃度部においては、記録ドット数に対する階
調がリニアに応答せず階調表現が困難であるという欠点
がある。このような階調特性は階調補正により濃度に対
してほぼ線形に補正することは可能であるが、数階調に
わたって使用するパターンや全く使用しないパターンが
できてしまう。組織的ディザ法においては、マトリクス
サイズによって階調数が決定するため、前述の階調補正
によって階調数をさらに少なくし、連続的な階調表現を
行うことが困難であった。
【0013】図2(b)に示すパターンは、Fatti
ng型と呼ばれるドット集中型の階調パターンである。
図2(b)のドット集中型の階調パターンは、階調に応
じてマトリクス内のほぼ中心から順に記録するドットが
増えていく。そのため、記録するドットの量と、記録さ
れたドットの面積被覆率はほぼリニアに対応する。図2
(b)に示す階調パターンによれば、階調パターン領域
内でのドット打ち込み量と面積被覆率との関係から、図
3(b)の様な階調特性を示すため階調の連続性はドッ
ト分散型よりも高いが、記録ドットがマトリクス内のほ
ぼ中心に集中してしまうため、記録されない領域が目立
ち、プリンタ本来の解像度を生かすことができない。
【0014】また、どちらのパターンにも共通すること
ではあるが、マルチノズルのノズル数が階調パターンの
縦方向のサイズの倍数である場合、特にドット集中型に
おいては各ノズル毎で使用頻度の差が大きくなってしま
う。そのため集中して使用されるノズルと使用されない
ノズルとで吐出ヒーターの劣化、ノズル構成物質とイン
クとのヌレ性の変化などが原因となって吐出量や吐出方
向に差が現れ、その結果組織的ディザ法における規則的
なドット配列が乱れ、それが画像上のムラとして現れる
だけでなく、さらにはヘッドの寿命をも短くしてしまっ
ていた。
【0015】そこで、本発明は上述の問題を解決するた
めになされたもので、ノズル間の使用頻度の差に起因す
る画像上のムラを減少させることおよび記録ヘッドの寿
命を延ばすことが可能な階調パターン、および該階調パ
ターンによる記録が可能なインクジェット記録装置を提
供することを目的とする。
【0016】また、本発明はさらに、階調特性の向上お
よびレジストレーションのズレに対する画像上のムラを
減少させることが可能な階調パターンおよび該階調パタ
ーンによる記録が可能なインクジェット記録装置を提供
することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は上記目
的を達成するために、複数の記録ドットにより1画素を
形成するとともに1画素内の記録ドット数を制御するこ
とにより階調表現を行う階調記録において、前記1画素
の大きさより面積が小さいブロックであって、前記1画
素内に記録されるドット数が増加するにつれて前記ブロ
ック内に記録されるドットが前記ブロックのほぼ中心か
ら増加してゆくブロックを複数配列してなるとともに、
前記1画素内に記録されるドット数が増加するにつれ、
前記複数のブロックの所定の順に、前記ブロック内に記
録されるドット数が所定量ずつ増加してゆくことを特徴
とする階調パターンにより、記録を行うことを特徴とす
る。
【0018】また、上記課題を解決するため本発明は、
複数のノズルを備えた記録ヘッドによりインク滴を吐出
させ、記録を行うインクジェット記録装置において、前
記記録ヘッドの各ノズルより吐出して形成する複数の記
録ドットにより1画素を形成し、1画素内の記録ドット
数により階調記録を行う階調制御手段と、前記1画素内
の各階調に応じて設定される階調パターンとを有し、前
記階調パターンで決められた範囲内での前記各ノズル毎
の使用回数の最大差が2回以内であることを特徴とす
る。
【0019】また本発明は、複数のノズルを備えた記録
ヘッドによりインク滴を吐出させ、記録を行い、各ノズ
ルにより吐出して形成する複数のドットにより階調パタ
ーンに応じて階調記録を行うインクジェット記録方法に
おいて、前記階調パターンで決められた範囲内での前記
各ノズル毎の使用回数の最大差が2回以内であることを
特徴とする。
【0020】また本発明は、前記階調パターンで決めら
れた範囲内におけるノズルに対しn回の使用を行う場合
には、前記階調パターン内の全ノズルの50%がn−1
回以上使用した場合に限ることを特徴とする。
【0021】また、前記階調パターンがドット集中型で
あることを特徴とする。
【0022】また、本発明に適用される記録ヘッドは、
熱エネルギーによってインクに熱による状態変化を生起
させ、該状態変化に基づいてインクを吐出させる、いわ
ゆるバブルジェット方式であることで更なる効果を得ら
れるものである。
【0023】本発明によれば、組織的ディザ法の階調パ
ターンに階調パターンで決められた範囲内でのノズル使
用回数の最大差が2回以内でなければならないという制
限を設けることによってインクジェット記録装置特有の
問題であるノズル間の使用頻度の差に起因する画像上の
ムラを減少させることおよび記録ヘッドの寿命を延ばす
ことを実現するものである。
【0024】また、階調パターンで決められた範囲内に
おけるノズルに対しn回の使用を行う場合には階調パタ
ーン内の全ノズルの50%がn−1回以上使用した場合
に制限することによってさらにノズル間の使用頻度の差
を減少させることができる。
【0025】また、階調パターンを上記条件を満たすド
ット集中型にすることにより階調特性の向上およびレジ
ストレーションのズレに対する画像上のムラを減少させ
ることが可能となる。
【0026】
【実施例】以下図面を参照して本発明の実施例を説明す
る。
【0027】複写装置や、ワードプロセッサ、コンピュ
ータ等の情報処理機器、さらには通信機器の普及に伴
い、それらの機器の画像形成(記録)装置の一つとし
て、インクジェット方式による記録ヘッドを用いてデジ
タル画像記録を行うものが実用化されている。更に、前
記情報機器、通信機器のカラー化、低コスト化にともな
い、記録装置においてもカラー対応及び普通紙に印字対
応したものの需要が増えてきている。このような記録装
置においては、記録速度の向上のため、複数の記録素子
を集積配列してなる記録ヘッド(以下、マルチヘッドと
いう)として、インク吐出口および液路を複数集積した
ものを用い、さらにカラー対応として記録を行う色に対
応した複数個のマルチヘッドを備えたものが知られてい
る。
【0028】図16にマルチヘッドを用い、マルチヘッ
ドを記録媒体に対して相対的に操作しつつ紙面上に印字
を行うシリアルタイプのプリンタの主要部部構成を示
す。図16において、501はインクカートリッジであ
る。これらは、4色のカラーインク(ブラック、シア
ン、マゼンタ、イエロー)がそれぞれ詰め込まれたイン
クタンクと、502のマルチヘッドより構成されてい
る。図17は、図16に示すマルチヘッド502上に配
列するマルチノズルの状態を、図16に示す矢印z方向
から観察したものである。図17において601は、マ
ルチヘッド502上に配列するマルチノズルである。
【0029】図6において、503は紙送りローラで、
504の補助ローラとともに印字紙507を抑えながら
図の矢印の方向に回転し、矢印y方向へ印字用紙507
の搬送を行う。また、505は給紙ローラーであり、印
字紙の給紙を行うとともに、503、504に示したロ
ーラと同様に、印字紙507を抑える役割も果たしてい
る。また、506は4つのインクカートリッジを支持
し、印字とともにこれらを移動させるキャリッジであ
る。このキャリッジ506は、印字を行っていないと
き、あるいはマルチヘッドの回復作業などを行うときに
は図の点線で示した位置のホームポジション(h)に待
機するように構成されている。
【0030】印字開始前、図に示す位置(ホームポジシ
ョン)にあるキャリッジ506は、印字開始命令がくる
と矢印x方向に移動しながらマルチヘッド502上のn
個のマルチノズル(601)により、紙面上に幅Dに対
応した領域に対して印字を行う。紙面端部までデータの
印字が終了するとキャリッジはホームポジションに戻
り、再び矢印x方向へ走査とともに印字を行う。この最
初の印字が終了してから2回目の印字が始まる前まで
に、紙送りローラ(503)が矢印方向への回転するこ
とにより幅Dだけのy方向への紙送りを行う。この様に
してキャリッジ1スキャンごとにマルチヘッド幅Dだけ
の印字と紙送りを行う繰り返しにより、一紙面上のデー
タ印字が完成する。
【0031】(第1実施例)図1に本発明の第1実施例
のノズル毎の使用頻度の差に起因する画像上のムラを削
減できる階調パターンの一例を示す。図は、8×8ドッ
トで階調を表現する1画素を成すもので、図中Lは、1
画素の縦横の長さを意味している。
【0032】図4は、マルチノズルのノズル数が16の
ヘッドを用い、図2(b)に示した8×8サイズのファ
ッティング型の階調パターンにより50%デューティの
記録を行った場合における紙面上でのドット形成の工程
を表す。このときマルチノズルのノズル数が階調パター
ンの縦方向のサイズの2倍となっているため第4ノズル
はいつでも階調パターンの第4行で2値化されたデータ
を印字することになり、同様に第9ノズルはいつでも階
調パターンの第1行で2値化されたデータを印字するこ
とになる。つまり、マルチノズルのノズル数が階調パタ
ーンの縦方向サイズのn倍(nは整数)である場合には
階調パターンとノズルが同期するため、図4に示したよ
うにマルチノズルのn×i番目のノズルは必ず階調パタ
ーンの第i行で2値化されたデータを印字することにな
る。そのため、図4に示した例では、階調パターンで決
められた範囲内(8×8の64ドットで記録される画素
領域)では、マルチヘッド502の第4ノズルは6ドッ
ト分印字を行うのに対し、第9ノズルはまったく印字を
行っていない。
【0033】図14は、図2(b)に示したドット集中
型の階調パターンにおいて各階調で打たれる階調パター
ン内のドット数を表している。このように、図2(b)
に示したドット集中型の階調パターンであると全階調
(8×8サイズであれば64階調)を平均的に使用する
と仮定すると、図14に示すようにもっとも多く使用す
るノズルの使用頻度は、最も使用する回数が少ないノズ
ルの使用頻度に比較して約3.5倍多く使用することと
なる。
【0034】ここで、図15は、図1に示した本発明の
階調パターンにおいて、各階調で打たれる階調パターン
内のドット数を表している。図15によれば、図1に示
した階調パターンを用いることで、最も多く使用するノ
ズルの使用頻度は、最も使用する頻度の少ないノズルに
比較して約1.1倍多く使用していることになる。ノズ
ルの経時変化による吐出量の変動は記録ヘッドの構成や
インクの組成などによって異なってくるが、個々のノズ
ルがほぼ同一の径であるならばノズルの使用によってエ
ージング効果がでて吐出量が増加していく場合と吐出ヒ
ータの焦げなどの劣化によって吐出量が減少していく場
合のどちらかの傾向がある。したがって、図2(b)に
示した階調パターンであるとノズルの経時変化による個
々のノズル毎の吐出量の差が初期状態に比べ大きくなっ
てしまい、画像上のムラとして目立ってくる。それに対
し図1に示した本発明の階調パターンを用いることによ
り、使用頻度をほぼ均一化でき、ノズル毎の吐出量にあ
まり差が生じないため、ノズル間の吐出量差による画像
上のムラの発生は初期状態とほぼ変わらない。
【0035】次にノズルの寿命という観点から考える。
仮に各ノズルの寿命がA回吐出可能とした場合、記録ヘ
ッドとしての寿命は最も早く吐出不可能となるノズルに
よって決定されるため各ノズルを平均して使用するなら
ば記録ヘッドの寿命はノズル寿命の100%となる。し
かしながら、図2(b)に示したパターンであると最も
使用率の高いノズルではノズルを平均して使用したとき
の約147%の使用となるため、記録ヘッドとしての寿
命は約68%に縮んでしまう。それに対し、図1に示し
た階調パターンの場合、各ノズルを平均的に使用するた
め、最も使用率の高いノズルでさえノズルを平均して使
用したときの約106%の使用であることから、記録ヘ
ッドとしての寿命が約94%に短縮されるだけであり、
図2(b)に示すドット集中型の階調パターンに比べ、
記録ヘッドの長寿命化が可能となる。
【0036】次に、図1に示し階調パターンについて詳
細に説明する。
【0037】図1の階調パターンは、図22(a)に示
すように1A,1B,1C,1D,1D’のブロック
(以下、ブロック画素ともいう)から形成されている。
また、ブロック1D,1D’は、ブロック1Dの下部
と、ブロック1D’の上部を連続させることにより、他
のブロック1A,1B,1Cと同様のブロックとなる。
すなわち、図1に示す階調パターンは、4つのブロック
から形成されている。
【0038】各ブロックは、それぞれ16階調を表現す
る集中型の階調パターンを成し、4つのブロックが組み
合わせられることで、64階調を示す1つの階調パター
ンを形成している。
【0039】図22(b)は、図1(a)に示した階調
パターンにおけるしきい値と、各ブロックの位置関係を
示した例である。図22(b)によれば、入力された階
調データ画像化するにしたがい、ブロック1A,1C,
1B,1Dにドットが記録されていくことがわかる。
【0040】また、図23に、各ブロック毎内における
しきい値の配列を示す。図23(a),(b),
(c),(d)はそれぞれ図22のブロック1A,1
B,1C,1Dに対応している。ここで、図23(d)
は、図22(a)のブロック1D,1D’を連続させた
状態を示している。前述の如く、各ブロック1A,1
B,1C,1Dは、それぞれ16階調を表現可能な集中
型の階調パターンであり、入力された画素データの値が
増加するに従い、ブロック1A,1C,1B,1Dの順
に各ブロック内の記録が成されるドットが増加してい
く。
【0041】ここで、図23を参照すると、ブロック1
A,1Bと、ブロック1C,1Dのパターンでは、各ブ
ロック内の最初の4ドット分の配置が異なっている。図
22を参照するとわかるように、ブロック1A,1B
と、ブロック1C,1Dでは、図中縦方向の位置がL/
2だけずらした配置となっている。ブロックの中心位置
の配置上、最初の4ドット分の配置を異ならせること
で、図1(a)に示す階調パターン内の記録濃度ムラが
目立ちにくくなる。
【0042】図24は、図1に示す階調パターンで記録
を行ったときの記録結果における各ブロックの位置関係
を模式的に示したものである。ここで、前述の如く、図
22において、ブロック1Cの上下に隣接していたブロ
ック1D,1D’は記録結果においては隣接し、一つの
ブロックを形成していることがわかる。しかしながら、
マルチヘッドの各記録素子の使用頻度を均一化する目的
を達成するためには、各ブロック内のパターンが同じで
あってもよい。
【0043】つまり、図1に示す階調パターンは、ドッ
ト集中型の階調パターンを1つのブロックとして、複数
のブロック間でドット分散型の階調パターンを構成して
いることになる。
【0044】図1に示す階調パターンによれば、図22
に示した各ブロック階調パターンにおいてドットが集中
する位置が、図17にて示したマルチノズル602の配
列方向において分散する。このことにより、マルチノズ
ル602の使用頻度が均一化され、また、階調の連続性
を高めることができる。
【0045】以上説明してきたように階調パターンの範
囲内でのノズル使用回数の最大差が2回以内でなければ
ならないという制限を設け、さらに階調パターンで決め
られた範囲内におけるノズルに対しn回の使用を行う場
合には階調パターン内の全ノズルの50%がn−1回以
上使用した場合に制限することによってインクジェット
記録装置特有の問題であるノズル間の使用頻度の差に起
因する画像上のムラを減少させることおよび記録ヘッド
の寿命を延ばすことを実現するものである。
【0046】(第2実施例)次に、本発明の第2実施例
について詳細に説明する。
【0047】印字方法として、分割印字法(マルチパス
印字)を図18〜21を用いて説明する。このマルチパ
ス字とは、単位領域内の印字するべき画像データを2回
に分けて同領域に印字するものであり、普通紙に対する
記録において異色境界にじみと、マルチノズルの個々の
ノズルのバラツキに起因するヘッド内濃度ムラを低減す
る効果がある記録方法である。
【0048】図18(a)において、81はマルチヘッ
ドであり、これは図17のものと同様であるが、説明の
ためノズル数を8個としたマルチノズル(82)によっ
て構成されているものとする。83はマルチノズル82
よって吐出されたインクドロップレットであり、通常は
この図のように揃った吐出量で、揃った方向にインクが
吐出されるようヘッドの製造が行われる。適正な吐出量
で適正な方向に吐出が行われれた場合、図18(b)に
示したように紙面上に揃った大きさのドットが着弾さ
れ、全体的にも濃度ムラの無い一様な画像が得られる
(同図(c))。
【0049】しかし、実際には先にも述べたように、製
造上の過程や経時変化により、ノズル1つ1つにはそれ
ぞれバラツキがあり、そのまま上記と同じように印字を
行った場合、図19(a)に示すようにそれぞれのノズ
ルより吐出されるインクドロップの大きさ、及び吐出方
向にバラツキが生じ、紙面上に於いては図19(b)に
示すように着弾される。この図によれば、ヘッド主走査
方向に対し、周期的に大きな白紙の部分が存在したり、
また逆に必要以上にドットが重なり合ったり、あるいは
この図中央に見られる様な白筋が発生したりしている。
この様な状態で着弾されたドットの集まりはノズル並び
方向に対し、図19(c)に示した濃度分布となり、結
果的には、これらの現象が濃度ムラとして感知される。
【0050】そこで、このようなヘッド内の個々のノズ
ルのばらつきによる濃度ムラを防止するため、図20、
図21に示すような方法で印字を行うことが提案されて
いる。この方法によると、図18及び図19で示した印
字領域を完成させるのにマルチヘッド81を3回スキャ
ンしているが、その半分4画素単位の領域は2パスで完
成している。この場合、マルチヘッドの8ノズルは、上
4ノズルと、下4ノズルのグループに分けられ、1ノズ
ルが1回のスキャンで印字するドットは、規定の画像デ
ータを、ある所定の画像データ配列(図21に示す千鳥
パターン)に従い、約半分に間引いたものである。そし
て2回目のスキャン時に残りの半分の画像データへドッ
トを埋め込み(図21に示す逆千鳥パターン)、先に記
録された画像を補完することで4画素単位領域の印字を
完成させる。以上の様な記録法を以下、分割記録法(マ
ルチパス印字)と称す。
【0051】本実施例では、複数のカラーインクを用い
て記録を行うカラーグラフィックモードにおいて、前述
のマルチパス印字を用いることとする。ただし、上記説
明では説明の簡略化のため8ノズルを有するマルチヘッ
ドとしたが、ノズル数の異なる他のヘッドを用いても構
わない。従って、64ノズルを有するマルチノズルヘッ
ドの場合、32ノズルずつ2つのグループに分割され、
紙送りは32ドット分ずつ行われる。そして、32ドッ
ト単位ずつ印字領域が完成されて行くのである。以上に
より、カラーグラフィックモードにおいては、特に普通
紙を用いたカラー印字の際に最も問題となる異色同士の
にじみを防ぐとともに、マルチノズルの個々のノズルの
バラツキによるヘッド内濃度ムラをも緩和し、普通紙に
おいても良好なカラーグラフィック画像を得ることがで
きる。
【0052】マルチパス印字においては一定領域を複数
回の走査で画像を完成させる印字方法であるため、記録
装置本体のメカ精度に起因するレジストレーションのズ
レが生じる。図2(a)に示したドット分散型の階調パ
ターンにより、50%デューティの画像を1stパスで
奇数行、2ndパスで偶数行を印字するような場合、図
5に示すように、紙送り方向に1/2画素ドットがズレ
て印字が行われると画像に白い筋が現れ、正確なドット
を形成したときに比べて、記録画像の品質が極端に低下
してしまう。それに対し図2(b)に示したドット集中
型の階調パターンで同様の印字を行った場合には、図6
に示すようにドットの塊である画素が上下に少し延びた
形になるが、正確なドットを形成したときに比べて画像
品質の低下は、前述のドット分散型のパターンに比較し
て少ない。これは、ドット分散型の階調パターンはドッ
トを均一に分散させているためプリンタ本来の解像度を
生かした細かいパターンであり、ドット着弾位置の少し
のズレが画像上のムラとなって現れやすいためである。
これに対してドット集中型の階調パターンは、マトリク
ス内のほぼ中心にドットを集中させているため、プリン
タの見かけ上の解像度を落とした荒いパターンとなり、
着弾位置の少しのズレはパターンの荒さによって目立た
なくなり、結果として画像上のムラとなって現れにくい
ためである。
【0053】しかしながら、第1実施例で説明したよう
に、インクジェット記録装置においてはドット集中型の
階調パターンを用いると、ノズルの使用頻度の差に起因
して画像上にムラが発生したり、記録ヘッドの寿命を低
減してしまい、記録ヘッドに悪影響を与えてしまう。
【0054】図7は、階調パターンのサイズを8×8、
マルチノズルのノズル数を16とした場合の分割記録法
による記録工程を示している。ここで、マルチノズルの
排紙側に位置する8ノズルで所定の画像データ配列に従
い偶数行を間引いたデータを記録し、次に8ノズル分の
紙送りを行った後、給紙側8ノズルで間引かれた残りで
ある奇数行のデータを先の記録で印字されなかった位置
に補完して記録を行う。このような2回の走査で画像を
完成させるようなマルチパス印字を例としてあげる。こ
のときマルチノズルのノズル数が階調パターンの縦方向
のサイズの2倍となっているため、第4ノズルはいつで
も階調パターンの第4行で2値化されたデータを2nd
パスで印字することになり、同様に第12ノズルはいつ
でも階調パターンの第4行で2値化されたデータを1s
tパスで印字することになる。しかしながら、1stパ
スでの印字は偶数行を間引き、2ndパスでの印字は奇
数行を間引くため第4ノズルでは2値化されたデータを
全て印字し、さらに第12ノズルでは2値化されたデー
タをまったく印字しなくなってしまう。この場合、紙送
り分のノズル数が階調パターンの縦方向のサイズの倍数
となっているため第1実施例と同様に階調パターンとノ
ズルが同期してしまう。
【0055】それに加え、図7の例のように間引きパタ
ーンによっては排紙側8ノズルと給紙側8ノズルとで各
ノズルに対する打ち込み数に片寄りができてしまうた
め、第1実施例と同様の階調パターンであっても、各ノ
ズル毎の使用頻度の最大差はさらに広がることになって
しまう。
【0056】しかしながら、図8に示したような本発明
本実施例の階調パターンを用いた場合、上記説明と同様
に間引きパターンによって各ノズルに対する打ち込み数
に片寄りができてしまうものの、ドット集中型の階調パ
ターンでありながら本来の使用頻度の最大差が小さいた
めに影響は小さくなる。
【0057】図8に示す階調パターンは、8×16のド
ットからなり128階調を表現するものである。図8の
階調パターンは、図25に示すように8×8の階調パタ
ーン8A,8A’の2ブロックからなる。また、ここ
で、ブロック8A’は、上下に2分割されるブロック8
B,8Cから形成されている。
【0058】ここで、図8および図26を参照してみる
と、ブロック8B,8Cからなるブロック8A’は、ブ
ロックAを上下に2分割した個々のブロックを上下入替
えたものであることがわかる。
【0059】このことから、図25に示した各ブロック
階調パターンにおいてドットが集中する位置が、図17
にて示したマルチノズル602の配列方向において分散
する。このことにより、マルチノズル602の使用頻度
が均一化され、また、階調の連続性を高めることができ
る。
【0060】また、ドット集中型の階調パターンである
ため、紙送り方向に1/2画素ドットがズレて印字が行
われた場合において、図9に示すようにドットが集中す
る部分が上下に少し延びた形になるものの、正確なドッ
トを形成したときに比べて画像にそれほど悪い影響は与
えない。そのためマルチパス印字を行う場合、本体のメ
カ精度を含む記録精度に起因するレジストレーションの
ズレ、およびノズル使用頻度の差に起因する吐出量変動
などを抑えることができ、画像上のムラの発生を抑制す
ることができる。
【0061】(第3実施例)次に、本発明の第3実施例
について詳細に説明する。
【0062】図16に示したようなシリアルタイプの記
録装置において、記録ヘッドを搭載したキャリッジを往
復走査し、往復走査中に記録を行う両方向印字を行う場
合、紙面とヘッドフェイス面との距離、記録ヘッドの吐
出スピードのムラ、キャリッジ移動スピードのムラなど
のさまざまな原因により、往路と復路でのドット着弾位
置のズレの方向が反対となるため生じるレジストレーシ
ョンのズレが大きくなる。
【0063】また、往復走査による記録のズレの発生要
因は、常にその値がキャリッジの進行方向に対して一定
でないため、両方向印字時の吐出タイミングを制御する
ことは困難である。さらに記録装置における記録ヘッド
と紙面上との距離は装置個々にばらつきが大きい場合も
あり、吐出タイミングを調整することにより往復それじ
れの走査でドットの着弾位置を制御することは困難であ
る。
【0064】このような要因により、往復印字の際には
着弾位置精度が悪くなるため、分散型の階調パターンで
はよりいっそう画像上のムラが現れやすくなってしま
う。
【0065】また、ノズル使用頻度においても、前述の
第1、第2実施例と同様に、ドット集中型の階調パター
ンを用いて階調表現を行う場合、マルチノズルのノズル
数が階調パターンの縦方向のマトリクスサイズの倍数で
あると階調パターンとノズルが同期してしまい、ノズル
毎に使用頻度の差が大きくなる。これにより、着弾位置
精度がノズルの経時変化によりさらに顕著になって記録
画像上に現れてくる。
【0066】また、図2(a)に示したドット分散型の
階調パターンを用いて、50%デューティの画像を、図
11に示す間引きマスクパターンに従って1stパスで
往方向行、2ndパスで復方向を印字した場合、図12
に示すように紙送り方向および主走査方向に1/2ドッ
トサイズ分のドット位置ズレが生じて印字が行われる
と、画像上に印字されない部分が集中するため、正確な
位置へドットを形成したときに比較して、画像が劣化が
顕著に現れてしまう。
【0067】これに対し、図10に示したドット集中型
の階調パターンで同様の印字を行った場合には、図13
に示すように、ドットが集中する領域が少し移動したよ
うな記録結果となり、印字されない部分が変形するもの
の、画像品位の低下を抑えることができる。
【0068】図10に示す階調パターンは、図8に示し
た階調パターン同様に8×16のドットからなり128
階調を表現するものである。この階調パターンは、図2
7に示すように、10A,10B,10C,10Dの4
種類のブロックから形成されている。8×8のドットで
形成されるブロック27Aにおいて、ブロック10Dお
よび10D’は、図25の説明において前述したよう
に、ブロック10Dの下部と10D’の上部を連続させ
ることで他のブロック同様の階調パターンを形成してい
る。また、ブロック27A’内のブロック10Cおよび
10C’についても同様であり、以降、上下に分割され
たブロックをまとめて、ブロック10C、10Dと呼ぶ
こととする。
【0069】10A,10B,10C,10Dの4種類
のブロックそれぞれは、4×4の16階調を表現できる
階調パターンからなり、10A,10B,10C,10
Dの4ブロックで形成される8×8のドットからなるブ
ロック27A、27A’それぞれが64階調の表現が可
能である。ここで、図10に示した階調パターンは、図
27に示すように、ブロック10Aと10B、ブロック
10Cと10Dを入替えた2つのパターンを組み合わせ
ることにより8×16のドットで128階調の表現を行
っている。各ブロックの階調パターンを図28に示す。
【0070】図28は、ブロック10A,10B,10
C,10D内の階調パターンを示している。各ブロック
内は、図28に示すように、集中型の階調パターンであ
る。図10に示す階調パターンは、入力された画素デー
タの値が増加するに従い、ブロック10A,10C,1
0B,10Dの順に各ブロック内の記録が成されるドッ
トが増加していき、ブロック10A,10B,10C,
10Dが組合わせられたブロック27Aにより64階調
を表現する。また、ブロック27A同様のサイズで、形
成するブロック10A,10B,10C,10Dの位置
を異ならせたブロック27A’と合わせることにより1
28階調の表現が行える。
【0071】図29は、図10に示す階調パターンで記
録を行ったときの記録結果における各ブロックの位置関
係を模式的に示したものである。ここで、前述の如く、
図27において、ブロック10Cの上下に隣接していた
ブロック10D,10D’および、ブロック10Dに隣
接していたブロック10C,10C’はそれぞれ記録結
果においては隣接して一つのブロックを形成し、各ブロ
ックが前述の図17におけるマルチノズル602の配列
方向にずれて配置されていることがわかる。
【0072】このことから、図10に示す階調パターン
によれば、図27に示した各ブロック階調パターンにお
いてドットが集中する位置が、図17にて示したマルチ
ノズル602の配列方向において分散するため、マルチ
ノズル602の使用頻度が均一化され、また、階調の連
続性を高めることができる。
【0073】また、図27に示した例では、ブロック1
0A,10Bの列と、ブロック10C,10Dの列を、
それぞれの階調パターンの中心位置をIドット分、ある
いは3ドット分ずらした配置となっていたが、本発明は
これに限らず、図30に示すように、ブロック10A,
10Bの隣接する位置が、ブロック10Cまたは10D
の中心にくるよう配置してもよい。
【0074】上述したように、図10に示した階調パタ
ーンを用いて階調表現を行った場合、ドット集中型の階
調パターンでありながらノズル間の使用頻度の差が階調
パターンで決められた範囲内では常に1以下であるた
め、ノズル使用頻度の差に起因する吐出量変動などをさ
らに抑えることができ、画像上のムラの発生を抑制する
ことができる。
【0075】(その他の実施例)以上説明した各実施例
では、インクジェット記録装置の構成を例に説明した
が、本発明はこれに限らず、サーマル記録方式、感熱記
録方式、その他マルチヘッド化が可能な各種記録方式に
適用できるものである。
【0076】本発明は、特にインクジェット記録方式の
中でも熱エネルギーを利用して飛翔的液的を形成し、記
録を行うインクジェット方式の記録ヘッドを用いた記録
装置において優れた効果をもたらすものである。
【0077】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型、
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一体一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成出来るので有効である。この気泡の成
長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書、同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、更に優れた記録を行うことが出
来る。
【0078】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組合わせ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書、米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0079】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0080】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0081】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0082】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、記録色や濃度を異にする複数のインク
に対応して2個以上の個数設けられるものであってもよ
い。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるかい
ずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色に
よるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備え
た装置にも本発明は極めて有効である。
【0083】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付加時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0084】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0085】
【発明の効果】インクジェット記録装置において、マル
チパスや往復印字などを行う場合に特に問題となる記録
ヘッドや記録装置本体のメカ精度により生じるレジスト
レーションのズレを吸収しやすく、階調特性においても
有利であるドット集中型の階調パターンを使用しながら
ドット集中型の階調パターンの欠点であるノズルの使用
頻度の差を減少させることができた。これによりインク
ジェット記録装置特有のノズルの経時的なばらつきを小
さくすることができ画像上でのムラが低減され、さらに
は記録ヘッドの寿命を延ばすことができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の制限を満たす階調パターンの例とその
階調特性を示す図である。
【図2】ドット分散型(a)とドット集中型(b)の代
表的な階調パターンを示す図である。
【図3】代表的な階調パターンのインクジェット記録装
置での階調特性を示す図である。
【図4】階調パターンとノズルが同期した場合の印字状
態を示す図である。
【図5】ドット分散型に対するドット着弾位置のズレに
よる影響を表した図である。
【図6】ドット集中型に対するドット着弾位置のズレに
よる影響を表した図である。
【図7】2パス印字を行ったときの印字状態を示す図で
ある。
【図8】本発明の制限を満たすドット集中型の階調パタ
ーンを示す図である。
【図9】図8の階調パターンに対するドット着弾位置の
ズレによる影響を表した図である。
【図10】本発明の制限を満たすドット集中型の階調パ
ターンを示す図である。
【図11】間引きのマスクパターンを示す図である。
【図12】ドット分散型に対するドット着弾位置のズレ
による影響を表した図である。
【図13】図10の制限を満たすドット集中型の階調パ
ターンを示す図である。
【図14】ノズル毎の使用頻度を表す表を示す図であ
る。
【図15】ノズル毎の使用頻度を表す表を示す図であ
る。
【図16】本発明に適用可能なインクジェットプリンタ
の記録部を示す斜視図である。
【図17】マルチヘッドの詳細を示す図である。
【図18】マルチヘッドの印字例を示す図である。
【図19】マルチヘッドの印字例を示す図である。
【図20】マルチパス印字を説明するための図である。
【図21】マルチパス印字を説明するための図である。
【図22】図1に示した階調パターンの詳細を示す図で
ある。
【図23】図1に示した階調パターン内の各ブロックの
パターンを示す図である。
【図24】記録画像中の各ブロック位置関係を示す図で
ある。
【図25】図8に示した階調パターンの詳細を示す図で
ある。
【図26】図8に示した階調パターン内の各ブロックの
パターンを示す図である。
【図27】図10に示した階調パターン内の各ブロック
の配置を示す図である。
【図28】図10に示した階調パターン内の各ブロック
の階調パターンを示す図である。
【図29】記録画像中の各ブロック位置関係を示す図で
ある。
【図30】図10に示した階調パターン内の各ブロック
の配置の他の例を示す図である。
【符号の説明】
501 インクカートリッジ 502 マルチヘッド 503 紙送りローラ 505 給紙ローラ 507 印字紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋山 勇治 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 田鹿 博司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の記録素子を備えた記録ヘッドによ
    り記録を行う記録装置において、 前記記録ヘッドの各記録素子により形成する複数の記録
    ドットにより1画素を形成し、1画素内の記録ドット数
    により階調記録を行う階調制御手段と、 前記1画素内の各階調に応じて設定される階調パターン
    とを有し、 前記階調パターンで決められた範囲内での前記各記録素
    子毎の使用回数の最大差が2回以内であることを特徴と
    する記録装置。
  2. 【請求項2】 前記階調パターンで決められた範囲内に
    おける記録素子に対しn回の使用を行う場合には、前記
    階調パターン内の全ノズルの50%がn−1回以上使用
    した場合に限ることを特徴とする請求項1に記載の記録
    装置。
  3. 【請求項3】 前記階調パターンがドット集中型である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
  4. 【請求項4】 前記記録ヘッドは、前記記録素子の駆動
    によりインクを吐出して記録を行うインクジェット記録
    ヘッドであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれ
    かに記載の記録装置。
  5. 【請求項5】 前記記録素子はインクに熱エネルギーを
    付与する熱エネルギー発生手段であって、前記記録ヘッ
    ドは、熱エネルギーによってインクに熱による状態変化
    を生起させ、該状態変化に基づいてインクを吐出させる
    ことを特徴とする請求項4に記載の記録装置。
  6. 【請求項6】 複数の記録素子を備えた記録ヘッドによ
    り記録を行い、各記録素子により形成する複数のドット
    により階調パターンに応じて階調記録を行う記録方法に
    おいて、 前記階調パターンで決められた範囲内での前記各記録素
    子毎の使用回数の最大差が2回以内であることを特徴と
    する記録方法。
  7. 【請求項7】 前記階調パターンで決められた範囲内に
    おける記録素子に対しn回の使用を行う場合には、前記
    階調パターン内の全記録素子の50%がn−1回以上使
    用した場合に限ることを特徴とする請求項5に記載の記
    録方法。
  8. 【請求項8】 前記階調パターンがドット集中型である
    ことを特徴とする請求項6または7に記載の記録方法。
  9. 【請求項9】 前記記録ヘッドは、前記記録素子の駆動
    によりインクを吐出して記録を行うインクジェット記録
    ヘッドであることを特徴とする請求項6乃至8のいずれ
    かに記載の記録方法。
  10. 【請求項10】 前記記録ヘッドは、熱エネルギーによ
    ってインクに熱による状態変化を生起させ、該状態変化
    に基づいてインクを吐出させることを特徴とする請求項
    9に記載の記録方法。
  11. 【請求項11】 記録媒体上に記録を行う記録素子を複
    数配列してなる記録ヘッドと、 前記記録ヘッドの各記録素子により形成する複数の記録
    ドットにより1画素を形成し、1画素内の記録ドット数
    を所定の階調パターンに応じて制御することにより階調
    記録を行う階調制御手段と、を備える記録装置におい
    て、 前記所定の階調パターンは、前記1画素の大きさより面
    積が小さいブロックであって、前記1画素内に記録され
    るドット数が増加するにつれて前記ブロック内に記録さ
    れるドットが前記ブロックのほぼ中心から増加してゆく
    ブロックを複数配列してなるとともに、前記1画素内に
    記録されるドット数が増加するにつれ、前記複数のブロ
    ックの所定の順に、前記ブロック内に記録されるドット
    数が所定量ずつ増加してゆく階調パターンであることを
    特徴とする記録装置。
  12. 【請求項12】 前記記録ヘッドは、前記記録素子の駆
    動によりインクを吐出して記録を行うインクジェット記
    録ヘッドであることを特徴とする請求項6乃至11のい
    ずれかに記載の記録装置。
  13. 【請求項13】 前記記録ヘッドは、熱エネルギーによ
    ってインクに熱による状態変化を生起させ、該状態変化
    に基づいてインクを吐出させることを特徴とする請求項
    11に記載の記録装置。
  14. 【請求項14】 記録媒体上に記録を行う記録素子を複
    数配列してなる記録ヘッドを用い、前記記録ヘッドの各
    記録素子により形成する複数の記録ドットにより1画素
    を形成するとともに1画素内の記録ドット数を制御する
    ことにより階調記録を行う階調制御手段と、を備える記
    録装置により階調記録を行うための階調パターンにおい
    て、 前記1画素の大きさより面積が小さいブロックであっ
    て、前記1画素内に記録されるドット数が増加するにつ
    れて前記ブロック内に記録されるドットが前記ブロック
    のほぼ中心から増加してゆくブロックを複数配列してな
    るとともに、前記1画素内に記録されるドット数が増加
    するにつれ、前記複数のブロックの所定の順に、前記ブ
    ロック内に記録されるドット数が所定量ずつ増加してゆ
    くことを特徴とする階調パターン。
  15. 【請求項15】 記録媒体上に記録を行う記録素子を複
    数配列してなる記録ヘッドを用い、前記記録ヘッドの各
    記録素子により形成する複数の記録ドットにより1画素
    を形成するとともに1画素内の記録ドット数を制御する
    ことにより階調記録を行う階調制御手段と、を備える記
    録装置により階調記録を行うための記録方法において、 前記1画素の大きさより面積が小さいブロックであっ
    て、前記1画素内に記録されるドット数が増加するにつ
    れて前記ブロック内に記録されるドットが前記ブロック
    のほぼ中心から増加してゆくブロックを複数配列してな
    るとともに、前記1画素内に記録されるドット数が増加
    するにつれ、前記複数のブロックの所定の順に、前記ブ
    ロック内に記録されるドット数が所定量ずつ増加してゆ
    くことを特徴とする階調パターンにより、記録を行うこ
    とを特徴とする記録方法。
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