JPH0711383A - 疲労特性に優れた複合組織鋼板 - Google Patents
疲労特性に優れた複合組織鋼板Info
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- JPH0711383A JPH0711383A JP18193393A JP18193393A JPH0711383A JP H0711383 A JPH0711383 A JP H0711383A JP 18193393 A JP18193393 A JP 18193393A JP 18193393 A JP18193393 A JP 18193393A JP H0711383 A JPH0711383 A JP H0711383A
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- Japan
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 優れた疲労特性を有する鋼板を提供する。
【構成】 C、Si、Mn、Cu、V、Ti、Nb、Ni、C
r、Mo、Bを特定した成分を有し、フェライト中に硬質
の第二相を含有する鋼板であって、4μm≦フェライト
結晶粒径≦20μm、140≦フェライトのビッカース
硬さ≦200、第二相の粒径≦5μm、第二相のビッカ
ーズ硬さ≧400なる二相組織からなり、第二相の平均
自由行程≦20μmに制御されていることを特徴とす
る。
r、Mo、Bを特定した成分を有し、フェライト中に硬質
の第二相を含有する鋼板であって、4μm≦フェライト
結晶粒径≦20μm、140≦フェライトのビッカース
硬さ≦200、第二相の粒径≦5μm、第二相のビッカ
ーズ硬さ≧400なる二相組織からなり、第二相の平均
自由行程≦20μmに制御されていることを特徴とす
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は疲労特性に優れた複合組
織鋼板に関し、特に自動車、鉄道などの輸送機等におい
て、頻繁な繰返し荷重の作用する構造部材に適してい
る。
織鋼板に関し、特に自動車、鉄道などの輸送機等におい
て、頻繁な繰返し荷重の作用する構造部材に適してい
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】自動
車、鉄道などの車両において燃費やエネルギー効率の向
上を図るため、従来の軟鋼板に替えて高張力鋼板の使用
が増加している。特にホイール、車体、足回り部品、フ
レームなどの構造部材において、高張力化と同時に疲労
強度の改善が重要な課題となっている。
車、鉄道などの車両において燃費やエネルギー効率の向
上を図るため、従来の軟鋼板に替えて高張力鋼板の使用
が増加している。特にホイール、車体、足回り部品、フ
レームなどの構造部材において、高張力化と同時に疲労
強度の改善が重要な課題となっている。
【0003】鋼板の疲労特性改善法としては、例えば、
特開平4−235219号などに見られるように、結晶
粒の微細化が用いられることが多い。しかしながら、結
晶粒径の微細化は疲労亀裂の伝播特性を低下することが
知られており、そのため、切欠などの構造的不連続部の
ある部品では必ずしも耐久性が改善されない。
特開平4−235219号などに見られるように、結晶
粒の微細化が用いられることが多い。しかしながら、結
晶粒径の微細化は疲労亀裂の伝播特性を低下することが
知られており、そのため、切欠などの構造的不連続部の
ある部品では必ずしも耐久性が改善されない。
【0004】また、特開平2−1218号のように、第
二相の導入による疲労強度改善も試みられている。この
場合、第二相の面積率だけを規定したものが多いが、面
積率が同じでも結晶粒径や第二相の分散状態によっては
疲労強度は向上しないこともあり、これだけでは必要十
分要件を満足していない。
二相の導入による疲労強度改善も試みられている。この
場合、第二相の面積率だけを規定したものが多いが、面
積率が同じでも結晶粒径や第二相の分散状態によっては
疲労強度は向上しないこともあり、これだけでは必要十
分要件を満足していない。
【0005】本発明は、上記従来技術の問題点を解決し
て、従来鋼板よりも優れた疲労特性を有する鋼板を提供
することを目的とするものである。
て、従来鋼板よりも優れた疲労特性を有する鋼板を提供
することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前述のように、鋼板の疲
労特性改善法は微視組織の制御によるところが大きい
が、疲労特性に最適な微視組織構造は未だ明確にされて
いない。本発明者らは、疲労強度と微視組織の関係を明
らかにすべく鋭意研究した結果、母相であるフェライト
とこれより硬さの高い第二相の結晶粒径、硬さ、分布状
態を制御することにより疲労特性に優れた鋼板が得られ
ることを見い出し、ここに本発明に至ったものである。
労特性改善法は微視組織の制御によるところが大きい
が、疲労特性に最適な微視組織構造は未だ明確にされて
いない。本発明者らは、疲労強度と微視組織の関係を明
らかにすべく鋭意研究した結果、母相であるフェライト
とこれより硬さの高い第二相の結晶粒径、硬さ、分布状
態を制御することにより疲労特性に優れた鋼板が得られ
ることを見い出し、ここに本発明に至ったものである。
【0007】すなわち、本発明は、C:0.03〜0.1
5%、Si:0.3〜1.5%、Mn:0.1〜2.0%を含
有し、必要に応じて更に、Cu:0.1〜2.0%、V:
0.01〜0.50%、Ti:0.01〜0.30%、N
b:0.01〜0.20%よりなる群から選ばれる1種又
は2種以上、及び/又は、Ni:0.1〜2.0%、Cr:
0.05〜2.0%、Mo:0.05〜1.0%、B:0.0
005〜0.01%よりなる群から選ばれる1種又は2
種以上を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からな
る化学成分を有し、フェライト中に硬質の第二相を含有
する鋼板であって、 4μm≦フェライト結晶粒径≦20μm 140≦フェライトのビッカース硬さ≦200 第二相の粒径≦5μm 第二相のビッカーズ硬さ≧400 なる二相組織からなり、 第二相の平均自由行程≦20μm に制御されていることを特徴とする疲労特性に優れた複
合組織鋼板を要旨としている。
5%、Si:0.3〜1.5%、Mn:0.1〜2.0%を含
有し、必要に応じて更に、Cu:0.1〜2.0%、V:
0.01〜0.50%、Ti:0.01〜0.30%、N
b:0.01〜0.20%よりなる群から選ばれる1種又
は2種以上、及び/又は、Ni:0.1〜2.0%、Cr:
0.05〜2.0%、Mo:0.05〜1.0%、B:0.0
005〜0.01%よりなる群から選ばれる1種又は2
種以上を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からな
る化学成分を有し、フェライト中に硬質の第二相を含有
する鋼板であって、 4μm≦フェライト結晶粒径≦20μm 140≦フェライトのビッカース硬さ≦200 第二相の粒径≦5μm 第二相のビッカーズ硬さ≧400 なる二相組織からなり、 第二相の平均自由行程≦20μm に制御されていることを特徴とする疲労特性に優れた複
合組織鋼板を要旨としている。
【0008】
【作用】以下に本発明を更に詳細に説明する。
【0009】本発明は、硬質の第二相(マルテンサイト
及び/又はベイナイト)を含むフェライト組織を有し、
それぞれの結晶粒径と硬さを規制し、更に疲労亀裂の伝
播を阻止する上で重要な第二相の平均自由行程を規制す
ることにより、疲労特性の向上を図ったものである。
及び/又はベイナイト)を含むフェライト組織を有し、
それぞれの結晶粒径と硬さを規制し、更に疲労亀裂の伝
播を阻止する上で重要な第二相の平均自由行程を規制す
ることにより、疲労特性の向上を図ったものである。
【0010】まず、本発明鋼のベースの組織としてフェ
ライトとする。これは、本発明の主たる利用分野である
車両では冷間加工や打ち抜き加工などが必須のプロセス
となっているため、加工・成形性を確保しなければなら
ないためである。
ライトとする。これは、本発明の主たる利用分野である
車両では冷間加工や打ち抜き加工などが必須のプロセス
となっているため、加工・成形性を確保しなければなら
ないためである。
【0011】但し、フェライトの結晶粒径とビッカース
硬さを規制する必要があり、その理由は以下のとおりで
ある。
硬さを規制する必要があり、その理由は以下のとおりで
ある。
【0012】フェライト結晶粒径が粗大になれば引張強
度、疲労強度とも低下する。十分な強度を得るためにフ
ェライト粒径の上限は20μmとする。一方、結晶粒微
細化により高サイクル疲労強度は上昇するが、過度の微
細化は低サイクル側での寿命低下や疲労亀裂伝播の下限
界値の低下を招く。この低下を抑えるためにフェライト
粒径の下限を4μmとする。
度、疲労強度とも低下する。十分な強度を得るためにフ
ェライト粒径の上限は20μmとする。一方、結晶粒微
細化により高サイクル疲労強度は上昇するが、過度の微
細化は低サイクル側での寿命低下や疲労亀裂伝播の下限
界値の低下を招く。この低下を抑えるためにフェライト
粒径の下限を4μmとする。
【0013】フェライトのビッカース硬さはフェライト
中の疲労すべり帯や微視的な亀裂の発生に対する抵抗を
高めるため、硬さが高いほど疲労強度も向上する。しか
し、前述のとおり、必要特性の一つであるプレス成形
性、伸びフランジ性、打ち抜き加工などの成形性・加工
性は、硬さの増加により低下する。成形性・加工性を阻
害することなく十分な疲労強度を確保するためには、フ
ェライトのビッカース硬さを140〜200の範囲とす
る必要がある。
中の疲労すべり帯や微視的な亀裂の発生に対する抵抗を
高めるため、硬さが高いほど疲労強度も向上する。しか
し、前述のとおり、必要特性の一つであるプレス成形
性、伸びフランジ性、打ち抜き加工などの成形性・加工
性は、硬さの増加により低下する。成形性・加工性を阻
害することなく十分な疲労強度を確保するためには、フ
ェライトのビッカース硬さを140〜200の範囲とす
る必要がある。
【0014】次に、本発明の最も特徴とするところの第
二相を分散させる主たる目的は、フェライト中に発生し
た疲労すべり帯や亀裂の伝播を第二相粒界で阻止し、停
留させることによって疲労強度を向上させることにあ
る。
二相を分散させる主たる目的は、フェライト中に発生し
た疲労すべり帯や亀裂の伝播を第二相粒界で阻止し、停
留させることによって疲労強度を向上させることにあ
る。
【0015】疲労すべり帯や亀裂の伝播を阻止するため
には、これらが十分伝播してしまわないうち第二相に遭
遇する必要があるが、この遭遇確率は第二相の粒径と分
散状態に左右される。第二相量を一定にしたまま第二相
粒径を変化させると、図1に示すように、第二相粒径が
10μm以上では疲労強度の向上には寄与せず、従来鋼
に比較して10%以上の疲労強度上昇を達成するため
に、第二相粒径を5μm以下とする。なお、この場合、
第二相量を増加させないので、成形性・加工性を阻害す
ることなく、疲労強度が高められる。
には、これらが十分伝播してしまわないうち第二相に遭
遇する必要があるが、この遭遇確率は第二相の粒径と分
散状態に左右される。第二相量を一定にしたまま第二相
粒径を変化させると、図1に示すように、第二相粒径が
10μm以上では疲労強度の向上には寄与せず、従来鋼
に比較して10%以上の疲労強度上昇を達成するため
に、第二相粒径を5μm以下とする。なお、この場合、
第二相量を増加させないので、成形性・加工性を阻害す
ることなく、疲労強度が高められる。
【0016】また、第二相が硬質な方が疲労すべり帯や
亀裂の防止には有効である。図2より、十分な防止効果
が得られるよう、第二相のビッカース硬さを400以上
とする。これにより、従来鋼に比較して10%以上の疲
労強度上昇を達成できる。
亀裂の防止には有効である。図2より、十分な防止効果
が得られるよう、第二相のビッカース硬さを400以上
とする。これにより、従来鋼に比較して10%以上の疲
労強度上昇を達成できる。
【0017】次に第二相平均自由行程の限定理由につい
て説明する。
て説明する。
【0018】前述のとおり、疲労すべり帯や亀裂が第二
相に遭遇する確率を決定する要因のひとつに第二相の分
散状態がある。この確率を決定する微視組織因子として
は、第二相の面積率よりも第二相間の距離、すなわち、
第二相平均自由行程が重要である。第二相の平均自由行
程が大きければ、疲労すべり帯や亀裂が第二相に遭遇す
る前に十分な長さに成長してしまい、第二相で阻止、停
留させることができない。したがって、図3に示すよう
に、平均自由行程が大きいと第二相の含有によっても疲
労強度は殆ど向上せず、第二相により従来鋼に比較して
10%以上の疲労強度上昇を得るために、第二相の平均
自由行程は20μm以下とする。
相に遭遇する確率を決定する要因のひとつに第二相の分
散状態がある。この確率を決定する微視組織因子として
は、第二相の面積率よりも第二相間の距離、すなわち、
第二相平均自由行程が重要である。第二相の平均自由行
程が大きければ、疲労すべり帯や亀裂が第二相に遭遇す
る前に十分な長さに成長してしまい、第二相で阻止、停
留させることができない。したがって、図3に示すよう
に、平均自由行程が大きいと第二相の含有によっても疲
労強度は殆ど向上せず、第二相により従来鋼に比較して
10%以上の疲労強度上昇を得るために、第二相の平均
自由行程は20μm以下とする。
【0019】次に、本発明における鋼の化学成分の限定
理由を説明する。
理由を説明する。
【0020】C:Cは適切な硬さの第二相を得るために
必要な元素であり、そのためには0.03%以上の添加
が必要である。しかし、0.15%を超えて添加すると
加工性及び溶接性の劣化が大きい。よって、C含有量は
0.03〜0.15%の範囲とする。
必要な元素であり、そのためには0.03%以上の添加
が必要である。しかし、0.15%を超えて添加すると
加工性及び溶接性の劣化が大きい。よって、C含有量は
0.03〜0.15%の範囲とする。
【0021】Si:Siは固溶強化元素であり、フェライ
トの硬さを高くするために必要である。その効果を有効
に発揮させるためには0.3%以上の添加が必要であ
る。しかし、1.5%を超えて添加するとフェライト硬
さの過度の上昇により成形性・加工性を低下させると共
に、鋼板の表面性状を劣化させる。よって、Si含有量
は0.3〜1.5%の範囲とする。
トの硬さを高くするために必要である。その効果を有効
に発揮させるためには0.3%以上の添加が必要であ
る。しかし、1.5%を超えて添加するとフェライト硬
さの過度の上昇により成形性・加工性を低下させると共
に、鋼板の表面性状を劣化させる。よって、Si含有量
は0.3〜1.5%の範囲とする。
【0022】Mn:Mnは熱間脆性を防止するために0.
1%以上添加する必要があるが、2.0%を超えて添加
すると溶接性を損なう。よって、Mn含有量は0.1〜
2.0%の範囲とする。
1%以上添加する必要があるが、2.0%を超えて添加
すると溶接性を損なう。よって、Mn含有量は0.1〜
2.0%の範囲とする。
【0023】以上の元素の他、以下に示すように、必要
に応じて、Cu、V、Ti、Nbよりなる群から1種又は
2種以上、或いはNi、Cr、Mo、Bよりなる群から1
種又は2種以上を適量で添加することができる。
に応じて、Cu、V、Ti、Nbよりなる群から1種又は
2種以上、或いはNi、Cr、Mo、Bよりなる群から1
種又は2種以上を適量で添加することができる。
【0024】Cu:Cuは固溶強化及び析出強化に有効な
元素であり、フェライトの硬さを向上させる効果があ
る。これらの効果を発揮させるためには少なくとも0.
1%添加する必要があるが、2.0%を超えて添加して
もその効果が飽和する。よって、Cu添加量は0.1〜
2.0%の範囲とする。
元素であり、フェライトの硬さを向上させる効果があ
る。これらの効果を発揮させるためには少なくとも0.
1%添加する必要があるが、2.0%を超えて添加して
もその効果が飽和する。よって、Cu添加量は0.1〜
2.0%の範囲とする。
【0025】V、Ti、Nb:V、Ti及びNbは析出硬化
元素であり、フェライト硬さを向上させる効果がある
が、過度に添加しても、その効果が飽和する。よって、
これらの添加量はそれぞれ、V:0.01〜0.50%、
Ti:0.01〜0.30%、Nb:0.01〜0.20%の
範囲とする。
元素であり、フェライト硬さを向上させる効果がある
が、過度に添加しても、その効果が飽和する。よって、
これらの添加量はそれぞれ、V:0.01〜0.50%、
Ti:0.01〜0.30%、Nb:0.01〜0.20%の
範囲とする。
【0026】Ni:Niは溶接性を阻害することなく、焼
入れ性及び靭性を向上する効果がある。この効果を発揮
させるためには少なくとも0.1%添加する必要があ
る。しかし、過多の添加はコストアップを招くため、
2.0%をその上限とする。
入れ性及び靭性を向上する効果がある。この効果を発揮
させるためには少なくとも0.1%添加する必要があ
る。しかし、過多の添加はコストアップを招くため、
2.0%をその上限とする。
【0027】Cr:Crは焼入れ性を向上させて所定の組
織を有利に与える元素である。この効果を発揮させるた
めには0.05%以上添加する必要があるが、2.0%を
超えて添加してもその効果は飽和し、またコストアップ
にもつながる。よって、Cr添加量は0.05〜2.0%
の範囲とする。
織を有利に与える元素である。この効果を発揮させるた
めには0.05%以上添加する必要があるが、2.0%を
超えて添加してもその効果は飽和し、またコストアップ
にもつながる。よって、Cr添加量は0.05〜2.0%
の範囲とする。
【0028】Mo:Moは焼入れ性を向上させて所定の組
織を有利に与える元素である。この効果を発揮させるた
めには少なくとも0.05%添加する必要があるが、1.
0%を超えて添加してもその効果が飽和し、またコスト
アップにもつながる。よって、Mn添加量は0.05〜
1.0%の範囲とする。
織を有利に与える元素である。この効果を発揮させるた
めには少なくとも0.05%添加する必要があるが、1.
0%を超えて添加してもその効果が飽和し、またコスト
アップにもつながる。よって、Mn添加量は0.05〜
1.0%の範囲とする。
【0029】B:Bは焼入れ性を向上させるのに有効な
元素である。この効果を発揮させるためには少なくとも
0.0005%添加する必要がある。しかし、0.01%
を超えて添加してもその効果は飽和する。よって、B添
加量は0.0005〜0.01%の範囲とする。
元素である。この効果を発揮させるためには少なくとも
0.0005%添加する必要がある。しかし、0.01%
を超えて添加してもその効果は飽和する。よって、B添
加量は0.0005〜0.01%の範囲とする。
【0030】次に本発明の実施例を示す。
【0031】
【0032】表1に本発明例及び比較例の鋼の化学成分
を示す。No.1〜14は本発明例であり、No.15〜2
0は比較例である。同じ化学成分のものであっても、異
なる熱処理を施すことにより、異なる微視組織とに調整
した。表2に結晶粒径、ビッカース硬さ、及び引張圧縮
疲労試験によって求めた疲労限度の値を示す。
を示す。No.1〜14は本発明例であり、No.15〜2
0は比較例である。同じ化学成分のものであっても、異
なる熱処理を施すことにより、異なる微視組織とに調整
した。表2に結晶粒径、ビッカース硬さ、及び引張圧縮
疲労試験によって求めた疲労限度の値を示す。
【0033】その結果、化学成分が本発明範囲内にある
鋼板であっても、微視組織が本発明範囲内でない比較例
は、十分な疲労限度が得られていない。一方、本発明例
の鋼板は、従来の鋼板に比較して10%以上の疲労限度
上昇を達成している。
鋼板であっても、微視組織が本発明範囲内でない比較例
は、十分な疲労限度が得られていない。一方、本発明例
の鋼板は、従来の鋼板に比較して10%以上の疲労限度
上昇を達成している。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の鋼板は、
従来鋼板に比較して高い疲労強度を有しているので、特
に自動車、鉄道などの構造部材の薄肉軽量化に果たす効
果は多大である。
従来鋼板に比較して高い疲労強度を有しているので、特
に自動車、鉄道などの構造部材の薄肉軽量化に果たす効
果は多大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第二相の粒径と疲労限度の関係を示す図であ
る。
る。
【図2】第二相の硬さと疲労限度の関係を示す図であ
る。
る。
【図3】第二相平均自由行程と疲労限度の関係を示す図
である。
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中屋道治 兵庫県加古川市金沢町1番地株式会社神戸 製鋼所加古川製鉄所内
Claims (3)
- 【請求項1】 重量%で(以下、同じ)、C:0.03〜
0.15%、Si:0.3〜1.5%、Mn:0.1〜2.0
%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる化
学成分を有し、フェライト中に硬質の第二相を含有する
鋼板であって、 4μm≦フェライト結晶粒径≦20μm 140≦フェライトのビッカース硬さ≦200 第二相の粒径≦5μm 第二相のビッカーズ硬さ≧400 なる二相組織からなり、 第二相の平均自由行程≦20μm に制御されていることを特徴とする疲労特性に優れた複
合組織鋼板。 - 【請求項2】 前記鋼が、更にCu:0.1〜2.0%、
V:0.01〜0.50%、Ti:0.01〜0.30%、
Nb:0.01〜0.20%よりなる群から選ばれる1種
又は2種以上を含有している請求項1に記載の複合組織
鋼板。 - 【請求項3】 前記鋼が、更にNi:0.1〜2.0%、
Cr:0.05〜2.0%、Mo:0.05〜1.0%、B:
0.0005〜0.01%よりなる群から選ばれる1種又
は2種以上を含有している請求項1又は2に記載の複合
組織鋼板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18193393A JPH0711383A (ja) | 1993-06-28 | 1993-06-28 | 疲労特性に優れた複合組織鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18193393A JPH0711383A (ja) | 1993-06-28 | 1993-06-28 | 疲労特性に優れた複合組織鋼板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0711383A true JPH0711383A (ja) | 1995-01-13 |
Family
ID=16109436
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18193393A Pending JPH0711383A (ja) | 1993-06-28 | 1993-06-28 | 疲労特性に優れた複合組織鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0711383A (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008123561A1 (ja) | 2007-03-30 | 2008-10-16 | Jfe Steel Corporation | 高強度溶融亜鉛めっき鋼板 |
WO2009081997A1 (ja) | 2007-12-20 | 2009-07-02 | Jfe Steel Corporation | 高強度溶融亜鉛めっき鋼板および高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
WO2009096596A1 (ja) | 2008-01-31 | 2009-08-06 | Jfe Steel Corporation | 高強度鋼板およびその製造方法 |
WO2011013845A1 (ja) | 2009-07-30 | 2011-02-03 | Jfeスチール株式会社 | 高強度鋼板およびその製造方法 |
WO2018193787A1 (ja) | 2017-04-21 | 2018-10-25 | 新日鐵住金株式会社 | 高強度溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 |
KR20190044668A (ko) | 2017-01-25 | 2019-04-30 | 닛폰세이테츠 가부시키가이샤 | 강판 |
KR20190044669A (ko) | 2017-01-31 | 2019-04-30 | 닛폰세이테츠 가부시키가이샤 | 강판 |
KR20190045310A (ko) | 2016-09-13 | 2019-05-02 | 닛폰세이테츠 가부시키가이샤 | 강판 |
US10895002B2 (en) | 2017-01-30 | 2021-01-19 | Nippon Steel Corporation | Steel sheet |
WO2023139752A1 (ja) | 2022-01-21 | 2023-07-27 | 日本製鉄株式会社 | 鋼板 |
-
1993
- 1993-06-28 JP JP18193393A patent/JPH0711383A/ja active Pending
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