JPH07140303A - 反射防止被膜の製造方法 - Google Patents
反射防止被膜の製造方法Info
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- JPH07140303A JPH07140303A JP5291686A JP29168693A JPH07140303A JP H07140303 A JPH07140303 A JP H07140303A JP 5291686 A JP5291686 A JP 5291686A JP 29168693 A JP29168693 A JP 29168693A JP H07140303 A JPH07140303 A JP H07140303A
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- coating film
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 被膜の強度を低下させることなく、均一な微
細な多孔を表面に開口させた反射防止被膜の製造方法を
提供する。 【構成】 金属アルコキシド(例、メチルトリメトキシ
シラン)、水および親水性有機溶媒(例、イソプロパノ
ール)を混合して得られた金属アルコキシド重縮合物
(例、重量平均分子量3,000)溶液と有機酸エステ
ル(例、フタル酸ジ2−エチルヘキシル)もしくはリン
酸エステル(例、リン酸トリクレジル)とからなる塗料
組成物を、基材に塗布、加熱硬化して被膜を形成した
後、親油性溶剤(例、キシレン、石油等)で有機酸エス
テルもしくはリン酸エステルを抽出することを特徴とす
る。
細な多孔を表面に開口させた反射防止被膜の製造方法を
提供する。 【構成】 金属アルコキシド(例、メチルトリメトキシ
シラン)、水および親水性有機溶媒(例、イソプロパノ
ール)を混合して得られた金属アルコキシド重縮合物
(例、重量平均分子量3,000)溶液と有機酸エステ
ル(例、フタル酸ジ2−エチルヘキシル)もしくはリン
酸エステル(例、リン酸トリクレジル)とからなる塗料
組成物を、基材に塗布、加熱硬化して被膜を形成した
後、親油性溶剤(例、キシレン、石油等)で有機酸エス
テルもしくはリン酸エステルを抽出することを特徴とす
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、窓ガラス、フレームな
どの建築材料、テレビモニターなどの家電材料、眼鏡レ
ンズや機器メーターフードなどに好適に使用される反射
防止被膜の製造方法に関する。
どの建築材料、テレビモニターなどの家電材料、眼鏡レ
ンズや機器メーターフードなどに好適に使用される反射
防止被膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光学部品、眼鏡、ディスプレー装置など
に被覆される反射防止被膜としては、単層または複数層
からなるものが知られているが、単層および2層からな
るものは、残存反射率が大きく、効率が悪く、屈折率の
異なる3層を重層したものが好ましいと言われている。
しかし、3層を重層させるのは、公知の真空蒸着法、デ
ィップコーティング法等いずれの方法でも、煩雑である
とともに生産性が低いという欠点があった。
に被覆される反射防止被膜としては、単層または複数層
からなるものが知られているが、単層および2層からな
るものは、残存反射率が大きく、効率が悪く、屈折率の
異なる3層を重層したものが好ましいと言われている。
しかし、3層を重層させるのは、公知の真空蒸着法、デ
ィップコーティング法等いずれの方法でも、煩雑である
とともに生産性が低いという欠点があった。
【0003】そこで、一般的に基材の屈折率がns 、単
層膜の屈折率がnの場合の反射率Rは、ns >nのと
き、極小値として(ns −n2 )2 /(ns +n2 )2
をとることが知られている。このRは、n2 =ns のと
き、すなわちn=ns 1/2 のときが最小となる関数だか
ら、単層膜の屈折率nがns 1/2 に近いほど反射率は低
減される。更に、一般に基材がガラス(ns =1.51
程度)やポリメチルメタクリレート(ns =1.49程
度)なので、単層膜の目標屈折率nは1.23となる。
従って、単層膜で反射率を低減させる為には、その単層
膜の屈折率が1.23に限りなく近い低屈折率のものが
より好ましいことになる。
層膜の屈折率がnの場合の反射率Rは、ns >nのと
き、極小値として(ns −n2 )2 /(ns +n2 )2
をとることが知られている。このRは、n2 =ns のと
き、すなわちn=ns 1/2 のときが最小となる関数だか
ら、単層膜の屈折率nがns 1/2 に近いほど反射率は低
減される。更に、一般に基材がガラス(ns =1.51
程度)やポリメチルメタクリレート(ns =1.49程
度)なので、単層膜の目標屈折率nは1.23となる。
従って、単層膜で反射率を低減させる為には、その単層
膜の屈折率が1.23に限りなく近い低屈折率のものが
より好ましいことになる。
【0004】単層で反射防止性能を発現させる方法とし
ては、 金属アルコキシド溶液を加水分解してゾルとし、この
ゾルを透光性基材に塗布、所定温度で放置しウエットゲ
ル膜とし、該ウエットゲル膜を200℃までの加熱温度
下で、該加熱温度以上の沸点を有する非水溶媒(例え
ば、流動パラフィンまたはシリコンオイル)中に浸漬し
た状態で加熱乾燥した後、アセトンで洗浄してドライゲ
ル膜とすることにより、基材表面上に多孔質ゲルまたは
多孔質ガラスからなる透光性の均一な光反射防止被膜を
製造する方法(特開昭62−226840号公報)、
ては、 金属アルコキシド溶液を加水分解してゾルとし、この
ゾルを透光性基材に塗布、所定温度で放置しウエットゲ
ル膜とし、該ウエットゲル膜を200℃までの加熱温度
下で、該加熱温度以上の沸点を有する非水溶媒(例え
ば、流動パラフィンまたはシリコンオイル)中に浸漬し
た状態で加熱乾燥した後、アセトンで洗浄してドライゲ
ル膜とすることにより、基材表面上に多孔質ゲルまたは
多孔質ガラスからなる透光性の均一な光反射防止被膜を
製造する方法(特開昭62−226840号公報)、
【0005】シランカップリング剤、各種の酸化物ゾ
ルおよびエポキシ樹脂を溶媒中に含むコーティング液で
基材をコーティングし、硬化させた後、酸性またはアル
カリ性物質の水溶液中に浸漬させて膜中の酸化物ゾルを
選択的に溶解させ、多孔質膜化をする方法(特開平1−
312501号公報)、
ルおよびエポキシ樹脂を溶媒中に含むコーティング液で
基材をコーティングし、硬化させた後、酸性またはアル
カリ性物質の水溶液中に浸漬させて膜中の酸化物ゾルを
選択的に溶解させ、多孔質膜化をする方法(特開平1−
312501号公報)、
【0006】モノアルキルトリアルコキシシラン、ポ
リエーテルおよび有機溶媒からなるコーティング液を基
材に塗布し、硬化させた後、膜中のポリエーテルを有機
溶媒で溶出させるか、または有機成分を熱分解により除
去して多孔質膜化をする方法(特開平3−199043
号公報)などが提案されてきた。
リエーテルおよび有機溶媒からなるコーティング液を基
材に塗布し、硬化させた後、膜中のポリエーテルを有機
溶媒で溶出させるか、または有機成分を熱分解により除
去して多孔質膜化をする方法(特開平3−199043
号公報)などが提案されてきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の提案には、以下の問題点があった。上記の方法は、
硬化収縮による気孔率の低下が大きく、多孔化の程度が
低く、屈折率の低下が不十分である。また、洗浄時のア
セトンのような有機溶媒によって塗膜が膨潤し剥離が起
こる等で塗膜強度も低くなってしまう。上記の方法
は、酸化物ゾルの溶解量が小さく溶出処理に時間がかか
る。また、処理液の濃度を上げると塗膜の劣化が起こ
り、塗膜強度が低くなる。上記の方法は、ポリエーテ
ルを有機溶媒で溶出させる方法には、ポリエーテルの有
機溶媒に対する溶解量が小さく有機溶媒中の浸漬時間が
長くかかり、且つ、塗膜が膨潤し剥離が起こる等で塗膜
強度も低くなってしまう。また有機成分を熱分解により
除去する方法においては、熱処理温度が350℃のよう
に高くなり、膜の脆化が起こり、且つ膜内に残存する有
機成分の変性による着色が起こり、製品外観面での不具
合が生じる。
の提案には、以下の問題点があった。上記の方法は、
硬化収縮による気孔率の低下が大きく、多孔化の程度が
低く、屈折率の低下が不十分である。また、洗浄時のア
セトンのような有機溶媒によって塗膜が膨潤し剥離が起
こる等で塗膜強度も低くなってしまう。上記の方法
は、酸化物ゾルの溶解量が小さく溶出処理に時間がかか
る。また、処理液の濃度を上げると塗膜の劣化が起こ
り、塗膜強度が低くなる。上記の方法は、ポリエーテ
ルを有機溶媒で溶出させる方法には、ポリエーテルの有
機溶媒に対する溶解量が小さく有機溶媒中の浸漬時間が
長くかかり、且つ、塗膜が膨潤し剥離が起こる等で塗膜
強度も低くなってしまう。また有機成分を熱分解により
除去する方法においては、熱処理温度が350℃のよう
に高くなり、膜の脆化が起こり、且つ膜内に残存する有
機成分の変性による着色が起こり、製品外観面での不具
合が生じる。
【0008】本発明の目的は、被膜の強度を低下させる
ことなく、均一な微細な多孔を表面に開口させた反射防
止被膜の製造方法を提供することにある。
ことなく、均一な微細な多孔を表面に開口させた反射防
止被膜の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に使用される塗料
組成物は、金属アルコキシド、水および親水性有機溶媒
を混合して得られた金属アルコキシド重縮合物溶液と有
機酸エステルもしくはリン酸エステルとからなる。
組成物は、金属アルコキシド、水および親水性有機溶媒
を混合して得られた金属アルコキシド重縮合物溶液と有
機酸エステルもしくはリン酸エステルとからなる。
【0010】上記金属アルコキシド重縮合物溶液は、下
記一般式で表される金属アルコキシドを加水分解し、こ
の加水分解物をモノマーとして重縮合して得られたプレ
ポリマーの親水性有機溶媒の溶液である。
記一般式で表される金属アルコキシドを加水分解し、こ
の加水分解物をモノマーとして重縮合して得られたプレ
ポリマーの親水性有機溶媒の溶液である。
【0011】Rn −M−(OR' )m-n 式中、Mは金属、Rはアルキル基またはフェニル基であ
る。上記アルキル基としては、アミノ基、エポキシ基、
ビニル基および/またはメルカプト基を有していてもよ
く且つ主鎖が炭素数6以下の炭素鎖であるアルキル基が
好ましい。R' はアルキル基であり、炭素数5以下のア
ルキル基が好ましい。また、mは金属Mの配位数、nは
0≦n≦m−1の整数である。
る。上記アルキル基としては、アミノ基、エポキシ基、
ビニル基および/またはメルカプト基を有していてもよ
く且つ主鎖が炭素数6以下の炭素鎖であるアルキル基が
好ましい。R' はアルキル基であり、炭素数5以下のア
ルキル基が好ましい。また、mは金属Mの配位数、nは
0≦n≦m−1の整数である。
【0012】上記一般式で示される金属アルコキシドに
おいて、金属Mとしては例えばSi、Al、Zr、Ti
などが好適に例示されるが、金属Mはこれらに限定され
るものではない。金属MがSiである金属アルコキシド
は、加水分解反応が急激に進行しないため調製し易く、
特に好ましい。また更なる耐久性の向上を指向して、数
種の異種金属アルコキシド同士を組合せて使用すること
も有効である。基Rは、塗膜が硬化する時に過度に硬化
収縮が起こることを防止する機能を果たすものである。
基Rの主鎖の炭素数が大きくなると硬化収縮は減少する
が硬化後の膜硬度が低下してしまうために、この炭素数
が大き過ぎることは好ましくない。基Rの主鎖の炭素数
は6以下であることが好ましい。
おいて、金属Mとしては例えばSi、Al、Zr、Ti
などが好適に例示されるが、金属Mはこれらに限定され
るものではない。金属MがSiである金属アルコキシド
は、加水分解反応が急激に進行しないため調製し易く、
特に好ましい。また更なる耐久性の向上を指向して、数
種の異種金属アルコキシド同士を組合せて使用すること
も有効である。基Rは、塗膜が硬化する時に過度に硬化
収縮が起こることを防止する機能を果たすものである。
基Rの主鎖の炭素数が大きくなると硬化収縮は減少する
が硬化後の膜硬度が低下してしまうために、この炭素数
が大き過ぎることは好ましくない。基Rの主鎖の炭素数
は6以下であることが好ましい。
【0013】硬化後の膜硬度を調整するために、基Rの
数(n)の異なる金属アルコキシドを配合することも有
効である。さらにR部分にアミノ基、エポキシ基、ビニ
ル基および/またはメルカプト基を有する金属アルコキ
シドを用いてこれらを複合させたり、少量の有機樹脂を
低収縮剤として添加し重縮合物を変性させることも有効
である。
数(n)の異なる金属アルコキシドを配合することも有
効である。さらにR部分にアミノ基、エポキシ基、ビニ
ル基および/またはメルカプト基を有する金属アルコキ
シドを用いてこれらを複合させたり、少量の有機樹脂を
低収縮剤として添加し重縮合物を変性させることも有効
である。
【0014】OR' 部分は加水分解して、分解生成物同
士が重縮合したり基材との接着に関与する。加水分解の
速度や加水分解時に副生するアルコール(R' OH)の
揮発除去のし易さから、基R' としては炭素数5以下の
アルキル基が好ましい。OR' の数(m−n)は、プレ
ポリマーの架橋点の数や接着点の数を決定するもので、
この数が大きいとモノマーの接着性は良くなるが架橋度
が上がりすぎ、逆にこの数が小さいと架橋度が上がらず
膜硬度が低くなってしまう。したがって、この数は目的
とする膜硬度に合わせて適宜に調節することが好まし
い。
士が重縮合したり基材との接着に関与する。加水分解の
速度や加水分解時に副生するアルコール(R' OH)の
揮発除去のし易さから、基R' としては炭素数5以下の
アルキル基が好ましい。OR' の数(m−n)は、プレ
ポリマーの架橋点の数や接着点の数を決定するもので、
この数が大きいとモノマーの接着性は良くなるが架橋度
が上がりすぎ、逆にこの数が小さいと架橋度が上がらず
膜硬度が低くなってしまう。したがって、この数は目的
とする膜硬度に合わせて適宜に調節することが好まし
い。
【0015】上記のように数(m−n)を調整するため
に、数(m−n)の異なる複数のモノマーを配合するこ
とも有効である。
に、数(m−n)の異なる複数のモノマーを配合するこ
とも有効である。
【0016】金属アルコキシドの例として、メチルトリ
メトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、γ−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、メチルトリエトキシシラン、テトラブトキシジル
コニウム、テトラブトキシチタニウム、トリブトキシア
ルミニウムなどが挙げられる。
メトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、γ−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、メチルトリエトキシシラン、テトラブトキシジル
コニウム、テトラブトキシチタニウム、トリブトキシア
ルミニウムなどが挙げられる。
【0017】プレポリマーとしての上記重縮合物は、成
膜性のし易さから、ポリスチレン換算重量平均分子量で
500〜100,000のものが好ましく、特に1,0
00〜30,000のものが好ましい。重量平均分子量
500以下の重縮合物では膜硬度は上がるがクラックを
生じ易く、逆に重量平均分子量が100,000以上に
なると密着性や膜硬度が低下し易い。
膜性のし易さから、ポリスチレン換算重量平均分子量で
500〜100,000のものが好ましく、特に1,0
00〜30,000のものが好ましい。重量平均分子量
500以下の重縮合物では膜硬度は上がるがクラックを
生じ易く、逆に重量平均分子量が100,000以上に
なると密着性や膜硬度が低下し易い。
【0018】上記金属アルコキシド重縮合物溶液の調製
は、金属アルコキシドに水を加え、室温〜80℃程度の
温度で目的の重量平均分子量になるまで加熱処理して加
水分解し重合させることによって行う。
は、金属アルコキシドに水を加え、室温〜80℃程度の
温度で目的の重量平均分子量になるまで加熱処理して加
水分解し重合させることによって行う。
【0019】この重縮合の反応溶媒としては、後述する
粘度調整用の水および親水性有機溶媒の一部または全部
が使用される。
粘度調整用の水および親水性有機溶媒の一部または全部
が使用される。
【0020】重合温度と処理時間はモノマーの純度、使
用する重合触媒(後述の硬化促進剤と同じ)などによっ
て適宜設定でき、予めゲル浸透クロマトグラフィ測定に
より各処理条件下における重合度(重量平均分子量)の
検量線を作成しておいて、目的の重合度(重量平均分子
量)が得られるまで重合を行うことが好ましい。
用する重合触媒(後述の硬化促進剤と同じ)などによっ
て適宜設定でき、予めゲル浸透クロマトグラフィ測定に
より各処理条件下における重合度(重量平均分子量)の
検量線を作成しておいて、目的の重合度(重量平均分子
量)が得られるまで重合を行うことが好ましい。
【0021】本発明に使用される水および親水性有機溶
媒は、金属アルコキシド重縮合物が層分離を起こさない
ように粘度調整の為にも使用する。金属アルコキシド重
縮合物溶液の粘度は、塗布のし易さから、水および親水
性溶媒をプレポリマー100重量部に対して1〜10,
000重量部配合することによって、10〜150c
P、特に20〜120cPに調整するのが好ましい。ま
た、親水性有機溶媒は、硬化時の揮発除去のし易さか
ら、炭素数6以下の低級アルコールもしくは酢酸メチ
ル、酢酸エチルが好ましい。
媒は、金属アルコキシド重縮合物が層分離を起こさない
ように粘度調整の為にも使用する。金属アルコキシド重
縮合物溶液の粘度は、塗布のし易さから、水および親水
性溶媒をプレポリマー100重量部に対して1〜10,
000重量部配合することによって、10〜150c
P、特に20〜120cPに調整するのが好ましい。ま
た、親水性有機溶媒は、硬化時の揮発除去のし易さか
ら、炭素数6以下の低級アルコールもしくは酢酸メチ
ル、酢酸エチルが好ましい。
【0022】本発明に使用される有機酸エステルとして
は、例えば、フタル酸エステル、脂肪族2塩基酸エステ
ルおよび脂肪酸エステル等が挙げられる。フタル酸エス
テルとしては、例えば、フタル酸ジメチル、フタル酸ジ
エチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジブチル、フ
タル酸ジ2−エチルヘキシル、フタル酸ジトリデシル、
フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、
フタル酸メチルオレイル等が挙げられる。
は、例えば、フタル酸エステル、脂肪族2塩基酸エステ
ルおよび脂肪酸エステル等が挙げられる。フタル酸エス
テルとしては、例えば、フタル酸ジメチル、フタル酸ジ
エチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジブチル、フ
タル酸ジ2−エチルヘキシル、フタル酸ジトリデシル、
フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、
フタル酸メチルオレイル等が挙げられる。
【0023】脂肪族2塩基酸エステルとしては、例え
ば、コハク酸ジイソデシル、アジピン酸ジオクチル、ア
ジピン酸ジイソデシル、アゼライン酸ジオクチル、セバ
シン酸ジブチル、セバシン酸ジオクチル、テトラヒドロ
フタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ
オクチル等が挙げられる。
ば、コハク酸ジイソデシル、アジピン酸ジオクチル、ア
ジピン酸ジイソデシル、アゼライン酸ジオクチル、セバ
シン酸ジブチル、セバシン酸ジオクチル、テトラヒドロ
フタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ
オクチル等が挙げられる。
【0024】脂肪酸エステルとしては、例えば、オレイ
ン酸ブチル、アセチルリノール酸メチル、エポキシステ
アリン酸ブチル、エポキシステアリン酸オクチル、エポ
キシステアリン酸ベンジル等が挙げられる。
ン酸ブチル、アセチルリノール酸メチル、エポキシステ
アリン酸ブチル、エポキシステアリン酸オクチル、エポ
キシステアリン酸ベンジル等が挙げられる。
【0025】これらの有機酸エステルは、単独もしくは
組合せで使用される。
組合せで使用される。
【0026】上記有機酸エステルのうち、親油性溶剤で
の溶解量から特に、フタル酸ジ2−エチルヘキシルおよ
びセバシン酸ジオクチルが好ましい。
の溶解量から特に、フタル酸ジ2−エチルヘキシルおよ
びセバシン酸ジオクチルが好ましい。
【0027】本発明に使用されるリン酸エステルとして
は、例えば、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチ
ル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリフェニル、
リン酸クレジルジフェニル等が挙げられる。
は、例えば、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチ
ル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリフェニル、
リン酸クレジルジフェニル等が挙げられる。
【0028】これらのリン酸エステルは、単独もしくは
組合せで使用される。
組合せで使用される。
【0029】上記リン酸エステルのうち、親油性溶剤で
の溶解量から特に、リン酸トリクレジルが好ましい。
の溶解量から特に、リン酸トリクレジルが好ましい。
【0030】本発明で使用される塗料組成物において、
有機酸エステルもしくはリン酸エステルは、金属アルコ
キシド重縮合物100重量部に対して10〜70重量部
が好ましく、25〜50重量部が特に好ましい。有機酸
エステルもしくはリン酸エステルが少ないと、被膜表面
の見かけの屈折率を低下させるのに必要十分量の微細多
孔が開口せず、多くなると、被膜の空隙率が大きくなり
すぎ膜強度が低下してしまう。
有機酸エステルもしくはリン酸エステルは、金属アルコ
キシド重縮合物100重量部に対して10〜70重量部
が好ましく、25〜50重量部が特に好ましい。有機酸
エステルもしくはリン酸エステルが少ないと、被膜表面
の見かけの屈折率を低下させるのに必要十分量の微細多
孔が開口せず、多くなると、被膜の空隙率が大きくなり
すぎ膜強度が低下してしまう。
【0031】本発明で使用される塗料組成物に、硬化促
進剤を加えて硬化速度を向上させ硬化温度の低下を指向
することも好ましい。硬化促進剤はシラノール縮合用に
一般に使用されるものであって、例えば酢酸ナトリウ
ム、蟻酸カリウムなどのカルボン酸アルカリ金属塩や、
ジメチルアミンアセテート、エタノールアミンアセテー
トなどのアミンカルボキシレートや、酢酸テトラメチル
アンモニウムなどの第4級アンモニウムカルボキシレー
トや、ナフテン酸スズなどのカルボン酸金属塩や、トリ
エタノールアミン、ピリジンなどのアミン類や、水酸化
ナトリウム、水酸化アンモニウムなどのアルカリ水酸化
物や、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−エ
チレンジアミノプロピルトリメトキシシランなどのアミ
ン系シランカップリング剤や、アルミニウムアセチルア
セトネートなどのアルミニウムキレートなどが、単独も
しくは組合せで使用される。
進剤を加えて硬化速度を向上させ硬化温度の低下を指向
することも好ましい。硬化促進剤はシラノール縮合用に
一般に使用されるものであって、例えば酢酸ナトリウ
ム、蟻酸カリウムなどのカルボン酸アルカリ金属塩や、
ジメチルアミンアセテート、エタノールアミンアセテー
トなどのアミンカルボキシレートや、酢酸テトラメチル
アンモニウムなどの第4級アンモニウムカルボキシレー
トや、ナフテン酸スズなどのカルボン酸金属塩や、トリ
エタノールアミン、ピリジンなどのアミン類や、水酸化
ナトリウム、水酸化アンモニウムなどのアルカリ水酸化
物や、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−エ
チレンジアミノプロピルトリメトキシシランなどのアミ
ン系シランカップリング剤や、アルミニウムアセチルア
セトネートなどのアルミニウムキレートなどが、単独も
しくは組合せで使用される。
【0032】これら硬化促進剤の配合量は硬化条件によ
って適宜選択されるが、組成物中の金属アルコキシド重
縮合物100重量部に対して0.05〜0.5重量部使
用するのが好ましい。
って適宜選択されるが、組成物中の金属アルコキシド重
縮合物100重量部に対して0.05〜0.5重量部使
用するのが好ましい。
【0033】本発明の反射防止被膜の製造方法は、上記
の塗料組成物を、基材に塗布、加熱硬化して被膜を形成
した後、親油性溶剤で上記有機酸エステルもしくはリン
酸エステルを抽出することを特徴とする。
の塗料組成物を、基材に塗布、加熱硬化して被膜を形成
した後、親油性溶剤で上記有機酸エステルもしくはリン
酸エステルを抽出することを特徴とする。
【0034】上記基材としては、特に制約はなく、例え
ば、ガラスやプラスチックなどが挙げられる。ガラスと
しては、例えば、シリカガラス、ソーダ石灰ガラス、鉛
ガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸塩ガラスな
どが挙げられる。
ば、ガラスやプラスチックなどが挙げられる。ガラスと
しては、例えば、シリカガラス、ソーダ石灰ガラス、鉛
ガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸塩ガラスな
どが挙げられる。
【0035】プラスチックとしては、例えば、ポリカー
ボネート、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポ
リスチレン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリプ
ロピレン、ポリエチレン、ABS樹脂、ポリエーテルス
ルホン、ポリエーテルエーテルケトン、スチレン/アク
リロニトリル共重合体、メタクリレート/スチレン共重
合体などが挙げられる。
ボネート、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポ
リスチレン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリプ
ロピレン、ポリエチレン、ABS樹脂、ポリエーテルス
ルホン、ポリエーテルエーテルケトン、スチレン/アク
リロニトリル共重合体、メタクリレート/スチレン共重
合体などが挙げられる。
【0036】プラスチック基材においては、被膜との高
度の密着性を必要とする場合、Si、Al 、Mg、Z
r、Ti、Sn、In、W、Zn、Ni、Taなどの金
属を1種または2種以上含む酸化物層で表面を被覆する
ことが有効である。金属酸化物層を形成する手段は特に
限定されるものではない。例えば、真空蒸着法、スパッ
タリング法などの物理的蒸着法や、CVD法、溶射、メ
ッキ、ゾルゲル法などを用いることができる。
度の密着性を必要とする場合、Si、Al 、Mg、Z
r、Ti、Sn、In、W、Zn、Ni、Taなどの金
属を1種または2種以上含む酸化物層で表面を被覆する
ことが有効である。金属酸化物層を形成する手段は特に
限定されるものではない。例えば、真空蒸着法、スパッ
タリング法などの物理的蒸着法や、CVD法、溶射、メ
ッキ、ゾルゲル法などを用いることができる。
【0037】このとき、形成する金属酸化物層は、1層
であっても多層であっても構わないが、最外層にSiO
x (x =1〜2)層が形成されることが必要条件であ
る。金属酸化物層の層厚は耐擦傷性を上げるためには、
厚いほど好ましいが、用途によって適宜設定することが
できる。例えば、真空蒸着法によってポリカーボネート
製のプラスチック基材上にSiOx (x =1〜2)の単
層を被覆する場合には、層厚が薄すぎるとプラスチック
基材表面を完全に且つ均一に覆い尽くすことができず、
逆に層厚が厚すぎると、金属酸化物層の割れや、プラス
チック基材と金属酸化物層の間の剥離が生じる。層厚
は、SiOx (x =1〜2)の単層の場合には0.00
5〜50μmであることが好ましく、多層構造の場合に
は0.01〜100μmであることが好ましい。
であっても多層であっても構わないが、最外層にSiO
x (x =1〜2)層が形成されることが必要条件であ
る。金属酸化物層の層厚は耐擦傷性を上げるためには、
厚いほど好ましいが、用途によって適宜設定することが
できる。例えば、真空蒸着法によってポリカーボネート
製のプラスチック基材上にSiOx (x =1〜2)の単
層を被覆する場合には、層厚が薄すぎるとプラスチック
基材表面を完全に且つ均一に覆い尽くすことができず、
逆に層厚が厚すぎると、金属酸化物層の割れや、プラス
チック基材と金属酸化物層の間の剥離が生じる。層厚
は、SiOx (x =1〜2)の単層の場合には0.00
5〜50μmであることが好ましく、多層構造の場合に
は0.01〜100μmであることが好ましい。
【0038】基材の形状は、特に限定されず、例えば、
平材状、レンズ状曲面、エンボス様ランダムテクスチャ
ー、棒状、その他各種の形状に成形されたものなどであ
ってよい。
平材状、レンズ状曲面、エンボス様ランダムテクスチャ
ー、棒状、その他各種の形状に成形されたものなどであ
ってよい。
【0039】基材の表面は、好ましくは、上記塗料用組
成物の塗布前に洗浄される。金属酸化物層が設けられる
場合は、該金属酸化物層の被覆の前に洗浄される。この
洗浄は、基材表面の油脂成分などの汚れを除去するため
に、洗剤および蒸留水、基材を冒さない有機溶剤などを
用いて行われる。プラズマ処理を行うことも有効であ
る。
成物の塗布前に洗浄される。金属酸化物層が設けられる
場合は、該金属酸化物層の被覆の前に洗浄される。この
洗浄は、基材表面の油脂成分などの汚れを除去するため
に、洗剤および蒸留水、基材を冒さない有機溶剤などを
用いて行われる。プラズマ処理を行うことも有効であ
る。
【0040】上記の塗料組成物を、基材に塗布する方法
は、刷毛塗り、ディッピング法、スピンコーティング、
スプレー法なども有効である。
は、刷毛塗り、ディッピング法、スピンコーティング、
スプレー法なども有効である。
【0041】塗布膜厚は、硬化時の収縮を考慮して硬化
処理後に1〜50μm、特に3〜15μmになるように
調整することが好ましい。
処理後に1〜50μm、特に3〜15μmになるように
調整することが好ましい。
【0042】上記塗布後、加熱硬化するが、加熱硬化と
は、塗膜を硬化し、且つ金属アルコキシド重縮合物を基
材に強固に結合させるための、塗布層の乾燥のことであ
る。
は、塗膜を硬化し、且つ金属アルコキシド重縮合物を基
材に強固に結合させるための、塗布層の乾燥のことであ
る。
【0043】乾燥は、加熱乾燥や若干加熱しながらの減
圧乾燥によって行う。加熱乾燥と減圧乾燥を併用すると
加熱時間の短縮が可能である。塗布直後は多量の溶媒成
分が残存しているため、乾燥工程に先立って風乾を行う
のがよい。例えば、希釈溶媒としてエタノールを用いた
場合、室温であれば約1時間風乾を行う。乾燥温度は、
基材の耐熱性によって変える必要があるが、40〜20
0℃程度である。プラスチック基材の場合は、下限は室
温から上限はプラスチック基材の耐熱温度までの範囲で
適宜設定される。乾燥時間は乾燥温度によるが、通常、
110℃で30〜60分程度の処理で十分である。あま
り高い温度での乾燥ができない場合は処理時間を長くす
る。例えば、乾燥温度40℃では少なくとも1昼夜程度
その温度を保つ。
圧乾燥によって行う。加熱乾燥と減圧乾燥を併用すると
加熱時間の短縮が可能である。塗布直後は多量の溶媒成
分が残存しているため、乾燥工程に先立って風乾を行う
のがよい。例えば、希釈溶媒としてエタノールを用いた
場合、室温であれば約1時間風乾を行う。乾燥温度は、
基材の耐熱性によって変える必要があるが、40〜20
0℃程度である。プラスチック基材の場合は、下限は室
温から上限はプラスチック基材の耐熱温度までの範囲で
適宜設定される。乾燥時間は乾燥温度によるが、通常、
110℃で30〜60分程度の処理で十分である。あま
り高い温度での乾燥ができない場合は処理時間を長くす
る。例えば、乾燥温度40℃では少なくとも1昼夜程度
その温度を保つ。
【0044】次に、上記加熱硬化して被膜を形成した
後、親油性溶剤で上記有機酸エステルもしくはリン酸エ
ステルを抽出する。親油性溶剤とは、水とは非常に混和
しにくい溶剤のことを指し、例えば、ガソリン、鉱油、
石油、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、ヘキサン、シ
クロヘキサン等が挙げられる。特に、有機酸エステルと
してフタル酸ジ2−エチルヘキシル、またはリン酸エス
テルとしてリン酸トリクレジルの場合は、キシレンや四
塩化炭素が好ましく、有機酸エステルとして、セバシン
酸ジオクチルの場合は、ガソリンや石油が好ましい。
後、親油性溶剤で上記有機酸エステルもしくはリン酸エ
ステルを抽出する。親油性溶剤とは、水とは非常に混和
しにくい溶剤のことを指し、例えば、ガソリン、鉱油、
石油、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、ヘキサン、シ
クロヘキサン等が挙げられる。特に、有機酸エステルと
してフタル酸ジ2−エチルヘキシル、またはリン酸エス
テルとしてリン酸トリクレジルの場合は、キシレンや四
塩化炭素が好ましく、有機酸エステルとして、セバシン
酸ジオクチルの場合は、ガソリンや石油が好ましい。
【0045】上記抽出は、基材を上記抽出溶液中へ浸漬
したり、ソックスレー連続抽出器等で洗い流す方法等、
特には限定されない。抽出に際して、抽出溶媒を加熱し
たり、超音波振動を併用したりすることは好ましい。
したり、ソックスレー連続抽出器等で洗い流す方法等、
特には限定されない。抽出に際して、抽出溶媒を加熱し
たり、超音波振動を併用したりすることは好ましい。
【0046】
【作用】本発明で使用される有機酸エステルもしくはリ
ン酸エステルは、液状なので分散性がよく、また、沸点
が200℃以上と高く被膜の硬化時の高温において安定
であるので、該エステルを溶解・除去すると均一な微細
多孔が形成される。また、上記エステルを溶解・除去す
るに際して、金属アルコキシドの重縮合物を溶解したり
膨潤したりせず、且つ該エステルに対する溶解量の大き
い親油性溶剤を使用するので、被膜の強度が低下しな
い。
ン酸エステルは、液状なので分散性がよく、また、沸点
が200℃以上と高く被膜の硬化時の高温において安定
であるので、該エステルを溶解・除去すると均一な微細
多孔が形成される。また、上記エステルを溶解・除去す
るに際して、金属アルコキシドの重縮合物を溶解したり
膨潤したりせず、且つ該エステルに対する溶解量の大き
い親油性溶剤を使用するので、被膜の強度が低下しな
い。
【0047】
【実施例】つぎに、本発明を具体的に説明するために、
その実施例およびこれとの比較を示すための比較例をい
くつか挙げ、さらに得られた反射防止被膜の性能試験結
果を示す。
その実施例およびこれとの比較を示すための比較例をい
くつか挙げ、さらに得られた反射防止被膜の性能試験結
果を示す。
【0048】実施例1 メチルトリメトキシシラン:イソプロパノール:水=1
00:150:40(重量部)の割合の金属アルコキシ
ド混合溶液を70℃で5時間攪拌して、プレポリマーと
して重量平均分子量3,000(ゲル浸透クロマトグラ
フィで測定。ポリスチレン換算値)の金属アルコキシド
重縮合物を得た。この金属アルコキシド重縮合物溶液
に、フタル酸ジ2−エチルヘキシルを前記金属アルコキ
シド重縮合物溶液中の金属アルコキシド重縮合物100
重量部に対し25重量部配合し、硬化促進剤としてγ−
アミノプロピルトリメトキシシランを同じく0.1重量
部配合して超音波振動をかけて均一に分散させ塗料組成
物を調製した。
00:150:40(重量部)の割合の金属アルコキシ
ド混合溶液を70℃で5時間攪拌して、プレポリマーと
して重量平均分子量3,000(ゲル浸透クロマトグラ
フィで測定。ポリスチレン換算値)の金属アルコキシド
重縮合物を得た。この金属アルコキシド重縮合物溶液
に、フタル酸ジ2−エチルヘキシルを前記金属アルコキ
シド重縮合物溶液中の金属アルコキシド重縮合物100
重量部に対し25重量部配合し、硬化促進剤としてγ−
アミノプロピルトリメトキシシランを同じく0.1重量
部配合して超音波振動をかけて均一に分散させ塗料組成
物を調製した。
【0049】基材としてスライドガラス(NAKARA
I社製、商品名「S−2111」、76mm×26mm
×1mm)を用い、これをメタノール洗浄、酸洗浄、蒸
留水洗浄処理で表面を清浄にして使用した。これに上記
塗料組成物をキャスティングにより膜厚が2μmになる
ように塗布し、120℃オーブン中で60分間加熱処理
して被膜を形成した後、キシレン溶液中に浸漬し超音波
振動をかけてフタル酸ジ2−エチルヘキシルを溶出させ
反射防止被膜を製造した。
I社製、商品名「S−2111」、76mm×26mm
×1mm)を用い、これをメタノール洗浄、酸洗浄、蒸
留水洗浄処理で表面を清浄にして使用した。これに上記
塗料組成物をキャスティングにより膜厚が2μmになる
ように塗布し、120℃オーブン中で60分間加熱処理
して被膜を形成した後、キシレン溶液中に浸漬し超音波
振動をかけてフタル酸ジ2−エチルヘキシルを溶出させ
反射防止被膜を製造した。
【0050】表1に実施例1の内容を纏めて示した。
【0051】実施例2、3 金属アルコキシド重縮合物の種類とその重量平均分子
量、エステルの種類とその使用量および親油性溶剤の種
類を、表1のように変えたことの他は、実施例1と同様
にして反射防止被膜を製造した。
量、エステルの種類とその使用量および親油性溶剤の種
類を、表1のように変えたことの他は、実施例1と同様
にして反射防止被膜を製造した。
【0052】比較例1 特開平3−199043号公報に従って、モノメチルト
リエトキシシラン17.83g、エタノール13.82
g、1−ブタノール22.24gを混合し均一溶液とし
た。この溶液に、水10.8g、リン酸0.49gを加
え、更に60分間攪拌した。この溶液に、エタノール1
3.82g、1−ブタノール22.24g、ポリエチレ
ングリコール3.30gを加え、更に10分間混合し試
験液とした。この溶液に実施例1と同様のスライドガラ
スを浸漬しゆっくりと引き上げ、室温で10分乾燥後エ
タノール中に浸漬し、超音波振動をかけてポリエチレン
グリコールを溶出させ反射防止被膜を製造した。
リエトキシシラン17.83g、エタノール13.82
g、1−ブタノール22.24gを混合し均一溶液とし
た。この溶液に、水10.8g、リン酸0.49gを加
え、更に60分間攪拌した。この溶液に、エタノール1
3.82g、1−ブタノール22.24g、ポリエチレ
ングリコール3.30gを加え、更に10分間混合し試
験液とした。この溶液に実施例1と同様のスライドガラ
スを浸漬しゆっくりと引き上げ、室温で10分乾燥後エ
タノール中に浸漬し、超音波振動をかけてポリエチレン
グリコールを溶出させ反射防止被膜を製造した。
【0053】比較例2 特開昭62−226840号公報に従って、トリエトキ
シシラン10ml、水5ml、1.0規定塩酸0.1m
lを混合攪拌し、これに0.1規定水酸化アンモニウム
を加えて、pH5に調整し塗布液とした。この塗布液を
実施例1と同様のスライドガラス上に流しだし、常温で
30分間乾燥後の膜厚が2μmのウエットゲル膜を形成
した。80℃に加熱した流動パラフィン中に、このウエ
ットゲル膜塗装品を24時間浸漬し、アセトンで洗浄
後、120℃で1時間乾燥し反射防止被膜を製造した。
シシラン10ml、水5ml、1.0規定塩酸0.1m
lを混合攪拌し、これに0.1規定水酸化アンモニウム
を加えて、pH5に調整し塗布液とした。この塗布液を
実施例1と同様のスライドガラス上に流しだし、常温で
30分間乾燥後の膜厚が2μmのウエットゲル膜を形成
した。80℃に加熱した流動パラフィン中に、このウエ
ットゲル膜塗装品を24時間浸漬し、アセトンで洗浄
後、120℃で1時間乾燥し反射防止被膜を製造した。
【0054】性能試験 実施例および比較例で得られた反射防止被膜について、
以下の方法で性能試験を行った。 反射防止性 屈折率の測定によって評価した。測定は、自動エリプソ
メーター(溝尻光学工業所製、DVA−36LP)を用
いて行った。 膜強度 乾燥した木綿性サラシを使用し、これに500g/cm
2 の荷重をかけて往復1000回、反射防止被膜上を摺
動させ、試験後に400〜700nmの全光線透過率
(%)を測定し、試験前後の全光線透過率の変化量(試
験前の全光線透過率−試験後の全光線透過率)によって
評価した。評価結果を表1に示した。
以下の方法で性能試験を行った。 反射防止性 屈折率の測定によって評価した。測定は、自動エリプソ
メーター(溝尻光学工業所製、DVA−36LP)を用
いて行った。 膜強度 乾燥した木綿性サラシを使用し、これに500g/cm
2 の荷重をかけて往復1000回、反射防止被膜上を摺
動させ、試験後に400〜700nmの全光線透過率
(%)を測定し、試験前後の全光線透過率の変化量(試
験前の全光線透過率−試験後の全光線透過率)によって
評価した。評価結果を表1に示した。
【0055】
【表1】
【0056】
【発明の効果】本発明の反射防止被膜の製造方法は上述
の通りであり、被膜の強度を低下させることなく、均一
な微細な多孔を表面に開口させた反射防止被膜を製造で
きる。
の通りであり、被膜の強度を低下させることなく、均一
な微細な多孔を表面に開口させた反射防止被膜を製造で
きる。
Claims (1)
- 【請求項1】 金属アルコキシド、水および親水性有機
溶媒を混合して得られた金属アルコキシド重縮合物溶液
と、有機酸エステルもしくはリン酸エステルとからなる
塗料組成物を、基材に塗布、加熱硬化して被膜を形成し
た後、親油性溶剤で上記有機酸エステルもしくはリン酸
エステルを抽出することを特徴とする反射防止被膜の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5291686A JPH07140303A (ja) | 1993-11-22 | 1993-11-22 | 反射防止被膜の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5291686A JPH07140303A (ja) | 1993-11-22 | 1993-11-22 | 反射防止被膜の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07140303A true JPH07140303A (ja) | 1995-06-02 |
Family
ID=17772102
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5291686A Pending JPH07140303A (ja) | 1993-11-22 | 1993-11-22 | 反射防止被膜の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07140303A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006132351A1 (ja) | 2005-06-09 | 2006-12-14 | Hitachi Chemical Company, Ltd. | 反射防止膜の形成方法 |
JP2007213079A (ja) * | 2006-02-08 | 2007-08-23 | Dongwoo Fine-Chem Co Ltd | 低反射フィルム及びその製造方法 |
WO2013111783A1 (ja) | 2012-01-23 | 2013-08-01 | 旭化成イーマテリアルズ株式会社 | コーティング組成物及び反射防止膜 |
-
1993
- 1993-11-22 JP JP5291686A patent/JPH07140303A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006132351A1 (ja) | 2005-06-09 | 2006-12-14 | Hitachi Chemical Company, Ltd. | 反射防止膜の形成方法 |
JP2007213079A (ja) * | 2006-02-08 | 2007-08-23 | Dongwoo Fine-Chem Co Ltd | 低反射フィルム及びその製造方法 |
WO2013111783A1 (ja) | 2012-01-23 | 2013-08-01 | 旭化成イーマテリアルズ株式会社 | コーティング組成物及び反射防止膜 |
KR20140102283A (ko) | 2012-01-23 | 2014-08-21 | 아사히 가세이 이-매터리얼즈 가부시키가이샤 | 코팅 조성물 및 반사 방지막 |
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