JPH07116028B2 - 持続性ジクロフエナクナトリウム製剤 - Google Patents
持続性ジクロフエナクナトリウム製剤Info
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Description
し、さらに詳細には、ジクロフエナクナトリウムと有機
酸を配合した医薬組成物に、徐放化被膜を施した徐放性
ジクロフエナクナトリウムを含有する持続性ジクロフエ
ナクナトリウム製剤に関する。
ムは強力な抗炎症作用及び鎮痛作用を有し、その有用性
は高く評価され、臨床の場で広く用いられている。しか
し、血中からの消失半減期が短く、1日3回食後に服用
する必要があるため服用が繁雑になり、コンプライアン
スの低下を引起こし疾患を管理するうえで好ましくなか
つた。さらに、経口投与した場合、急激な血中濃度の上
昇による重篤な副作用を示すという問題があつた。そこ
で、ジクロフエナクナトリウムの効果を長時間にわたつ
て安全にしかも最大限に引き出すことのできる持続性ジ
クロフエナクナトリウム製剤が所望されていた。
結果、ジクロフエナクナトリウムと有機酸を配合した医
薬組成物に、徐放化被膜を施した徐放性ジクロフエナク
ナトリウムは最高血中濃度を低下させ、長時間にわたつ
てジクロフエナクナトリウムの血中濃度を維持できるこ
とを見出し、本発明を完成するに至つた。
酸を含有する医薬組成物に、徐放化被膜を施した徐放性
ジクロフエナクナトリウムを含有する持続性ジクロフエ
ナクナトリウム製剤を提供するものである。
含有する医薬組成物は、ジクロフエナクナトリウム100
重量部に対し有機酸2重量部以上、特に2〜50重量部を
含有することが望ましい。また、本発明で使用される有
機酸は特に限定されないが、具体例として、クエン酸、
アスコルビン酸、フマル酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ
酸、アジピン酸あるいはそれらの混合物等が挙げられ
る。
にあつても、また別層に配合された状態にあつてもよ
い。ジクロフエナクナトリウムと有機酸を別層に配合す
る方法としては、例えばジクロフエナクナトリウムを含
む錠剤、顆粒、細粒、ビーズ等の表面に有機酸を含む微
粉末を層状に圧縮成型するかあるいは付着させる方法が
挙げられる。
るものは何れも使用でき、その具体例としては、例えば
エチルセルロース、アミノアルキルメタアクリレートコ
ポリマー、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリエチ
レン等の非水溶性高分子;フタル酸酢酸セルロース、ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロ
キシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネー
ト、カルボキシメチルエチルセルロース、スチレンアク
リル共重合体、メタアクリル酸コポリマー、無水マレイ
ン酸共重合体、セラツク等の腸溶性高分子;パラフイ
ン、マイクロクリスタリンワツクス等のパラフインワツ
クス;ステアリルアルコール、セタノール等の高級アル
コール;グリセリン脂肪酸エステル、硬化油、カルナウ
バロウ、ミツロウ、モクロウ等の脂肪酸エステル;ステ
アリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸等
の高級脂肪酸、あるいはそれら高級脂肪酸のナトリウ
ム、カルシウム、マグネシウム等の金属塩等が挙げられ
る。これらの中でも、pH約5.5〜約7、特に約7で溶解
する腸溶性高分子、及び非水溶性高分子が好ましい。
使用することができるが、これに他の成分を配合するこ
ともできる。例えば、メタアクリル酸コポリマーS等の
腸溶性高分子1重量部に対して、グリセリン脂肪酸エス
テル0.03〜0.3重量部及びタルク0.01〜1.5重量部を配合
した腸溶性被膜;あるいはエチルセルロース等の非水溶
性高分子1重量部に対して、ポリビニルピロリドン0.2
〜0.5重量部及びタルク0.01〜1.5重量部を配合した非水
溶性被膜を最も好ましい徐放性被膜として挙げることが
できる。そして、斯かる徐放性被膜を用いると、長時間
持続するジクロフエナクナトリウム製剤が得られると共
に、工業的に量産する場合に、被膜の亀裂発生や、粒子
同士の付着及びこれに伴う被膜剥離を防止することがで
きるという利点を有する。
ジクロフエナクナトリウムと有機酸を配合した医薬組成
物又はこれに添加剤を加えたものを公知の方法によりマ
イクロカプセルとするか、あるいは該医薬組成物又は必
要に応じて適当な結合剤、滑沢剤、崩壊剤、賦形剤、溶
解速度調節剤、可塑剤、着色剤、着香剤等を加え、常法
により錠剤、顆粒、細粒、ビーズとしたものに、徐放化
被膜を施すことにより製造される。
が、通常医薬組成物の1〜80重量%の範囲で使用され
る。例えば腸溶性被膜の場合は10〜80重量%、特に10〜
60重量%が好ましく、また非水溶性被膜の場合は1〜80
重量%、特に3〜60重量%が好ましい。
のままで持続性ジクロフエナクナトリウム製剤として使
用できるが、この徐放性ジクロフエナクナトリウムに徐
放化処理されていないジクロフエナクナトリウム(本明
細書では、便宜上、これを速溶性ジクロフエナクナトリ
ウムと称する)を組合せて持続性ジクロフエナクナトリ
ウム製剤とすることもできる。
製剤は、両者を混合する方法、あるいは両者を別層に配
して単一製剤とする方法等により製造される。両者の配
合割合は、希望する血中濃度及び持続時間によつても異
なるが、通常は、速溶性ジクロフエナクナトリウムが当
該製剤中の全ジクロフエナクナトリウムの10〜50重量
%、特に20〜40重量%になるようにするのが好ましい。
特に制限されないが、散剤、細粒剤、顆粒剤、ビーズ、
カプセル剤あるいは錠剤とすることができる。
ウム製剤はジクロフエナクナトリウムの放出を制御し、
最高血中濃度を低下させ、長時間一定した血中濃度が得
られるため、副作用の発生頻度が減少すると共に、1日
1回服用型の製剤とすることが可能になつた。
スターチ200gを混合し微粉砕する。20〜28メツシユに整
粒した白糖600gを芯としてヒドロキシプロピルセルロー
ス25gをエチルアルコール475gに溶解した液をかけなが
ら転動造粒し、55℃にて3時間乾燥する。この乾燥ビー
ズの14メツシユを通過し28メツシユを通過しないものを
裸ビーズAとする。この裸ビーズAの組成は次の通りで
ある。
記組成のコーテイング液1263gを常法に従つてスプレー
コーテイングを行い持続性ビーズa−1を製する。この
ものの被覆量は裸ビーズ重量に対して約8%であつた。
2の製造: ジクロフエナクナトリウム50.7g、コーンスターチ149.3
gを混合し微粉砕する。実施例1で製した持続性ビーズ
a−1 500gを芯としてヒドロキシプロピルセルロース
4gをエチルアルコール76gに溶解した液をかけながら転
動造粒する。次に、55℃にて2時間乾燥し、外側に速溶
層を形成した持続性ビーズa−2を製する。
スターチ170gを混合し微粉砕する。20〜28メツシユに整
粒した白糖600gを芯としてヒドロキシプロピルセルロー
ス25gをエチルアルコール475gに溶解した液をかけなが
ら転動造粒し、55℃にて3時間乾燥する。この乾燥ビー
ズの14メツシユを通過し28メツシユを通過しないものを
裸ビーズBとする。この裸ビーズBの組成は次の通りで
ある。
記組成のコーテイング液1667gを常法に従つてスプレー
コーテイングを行い持続性ビーズb−1を製する。この
ものの被覆量は裸ビーズ重量に対して約20%であつた。
スターチ200gを混合し微粉砕する。20〜28メツシユに整
粒した白糖600gを芯としてヒドロキシプロピルセルロー
ス25gをエチルアルコール475gに溶解した液をかけなが
ら転動造粒し、55℃にて3時間乾燥する。この乾燥ビー
ズの14メツシユを通過し28メツシユを通過しないものを
裸ビーズCとする。この裸ビーズCの組成は次の通りで
ある。
記組成のコーテイング液1667gを常法に従つてスプレー
コーテイングを行い持続性ビーズc−1を製する。この
ものの被覆量は裸ビーズ重量に対して約20%であつた。
スターチ150gを混合し微粉砕する。20〜28メツシユに整
粒した白糖600gを芯としてヒドロキシプロピルセルロー
ス25gをエチルアルコール475gに溶解した液をかけなが
ら転動造粒し、55℃にて3時間乾燥する。この乾燥顆粒
の14メツシユを通過し28メツシユを通過しないものを裸
ビーズDとする。この裸ビーズDの組成は次の通りであ
る。
れ、下記組成のコーテイング液900gを常法に従つてスプ
レーコーテイングを行い持続性ビーズd−1を製する。
このものの被覆量は裸ビーズ重量に対して約6%であつ
た。
スターチ100g、乳糖600g、白糖400gの混合末にヒドロキ
シプロピルセルロース60gを精製水540gに溶解した液を
加えて練合する。この練合物を円筒造粒機を用いて造粒
し、次いで55℃にて3時間乾燥する。この乾燥顆粒の16
メツシユを通過し30メツシユを通過しないものを裸顆粒
Eとする。この裸顆粒Eの組成は次の通りである。
組成のコーテイング液2083gを常法に従つてスプレーコ
ーテイングを行い持続性顆粒e−1を製する。このもの
の被覆量は裸顆粒重量に対して約30%であつた。
造): ジクロフエナクナトリウム800g、コーンスターチ400gを
混合し微粉砕する。20〜28メツシユに整粒した白糖600g
を芯としてヒドロキシプロピルセルロース25gをエチル
アルコール475gに溶解した液をかけながら転動造粒し、
55℃にて3時間乾燥する。この乾燥ビーズの14メツシユ
を通過し28メツシユを通過しないものを裸ビーズFとす
る。この裸ビーズFの組成は次の通りである。
の製造): 裸ビーズF 600gを流動層コーテイング装置にいれ、下
記組成のコーテイング液1667gを常法に従つてスプレー
コーテイングを行い被覆ビーズf−1を製する。このも
のの被覆量は裸ビーズ重量に対して約20%であつた。
の製造): 比較例1で製した裸ビーズF 600gを流動層コーテイン
グ装置にいれ、下記組成のコーテイング液1263gを常法
に従つてスプレーコーテイングを行い被覆ビーズf−2
を製する。このものの被覆量は裸ビーズ重量に対して約
8%であつた。
水素カルシウム500g、乳糖262.5g、タルク12.5gを均一
に混合し、圧縮成型すると、1錠当たりの重量250mg、
直径9mmの錠剤を得る。この錠剤の組成は次の通りであ
る。
コーテイング液で常法に従つて1錠当たりの重量増が10
mgになるまでスプレーコーテイングを行い持続性錠剤g
−1を製する。
1で製した裸ビーズF 5.13gを均一に混合し、この混
合ビーズ195mgをカプセルに充填して持続性カプセルh
−1を製した。
カプセルの製造): 比較例1で製した被覆ビーズf−1 14.37gと比較例1
で製した裸ビーズF 5.13gを均一に混合し、この混合
ビーズ195mgをカプセルに充填して持続性カプセルi−
1を製した。
酸を含まない被覆ビーズの溶出を回転パドル法(日本薬
局方−第11改正)で、溶出液としてpH6.8の緩衝液を用
い、測定した。その結果を第1図に示した。本発明によ
る持続性ビーズは有機酸を含まない被覆ビーズに比べさ
らに溶出が制御されている。
較例1の有機酸を含まない被覆ビーズの溶出を回転パド
ル法(日本薬局方−第11改正)で、溶出液としてpH7.5
の緩衝液を用い、測定した。その結果を第2図に示し
た。本発明による持続性ビーズは有機酸を含まない被覆
ビーズに比べさらに溶出が制御されている。
gと比較例2の有機酸を含まない被覆ビーズ(f−2)1
23.2mgを一夜絶食したビーグル犬に投与し、経時的に血
漿中のジクロフエナクナトリウム濃度を液体クロマトグ
ラフ法によつて測定した。その結果を第3図に示した。
本発明による持続性ビーズは有機酸を含まない被覆ビー
ズに比べさらに長時間にわたつて血漿中濃度を維持して
いる。
55g、コーンスターチ10gを混合し微粉砕する。24〜28メ
ツシユに整粒した白糖480gを芯としてヒドロキシプロピ
ルセルロース27gをエチルアルコール513gに溶解した液
をかけながら転動造粒し、55℃にて3時間乾燥する。こ
の乾燥ビーズの14メツシユを通過し32メツシユを通過し
ないものを裸ビーズJとする。この裸ビーズJの組成は
次の通りである。
組成のコーテイング液1736gを常法に従つてスプレーコ
ーテイングを行い持続性ビーズj−1を製する。このも
のの被覆量は裸ビーズ重量に対し約25%であつた。
5g、白糖222gを混合し微粉砕する。24〜28メツシユに整
粒した白糖523.5gを芯としてヒドロキシプロピルセルロ
ース25.5gをエチルアルコール484.5gに溶解した液をか
けながら転動造粒し、55℃にて3時間乾燥する。この乾
燥ビーズの14メツシユを通過し32メツシユを通過しない
ものを裸ビーズKとする。この裸ビーズKの組成は次の
通りである。
ク4gを均一に混合し、この混合ビーズ280mgをカプセル
に充填して持続性カプセル1−1を製した。
常な男子成人3名に食後30分後に水180mlと共に投与
し、経時的に血漿中のジクロフエナクナトリウム濃度を
液体クロマトグラフ法によつて測定した。その結果を第
4図に示した。本発明による持続性カプセルは長時間に
わたつて血漿中濃度を維持している。
混合、微粉砕して微粉末nとする。別に、フマル酸200g
とコーンスターチ200gを混合、微粉砕して微粉末oとす
る。20〜28メツシユに整粒した白糖600gを芯として、ま
ず微粉末n、次いで微粉末oを用い、ヒドロキシプロピ
ルセルロース30gをエチルアルコール570gに溶解した液
をかけながら転動造粒し、55℃にて3時間乾燥する。こ
の乾燥ビーズの14メツシユを通過し28メツシユを通過し
ないものを裸ビーズMとする。この裸ビーズMの組成は
次の通りである。
組成のコーテイング液1667gを常法に従つてスプレーコ
ーテイグを行い、持続性ビーズm−1を製した。このも
のの被覆量は裸ビーズ重量に対して約20%であつた。
エナクナトリウムの溶出率と時間の関係を示す図面であ
る。 第2図は、試験例2の溶出試験の結果を示し、ジクロフ
エナクナトリウムの溶出率と時間の関係を示す図面であ
る。 第3図は、試験例3の血漿中ジクロフエナクナトリウム
濃度と時間の関係を示す図面である。 第4図は、試験例4の血漿中ジクロフエナクナトリウム
濃度と時間の関係を示す図面である。
Claims (11)
- 【請求項1】ジクロフエナクナトリウム及び有機酸を含
有する医薬組成物に徐放化被膜を施した徐放性ジクロフ
エナクナトリウムを含有する持続性ジクロフエナクナト
リウム製剤。 - 【請求項2】ジクロフエナクナトリウム100重量部に対
し有機酸を2〜50重量部含有することを特徴とする請求
項1記載の持続性ジクロフエナクナトリウム製剤。 - 【請求項3】徐放化被膜が、pH約5.5〜約7で溶解する
腸溶性高分子を含有するものである請求項1記載の持続
性ジクロフエナクナトリウム製剤。 - 【請求項4】徐放化被膜が、pH約7で溶解する腸溶性高
分子を含有するものである請求項3記載の持続性ジクロ
フエナクナトリウム製剤。 - 【請求項5】徐放化被膜が、メタアクリル酸コポリマー
S1重量部、グリセリン脂肪酸エステル0.03〜0.3重量部
及びタルク0.01〜1.5重量部からなるものである請求項
4記載の持続性ジクロフエナクナトリウム製剤。 - 【請求項6】徐放化被膜が、非水溶性高分子を含有する
ものである請求項1記載の持続性ジクロフエナクナトリ
ウム製剤。 - 【請求項7】徐放化被膜が、エチルセルロース1重量
部、ポリビニルピロリドン0.2〜0.5重量部及びタルク0.
01〜1.5重量部からなるものである請求項6記載の持続
性ジクロフエナクナトリウム製剤。 - 【請求項8】徐放化被膜の量が、医薬組成物の1〜80重
量%である請求項1〜7の何れか1項記載の持続性ジク
ロフエナクナトリウム製剤。 - 【請求項9】請求項1記載の徐放性ジクロフエナクナト
リウム及び全ジクロフエナクナトリウムの10〜50重量%
に相当する速溶性ジクロフエナクナトリウムを含有する
持続性ジクロフエナクナトリウム製剤。 - 【請求項10】徐放性ジクロフエナクナトリウムと速溶
性ジクロフエナクナトリウムが混合されたものである請
求項9記載の持続性ジクロフエナクナトリウム製剤。 - 【請求項11】徐放性ジクロフエナクナトリウムと速溶
性ジクロフエナクナトリウムを別層に組合せたものであ
る請求項9記載の持続性ジクロフエナクナトリウム製
剤。
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