JPH07111746A - 回転電機 - Google Patents
回転電機Info
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- JPH07111746A JPH07111746A JP25428693A JP25428693A JPH07111746A JP H07111746 A JPH07111746 A JP H07111746A JP 25428693 A JP25428693 A JP 25428693A JP 25428693 A JP25428693 A JP 25428693A JP H07111746 A JPH07111746 A JP H07111746A
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- stator
- magnetic
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Abstract
(57)【要約】
【目的】軽量で小形の汎用誘導電動機などの回転電機を
得ること。 【構成】その内周部に厚肉部1bが形成されているハウ
ジング1を磁性アルミニウム合金材料で作り、この厚肉
部1bの内周部に固定子鉄心2の外周部を装着すること
により、この厚肉部1bを磁路の一部として用いるよう
にしたもの。 【効果】固定子鉄心2の一部が磁性アルミニウム合金材
料からなる厚肉部1bにより置き換えられることにな
り、磁性アルミニウム合金材料が有する低比重と高熱伝
導特性により、軽量化と放熱特性の改善による小型化と
が得られる。
得ること。 【構成】その内周部に厚肉部1bが形成されているハウ
ジング1を磁性アルミニウム合金材料で作り、この厚肉
部1bの内周部に固定子鉄心2の外周部を装着すること
により、この厚肉部1bを磁路の一部として用いるよう
にしたもの。 【効果】固定子鉄心2の一部が磁性アルミニウム合金材
料からなる厚肉部1bにより置き換えられることにな
り、磁性アルミニウム合金材料が有する低比重と高熱伝
導特性により、軽量化と放熱特性の改善による小型化と
が得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウム製のハウ
ジングを備えた回転電機に係り、特に比較的小容量の誘
導電動機に好適な回転電機に関する。
ジングを備えた回転電機に係り、特に比較的小容量の誘
導電動機に好適な回転電機に関する。
【0002】
【従来の技術】比較的小容量の汎用誘導電動機などの回
転電機は、小型軽量で低コストであることが大きな命題
となるが、このような要求を満たすものとして、図7に
示す構造の誘導電動機が従来から広く使用されている。
転電機は、小型軽量で低コストであることが大きな命題
となるが、このような要求を満たすものとして、図7に
示す構造の誘導電動機が従来から広く使用されている。
【0003】この図7において、1はハウジング、1a
は放熱フィン、2は固定子(電機子)鉄心、3は固定子
(電機子)コイル、4a、4bはエンドブラケット、5は
シャフト(回転軸)、6は回転子、7はエンドリング、8
は内ファン(内部の冷却扇)、9は外ファン(外部の冷却
扇)、10はエンドカバー、そして10aは風穴であ
る。
は放熱フィン、2は固定子(電機子)鉄心、3は固定子
(電機子)コイル、4a、4bはエンドブラケット、5は
シャフト(回転軸)、6は回転子、7はエンドリング、8
は内ファン(内部の冷却扇)、9は外ファン(外部の冷却
扇)、10はエンドカバー、そして10aは風穴であ
る。
【0004】ハウジング1はフレームとも呼ばれるもの
で、鉄系材料の鋳造により筒状に形成され、回転電機の
外被を構成している。放熱フィン1aは、放熱面積を増
加させ冷却を促進させる働きをするもので、ハウジング
1の外周に放射状に多数枚形成され、このハウジング1
と一体に鋳造されている。
で、鉄系材料の鋳造により筒状に形成され、回転電機の
外被を構成している。放熱フィン1aは、放熱面積を増
加させ冷却を促進させる働きをするもので、ハウジング
1の外周に放射状に多数枚形成され、このハウジング1
と一体に鋳造されている。
【0005】固定子鉄心2は、けい素鋼板の積層体で作
られた積層鉄心で、この積層鉄心の内周部に複数個のス
ロットを備えており、このスロットに固定子コイル3が
巻回されて、回転電機の固定子を構成している。エンド
ブラケット4a、4bは嵌合部を備え、これによりハウ
ジング1の両端の嵌合部に、ボルトなどにより取付けら
れている。シャフト5は、エンドブラケット4a、4b
に設けてある軸受に支承され、その一端側が前記エンド
ブラケット4bを挿通して出力軸をなし、エンドブラケ
ット4aを挿通した他端側には外ファン9が取付けてあ
る。
られた積層鉄心で、この積層鉄心の内周部に複数個のス
ロットを備えており、このスロットに固定子コイル3が
巻回されて、回転電機の固定子を構成している。エンド
ブラケット4a、4bは嵌合部を備え、これによりハウ
ジング1の両端の嵌合部に、ボルトなどにより取付けら
れている。シャフト5は、エンドブラケット4a、4b
に設けてある軸受に支承され、その一端側が前記エンド
ブラケット4bを挿通して出力軸をなし、エンドブラケ
ット4aを挿通した他端側には外ファン9が取付けてあ
る。
【0006】回転子6は、シャフト5のハウジング1内
の途中位置で、固定子2と対向する位置に設けられてい
るが、この回転子6にはエンドリング7が設けられてお
り、さらに図示してない二次導体バーが設けられてい
る。
の途中位置で、固定子2と対向する位置に設けられてい
るが、この回転子6にはエンドリング7が設けられてお
り、さらに図示してない二次導体バーが設けられてい
る。
【0007】内ファン8は、回転子6のエンドリング7
の両端面に軸方向に沿って突設された複数の羽根ブレー
ドで構成されており、電動機内部の空気を循環させ、冷
却を促進する働きをしている。
の両端面に軸方向に沿って突設された複数の羽根ブレー
ドで構成されており、電動機内部の空気を循環させ、冷
却を促進する働きをしている。
【0008】外ファン9は、エンドカバー10内に配置
されているが、このエンドカバー10は、外ファン9の
外側からエンドブラケット4aの外径部又はハウジング
1の外周部近傍迄を覆うようにして設けられている。そ
して、その端部は開放した円筒形若しくは異形の円筒形
に形成されており、エンドブラケット4a及びハウジン
グ1の外径部との間に径方向の隙間を作り、これにより
通風路を形成させている。そして、さらに、このエンド
カバー10の外側の端部には、外気を外ファン9で取り
込むための風穴10aが複数設けられている。
されているが、このエンドカバー10は、外ファン9の
外側からエンドブラケット4aの外径部又はハウジング
1の外周部近傍迄を覆うようにして設けられている。そ
して、その端部は開放した円筒形若しくは異形の円筒形
に形成されており、エンドブラケット4a及びハウジン
グ1の外径部との間に径方向の隙間を作り、これにより
通風路を形成させている。そして、さらに、このエンド
カバー10の外側の端部には、外気を外ファン9で取り
込むための風穴10aが複数設けられている。
【0009】電動機の内部は、このようにエンドブラケ
ット4a、4bでハウジング1の両端の開口部が塞がれ
ているが、回転子6が回転されると、内ファン8及び外
ファン9も回転し、その回転により、外気がエンドカバ
ー10の風孔10aから矢印(イ)で示すように、エンド
ブラケット4a、ハウジング1と放熱フィン1a及びエ
ンドブラケット4bの外部表面に外気が通風され、放熱
が得られるようになっている。
ット4a、4bでハウジング1の両端の開口部が塞がれ
ているが、回転子6が回転されると、内ファン8及び外
ファン9も回転し、その回転により、外気がエンドカバ
ー10の風孔10aから矢印(イ)で示すように、エンド
ブラケット4a、ハウジング1と放熱フィン1a及びエ
ンドブラケット4bの外部表面に外気が通風され、放熱
が得られるようになっている。
【0010】一方、電動機の内部は、上記したように、
内ファン8により空気が循環され、これにより、空気
は、回転子6、エンドリング7、固定子コイル3及び固
定子2の両端面を冷却しながら通過した後、ハウジング
1に比して比較的温度上昇の低いエンドブラケット4
a、4bの内面を通過し、このときに熱が放散されるよ
うな構造になっている。
内ファン8により空気が循環され、これにより、空気
は、回転子6、エンドリング7、固定子コイル3及び固
定子2の両端面を冷却しながら通過した後、ハウジング
1に比して比較的温度上昇の低いエンドブラケット4
a、4bの内面を通過し、このときに熱が放散されるよ
うな構造になっている。
【0011】ここで、ハウジング1は、回転電機の固定
子を保持し、内部を保護する部材を構成するものである
が、これと共に、上記したように、回転電機が運転中、
固定子などから発生した熱を外部に導き、放熱フィン1
aと共に、この熱を空気中へ放散させ、温度上昇を抑え
る働きもしており、従って、その材質としては、熱伝導
が良好なことが望ましく、且つ、軽量化の面からすれ
ば、比重の小さいことが望ましい。そこで、この観点か
ら、近年、ハウジングの材質としてアルミ(アルミニウ
ム)を用いた誘導電動機などの回転電機が市場に提供さ
れるようになってきた。
子を保持し、内部を保護する部材を構成するものである
が、これと共に、上記したように、回転電機が運転中、
固定子などから発生した熱を外部に導き、放熱フィン1
aと共に、この熱を空気中へ放散させ、温度上昇を抑え
る働きもしており、従って、その材質としては、熱伝導
が良好なことが望ましく、且つ、軽量化の面からすれ
ば、比重の小さいことが望ましい。そこで、この観点か
ら、近年、ハウジングの材質としてアルミ(アルミニウ
ム)を用いた誘導電動機などの回転電機が市場に提供さ
れるようになってきた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、ハウ
ジングの材質としてアルミを用いたことによる利点につ
いて充分に配慮がされているとは言えず、回転電機の軽
量化促進の点で問題があった。本発明の目的は、アルミ
ハウジングを用いたことの利点が最大限に活かされ、充
分な軽量化が得られるようにした回転電機を提供するこ
とにある。
ジングの材質としてアルミを用いたことによる利点につ
いて充分に配慮がされているとは言えず、回転電機の軽
量化促進の点で問題があった。本発明の目的は、アルミ
ハウジングを用いたことの利点が最大限に活かされ、充
分な軽量化が得られるようにした回転電機を提供するこ
とにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的は、回転電機の
固定子鉄心を、その内周側のスロットが形成されている
円筒形部分と、外周側の磁路を構成している円筒形部分
とに分割し、この外周側の円筒部分を磁性アルミニウム
合金材料からなる円筒状部で構成し、且つ、この磁性ア
ルミニウム合金材料からなる円筒状部を、回転電機のハ
ウジングと一体に構成することにより達成される。
固定子鉄心を、その内周側のスロットが形成されている
円筒形部分と、外周側の磁路を構成している円筒形部分
とに分割し、この外周側の円筒部分を磁性アルミニウム
合金材料からなる円筒状部で構成し、且つ、この磁性ア
ルミニウム合金材料からなる円筒状部を、回転電機のハ
ウジングと一体に構成することにより達成される。
【0014】
【作用】ハウジングと一体構成された磁性アルミニウム
合金材料からなる円筒状部は固定子鉄心の磁路を構成
し、これにより、けい素鋼板の積層体で作られた鉄心の
量を少なくするように働く。ここで、磁性アルミニウム
合金材料の比重は、けい素鋼板の比重に比してかなり小
さいから、充分な軽量化が得られることになる。
合金材料からなる円筒状部は固定子鉄心の磁路を構成
し、これにより、けい素鋼板の積層体で作られた鉄心の
量を少なくするように働く。ここで、磁性アルミニウム
合金材料の比重は、けい素鋼板の比重に比してかなり小
さいから、充分な軽量化が得られることになる。
【0015】
【実施例】以下、本発明による回転電機について、図示
の実施例により詳細に説明する。図1は、本発明による
回転電機を誘導電動機に適用した場合の一実施例で、図
において、1bはハウジング1の厚肉部であり、その他
は、このハウジング1の材質が異なり、且つ、固定子鉄
心2の構成が異なっているだけで、図7で説明した従来
例と同じである。
の実施例により詳細に説明する。図1は、本発明による
回転電機を誘導電動機に適用した場合の一実施例で、図
において、1bはハウジング1の厚肉部であり、その他
は、このハウジング1の材質が異なり、且つ、固定子鉄
心2の構成が異なっているだけで、図7で説明した従来
例と同じである。
【0016】ハウジング1は、「磁性アルミ合金」とい
う商品名で市場に供給されている磁性アルミニウム合金
材料で作られ、固定子鉄心2の外周部に相当する部分に
厚肉部1bが形成されている。そして、これに応じて、
固定子鉄心2は、図2に示すように、その内周側のスロ
ット2aと、歯部(ティース部)2bとを有する円筒形部
分20だけで形成された形に作られ、外周側の磁路を構
成している円筒形部分は分割されて、ハウジング1の厚
肉部1bで形成されている状態に作られている。
う商品名で市場に供給されている磁性アルミニウム合金
材料で作られ、固定子鉄心2の外周部に相当する部分に
厚肉部1bが形成されている。そして、これに応じて、
固定子鉄心2は、図2に示すように、その内周側のスロ
ット2aと、歯部(ティース部)2bとを有する円筒形部
分20だけで形成された形に作られ、外周側の磁路を構
成している円筒形部分は分割されて、ハウジング1の厚
肉部1bで形成されている状態に作られている。
【0017】このハウジング1を構成する「磁性アルミ
合金」(商品名)とは、アルミ粉末と強磁性体を混合し、
固化成形して製作された新材料で、非磁性体であるアル
ミニウムに強磁特性を持たせ、さらに高剛性を持つよう
にした材料であり、製造方法を工夫することにより磁気
異方性を持たせることも可能な材料である。そして、こ
の材料の特徴は、アルミの基本性質である軽量性(鉄に
比して30〜50%軽量)を残しながら、高剛性(アルミ
の約2倍)、高耐熱性、高耐磨耗性で、高い電磁波シー
ルド性をも持っており、さらに固化成形法により磁気特
性の選択が可能な上、冷間鍛造により複雑な部品形状を
得ることも可能な点にある。
合金」(商品名)とは、アルミ粉末と強磁性体を混合し、
固化成形して製作された新材料で、非磁性体であるアル
ミニウムに強磁特性を持たせ、さらに高剛性を持つよう
にした材料であり、製造方法を工夫することにより磁気
異方性を持たせることも可能な材料である。そして、こ
の材料の特徴は、アルミの基本性質である軽量性(鉄に
比して30〜50%軽量)を残しながら、高剛性(アルミ
の約2倍)、高耐熱性、高耐磨耗性で、高い電磁波シー
ルド性をも持っており、さらに固化成形法により磁気特
性の選択が可能な上、冷間鍛造により複雑な部品形状を
得ることも可能な点にある。
【0018】固定子鉄心2について、さらに詳しく説明
すると、図2において、この実施例における固定子鉄心
2は、上記したように、外周部と内周部の間に複数のス
ロット2aを有するが、これらのスロット2aは、外周
側の端部が開口しており、内周側の端部は開口させず
に、2gで示してある連結部分を残して内周面より僅か
に外径側に位置しており、この結果、スロット2aは、
内周側では閉じられており、従って、固定子コイル3
は、このスロット2aに対して、外周側から挿入して装
巻するようになっている。
すると、図2において、この実施例における固定子鉄心
2は、上記したように、外周部と内周部の間に複数のス
ロット2aを有するが、これらのスロット2aは、外周
側の端部が開口しており、内周側の端部は開口させず
に、2gで示してある連結部分を残して内周面より僅か
に外径側に位置しており、この結果、スロット2aは、
内周側では閉じられており、従って、固定子コイル3
は、このスロット2aに対して、外周側から挿入して装
巻するようになっている。
【0019】このため、まず、これらのスロット2aに
は、絶縁物3aを介して外周側から固定子コイル3が巻
回され、次いで、このコイル3が外に飛び出さないよう
に、サシキ(コイル抑え用のくさび)3bを装着し、固定
子コイル3の巻装を終わるのである。
は、絶縁物3aを介して外周側から固定子コイル3が巻
回され、次いで、このコイル3が外に飛び出さないよう
に、サシキ(コイル抑え用のくさび)3bを装着し、固定
子コイル3の巻装を終わるのである。
【0020】その後、このスロット2aに固定子コイル
3が収納された固定子鉄心2(円筒形部分20)は、絶縁
強化のためワニス処理が施こされてから、ハウジング1
内に挿入され、厚肉部1bの内周に位置決めされてか
ら、焼ばめによりハウジング1に装着される。なお、こ
のため、ハウジング1の厚肉部1bの内径寸法は、予め
固定子鉄心2(円筒形部分20)の外形寸法よりも、締め
代ろとなる分、小さくしてあり、これにより、固定子鉄
心2の装着に所定の締付力が与えられるようにする。
3が収納された固定子鉄心2(円筒形部分20)は、絶縁
強化のためワニス処理が施こされてから、ハウジング1
内に挿入され、厚肉部1bの内周に位置決めされてか
ら、焼ばめによりハウジング1に装着される。なお、こ
のため、ハウジング1の厚肉部1bの内径寸法は、予め
固定子鉄心2(円筒形部分20)の外形寸法よりも、締め
代ろとなる分、小さくしてあり、これにより、固定子鉄
心2の装着に所定の締付力が与えられるようにする。
【0021】以後、回転子6を固定子鉄心2内に挿入
し、エンドブラケット4a、4bをハウジング1に装着
して、図1に示す誘導電動機が完成する。
し、エンドブラケット4a、4bをハウジング1に装着
して、図1に示す誘導電動機が完成する。
【0022】次に、この実施例における磁気回路の構成
について説明する。以上の説明から明らかなように、こ
の実施例では、結果として、本来の固定子鉄心が、内周
側のスロットが形成されている円筒形部分20と、外周
側の磁路を構成している円筒形部分とに分割されてお
り、この外周側の円筒部分は、磁性アルミニウム合金材
料からなるハウジング1の円筒状の厚肉部1bで形成さ
れていることになる。
について説明する。以上の説明から明らかなように、こ
の実施例では、結果として、本来の固定子鉄心が、内周
側のスロットが形成されている円筒形部分20と、外周
側の磁路を構成している円筒形部分とに分割されてお
り、この外周側の円筒部分は、磁性アルミニウム合金材
料からなるハウジング1の円筒状の厚肉部1bで形成さ
れていることになる。
【0023】そこで、固定子コイル3による主磁束は、
図2の矢印(ロ)で示すように、固定子2の或る磁極を形
成する歯部2bを通ってから、ハウジング1の厚肉部1
bを通り、次の磁極を構成する隣りの歯部2b’を通っ
て、図示してない回転子へ向かう閉回路を構成し、従っ
て、この実施例によっても、必要な固定子磁路を形成す
ることができ、必要な特性の誘導電動機を得ることがで
きる。
図2の矢印(ロ)で示すように、固定子2の或る磁極を形
成する歯部2bを通ってから、ハウジング1の厚肉部1
bを通り、次の磁極を構成する隣りの歯部2b’を通っ
て、図示してない回転子へ向かう閉回路を構成し、従っ
て、この実施例によっても、必要な固定子磁路を形成す
ることができ、必要な特性の誘導電動機を得ることがで
きる。
【0024】ここでハウジング1の厚肉部1bは、固定
子鉄心2の外周部に相当し、この部分を、図2では1c
で示してある。しかして、この磁路の一部を構成する部
分1cは、アルミと磁性体の合金であるため、ケイ素鋼
板のような完全な磁性体と異なり、飽和磁束密度が小さ
い。そこで固定子の歯部に相当するこの部分の磁束密度
は、従来技術より小さくしなければならない。しかしな
がら、この本発明の実施例によれば、従来技術と同じ特
性を充分に持たせることができるものであり、この点に
ついて、以下に説明する。すなわち、この実施例では、
スロット2aは、固定子鉄心2の外周側で開口してお
り、このため、固定子の外周から固定子コイル3をスロ
ット2a内に挿入することができる。そして、この結
果、固定子コイル3のスロット2a内への挿入が容易に
なり、コイルの巻回数を、従来技術よりも多くすること
ができる。
子鉄心2の外周部に相当し、この部分を、図2では1c
で示してある。しかして、この磁路の一部を構成する部
分1cは、アルミと磁性体の合金であるため、ケイ素鋼
板のような完全な磁性体と異なり、飽和磁束密度が小さ
い。そこで固定子の歯部に相当するこの部分の磁束密度
は、従来技術より小さくしなければならない。しかしな
がら、この本発明の実施例によれば、従来技術と同じ特
性を充分に持たせることができるものであり、この点に
ついて、以下に説明する。すなわち、この実施例では、
スロット2aは、固定子鉄心2の外周側で開口してお
り、このため、固定子の外周から固定子コイル3をスロ
ット2a内に挿入することができる。そして、この結
果、固定子コイル3のスロット2a内への挿入が容易に
なり、コイルの巻回数を、従来技術よりも多くすること
ができる。
【0025】そこで、固定子コイル3の巻回数を増加さ
せたとすると、同一電流値でも起磁力(起磁力=巻回数
×電流)が大きくなり、発生トルクも大きくなる。一
方、性能上は、同一トルクが出せればよいのであるか
ら、結局、電流は少なくて済むことになる。他方、コイ
ルの巻数が多くなると磁束密度は小さくて済むから、結
局、磁性アルミニウム合金材料からなるハウジング1の
厚肉部1bでの飽和磁束密度が小さいことによる性能低
下を抑えることができることになり、従って、この実施
例によっても、従来技術と同じ特性の誘導電動機を得る
ことができるのである。また、この実施例では、スロッ
ト2aの開口が広くとれるため、巻線作業が簡単にな
り、熟練技能を必要としないという利点もある。
せたとすると、同一電流値でも起磁力(起磁力=巻回数
×電流)が大きくなり、発生トルクも大きくなる。一
方、性能上は、同一トルクが出せればよいのであるか
ら、結局、電流は少なくて済むことになる。他方、コイ
ルの巻数が多くなると磁束密度は小さくて済むから、結
局、磁性アルミニウム合金材料からなるハウジング1の
厚肉部1bでの飽和磁束密度が小さいことによる性能低
下を抑えることができることになり、従って、この実施
例によっても、従来技術と同じ特性の誘導電動機を得る
ことができるのである。また、この実施例では、スロッ
ト2aの開口が広くとれるため、巻線作業が簡単にな
り、熟練技能を必要としないという利点もある。
【0026】ところで、この実施例において使用してい
る磁性アルミニウム合金材料は、上記したように、比較
的導電率が高く、且つ、この実施例では、ハウジング1
の厚肉部1b(固定子の外周部となる部分1c)は積層構
造ではなく、一体成形されているので、この部分には渦
電流が流れ、固定子の温度上昇が大きくなってしまうと
いう問題を生じる虞れがある。
る磁性アルミニウム合金材料は、上記したように、比較
的導電率が高く、且つ、この実施例では、ハウジング1
の厚肉部1b(固定子の外周部となる部分1c)は積層構
造ではなく、一体成形されているので、この部分には渦
電流が流れ、固定子の温度上昇が大きくなってしまうと
いう問題を生じる虞れがある。
【0027】しかしながら、この実施例では、上記した
ように、固定子コイル3の巻回数を多くすることがで
き、これにより同一トルクを確保する電流は小さくて済
むことから、渦電流の増加は相殺され、損失が増加する
虞れはない。
ように、固定子コイル3の巻回数を多くすることがで
き、これにより同一トルクを確保する電流は小さくて済
むことから、渦電流の増加は相殺され、損失が増加する
虞れはない。
【0028】また、この実施例では、万一、渦電流が増
加して固定子の温度が上昇しても、ハウジング1の材質
が熱伝導度の高い磁性アルミニウム合金材料であるた
め、ハウジング1での熱の伝達が良く、高い放熱特性が
得られるので、従来技術よりも温度上昇を低減すること
ができる。
加して固定子の温度が上昇しても、ハウジング1の材質
が熱伝導度の高い磁性アルミニウム合金材料であるた
め、ハウジング1での熱の伝達が良く、高い放熱特性が
得られるので、従来技術よりも温度上昇を低減すること
ができる。
【0029】次に、図3は、本発明の他の一実施例で、
この図3の実施例が、上記した図2の実施例と異なる点
は、固定子鉄心2の外周部に突起2cを設け、固定子の
回り止めとしたものである。固定子には、運転中、回転
トルクの反作用による回動力が現われるが、この実施例
によれば、この突起2cがハウジング1の厚肉部1bの
内周面に食い込んだ形になるため、厚肉部1bに対する
固定子鉄心2の装着強度が、たとえ低下したとしても、
固定子の回動を確実に抑えることができる。
この図3の実施例が、上記した図2の実施例と異なる点
は、固定子鉄心2の外周部に突起2cを設け、固定子の
回り止めとしたものである。固定子には、運転中、回転
トルクの反作用による回動力が現われるが、この実施例
によれば、この突起2cがハウジング1の厚肉部1bの
内周面に食い込んだ形になるため、厚肉部1bに対する
固定子鉄心2の装着強度が、たとえ低下したとしても、
固定子の回動を確実に抑えることができる。
【0030】次に、図4は、本発明のさらに別の一実施
例で、図示のように、けい素鋼板の積層体からなる固定
子鉄心2の歯部2bの外周縁の一部2dを、母材溶接な
どの接合方法で固着したものであり、その他は、図3の
実施例と同じである。
例で、図示のように、けい素鋼板の積層体からなる固定
子鉄心2の歯部2bの外周縁の一部2dを、母材溶接な
どの接合方法で固着したものであり、その他は、図3の
実施例と同じである。
【0031】図5も本発明の一実施例で、この実施例
は、固定子外周部分1cでの磁束の通りが、図2の実施
例よりも容易になるように、固定子鉄心2の歯部2bの
外周端2eを外径方向に向かって延長させたもので、こ
の実施例では、図示のように、歯部2bの外周端2e
が、固定子コイル3を抑えるサシキの位置よりも外側に
位置するように構成してある。
は、固定子外周部分1cでの磁束の通りが、図2の実施
例よりも容易になるように、固定子鉄心2の歯部2bの
外周端2eを外径方向に向かって延長させたもので、こ
の実施例では、図示のように、歯部2bの外周端2e
が、固定子コイル3を抑えるサシキの位置よりも外側に
位置するように構成してある。
【0032】また、図6の実施例も、同じく、歯部2b
の外周端を外径方向に向かって延長させたものである
が、この実施例では、径方向に伸ばした歯部の外周端2
fの形状を、外周に向かうほど円周方向に広がるテーパ
状(ダブテイル形)にしたものであり、巻線作業を損なわ
ない程度まで歯部先端を広げたものである。
の外周端を外径方向に向かって延長させたものである
が、この実施例では、径方向に伸ばした歯部の外周端2
fの形状を、外周に向かうほど円周方向に広がるテーパ
状(ダブテイル形)にしたものであり、巻線作業を損なわ
ない程度まで歯部先端を広げたものである。
【0033】これら、図5と図6の実施例の狙いは、磁
性アルミニウム合金材料で構成される磁路の面積をでき
るだけ小さくして磁束を通り易くすることと、渦電流を
低減することにある。そこで、これらの実施例では、図
5の(ハ)、及び図6の(ニ)で示してあるように、磁束
は、導磁率が高く、通り易い材料である磁性体部分をな
るべく多く通ろうとするので、固定子鉄心2の歯部2b
を長くして、巻線作業に支障をきたさない程度まで開口
部を狭くしたものであり、これにより、アンペアターン
が少なくて済むようにし、励磁電流や渦電流が抑えられ
るようにしたものである。
性アルミニウム合金材料で構成される磁路の面積をでき
るだけ小さくして磁束を通り易くすることと、渦電流を
低減することにある。そこで、これらの実施例では、図
5の(ハ)、及び図6の(ニ)で示してあるように、磁束
は、導磁率が高く、通り易い材料である磁性体部分をな
るべく多く通ろうとするので、固定子鉄心2の歯部2b
を長くして、巻線作業に支障をきたさない程度まで開口
部を狭くしたものであり、これにより、アンペアターン
が少なくて済むようにし、励磁電流や渦電流が抑えられ
るようにしたものである。
【0034】なお、これらの実施例では、さらに、その
外周端2e、2fが、図3の実施例で説明した突起2c
と同様に、固定子鉄心2の回り止めの役目も果たすこと
になり、固定子の回動を確実に抑えることができるとい
う利点がある。
外周端2e、2fが、図3の実施例で説明した突起2c
と同様に、固定子鉄心2の回り止めの役目も果たすこと
になり、固定子の回動を確実に抑えることができるとい
う利点がある。
【0035】ところで、以上の説明では、ハウジング1
の厚肉部1bに対して、焼ばめにより固定子鉄心2を装
着しているが、圧入により装着するようにしてもよく、
或いは、ハウジング1の成形時に、固定子鉄心2を一体
にダイキャスト成形するようにしてもよい。
の厚肉部1bに対して、焼ばめにより固定子鉄心2を装
着しているが、圧入により装着するようにしてもよく、
或いは、ハウジング1の成形時に、固定子鉄心2を一体
にダイキャスト成形するようにしてもよい。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、以下に列挙する効果を
得ることができた。
得ることができた。
【0037】 小形軽量の回転電機を提供できる(容
積比で約30%小形化が可能)。
積比で約30%小形化が可能)。
【0038】 巻線作業が容易になるため、製造コス
トの低減が図れる。
トの低減が図れる。
【0039】 回転電機の温度上昇の低減が図れる。
【図1】本発明による回転電機の一実施例を示す部分断
面による側面図である。
面による側面図である。
【図2】本発明の回転電機おける固定子の一実施例を示
す部分正面図である。
す部分正面図である。
【図3】本発明の回転電機おける固定子の一実施例を示
す部分正面図である。
す部分正面図である。
【図4】本発明の回転電機おける固定子の一実施例を示
す部分正面図である。
す部分正面図である。
【図5】本発明の回転電機おける固定子の一実施例を示
す部分正面図である。
す部分正面図である。
【図6】本発明の回転電機おける固定子の一実施例を示
す部分正面図である。
す部分正面図である。
【図7】回転電機の従来例を示す部分断面による側面図
である。
である。
1 ハウジング 1a 放熱フィン 1b 厚肉部 2 固定子鉄心 2a スロット 2b 歯部 2c 回り止め用の突起 2d 歯部2bの外周縁の一部 2e、2f 歯部の外周端 2g 連結部分 3 固定子コイル 3a 絶縁物 3b サシキ(コイル抑え用のくさび) 4a、4b エンドブラケット 5 シャフト 6 回転子 7 エンドリング 8 内ファン 9 外ファン 10 エンドカバー 10a 風穴
Claims (2)
- 【請求項1】 巻線収納用のスロットが形成されたほぼ
円筒形の鉄心に巻線が施されている固定子を備えた回転
電機において、上記鉄心を、その内周側のスロットが形
成されている円筒形部分と、外周側の磁路を構成してい
る円筒形部分とに分割し、この外周側の円筒部分を磁性
アルミニウム合金材料からなる円筒状部で構成し、且
つ、この磁性アルミニウム合金材料からなる円筒状部を
ハウジングと一体に構成したことを特徴とする回転電
機。 - 【請求項2】 請求項1の発明において、上記スロット
が上記内周側の円筒形部分の外周側でだけ開口している
ことを特徴とする回転電機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25428693A JPH07111746A (ja) | 1993-10-12 | 1993-10-12 | 回転電機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25428693A JPH07111746A (ja) | 1993-10-12 | 1993-10-12 | 回転電機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07111746A true JPH07111746A (ja) | 1995-04-25 |
Family
ID=17262863
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25428693A Pending JPH07111746A (ja) | 1993-10-12 | 1993-10-12 | 回転電機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07111746A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006514526A (ja) * | 2003-04-15 | 2006-04-27 | ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド | 電気アシストターボチャージャのための電気モータカートリッジ |
WO2007049411A1 (ja) * | 2005-10-24 | 2007-05-03 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | コンデンサ電動機とその製造方法 |
US20110101816A1 (en) * | 2009-10-30 | 2011-05-05 | Denso Corporation | Stator for a rotating electric machine and rotating electric machine |
US8310125B2 (en) * | 2007-02-23 | 2012-11-13 | Jtekt Corporation | Motor and electric pump having a stator including a first sintered metal and second sintered metal |
US8653714B2 (en) | 2010-07-06 | 2014-02-18 | Denso Corporation | Stator for electric rotating machine |
JP2017070015A (ja) * | 2015-09-28 | 2017-04-06 | アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 | ステータおよびステータの製造方法 |
WO2017126423A1 (ja) * | 2016-01-21 | 2017-07-27 | セイコーエプソン株式会社 | ステータコア、ステータ、ステータの製造方法及び電動モーター |
-
1993
- 1993-10-12 JP JP25428693A patent/JPH07111746A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006514526A (ja) * | 2003-04-15 | 2006-04-27 | ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド | 電気アシストターボチャージャのための電気モータカートリッジ |
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