JPH0710957Y2 - 車両の乗降ステツプ構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、車室のフロアが比較的高く設定されているた
めに乗降口に一段低くステップを設けた車両に適用さ
れ、乗降時以外は該ステップをカバーしてフロア面の拡
大を図った乗降ステップ構造に関する。

〈従来の技術〉 上記のように車室のフロアより低いステップを乗降口に
設けた車両としては第６図に示すような所謂1BOX車があ
る。この車両はスライド式のリヤドア１を備え、このリ
ヤドア１によって開閉される乗降口にステップを設けて
ある。第６図中のＡ−Ａ矢視断面を表す第７図に示すよ
うに、スライド式のリヤドア１によって開閉される乗降
口に車室のフロア２より一段低くステップ３が設けられ
ており、乗員の乗降性向上を図っている。尚、リヤドア
１にはロアアーム４が取付けられており、ロアアーム４
に設けられたローラ５がガイドレール６及びガイド面７
上を転動することによりリヤドア１のスライド動が所定
の軌道でなされる。すなわち、ガイドレール６は後方へ
いくに従って車体外側へ曲設されており、後方へスライ
ドして開放されるリヤドア１は開放状態では車体から少
し離隔して位置する。

〈考案の解決しようとする問題点〉 上記した従来の乗降ステップ構造にあっては、ステップ
３を設けた分フロア２の有効面積が小さくなるため実用
上次のような問題点があった。すなわち、ステップ３の
側部や後部のフロア２上には座席が設置されているが、
これら座席に着座した乗員の足元にステップ３により形
成された穴があるために、乗員の着座姿勢が不自然に規
制されたり、或いは車室内に積込んだ荷物がステップ３
へ落下してしまったりという不具合があった。

本考案は上記従来の事情に鑑みなされたもので、乗降時
以外はステップをカバーして有効なフロア面積の拡大を
実現する車体の乗降ステップ構造を提供することを目的
とする。

〈問題点を解決するための手段〉 本考案に係る車両の乗降ステップ構造は、乗降口にフロ
アより低いステップを有した車両において、フロアの縁
部に回動自在に設けられてステップ上方において該フロ
アと連続し得るステップカバーと、ステップカバーを上
方へ回動付勢してフロアと連続させる付勢手段と、乗降
口を開閉するドアの閉時にステップカバーに係合して該
ステップカバーをフロアと連続した上方回動位置に保持
するロック部材と、ドアとステップカバーとを連結して
該ドアの開放動によりステップカバーを下方へ回動させ
るワイヤとを備えたことを特徴とする。

〈作用〉 ドアが開放された乗降時には、ステップカバーを下方回
動位置に保持してステップを露呈させ、乗員の乗降性を
良好にする。一方、ドアが閉止された時には、ステップ
カバーを上方回動位置に保持してフロアと連続させ、フ
ロアの有効面積を拡大する。

〈実施例〉 本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。尚、従来
と同一部分には同一符号を付して重複する説明は省略す
る。

第１図はリヤドアを閉止した状態を第６図中のＡ−Ａ矢
視断面に対応して表し、第２図はその平面視を表し、第
３図はリヤドアを開放した状態を第６図中のＡ−Ａ矢視
断面に対応して表し、第４図はその平面視を表し、第５
図はステップカバーの斜視を表している。

図示のように、ステップ３側のフロア２の縁部にはヒン
ジ８を介してステップカバー９が上下方向へ回動自在に
設けられており、このステップカバー９はステップ３と
ほぼ等しい面積を有している。ヒンジ８には付勢手段と
してばね10が設けられており、これらばね10はステップ
カバー９を上方へ回動させてステップカバー９がフロア
２と連続した上方回動位置に位置するよう付勢してい
る。また、リヤドア１にはロック部材11が突設されてお
り、リヤドア１を閉止した状態でロック部材11は上方回
動位置にあるステップカバー９のロック用穴9aに係合す
る。従って、第１図に示すように上方回動位置にあるス
テップカバー９は、フロア２とリヤドア１とによりその
両側から支持され、十分な強度にてフロア２と連続した
状態に保持される。

一方、ステップカバー９とリヤドア１に取付けられたロ
アアーム４との間にはワイヤ12が介装されており、ワイ
ヤ12は車体に設けられた幾つかのローラ13により案内さ
れている。従って、リヤドア１を開放させるとこの開放
動に伴ってステップカバー９は、ワイヤ12を介して下方
へ引張られ、ばね10に抗して第３図に示すように下方回
動位置まで下方へ回動してステップ３を露呈させる。

上記構成の乗降ステップ構造によれば、リヤドア１を開
放した乗降時にはステップ３が露呈して乗員の乗降性が
良好となり、一方、リヤドア１を閉止した時にはステッ
プ３の上方にフロア２と連続したフロア面がステップカ
バー９により形成されてフロアの有効面積が拡大され
る。

尚、本考案は上記実施例に限定されるものではなく種々
の変更を加えることができ、例えばばね10を構造や材質
の異なる他の弾性部材に変更したり、或いはロック部材
11をリヤドア１を閉止した時にフロア面から突出してス
テップカバー９を支持するよう構成したり、或いはリヤ
ドア１を回動式のものにしたりすることもできる。更
に、本考案の適用対象となる車両は、上記実施例の車両
以外にも例えばバス、トラック等のようにステップを備
えたものであれば特に限定はない。

〈考案の効果〉 本考案に係る車両の乗降ステップ構造によれば、ステッ
プを必要とする乗降時、すなわちドアの開放時以外には
ステップをステップカバーにより覆い、フロアの有効面
積を拡大することができる。このため、乗員の足元スペ
ースを十分に確保することができると共に、広く且つ平
坦な積荷スペースを実現することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る乗降ステップ構造をド
アを閉止した状態で表す断面図、第２図はその平面図、
第３図は本考案の一実施例に係る乗降ステップ構造をド
アを開放した状態で表す断面図、第４図はその平面図、
第５図はステップカバーの斜視図、第６図は車両の斜視
図、第７図は従来の乗降ステップ構造を表す断面図であ
る。 図示中、 １はリヤドア、２はフロア、３はステップ、８はヒン
ジ、９はステップカバー、10はばね、11はロック部材、
12はワイヤである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】乗降口にフロアより低いステップを有した
   車両において、フロアの縁部に回動自在に設けられてス
   テップ上方において該フロアと連続し得るステップカバ
   ーと、ステップカバーを上方へ回動付勢してフロアと連
   続させる付勢手段と、乗降口を開閉するドアの閉時にス
   テップカバーに係合して該ステップカバーをフロアと連
   続した上方回動位置に保持するロック部材と、ドアとス
   テップカバーとを連結して該ドアの開放動によりステッ
   プカバーを下方へ回動させるワイヤとを備えたことを特
   徴とする車両の乗降ステップ構造。