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JPH07162383A - Fmステレオ放送装置 - Google Patents

Fmステレオ放送装置

Info

Publication number
JPH07162383A
JPH07162383A JP5306563A JP30656393A JPH07162383A JP H07162383 A JPH07162383 A JP H07162383A JP 5306563 A JP5306563 A JP 5306563A JP 30656393 A JP30656393 A JP 30656393A JP H07162383 A JPH07162383 A JP H07162383A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
frequency
signal
circuit
sampling
audio signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5306563A
Other languages
English (en)
Inventor
Ikushi Fujitani
育司 藤谷
Toshiaki Naruo
利秋 成尾
Kazuhisa Haeiwa
量久 生岩
Yoshihiko Nasu
嘉彦 那須
Makoto Onishi
誠 大西
Masaaki Ota
正明 太田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Denshi KK
Japan Broadcasting Corp
Original Assignee
Hitachi Denshi KK
Nippon Hoso Kyokai NHK
Japan Broadcasting Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Denshi KK, Nippon Hoso Kyokai NHK, Japan Broadcasting Corp filed Critical Hitachi Denshi KK
Priority to JP5306563A priority Critical patent/JPH07162383A/ja
Priority to EP94309065A priority patent/EP0658017A1/en
Priority to US08/353,981 priority patent/US5682431A/en
Publication of JPH07162383A publication Critical patent/JPH07162383A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04HBROADCAST COMMUNICATION
    • H04H20/00Arrangements for broadcast or for distribution combined with broadcast
    • H04H20/44Arrangements characterised by circuits or components specially adapted for broadcast
    • H04H20/46Arrangements characterised by circuits or components specially adapted for broadcast specially adapted for broadcast systems covered by groups H04H20/53-H04H20/95
    • H04H20/47Arrangements characterised by circuits or components specially adapted for broadcast specially adapted for broadcast systems covered by groups H04H20/53-H04H20/95 specially adapted for stereophonic broadcast systems
    • H04H20/48Arrangements characterised by circuits or components specially adapted for broadcast specially adapted for broadcast systems covered by groups H04H20/53-H04H20/95 specially adapted for stereophonic broadcast systems for FM stereophonic broadcast systems
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B1/00Details of transmission systems, not covered by a single one of groups H04B3/00 - H04B13/00; Details of transmission systems not characterised by the medium used for transmission
    • H04B1/02Transmitters
    • H04B1/04Circuits
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02DCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGIES [ICT], I.E. INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGIES AIMING AT THE REDUCTION OF THEIR OWN ENERGY USE
    • Y02D30/00Reducing energy consumption in communication networks
    • Y02D30/70Reducing energy consumption in communication networks in wireless communication networks

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Stereo-Broadcasting Methods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】ステレオディジタル音声信号を入力とする入力
回路から周波数変調回路までをディジタル信号処理によ
り構成し、回路の高性能化を図ると共に、信号処理量が
少なく、かつ動作標本化周波数をさほど高くしなくて済
む回路構成のFMステレオ放送装置を提供する。 【構成】入力回路で分離されたL信号およびR信号から
複合音声信号を生成し、動作標本化周波数を副搬送波周
波数の2のN乗倍に設定した複合音声信号生成回路、デ
ィジタル補間器によって動作標本化周波数の変換をした
複合音声信号を変調信号とし、搬送波周波数と動作標本
化周波数の比を1/2より大きい値として動作標本化周
波数を低く抑えた周波数変調回路、DA変換器と帯域フ
ィルタ、周波数変換回路と高周波電力増幅器からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディジタル処理による
周波数変調回路を持つFM通信装置および放送装置、特
に信号処理をディジタル処理とし、動作特性の安定化、
装置の小型化、低消費電力化を図ったFMステレオ放送
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、周波数変調(FM)方式
は、振幅変調(AM)方式に比べて伝送品質が良いこと
が知られており、ステレオ音声放送や、無線回線、衛星
回線を用いた通信等に広く利用されている。この周波数
変調は、音声信号等の変調信号の瞬時振幅で被変調信号
である搬送波信号の瞬時周波数を変調するもので、搬送
波信号を y(t)=cos(ωct+φ(t))=c
os(Φ(t))、変調信号を x(t)とすると、瞬
時周波数は、下記式(1)で表される。 dΦ(t)/dt=ωc+p・x(t) ・・・・(1) ωc:搬送波角周波数 p :最大周波数偏移 式(1)を積分して搬送波瞬時位相は、 Φ(t)=ωct+φ0 +p・∫x(t)dt ・・・・(2) となるから、周波数変調波信号は、下記式(3)で表さ
れる。 y(t)=cos(ωct+φ0 +p・∫x(t)dt) ・・・・(3) φ0 :初期位相
【0003】周波数変調を実現するための回路技術は、
従来はアナログ回路技術で実現されていたわけである
が、近年のディジタル信号処理技術の進展、IC技術の
発達により、周波数変調もディジタル回路技術で行われ
るようになった。ディジタル回路技術で処理する場合は
式(3)を離散形式で表して、下記式(4)とする。 yn =cos(nωcT+φ0 +p・Σxn ) ・・・・(4) yn ,xn :標本化された出力、入力信号系列値 T :標本化周期
【0004】式(4)を回路素子で実現すると図5に示
す回路となる。図5において、51は係数掛算器、56
はDDS(Direct Digital Synthesizer)回路、52お
よび53は加算器、54は遅延素子、55は余弦関数値
を記憶している記憶メモリROMである。動作を説明す
ると、入力信号xn は、係数掛算器51で係数(最大周
波数偏移)pを掛算し、DDS回路56へ出力する。D
DS回路56は、ディジタル回路で係数掛算器51から
の入力信号に加算器52で搬送角周波数ωcの標本化周
期T倍のωcTを加算する。つぎに、加算器52の出力
を、加算器53と遅延素子54からなる累算器に入力し
て積分する。また遅延素子54には初期位相値φ0が初
期値として与えられる。このようにして累算器出力には
式(4)の瞬時位相nωcT+φ0 +p・Σxn が得ら
れ、ROM55へ出力される。ROM55には入力の余
弦(cos)関数値が記憶されているので、ROM55
の出力に式(4)の周波数変調信号ynが得られる。な
お、ディジタル信号処理技術により周波数変調を行う公
知技術例として、特開平2−266705号公報、特開
平3−60502号公報等がある。
【0005】つぎに、日本において採用されている、F
Mステレオ放送のための複合音声信号生成方式である搬
送波抑圧AM−FM方式を説明する。この方式は、図6
に示すように、入力音声信号のL(左)信号とR(右)
信号からL+R信号とL−R信号とを発生させ、L+R
信号を主信号として、これに38kHzの副搬送波信号
をL−R信号で搬送波抑圧AM変調した副信号と、19
kHzのパイロット信号(受信機側で38kHz副搬送
波信号の再生に用いる)とを多重して複合音声信号とす
るものである。最終的には、この複合音声信号で送信搬
送波にFM変調を行い送信をする。こうして在来FM放
送と両立性(すなわち、従来のモノラルFM受信機でも
ステレオではないがFM放送が聞ける)のあるステレオ
FM放送が実現できる。なお、前記のように左右2チャ
ネルの音声信号やパイロット信号を多重して複合音声信
号を得るためには、複合音声信号生成回路を必要とす
る。
【0006】図7に複合音声信号生成回路の従来例を示
す。図7において、71および72は低域通過フィル
タ、73は加算器、74は減算器、75は平衡変調器、
76は加算器、77は副搬送波信号発生器、78は1/
2分周器である。動作を説明すると、2系統の音声入力
LおよびR信号は、低域通過フィルタ71および72に
より帯域制限をされる。低域通過フィルタ71および7
2はプリエンファシスの機能も併せ持っており、FM変
調に伴い雑音の高周波信号成分が強調され、高域でS/
Nが劣化するのを防ぐ目的で、音声信号の高域成分をあ
らかじめ強調する。
【0007】低域通過フィルタ71および72から出力
されたLおよびR音声信号は、加算器73および減算器
74からなるマトリクス回路でL+R信号、L−R信号
に変換される。L+R信号は加算器76へ出力され、L
−R信号は38kHzの副搬送波信号を搬送波抑圧AM
変調するため平衡変調器75へ出力され、平衡変調器7
5で副搬送波信号発生器77から出力される38kHz
の副搬送波信号を平衡変調して、副信号となる。 一
方、副搬送波信号は、1/2分周器78で周波数を1/
2とし、19kHzのパイロット信号となる。前記L+
R主信号と、L−R副信号と、パイロット信号とを加算
器76で加算し、複合音声信号が生成される。複合音声
信号生成装置に関する公知技術例としては特開平1−2
91536号公報、特開平2−189038号公報等が
ある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来技術によれば、F
Mステレオ放送装置を構成する周波数変調器は、上記式
(3)をアナログ回路で実現する場合高精度の積分器と
安定な電圧制御発振器が必要であるが、これらをアナロ
グ回路で実現するのは難しく、温度、電圧、経年変動な
どの物理的変動要因の影響を避けるため、高度な回路技
術が要求される。また、複合音声信号生成回路は、マト
リクス回路の精度を高くすることや、プリエンファシス
回路の周波数特性偏差を小さくすることは、アナログ回
路では困難が多い。これらはディジタル回路で極く容易
に実現することができるが、他方ディジタル処理では標
本化が必須であるため、広い周波数帯域を確保すること
や、高い搬送波周波数の信号を扱うことが困難であっ
た。特にディジタル回路の場合は、動作標本化周波数が
高くなると、最終的に周波数変換および高周波電力増幅
を行うためにアナログ信号に変換するDA変換器の標本
化周波数が高くなり、ビット数の大きい高精度なDA変
換の実現が困難となる。
【0009】通常DA変換器を用いる場合、標本化周波
数を、標本化する信号の最高周波数の2倍以上に選ぶ
(ナイキストの条件)ことが通常行われており、標本化
周波数の1/2(ナイキスト周波数)以上の周波数成分
を有する信号は折り返し成分として除去していた。DA
変換の場合には、0〜ナイキスト周波数までの信号成分
が高周波側に折り返し、高調波成分が表われる。そこで
高調波成分を除去するためにアナログの低域通過フィル
タが必要となる。また、ナイキスト周波数よりも高い周
波数の信号をDA変換する場合、低域側に折り返し成分
が現れ、これを除去するためにアナログの帯域通過フィ
ルタが必要となり、低域通過フィルタの場合よりも構成
が難しくなるからである。また、アパーチャ効果によ
り、高周波信号になるほど振幅が低下するので、増幅器
で利得を得る必要があり、さらには広帯域信号の場合に
は、周波数特性の補正が必要となる等の問題がある。こ
れらもDA変換器で高い周波数の信号を扱う困難さを助
長している一要因である。
【0010】また周波数変調器と、これに接続する複合
音声信号生成回路の標本化周波数の変換比が大きくなる
ので、標本化周波数の変換のために複雑な回路が必要と
なる問題点があった。さらに最近、音声信号処理のディ
ジタル化に伴い、複合音声信号生成回路の入力信号とし
て、ディジタル音声信号を用いるようになっているが、
これらの信号の標本化周波数も簡単な整数比でないの
で、同様の問題が生じている。本発明の目的は、ディジ
タル信号処理を用いたFMステレオ放送装置において、
前記諸問題点を解決することのできる回路構成を提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のFMステレオ放送装置は、L(左音声)信
号およびR(右音声)信号の2系統の音声信号とパイロ
ット信号とから複合音声信号を発生する複合音声信号生
成回路と、該複合音声信号により搬送波信号の周波数
(fc)を変調する周波数変調回路とを有するFMステ
レオ放送装置において、前記複合音声信号生成回路の動
作標本化周波数(fs2 )を副搬送波信号周波数(f
SUB )の2のN乗倍(N=1,2・・・)の周波数とす
るとともに、前記複合音声信号生成回路の入力信号の標
本化周波数を副搬送波信号周波数(fSUB )と同一か、
あるいは前記動作標本化周波数(fs2 )と同一の周波
数とし、該複合音声信号生成回路の出力信号の標本化周
波数をディジタル補間器からなる標本化周波数変換回路
により前記周波数変調回路の動作標本化周波数(f
5)に変換してから該出力信号を該周波数変調回路に
入力し、周波数変調を行うようにしたものである。
【0012】また、FMステレオ放送装置は、周波数変
調回路が、入力される変調信号に、搬送波周波数(f
c)と周波数変調回路の動作標本化周波数(fs5 )の
比m=fc/fs5 に等しい一定値信号を加算した信号
を積算器で積算し、該積算結果の正弦あるいは余弦をと
ることにより、周波数変調波信号を得るように構成した
ものである。また、FMステレオ放送装置は、搬送波周
波数(fc)と周波数変調回路の動作標本化周波数(f
5 )の比mの値を、m≧1/2とするようにしたもの
である。
【0013】また、FMステレオ放送装置は、周波数変
調回路から出力される周波数変調波信号を低域通過フィ
ルタを介してDA変換器に入力させることにより、ディ
ジタル信号をアナログ信号に変換するDA変換器のアパ
ーチャ効果による周波数特性の変形を低域通過フィルタ
によって予め補正しておくようにしたものである。ま
た、FMステレオ放送装置は、複合音声信号生成回路
が、副搬送波信号周波数(fSUB )の2倍の標本化周波
数で標本化された音声信号の極性を1/fSUBの周期で
反転することにより、標本化された音声信号を平衡変調
する回路を備えたものである。
【0014】また、FMステレオ放送装置は、標本化周
波数(fs1 )のステレオディジタル音声信号を入力と
する入力回路を備え、該入力回路においてステレオディ
ジタル音声信号をL音声信号およびR音声信号の2系統
に分離し、該L音声信号およびR音声信号の標本化周波
数を標本化周波数変換回路を用いて、副搬送波信号周波
数(fSUB )と同一か、複合音声信号生成回路の動作標
本化周波数(fs2 )と同一の周波数に変換してから、
複合音声信号生成回路に入力するようにしたものであ
る。
【0015】また、FMステレオ放送装置は、標本化周
波数変換回路が、第一の標本化周波数の標本化パルス信
号によって周期的に初期設定される計時装置により第二
の標本化周波数の標本化パルスの時刻を計測し、該第二
の標本化周波数の標本化パルスの時刻によって定まるフ
ィルタ係数を持つ時変係数フィルタを用いて、前記第一
の標本化周波数の標本化パルス信号の周期で標本化され
た入力信号系列を、第二の標本化周期で標本化し直した
出力信号系列に変換するものである。
【0016】また、周波数変調回路は、標本化された変
調信号により搬送波信号の周波数を変調する周波数変調
回路において、入力される変調信号に、搬送周波数(f
c)と周波数変調回路の動作標本化周波数(fs)の比
m=fc/fsをm≧1/2とした一定値信号を加算し
た信号を積算器で積算し、該積算結果の正弦あるいは余
弦をとることにより、周波数変調波信号を得るようにし
たものである。
【0017】
【作用】本発明の作用について説明すると、本発明のF
Mステレオ放送装置は、複合音声信号生成回路の動作標
本化周波数(fs2 )を副搬送波信号周波数(fSUB
の2のN乗倍の周波数とし、該複合音声信号生成回路の
出力信号の標本化周波数をディジタル補間器からなる標
本化周波数変換回路により前記周波数変調回路の動作標
本化周波数(fs5 )に変換してから該出力信号を該周
波数変調回路に入力し、周波数変調を行う。また、FM
ステレオ放送装置は、周波数変調回路が、入力される変
調信号に、搬送波周波数(fc)と周波数変調回路の動
作標本化周波数(fs5 )の比m=fc/fs5 に等し
い一定値信号を加算した信号を積算器で積算し、該積算
結果の正弦あるいは余弦をとることにより、周波数変調
波信号を得る。さらには、搬送波周波数(fc)と周波
数変調回路の動作標本化周波数(fs5 )の比mの値
を、m≧1/2とするようにして周波数変調波信号を得
る。
【0018】また、FMステレオ放送装置は、周波数変
調回路から出力される周波数変調波信号を低域通過フィ
ルタを介してDA変換器に入力させることにより、ディ
ジタル信号をアナログ信号に変換するDA変換器のアパ
ーチャ効果による周波数特性の変形を低域通過フィルタ
によって予め補正する。また、FMステレオ放送装置
は、複合音声信号生成回路が、副搬送波信号周波数(f
SUB )の2倍の標本化周波数で標本化された音声信号の
極性を1/fSUBの周期で反転することにより、標本化
された音声信号を平衡変調する。
【0019】また、FMステレオ放送装置は、標本化周
波数(fs1 )のステレオディジタル音声信号を入力と
する入力回路を備え、該入力回路においてステレオディ
ジタル音声信号をL音声信号およびR音声信号の2系統
に分離し、該L音声信号およびR音声信号の標本化周波
数を標本化周波数変換回路を用いて、副搬送波信号周波
数(fSUB )と同一か、複合音声信号生成回路の動作標
本化周波数(fs2 )と同一の周波数に変換してから、
複合音声信号生成回路に入力する。また、FMステレオ
放送装置は、標本化周波数変換回路が、第一の標本化周
波数の標本化パルス信号によって周期的に初期設定され
る計時装置により第二の標本化周波数の標本化パルスの
時刻を計測し、該第二の標本化周波数の標本化パルスの
時刻によって定まるフィルタ係数を持つ時変係数フィル
タを用いて、前記第一の標本化周波数の標本化パルス信
号の周期で標本化された入力信号系列を、第二の標本化
周期で標本化し直した出力信号系列に変換する。
【0020】また、周波数変調回路は、標本化された変
調信号により搬送波信号の周波数を変調する周波数変調
回路において、入力される変調信号に、搬送周波数(f
c)と周波数変調回路の動作標本化周波数(fs)の比
m=fc/fsをm≧1/2とした一定値信号を加算し
た信号を積算器で積算し、該積算結果の正弦あるいは余
弦をとることにより、周波数変調波信号を得る。
【0021】
【実施例】実施例の説明に入るまえに、本発明にかかる
基本事項を説明する。周波数変調回路においては、上記
ωcT(=2πfc/fs=2πm、すなわち搬送波周
波数と動作標本化周波数の比(m)の2π倍)の値を2
π・(1/2)より大きい値(m≧1/2)に設定す
る。このように設定することにより、搬送周波数に対し
て動作標本化周波数をさほど大きくしないで済むので、
周波数変調回路の実現が容易になり、またDA変換器の
標本化周波数も低くて済み、変調出力回路との接続が容
易になる。ωcT≧0.5・(2π)のように設定する
ことは、上記「発明を解決しようとする課題」の項で述
べたDA変換器の事項と矛盾するようであるが、FM変
調波信号の搬送波周波数を高く設定し、狭帯域信号とす
ることにより解決することができる。
【0022】放送用のFM変調波では、75kHzの周
波数偏移を行っており、したがって変調波の周波数帯域
幅は150kHz程度となる。ここで、例えば搬送周波
数を10MHzとすると、FM変調波信号の比帯域は
1.5%となり、この程度の値であれば、アナログ帯域
通過フィルタを構成したり、アパーチャ補正を施すこと
は極く簡単に実現できる。前述したようにm≧1/2と
すると、搬送波周波数に対して動作標本化周波数をさほ
ど大きくしなくても済むので、周波数変調回路の実現が
容易になり、また、変調出力回路との接続も容易にな
る。
【0023】つぎに、複合音声生成回路においては、動
作標本化周波数を副搬送波周波数38kHzの2のN乗
倍に選ぶと都合が良い。そして、平衡変調器、副搬送波
信号発生器等の簡単化のため、ディジタル信号の標本化
による高調波を利用する。さらに、ディジタル音声入力
信号を入力とする入力回路と複合音声信号生成回路との
接続、複合音声信号生成回路と周波数変調回路との接続
を容易にするため、各々の回路の間でディジタル的に標
本化周波数の変換を行う。
【0024】具体的に図面を用いて本発明の動作原理を
説明する。図8は、周波数変調回路においてωcT=
0.25・(2π)とした場合の動作波形図である。以
後の説明では定数2πを省略する。図5の累算器の入力
(A点)に、図8(a)に示すように0.25という一
定値を加える。これを累算器で積算すると、一周期T毎
に0.25ずつ増加するので、傾き0.25の傾斜波形
となるが、1でオーバーフローして0に戻るので、累算
器出力には図8(b)に示すように、0、0.25、
0.5、0.75、1(0)、…なる4T周期で繰り返
す鋸歯状波形が得られる。
【0025】累算器出力はROMの入力であるから、あ
らかじめROMに正弦波形データを書き込んでおけば、
ROM出力として、図8(c)に示すように4T周期の
正弦波形が得られる。この正弦波形は周波数1/4T=
fs/4の正弦波であり、累算器に与える定数ωcTが
出力正弦波の周波数と標本化周波数の比を与えているこ
とが分かる。つぎに、定数ωcT=0.75を与えたと
きの動作を図9に示す。この場合には累算器出力は傾き
0.75の直線になるので、図9(b)の点線で示すよ
うな周期4T/3の鋸歯状波形となり、ROM出力の図
9(c)に示す正弦波の周波数は0.75・fsとなる
ことが分かる。
【0026】ところで、ディジタル信号処理では標本化
された信号により、折り返し現象が起こる。定数ωcT
を1/2より大きくすると、出力正弦波の周波数はナイ
キスト周波数fs/2よりも高くなるが、折り返し成分
が低周波側に現れ、単一正弦波の場合には元信号と折り
返し成分とは区別がつかない。図9(c)に示した0.
75fsの出力正弦波をfsで標本化した信号(図9
(c)ROM出力の白丸)は、図8(c)に示したRO
M出力と全く同じ(図9(c)ROM出力の破線)もの
である。この折り返し現象は図8の場合にも起こってい
るので、定数ωcTを変えても区別できないように考え
られるが、単一正弦波でない場合には区別することがで
きる。
【0027】これを図10のスペクトル図で説明する。
ROM出力の中心周波数(搬送波周波数)をfcとす
る。図10(a)に示すωcT=0.25の場合、標本
化周波数はfs1 =4fcで、折り返し信号はfs1
fc=3fcに現れる。単一正弦波(無変調波)の場合
にはROM出力だけでは、どちらが正しい出力か判断で
きないが、図の実線(周波数fc部分)で示したような
変調信号が加えられている場合には、折り返し信号3f
cの変調成分は、点線(周波数3fc部分)で示したよ
うにスペクトルが大小反転しているので区別することが
できる。
【0028】同様に図10(b)に示すωcT=0.7
5の場合には、周波数fc/3の折り返し成分のスペク
トルが反転している。いずれの場合もDA変換器でアナ
ログ信号に変換した後に、図10(c)に示すアナログ
帯域通過フィルタ(BPF)で、中心周波数fcの変調
波信号を取り出せば、正しい周波数変調波信号を取り出
すことができる。ここで、図10(a)と図10(b)
の場合の動作標本化周波数を比較してみると、ωcT=
0.25の場合はfs1 =4fc、ωcT=0.75の
場合はfs2 =4fc/3で、図10(b)に示すωc
T=0.75の方が、動作標本化周波数が1/3に下が
っていることが分かる。ディジタル回路の動作標本化周
波数を低下させることは、ディジタル回路の動作速度を
下げて、消費電力を小さくすることができるばかりでな
く、DA変換器の標本化周波数も下げられるので、周波
数変換回路の構成が容易になる。
【0029】つぎに、FMステレオ放送装置の複合音声
信号生成回路を、ディジタル信号処理を用いて簡単化す
る方法について説明する。まず、平衡変調器、副搬送波
信号発生器の簡単化のためには、ディジタル信号の標本
化による高調波を利用する。図2を用いて平衡変調回路
の説明をする。図2において、21はディジタル低域通
過フィルタ、22はディジタル高域通過フィルタ、23
は極性反転器である。ディジタルフィルタ21および2
2の動作標本化周波数は2fs、極性反転器23は1標
本毎に信号の極性を正負に反転する動作をする。
【0030】図2に示す平衡変調回路に標本化周波数f
sの信号を入力したときの動作を、図3に示す動作スペ
クトル図を用いて説明する。標本化周波数fsの信号は
図3(a)に示すように、0(直流)からfs/2まで
のスペクトル周波数成分がfs/2(これをナイキスト
周波数と言う)で折り返すようなスペクトル構造を持っ
ている。ここで図2に示すように標本化周波数fsの信
号を動作標本化周波数2fsのディジタル信号処理回路
に入力した場合、動作標本化周波数2fsで考えると、
信号スペクトルは0からfsまでの成分がfsから2f
sに繰り返して現れる。そこで、標本化周波数fsの信
号を動作標本化周波数が2fsの低域通過フィルタ21
および高域通過フィルタ22(各々の周波数特性は図3
(b)、(c)の点線で示す特性とする)に入力する
と、各々のフィルタ出力は図3(b)、(c)の実線で
示したように、低域通過フィルタ出力は入力信号を2f
sで標本化し直した信号が、高域通過フィルタ出力は、
入力信号をfsの搬送波信号で平衡変調したのと同じス
ペクトルの信号が得られる。
【0031】すなわち、fsを複合音声信号の副搬送波
周波数と同じ値に設定し、入力信号の標本化周波数をf
s、信号処理回路の動作標本化周波数をその2倍にする
と、高域通過フィルタ処理を施し高調波成分を取り出す
ことで、(搬送波抑圧)平衡変調が行えることが分か
る。さらに、低域通過フィルタ21の出力信号を極性反
転器23へ出力する。極性反転器23は標本化周波数2
fsの信号の極性をfs周期で正負反転する。すなわち
+1,−1,+1,−1,…を掛ける。この操作は、下
記式(5)を掛けることに相当する。 cos(2πnfsT)=cos(2πnfs/2fs) =cos(πn)=+1,−1,+1,−1,… ・・・・(5) T=1/2fs:動作標本化周期 n :正の整数0,1,2,… すなわち極性反転は、低域通過フィルタ出力に周波数f
sの余弦波を掛けることになり、やはり平衡変調が行え
ることが分かる。以上述べたように、複合音声信号生成
回路の入力信号の標本化周波数を副搬送波信号周波数、
あるいは、その2のN乗倍(複合音声信号生成回路の動
作標本化周波数)と等しく設定することにより、平衡変
調が極く簡単な信号処理操作で可能となる。
【0032】FMステレオ放送装置への入力音声信号が
アナログ信号の場合には、AD変換器の標本化周波数を
fsに選べばよい。しかしながら、近年、音声信号のデ
ィジタル化が盛んに行われ、しかもその標本化周波数
は、32kHz,44.1kHz,48kHz等が使用
されており、複合音声信号の副搬送波周波数38kHz
と簡単な整数比にない。したがって、ディジタル音声入
力信号と、複合音声信号生成回路の間で標本化周波数変
換が必要となる。このような状況は複合音声信号生成回
路と周波数変調回路との間でも起こる。すなわち、複合
音声信号生成回路の構成簡単化のためには、動作標本化
周波数を副搬送波周波数(38kHz)の2のN乗倍に
選択するのが望ましい。
【0033】他方、DDS回路を用いた周波数変調回路
では、(中間)搬送波周波数と簡単な整数比になってい
ることが望ましい。しかし、複合音声信号生成回路と周
波数変調回路の動作標本化周波数は、十数倍の相違があ
り簡単には接続できない。このように、さまざまな動作
標本化周波数を持つディジタル回路を組み合わせて、F
Mステレオ放送装置とするには、各回路間に標本化周波
数を任意の変換比で変換できる装置が必要となる。その
ために、時変係数FIR(Finite ImpulseResponse)フ
ィルタによるディジタル補間器を用いる。この補間器に
ついては、例えば特開平4−332214号“高速補間
装置”などに詳述されているが、本発明の説明のため簡
単に説明する。
【0034】標本化定理によれば、図11の黒丸で示し
たように、周期T1 で標本化されたデ−タ列f(nT
1 )から、元の時間関数f(t)は、Sinc(t)=
sint/tを用いて、下記式(6)で表わすことがで
きる。 f(t)=Σf(nT)Sinc{π(t−nT1 )/T1 } =Σf(nT1 )Sc(n,τ) ・・・・(6) τ=t/T1 :出力時刻tをT1 周期で計るときの端数
【0035】式(6)は離散デ−タf(nT1 )の一次
結合で時刻tのデ−タ値を予測するとき、結合係数Sc
(n,τ)はtの関数となることを示している(以後、
Sc(n,τ)を時変係数という)。時変係数Sc
(n,τ)はt=nT1 で1、t=mT1 (m≠n、
m、nは整数)で0となる性質を持つ関数であり、式
(6)のSinc(t)や、数値解析で用いられるLagr
angeの補間多項式など、いろいろな関数を用いることが
できる。
【0036】また式(6)は、有限個のデータNで近似
すると、補間値f(t)は、時変係数Sc(n,τ)を
持つ非巡回型(FIR)フィルタの出力として得られる
ことを示している。このことから補間(あるいは標本化
周波数変換)は、時変係数フィルタによりハードウェア
として実現できることが分かる。時変係数Sc(n,
τ)を定めるパラメータn、τは、出力データ系列の標
本化周期T2 によって与えられるデータ出力時刻tによ
り、下記式(7)と表される。 t=nT1 +τ=mT2 ・・・・(7)
【0037】ディジタル補間器全体の構成を図12に示
す。図12において、1211 ,1212 ,〜,121
N は遅延素子、1220 ,1221 ,1222 ,〜,1
22N は係数掛算器、1231 ,1232 ,〜,123
N は加減算器、124はROM、125は計時装置、1
26はカウンタ、127はラッチである。式(7)にお
ける補間時刻tを決定する要素τを求める計時装置12
5は、T1 よりも充分高速なクロックパルスをカウンタ
126に入力し、T1 周期でリセットし、計数値をT2
周期でラッチ127に読み出すことで実現できる。時変
係数Sc(n,τ)を前もってROM124に書き込ん
でおき、計時装置125で求めたτにより時変係数Sc
(n,τ)を読み出し、FIRフィルタの係数として与
えれば、時変係数フィルタによる補間器が実現される。
以上述べたディジタル標本化周波数変換器は、それだけ
で標本化周波数を変換することもできるが、変換比が大
きい場合には、2のN乗倍の変換を行う低域通過フィル
タと組み合わせて、補間器を構成することも可能であ
る。
【0038】以上説明したように、本発明のFMステレ
オ放送装置の周波数変調回路では、搬送波周波数と動作
標本化周波数の比を、与える定数ωcTを2π・(1/
2)より大きい値に設定することで、搬送波周波数を高
くしても、動作標本化周波数をさほど大きくせずに済ま
せることが可能である。折り返し成分は、従来の方法と
同様にアナログの帯域通過フィルタで除去することがで
きる。また、DA変換器によるアパーチャ効果により、
振幅の減衰と周波数特性の変化があるが、フィルタで周
波数特性を前もって補正しておくことができるので問題
はない。なお、本発明の周波数変調回路は、前記のよう
にFMステレオ放送装置の周波数変調回路に適用した例
で説明しているが、本発明は、TV放送の音声変調器、
無線回線や衛星回線を用いた通信など周波数変調を用い
る通信機等でも同様に適用することができることはもち
ろんである。(中間)搬送周波数を比較的高くしても、
回路の動作標本化周波数をさほど高くする必要が無いの
で、ディジタル回路やAD変換器の動作速度が遅くて済
み、消費電力の低減が可能で、高精度化が容易である。
また(中間)搬送周波数が大きいので、周波数変換を一
回で済ませることができ、アナログ回路の縮減が図れ
る。
【0039】また、複合音声信号生成回路では、該回路
の動作標本化周波数(fs2 )を副搬送波信号周波数
(fSUB )の2のN乗倍に設定し、入力信号の標本化周
波数を複合音声信号の副搬送波周波数(fSUB )あるい
は、前記動作標本化周波数(fs2 )と同一に設定する
ことにより、平衡変調器や、副搬送波信号発生器などの
複雑な回路を簡単な回路に置き換えることができ、構成
が非常に簡素化される。平衡変調のためにはフィルタが
必要になるが、これはFM信号のプリエンファシス用フ
ィルタと併用することができるので、特に構成量が増加
することはない。また、装置の動作標本化周波数が副搬
送波信号周波数の2のN乗であるから、パイロット信号
の周波数も同じ関係となり、この場合にはパイロット信
号発生器の構成が簡素化される。例えば標本化周波数7
6kHZでパイロット信号(19kHz)を発生するに
は、 cos(2πn19/76)=cos(nπ/2) =1,0,−1,0,1,… ・・・・(8) であるから、極性反転器と切換スイッチの極く簡単な回
路で構成することが可能である。さらに、以上のディジ
タル処理の簡単化は、動作標本化周波数と信号周波数の
関係を利用することで実現されている。FMステレオ放
送装置の各部回路の動作標本化周波数はそれぞれ異なっ
ており、各回路間で標本化周波数の変換を行う必要があ
るが、これにディジタル補間器を用いることにより、装
置の動作標本化周波数を高くする必要がなくなるので、
回路構成が簡単になる。本発明は、上記した基本的事項
に基づいている。
【0040】以下、本発明の一実施例を説明する。図1
は、本発明によるFMステレオ放送装置を示すブロック
図である。図1において、1はステレオディジタル音声
信号を入力とする入力回路、2は分離されたLおよびR
音声信号を入力とするディジタル複合音声信号生成回
路、3は標本化周波数を変換するディジタル補間器、4
は低域通過フィルタ、5はDDS(Direct Digital Syn
thesizer)回路、6は低域通過フィルタ、7はDA変換
器、8はアナログ帯域通過フィルタ、9は周波数混合
器、10は局部発振器、11はアナログ帯域通過フィル
タ、12は高周波電力増幅器である。
【0041】つぎに動作を説明する。ステレオのディジ
タル音声信号は、入力回路1において左右の信号に分離
されるとともに、標本化周波数も入力のディジタル音声
信号と異なる標本化周波数に変換され、複合音声信号生
成回路2へ出力される。入力のディジタル音声信号の標
本化周波数fs1 としては、上記したように、32kH
z、44.1kHz、48kHz等の値が用いられてい
るが、一方、複合音声信号生成回路2は、動作標本化周
波数fs2 を、後段の回路の動作標本化周波数との関係
から、副搬送波周波数(fSUB =38kHz)の2のN
乗倍に選ぶと都合がよい。これらの標本化周波数fs1
と動作標本化周波数fs2 とは簡単な整数比にないた
め、入力回路1の中にディジタル補間器(図12で説明
したものと同様の構成のものをLおよびR音声用に2
式)を用いる。
【0042】ディジタル複合音声信号生成回路2では、
入力回路1から入力したLおよびR音声信号から発生さ
せたL+R音声信号およびL−R音声信号と、パイロッ
ト信号とを多重して複合音声信号とし、プリエンファシ
ス処理をする。この過程で、標本化周波数は副搬送波周
波数fSUB の2のN乗倍のfs3 に変換される。複合音
声信号に変換されたステレオ音声信号は、最大周波数偏
移係数を掛けて、ディジタル補間器3へ出力される。な
お、後につづく周波数変調回路では、上記したように動
作標本化周波数を搬送波周波数(fc)から決定する。
一例として、アナログの帯域通過フィルタで良く用いら
れる10.75MHzを搬送波(中間)周波数に選び、
定数ωcT=0.75とすると、周波数変調回路の動作
標本化周波数(fs5 )は10.7MHz÷0.75=
14.266MHzとなる。14.266MHzとfs
3 は簡単な整数比でないので、この標本化周波数変換は
通常のフィルタで行えない。そこでディジタル補間器3
を用い、fs4 =14.266MHz/8=1.783
3MHzまで標本化周波数を変換する。ディジタル補間
器3にも上記した時変係数FIRフィルタによるディジ
タル補間器を用いる。
【0043】ディジタル補間器3の出力は、低域通過フ
ィルタ4で8倍補間をし、標本化周波数をfs5 =1
4.266MHzとする。fs5 に標本化周波数を上げ
た複合音声信号は、DDS回路5でωcT=0.75を
加算して積分され、搬送周波数10.7MHzの周波数
変調波信号となる。続いて低域通過フィルタ6で、DA
変換の際に生ずるアパーチャ効果の周波数補正を行う。
周波数変調波信号の帯域幅は150kHz程度であり、
搬送周波数を10.7MHzとすると、比帯域幅1.5
%程度の狭帯域信号であるから、アパーチャ効果の補正
も比較的容易に実施できる。アパーチャ効果は、周波数
の高い方で振幅が減衰する周波数特性を持つので、これ
を補正するには高域で利得を持つような補正を施せば良
い。ところで、低域通過フィルタ6の動作標本化周波数
は、fs5 =14.266MHzであり、ナイキスト周
波数より高い10.7MHzの信号に対しては高域通過
フィルタのように動作する。そこで、低域通過フィルタ
6の周波数補正特性は、3.566MHz(14.26
6MHzに対する10.7MHzの折り返し成分)近辺
で、高域ほど利得が下がるように設計すればよい。つい
でDA変換器7でアナログ信号に変換し、中心周波数f
c=10.7MHzの帯域通過フィルタ8により所望の
周波数変調波信号のみを取り出して、中間搬送波周波数
fc=10.7MHzの周波数変調波信号を周波数混合
器9へ出力する。
【0044】FMステレオ放送は、76〜90MHzの
VHF帯で行われている(日本の場合)ので、この周波
数帯の搬送波(fo)に周波数変換するため、局部発振
器10からの局部搬送波信号(fo−fc)と前記(中
間)周波数変調波信号を周波数混合器9で混合し、帯域
通過フィルタ11で出力周波数変調波信号(fo)を抜
き出し、高周波電力増幅器12で電力増幅して放送波と
して送出する。図1の実施例では、周波数変換および高
周波電力増幅を除き全てディジタル回路で構成するの
で、当該回路に相当するアナログ回路技術による回路構
成の問題点は全て回避することができる。また、ディジ
タル回路では、搬送波信号の周波数を高くすると、動作
標本化周波数が高くなる問題点があったが、図1に示す
本発明の実施例では、中間搬送周波数を高くしたまま動
作標本化周波数を比較的低くできるので、DA変換器
や、ディジタル回路素子に高速動作を要求することな
く、汎用の部品を用いて、構成することが可能である。
また、FMステレオ放送装置をディジタル技術で構成す
る場合、各回路の動作標本化周波数を頻繁に変換する必
要があるが、本発明の実施例に示すようにディジタル補
間器を用いて簡便に行うことができる。
【0045】また、前記のようにFMステレオ放送は7
6〜90MHzのVHF帯で行われているので、送出す
る周波数変調波信号は、この周波数帯の搬送波に周波数
変換する必要がある。そこで、アナログの周波数変換回
路を用いて、中間周波数変調波信号を周波数変換する
が、本発明のFMステレオ放送装置では、中間搬送波周
波数を10数MHzと、高く設定することが容易である
ため、周波数変換を1回で済ますことにより、FMステ
レオ放送装置の高周波回路部を簡略化することができ、
装置の小型化、低消費電力化を図ることができる。
【0046】つぎに、図1に示したFMステレオ放送装
置の複合音声信号生成回路2の本発明による一実施例を
図4に示す。図4において、41,42,45,48は
低域通過フィルタ、43は加算器、44は減算器、46
は極性反転器、47は加算器である。また、図におい
て、低域通過フィルタ41、42の動作標本化周波数は
2fSUB 、低域通過フィルタ45は4fSUB 、低域通過
フィルタ48は8fSUBとする。動作を説明すると、標
本化周波数fSUB (=副搬送波周波数38kHz)ある
いは2fSUB のLおよびR信号は、低域通過フィルタ4
1および42にそれぞれ入力され、プリエンファシスさ
れる。
【0047】入力信号の標本化周波数がfSUB の場合に
は、低域通過フィルタ41および42は標本化周波数変
換機能も兼ね備えるものにする。低域通過フィルタ41
および42の出力は、加算器43および減算器44から
なるマトリクス回路でL+R信号、L−R信号に変換さ
れる。L+R信号は、動作標本化周波数4fSUB の低域
通過フィルタ45で、2fSU B 周辺の高調波成分を除去
する。L−R信号は、極性反転器46でfSUB 毎に信号
の極性を正負反転し、平衡変調(図2を使い説明した技
術)する。L+R信号と変調されたL−R信号と周波数
SUB /2のパイロット信号とを加算器47で多重し、
複合音声信号が得られる。この複合音声信号は、動作標
本化周波数を副搬送波周波数fSUB の2のN乗倍8f
SUB に選択した低域フィルタ48を通過し出力される。
図4に示す本発明による実施例では、ディジタル信号処
理により副搬送波信号発生器、平衡変調器などの複雑な
回路を用いずに、複合音声信号生成回路が構成できる。
【0048】以上、本発明をFMステレオ放送装置に適
用した実施例について説明した。本発明では、(中間)
搬送周波数を比較的高くしても、回路の動作標本化周波
数をさほど高くする必要がないので、ディジタル処理回
路やDA変換器の動作速度が遅くて済み、消費電力の低
減が可能で、高精度化が容易である。ディジタル処理回
路では、処理する信号の動作標本化周波数を副搬送波周
波数と2のN乗の比に取ることにより回路を簡素化する
ことができ、装置の小型化が図れる。また(中間)搬送
波周波数が高いので、周波数変換を一回で済ませること
ができ、アナログ回路の縮減が図れる。さらには、ディ
ジタル回路間の接続部で必要となる標本化周波数の変換
に、ディジタル補間器からなる標本化周波数変換を用い
ているので、従来のフィルタによる標本化周波数変換に
比べ、構成ハードウェア量の大幅な縮減が図れる。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、ステレオディジタル音
声信号が入力される入力回路から周波数変調回路までの
信号処理部分をディジタル信号処理とし、周波数変換お
よび高周波電力増幅部分をアナログ処理とするFMステ
レオ放送装置を構成することができ、さらに回路規模の
大きいディジタル掛算器や搬送波信号発生器等を、簡単
なDDS回路で置き換えて実現できるので、回路規模の
大幅な縮減が図れる。また、ディジタル補間器を使用し
て標本化周波数を任意の比に変換できるので、FMステ
レオ放送装置を構成するディジタル回路間の動作標本化
周波数の変換比に制限がなく、回路を高速動作させる必
要がないため低消費電力化が図れる。また、搬送周波数
の変換が一回で済むため、アナログ回路を必要最小限に
縮減でき、種々の物理的変動要因に対して安定に動作
し、初期調整、定期保守等が省力化できる。さらに回路
定数等の変更も極く容易に対処でき、実用的なFMステ
レオ放送装置が実現できる。本発明によるディジタル処
理の周波数変調回路を使用したTV放送装置、通信機等
も上記と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるFMステレオ放送装置のブロック
図。
【図2】本発明による平衡変調回路のブロック図。
【図3】本発明による平衡変調回路の動作を説明する動
作スペクトル図。
【図4】本発明による複合音声信号生成回路のブロック
図。
【図5】周波数変調回路のブロック図。
【図6】FMステレオ放送で使用される複合音声信号の
説明図。
【図7】従来の複合音声信号生成回路のブロック図。
【図8】周波数変調回路の動作波形図(ωcT=0.2
5の場合)。
【図9】周波数変調回路の動作波形図(ωcT=0.7
5の場合)。
【図10】周波数変調回路の動作スペクトル図。
【図11】本発明に使用するディジタル補間の説明図。
【図12】ディジタル補間器のブロック図。
【符号の説明】
1…入力回路、2…複合音声信号生成回路、3…ディジ
タル補間器、4、6、21、41、42、45、48…
低域通過フィルタ、5、56…DDS回路、7…DA変
換器、8、11…アナログ帯域通過フィルタ、9…周波
数混合器、10…局部発振器、12…高周波電力増幅
器、22…高域通過フィルタ、23、46…極性反転
器、43、47、52、53…加算器、44…減算器、
51…係数掛算器、54…遅延素子、55…ROM。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 生岩 量久 東京都渋谷区神南二丁目2番1号 日本放 送協会 放送センター内 (72)発明者 那須 嘉彦 東京都渋谷区神南二丁目2番1号 日本放 送協会 放送センター内 (72)発明者 大西 誠 東京都小平市御幸町32番地 日立電子株式 会社開発研究所内 (72)発明者 太田 正明 東京都小平市御幸町32番地 日立電子株式 会社開発研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 L(左音声)信号およびR(右音声)信
    号の2系統の音声信号とパイロット信号とから複合音声
    信号を発生する複合音声信号生成回路と、前記複合音声
    信号により搬送波信号の周波数(fc)を変調する周波
    数変調回路とを有するFMステレオ放送装置において、 前記複合音声信号生成回路の動作標本化周波数(fs
    2 )を副搬送波信号周波数(fSUB )の2のN乗倍(N
    =1,2・・・)の周波数とし、前記複合音声信号生成
    回路の入力信号の標本化周波数を副搬送波信号周波数
    (fSUB )と同一か、あるいは前記複合音声信号生成回
    路の動作標本化周波数(fs2 )と同一の周波数とし、 前記複合音声信号生成回路の出力信号の標本化周波数を
    ディジタル補間器からなる標本化周波数変換回路により
    前記周波数変調回路の動作標本化周波数(fs5 )に変
    換してから前記出力信号を前記周波数変調回路に入力
    し、周波数変調を行うことを特徴とするFMステレオ放
    送装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のものにおいて、周波数変
    調回路が、入力される変調信号に、搬送波周波数(f
    c)と周波数変調回路の動作標本化周波数(fs5 )の
    比m=fc/fs5 に等しい一定値信号を加算した信号
    を積算器で積算し、該積算結果の正弦あるいは余弦をと
    ることにより、周波数変調波信号を得るように構成した
    ことを特徴とするFMステレオ放送装置。
  3. 【請求項3】 請求項1および請求項2記載のものにお
    いて、搬送波周波数(fc)と周波数変調回路の動作標
    本化周波数(fs5 )の比mの値をm≧1/2とするこ
    と特徴とするFMステレオ放送装置。
  4. 【請求項4】 請求項1あるいは請求項2記載のものに
    おいて、周波数変調回路から出力される周波数変調波信
    号を低域通過フィルタを介してDA変換器に入力させる
    ことにより、ディジタル信号をアナログ信号に変換する
    DA変換器のアパーチャ効果による周波数特性の変形を
    低域通過フィルタによって予め補正しておくことを特徴
    とするFMステレオ放送装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のものにおいて、複合音声
    信号生成回路が、副搬送波信号周波数(fSUB )の2倍
    の標本化周波数で標本化された音声信号の極性を1/f
    SUB の周期で反転することにより、標本化された音声信
    号を平衡変調する回路を備えていることを特徴とするF
    Mステレオ放送装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のものにおいて、標本化周
    波数(fs1 )のステレオディジタル音声信号を入力と
    する入力回路を備え、該入力回路においてステレオディ
    ジタル音声信号をL音声信号およびR音声信号の2系統
    に分離し、該L音声信号およびR音声信号の標本化周波
    数を標本化周波数変換回路を用いて周波数変換してか
    ら、複合音声信号生成回路に入力することを特徴とする
    FMステレオ放送装置。
  7. 【請求項7】 請求項1または請求項6記載のものにお
    いて、標本化周波数変換回路が、第一の標本化周波数の
    標本化パルス信号によって周期的に初期設定される計時
    装置により第二の標本化周波数の標本化パルスの時刻を
    計測し、該第二の標本化周波数の標本化パルスの時刻に
    よって定まるフィルタ係数を持つ時変係数フィルタを用
    いて、前記第一の標本化周波数の標本化パルス信号の周
    期で標本化された入力信号系列を、第二の標本化周期で
    標本化し直した出力信号系列に変換する標本化周波数変
    換回路であることを特徴とするFMステレオ放送装置。
  8. 【請求項8】 標本化された変調信号により搬送波信号
    の周波数を変調する周波数変調回路において、 入力される変調信号に、搬送周波数(fc)と周波数変
    調回路の動作標本化周波数(fs)の比m=fc/fs
    をm≧1/2とした一定値信号を加算した信号を積算器
    で積算し、該積算結果の正弦あるいは余弦をとることに
    より、周波数変調波信号を得るようにしたことを特徴と
    する周波数変調回路。
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